JP5681431B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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本発明は、排ガスを処理するハニカム構造体に関する。
従来、一般に自動車用排ガス浄化に用いられるハニカム構造体として、
複数の貫通孔を有し、少なくとも無機粒子と、無機繊維とを含み、該貫通孔に対し直交する面の断面積が5〜50cmである多孔質ハニカムユニットと、
二以上の前記多孔質ハニカムユニットを前記貫通孔が開口していない外面で接合するシール材層と、
を備えたものが提案されている(例えば特許文献1)。
国際公開WO2005/063653号パンフレット
特許文献1に記載の従来のハニカム構造体は、原料ペーストを押出成形した後、得られた成形体を焼成することにより製造される。このハニカム構造体は、無機粒子、無機繊維およびバインダを含む原料ペーストを押出成形し、得られた成形体を焼成することにより製造される。なお、無機繊維は、最終的に得られるハニカム構造体の強度を高めるため、原料ペースト中に添加される。
無機繊維は、原料ペーストの成形によって得られる成形体において、押出方向に略平行な方向に沿って配向されるため、最終的に得られるハニカム構造体においても、無機繊維は、ハニカム構造体の長手方向に沿って延在することになる。このような無機繊維の分布が存在するので、ハニカム構造体の強度は、応力方向依存性を示すようになる。すなわち、ハニカム構造体は、長手方向に平行な方向における応力に対しては、無機繊維の存在により良好な強度を示すものの、長手方向に垂直な方向の応力に対しては、無機繊維の存在効果があまり発揮されず、比較的強度が低下する。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、本発明では、従来のハニカム構造体に比べて、長手方向に略垂直な方向に対しても、比較的良好な強度を有するハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明では、
無機粒子を含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁により区画されたハニカムユニットを有するハニカム構造体であって、
前記ハニカムユニットは、さらにフレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物のいずれか一つを少なくとも含むことを特徴とするハニカム構造体が提供される。
ここで、本発明によるハニカム構造体において、前記フレーク状物は、ガラスフレーク、雲母、アルミナフレーク、シリカフレーク、酸化亜鉛フレークからなる群から選定された、少なくとも一つであっても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記フレーク状物は、アスペクト比が3〜250の範囲であっても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記テトラポッド状物または3次元針状物は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ベーマイト、および酸化亜鉛からなる群から選定された、少なくとも一つであっても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記無機粒子は、ゼオライトを含んでいても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、およびゼオライトLのうちの少なくとも一つであっても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記ゼオライトは、AlPO(アルミノリン酸塩)、またはSAPO(シリコアルミノリン酸塩)を含んでいても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記ゼオライトは、FeまたはCuでイオン交換されていても良い。
また本発明によるハニカム構造体において、前記無機粒子は、アルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア、およびムライトのうちの少なくとも一つであっても良い。
また、当該ハニカム構造体は、さらに無機バインダを含み、
前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイトおよびベーマイトの群から選定された少なくとも一つを含んでいても良い。
また、当該ハニカム構造体は、複数のハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されても良い。
本発明では、従来のハニカム構造体に比べて、長手方向に略垂直な方向に対しても、比較的良好な強度を有するハニカム構造体を提供することが可能となる。
