JPH1133402A - 脱硝用触媒およびその製造方法 - Google Patents

脱硝用触媒およびその製造方法

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JPH1133402A
JPH1133402A JP9192635A JP19263597A JPH1133402A JP H1133402 A JPH1133402 A JP H1133402A JP 9192635 A JP9192635 A JP 9192635A JP 19263597 A JP19263597 A JP 19263597A JP H1133402 A JPH1133402 A JP H1133402A
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aluminum sulfate
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alumina
particles
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Katsuhiro Yashiro
克洋 矢代
Yasuyoshi Kato
泰良 加藤
Meiji Ito
明治 伊東
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性強化部以外での脱硝活性の低下を防
ぎ、該強化効果が触媒母地の物理的特性に影響を受ける
ことなく、また圧力損失を増大させることなく、耐摩耗
性の向上を図ることができる脱硝用触媒およびその製造
方法を提供する。 【解決手段】(1) ダストを含有する排ガス中の窒素酸化
物を除去する脱硝用触媒において、該触媒の上記排ガス
が流入する入口側表面に、硫酸アルミニウムと、中心粒
径が10μm以下であるチタニア、アルミナ、シリカ、
炭化珪素、コーディエライトおよびムライトの少なくと
も1種からなる無機粒子とを含む被覆層を設けた脱硝用
触媒。(2) 20〜30重量%硫酸アルミニウム溶液に前
記無機粒子を分散させたスラリーを、触媒の排ガス入口
側表面に含浸させ、乾燥または熱処理することを特徴と
する脱硝用触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脱硝用触媒に係わ
り、特に流通する排ガス中の粉塵に対する耐摩耗性およ
び脱硝活性に優れた脱硝用触媒およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】燃焼排ガス中の窒素酸化物を除去する方
法としては、触媒を用いてアンモニアにより窒素酸化物
を選択的に還元する方法が主流になっている。このよう
な触媒としては、酸化チタン(TiO2)を主成分とした
モリブデン(Mo)、バナジウム(V)、タングステン
(W)等の酸化物を含む触媒組成物を粒状、板状、ハニ
カム状等に成形したものが用いられている(例えば特公
昭61−28377号公報)。特に石炭燃焼のようなダ
ストを含む排ガス処理に対しては、平行流路を持つ板状
触媒やハニカム状触媒がダストが堆積しにくいという点
で優れている。
【0003】近年、ダストの衝突に対する耐摩耗性を向
上するため、これらの触媒に無機バインダを含浸させる
方法や、耐摩耗性を有する被覆層を設ける方法が提案さ
れている。例えば、特公昭63−34782号公報に
は、触媒に硫酸アルミニウムを0.2〜20重量%含浸
させる方法が、特開昭58−202046号公報には、
触媒に硫酸アルミニウムを0.1〜20重量%、水溶性
バナジウム化合物液を0.01〜10重量%共含浸させ
る方法が、特公平1−55892号公報には、100〜
1000μmのセラミック等の耐摩耗性材を触媒にコー
ティングまたは積層する方法が提案されている。
【0004】しかしながら、触媒内部に無機バインダを
含浸させて耐摩耗性を向上させる方法では、含浸により
耐摩耗性が強化された部位で脱硝活性が低下するという
