JPH11334220A - 可逆性感熱記録材料 - Google Patents

可逆性感熱記録材料

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JPH11334220A
JPH11334220A JP11074799A JP7479999A JPH11334220A JP H11334220 A JPH11334220 A JP H11334220A JP 11074799 A JP11074799 A JP 11074799A JP 7479999 A JP7479999 A JP 7479999A JP H11334220 A JPH11334220 A JP H11334220A
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哲也 天野
Kazumi Suzuki
一己 鈴木
Atsushi Kutami
篤 久田見
Yoshihiko Hotta
吉彦 堀田
Takeshi Watanabe
毅 渡邉
Ryoji Furuta
良治 古田
Takashi Ukaji
孝志 宇加地
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に画像形成・消去装置のサーマル
ヘッド等によるエネルギー印加時間が短パルスの場合
や、印加圧力が高い場合において、画像形成と消去を繰
り返してもオーバーコート層表面にクラックが生じるこ
とがなく、視認性に優れ、更にスティッキングが発生す
ることがなく、画像が劣化するのを抑えた可逆性感熱記
録材料及びそれを用いた画像表示方法を提供すること。 【解決手段】 支持体上に温度に依存して透明度又
は色調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層
上にオーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料にお
いて、該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそ
れに相当する動的緩和現象温度が155℃以下の範囲で
あることを特徴とする可逆性感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可逆性感熱記録材
料に関し、詳しくは感熱層の温度による可逆的な透明度
又は色調変化を利用して、情報の書込み及び消去を繰り
返し行なうことのできる可逆性感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】可逆的な記録及び消去が可能な記録媒体
として、特開昭63−191673号公報には等方相転
移点がガラス転移点よりも高い高分子ネマチック液晶を
用い、光又は熱により書き換え可能な記録材料が、また
特開平2−135418号公報にはサーモトロピック高
分子コレステリック液晶からなる液晶フィルムを用い、
熱により書き換え可能なカラーの透過表示記録媒体が、
また特開昭63−315288号公報にはラクトン環を
有する電子供与性呈色性有機化合物とフェノール性水酸
基を有する電子受容性化合物とを液晶性媒体中に相溶さ
せた熱的に発消色可能な記録材料が、さらに特開平2−
188293号公報にはロイコ化合物とその化合物と熱
的に反応して顕色又は減色する顕減色剤からなる記録層
を設けた感熱記録媒体が、さらにまた特開昭54−11
9377号公報及び特開昭55−154198号公報な
どにはポリエステルなどの樹脂マトリックス中に高級ア
ルコールや高級脂肪酸などの低分子有機化合物を分散
し、温度により透明度が変化して記録及び消去が可能な
感熱記録層を有した記録媒体が、それぞれ、開示されて
いる。
【0003】しかし、従来の可逆性感熱記録媒体におい
ては、サーマルヘッドなどの加熱体により加熱して画像
形成する際に、加熱体と記録層との摩擦力が大きいため
にスティッキングしたり、加熱体の熱及び圧力により表
面が変形しやすいために表面にサーマルヘッドのドット
密度に相当した周期的な凹凸ができ、画像形成と消去を
繰り返すうちにその変形量が増大して、鮮明な画像を形
成することは困難であった。
【0004】この問題を解決するために、特開昭62−
55650号公報においてシリコン樹脂、シリコンゴム
などのオーバーコート層を設けて表面の摩擦係数を小さ
くする方法が提案されたが、このオーバーコート層は感
熱記録層との接着性が不十分なため、繰り返しの機械的
作用により剥がれ、画像が劣化する問題が発生した。さ
らに、この接着性を改善するために、特開平1−133
781号公報において可逆性感熱記録層上に樹脂を主成
分とする中間層と耐熱性樹脂を主成分とするオーバーコ
ート層を順次設けた可逆性感熱記録媒体が提案されてい
る。中間層によって接着性は改善され、耐熱性樹脂から
なるオーバーコート層によって記録媒体表面の変形は小
さくなる。しかし、印字と消去を何回も繰り返すとステ
ィッキングにより傷が発生したり、オーバーコート層の
一部が剥離してサーマルヘッドに付着し、その剥離物が
蓄積するとサーマルヘッドからの熱伝導が低下して画像
形成ができなくなる。
【0005】また更に、特開平9−142037号公報
において、これら問題点を解決するために、感熱層上に
250℃以下のtanδ(tanδ=動的弾性率G’と
動的弾性損失G"の比G"/G’)のピーク温度又はそれに
相当する動的緩和現象温度を有さないオーバーコート層
を設けた可逆性感熱記録媒体が提案されている。このオ
ーバーコート層によってサーマルヘッド等の加熱体によ
る画像形成と消去を繰り返し行なってもサーマルヘッド
のドット密度に相当した周期的な表面の凹凸の発生をか
なり抑制できる。
【0006】しかしながら、現在これらの可逆性感熱記
録媒体に画像形成及び消去を行なう画像形成・消去装置
の画像処理高速化にともない、多様な画像形成・消去装
置が使用されているが、サーマルヘッド等での画像処理
を短縮するために、エネルギー印加時間を数msecオ
ーダーの短パルスにした場合や、鮮明な画像を得るため
にサーマルヘッド等の加熱体による印加圧力を高くした
場合において、画像形成と消去を繰り返すとオーバーコ
ート層表面にクラックが生じ、透明度が低下するため視
認性が悪化する問題があり、また、このクラック発生量
の増加にともないオーバーコート層表面状態が悪化し、
画像形成・消去装置においての搬送性が悪化することで
スティッキングが発生し、画像が劣化する問題があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を
解決し、特に画像形成・消去装置のサーマルヘッド等に
よるエネルギー印加時間が短パルスの場合や、印加圧力
が高い場合において、画像形成と消去を繰り返してもオ
ーバーコート層表面にクラックが生じることがなく、視
認性に優れ、更にスティッキングが発生することがな
く、画像が劣化するのを抑えた可逆性感熱記録材料及び
それを用いた画像表示方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような課題は、本
発明の、(1)「支持体上に温度に依存して透明度又は
色調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上
にオーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料におい
て、該オーバーコート層のtanδ(tanδ=動的弾
性率G’と動的弾性損失G"の比G"/G’)ピーク温度又
はそれに相当する動的緩和現象温度が155℃以下の範
囲であることを特徴とする可逆性感熱記録材料」、
(2)「支持体上に温度に依存して透明度又は色調が可
逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上にオーバ
ーコート層を設けた可逆性感熱記録材料において、該オ
ーバーコート層のtanδピーク温度又はそれに相当す
る動的緩和現象温度が該感熱層の発色温度+35℃以下
であることを特徴とする可逆性感熱記録材料」、(3)
「該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれに
相当する動的緩和現象温度が120℃以上の範囲である
ことを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の可
逆性感熱記録材料」、(4)「前記オーバーコート層が
2層以上のオーバーコート層からなることを特徴とする
前記(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録材
料」、(5)「前記オーバーコート層の表面の中心線平
均粗さ(Ra)が0.05μm以上であることを特徴と
する前記(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録
材料」、(6)「前記オーバーコート層の表面に標準面
積当たり山数(Pc)が3個以上の凸部を設けたことを
特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の可逆性感
熱記録材料」、(7)「前記オーバーコート層の表面の
摩擦係数が0.10以下であることを特徴とする前記
(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録材料」、
(8)「前記オーバーコート層の少なくとも一部分が熱
硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物、又は電子
線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする前記
(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録材料」、
(9)「前記オーバーコート層中の樹脂組成物が紫外線
照射、電子線照射又は熱により硬化されたものであるこ
とを特徴とする前記(8)項に記載の可逆性感熱記録材
料」、(10)「前記感熱層中に含まれる樹脂の少なく
とも一部分が熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組
成物、又は電子線硬化性樹脂組成物からなることを特徴
とする前記(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記
録材料」、(11)「前記感熱層中に含まれる樹脂が紫
外線照射、電子線照射又は熱により架橋されたものであ
ることを特徴とする前記(10)項に記載の可逆性感熱
記録材料」、(12)「前記可逆性感熱記録材料に前記
感熱層以外に情報記録部を設けたことを特徴とする前記
(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録材料」、
(13)「前記情報記録部が磁気記録層であり、磁気記
録層を支持体と感熱層の間の全面又は一部分か、支持体
裏面の全面又は一部分か、或いは磁気ストライプを表示
面の一部分かのいずれかに設けたことを特徴とする前記
(12)項に記載の可逆性感熱記録材料」、(14)
「前記情報記録部がIC又は光メモリであり、前記可逆
性感熱記録材料の一部分に設けたことを特徴とする前記
(12)項に記載の可逆性感熱記録材料」、(15)
「前記可逆性感熱記録材料が2種類以上の支持体を貼り
合わせた構成からなることを特徴とする前記(1)、
(2)、(12)、(13)、(14)項のうち何れか
1に記載の可逆性感熱記録材料」、(16)「前記オー
バーコート層上の一部分か、支持体裏面の全面又は一部
分の何れか又は全てに着色剤及び樹脂バインダーを主成
分とするカラー印刷層を設けたことを特徴とする前記
(1)項又は(2)項に記載の可逆性感熱記録材料」、
(17)「前記オーバーコート層が2層のオーバーコー
ト層からなり、前記感熱層上の第1のオーバーコート層
上又は前記カラー印刷層上に第2のオーバーコート層を
設けたことを特徴とする前記(16)項に記載の可逆性
感熱記録材料」により達成される。
【0009】また、本発明の(18)「支持体上に温度
に依存して透明度又は色調が可逆的に変化する感熱層を
設け、更に該感熱層上にオーバーコート層を設けた可逆
性感熱記録材料において、該オーバーコート層のtan
δピーク温度又はそれに相当する動的緩和現象温度が1
55℃以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料
を、加熱により画像形成及び/又は画像消去することを
特徴とする画像形成・消去方法」、(19)「支持体上
に温度に依存して透明度又は色調が可逆的に変化する感
熱層を設け、更に該感熱層上にオーバーコート層を設け
た可逆性感熱記録材料において、該オーバーコート層の
tanδピーク温度又はそれに相当する動的緩和現象温
度が該感熱層の発色温度+35℃以下であることを特徴
とする可逆性感熱記録材料を、加熱により画像形成及び
/又は画像消去することを特徴とする画像形成・消去方