本発明のハニカム構造体の一例を模式的に示した斜視図である。 図1のハニカム構造体を構成するハニカムユニットの一例を模式的に示した斜視図である。 フレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物の一例を示した模式図である。 本発明のハニカム構造体の別の構成例を模式的に示した斜視図である。
以下、図面により本発明の特徴を説明する。
図1には、本発明によるハニカム構造体を模式的に示す。また、図2には、図1に示したハニカム構造体の基本単位である、ハニカムユニットの一例を模式的に示す。
図1に示すように、本発明のハニカム構造体100は、2つの端面110および115を有する。また、通常の場合、ハニカム構造体100の両端面を除く外周面には、コート層120が設置される。
ハニカム構造体100は、例えば、図2に示す柱状のセラミック製ハニカムユニット130を、接着層150を介して複数個(図1の例では、縦横4列ずつ16個)接合させた後、外周側を所定の形状(図1の例では、円柱状)に沿って切削加工することにより構成される。
図2に示すように、ハニカムユニット130は、該ハニカムユニットの長手方向に沿って一端から他端まで延伸し、両端面で開口された複数のセル(貫通孔)121と、該セルを区画するセル壁123とを有する。これに限られるものではないが、図2の例では、セル121の長手方向(Z方向)に垂直な断面は、実質的に正方形状となっている。
ハニカムユニットに含まれる無機粒子として、アルミナ、シリカ、チタニア、セリア、ジルコニア、ムライト、またはゼオライトを使用した場合、そのようなハニカムユニットを有するハニカム構造体は、CO、HC、および/またはNOxを浄化するための触媒担体として、使用することができる。特に、無機粒子としてゼオライトを使用したハニカムユニットを有するハニカム構造体は、SCRシステムの触媒担体に有意に使用することができる。
ゼオライトを含んで構成されたハニカムユニットを有するハニカム構造体100は、例えば、尿素タンクを有する尿素SCRシステムの触媒担体として使用される。
このように構成されたハニカム構造体100を、触媒担体として備える尿素SCRシステムにおいて、システム内に排ガスが流通されると、尿素タンクに収容されている尿素が排ガス中の水と反応して、アンモニアが生じる(式(1))。

CO(NH+HO → 2NH+CO 式(1)

このアンモニアが、NOxを含む排ガスとともに、ハニカム構造体100の一方の端面(例えば端面110)から、各セルに流入した場合、セル壁に含まれているゼオライト等の触媒の作用により、以下の式(2−1)式および(2−2)の反応が生じる。

4NH+4NO+O → 4N+6HO 式(2−1)
8NH+6NO → 7N+12HO 式(2−2)

その後、浄化された排ガスは、ハニカム構造体100の他方の端面(例えば端面115)から排出される。このように、ハニカム構造体100内に排ガスを流通させることにより、排ガス中のNOxを処理することができる。
ハニカム構造体100を構成するハニカムユニットに含まれる無機繊維は、原料ペーストの押出成形後に得られる成形体において、押出方向に略平行な方向に沿って配向されるため、最終的に得られるハニカム構造体においても、無機繊維は、ハニカム構造体の長手方向に沿って延在することになる。
しかしながら、このような無機繊維の分布では、ハニカム構造体の強度は、応力方向依存性を示すようになる。すなわち、ハニカム構造体は、長手方向に平行な方向における応力に対しては、無機繊維の存在により良好な強度を示すものの、長手方向に垂直な方向の応力に対しては、無機繊維の存在効果があまり発揮されず、比較的強度が低下するという問題がある。
また、このようなハニカム構造体を触媒担体として使用する場合、ハニカム構造体は、金属ケース中に装着される。しかしながら、この状態では、ハニカム構造体に対して、比較的強度が低い方向、すなわち長手方向に垂直な方向に対して、大きな圧縮応力が負荷されることになる。従って、ハニカム構造体を金属ケース中に装着する際、あるいはその後に、ハニカム構造体がワレたり、破損したりすることが起こり得る。
これに対して、本発明によるハニカム構造体100では、ハニカムユニット130が鱗片状物質、いわゆる「フレーク状物」、「テトラポッド状物」、および「3次元針状物」のいずれか一つを少なくとも含む。
図3には、本発明に係るフレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物の一例を示す。
ここで、「フレーク状物」、「テトラポッド状物」、および「3次元針状物」とは、従来のハニカムユニットに添加される、通常の「無機繊維」とは異なる添加物であることに留意する必要がある。「フレーク状物」は、厚さが0.2μm〜5μmの範囲(図3(a)の1c)にあり、最大長さが10μm〜160μmの範囲(図3(a)の1c)にあり、アスペクト比(最大長さの比/厚さ)が3〜250の範囲にあることが好ましい。
