JPH11334956A - 帯状材の張力制御方法及びその張力制御装置 - Google Patents

帯状材の張力制御方法及びその張力制御装置

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JPH11334956A
JPH11334956A JP14977898A JP14977898A JPH11334956A JP H11334956 A JPH11334956 A JP H11334956A JP 14977898 A JP14977898 A JP 14977898A JP 14977898 A JP14977898 A JP 14977898A JP H11334956 A JPH11334956 A JP H11334956A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯状材に働く遠心力に起因する帯状材のスリ
ップを防止するようにした帯状材の張力制御装置などの
提供。 【解決手段】 張力補償値演算器63は、帯状材Aの板
厚W、板幅t、搬送速度Vなどから張力補償値ΔTを求
める。この張力補償値ΔTは、帯状材Aに作用する遠心
力によって生ずるロール1aと帯状材Aとの間の面圧の
減少分を補償するためのものである。加算器65は、基
準張力設定器64で設定される基準張力Tに対してその
張力補償値ΔTを加算し基準張力Tを補正する。加算器
66は加算器65から出力される補正された基準張力
と、張力実績値算出器61から出力される張力実績値T
fbとから両者の偏差を求める。張力制御器67は、加
算器66から出力される張力の偏差が零になるように電
動機2の駆動制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼帯、紙などの帯
状材を製造または処理する設備において、その帯状材に
働く張力を一定に制御する帯状材の張力制御方法および
その張力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、帯状材の張力を一定にする制
御装置の一例として、図4に示すように、鋼板を製造す
る設備に適用したものが知られている。
【0003】この製造設備は、図4に示すように、帯状
材Aを巻き掛ける円筒状の複数のロール1a、1b…
と、ロール1aを回転駆動する電動機2と、この電動機
2の制御により帯状材Aの張力が一定となる制御を行う
張力制御装置3と、この張力制御装置3に接続される下
位計算機4と、この下位計算機4に接続される上位計算
機5とを備え、ロール1a、1b…に対して鋼板からな
る帯状材Aが張力を与えられた状態で巻き掛けられ、帯
状材Aが矢印の方向に向けて搬送されるようになってい
る。
【0004】張力制御装置3は、図4に示すように、電
動機2の実績トルク(発生トルク)に基づいて帯状材A
の張力実績値を求める張力実績値算出器31と、帯状材
Aの基準張力を設定する基準張力設定器32と、張力実
績値算出器31で求められた張力実績値と基準張力設定
器32で設定される基準張力との偏差を求める加算器3
3と、この加算器33で求められた偏差が零になるよう
に電動機2の駆動制御を行う、比例・積分制御器等から
なる張力制御器34とから構成される。
【0005】また、この製造設備では、帯状材Aの基準
張力を設定するのに必要なデータであるユニット張力
(単位面積当たりの張力)U、帯状材Aの板幅W、およ
びその板厚tが上記計算機5から下位計算機4に予め送
出されるようになっている。そして、帯状材Aの製造サ
イズに変更がある場合には、帯状材Aの変更点が予め定
められた位置を通過した時点で、下位計算機4がそのデ
ータを張力制御装置3の基準張力設定器32に送出でき
るように構成されている。
【0006】このような構成からなる従来の製造設備の
張力制御装置3では、基準張力設定器32が、下位計算
機4からユニット張力U、板幅W、および板厚tの各デ
ータを受け取り、基準張力T(T=W・t・U)を算出
する。張力実績値算出器31は、電動機2の実績トルク