法」、(20)「前記加熱をサーマルヘッドで行なうこ
とを特徴とする前記(18)項又は(19)項に記載の
画像形成・消去方法」、(21)「前記画像消去をサー
マルヘッド、セラミックヒータ、ホットスタンプ、ヒー
トローラ、ヒートブロックの少なくとも1種を用いて行
なうことを特徴とする前記(18)項又は(19)項に
記載の画像形成・消去方法」によって達成される。
【0010】本発明の可逆性感熱記録材料に用いられる
「温度に依存して透明度又は色調が可逆的に変化する感
熱層」とは、温度変化によって目に見える変化を可逆的
に起す材料である。目に見える変化は色の状態の変化と
形状の変化に分けられるが、本発明では主に色の状態の
変化を起たす材料を使用する。色の状態の変化には、光
学的な透過率、反射率、吸収波長、散乱度などの変化が
あり、実際の可逆性感熱記録材料はこれらの変化の組合
せで情報の表示を行っている。より具体的には、熱によ
り透明度や色調が可逆的に変化するものならばどのよう
なものでもよいが、例えば常温より高い第1の特定温度
で第1の色の状態となり、第1の特定温度よりも高い第
2の特定温度で加熱し、その後冷却することにより第2
の色の状態となるもの、等が挙げられる。
【0011】特に第1の特定温度と第2の特定温度で色
の状態が変化するものが好適に用いられる。これらの例
としては、第1の特定温度で透明状態となり、第2の特
定温度で白濁状態となるもの(特開昭55−15419
8号公報)、第2の特定温度で発色し、第1の特定温度
で消色するもの(特開平4−224996号公報、特開
平4−247985号公報、特開平4−267190号
公報等)、第1の特定温度で白濁状態となり、第2の特
定温度で透明状態となるもの(特開平3−169590
号公報)、第1の特定温度で黒、赤、青等に発色し、第
2の特定温度で消色するもの(特開平2−188293
号公報、特開平2−188294号公報)等が挙げられ
る。これらの中でも特につぎの二つの材料が代表例とし
て挙げられる。 透明状態と白濁状態が可逆的に変化する材料 染料等の色が可逆的に変化する材料
【0012】としては、従来の技術の中で繰り返し示
されているような、ポリエステル等の樹脂母材中に高級
アルコール、高級脂肪酸等の有機低分子物質を分散した
感熱層が代表例として挙げられる。また、としては、
ロイコ系感熱記録材料の可逆性を増強したものが代表例
として挙げられる。
【0013】前記の透明度に変化を生じせしめるタイ
プの感熱層は、樹脂母材及びこの樹脂母材中に分散され
た有機低分子物質を主成分としたものである。ここでの
可逆性感熱記録材料は、後述するように、透明になる温
度の範囲がある。本発明の可逆性感熱記録材料は、前記
のごときの透明度変化(透明状態、白濁不透明状態)
を利用しており、そのメカニズムについては次のように
推測される。
【0014】すなわち、(I)透明の場合には樹脂母材
中に分散された有機低分子物質の粒子は有機低分子物質
と樹脂母材は隙間なく密着しており、また粒子内部にも
空隙はなく、片側から入射した光は散乱されることなく
反対側に透過するため透明に見えること、また、(I
I)白濁の場合には有機低分子物質の粒子は有機低分子
物質の微細な結晶で構成されており、結晶の界面若しく
は粒子と樹脂母材の界面に隙間ができ片側から入射した
光は空隙と結晶、空隙と樹脂の界面で屈折し、散乱され
るため白く見えること、等に由来している。
【0015】図1は本発明に係る感熱層の熱による透明
度の変化を表わす図である。図1において、樹脂母材と
この樹脂母材中に分散された有機低分子物質とを主成分
とする感熱層は、例えばT0以下の常温では白濁不透明
状態にある。これを加熱していくと温度T1から徐々に
透明になり、初め温度T2〜T3に加熱すると透明とな
り、この状態で再びT0以下の常温に戻しても透明のま
まである。これは温度T1付近から樹脂が軟化し始め、
軟化が進むにつれ、樹脂が収縮し樹脂と有機低分子物質
粒子との界面若しくは粒子内の空隙を減少させるため、
徐々に透明度が上がり、温度T2〜T3では有機低分子物
質が半溶融状態となり、残った空隙を溶融した有機低分
子物質が埋めることにより透明となり、種結晶が残った
まま冷却されると、比較的高温で結晶化し、その際樹脂
がまだ軟化状態のため、結晶化にともなう粒子の体積変
化に樹脂が追随し、空隙ができず透明状態が維持される
ためと考えられる。
【0016】さらにT4以上の温度に加熱すると、最大
透明度と最大不透明度との中間の半透明状態になる。次
に、この温度を下げていくと、再び透明状態をとること
なく最初の白濁不透明状態に戻る。これは温度T4以上
で有機低分子物質が完全に溶融した後、過冷却状態とな
りT0より少し高い温度で結晶化し、その際、樹脂が結
晶化にともなう体積変化に追随できず、空隙が発生する
ためであると思われる。ただし図1に示した温度−透明
度変化曲線は代表的な例を示しただけであり、材料を替
えることにより各状態の透明度等にその材料に応じて変
化が生じることになる。
【0017】以下、本発明を更に詳細に説明する。先に
記載したように、本発明者らは上記課題に関して鋭意検
討の結果、オーバーコート層の動的緩和現象を抑制する
ことにより、可逆性感熱記録材料表面におけるクラック
及びスティッキングを全て防止できることを見出した。
【0018】すなわち、本発明の可逆性感熱記録材料
は、前記したように155℃以下、或いは前記感熱層の
発色温度+35℃以下のtanδピーク温度またはそれ
に相当する動的緩和現象温度であるオーバーコート層を
感熱記録層上に設けることにより、特に画像形成と消去
を短パルスのエネルギー印加或いは印加圧力が高い状態
で行なっても、クラック及びスティッキングを防止した
可逆性感熱記録材料が提供される。
【0019】ここで、tanδは、動的熱機械測定によ
る動的弾性率G’と動的弾性損失G”の比G”/G’で
ある。そのピーク温度は、一般に知られている高分子の
複素動的弾性率のα分散(主分散)に相当する温度であ
り、β分散やγ分散(副分散)に相当する温度は含まな
い。動的熱機械測定による動的弾性率G’と動的弾性損
失G”は、試験片に種々の形の振動を与え、その状態の
温度依存性を観測し、決定される。振動の様式には、圧
縮や引っ張りによる縦振動、ねじれ振動、及びたわみ振
動などの自由減衰振動、又は圧縮、引っ張り、ねじれ又
は曲げなどの外力が作用した強制振動がある。試験片
は、それらの測定方法に適した形態で使用する。具体的
な試験片の形態は、繊維、フィルム、バルク、又はガラ
ス組み紐に試料とする材料を含浸させた複合体や金属ス
プリングに試料とする材料を塗布した複合体などであ
る。ただし、ガラス組み紐に試料とする材料を含浸させ
た複合体を試験片とし、自由ねじり減衰振動によって測
定する方法(Torsional BraidAnalysis法)は、複合試
験片を用いるため試料の動的弾性率G’や動的弾性損失
G”の絶対値を求めることは不可能である。したがっ
て、TBA法では、振動波形の相対的変化を観察し、相
対剛性率Gγと対数減衰率λが求まる。この対数減衰率
λが前記のtanδに相当し、そのピーク温度が動的緩
和現象温度である。
【0020】一般に可逆性感熱記録媒体は、記録及び/
又は消去時に瞬間的な熱エネルギー、せん断応力及びプ
ラテン圧力を受ける。この瞬間的な熱エネルギー、せん
断応力及びプラテン圧力により、オーバーコート層、又
はオーバーコート層と記録層が変形し、サーマルヘッド
のドット密度に相当した周期的な凹凸が発生すると考え
られる。すなわち、オーバーコート層のtanδのピー
ク温度又はそれに相当する動的緩和現象温度は、その物
理的な意味から、記録及び/又は消去時の瞬間的な熱エ
ネルギー、せん断応力及びプラテン圧力と密接な関係が
あると考えられ、オーバーコート層のtanδのピーク
温度又はそれに相当する動的緩和現象温度が高いほどサ
ーマルヘッドのドット密度に相当した周期的な凹凸の発
生を防止できると考えられる。
【0021】しかしながら、該オーバーコート層のta
nδのピーク温度又はそれに相当する動的緩和現象温度
が高くなりすぎると表面硬度及び耐熱性は増加すると考
えられるが、その反面で柔軟性(可とう性)が低下する
と考えられ、瞬間的な熱エネルギー、せん断応力及びプ
ラテン圧力に対して耐性が低下し、結果としてオーバー
コート層表面にクラックが生じ、このクラック量が増加
すると前記したステイッキングが発生すると考えられ
る。
【0022】また、この現象は該オーバーコート層と該
感熱層のそれぞれのtanδのピーク温度又はそれに相
当する動的緩和現象温度に違いがあるほど顕著であると
考えられる。これは該感熱層が比較的低温で熱変形する
のに対して、該オーバーコート層では比較的に高温であ
るため変形が生じることがなく、前記した熱エネルギ
ー、せん断応力及びプラテン圧力の繰り返し印加により
該感熱層と該オーバーコート層間に変形量の違いによる
層間歪みが生じるためクラックが生じやすくなると考え
られる。これらの鋭意検討の結果、オーバーコート層の
tanδのピーク温度又はそれに相当する動的緩和現象
温度が155℃以下あるいは前記感熱層の発色温度+3
5℃以下である時にこれらの課題を達成できることを見
出した。
【0023】このような効果に対してtanδのピーク
温度又はそれに相当する動的緩和現象温度は120℃以
上155℃以下が好ましく、更に好ましくは124℃以
上155℃以下であり、特に好ましくは130℃以上1
55℃以下である。
【0024】具体的な動的熱機械測定方法は、試験片に
強制振動を与える方法と試験片の自由振動による方法に
大別される。強制振動を与える方法では、測定機によっ
て規定された試験片を用いて、測定条件として空気中
0.01〜100Hzの振動数、1〜10℃/minの
昇温速度で測定する。好ましい振動数と昇温速度は、そ
れぞれ10Hzと3℃/minである。測定機とそれに
よって規定される試験片の形態や変形モードなどの条件
により、10Hzの振動数と3℃/minの昇温速度で
測定できない場合は、測定可能な条件で測定し、Bol
tmannの重ね合わせの原理に従って換算する。自由
振動による方法では、測定条件として空気中1〜10℃
/minの昇温速度で測定する。好ましくは、2〜3℃
/minである。
【0025】測定に使用する試験片の作成方法は、実際
に感熱記録層上にオーバーコート層を設ける場合と同様
に組成物を用いて、同様の乾燥温度と時間で乾燥し、同
様のエージング温度と時間でエージングし、及び/又は
同様の紫外線又は電子線を照射して、測定機によって規
定された形態にすることからなる。また、感熱記録層上
に形成された保護層をその記録層から剥離して、試験片
として使用することも可能である。
【0026】tanδのピーク温度又はそれに相当する
動的緩和現象温度が155℃以下あるいは前記感熱層の
発色温度+35℃以下であるオーバーコート層を得る方
法としては、オーバ一コート層の主成分として熱硬化性
樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物及び電子線硬化性
樹脂組成物を用いる方法が挙げられるが、それぞれ単独
ではなく、それらを複数組み合わせて使用してもよい。
それらの樹脂組成物は、一種類以上のポリマー、オリゴ
マー、モノマー、架橋開始剤、架橋促進剤、添加剤、及
び溶剤からなる群から選択される。特に、熱硬化性樹脂
組成物、紫外線硬化性樹脂組成物及び電子線硬化性樹脂
組成物を用いる方法は、感熱記録層との接着性の点で有
効である。
【0027】熱硬化性樹脂組成物からなるオーバーコー
ト層は、その組成物を感熱記録層上に塗布乾燥した後、
tanδのピーク温度又はそれに相当する動的緩和現象
温度が、155℃以下あるいは前記感熱層の発色温度+
35℃以下となるように、エージングすることによって
得られる。エージング温度は、使用する感熱記録層の主
成分である低分子有機化合物及び樹脂マトリックスの融
点以下であることが望ましい。エージング温度がそれら
の融点以上であると、目的とする可逆性感熱記録特性が
得られなくなる。そのため、エージング時間は、より低
いエージング温度ではより長くする必要がある。具体的
には、30〜60℃のエージング温度で1〜14日間で
ある。
【0028】紫外線硬化性樹脂組成物からなるオーバー
コート層は、その組成物を感熱記録層上に塗布乾燥した
後、tanδのピーク温度又はそれに相当する動的緩和
現象温度が155℃以下、あるいは前記感熱層の発色温
度+35℃以下になるように紫外線を照射することによ
って得られる。その照射エネルギーは、150〜150
0mJ/cm2である。紫外線硬化性樹脂組成物を用い
た場合、エージングは不要であり、熱硬化性樹脂組成物
の場合より低コストで簡便にtanδのピーク温度又は
それに相当する動的緩和現象温度が155℃以下あるい
は前記感熱層の発色温度+35℃以下であるオーバーコ
ート層が得られる。
【0029】電子線硬化性樹脂組成物からなるオーバー
コート層は、その組成物を感熱記録層上に塗布乾燥した
後、tanδのピーク温度又はそれに相当する動的緩和