また、「テトラポッド状物」の針状部の平均針状長は、5μm〜30μmの範囲(図3(b)の2a)が好ましく、平均径は、0.5μm〜5μmの範囲(図3(b)の2b)が好ましい。
さらに、「3次元針状物」が、繊維同士がそれぞれの繊維の中央付近で、ガラス等の無機物によって結合されて構成される、図3(c)に示すような構造である場合は、繊維部の平均繊維長(結合部より先の繊維部)は、5〜30μmの範囲(図3(c)の3a)が好ましく、繊維部の平均繊維長は、1〜10μmの範囲(図3(c)の3b)が好ましい。
さらに、「3次元針状物」が、図3(d)に示すような多方向針状部の結合部付近に針状部がある針状物の場合は、単位粒子の平均粒子径が0.5μm〜50μmの範囲(図3(d)のL)にあり、針状部の太さ(平均直径)が0.1μm〜5.0μmの範囲(図3(d)のq)にあり、針状部の長さが0.3μm〜30μmの範囲(図3(d)のp)にあり、アスペクト比(針状部の長さ/針状部の太さの比)が、1.4〜50の範囲にあることが好ましい。
なお、フレーク状物の厚さおよび最大長さ、または、テトラポッド状物の平均針状長および針状部の結合付近の平均径は、いずれも、フレーク状物またはテトラポッド状物のSEM写真から求めた平均値である。このうち、フレーク状物の厚さは、フレーク状物20個について求めた平均値である。またフレーク状物の最大長さは、フレーク状物を(扁平)粒子に近似したときの最大直径を、フレーク状物20個について求めた平均値である。
また、3次元針状物の平均繊維長および平均繊維径は、3次元針状物中の20個の繊維から求めた値である。
さらに、3次元針状物の繊維部の平均繊維長および繊維部の平均繊維径または3次元針状物の別の形態(多方向針状部で構成されている場合)の粒子径、針状部の太さ、および針状部の長さは、3次元針状物のSEM写真から求めた平均値である。このうち、3次元針状物の太さは、3次元針状物中の20個の針状部から求めた平均値である。また針状部の長さは、選定された3次元針状物中の20本の針状部において、最先端部から最初の分岐部までの距離を求め、これらを平均した値である。
なお、3次元針状物の粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定器で求めることもできる。テトラポッド状物の粒子径および3次元針状物で繊維が無機物で結合している形状の場合の粒子径は、針状部または針状部の長さから結合部が無機物で結合している形状の場合の粒子径は、針状部または繊維部の長さから結合部が小さいので結合部を無視して計算することができる。
図3(a)および(b)には、それぞれ、フレーク状物およびテトラポッド状物の一例を示す。
このようなフレーク状物は、従来の無機繊維とは異なり、原料ペーストの押出成形後に得られるハニカムユニットの成形体において、特定の方向に配列される傾向は少ない。換言すれば、フレーク状物は、ハニカムユニットの成形体中において、長手方向に配向されるが、フレーク状物1は、長さ1a、幅1b、および厚さ1cからなるため、フレーク状物の幅が長手方向に対して垂直に、ランダムな配向で分散される傾向にある。テトラポッド状物2は、針状部分2aが3次元形状に延びているため、テトラポッド状物の針状部がハニカムユニットの長手方向および垂直方向にランダムな配向で分散される。
また、図3(c)に示す3次元針状物の別の例では、複数の繊維が各繊維の長手方向の中心付近で結合した繊維体3が示されている。複数の繊維部3aが3次元形状になっているため、ハニカムユニットの長手方向および垂直方向にランダムに繊維部が配向される。
図3(d)に示す3次元針状物の別の一例を示す。この3次元針状物4は、無機繊維の複数の針状部4aが3次元的に連なって構成される。なお、各針状部4aは、より微細な複数の針状部4bを有する。
このような3次元針状物においても、針状部4a、4bが3次元的に延びているため、ハニカムユニットに分散された際には、ハニカムユニットの長手方向および垂直方向に針状部がランダムに配向されるようになる。
上記のように、フレーク状物の幅、テトラポッド状物の針状部、3次元針状物の繊維部、または3次元針状物の針状部がランダムに配向しているため、ハニカム構造体の長手方向に略垂直な方向に対しても、強度を向上させることができる。
具体的には、フレーク状物の幅がハニカムユニットの長手方向に対して垂直な方向に、無秩序に配向すること、またはテトラポッド状物および3次元針状物の針状部もしくは繊維部がハニカムユニットの長手方向および垂直方向に無秩序に配向することにより、ハニカムユニットの強度は、応力方向依存性を示しにくくなる。従って、本発明では、従来のハニカム構造体に比べて、長手方向に略垂直な方向に対しても、比較的良好な強度を有するハニカム構造体を提供することが可能となる。さらに、これにより、ハニカム構造体を金属ケース中に装着する際、あるいはその後に、ハニカム構造体がワレたり、破損したりする危険性が軽減される。