に基づいて帯状材Aの張力実績値Tfbを求める。加算
器33は、張力実績値算出器31で求めた張力実績値T
fbと基準張力設定器32で設定されている基準張力T
との偏差を求める。張力制御器34は、その求めた偏差
が零になるように電動機2の駆動制御を行う。このよう
な制御により、電動機2の発生トルクが目標値になるよ
うなトルク一定制御が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ロール1a
に巻き付いた帯状材Aが静止している状態を考えると、
帯状材Aとロール1aとの間の面圧は帯状材Aに働く張
力に比例する。この静止状態からロール1aを回転させ
て帯状材Aに速度を与えると、帯状材Aのうちロール1
aに巻き付いた部分には、帯状材A自身の質量による遠
心力が働く。この遠心力は、帯状材Aとロール1aとの
間の面圧を減少させる方向に働く。従って、上述のよう
に、帯状材Aの張力を一定に制御する場合には、帯状材
Aとロール1aとの間の面圧が減少することになる。
【0008】このため、その遠心力の影響が無視できな
いような場合、例えば帯状材Aを高速で通板する場合な
どには、その面圧の減少が大きくなり帯状材Aのスリッ
プが発生するおそれがあるという新たな知見を得た。
【0009】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
ものであり、帯状材に働く遠心力に起因する帯状材のス
リップを防止するようにした帯状材の張力制御方法およ
びその張力制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の目的を達成するために、請求項1記載の発明によれ
ば、電動機により回転駆動されるロールに対して巻き掛
けられて移動する帯状材の張力実績値を求め、この求め
た張力実績値が基準張力に一致するように前記電動機の
駆動制御を行う帯状材の張力制御方法において、前記帯
状材に作用する遠心力の増加に応じて前記基準張力を増
加するようにした帯状材の張力制御方法が提供される。
【0011】また、請求項2記載の発明によれば、電動
機により回転駆動されるロールに対して巻き掛けられて
移動する帯状材の張力実績値を求め、この求めた張力実
績値が基準張力に一致するように前記電動機の駆動制御
を行う帯状材の張力制御方法において、前記帯状材に作
用する遠心力によって生ずる前記ロールと前記帯状材と
の間に面圧の減少分を補償する張力補償値を求め、この
求めた張力補償値を前記基準張力に加算してその基準張
力を補正するようにした帯状材の張力制御方法が提供さ
れる。
【0012】さらに、本発明では、以下のような対応も
提供される。すなわち、請求項3記載の発明によれば、
電動機によって回転駆動されるロールに対して巻き掛け
られて移動する帯状材の張力実績値を求める張力算出手
段と、前記帯状材の基準張力を設定する基準張力設定手
段と、前記帯状材に作用する遠心力によって生ずる前記
ロールと前記帯状材との間の面圧の減少分を補償する張
力補償値を求める張力補償値算出手段と、この張力補償
値算出手段が求めた張力補償値を、前記基準張力設定手
段で求めた基準張力に加算して基準張力を補正する基準
張力補正手段と、前記張力算出手段で求めた張力実績値
が、前記基準張力補正手段で補正された基準張力に一致
するように前記電動機の駆動制御を行う制御手段とを備
えた帯状材の張力制御装置が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。まず、本発明の
実施の形態の説明に先立って、本発明の基本的に考え方
について説明する。
【0014】本発明は、電動機によって駆動されるロー
ルに巻き掛けられて移動する帯状材の張力が一定に制御
されている場合に、例えば帯状材が高速で通板される
と、帯状材に作用する遠心力が大きくなり、この遠心力
によりロールと帯状材との間の面圧が減少し、帯状材の
スリップが発生するおそれがあるという新知見に基づい
てなされたものである。
【0015】このような新知見に基づき、本発明は、帯
