JP5175797B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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本発明は、排ガスを処理するハニカム構造体に関する。
自動車排ガスの浄化に関しては、多くの技術が開発されているが、交通量の増大もあって、まだ十分な排ガス対策がとられているとは言い難い。日本国内においても、世界的にも自動車排ガス規制は、さらに強化されていく方向にある。その中でも、ディーゼル排ガス中のNOx規制については、非常に厳しくなってきている。従来は、エンジンの燃焼システムの制御によってNOx低減を図ってきたが、それだけでは対応しきれなくなってきた。このような課題に対応するディーゼルNOx浄化システムとして、アンモニアを還元剤として用いるNOx還元システム(SCRシステムと呼ばれている。)が提案されている。このようなシステムに用いられる触媒担体として、ハニカム構造体が知られている。
このハニカム構造体は、例えば、長手方向に沿って、該ハニカム構造体の一方の端面から他方の端面まで延伸する複数のセル(貫通孔)を有し、これらのセルは、触媒が担持されたセル壁により、相互に区画されている。従って、このようなハニカム構造体に排ガスを流通させた場合、セル壁に担持された触媒によって、排ガスに含まれるNOxが改質されるため、排ガスを処理することができる。
一般に、このようなハニカム構造体のセル壁は、コージェライトで構成され、このセル壁には、触媒として、例えばゼオライト(鉄または銅等でイオン交換されたもの)が担持される。この他、セル壁にゼオライトを使用し、ハニカム構造体を形成することが提案されている(例えば特許文献1)。
国際公開第2005/063653号パンフレット
前述のようなセル壁がゼオライトで構成されたハニカム構造体では、NOx浄化に寄与するゼオライトを、比較的多く使用することが可能となるため、効率的にNOxの浄化を行うことができる。しかしながら、一般に、ハニカム構造体のセル壁は、ゼオライトの他、ハニカム構造体の成形性や強度の確保のため、無機バインダ(例えば、セル壁の全重量の5%〜50%)、および/または無機繊維(例えば、セル壁の全重量の3%〜40%)を含んでいる。また、セル壁には、必要に応じて、ゼオライト以外の無機粒子等が添加される場合もある。このため、実際のハニカム構造体では、セル壁に含まれるゼオライト量は、それほど大きな値にすることはできない。このため、特許文献1のハニカム構造体では、セル壁に含まれるゼオライト量の上限により、ハニカム構造体のNOx浄化率が実質的に規定されてしまい、それ以上のNOx浄化率を得ることは難しいという問題がある。従って、ハニカム構造体のNOx浄化率のさらなる向上に対する要望は、依然として存在する。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、従来に比べて、高いNOx浄化率を有するハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明では、ゼオライトおよび無機バインダを含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットから構成されるハニカム構造体であって、
前記ハニカムユニットは、見かけの体積あたり、250g/Lを超えるゼオライトを含み、
前記セル壁の厚さの中心部分には、ゼオライトが存在し、
前記セル壁の表面は、前記セル壁の厚さの中心部分よりもゼオライトの割合が高いことを特徴とする。
前記ハニカムユニットの見かけの体積あたりのゼオライト量は、320g/L以下が好ましい。
また、本発明のハニカム構造体では、前記セル壁を長手方向に対して垂直な方向から見た場合、前記セル壁の表面全体において、前記セル壁の厚さの中心部分よりもゼオライトの割合が高くなっていることが好ましい。
また、本発明のハニカム構造体では、前記ゼオライトの割合が高い部分は、前記セル壁の表面から1〜100μmの厚さの領域であることが好ましい。
また、前記ゼオライトの割合が高い部分には、ゼオライトが60wt%〜100wt%の範囲で含まれていることが好ましい。
また、前記セル壁の厚さの中心部分に含まれるゼオライトの濃度C1に対する、前記ゼオライトの割合が高い部分に含まれるゼオライトの濃度C2の比(C2/C1)は、1<(C2/C1)≦2の範囲であっても良い。
また、前記ハニカムユニットは、さらに、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、ムライト粒子またはこれらの前駆体を含んでいても良い。
また、前記セル壁のゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であっても良い。
また、前記ハニカムユニットに含まれる前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含んでも良い。
また、前記ハニカムユニットが無機繊維を含む場合、前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであっても良い。
また本発明のハニカム構造体は、複数の前記ハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されていても良い。
本発明では、従来に比べて、高いNOx浄化率を有するハニカム構造体を提供することが可能となる。