現象温度が155℃以下あるいは前記感熱層の発色温度
+35℃以下になるように、電子線を照射することによ
って得られる。その照射エネルギーは、0.1〜10M
rad程度である。10Mrad程度以上であるとオー
バーコート層の硬化物及び/又は記録層のバインダー樹
脂の分解が発生してオーバーコート層及び/又は記録層
が着色し易くなる。電子線硬化性樹脂組成物を用いた場
合、紫外線硬化性樹脂組成物の場合と同様にエージング
は不要であり、熱硬化性樹脂組成物の場合より低コスト
で簡便にtanδのピーク温度又はそれに相当する動的
緩和現象温度が155℃以下あるいは前記感熱層の発色
温度+35℃以下になるオーバーコート層が得られる。
【0030】また、本発明において前記オーバーコート
層が2層以上のオーバーコート層から成ることによりサ
ーマルヘッドのドット密度に相当した周期的な凹凸を防
止する効果が向上し、更にクラック及びスティッキング
が発生するのを防止する効果が向上するものとなる。ま
た更に、本発明において前記オーバーコート層の表面の
中心線平均粗さ(Ra)が0.05μm以上であること
によりサーマルヘッドのドット密度に相当した周期的な
凹凸を防止する効果が向上し、更に画像形成・消去装置
との搬送性を向上させる効果がある。このような効果に
対して、中心線平均粗さ(Ra)は0.05〜0.8μ
mが好ましく、更に好ましくは0.05〜0.5μmで
ある。中心線平均粗さ(Ra)が0.05μmより小さ
いとサーマルヘッド等の発熱体表面との接触面積が大き
くなり摩擦抵抗が大きくなるためスティッキングが発生
しやすくなり、また0.8μmより大きくなるとサーマ
ルヘッド等の発熱体表面との接触面積が小さくなりすぎ
るため熱伝導率が低下してしまい熱感度が低下すること
になる。
【0031】また更に、本発明において前記オーバーコ
ート層の表面に標準面積当たり山数(Pc)が3個以上
の凸部を設けたことによりサーマルヘッドのドット密度
に相当した周期的な凹凸を防止する効果が向上し、更に
画像形成・消去装置との搬送性を向上させる効果があ
る。また標準面積とは125μm×125μmの面積で
あり、現在市販されているサーマルヘッドの1ドットに
対応する値である。また、山数(Pc)は0.05μm
以上の高さをもつ凸部をカウントした値である。このよ
うな効果に対して標準面積当たり山数(Pc)は3個以
上900個以下が好ましく、更に好ましくは3個以上5
00個以下である。標準面積当たり山数(Pc)が2個
以下であるとサーマルヘッド等の発熱体表面との接触面
積が大きくなり、摩擦抵抗が大きくなるためスティッキ
ングが発生しやすくなり、901個以上であると透明度
が低下しコントラストが悪化してしまう。
【0032】本発明における中心線平均粗さ(Ra)及
び標準面積当たり山数(Pc)はJIS表面粗さ(B0
601)に記載の方法に従って測定される値であり、具
体的には接触型又は非接触型の三次元表面粗さ計(例え
ば、(株)小坂研究所社製サーフコーダSE−30K)
を用いて測定する。
【0033】また更に、本発明において前記オーバーコ
ート層の表面の摩擦係数が0.10以下であることによ
り画像形成・消去装置との搬送性を向上させる効果があ
る。このような効果に対して摩擦係数は0.10以下が
好ましく、更に好ましくは0.08以下である。また、
本発明における摩擦係数は動摩擦係数であり、次のよう
に測定する。試験機としてHElDON−14S(新東
科学社製)を用い、5mmφのAl22ボール圧子に2
00gの荷重を加えて、測定ステージに固定した前記可
逆性感熱記録材料オーバーコート層上に乗せて、この測
定ステージを水平方向に移動スピード150mm/mi
nにて移動させたときのボール圧子に働く水平方向の力
を測定し、これを荷重で除して動摩擦係数を算出する。
【0034】本発明で用いられる熱硬化性樹脂組成物
は、架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な
官能基を有したポリマー及び/又はポリマー性化合物、
架橋剤、溶剤、及び任意の架橋促進剤、触媒及び添加剤
からなる。架橋剤と反応して共有結合を形成することが
可能な官能基を有したポリマー及びポリマー性化合物と
しては、ポリビニルアルキルカルバメート、ポリビニル
ブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコ
ール、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセル
ロース、ポリウレア、ポリウレタン、ウレタンプレポリ
マー、カルボキシ変性ポリウレタン、アミノ変性ポリウ
レタン、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアク
リレート、エポキシアクリレート、不飽和ポリエステ
ル、ポリエーテルアクリレート、N−メチロールアクリ
ルアミド、メラミン、メチロール化メラミン、アルキド
樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フラン樹脂、レ
ゾシノール樹脂又はエポキシ樹脂などが挙げられる。
【0035】架橋促進剤と触媒は、架橋剤と反応して共
有結合を形成することが可能な官能基を有したポリマー
及び/又はポリマー性化合物と架橋剤の組み合わせに応
じて適宜選択して使用する。
【0036】溶剤としては、架橋剤と反応して共有結合
を形成することが可能な官能基を有したポリマー及び/
又はポリマー性化合物を溶解する溶媒を適宜選択して使
用する。添加剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、シリカ、尿素−ホルマリン樹脂及びス
チレン樹脂などの無機及び有機粒子が挙げられる。
【0037】熱硬化性樹脂組成物の添加剤の含有量は、
架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能
基を有したポリマー及び/又はポリマー性化合物に対し
て0〜20wt%である。好ましくは、0〜10wt%
である。その含有量が20wt%以上になると、サーマ
ルヘッドの汚れやそれを原因とした画像の劣化が発生す
る。
【0038】また、本発明で用いられる紫外線硬化性樹
脂組成物は、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重
合性オリゴマー、光開始剤、及び任意の溶剤と添加剤か
らなる。光重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート又は2−ヒドロキ
シエチルアクリロイルホスフェートなどの単官能モノマ
ー、1、3−ブタンジオールジアクリレート、1、4−
ブタンジオールジアクリレート、1、6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コールジアクリレート又はヒドロキシピバリン酸エステ
ルネオペンチルグリコールジアクリレートなどの二官能
性モノマー、又はジペンタエリスリトール、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート又はトリメチロールプロパ
ントリアクリレートなどの三官能以上のモノマーが挙げ
られる。
【0039】光重合性オリゴマーとしては、ポリエステ
ルアクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、ポリエーテルアクリレート、シリコンア
クリレート、アルキッドアクリレート又はメラミンアク
リレートなどが挙げられる。これらの中で、本発明で用
いられる光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重合性
オリゴマーは、下記のものが好ましい。これらは少なく
とも1種或いは2種以上混合して用いられる。
【0040】(i)ビスフェノールA骨格を有するエポ
キシアクリレートでビスフェノールAジグリシジルエー
テル重合体のアクリル酸エステル これらの市販品としては、リポキシSP−1507、S
P−1509、SP−1519、SP−1563、VR
−60、VR−77、VR−90(以上、昭和高分子
(株)製)、ビスコート540(以上、大阪有機化学工
業(株)製)、エポキシエステル3000A(以上、共
栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
【0041】(i)ジペンタエリスリトールモノヒドロ
キシペンタアクリレート この市販品としては、SR399、SR399E、SR
9041(以上、サートマー社製)等を挙げることがで
きる。
【0042】光開始剤としては、ベンゾフェノン、ベン
ゾイル安息香酸メチル、ジエトキシアセトフェノン、2
−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1
−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケト
ン、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル−
2−)モルホリノプロパン−1、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2−クロロ
チオキサントン又は2、4−ジエチルチオキサントンな
どが挙げられる。
【0043】添加剤としては、前記したオーバーコート
層の表面に凸部を設けるための無機及び有機粒子、前記
したオーバーコート層表面の摩擦係数を低下させるため
の表面活性剤、増感剤、酸化防止剤、光安定剤、老化防
止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電
防止剤等を挙げることができる。
【0044】本発明で用いられる該無機及び有機粒子と
しては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、尿素−ホルマリン樹脂及びスチレン樹
脂などの無機及び有機粒子が挙げられる。これらの無機
及び有機粒子の平均粒径は、0.1〜10μmが好まし
く、更に好ましくは0.2〜5μmである。
【0045】紫外線硬化性樹脂組成物の添加剤の含有量
は、光重合性モノマー(反応性希釈剤)と光重合性オリ
ゴマーに対して0〜20wt%である。好ましくは、0
〜10wt%である。その含有量が20wt%以上にな
ると、サーマルヘッドの汚れやそれを原因とした画像の
劣化が発生する。また、これらの紫外線硬化性樹脂組成
物を溶剤で希釈して塗工する場合に用いられる溶剤とし
ては、光重合性モノマー(反応性希釈剤)と光重合性オ
リゴマーを溶解する溶媒を適宜選択して使用する。
【0046】電子線硬化性樹脂組成物は、不飽和プレポ
リマー、オリゴマー、反応性希釈剤(モノマー)及び任
意の溶剤と添加剤からなる。不飽和プレポリマー及びオ
リゴマーとしては、不飽和ポリエステル、ポリエステル
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリウレタンア
クリレート、ポリエーテルアクリレート、不飽和アクリ
ル樹脂、不飽和シリコーン、又は不飽和フッ素樹脂など
が挙げられる。
【0047】反応性希釈剤としては、n−ブチルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンア
クリレート、又はペンタエリスリトールアクリレートな
どが挙げられる。
【0048】添加剤としては、前記したオーバーコート
層の表面に凸部を設けるための無機及び有機粒子、前記
したオーバーコート層表面の摩擦係数を低下させるため
の表面活性剤、増感剤、酸化防止剤、光安定剤、老化防
止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、帯電
防止剤等を挙げることができる。
【0049】本発明で用いられる該無機及び有機粒子と
しては、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ケイ酸アルミニウム、水
酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム、アルミナ、尿素−ホルマリン樹脂及びスチレン樹
脂などの無機及び有機粒子が挙げられる。これらの無機
及び有機粒子の平均粒径は、0.1〜10μmが好まし
く、更に好ましくは0.2〜5μmである。
【0050】電子線硬化性樹脂組成物の添加剤の含有量
は、不飽和プレポリマー、オリゴマー及び反応性希釈剤
(モノマー)に対して0〜20wt%である。好ましく
は0〜10wt%である。その含有量が20wt%以上
になると、サーマルヘッドの汚れやそれを原因とした画
像の劣化が発生する。また、これらの電子線硬化性樹脂
組成物を溶剤で希釈して塗工する場合に用いられる溶剤
としては、不飽和プレポリマー、オリゴマー及び反応性
希釈剤(モノマー)を溶解する溶媒を適宜選択して使用
する。
【0051】これらのオーバーコート層の厚さは、0.