状材に作用する遠心力の増加に応じて基準張力を増加さ
せるようにしたものである。さらに詳細には、その遠心
力に伴う面圧の減少を補償するために、その面圧の減少
分に応じた張力補償値を求め、この求めた張力補償値を
基準張力に対して加算し、基準張力を補正するようにし
たものである。
【0016】次に、本発明の帯状材の張力制御方法およ
びその張力制御装置を、鋼板を製造する製造設備に適用
した場合の実施の形態について、図1〜図3を参照して
説明する。なお、この製造設備は、図4の製造設備と共
通する部分を有するので、その共通部分には同一符号を
付してその説明を適宜省略する。
【0017】図1に示すように、この製造設備は、帯状
材Aを巻き掛ける円筒状の複数のロール1a、1b…
と、ロール1aを回転する電動機2と、この電動機2の
制御により帯状材Aの張力が一定となる制御を行う張力
制御装置6と、この張力制御装置6に接続される下位計
算機4と、この下位計算機4に接続される上位計算機5
とを備え、ロール1a、1b…に対して鋼板からなる帯
状材Aが張力を与えられた状態で巻き掛けられ、帯状材
Aが矢印の方向に向けて搬送(移動)できるようになっ
ている。
【0018】張力制御装置6は、図1に示すように、張
力実績値算出器61、速度検出器62、張力補償値演算
器63、基準張力設定器64、加算器65、加算器6
6、および張力制御器67を備えている。
【0019】張力実績値算出器61は、電動機2の実績
トルクに基づいて帯状材Aの張力実績値Tfbを求め、
この求めた張力実績値Tfbを加算器66に出力するよ
うに構成される。速度検出器62は、帯状材Aの搬送速
度Vを検出し、この検出搬送速度Vを張力補償値演算器
63に出力するように構成される。
【0020】張力補償値演算器63は、下位計算機4か
ら出力される帯状材Aの板厚W、板幅t、および速度検
出器62から供給される帯状材Aの搬送速度Vなどか
ら、所定の時刻毎に後述の演算式により張力補償値ΔT
を求め、この求めた張力補償値ΔTを加算器65に出力
するように構成される。その張力補償値ΔTは、帯状材
Aに作用する遠心力によって生ずるロール1aと帯状材
Aとの間の面圧の減少分を補償するために求めるもので
ある。
【0021】基準張力設定器64は、下位計算機4から
出力されるユニット張力U、板幅W、および板厚tの各
データを受け取り、帯状材Aの基準張力T(T=W・t
・U)を求め、この求めた基準張力Tを加算器65に出
力するように構成される。
【0022】加算器65は、基準張力設定器64で求め
られた基準張力Tに対して、張力補償値演算器63で演
算された張力補償値ΔTを加算し、その加算値を補正さ
れた基準張力として加算器66に出力するように構成さ
れる。
【0023】加算器66は、加算器65から出力される
補正された基準張力と、張力実績値算出器61から出力
される張力実績値Tfbとから両者の偏差を求め、この
求めた偏差を張力制御器67に出力するように構成され
る。張力制御器67は、加算器66から出力される張力
の偏差が零になるように電動機2の駆動制御を行うよう
に構成される。
【0024】次に、このような構成からなる製造設備の
張力制御装置6の動作の一例について、図面を参照して
説明する。張力実績値算出器61は、電動機2の実績ト
ルクに基づいて帯状材Aの張力実績値Tfbを求め、こ
の求めた張力実績値Tfbを加算器66に出力する。
【0025】具体的には、張力実績値算出器61は、以
下のようにして得られる演算式(3)により帯状材Aの
張力実績値Tfbを算出するので、その演算式の求め方
について説明する。
【0026】いま、電動機2の定格出力をP〔kW〕、
電動機2の定格回転数をN〔rpm〕とすると、電動機
の定格トルクτ〔kgf・m〕は次の(1)式で求ま
る。 τ=973×P/N …(1) ただし、電動機の定格出力Pおよび定格回転数Nは、い
ずれも定数であって既知である。
【0027】また、電動機2の加減速率をα〔mpm/
sec〕、電動機軸に換算したはずみ車効果をGDM 2