本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 図1のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 本発明によるハニカム構造体におけるハニカムユニットのセル壁の部分拡大断面図である。 図3のA−A線に沿った、セル壁表面からの深さ方向の距離とゼオライト濃度の関係を模式的に示したグラフである。 本発明によるハニカム構造体における別のハニカムユニットのセル壁の部分拡大断面図である。 本発明によるハニカム構造体におけるさらに別のハニカムユニットのセル壁の部分拡大断面図である。 本発明のハニカム構造体の別の例を模式的に示した斜視図である。
以下、図面により本発明の形態を説明する。
図1には、本発明によるハニカム構造体を模式的に示す。また、図2には、図1に示したハニカム構造体の基本単位である、ハニカムユニットの一例を模式的に示す。
図1に示すように、本発明のハニカム構造体100は、2つの端面110および115を有する。また、ハニカム構造体100の両端面を除く外周面には、外周コート層120が形成されている。
ハニカム構造体100は、例えば、図2に示す柱状のセラミック製ハニカムユニット130を、接着層150を介して複数個(図1の例では、縦横4列ずつ16個)接合させた後、外周側を所定の形状(図1の例では、円柱状)に沿って切削加工することにより構成される。
図2に示すように、ハニカムユニット130は、該ハニカムユニットの長手方向に沿って一端から他端まで延伸し、両端面で開口された複数のセル(貫通孔)121と、該セルを区画するセル壁123とを有する。なお、ハニカムユニット130は、SCRシステムとして、NOx浄化に寄与するゼオライトを含む。従って、本発明によるハニカム構造体を、NOx浄化用の触媒担体として使用する場合、セル壁に、必ずしも貴金属触媒を担持する必要はない。ただし、セル壁には、さらに貴金属触媒を担持しても良い。
このように構成されたハニカム構造体100は、例えば、尿素タンクを有する尿素SCRシステムの触媒担体として使用される。この尿素SCRシステムに、排ガスが流通されると、尿素タンクに収容されている尿素が排ガス中の水と反応して、アンモニアが生じる。

CO(NH+HO → 2NH+CO 式(1)

このアンモニアが、NOxを含む排ガスとともに、ハニカム構造体100の一方の端面(例えば端面110)から、各セルに流入した場合、セル壁に含まれているゼオライト上で、この混合ガスの間で、以下の反応が生じる。

4NH+4NO+O → 4N+6HO 式(2−1)
8NH+6NO → 7N+12HO 式(2−2)
2NH+NO+NO → 2N+3HO 式(2−3)

その後、浄化された排ガスは、ハニカム構造体100の他方の端面(例えば端面115)から排出される。このように、ハニカム構造体100内に排ガスを流通させることにより、排ガス中のNOxを処理することができる。また、ここでは、尿素水を加水分解して、NH3を供給する方法を示したが、その他の方法でNHを供給しても良い。
ここで、従来のハニカム構造体では、ハニカムユニットのセル壁は、少なくとも、第1の無機粒子と、無機バインダとを含み、さらに、必要に応じて無機繊維を含むようにして構成されることが一般的である。無機バインダは、ハニカムユニットの成形性を確保するため、また無機繊維は、ハニカムユニットの強度を向上させるために必要である。さらに、強度向上のため、ハニカムユニットは、第1の無機粒子とは異なる第2の無機粒子を含む場合もある。従って、前述の特許文献1のように、NOx浄化反応に寄与するゼオライトを、第1の無機粒子として使用し、これによりハニカムユニットを作製した場合であっても、そのようなハニカムユニットの見かけの体積当たりに含まれるゼオライト量には、限界がある(通常の場合、最大でも250g/L(リットル))。例えば、一般的な混合比として、ゼオライト66.7wt%(第1の無機粒子)、無機バインダ13.3wt%(固形分比率)、無機繊維20.0wt%を仮定した場合(第2の無機粒子なし)とし、一般的なセル構造で気孔構造を計算とすると、セル壁に含まれる見かけの体積当たりのゼオライト量は、おおよそ230〜250g/L(リットル)となってしまう。
従って、従来のハニカム構造体では、セル壁に含まれる見かけの体積当たりのゼオライト量を、ある上限以上に高めることは難しい。またこの制約のため、ハニカム構造体のNOx浄化率を、ある値以上に向上させることは難しいという問題がある。
これに対して、本発明のハニカム構造体では、ハニカムユニット130のセル壁123は、表面側に、セル壁123の厚さの中心部よりもゼオライト濃度が高い領域を有することに特徴がある。すなわち、本発明のハニカムユニット130では、セル壁123の厚さの中心部と、表面側とで、ゼオライト濃度が異なっており、セル壁123の表面側で、ゼオライト濃度がより高くなっている。
なお本願では、以下、セル壁123の表面側にある、このようなセル壁123の厚さの中心部よりもゼオライト濃度が高い領域を、「高濃度ゼオライト部」310と称する。また、セル壁の厚さの中心部を含む、セル壁のその他の領域を、まとめて「基部」320(基材とも言う)と称する。