5〜15.0μmが好ましく、更に好ましくは1.0〜
10.0μmである。厚さが0.4μm以下では、硬度
が不足し、本発明の課題を達成することが困難であり、
厚さ16μm以上では熱感度が低下する。また、本発明
のオーバーコート層を形成する方法としては、通常一般
的に使用される種々の方法によって前記感熱層上に形成
することができる。
【0052】こうした形成方法としては、例えば、ディ
ップコート、スプレーコート、フローコート、ロールコ
ート、ワイヤーバーコート、ダイコート、グラビアコー
ト等のコーティング方式や、オフセット印刷、スクリー
ン印刷、グラビア印刷等の印刷方式がある。これらの形
成方法として、前者方式ではオーバーコート層にする樹
脂組成物の粘度が比較的に低いことが望まれるため、前
記した溶剤で希釈し、任意の固形分濃度で塗工すること
が好ましい。また、後者方式では樹脂組成物の粘度が比
較的に高いことが望まれるため、印刷方式に応じて光重
合性モノマー(反応性希釈剤)で適宜希釈し粘度調整し
て印刷することが好ましい。
【0053】また、前者方式で設けられるオーバーコー
ト層は形成方法が感熱層を設けるコーティング方式と近
似していることから、前記感熱層上に第1オーバーコー
ト層として設けられることが好ましく、また、後者方式
で設けられるオーバーコート層は、その形成方法が前記
したカラー印刷層を形成する印刷方式と近似しているこ
とから、前記第1オーバーコート層上又はカラー印刷層
上に第2オーバーコート層として設けられることが好ま
しい。また、前記構成の第2オーバーコート層では、層
上にカラー印刷層を設ける必要がないため、表面滑性を
向上させるために、シリコーン、フッ素等の滑性材料を
添加することができる。
【0054】感熱記録層は、マトリックス樹脂及び低分
子化合物を溶剤に溶解又は分散した溶液を、支持体上に
塗布し、乾燥する方法などにより形成できるが感熱記録
層の形成に使用する溶媒は、マトリックス樹脂及び低分
子化合物の種類によって適宜選択できる。その例とし
て、エタノール、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、
四塩化炭素、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、テトラヒドロフラン、又はそれらの
混合物などが挙げられる。なお、分散液を使用した場合
又は溶液を使用した場合に、何れも得られる感熱層中で
は低分子有機化合物は微粒子として析出し、分散状態で
存在する。
【0055】本発明において、可逆性感熱記録媒体の感
熱記録層中のマトリックス樹脂は、膜形成可能であり、
その膜が透明性に優れ機械的に安定であることが好まし
い。このような樹脂としては、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−
マレイン酸共重合体及び塩化ビニル−アクリレート共重
合体などの塩化ビニル系共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体及び塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体などの塩化ビニリデ
ン系共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート−ポリ
メタクリレート共重合体、シリコーン樹脂などが挙げら
れる。これらは単独あるいは2種類以上混合して使用さ
れる。
【0056】一方、有機低分子物質としては記録層中で
粒子状になるものであればよく、一般に融点30〜20
0℃、好ましくは50〜150℃程度のものが使用され
る。このような有機低分子物質としてはアルカノール;
アルカンジオール;ハロゲンアルカノール又はハロゲン
アルカンジオール;アルキルアミン;アルカン;アルケ
ン;アルキン;ハロゲンアルカン;ハロゲンアルケン;
ハロゲンアルキン;シクロアルカン;シクロアルケン;
シクロアルキン;飽和又は不飽和モノ又はジカルボン酸
又はこれらのエステル、アミド又はアンモニウム塩;飽
和又は不飽和ハロゲン脂肪酸又はこれらのエステル、ア
ミド又はアンモニウム塩;アリルカルボン酸又はそれら
のエステル、アミド又はアンモニウム塩;ハロゲンアリ
ルカルボン酸又はそれらのエステル、アミド又はアンモ
ニウム塩;チオアルコール;チオカルボン酸又はそれら
のエステル、アミン又はアンモニウム塩;チオアルコー
ルのカルボン酸エステル等が挙げられる。これらは単独
で又は2種以上混合して使用される。これらの化合物の
炭素数は10〜60、好ましくは10〜38、特に10
〜30が好ましい。エステル中のアルコール基部分は飽
和していてもよく、飽和していなくてもよく、またハロ
ゲン置換されていてもよい。いずれにしても有機低分子
物質は分子中に酸素、窒素、硫黄及びハロゲンの少なく
とも1種、例えば−OH,−COOH,−CONH2
−COOR,−NH−,−NH2,−S−,−S−S
−,−O−,ハロゲン等を含む化合物であることが好ま
しい。
【0057】本発明において前記有機低分子物質として
は、低融点の有機低分子物質と、高融点の有機低分子物
質とを組み合わせて用いることにより、透明化温度巾を
更に拡大させることができるものが好ましい。前記低融
点有機低分子物質と高融点有機低分子物質の融点の差は
20℃以上が好ましく、更に好ましくは30℃以上であ
り、特に好ましくは40℃以上である。
【0058】低融点有機低分子物質材料としては、融点
40℃〜100℃のものが好ましく、50℃〜80℃の
ものが更に好ましい。高融点有機低分子物質としては、
融点100℃〜200℃のものが好ましく、110℃〜
180℃のものが更に好ましい。
【0059】これらの有機低分子物質の中で本発明で用
いられる低融点有機低分子物質としては下記の脂肪酸エ
ステル、二塩基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エ
ステルが好ましい。これらは少なくとも1種あるいは2
種以上混合して用いられる。
【0060】本発明で用いられる脂肪酸エステル、二塩
基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステルは、同
じ炭素数の脂肪酸(2分子会合状態)より融点が低く、
逆に同じ融点の脂肪酸よりも炭素数が多いという特徴を
持つので、これらのものを用いるのが好ましい。
【0061】サーマルヘッドでの画像の印字−消去の繰
り返しによる劣化は、樹脂母材と有機低分子物質の加熱
時の相溶による有機低分子物質粒子の分散状態の変化が
原因と考えられ、樹脂母材と有機低分子物質の相溶性は
有機低分子物質の炭素数が多いほど低下し、画像の印字
−消去の劣化が少ないものと考えられる。更に白濁度も
炭素数に比例して増加する傾向にある。
【0062】そのため、同じ透明化温度(融点付近にあ
る)の可逆性感熱記録材料において、樹脂母材中に分散
させる有機低分子物質として脂肪酸エステル、二塩基酸
エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステルを用いるこ
とにより、脂肪酸を用いた場合に比較し、白濁度が高
く、つまりコントラストが高く、しかも繰り返し耐久性
が向上するものと思われる。
【0063】そして、このような脂肪酸エステル、二塩
基酸エステル、多価アルコールジ脂肪酸エステルと高融
点の有機低分子物質を混合して用いることにより、透明
化温度巾を広くすることができ、サーマルヘッドでの消
去の性能も高く、そのため、保存により多少消去特性が
変動しても、消去可能であり、材料自身の特性から繰り
返し耐久性も向上させることができる。
【0064】本発明で用いられる脂肪酸エステルは、例
えば下記一般式(I)で表わされる。 R1−COO−R2 ・・・(I) (式中、R1,R2は炭素数10以上のアルキル基を表わ
す) 脂肪酸エステルの炭素数は20以上が好ましく、25以
上が更に好ましく、30以上が特に好ましい。炭素数が
多くなると白濁度が高く、繰り返し耐久性が向上すると
いう特長を有する。脂肪酸エステルの融点は40℃以上
が好ましい。これらは一種又は二種以上を選択して用い
られる。
【0065】本発明で用いられる脂肪酸エステルの具体
例を以下に示す。パルミチン酸オクタデシル、パルミチ
ン酸ドコシル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オ
クチル、ステアリン酸オクタデシル、ステアリン酸ドコ
シル、ベヘン酸オクタデシル、ベヘン酸ドコシル。
【0066】二塩基酸エステルとしては、モノエステ
ル、ジエステルのいずれでもよく、下記一般式(II)で
表わされるものである。 ROOC−(CH2)n−COOR’ ・・・(II) (式中、R,R’は水素原子、又は炭素数1〜30のア
ルキル基を表わし、R,R’は同一であっても異なって
いてもよいが、同時に水素原子である場合を除く。nは
0〜40の整数を表わす) 上記一般式(II)で表わされる二塩基酸エステルにおい
て、R,R’のアルキル基の炭素数は1〜22が好まし
く、nは、1〜30が好ましく、2〜20が更に好まし
い。また融点は40℃以上が好ましい。
【0067】具体的には、コハク酸エステル、アジピン
酸エステル、セバシン酸エステル、1−又は18−オク
タデカメチレンジカルボン酸エステル、等が挙げられ
る。
【0068】本発明で用いる有機低分子物質の多価アル
コールジ脂肪酸エステルとしては、下記の一般式(II
I)で表わされるものが挙げられる。 CH3(CH2)m-2COO(CH2)nOOC(CH2)m-2CH3 ・・・(III) (式中、nは2〜40、好ましくは3〜30、更に好ま
しくは4〜22の整数である。mは2〜40、好ましく
は3〜30、更に好ましくは4〜22の整数である。) 具体的には以下のものが挙げられる。1,3プロパンジ
オールジアルカン酸エステル、1,6ヘキサンジオール
ジアルカン酸エステル、1,10デカンジオールジアル
カン酸エステル、1,18オクタデカンジオールジアル
カン酸エステル。
【0069】また次に、本発明で用いられる高融点有機
低分子物質としては、脂肪族飽和ジカルボン酸、高級ア
ルキル基を有するケトン、該ケトンから誘導されるセミ
カルバゾン、αーホスホノ脂肪酸などが挙げられ、下記
のものが好ましいが、これらに限定されるものではな
い。これらは、一種又は二種以上選択して用いられる。
【0070】これら融点100℃以上の高融点有機低分
子物質の具体例を以下に示す。脂肪族ジカルボン酸の、
例えば融点100〜135℃程度の具体例としては、例
えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカ
ン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカ
ン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタ
デカン二酸、ノナデカン二酸、エイコサン二酸、ヘンエ
イコサン二酸、ドコサン二酸等が挙げられる。
【0071】本発明において用いるケトンは、ケトン基
と高級アルキル基を必須の構成基として含み、その他無
置換又は置換基を有する芳香環あるいは被素環を含むこ
ともできる。前記ケトンの全炭素数は16個以上が好ま
しく、更に好ましくは21個以上である。また、本発明
に用いるセミカルバゾンは、上記ケトンから誘導された
ものである。
【0072】本発明において使用するケトン、セミカル
バゾンとしては、例えば次に示すようなものを挙げるこ
とができる。3−オクタデカノン、7−アイコサノン、
14−ヘプタコサノン、18−ペンタトリアコンタノ
ン、テトラデカノフェノン、ドコサノフェノン、ドコサ
ノナフトフェノン、2−ヘンエイコサノンセミカルバゾ
ン。
【0073】本発明で用いるαーホスホノ脂肪酸は例え
ばE.V.Kaurer等、J.Ak.Oil Che
kist’s Soc,41,205(1964)の方
法に従って脂肪酸をHell−Volhard−Zel
inskin反応によって臭素化してαー臭素化酸臭化
物とし、次いでエタノールを加えαーブロモ脂肪酸エス
テルを得、さらにトリエチルホスファイトと加熱反応し
てαーホスホノ脂肪酸エステルとし、濃塩酸による加水
分解を行なって生成物をトルエンから再結晶することに
より得ることができる。
【0074】本発明で用いるホスホノ脂肪酸に具体例を
以下に示す。αーホスホノミリスチル酸、αーホスホノ
パルミチン酸、αーホスホノステアリン酸などが挙げら
れる。なお、αーホスホノベラルゴン酸以外は2つのm