〔kg・m2 〕とすると、電動機2の加減速トルクτa
〔kgf・m〕は次の(2)式で求まる。
【0028】 τa=GDM 2 /375×dN/dt …(2) ただし、Gは全質量(kg)、DM は等価回転直径、d
N/dt=α/π/Dであり、また加減速率αは加速、
一定速度、減速の切換が可能な定数であって既知であ
る。
【0029】さらに、電動機2のメカロストルクをτm
〔kgf・m〕、ロール径(コイル径)をD〔m〕、電
動機2の減速比を1/r、電動機のトルク実績をL
〔%〕とすると、帯状材Aの張力実績値Tfbは、次の
(3)式で表される。
【0030】 Tfb=(τ・L/100−τa−τm)/(D/2)×r〔kgf〕…(3 ) (3)式において、(τ・L/100−τa−τm)は
損失分などを除いた電動機2が出力する有効なトルクを
表し、また(3)式中のトルク実績L以外は予め既知で
あったり求めておくことができる。さらに、(3)式中
のトルク実績Lは、定格トルクτに対する比率を示し、
電動機2を駆動するドライバ装置(インバータなど)に
て検出できる。従って、張力実績値算出器61は、その
予め既知の各データと、その検出可能なトルク実績Lに
基づき、(3)式により帯状材Aの張力実績値Tfbを
算出できる。
【0031】速度検出器62は、帯状材Aの搬送速度V
を検出し、この検出搬送速度Vを張力補償値演算器63
に出力する。張力補償値演算器63は、下位計算機4か
ら出力される帯状材Aの板厚W、板幅t、および速度検
出器62から供給される帯状材Aの搬送速度Vなどか
ら、後述の演算式(15)により張力補償値ΔTを求
め、この求めた張力補償値ΔTを加算器65に出力す
る。
【0032】次に、張力補償値演算器63が張力補償値
ΔTを求める際の演算式(15)の求め方について、図
2および図3を参照して具体的に説明する。いま、帯状
材Aの静止状態における張力の釣り合いを考えると、図
2に示すように、ロール1aに巻き掛けられた帯状材A
に対して張力T1〔N〕が与えられているとする。ここ
で、帯状材Aのロール1aに対する巻付き部の微小部分
aに着目すると、次の(4)式が成立する。
【0033】 dN=2×T1sin(dθ/2) …(4) (4)式において、dNは微小部分aに働く抗力〔N〕
であり、dθは微小部分aの巻付き角〔rad〕であ
る。
【0034】巻付き角dθは微小であるので、(4)式
は、次の(5)式にように近似できる。 dN≒T1・dθ …(5) また、帯状材Aの微小部分aとロール1aとが接触して
いる面積dS〔m2 〕は、次の(6)式のようになる。
【0035】dS=Rdθ・W …(6) (6)式において、Rはロールの半径〔m〕であり、W
は帯状材Aの幅〔m〕である。
【0036】そこで、帯状材Aとロール1aとの間の面
圧をP1〔N/m2 〕とすると、微小部分aに働く抗力
dNは、次の(7)式となる。 dN=P1・dS=P1・Rdθ・W〔N〕 …(7) 帯状材Aとロール1aとの間の面圧をP1は、(5)式
と(7)式とにより次の(8)式のようになる。
【0037】P1=T1/W/R …(8) 次に、同じ帯状材Aが同一張力の下に、速度V〔m/s
ec〕で通板されている状態を考えることにする(図3
参照)。この場合に、微小部分aに働く遠心力はdF
〔N〕は、次の(9)式となる。
【0038】 dF=dm・V2 /R =Rdθ・W・t・ρ・V2 /R =W・t・ρ・V2 ・dθ …(9) (9)式において、tは帯状材Aの厚み〔m〕であり、
ρは帯状材Aの密度〔kg/m3 〕である。
【0039】また、(5)式を参考にすると、次の(1
0)式が成立する。 dN+dF≒T1・dθ …(10) このため、この場合の面圧をP2とすると、(7)式、
(9)式、(10)式により次の(11)式が成立す
る。
【0040】 P2・Rdθ・W+W・t・ρ・V2 ・dθ≒T1・dθ …(11) 従って、(11)式から面圧P2は次の(12)式のよ
うになる。 P2=T1/W/R−t・ρ・V2 /R …(12) (8)式、(12)式から、遠心力による面圧の減少分