欠点があった。また無機繊維織布を基材とした触媒で
は、バインダにより繊維が拘束され、耐摩耗性は向上す
るが、脆くなり、構造強度が低下するという問題があっ
た。また無機バインダとしては、珪酸塩系、リン酸塩
系、硫酸塩系等が用いられるが、珪酸ソーダ等の珪酸塩
系では乾燥しにくく、昇温時に内包された水が発泡する
ことがあり、またリン酸アルミニウム等のリン酸塩系で
は触媒に混入させた無機繊維等を拘束して変形能を低下
させ、触媒全体が脆くなるという欠点があった。
【0005】また、硫酸アルミニウムを用いる場合に
は、脱硝活性の低下は少ないが、結合力に劣り、特に平
行流路を形成する触媒構造物の排ガス流入部が流路壁面
に比べて摩耗しやすいという欠点があった。例えば、金
属基材に触媒組成物を担持した板状触媒では摩耗の歯止
めとなる芯材がなく、また触媒組成物のみで構成される
ハニカム触媒や無機繊維織布を基材とした板状触媒でも
硫酸アルミニウムの含浸だけでは耐摩耗性の向上が不十
分であった。この理由の一つとして、一般に含浸強化の
場合は被含浸材の特性、例えば触媒母地の表面積や細孔
容積等の特性によって強度発現に寄与する粒子同士の物
理的接触点が異なり、またバインダの分子の大きさや粘
度によって含浸量や付着状態が異なるため、触媒の強化
部を所期の物理的特性に調整しにくいという点が挙げら
れる。
【0006】さらに、耐摩耗性材をコーティングする方
法では、コーティング層を触媒母地とは別に設けるた
め、所期の物理的特性に調整しやすい利点があるが、使
用する材料によってコーティング層の厚さへの影響を受
け易いという欠点がある。例えば骨材粒径が大きすぎる
と、骨材間の接触点が極端に減少し、また大きな隙間が
生じるため、バインダの結合力が十分に得られない。ま
た骨材とバインダからなるスラリ状の強化液でコーティ
ングする場合、粒径の大きな骨材はバインダ中に分散し
にくく、沈降しやすいため、粘度調製が必要となり、ま
たコーティング層が厚すぎると排ガス流路が狭められて
圧力損失が大きくなる問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
の従来技術の問題を解決し、耐摩耗性強化部以外での脱
硝活性の低下を防ぎ、該強化効果が触媒母地の物理的特
性に影響を受けることなく、また圧力損失を増大させる
ことなく、耐摩耗性の向上を図ることができる脱硝用触
媒およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
について鋭意検討した結果、排ガスが流入する触媒の入
口側表面にのみ耐摩耗性のある特定の被覆層を設けるこ
とにより、該触媒の流入口以外の流路壁面での脱硝活性
の低下を防ぐことができ、かつ中心粒径の小さい特定の
無機粒子を硫酸アルミニウムをバインダとして被覆する
ことにより、耐摩耗性効果が触媒の特性に影響を受ける
ことがなく、また板厚増加による圧力損失を増大させる
ことなく優れた耐摩耗性が得られることを見いだし、本
発明に到達したものである。
【0009】すなわち、本発明で特許請求される発明は
以下のとおりである。 (1)ダストを含有する排ガス中の窒素酸化物を除去す
る脱硝用触媒において、該触媒の上記排ガスが流入する
入口側表面に、硫酸アルミニウムと、中心粒径が10μ
m以下であるチタニア、アルミナ、シリカ、炭化珪素、
コーディエライトおよびムライトの少なくとも1種から
なる無機粒子とを含む被覆層を設けたことを特徴とする
脱硝用触媒。 (2)前記被覆層がさらに硫酸バナジルを含むことを特
徴とする(1) 記載の脱硝用触媒。
【0010】(3)20〜30重量%硫酸アルミニウム
溶液に、中心粒径が10μm以下であるチタニア、アル
ミナ、シリカ、炭化珪素、コーディエライトおよびムラ
イトの少なくとも1種からなる無機粒子を分散させたス
ラリーを、触媒の排ガス入口側表面に含浸させ、乾燥ま
たは熱処理することを特徴とする脱硝用触媒の製造方
法。 (4)中心粒径が10μm以下であるチタニア、アルミ