p(融点)を持っている。
【0075】これらの低融点有機低分子物質と高融点有
機低分子物質の混合重量比は95:5〜5:95が好ま
しく、90:10〜10:90が更に好ましく、80:
20〜20:80が特に好ましい。また、これらの低融
点有機低分子物質、高融点有機低分子物質以外に前記し
た他の有機低分子物質を混合して用いてもよい。これら
は下記のものが挙げられる。
【0076】これら化合物としてはラウリン酸、ドデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、ベヘン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、
オレイン酸等の高級脂肪酸; C1633−O−C1633 , C1633−S−C1633 , C1837−S−C1837 , C1225−S−C1225 , C1939−S−C1939 , C1225−S−S−C1225
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】
【化3】
【0080】
【化4】
【0081】
【化5】
【0082】
【化6】 等のエーテル又はチオエーテル等がある。中でも本発明
では高級脂肪酸、特にパルミチン酸、ペンタデカン酸、
ノナデカン酸、アラキン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、
リグノセリン酸等の炭素数16以上の高級脂肪酸が好ま
しく、炭素数16〜24の高級脂肪酸が更に好ましい。
【0083】前記したように本発明において、透明化で
きる温度の巾を広げるには、この明細書において記載し
た有機低分子物質を適宜組み合わせるか、又は、そうし
た有機低分子物質と融点の異なる他の材料とを組み合わ
せればよい。これらは例えば特開昭63−39378
号、特開昭63−130380号、特開平4−2350
95号などの公報や、特願昭63−14754号などの
明細書に開示されているが、これらに限定されるもので
はない。
【0084】なお、感熱層中の有機低分子物質と樹脂
(架橋構造を有する樹脂)との割合は、重量比で2:1
〜1:16程度が好ましく、1:2〜1:8が更に好ま
しい。樹脂の比率がこれ以下になると、有機低分子物質
を樹脂中に保持した膜に形成することが困難となり、ま
たこれ以上になると、有機低分子物質の量が少ないた
め、不透明化が困難になる。
【0085】感熱層の厚みは1〜30μmが好ましく、
2〜20μmが更に好ましい。感熱層が厚すぎると熱感
度が低下して均一に透明化することが困難となる。ま
た、感熱層が薄すぎると白濁度が低下してコントラスト
が低くなる。
【0086】感熱層には以上の成分の他に、透明画像の
形成を容易にするために、界面活性剤、可塑剤等の添加
物を添加することができる。これらの添加物の具体例は
次のとおりである。
【0087】可塑剤としては、リン酸エステル、脂肪酸
エステル、フタル酸エステル、二塩基酸エステル、グリ
コール、ポリエステル系可塑剤、エポキシ系可塑剤が挙
げられ、具体例としては下記のものが挙げられる。リン
酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン
酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、オレイン酸ブチ
ル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ
ブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ−n−オクチ
ル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソ
ノニル、フタル酸ジオクチルデシル、フタル酸ジイソデ
シル、フタル酸ブチルベンジル、アジピン酸ジブチル、
アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−2−エチ
ルヘキシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セ
バシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシ
ル、ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレ
ングリコールジ−2−エチルブチラート、アセチルリシ
ノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、ブチル
フタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリブ
チルなど。
【0088】界面活性剤、その他の添加物の例;多価ア
ルコール高級脂肪酸エステル;多価アルコール高級アル
キルエーテル;多価アルコール高級脂肪酸エステル、高
級アルコール、高級アルキルフェノール、高級脂肪酸高
級アルキルアミン、高級脂肪酸アミド、油脂又はポリプ
ロピレングリコールの低級オレフィンオキサイド付加
物;アセチレングリコール;高級アルキルベンゼンスル
ホン酸のNa、Ca、Ba又はMg塩;芳香族カルボン
酸、高級脂肪酸スルホン酸、芳香族スルホン酸、硫酸モ
ノエステル又はリン酸モノ−又はジ−エステルのCa、
Ba又はMg塩;低度硫酸化油;ポリ長鎖アルキルアク
リレート;アクリル系オリゴマー;ポリ長鎖アルキルメ
タクリレート;長鎖アルキルメタクリレート−アミン含
有モノマー共重合体;スチレン−無水マレイン酸共重合
体;オレフィン−無水マレイン酸共重合体など。
【0089】また次に、感熱層中に含まれる熱硬化性樹
脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物、又は電子線硬化性
樹脂組成物及びそれぞれの樹脂組成物を架橋する方法と
しては下記のものを挙げることができる。
【0090】熱硬化性樹脂組成物を添加した記録層塗工
組成物からなる感熱記録層は、その組成物を支持体上に
塗布乾燥した後、エージングすることによって得られ
る。エージング温度は、使用する感熱記録層の主成分で
ある低分子有機化合物及び樹脂マトリックスの融点以下
であることが望ましい。エージング温度がそれらの融点
以上であると、低分子有機化合物の分散性が変化して目
的とする可逆性感熱記録特性が得られなくなる。そのた
め、エージング時間は、より低いエージング温度ではよ
り長くする必要がある。具体的には、30〜60℃のエ
ージング温度で1〜14日間である。
【0091】紫外線硬化性樹脂組成物を添加した記録層
塗工組成物からなる感熱記録層は、その組成物を支持体
上にに塗布乾燥した後、紫外線を照射することによって
得られる。その照射エネルギーは、150〜1500m
J/cm2である。紫外線硬化性樹脂組成物を用いた場
合、エージングは不要であり、熱硬化性樹脂組成物の場
合より低コストで簡便に感熱記録層が得られる。
【0092】電子線硬化性樹脂組成物を添加した記録層
塗工組成物からなる感熱記録層は、その組成物を支持体
上に塗布乾燥した後、電子線を照射することによって得
られる。その照射エネルギーは、0.1〜10Mrad
程度である。10Mrad程度以上であるとオーバーコ
ート層の硬化物及び/又は記録層のバインダー樹脂の分
解が発生してオーバーコート層及び/又は記録層が着色
易くなる。電子線硬化性樹脂組成物を用いた場合、紫外
線硬化性樹脂組成物の場合と同様にエージングは不要で
あり、熱硬化性樹脂組成物の場合より低コストで簡便に
感熱記録層が得られる。
【0093】記録層に使用する熱硬化性樹脂組成物は、
架橋剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能
基を有したポリマー及び/又はポリマー性化合物、架橋
剤、溶剤、及び任意の架橋促進剤と触媒からなる。架橋
剤と反応して共有結合を形成することが可能な官能基を
有したポリマーとポリマー性化合物、架橋剤、溶剤、架
橋促進剤、及び触媒としては、前記と同様のものが使用
できる。
【0094】記録層に使用する紫外線硬化性樹脂組成物
は、光重合性モノマー(反応性希釈剤)、光重合性オリ
ゴマー、光開始剤、及び任意の溶剤からなる。光重合性
モノマー(反応性希釈剤)、光重合性オリゴマー、光開
始剤、及び溶剤としては、前記と同様のものが使用でき
る。
【0095】電子線硬化性樹脂組成物は、不飽和プレポ
リマー、オリゴマー、反応性希釈剤(モノマー)及び任
意の溶剤からなる。飽和プレポリマー、オリゴマー、反
応性希釈剤(モノマー)及び溶剤としては、前記と同様
のものが使用できる。
【0096】続いて、本発明の可逆的感熱記録材料は、
また、前記の感熱層が電子供与性呈色性化合物と電子受
容性化合物との間の発色反応を利用したものも含み、こ
のような可逆的熱発色反応を利用したものについて以下
に述べることにする。該発色反応は、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物との間の発色反応を利用した
ものであり、これら化合物からなる熱発色性組成物は、
該電子供与性呈色性化合物と該電子受容性化合物を加熱
溶融混合させたときに非晶質の発色体を生成し、一方、
該非晶質の発色体を該溶融温度より低い温度で加熱した
ときに該電子受容性化合物が結晶化を起こして該発色体
が消色することの現象を利用したものである。
【0097】熱発色性組成物は、加熱により瞬時に発色
し、その発色状態は常温においても安定的に存在し、一
方、発色状態にある組成物は、これを発色温度以下の加
熱により瞬時に消色しその消去状態は常温においても安
定的に存在するものである。
【0098】この組成物を感熱層として用いた場合の発
色と消色、即ち画像形成と画像消去の原理を図2に示し
たグラフによって説明する。グラフの縦軸は発色濃度を
表わし、横軸は温度を表わしており、実線は加熱による
画像形成過程を、破線は加熱による画像消去過程を示し
たものである。Aは完全消去状態における濃度であり、
BはT6以上の温度に加熱した時の完全発色状態におけ
る濃度であり、Cは完全発色状態のT5以下の温度にお
ける濃度であり、DはT5〜T6間の温度で加熱消去した
時の濃度を示している。
【0099】本発明に係るこの組成物は、T5以下の温
度においては無色の状態(A)にある。記録(画像形
成)を行なうにはサーマルヘッド等によりT6以上の温
度に加熱することにより発色(B)して記録画像を形成
する。この記録画像は実線に従ってT5以下の温度に戻
しても、そのままの状態(C)を保持しており記録のメ
モリー性は失われない。
【0100】次に記録画像の消去を行なうには、形成さ
れた記録画像を発色温度よりも低いT5〜T6間の温度に
加熱することによって無色の状態(D)になる。この状
態はT5以下の温度に戻しても、そのままの無色の状態
(A)を保持している。即ち、記録画像の形成過程は実
線ABCの経路によりCに至り記録が保持される。次に
記録画像の消去過程は破線CDAの経路によりAに至り
消去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙
動特性は可逆性を有し何回も繰り返し行なうことができ
る。
【0101】可逆性熱発色性組成物は、発色剤と顕色剤
を必須成分とし、更に必要により結着樹脂を含んでい
る。そして、発色剤と顕色剤の加熱溶融により発色状態
を形成し、一方、発色温度よりも低い温度の加熱により
発色状態は消去され、発色状態及び消色状態が常温で安
定的に存在するものである。組成物におけるこのような
発色と消色の機構は、先に触れたように、発色剤と顕色
剤を発色温度で加熱溶融混合した時に、組成物が非晶質
化を起こして発色状態を形成し、一方、発色温度よりも
低い温度で加熱した時に、発色した組成物の顕色剤が結
晶化を起こして発色の消去状態を形成する特性に基づく
ものである。ただし、この場合においても感熱層はT6
以上の温度に加熱してから消色する過程がとられること
によって、発色剤及び顕色剤の粒子が元に戻り、新たな
発色状態を形成するのに有利である。
【0102】通常の発色剤と顕色剤、例えば、従来の感
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物からなる組成物は、これを加熱によって溶融
混合させると、ロイコ化合物のラクトン環に基づく発色
状態となる。この発色状態は両者が相溶した非晶質状態
を呈している。この発色した非晶質状態は常温で安定的
に存在するが、再び加熱を行なっても結晶化は起こら