図3には、本発明によるハニカムユニット130のセル壁123の拡大断面を模式的に示す。また、図4は、図3のA−A線に沿った、セル壁表面からの深さ方向の距離とゼオライト濃度の関係を模式的に示したグラフである。図4において、横軸は、ハニカムユニットの長手方向に対して垂直な断面における位置(図2の方向Xに対応する)を表し、縦軸は、ゼオライト濃度Cを表している。ハニカムユニットのセル壁の厚さは、tであり、その厚さの中心PのX座標は、t/2である。X<0、X>tの部分は、セル121に対応する。
図3、図4からわかるように、セル壁の表面(X=0、t)には、厚さθを有する高濃度ゼオライト部310が構成されており、その内部には基部320が存在する。このため、セル壁の表面(X=0、t)のゼオライト濃度C2は、セル壁123の中心Pでのゼオライト濃度C1に比べて、大きくなっている。
ハニカムユニット130のセル壁123のうち、「基部」320は、ハニカムユニットの強度、成形性等に対して、重要な役割を果たす部分である。従って、基部320は、従来のハニカムユニットのセル壁と同様、ゼオライト(第1の無機粒子)の他、無機バインダを含み、さらに無機繊維、第2の無機粒子等を含んでも良い。換言すれば、基部320では、ゼオライト濃度の上限が制限される。一方、「高濃度ゼオライト部」310は、NOxの浄化性能の向上に寄与するように設けられる部分であって、基部320とは異なり、ハニカムユニットの強度や成形性の改善を意図して設けられる部分ではない。従って、「高濃度ゼオライト部」310では、無機バインダおよび/または無機繊維等の、ゼオライト以外の構成成分を必要に応じて排除することができるため、ゼオライト濃度を所望の値にまで高めることができる。本発明のこのような特徴により、ハニカムユニット130では、見かけの体積当たりのセル壁に含まれるゼオライト量を従来よりも高くすることができる。また、これにより、本発明によるハニカム構造体では、ハニカム構造体のNOx浄化率を有意に向上させることが可能となる。
なお、図3に示す構造のセル壁123は、例えば、ゼオライト(濃度C1)を含むハニカムユニットのセル壁に、さらにゼオライトを含む層(濃度C2、ただしC2>C1)をコーティングすることにより、容易に作製することができる。ただし、これは一例であって、他のいかなる適当な方法により、高濃度ゼオライト部310および基部320を有するセル壁123を構成しても良いことは、当業者には明らかである。
また、図4の例では、セル壁の深さ方向のゼオライト濃度プロファイルは、C1およびC2の2つの濃度の水平部を有するが、本発明の態様は、このようなプロファイルに限られるものではない。例えば、基部320は、θ≦X≦(t−θ)の範囲において、ゼオライト濃度が一定ではなく変化しても良い。また、基部320(θ≦X≦(t−θ)の範囲)は、さらに、いずれかの領域に、ゼオライト濃度がC3(C3<C2)の水平部を有しても良い。また、高濃度ゼオライト部310(0≦X≦θ、(t−θ)≦X≦t)において、ゼオライト濃度は一定ではなく、深さ方向に対して変化しても良い。
なお本願では、セル壁123の厚さの中心部および表面にゼオライトが含まれていることの確認は、以下のように実施した。ピンセット等を用いて、セル壁の表面を削り、表面部分の成分を粉末状態で回収する。同様に、セル壁の厚さの中心部分から、粉末状サンプルを回収する。これらの粉末状サンプルのX線回折分析から、セル壁の表面および中心部に、ゼオライトが含まれているか否かが確認できる。本願では、X線回折分析には、RINT2500PC装置(Rigaku社製)を使用した。
また、セル壁123の表面に高濃度ゼオライト部310が形成されているか否かは、前述の両サンプルの定量分析の結果を比較することにより、容易に判断することができる。
ここで、ハニカムユニットに含まれるゼオライト量P(ハニカムユニットの見かけの体積あたりの値)は、250g/L(リットル)<P≦320g/L(リットル)の範囲であることが好ましい。ハニカムユニットに含まれるゼオライト量Pが320g/Lを超えると、ハニカムユニットの強度が有意に低下することがあるからである。
また、高濃度ゼオライト部310の厚さθは、1μm〜100μmの範囲であることが好ましい。また、高濃度ゼオライト部310の厚さθと、基部320の厚さαの比(θ:α)は、1/2〜1/100の範囲にあることが好ましい。
セル壁123の高濃度ゼオライト部310に含まれるゼオライトの濃度C2は、60wt%〜100wt%の範囲であることが好ましく、80wt%〜95wt%の範囲であることがより好ましい。
また基部320に含まれるゼオライト濃度C1に対する、セル壁123の高濃度ゼオライト部310に含まれるゼオライトの濃度C2の比(C2/C1)は、1<(C2/C1)≦2の範囲であることが好ましく、1.5≦(C2/C1)≦1.7の範囲であることがより好ましい。
なお、以上の記載では、セル壁123の表面全体に、高濃度ゼオライト部310が設置されている場合、すなわち、基部320の全体が両側の高濃度ゼオライト部310で挟まれるように構成される場合を例に、本発明の特徴を説明した。しかしながら、本発明がそのような形態に限られるものではないことは、当業者には明らかである。例えば、高濃度ゼオライト部310は、図5、図6に示すように、セル壁の表面の一部のみに形成されていても良い。図5の場合、高濃度ゼオライト部310は、セル壁123Aの一方の表面にのみ形成されている。従って、基部320の一方の側(図の上側)は、セル121に対して露出されている。また、図6の場合、高濃度ゼオライト部310は、セル壁123Bの所定の表面(図の例では、上下表面)の一部分にのみ形成されている。このような形態で高濃度ゼオライト部310を構成した場合であっても、従来のハニカムユニットに比べて、ハニカムユニットに含まれるゼオライト量Pが増大し、これによりハニカム構造体のNOx浄化率を向上させることができることは、当業者には明らかであろう。