ナ、シリカ、炭化珪素、コーディエライトおよびムライ
トの少なくとも1種からなる無機粒子にコロイダルシリ
カを含むスラリーを、触媒の排ガス入口側表面に含浸さ
せ、熱処理を施して予備被覆層を設けた後、さらに該触
媒入口側表面に、15〜25重量%硫酸アルミニウム溶
液または15〜23重量%硫酸アルミニウム溶液に6〜
20重量%の硫酸バナジルを混合した混合液を含浸させ
て乾燥することを特徴とする脱硝用触媒の製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる触媒には特に
制限はなく、例えば、酸化チタンを主成分としたモリブ
デン、バナジウム、タングステン等の酸化物を含む触媒
組成物などを公知の方法で板状、ハニカム状等に成形し
たものが用いられている。本発明における被覆層は、硫
酸アルミニウムと、中心粒径が10μm以下、好ましく
は0.1〜10μmであるチタニア、アルミナ、シリ
カ、炭化珪素、コーディエライトおよびムライトの少な
くとも1種からなる無機粒子とからなり、処理排ガスが
流入する触媒の入口側表面に設けられる。
【0012】無機粒子の中心粒径が10μmを超えると
硫酸アルミニウムによるバインダー効果が得られない。
なお、本発明において中心粒径とは累積度数50%の粒
径をいう。このような硬度が大きく微細な無機粒子を硫
酸アルミニウムをバインダーとして触媒に被覆すること
により、触媒体の物理的特性の影響を受けにくくなり、
被覆層の初期の物理的特性が調整し易くなる。硫酸アル
ミニウムに対する無機粒子の使用量には特に限定はない
が、無機粒子の分散性やその粒径等に応じて硫酸アルミ
ニウムによるバインダー効果が得られる範囲に調整する
のが好ましい。
【0013】触媒入口側表面に設けられる被覆層の長さ
は、触媒構造物の流路の大きさ等によって適宜選定する
ことが好ましく、通常は、排ガスが流通する触媒構造物
の入口側からガス流れ方向に5〜20mm程度が適当であ
る。また被覆層の厚さは、圧力損失の増加を抑える等の
点から、片側で0.1〜0.4mmの範囲となるように適
宜調節することが好ましい。また上記被覆層には、耐摩
耗性の向上の点から、さらに硫酸バナジルを含有させる
ことができる。
【0014】被覆層の形成は、20〜30重量%の硫酸
アルミニウム溶液に無機粒子を混合分散させたスラリー
状の液に、触媒構造物の耐摩耗性を強化しようとする部
分、すなわち、触媒の排ガス流入口側表面を浸漬して引
き上げた後、硫酸アルミニウムが分解しない450℃以
下の温度で乾燥または熱処理することにより行うことが
できる。このときの硫酸アルミニウム溶液の濃度が20
重量%未満では無機粒子同士の結合が不十分となり、ま
た30重量%を超えると溶液の流動性が低下し、被覆層
の厚さが厚くなる。
【0015】また無機粒子としてコロイダルシリカを含
むスラリー状の液に、耐摩耗性を強化する触媒構造物の
部分を浸漬し、熱処理して該部分に予備被覆層を設けた
後、硫酸アルミニウム溶液または硫酸アルミニウム溶液
に硫酸バナジルを過飽和にならないように混合した混合
液をさらに含浸し、乾燥等を施すことにより行うことが
できる。予備被覆層を形成した後に硫酸アルミニウムを
含浸させる場合には、予備被覆層に含浸されやすい濃度
(15〜25重量%)の硫酸アルミニウム溶液が用いら
れる。また硫酸バナジル含有硫酸アルミニウム溶液を含
浸させる場合には、硫酸アルニミウム溶液は硫酸バナジ
ルの過飽和分が存在しないようにするために15〜23
重量%、好ましくは15〜19重量%の濃度とされる。
【0016】この場合には硫酸アルミニウム溶液の濃度
が低くくても耐摩耗性が得られるが、これは無機粒子の
隙間にコロイダルシリカが入り込み粒子間の結合力が確
保されるためである。本発明において硫酸バナジルの添
加量は6〜20重量%、好ましくは12〜20重量%の
範囲である。硫酸バナジルの添加量が6重量%未満では
その添加による耐摩耗性の効果が得られず、20重量%
を超えると硫酸アルミニウム溶液に過飽和分が存在しや