図3(b)のようなテトラポッド状物としては、単結晶体、ウィスカー等が挙げられ、図3(c)のような3次元針状物としては、繊維、ウィスカー等が挙げられる。また、図3(d)のような3次元針状物としては、連晶繊維等が挙げられる。
なお、図3(d)は、模式的に3次元針状物の一例を示した図であり、針状部4aと針状部4bとは結合しており、針状部の形状は、円柱、円錐、四角柱等のどのような形状であっても良い。
例えば、フレーク状物は、ガラスフレーク、雲母、アルミナフレーク、シリカフレーク、酸化亜鉛フレーク等からなる群から選定された、少なくとも一つが好ましい。
例えば、テトラポッド状物または3次元針状物は、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウム、ホウ酸アルミニウム、ベーマイト、および酸化亜鉛等からなる群から選定された、少なくとも一つが好ましい。
3次元針状物が複数の繊維からなる繊維体(図3(c)参照)で構成される場合、これらの繊維は、ガラス等が溶融、固化して形成された結合材(固定材)(3b)等で結合されていることが好ましい。なお、繊維体は、複数の繊維と結合材(固定材)とで構成されるため、「繊維体の材料」という表現は、繊維の材質を意味することにする。
なお、3次元針状物は、3次元形状になっていれば、どのような形状であっても良い。
また、本発明において、ハニカムユニット130は、アルミナ(例えばγアルミナ)、セリア、シリカ、ジルコニア、またはムライト等を含む材料で構成されても良い。この場合、そのセル壁123には、触媒として、例えば白金等の貴金属触媒が担持される。
さらに、ハニカムユニット130は、SAPO(シリコアルミノリン酸塩)を含んでも良い。ここで、SAPOとは、AlPO(アルミノリン酸塩)のAl(アルミニウム)およびP(リン)の一部がSi4+で置換された物質の総称である。学術的には、SAPOは、AlPOとともにゼオライトの類似体として分類される場合があるが、本願では、これらを含めて「ゼオライト」と称することにする。
一般に、SAPOは、吸湿した際にある特定の軸に沿って、体積が変化する特徴を有する。従って、従来のハニカム構造体を構成するハニカムユニットとして、SAPOおよび無機繊維を含むハニカムユニットを使用した場合、ハニカムユニットの吸湿によって、SAPOが体積変化すると、これにより、ハニカムユニットに、無機繊維の配向方向に沿った局部的なワレ(裂け)が生じるおそれがある。
これに対して、本発明によるハニカム構造体100では、ハニカムユニット130がSAPOを含む場合であっても、フレーク状物またはテトラポッド状物が、特定の方向におけるハニカムユニット130の収縮もしくは膨脹を抑制または軽減する。SAPOが収縮または膨脹する際に、フレーク状物があると、SAPOの粒子に対してフレーク状物の面(長さおよび幅で形成される厚さ方向の面)が障壁となり、テトラポッド状物があると、針状部または繊維部が3次元形状を有しているため、ハニカムユニット全体の収縮または膨脹を抑えることができる。従って、本発明によるハニカム構造体100では、SAPOの吸湿によるハニカムユニット130のワレ(裂け)およびクラックの発生を抑制することができる。
ハニカムユニット130に含まれるフレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物の含有量は、例えば、1wt%〜20wt%の範囲が好ましい。フレーク状物、テトラポッド状物および3次元針状物の含有量が1wt%未満では、強度向上効果が得られにくくなる場合がある。一方、フレーク状物、テトラポッド状物および3次元針状物の含有量が20wt%を超えると、触媒として機能する無機粒子が少なくなるという問題がある。
(ハニカム構造体100の構成)
次に、本発明によるハニカム構造体100の構成について、より詳しく説明する。
(ハニカムユニット130)
以下、特に、ハニカムユニット130がゼオライトを主体とする材料で構成される場合について説明する。ただし、ハニカムユニット130がγアルミナ等、他の材料で構成される場合も、以下の説明の一部が適用され得ることは、当業者には明らかである。
ハニカムユニット130は、ゼオライトと、フレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物のいずれか一つを少なくとも加えて、さらに、無機バインダを含む。また、ハニカムユニット130は、ゼオライト以外の無機粒子を含んでも良い。さらに、ハニカムユニット130は、無機繊維を含んでも良い。
ハニカムユニットに含まれるゼオライトは、例えば、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、またはゼオライトLである。またゼオライトは、AIPO(アルミノリン酸塩)、またはSAPO(シリコアルミノリン酸塩)であっても良い。また、ゼオライトは、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、Mn、Ti、AgまたはVでイオン交換されたものであっても良い。これらの元素の中では、特に、FeまたはCuが好ましい。