ここで、ハニカムユニット130のセル壁123の基部320は、ゼオライトに加えて無機バインダを含む。さらに、基部320は、ゼオライト以外の無機粒子、および/または無機繊維を含んでも良い。
基部320に含まれるゼオライトは、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、またはゼオライトLが好ましい。あるいは、基部320に含まれるゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、またはMnでイオン交換されたものであっても良い。
基部320に含まれるゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であることが望ましい。
基部320に含まれる無機バインダとしては、無機ゾルや粘土系バインダ等を用いることができ、上記無機ゾルの具体例としては、例えば、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス等が挙げられる。また、粘土系バインダとしては、例えば、白土、カオリン、モンモリロナイト、セピオライト、アタパルジャイト等の複鎖構造型粘土等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライトおよびアタパルジャイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
基部320に含まれるゼオライト以外の無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト、ゼオライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。また、これらの中では、アルミナ、ジルコニアが特に望ましい。
また、基部320に無機繊維を加える場合、無機繊維の材料としては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムまたはホウ酸アルミニウム等が望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記材料の中では、アルミナが望ましい。なお、ウィスカも無機繊維に含まれるものとする。
基部320に含まれる無機粒子(ゼオライトおよびゼオライト以外の無機粒子)の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。一方、望ましい上限は90重量%であり、より望ましい上限は80重量%であり、さらに望ましい上限は75重量%である。無機粒子(ゼオライトおよびゼオライト以外の無機粒子)の含有量が30重量%未満では、浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。一方、90重量%を超えると、ハニカムユニットの強度が低下する可能性がある。
基部320に含まれる無機バインダは、固形分として、5重量%以上含まれることが好ましく、10重量%以上含まれることがより好ましく、15重量%以上含まれることが特に好ましい。一方、無機バインダの含有量は、固形分として、50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、35重量%以下であることが特に好ましい。無機バインダの量が5重量%未満では、製造したハニカムユニットの強度が低くなることがある。一方、無機バインダの量が50重量%を超えると、原料組成物の成型性が悪くなることがある。
基部320に無機繊維が含まれる場合、無機繊維の合計量について、望ましい下限は3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は50重量%であり、より望ましい上限は40重量%であり、特に望ましい上限は30重量%である。無機繊維の含有量が3重量%未満ではハニカムユニットの強度向上の寄与が小さくなり、50重量%を超えると浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。
一方、ハニカムユニット130のセル壁123の高濃度ゼオライト部310は、基部320に比べてゼオライトを高濃度で含むという特徴を除き、特に構成上の制約はなく、いかなる材料をいかなる量で含んでも良い。例えば、高濃度ゼオライト部310は、無機バインダ、無機繊維、および/またはゼオライト以外の無機粒子を含んでも良い。これらの無機バインダ、無機繊維、ゼオライト以外の無機粒子としては、前述の基部320に使用され得る材料の中から選定された材料、あるいはその他の材料が使用されても良い。
ハニカムユニット130のセル壁123の全厚さ(基部320+高濃度ゼオライト部310)は、特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、浄化性能の観点から望ましい上限は、0.4mmである。
また、前述のハニカムユニット130の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限定されるものではなく、ハニカムユニットを接着層を介して接合することが可能であれば、いかなる形状であっても良い。ハニカムユニット130の断面形状は、正方形、長方形、六角形、扇形などであっても良い。