すくなる。また硫酸バナジルを添加する場合には低い濃
度の硫酸アルミニウム溶液の使用で優れた耐摩耗性が得
られる。
【0017】コロイダルシリカの使用量には特に限定は
なく、要求される被覆層の厚さ、施工のし易さ等によっ
て適宜調整するのが好ましい。またコロイダルシリカを
他の無機粒子とともに使用する場合には、無機粒子の中
心粒径は、1〜10μmとするのが好ましい。コロイダ
ルシリカの粒径が一般に数十nmであり、他の無機粒子の
粒径が小さすぎると、予備被覆層の乾燥収縮が大きくな
り、また硫酸アルミニウムまたは硫酸アルミニウムと硫
酸バナジルが予備被覆層内に含浸されにくくなる場合が
ある。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、例中の部は重量部を、%は重量%を意味する。 実施例1 耐摩耗性を向上させるための触媒には、酸化チタン、酸
化タングステン、酸化バナジウム、酸化珪素、繊維状の
シリカアルミナから構成される触媒組成物を、シリカア
ルミナを主成分とする長繊維束を目抜き平織りした織布
にシリカとチタニアの微粒子を薄く担時した基材(スク
リーンという)に圧延ロールを用いて複合化し、これを
500℃で熱処理して得た板状触媒体を用いた(以下、
触媒体Aという)。この触媒体Aの触媒組成物の細孔容
積は0.31ml/gであった。次に、28%の硫酸アルミ
ニウム溶液100部に、中心粒径0.4μmのα−アル
ミナ粒子65部を加えて分散させてスラリー状の強化液
を調製した。この強化液に上記触媒体Aの端部20mmを
浸漬した後、引上げて室温で6h放置して乾燥し、さら
に350℃で熱処理した。
【0019】実施例2 実施例1において、28%の硫酸アルミニウム溶液10
0部に、中心粒径0.3μmのルチル型チタニア粒子4
0部を加えたスラリーを強化液として用いた以外は実施
例1と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。 実施例3 実施例1において、28%の硫酸アルミニウム溶液10
0部に、中心粒径3.0μmのコーディエライト粒子6
0部を加えたスラリーを強化液として用いた以外は実施
例1と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。 実施例4 実施例1において、25%の硫酸アルミニウム溶液10
0部に、中心粒径0.4μmのα−アルミナ粒子80部
を加えたスラリーを強化液として用いた以外は実施例1
と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。
【0020】比較例1 触媒体Aについて端部強化は行わなかった。 比較例2 実施例1において、α−アルミナ粒子を加えない28%
の硫酸アルミニウム溶液を強化液として用いた以外は、
実施例1と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。 比較例3 実施例1において、28%の硫酸アルミニウム溶液10
0部に、中心粒径36.0μmのα−アルミナ粒子80
部を加えたスラリーを強化液として用いた以外は実施例
1と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。 比較例4 実施例1において、19%の硫酸アルミニウム溶液10
0部に、中心粒径0.4μmのα−アルミナ粒子90部
を加えたスラリーを強化液として用いた以外は実施例1
と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。
【0021】実施例5 固形分20%のコロイダルシリカ100部に、中心粒径
4.1μmのα−アルミナ粒子160部を加えてスラリ
ー状の液を調製し、これに実施例1で得た熱処理前の触
媒体Aの端部20mmを浸漬し、引上げた後、500℃で
熱処理して予備被覆層を形成し、その後、さらに同じ部
分に25%の硫酸アルミニウム溶液を含浸させて室温で
6h放置乾燥した後、350℃で熱処理した。