ΔP〔N/m2 〕は、次の(13)式で演算できる。
【0041】 ΔP=P1−P2=t・ρ・V2 /R …(13) 従って、面圧を一定に保つために必要な張力補償値をΔ
T〔N〕とすると、(8)式と(12)式を参考にして
次の(14)式が成立する。
【0042】 T1/W/R=(T1+ΔT)/W/R−t・ρ・V2 /R …(14) この(14)式を変形することにより、張力補償値ΔT
は次の(15)式により算出できる。
【0043】ΔT=W・t・ρ・V2 …(15) 従って、張力補償値演算器63は、(15)式により張
力補償値ΔTを求めることができる。そこで、例えば、
帯状材Aを鋼帯とし、その密度ρを7850〔kg/m
3 〕、板幅Wを1300〔mm〕、板厚tを0.32
〔mm〕、ライン速度Vを940〔m/min〕とする
と、(15)式から張力補償値ΔTは、 ΔT=7850×1300×0.32×10-6×(940/60)2 =801.5〔N〕 =81.7〔kgf〕 となり、この値はUNIT張力(単位面積当たりの張
力)に換算すると、81.7/(1300×0.32)
≒0.20〔kgf/mm2 〕となる。
【0044】次に、基準張力設定器64は、下位計算機
4から出力されるユニット張力U、板幅W、および板厚
tの各データを受け取り、帯状材Aの基準張力T(T=
W・t・U)を求め、この求めた基準張力Tを加算器6
5に出力する。
【0045】加算器65は、基準張力設定器64で求め
られた基準張力Tに対して、張力補償値演算器63で演
算された張力補償値ΔTを加算し、その加算値を補正さ
れた基準張力として加算器66に出力する。
【0046】加算器66は、張力実績値算出器61から
出力される張力実績値Tfbと、加算器65から出力さ
れる補正された基準張力とから両者の偏差を求め、この
求めた偏差を張力制御器67に出力する。張力制御器6
7は、加算器66から出力される張力の偏差が零になる
ように電動機2の駆動制御を行う。
【0047】以上説明したように、この実施の形態の張
力制御装置61では、帯状材Aに働く遠心力よって生ず
るロール1aと帯状材Aとの間の面圧の減少分を補償す
る張力補償値ΔTを張力補償値演算器63で求め、この
求めた張力補償値ΔTを基準張力設定器64で求めた基
準張力に加算して基準張力を補正するようにした。この
ため、例えば帯状材Aを高速で通板する場合など、遠心
力の影響を無視できずに帯状材Aのスリップを発生させ
る懸念がある場合には、帯状材Aの搬送速度やそのサイ
ズなどに拘わらず帯状材Aとロール1aとの間に働く面
圧を一定に保つことができるようになり、帯状材Aのス
リップを防止できる。
【0048】ここで、請求項3に記載の張力算出手段は
図1の張力実績値算出器61が対応し、基準張力設定手
段は基準張力設定器64が対応し、張力補償値算出手段
は張力補償値演算器63が対応し、基準張力補正手段は
加算器65が対応し、制御手段は加算器66および張力
制御器67が対応する。
【0049】なお、上記のように、この実施の形態の張
力制御装置61では、帯状材Aに働く遠心力よって生ず
るロール1aと帯状材Aとの間の面圧の減少分を補償す
る張力補償値ΔTを(15)式により求め、この求めた
張力補償値ΔTを基準張力Tに加算してその基準張力T
を補正するようにした。しかし、本発明に係る張力制御
装置は、帯状材Aに働く遠心力の増加に応じて基準張力
Tを増加させるような構成であれば良い。従って、例え
ば帯状材Aの板厚t、板幅Wなどが固定の場合には、そ
の帯状材Aの搬送速度Vに応じて基準張力を増加させる
ように構成することができ、この場合にはその制御や構
成が簡易となる。
【0050】また、上記の説明では、実施の形態の張力
制御装置を、鋼板を製造する製造設備の一部に設けたロ
ール1aを駆動する電動機2に適用した場合について説
明した。しかし、本発明かかる張力制御装置は、鋼板を
製造する製造設備の他の部分、例えば、帯状材の巻き取
り機、帯状材の巻き戻し機、または帯状材に適宜な処理
を施すためのブライドルロールなどの各ロールを回転駆
動する電動機に適用し、その各ロールに巻き掛けられた