また、ハニカムユニット130のセル121の長手方向に対して垂直な断面の形状は、特に限られず、正方形以外に、例えば三角形、多角形としても良い。
ハニカムユニット130のセル密度は、15.5〜186個/cm(100〜1200cpsi)の範囲であることが好ましく、46.5〜170個/cm(300〜1100cpsi)の範囲であることがより好ましく、62〜155個/cm(400〜1000cpsi)の範囲であることがさらに好ましい。
本発明のハニカム構造体100の形状は、いかなる形状であっても良い。例えば、ハニカム構造体100の形状は、図1に示すような円柱の他、楕円柱、四角柱、多角柱等であっても良い。
ハニカム構造体100の接着層150は、接着層用ペーストを原料として形成される。接着層用ペーストとしては、特に限定されるものではないが、例えば、無機粒子と無機バインダを混ぜたものや、無機バインダと無機繊維を混ぜたものや、無機粒子と無機バインダと無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらにさらに有機バインダを加えてもよい。
接着層用ペーストに含まれる無機粒子、無機バインダおよび無機繊維としては、前述のようなハニカムユニットを構成する材料と同様のものを使用することができる。また、接着層用ペーストは、さらに、有機バインダを含んでも良い。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種以上が挙げられる。有機バインダの中では、カルボキシルメチルセルロースが望ましい。
接着層の厚さは、0.3〜2.0mmの範囲であることが好ましい。接着層の厚さが0.3mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあるためである。また接着層の厚さが2.0mmを超えると、圧力損失が大きくなることがある。なお、接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜選定される。
ハニカム構造体100の外周コート層120は、前述のようなハニカムユニットを構成する材料と同様の無機粒子、無機バインダおよび無機繊維を含み、さらに有機バインダを含むペーストを原料として形成される。外周コート層120は、接着層150と同じ材料であっても、異なる材料であっても良いが、同じ材料であることが好ましい。剥離やクラックが発生しにくくなるからである。原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーンや、球状アクリル粒子、グラファイト等の造孔剤を添加しても良い。外周コート層の最終的な厚さは、0.1mm〜2.0mmが好ましい。
以上の記載では、図1のような、接着層150を介して複数のハニカムユニット130を接合することにより構成されるハニカム構造体を例に説明した。
図7には、本発明のハニカム構造体の別の構成例を示す。なお、ハニカム構造体200は、複数のセル122がセル壁124を隔てて、長手方向に並設された単一のハニカムユニットから構成されること以外、ハニカム構造体100と同様である。なお、図7の例では、ハニカム構造体200の外周面に、外周コート層120が設置されているが、この外周コート層は、設置されても、設置されなくても良い。
(ハニカム構造体の作製方法)
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法を説明する。なお、ここでは、前述の図1のような、複数のハニカムユニットから構成されるハニカム構造体100の製造方法を例に説明する。
まず、ゼオライトを含む無機粒子、無機バインダを主成分とし、さらに必要に応じて無機繊維を添加した原料ペーストを用いて押出成形等を行い、ハニカムユニット成形体を作製する。
原料ペーストには、これらの他に有機バインダ、分散媒および成形助剤を成形性にあわせて適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂等から選ばれる1種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、無機粒子、無機バインダおよび無機繊維の合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)およびアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸およびポリアルコール等を挙げることができる。
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合・混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによってセルを有する形状に成形することが好ましい。
次に、得られた成形体は、乾燥することが好ましい。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機および凍結乾燥機などが挙げられる。また、得られた成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間が好ましい。更に、得られた成形体は、焼成することが好ましい。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃が好ましく、600〜1000℃がより好ましい。この理由は、焼成温度が600℃未満では焼結が進行せずハニカムユニットとしての強度が低くなり、1200℃を超えると、焼結が過剰に進行し、ゼオライトの反応サイトが減少してしまうためである。