ず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分離がな
いためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
【0103】これに対して、本発明に係る発色剤と顕色
剤の組成物も加熱によって溶融混合をさせた時に、発色
状態となり、従来の場合と同様に非晶質状態を呈し、常
温で安定的に存在する。しかし、本発明の場合は、この
発色した非晶質状態の組成物は、発色温度以下、即ち溶
融状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結晶化が
起こり、発色剤との相溶状態による結合が保持できなく
なり、顕色剤が発色剤から分離する。そして、この顕色
剤の結晶化による発色剤からの分離により、顕色剤は発
色剤から電子を受容することができず、発色剤は消色す
るものと考えられる。
【0104】熱発色性組成物に見られる前記の特異な発
消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による相互溶
解性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色剤
に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係しているが、
原理的には、加熱溶融による非晶質化を起こし、一方、
発色温度よりも低い温度の加熱により結晶化を起こす発
色剤/顕色剤系であれば、本発明における組成物成分と
して利用し得るものである。さらに、この様な特性を有
するものは、熱分析において溶融による吸熱変化及び結
晶化による発熱変化を示すことから、本発明に適用し得
る発色剤/顕色剤系は、熱分解折により容易に確認する
ことができる。また、本発明に係る可逆的熱発色性組成
物系には、必要に応じて結着樹脂等の第三物質が存在さ
せることができ、例えば、高分子物質が存在してもその
可逆的な消発色挙動が保持されることが確認された。結
着樹脂としては、前記の可逆性感熱記録媒体の感熱層を
構成する樹脂母材と同様のものが使用できる。本発明の
熱発色性組成物において、その消色は顕色剤の結晶化に
よる発色剤からの分離に起因することから、消色効果の
優れたものを得るには、顕色剤の選択は重要であり、前
記した特開平4−224996号公報、特開平4−24
7985号公報、特開平4−267190号公報等に挙
げられたものを使用できるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0105】本発明の可逆性感熱記録材料に形成される
画像を反射画像として用いる場合には、記録層の背面に
光を反射する層を設けるのが望ましい。また、反射層が
あると記録層の厚みを薄くとてもコントラストを上げる
ことができる。具体的にはAl、Ni、Sn等を蒸着す
ることが挙げられる(特開昭64−14079号公報に
記載)。
【0106】更に、本発明において、前記カラー印刷層
に用いられる着色剤及びバインダーとしては、まず着色
剤として従来のフルカラー印刷に使用されるカラーイン
キ中に含まれる各種の染料及び顔料等が挙げられる。ま
た、樹脂バインダーとしては各種の熱可塑性、熱硬化
性、紫外線硬化性又は電子線硬化性樹脂等を挙げること
ができる。このようなカラー印刷層の厚さは印刷色濃度
に対して適宜変更されるため、目標とする印刷色濃度に
合わせて設定すればよい。
【0107】また、本発明において、カラー印刷層中に
含まれる樹脂を紫外線により硬化させる場合には、前記
した感熱層の樹脂を紫外線架橋させるために用いた架橋
剤、光重合開始剤、光重合促進剤を用いればよい。
【0108】更に、オーバーコート層形成液の溶剤やモ
ノマー成分等から感熱層を保護するために、オーバーコ
ート層と感熱層との間に中間層を設けることができる
(特開平1−133781号公報に記載)。中間層の材
料としては感熱層中の樹脂母材の材料として挙げたもの
の他に下記のような熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が使用
可能である。即ち、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラ
ール、ポリウレタン、飽和ポリエステル、不飽和ポリエ
ステル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等が挙げられる。中間層の厚さは0.
1〜2μmくらいが好ましい。
【0109】また本発明の可逆性感熱記録媒体の層構成
としては、実開平2−3876号公報に記載されている
ように支持体上に感熱記録層と磁性材料を主成分とする
磁気記録層を有すると共に、少なくとも感熱記録層直下
又は支持体の感熱記録層対応部分が着色されている層構
成が挙げられる。または、特開平3−130188号公
報に記載されているように支持体上に磁気記録層、その
上に光反射層、更にその上に感熱層が設けられているよ
うな層構成等が挙げられるが、この場合に磁気記録層は
支持体裏面か、あるいは支持体と感熱層の間に設けてい
るかのどちらでも良く、またこれらの他の層構成であっ
ても何らさしつかえはない。
【0110】また、本発明では支持体と記録層の間に視
認性をよくするために着色層を設けることもできる。着
色層は着色材及び樹脂バインダーを主成分とする溶液又
は分散液を対象面に塗布、乾燥するか、或いは単に着色
シートを貼り合わせることにより形成される。ここで着
色剤としては上層の記録層の透明及び白濁の変化を反射
画像として認識できればよく、赤、黄、青、紺、紫、
黒、茶、灰、橙、緑などの色を有する染料、顔料等が使
用される。また、樹脂バインダーとしては各種熱可塑
性、熱硬化性又は紫外線硬化性樹脂が使用される。
【0111】また、支持体と記録層との間に、空気を有
する非密着部である空気層を設けることができる。空気
層を設けると、記録層の主成分として用いられた有機高
分子材料の屈折率が1.4〜1.6程度で、空気の屈折
率1.0との差が大きいため、感熱記録層側フィルムと
非密着部との界面で光が反射し、記録層が白濁状態のと
き白濁度が増幅され、視認性が向上するので、この非密
着部位を表示部として用いることが望ましい。
【0112】非密着部位は非密着部の内部に空気を有す
るため、その非密着部が断熱層となり、感熱度が向上す
る。更に、非密着部位はクッションの役目もなし、サー
マルヘッドで圧力をかけて押さえつけても実際に感熱部
材に加わる圧力は低くなり、熱を加えても感熱層の変形
は少なく、有機低分子物質粒子の拡大もなく、繰り返し
耐久性が向上する。
【0113】さらに、支持体裏面に接着剤層又は粘着剤
層を設けて、可逆性感熱記録ラベルとして用いることも
可能である。このラベルシートは被貼着体と貼り合わさ
れるが、被貼着体としては、例えば、クレジットカード
等の塩ビカード、ICカード、IDカード、紙、フィル
ム、合成紙、ボーディングパス、定期券等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。また、支持体が
Al蒸着層のような樹脂との接着力に乏しい材質の場合
には、支持体と感熱層との間に接着層を設けてもよい
(特開平3−7377号公報)。
【0114】また本発明において可逆性感熱記録材料に
画像表示を行うための感熱記録画像表示装置として多種
多様なものが挙げられるが、その代表的なものは可逆性
感熱記録材料に画像形成・消去を行うための画像形成手
段と画像消去手段が同一の発熱体、例えばサーマルヘッ
ドで、サーマルヘッドに印加するエネルギーを変化させ
ることにより画像処理を行うことができる感熱記録画像
表示装置、または、画像形成手段がサーマルヘッドであ
り、画像消去手段がサーマルヘッド、セラミックヒー
タ、ホットスタンプ、ヒートローラ、ヒートブロック等
の発熱体を接着させる接触押圧型手段か、あるいは温風
や赤外線などを用いた非接触型手段のうち一つから選択
される感熱記録画像表示装置がある。
【0115】以上、本発明について、画像形成・消去装
置のサーマルヘッド等によるエネルギー印加時間が短パ
ルスの場合や、印加圧力が高い場合において、画像形成
と消去を繰り返してもオーバーコート層表面にクラック
が生じることがなく、視認性に優れ、更にスティッキン
グが発生することがなく、画像が劣化するのを抑えた可
逆性感熱記録材料及びそれを用いた画像表示方法を中心
にして説明したが、本発明はこれらの場合のみならず、
他の場合でも有効である。
【0116】
【実施例】以下、本発明を実施例をあげてより具体的に
説明する。ここでの部及び%はいずれも重量基準であ
る。
【0117】実施例1 約188μm厚のポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上にAlを約400Å厚となるように真空
蒸着して光反射層を設けた。この上に 塩化ビニル−酢酸ビニル−リン酸エステル共重合体 5部 (電気化学工業社製、デンカビニール♯1000P) THF(テトラヒドロフラン) 95部 よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
0.5μm厚の接着層を設けた。
【0118】さらにその上に 1,18−オクタデカジカルボン酸ジドデシル 4.75部 (ミヨシ油脂社製) エイコサン二酸(岡村製油社製、SL−20−99) 5.25部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 28部 (鐘淵化学工業社製、M2018) DPCA−120 2.37部 (日本化薬社製 DPCA−120) DPCA−60 4.73部 (日本化薬社製 DPCA−60) THF 215.5部 アミルアルコール 24部 ジブチル錫ラウレート系安定剤 0.8部 (三共有機合成社製、Stann SCAT−1) よりなる溶液をワイヤーバーで塗布し、加熱乾燥して約
10μm厚の感熱層(可逆性感熱記録層)を設けた。
【0119】次に上記のように作成した感熱層に以下の
とおりにして、電子線照射を行なった。電子線照射装置
として日新ハイボルテージ社製のエリアビーム型電子線
照射装置EBC−200−AA2を用い、照射線量が1
0Mradになるように調整して、電子線照射を行なっ
た。このようにして感熱層を作成した。
【0120】その感熱層上に、 光開始剤含有紫外線硬化性樹脂 デソライトZ7010V1(JSR(株)製) 100部 タルク LMS−300(富士タルク工業社製) 0.2部 イソプロピルアルコール 100部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、90℃で1分間
乾燥した後、約450mJ/cm2の紫外線を照射して
約4μm厚のオーバーコート層を設け、本発明の可逆性
感熱記録材料を作成した。
【0121】また、上記と同様のオーバーコート層の塗
工溶液を平らなガラス基板上にキャストし、上記と同様
の乾燥と紫外線照射をして、動的熱機械特性を測定する
ためのフィルムを作成した。得られた幅3mm×長さ3
6mmのフィルムを用いて、ORIENTEC社製の粘
弾性スペクトルメータRHEOVIBRON MODE
L DDV−01FPにより、空気中、周波数10H
z、昇温速度3℃/minの条件下で、動的弾性率
G’、動的弾性損失G”、及びtanδ(=損失正接=
G”/G’=1/ωτ(但しτは同周波数ωのひずみ振
動力が加え続けられた後、極大値としての主損失正接を
示す時間)を測定した。tanδのピーク温度は約13
1℃であった。この測定結果を図3に示す。
【0122】実施例2 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010V2(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約143℃であった。この測定結果を
図4に示す。
【0123】実施例3 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010V9(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約153℃であった。
【0124】実施例4 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010W1(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約124℃であった。