ハニカムユニットに含まれる無機バインダとしては、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイト、およびベーマイトからなる群から選択された少なくとも1種が望ましい。
ゼオライト以外の無機粒子としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、セリア、ムライト等からなる粒子が望ましい。これらの粒子は、単独で用いてもよく、2種以上併用しても良い。
ハニカムユニットに含まれるゼオライトを含む無機粒子の量について、望ましい下限は30重量%であり、より望ましい下限は40重量%であり、さらに望ましい下限は50重量%である。一方、望ましい上限は90重量%であり、より望ましい上限は80重量%であり、さらに望ましい上限は75重量%である。ゼオライトを含む無機粒子の含有量が30重量%未満では、浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。一方、ゼオライトを含む無機粒子の含有量が90重量%を超えると、ハニカムユニットの強度が低下する可能性がある。
また、ハニカムユニットに無機繊維を加える場合、無機繊維の材料としては、アルミナ、シリカ、炭化珪素、シリカアルミナ、ガラス、チタン酸カリウムまたはホウ酸アルミニウム等が望ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記材料の中では、アルミナが特に望ましい。
ハニカムユニットに含まれるフレーク状物、テトラポッド状物および3次元針状物の含有量の望ましい下限は、3重量%であり、より望ましい下限は5重量%であり、さらに望ましい下限は8重量%である。一方、望ましい上限は50重量%であり、より望ましい上限は40重量%であり、さらに望ましい上限は30重量%である。フレーク状物、テトラポッド状物および3次元針状物の含有量が3重量%未満では、ハニカムユニットの強度向上の効果が得られにくくなり、50重量%を超えると浄化に寄与するゼオライトの量が相対的に少なくなる。ハニカムユニットに、フレーク状物、テトラポッド状物および3次元針状物に加えて、さらに無機繊維を加える場合、両者の和は、上記範囲(3重量%〜50重量%)であることが好ましい。
ハニカムユニット130のセル密度は、15.5〜186個/cm(100〜1200cpsi)の範囲であることが好ましく、46.5〜170個/cm(300〜1100cpsi)の範囲であることがより好ましく、62〜155個/cm(400〜1000cpsi)の範囲であることがさらに好ましい。
ハニカムユニット130のセル壁123の厚さは、特に限定されないが、強度の点から望ましい下限は、0.1mmであり、浄化性能の観点から望ましい上限は、0.4mmである。
(接着層150)
ハニカム構造体100の接着層150は、接着層用ペーストを原料として形成される。接着層用ペーストとしては、特に限定されるものではないが、例えば、無機粒子と無機バインダを混ぜたものや、無機バインダと無機繊維を混ぜたものや、無機粒子と無機バインダと無機繊維を混ぜたものなどを用いることができる。また、これらにさらに有機バインダを加えても良い。また、接着層用ペーストには、前述のようなフレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を添加しても良い。
無機粒子、無機バインダ、無機繊維、フレーク状物、テトラポッド状物、および/または3次元針状物としては、前述のようなハニカムユニットを構成する材料と同様のものを使用することができる。また、有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどから選ばれる1種以上が挙げられる。有機バインダの中では、特にカルボキシルメチルセルロースが望ましい。
接着層の厚さは、0.3〜2mmの範囲であることが好ましい。接着層の厚さが0.3mm未満では十分な接合強度が得られないおそれがあるためである。また接着層の厚さが2mmを超えると、ハニカム構造体の圧力損失が大きくなることがある。なお、接合させるハニカムユニットの数は、ハニカム構造体の大きさに合わせて適宜選定される。
(コート層120)
ハニカム構造体100のコート層120は、前述のようなハニカムユニットを構成する材料と同様の無機粒子、無機バインダ、無機繊維、フレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物の少なくとも一つを含み、さらに有機バインダを含むペーストを原料として形成される。コート層120は、接着層150と同じ材料であっても、異なる材料であっても良い。コート層120および/または接着層150の原料となるペーストには、必要に応じて、酸化物系セラミックを成分とする微小中空球体であるバルーン、球状アクリル粒子、またはグラファイト等の造孔剤を添加しても良い。コート層の最終的な厚さは、0.1mm〜2.0mmが好ましい。