次に、ハニカムユニットのセル壁の表面に、高濃度ゼオライト部が形成される。高濃度ゼオライト部は、含浸法、塗布法等、従来のいかなる成膜方法で形成されても良い。例えば含浸法の場合、高濃度のゼオライトを含むペースト中に、ハニカムユニットを含浸させることにより、セル壁の表面全体に高濃度ゼオライト部を形成することができる。また、ハニカムユニットのペーストへの含浸前に、セル壁の所定の部分をマスキングしておくことにより、前述の図5、図6のような、セル壁の表面の一部にのみ、高濃度ゼオライト部310が設置されたハニカムユニットを作製することができる。その後、ハニカムユニットを乾燥して、ペーストの固定化処理を実施することにより、高濃度ゼオライト部310をセル壁に密着させることができる。
次に、以上の工程で得られたハニカムユニットの外周側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他のハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)ハニカム構造体を作製する。
次にこのハニカム構造体を加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固化させて、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。乾燥、固化処理は、例えば、ハニカムユニットを500℃で、2時間保持することにより行われる。
次にダイヤモンドカッター等を用いて、ハニカム構造体を、例えば円柱状に切削加工し、必要な外周形状のハニカム構造体を作製する。
次に、ハニカム構造体の外周面(側面)に外周コート層用ペーストを塗布後、これを乾燥、固化させて、外周コート層を形成する。
複数のハニカムユニットを接着層によって接合させた後(ただし、外周コート層を設けた場合は、外周コート層を形成させた後)に、このハニカム構造体を脱脂することが好ましい。この処理により、接着層用のペーストおよびコート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合、これらの有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜選定されるが、通常の場合、700℃、2時間程度である。
以上の工程により、図1に示すハニカム構造体を作製することができる。
なお、複数の異なる形状のハニカムユニットを作製して、接着剤を介して結合し、切削加工を省略しても良い。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
まず、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm)2250重量部、アルミナ粒子(平均粒子径2μm)550重量部、アルミナゾル2600重量部(固形分20wt%)、アルミナ繊維(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)780重量部、メチルセルロース410重量部に、可塑剤および潤滑剤(ユニルーブ)を混合、混練して混合組成物を得た。Feゼオライト粒子は、ゼオライト重量に対して3wt%の分がFeでイオン交換されたものである。次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、ハニカムユニット成形体を得た。
次に、マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いてこれらの成形体を十分乾燥させ、400℃で2時間保持して脱脂した。その後、700℃で2時間保持して焼成を行い、ハニカムユニット(縦35mm×横35mm×全長150mm)を得た。セル壁の厚さは、0.15mmであり、セル密度は、78個/cmであり、開口率は、75%であった。また、ハニカムユニットに含まれるゼオライトの重量濃度C1は、54.9wt%であった。
次に、以下の方法により、高濃度ゼオライト部を形成した。
まず、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm)を80wt%、アルミナゾルを20wt%(固形分20wt%)の割合で混合し、さらに固形分が35wt%となるように水を加えて、コーティングペーストを調製した。次に、前述のハニカムユニットをこのコーティングペースト中に含浸させた後、ハニカムユニットを引き上げた。次に、ハニカムユニットを500℃で2時間保持し、ハニカムユニットのセル壁の表面全体に、高濃度ゼオライト部を形成した。高濃度ゼオライト部の厚さθは、約50μmであった。高濃度ゼオライト部に含まれるゼオライト濃度C2は、95.2wt%であった。
このような工程により、実施例1に係るハニカムユニットを得た。最終的に得られたハニカムユニットの開口率は、60%であり、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pは、320g/L(リットル)であった。