【0125】実施例5 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010W2(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約131℃であった。この測定結果を
図5に示す。
【0126】実施例6 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010W4(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約147℃であった。
【0127】実施例7 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010V11(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約153℃であった。
【0128】実施例8 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010V12(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約148℃であった。
【0129】実施例9 実施例1において、オーバーコート層中のデソライトZ
7010V1をデソライトZ7010V14(JSR
(株)社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして
可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するため
のフィルムを作成した。また、得られたフィルムを用い
て実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。tan
δのピーク温度は約150℃であった。
【0130】実施例10 実施例1と同様にして感熱層を設けた後、その感熱層上
に、 光開始剤含有紫外線硬化性樹脂 デソライトZ7010V14(JSR(株)製) 100部 イソプロピルアルコール 100部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、90℃で1分間
乾燥した後、約450mJ/cm2の紫外線を照射して
約2.5μm厚の第1オーバーコート層を設けた。
【0131】さらにこの第1オーバーコート層上に、光
開始剤含有紫外線硬化性インキ:デソライトKZ766
9(JSR(株)製)を用いて、オフセット印刷方式に
て上記インキを印刷した後に、120W/cm2の紫外
線ランプで硬化させて約1.5μm厚の第2オーバーコ
ート層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を作成し
た。また、上記と同様の第2オーバーコート層のインキ
を平らなガラス基板上にアプリケータを用いて成膜し、
上記と同様の紫外線照射をして、動的熱機械特性を測定
するためのフィルムを作成した。得られた幅3mm×長
さ36mmのフィルムを用いて、実施例1と同様に動的
熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は約12
4℃であった。
【0132】実施例11 実施例10と同様にして第1オーバーコート層までを設
けた後、第2オーバーコート層中のデソライトKZ76
69をデソライトKZ7670(JSR(株)製)に変
更した以外は、実施例10と同様にして可逆性感熱記録
材料及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作
成した。また、得られたフィルムを用いて実施例1と同
様に動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度
は約134℃であった。この測定結果を図6に示す。
【0133】実施例12 実施例10と同様にして第1オーバーコート層までを設
けた後、第2オーバーコート層中のデソライトKZ76
69をデソライトKZ7671(JSR(株)製)に変
更した以外は、実施例10と同様にして可逆性感熱記録
材料及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作
成した。また、得られたフィルムを用いて実施例1と同
様に動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度
は約146℃であった。
【0134】実施例13 実施例1と同様にして感熱層を設けた後、その感熱層上
に、光開始剤含有紫外線硬化性樹脂:デソライトKZ7
670(JSR(株)製)を用いて、オフセット印刷方
式にて上記インキを印刷した後に、120W/cm2
紫外線ランプで硬化させて約4.0μm厚のオーバーコ
ート層を設け、本発明の可逆性感熱記録材料を作成し
た。また、上記と同様のオーバーコート層のインキを平
らなガラス基板上にアプリケータを用いて成膜し、上記
と同様の紫外線照射をして、動的熱機械特性を測定する
ためのフィルムを作成した。得られた幅3mm×長さ3
6mmのフィルムを用いて、実施例1と同様に動的熱機
械特性を測定した。tanδのピーク温度は約134℃
であった。
【0135】実施例14 実施例10と同様にして第一オーバーコート層までを設
けた後、第二オーバーコート層中のデソライトKZ76
69をデソライトKZ7696(JSR(株)製)に変
更した以外は実施例10と同様にして可逆性感熱記録材
料及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作成
した。また得られたフィルムを用いて、実施例1と同様
に動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は
約148℃であった。
【0136】実施例15 支持体として白色ポリエステルフィルム250μm(U
29−250(表面処理ph4〜6)帝人社製)を用い
た。次に下記組成物をボールミルを用いて平均粒径0.
1〜1μmになるように粉砕分散した。 2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン 2部 下記構造の顕色剤 8部
【0137】
【化7】
【0138】 熱硬化性樹脂(三菱レーヨン社製LR503)の 150部 15%テトラヒドロフラン溶液
【0139】上記のようにして得られた分散液に、日本
ポリウレタン社製コロネートHL(アダクト型ヘキサメ
チレンジイソシアネート 75%酢酸エチル溶液)20
部を加え、よく撹拌して記録層塗布液を調製した。
【0140】次に記録層塗布液を前記支持体上にワイヤ
ーバーを用いて塗布し、100℃で1分間乾燥した後に
60℃で24時間加熱・架橋して、膜厚約8μmの感熱
層(可逆性感熱記録層)を設けた。この感熱層上に下記
組成よりなる中間層液をワイヤーバーで塗布し100℃
で加熱乾燥して、膜厚約1.5μmの中間層を設けた。 酸化亜鉛(住友大阪セメント社製 ZS303) 4部 熱硬化性樹脂(三菱レーヨン社製 LR503) 2部 コロネートHL(日本ポリウレタン社製) 0.5部 メチルエチルケトン 4部
【0141】更にこの中間層上に 光開始剤含有紫外線硬化性樹脂 デソライトZ7010V14(JSR(株)製) 100部 タルク LMS−300(富士タルク工業社製) 0.2部 イソプロピルアルコール 100部 からなる溶液をワイヤーバーで塗布し、90℃で1分間
乾燥した後、約450mJ/cm2の紫外線を照射して
約4μm厚のオーバーコート層を設け、更に60℃で2
4時間加熱して中間層を架橋させて、本発明の可逆性感
熱記録材料を作成した。また、前記実施例1と同様にし
て動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作成、及
び測定を行なった。tanδのピーク温度は約150℃
であった。
【0142】実施例16 実施例15において、オーバーコート層を実施例11の
第一オーバーコート層と第二オーバーコート層に変更し
た以外は実施例15と同様にして可逆性感熱記録材料を
作成し、また実施例11と同様にして動的熱機械特性を
測定するための第二オーバーコート層フィルムを作成し
た。また、得られたフィルムを用いて、実施例1と同様
に動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は
約134℃であった。
【0143】比較例1 実施例1と同様にして感熱層を設けた後、その感熱層上
に、 光開始剤含有紫外線硬化性ウレタンアクリレート Bs575CS−B(荒川化学社製) 100部 炭酸カルシウム Brilliant-15(白石工業社製) 0.8部 イソプロピルアルコール 200部 からなる分散溶液をワイヤーバーで塗布し、90℃で1
分間乾燥した後、約450mJ/cm2の紫外線を照射
して約4μm厚のオーバーコート層を設け、本発明の可
逆性感熱記録材料を作成した。また、上記と同様のオー
バーコート層の塗工溶液を平らなガラス基板上にキャス
トし、上記と同様の紫外線照射をして、動的熱機械特性
を測定するためのフィルムを作成した。得られた幅3m
m×長さ36mmのフィルムを用いて、実施例1と同様
に動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は
約260℃であった。
【0144】比較例2 比較例1において、オーバーコート層を下記処方に変更
した以外は、比較例1と同様にして可逆性感熱記録材料
及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作成し
た。また、得られたフィルムを用いて実施例1と同様に
動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は約
300℃であった。 ペンタエリスリトールトリアクリレート KAYARAD PET−30(日本化薬社製) 15部 ペンタエリスリトールトリアクリレート アロニックス M−450(東亜合成社製) 15部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート KAYARAD DPHA(日本化薬社製) 20部 ジ(アクリロキシエチル)イソシアヌレート アロニックス M−400(東亜合成社製) 25部 トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート アロニックス M−315(東亜合成社製) 25部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2部 炭酸カルシウム Brilliant-15(白石工業社製) 0.6部 酢酸ブチル 30部 イソプロピルアルコール 70部
【0145】比較例3 比較例1において、オーバーコート層を下記処方に変更
した以外は、比較例1と同様にして可逆性感熱記録材料
及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作成し
た。また、得られたフィルムを用いて実施例1と同様に
動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は約
200℃であった。 紫外線硬化性ウレタンアクリレート C3−599(大日本インキ社製) 80部 炭酸カルシウム Brilliant-15(白石工業社製) 0.8部 イソプロピルアルコール 48部
【0146】比較例4 比較例1において、オーバーコート層を下記処方に変更
した以外は、比較例1と同様にして可逆性感熱記録材料
及び動的熱機械特性を測定するためのフィルムを作成し
た。また、得られたフィルムを用いて実施例1と同様に
動的熱機械特性を測定した。tanδのピーク温度は約
160℃であった。 ペンタエリスリトールトリアクリレート アロニックス M−450(東亜合成社製) 50部 ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール ジアクリレート KAYARAD MANDA(日本化薬社製)25部 ネオペンチルグリコールジアクリレート KAYARAD NPGDA(日本化薬社製) 25部 炭酸カルシウム Brilliant-15(白石工業社製) 0.6部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 2部 イソプロピルアルコール 100部
【0147】比較例5 実施例15において、オーバーコート層を比較例1のオ