【0022】実施例6 実施例5において、25重量%の硫酸アルミニウム溶液
の代わりに19%の硫酸アルミニウム溶液を用いた以外
は実施例5と同様の方法で触媒体Aの端部を強化した。 実施例7 実施例5において、25重量%の硫酸アルミニウム溶液
の代わりに19%の硫酸アルミニウム溶液に硫酸バナジ
ルを12%添加混合した溶液を用いた以外は実施例5と
同様の方法で触媒体Aの端部を処理した。
【0023】実施例8 実施例5において、25重量%の硫酸アルミニウム溶液
の代わりに19%の硫酸アルミニウム溶液に硫酸バナジ
ルを16%添加混合した溶液を用いた以外は実施例5と
同様の方法で触媒体Aの端部を処理した。
【0024】比較例5 実施例5において、コロイダルシリカとα−アルミナか
らなる予備被覆層を形成した後、硫酸アルミニウム溶液
を含浸させなかった以外は実施例5と同様の方法で触媒
体Aの端部を処理した。
【0025】実施例9 耐摩耗性を向上させるための触媒には、酸化チタン、酸
化タングステン、酸化バナジウム、繊維状のシリカアル
ミナから構成される触媒組成物を、実施例1と同じスク
リーンに圧延ロールを用いて複合化し、500℃で熱処
理して得た板状触媒体を用いた(以下、触媒体Bとい
う)。この触媒体Bの触媒組成物の細孔容積は0.38
ml/gであった。この触媒体Bの端部を実施例1と同様の
方法で強化した。
【0026】比較例6 実施例7において、無機粒子からなる予備被覆層を形成
しないこと以外は実施例7と同様の方法で触媒体Aの端
部を処理した。 比較例7 実施例8において、無機粒子からなる予備被覆層を形成
しないこと以外は実施例8と同様の方法で触媒体Aの端
部を処理した。 比較例8 触媒体Bについて端部強化を行わなかった。 比較例9 実施例9において、α−アルミナ粒子を加えない28%
の硫酸アルミニウム溶液を強化液として用いた以外は実
施例9と同様の方法で触媒体Bの端部を強化した。
【0027】<試験例>実施例1〜9および比較例1〜
9で得られた触媒体について、つぎの方法で耐摩耗性を
評価し、その結果を表1に比較した。 〔耐摩耗性評価法〕触媒体の端部に対し、500μmの
鋼鉄製グリット16Kgを直径15m の円筒を通して高さ
1m から角度0°で落下衝突させ、摩耗した深さを測定
した。
【0028】
【表1】
【0029】表1から、硫酸アルミニウム溶液にアルミ
ナ、チタニアまたはコーディエライト粒子を配合して触
媒表面に被覆層を設けた実施例1〜4では、触媒体A
(比較例1)または触媒体Aに硫酸アルミニウムのみを
含浸して強化したもの(比較例2)に比べ、耐摩耗性が
向上していることがわかる。また中心粒径が10μmを
超える無機粒子を使用した比較例3では、耐摩耗性の向
上効果が小さいことがわかる。これは無機粒子の粒径が
大きくなると、粒子同士の接触点が少なくなるとともに
粒子間の空隙が大きくなり、硫酸アルミニウムの結合効
果が小さくなるためであり、触媒体の内部に硫酸アルミ
ニウムのみが含浸されて強化した状態(比較例2)と同
程度の低い耐摩耗性となる。しかも、無機粒子の粒径が
大きくなると液中でこれらが沈降しやすいため均一な被
覆層が形成されがたく、また被覆層が厚くなる等の操作
上の問題が見られた。一方、中心粒径が0.1μm以下
では被覆層の乾燥収縮が大きくなり、剥離し易くなるこ
とがある。
【0030】さらに硫酸アルミニウム溶液の濃度を19
%と小さくした比較例4の場合には、無機粒子を含む被
覆層を設けても耐摩耗性の向上効果が小さいことがわか
る。これは、無機粒子に対する硫酸アルミニウムの濃度
が小さいため、粒子同士の結合が不十分となるためと判
断される。一方、硫酸アルミ溶液の濃度を30%以上に
すると、液の流動性が著しく低下し、被覆層が厚くなり
過ぎる現象が見られた。以上の結果より、硫酸アルミニ
ウム溶液と無機粒子を配合した強化液で被覆層を形成し
て耐摩耗性を向上させる場合には、無機粒子の中心粒径
が10μm以下で、硫酸アルミニウム溶液の濃度は20
〜30%がよいことがわかった。