なお、Feイオン交換ゼオライトは、ゼオライト粒子を硝酸水溶液を用いてイオン交換を行い、イオン交換量は、装置ICPS−8100(島津製作所製)を用いて、IPC発光分析により求めた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係るハニカムユニットを得た。なお、実施例2では、高濃度ゼオライト部を形成する際のコーティングペーストとして、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm)を75wt%、アルミナゾルを20wt%(固形分20wt%)、アルミナ繊維(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)を5wt%の割合で混合し、さらに固形分が35wt%となるように水を加えたものを使用した。高濃度ゼオライト部の厚さθは、約50μmであった。また高濃度ゼオライト部に含まれるゼオライト濃度C2は、89.3wt%であった。
最終的に得られたハニカムユニットの開口率は、60%であり、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pは、310g/L(リットル)であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係るハニカムユニットを得た。なお、実施例3では、高濃度ゼオライト部を形成する際のコーティングペーストとして、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm)を70wt%、アルミナゾルを20wt%(固形分20wt%)、アルミナ繊維(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)を10wt%の割合で混合し、さらに固形分が35wt%となるように水を加えたものを使用した。高濃度ゼオライト部の厚さθは、約50μmであった。また高濃度ゼオライト部に含まれるゼオライト濃度C2は、83.3wt%であった。
最終的に得られたハニカムユニットの開口率は、60%であり、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pは、300g/L(リットル)であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、比較例1に係るハニカムユニットを得た。なお、比較例1では、「高濃度ゼオライト部」の代わりに、「非高濃度の」ゼオライトコーティング部を設置した。すなわち、比較例1では、コーティングペーストとして、Feゼオライト粒子(平均粒子径2μm)を36.5wt%、アルミナ粒子(平均粒子径2μm)を8.9wt%、アルミナゾルを42.1wt%(固形分20wt%)、アルミナ繊維(平均繊維長100μm、平均繊維径6μm)を12.5wt%の割合で混合し、さらに固形分が35wt%となるように水を加えたものを使用した。コーティング部の厚さθは、約50μmであった。またコーティングに含まれるゼオライト濃度C2は、54.9wt%であった。
最終的に得られたハニカムユニットの開口率は、60%であり、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pは、250g/L(リットル)であった。
(比較例2)
実施例1と同様の方法により、比較例2に係るハニカムユニットを得た。ただし、比較例1では、セル壁にコーティングを施工していない。セル壁の厚さは、0.25mmであり、セル密度は、78個/cmであり、開口率は、60%であった。また、ハニカムユニットに含まれるゼオライトの重量濃度は、54.9wt%であり、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pは、250g/L(リットル)であった。
表1には、各実施例および比較例に係るハニカムユニットのコーティングペーストの組成比と、得られたコーティング部のゼオライト濃度C2(wt%)と、セル壁の基部のゼオライト濃度C1に対するセル壁のコーティング部のゼオライト濃度C2の比(C2/C1)と、得られたハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pとをまとめて示した。
Figure 0005175797
(NOx処理性能の評価)
上記方法で作製した実施例1〜実施例3および比較例1〜2に係るハニカムユニット(評価用サンプル)を用いて、NOx処理性能の評価を行った。評価には、前述の各ハニカムユニットを切削加工することにより、外径30mm、長さ50mmの寸法のものを使用した。
NOx処理性能の評価は、車両用ディーゼルエンジンの運転条件を模擬した試験ガスをハニカムユニットに流通させ、NOx処理を行い、ハニカムユニット(評価用サンプル)から排出されるガス中に含まれるNO(一酸化窒素)量を測定することにより実施した。
表2には、試験ガスの組成を示す。
Figure 0005175797
試験は、ハニカムユニット(評価用サンプル)に試験ガスを導入してから、排出ガス中に含まれるNO濃度がほとんど変化しなくなるまで継続した。NO濃度の測定には、HORIBA製の装置(MEXA−1170NX)を使用した。この装置のNOの検出限界は、0.1ppmである。試験温度(ハニカムユニットおよび試験ガス温度)は、250℃とし、試験期間中一定とした。
得られた測定結果から、NOx浄化率Nを算出した。ここでNOx浄化率Nは、

N(%)={(ハニカムユニットに導入する前の混合ガス中のNO濃度−
ハニカムユニットから排出された排出ガス中のNO濃度)}/
(ハニカムユニットに導入する前の混合ガス中のNO濃度)×100 式(3)

により算出した。