帯状材のスリップを防止することができる。
【0051】さらに、上記の説明では、実施の形態の張
力制御装置を、鋼板を製造する製造設備の一部に適用し
た場合について説明したが、これに代えて紙などを製造
する製造設備の一部に適用することもできる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明では、帯状材に作用する遠心力に応じて前記基準張力
を増加するようにしたので、例えば帯状材を高速で通板
する場合など、遠心力の影響を無視できずに帯状材のス
リップを発生させる懸念がある場合には、帯状材の搬送
速度やそのサイズなどに拘わらず帯状材とロールとの間
に働く面圧を一定に保つことができるようになり、帯状
材のスリップを防止できる。
【0053】請求項2および請求項3に係る発明では、
帯状材に働く遠心力によって生ずるロールと帯状材との
間の面圧の減少分を補償する張力補償値を求め、この求
めた張力補償値を基準張力に加算して基準張力を補正す
るようにしたので、請求項1に係る発明と同様な効果が
確実に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯状材の張力制御方法およびその張力
制御装置を、鋼板を製造する製造設備に適用した場合の
実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】静止状態におけるロールに巻き掛けられた帯状
材の力の釣り合いを示す図である。
【図3】速度を与えられた状態におけるロールに巻き掛
けられた帯状材の力の釣り合いを示す図である。
【図4】従来装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
A 帯状材 1a、1b ロール 2 電動機 4 下位計算機 6 張力制御装置 61 張力実績値算出器 62 速度検出器 63 張力補償値演算器 64 基準張力設定器 65、66 加算器 67 張力制御器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機により回転駆動されるロールに対
    して巻き掛けられて移動する帯状材の張力実績値を求
    め、この求めた張力実績値が基準張力に一致するように
    前記電動機の駆動制御を行う帯状材の張力制御方法にお
    いて、 前記帯状材に作用する遠心力の増加に応じて前記基準張
    力を増加するようにしたことを特徴とする帯状材の張力
    制御方法。
  2. 【請求項2】 電動機により回転駆動されるロールに対
    して巻き掛けられて移動する帯状材の張力実績値を求
    め、この求めた張力実績値が基準張力に一致するように
    前記電動機の駆動制御を行う帯状材の張力制御方法にお
    いて、 前記帯状材に作用する遠心力によって生ずる前記ロール
    と前記帯状材との間に面圧の減少分を補償する張力補償
    値を求め、この求めた張力補償値を前記基準張力に加算
    してその基準張力を補正するようにしたことを特徴とす
    る帯状材の張力制御方法。
  3. 【請求項3】 電動機によって回転駆動されるロールに
    対して巻き掛けられて移動する帯状材の張力実績値を求
    める張力算出手段と、 前記帯状材の基準張力を設定する基準張力設定手段と、 前記帯状材に作用する遠心力によって生ずる前記ロール
    と前記帯状材との間の面圧の減少分を補償する張力補償
    値を求める張力補償値算出手段と、 この張力補償値算出手段が求めた張力補償値を、前記基
    準張力設定手段で求めた基準張力に加算して基準張力を
    補正する基準張力補正手段と、 前記張力算出手段で求めた張力実績値が、前記基準張力
    補正手段で補正された基準張力に一致するように前記電
    動機の駆動制御を行う制御手段と、 を備えたことを特徴とする帯状材の張力制御装置。
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