【0031】一方、コロイダルシリカとアルミナで予備
被覆層を形成した後、さらに硫酸アルミニウムを含浸さ
せた実施例5、6では、予備被覆層のみを形成させた比
較例5に比べ、大幅に耐摩耗性が向上することがわか
る。この場合、硫酸アルミニウム溶液の濃度が20%以
下(実施例6)でも耐摩耗性が大きいのは、コロイダル
シリカを用いることにより、アルミナ粒子間に微粒シリ
カが充填され、粒子同士の接触点が増加するとともに、
粒子間隙が減少し、硫酸アルミニウムが効率よく粒子結
合に寄与し、低濃度でも効果が現れたものと推察され
る。
【0032】また硫酸アルミニウムに硫酸バナジルを加
えた混合溶液を含浸させた実施例7、8では、実施例
5、6に比べてさらに耐摩耗性が向上することがわか
る。また無機粒子からなる予備被覆層を形成せずに硫酸
アルミニウムと硫酸バナジルを共含浸した比較例6、7
に比べても耐摩耗性が向上していることがわかる。以上
の結果から、コロイダルシリカと無機粒子であらかじめ
形成した予備被覆層に硫酸アルミニウムと硫酸バナジル
の混合溶液を含浸して耐摩耗性を向上させる場合には、
強化液が予備被覆層に含浸されやすく、過飽和分が存在
しない範囲すなわち硫酸アルミニウム溶液の濃度は15
〜23%、硫酸バナジルの濃度は6〜20%がよいこと
がわかる。
【0033】さらに、触媒組成物の細孔容積が大きいた
め耐摩耗性が著しく小さい触媒体B(比較例8)に、硫
酸アルミニウムにアルミナを配合して被覆層を形成する
ことにより(実施例9)では、耐摩耗性が実施例1と同
等以上に向上しており、硫酸アルミニウムのみを含浸し
た場合(比較例9)に比べても触媒母地の影響が軽減さ
れて耐摩耗性が向上したことがわかる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、硫酸アルミニウムと無
機粒子による被覆層を触媒の排ガス流入口側表面に形成
するため、触媒母地の特性に左右されることなく、かつ
触媒活性を低下させることなく、触媒の耐摩耗性を向上
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダストを含有する排ガス中の窒素酸化物
    を除去する脱硝用触媒において、該触媒の上記排ガスが
    流入する入口側表面に、硫酸アルミニウムと、中心粒径
    が10μm以下であるチタニア、アルミナ、シリカ、炭
    化珪素、コーディエライトおよびムライトの少なくとも
    1種からなる無機粒子とを含む被覆層を設けたことを特
    徴とする脱硝用触媒。
  2. 【請求項2】 前記被覆層がさらに硫酸バナジルを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の脱硝用触媒。
  3. 【請求項3】 20〜30重量%硫酸アルミニウム溶液
    に、中心粒径が10μm以下であるチタニア、アルミ
    ナ、シリカ、炭化珪素、コーディエライトおよびムライ
    トの少なくとも1種からなる無機粒子を分散させたスラ
    リーを、触媒の排ガス入口側表面に含浸させ、乾燥また
    は熱処理することを特徴とする脱硝用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 中心粒径が10μm以下であるチタニ
    ア、アルミナ、シリカ、炭化珪素、コーディエライトお
    よびムライトの少なくとも1種からなる無機粒子にコロ
    イダルシリカを含むスラリーを、触媒の排ガス入口側表
    面に含浸させ、熱処理を施して予備被覆層を設けた後、
    さらに該触媒入口側表面に、15〜25重量%硫酸アル
    ミニウム溶液または15〜23重量%硫酸アルミニウム
    溶液に6〜20重量%の硫酸バナジルを混合した混合液
    を含浸させて乾燥することを特徴とする脱硝用触媒の製
    造方法。
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