結果を前述の表1に示す。この結果から、本発明によるハニカムユニット(実施例1〜3の評価用サンプル)は、比較例1、2のハニカムユニット(評価用サンプル)に比べて、高いNOx浄化率を示すことが明らかとなった。
(ハニカムユニットの強度評価)
上記方法で作製した実施例1〜実施例3および比較例1〜2に係るハニカムユニット(縦35mm×横35mm×全長150mm)を用いて、強度評価試験を行った。強度評価試験には、3点曲げ測定を使用した。この測定には、インストロン社製3点曲げ試験装置5582を使用し、JIS−R1601に準じて実施した。
測定は、以下のように実施した。まずクロスヘッド速度を1mm/分、スパン間距離Lを135mmとし、ハニカムユニットの長手軸に対して、垂直方向に加重を印加したときの、各ハニカムユニットの破壊荷重Wを測定した。次に、ハニカムユニットのセルの部分のモーメントを差し引いて、断面2次モーメントZを計算した。さらに、以下の式から、3点曲げ強度σを算定した。

σ=WL/4Z 式(4)

各ハニカムユニットにおける測定結果を、前述の表1の右欄にまとめて示す。この結果から、実施例1〜3に係るハニカムユニットにおける強度低下は、比較例1、2に係るハニカムユニットに比べて、あまり顕著ではないことがわかった。特に、実施例3に係るハニカムユニット(C2/C1=1.5)では、比較例1、2に係るハニカムユニットと同等の強度が得られることがわかった。
従って、ハニカムユニットの見かけの体積当たりのゼオライト量Pが、320g/L(リットル)以下の場合、高濃度ゼオライト部の設置による、ハニカムユニットへの強度低下への影響は、少ないものと思われる。
100 ハニカム構造体
110 第1の端面
115 第2の端面
120 外周コート層
121、122 セル
123、124 セル壁
130 ハニカムユニット
150 接着層
200 別のハニカム構造体
310 高濃度ゼオライト部
320 基部

Claims (12)

  1. ゼオライトおよび無機バインダを含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁によって区画された柱状のハニカムユニットから構成されるハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットは、見かけの体積あたり、250g/Lを超えるゼオライトを含み、
    前記セル壁の厚さの中心部分には、ゼオライトが存在し、
    前記セル壁の表面は、前記セル壁の厚さの中心部分よりもゼオライトの割合が高いことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記ハニカムユニットの見かけの体積あたりのゼオライト量は、320g/L以下であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記セル壁を長手方向に対して垂直な方向から見た場合、前記セル壁の表面全体において、前記セル壁の厚さの中心部分よりもゼオライトの割合が高くなっていることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ゼオライトの割合が高い部分は、1〜100μmの厚さを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  5. 前記ゼオライトの割合が高い部分には、ゼオライトが60wt%〜100wt%の範囲で含まれていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  6. 前記セル壁の厚さの中心部分に含まれるゼオライトの濃度C1に対する、前記ゼオライトの割合が高い部分に含まれるゼオライトの濃度C2の比(C2/C1)は、1<(C2/C1)≦2の範囲であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  7. 前記ハニカムユニットは、さらに、アルミナ粒子、チタニア粒子、シリカ粒子、ジルコニア粒子、セリア粒子、ムライト粒子またはこれらの前駆体を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  8. 前記セル壁のゼオライトは、アルミナに対するシリカの重量比が30〜50であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  9. 前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、およびアタパルジャイトの群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  10. 前記ハニカムユニットは、さらに無機繊維を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  11. 前記無機繊維は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムおよびホウ酸アルミニウムの群から選定された少なくとも一つであることを特徴とする請求項10に記載のハニカム構造体。
  12. 当該ハニカム構造体は、複数の前記ハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
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