ーバーコート層に変更した以外は実施例15と同様にし
て可逆性感熱記録材料及び動的熱機械特性を測定するた
めのフィルムを作成した。また得られたフィルムを用い
て、実施例1と同様に動的熱機械特性を測定した。ta
nδのピーク温度は約260℃であった。
【0148】このようにして得られた実施例及び比較例
の各可逆性感熱記録材料について、以下に示す各性能を
測定し、その結果をまとめて表1、表2に示す。 中心線平均粗さ(Ra)の測定 前記のようにして得られたオーバーコート層形成済の可
逆性感熱記録材料を用いて、前記した中心線平均粗さ
(Ra)の測定方法により測定を行なった。結果を表1
に示す。 標準面積当たり山数(Pc)の測定 前記のようにして得られたオーバーコート層形成済の可
逆性感熱記録材料を用いて、前記した標準面積当たり山
数(Pc)の測定方法により測定を行なった。結果を表
1に示す。 摩擦係数の測定 前記のようにして得られたオーバーコート層形成済の可
逆性感熱記録材料を用いて、前記した摩擦係数の測定方
法により測定を行なった。結果を表1に示す。
【0149】感熱層の発色温度測定 前記のようにして得られたオーバーコート層形成済みの
可逆性感熱記録材料を用いて、東洋精機製作所社製の熱
傾斜試験機HG−100を用い、印字タイマーを1秒、
圧力ゲージを1kg/cm2に設定して、予め最大消色
状態にある可逆性感熱記録材料に100℃から2℃毎に
加熱温度を変化させて熱印加を行ない、室温まで冷却し
て、これをマクベス反射濃度計(RD−914)で反射
濃度測定を行なう。この際、発色濃度が飽和状態になる
温度、つまり2℃低い温度での反射濃度との差が0.0
3以内となる最低温度を感熱層の発色温度とした。結果
を表1に示す。
【0150】繰り返し画像形成・消去試験 前記のようにして得られたオーバーコート層形成済みの
可逆性感熱記録材料を用いて、九州松下電器(株)製の
印字消去機能付磁気カードリーダライターKU−R30
01FAを用い、実施例1〜14及び比較例1〜4では
サーマルヘッド印字エネルギー0.47mJ/dot、
セラミックヒーター消去温度を91℃に設定し、実施例
15、16及び比較例5ではサーマルヘッド印字エネル
ギー0.7mJ/dot、セラミックヒーター消去温度
を150℃に設定して、その印字と消去を500回繰り
返した。100回毎にオーバーコート層の表面のクラッ
クの発生、スティッキングの発生を目視にて観察して以
下の基準で判定した。結果をまとめて表2に示す。ま
た、繰り返し画像形成・消去試験での画像濃度につい
て、1回目と500回目の画像形成濃度及び消去濃度を
マクベス反射濃度計(RD−914)で測定した。結果
をまとめて表3に示す。
【0151】(クラック) 5:全く発生していない 4:わずかに発生している 3:ある程度発生している 2:かなり発生している 1:非常に多く発生している (スティッキング) 5:全く発生していない 4:わずかに発生している 3:ある程度発生している 2:かなり発生している 1:非常に多く発生している
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】
【表3】
【0155】
【発明の効果】以上、詳細且つ具体的な説明から明らか
なように、本発明の可逆性感熱記録材料は、サーマルヘ
ッド等の加熱体により画像形成と消去を繰り返し行なっ
てもオーバーコート層表面にクラックが生じることがな
く、視認性に優れ、またスティッキングが発生すること
がないため、画像劣化を抑制し、コントラストに極めて
優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可逆性感熱記録材料の感熱層の熱
による透明度の変化を表わした図である。
【図2】本発明に係る可逆性感熱記録材料の他の記録層
の熱による色濃度の変化を表わした図である。
【図3】本発明に係る可逆性感熱記録材料におけるオー
バーコート層のtanδピーク温度又はそれに相当する
動的緩和現象温度の測定結果を示す図である。
【図4】本発明に係る可逆性感熱記録材料における他の
オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれに相当
する動的緩和現象温度の測定結果を示す図である。
【図5】本発明に係る可逆性感熱記録材料における更に
他のオーバーコート層のtanδピーク温度又はそれに
相当する動的緩和現象温度の測定結果を示す図である。
【図6】本発明に係る可逆性感熱記録材料におけるまた
更に他のオーバーコート層のtanδピーク温度又はそ
れに相当する動的緩和現象温度の測定結果を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀田 吉彦 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 渡邉 毅 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 古田 良治 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 宇加地 孝志 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に温度に依存して透明度又は色
    調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上に
    オーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料におい
    て、該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれ
    に相当する動的緩和現象温度が155℃以下の範囲であ
    ることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に温度に依存して透明度又は色
    調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上に
    オーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料におい
    て、該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれ
    に相当する動的緩和現象温度が該感熱層の発色温度+3
    5℃以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料。
  3. 【請求項3】 該オーバーコート層のtanδピーク温
    度又はそれに相当する動的緩和現象温度が120℃以上
    の範囲であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    可逆性感熱記録材料。
  4. 【請求項4】 前記オーバーコート層が2層以上のオー
    バーコート層からなることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の可逆性感熱記録材料。
  5. 【請求項5】 前記オーバーコート層の表面の中心線平
    均粗さ(Ra)が0.05μm以上であることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
  6. 【請求項6】 前記オーバーコート層の表面に標準面積
    当たり山数(Pc)が3個以上の凸部を設けたことを特
    徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
  7. 【請求項7】 前記オーバーコート層の表面の摩擦係数
    が0.10以下であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の可逆性感熱記録材料。
  8. 【請求項8】 前記オーバーコート層の少なくとも一部
    分が熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組成物、又
    は電子線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
  9. 【請求項9】 前記オーバーコート層中の樹脂組成物が
    紫外線照射、電子線照射又は熱により硬化されたもので
    あることを特徴とする請求項8に記載の可逆性感熱記録
    材料。
  10. 【請求項10】 前記感熱層中に含まれる樹脂の少なく
    とも一部分が熱硬化性樹脂組成物、紫外線硬化性樹脂組
    成物、又は電子線硬化性樹脂組成物からなることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱記録材料。
  11. 【請求項11】 前記感熱層中に含まれる樹脂が紫外線
    照射、電子線照射又は熱により架橋されたものであるこ
    とを特徴とする請求項10に記載の可逆性感熱記録材
    料。
  12. 【請求項12】 前記可逆性感熱記録材料に前記感熱層
    以外に情報記録部を設けたことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の可逆性感熱記録材料。
  13. 【請求項13】 前記情報記録部が磁気記録層であり、
    磁気記録層を支持体と感熱層の間の全面又は一部分か、
    支持体裏面の全面又は一部分か、或いは磁気ストライプ
    を表示面の一部分かのいずれかに設けたことを特徴とす
    る請求項12に記載の可逆性感熱記録材料。
  14. 【請求項14】 前記情報記録部がIC又は光メモリで
    あり、前記可逆性感熱記録材料の一部分に設けたことを
    特徴とする請求項12に記載の可逆性感熱記録材料。
  15. 【請求項15】 前記可逆性感熱記録材料が2種類以上
    の支持体を貼り合わせた構成からなることを特徴とする
    請求項1、2、12、13、14のうち何れか1に記載
    の可逆性感熱記録材料。
  16. 【請求項16】 前記オーバーコート層上の一部分か、
    支持体裏面の全面又は一部分の何れか又は全てに着色剤
    及び樹脂バインダーを主成分とするカラー印刷層を設け
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の可逆性感熱
    記録材料。
  17. 【請求項17】 前記オーバーコート層が2層のオーバ
    ーコート層からなり、前記感熱層上の第1のオーバーコ
    ート層上又は前記カラー印刷層上に第2のオーバーコー
    ト層を設けたことを特徴とする請求項16に記載の可逆
    性感熱記録材料。
  18. 【請求項18】 支持体上に温度に依存して透明度又は
    色調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上
    にオーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料におい
    て、該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれ
    に相当する動的緩和現象温度が155℃以下であること
    を特徴とする可逆性感熱記録材料を、加熱により画像形
    成及び/又は画像消去することを特徴とする画像形成・
    消去方法。
  19. 【請求項19】 支持体上に温度に依存して透明度又は
    色調が可逆的に変化する感熱層を設け、更に該感熱層上
    にオーバーコート層を設けた可逆性感熱記録材料におい
    て、該オーバーコート層のtanδピーク温度又はそれ
    に相当する動的緩和現象温度が該感熱層の発色温度+3
    5℃以下であることを特徴とする可逆性感熱記録材料
    を、加熱により画像形成及び/又は画像消去することを
    特徴とする画像形成・消去方法。
  20. 【請求項20】 前記加熱をサーマルヘッドで行なうこ
    とを特徴とする請求項18又は19に記載の画像形成・
    消去方法。
  21. 【請求項21】 前記画像消去をサーマルヘッド、セラ
    ミックヒータ、ホットスタンプ、ヒートローラ、ヒート
    ブロックの少なくとも1種を用いて行なうことを特徴と
    する請求項18又は19に記載の画像形成・消去方法。
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