なお、以上の説明は、図1のような、接着層150を介して複数のハニカムユニット130を接合することにより構成されるハニカム構造体100に基づくものである。
図4には、本発明のハニカム構造体の別の構成例を示す。この図に示すように、ハニカム構造体200は、複数のセル122がセル壁124を隔てて長手方向に並設された、単一のハニカムユニットから構成されるという特徴を有する。ただし、このような特徴を除き、ハニカム構造体200は、ハニカム構造体100と同様の構造を有する。なお、図4の例では、ハニカム構造体200の外周面に、コート層120が設置されているが、このコート層は、設置しても、設置しなくても良い。
(ハニカム構造体の作製方法)
次に、本発明のハニカム構造体の製造方法を説明する。なお、ここでは、前述の図1のような、複数のハニカムユニットから構成されるハニカム構造体100の製造方法を例に説明する。また、以降の記載では、ゼオライトを主体とするハニカムユニット130を使用して、ハニカム構造体を製作する場合を例に説明する。
まず、無機粒子としてのゼオライトと、フレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物の少なくとも一つ、ならびに無機バインダを主成分とし、さらに必要に応じて無機繊維を添加した原料ペーストを用いて押出成形等を行い、ハニカムユニット成形体を作製する。
原料ペーストには、これらの他に有機バインダ、分散媒および成形助剤を成形性にあわせて適宜加えてもよい。有機バインダとしては、特に限定されるものではないが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂等から選ばれる1種以上の有機バインダが挙げられる。有機バインダの配合量は、無機粒子、無機バインダ、フレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物(無機繊維が添加される場合は、無機繊維を含む)の合計100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(ベンゼンなど)およびアルコール(メタノールなど)などを挙げることができる。成形助剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、デキストリン、脂肪酸、脂肪酸石鹸およびポリアルコール等を挙げることができる。
原料ペーストは、特に限定されるものではないが、混合および混練することが好ましく、例えば、ミキサーやアトライタなどを用いて混合してもよく、ニーダーなどで十分に混練してもよい。原料ペーストを成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、押出成形などによってセルを有する形状に成形することが好ましい。
次に、得られた成形体は、乾燥することが好ましい。乾燥に用いる乾燥機は、特に限定されるものではないが、マイクロ波乾燥機、熱風乾燥機、誘電乾燥機、減圧乾燥機、真空乾燥機および凍結乾燥機などが挙げられる。また、得られた成形体は、脱脂することが好ましい。脱脂する条件は、特に限定されず、成形体に含まれる有機物の種類や量によって適宜選択するが、おおよそ400℃、2時間が好ましい。更に、得られた成形体は、焼成することが好ましい。焼成条件としては、特に限定されるものではないが、600〜1200℃が好ましく、600〜1000℃がより好ましい。この理由は、焼成温度が600℃未満では、焼結が進行せずハニカムユニットとしての強度が低くなり、1200℃を超えると、焼結が過剰に進行し、排ガスの浄化率が低くなることがあるからである。
次に、以上の工程で得られたハニカムユニットの側面に、後に接着層となる接着層用ペーストを均一な厚さで塗布した後、この接着層用ペーストを介して、順次他のハニカムユニットを積層する。この工程を繰り返し、所望の寸法の(例えば、ハニカムユニットが縦横4個ずつ配列された)ハニカム構造体を作製する。
次にこのハニカム構造体を加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固化させて、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。
次にダイヤモンドカッター等を用いて、ハニカム構造体を、例えば円柱状に切削加工し、必要な外周形状のハニカム構造体を作製する。
次に、ハニカム構造体の外周面(側面)にコート層用ペーストを塗布後、これを乾燥、固化させて、コート層を形成する。
複数のハニカムユニットを接着層によって接合させた後(ただし、コート層を設けた場合は、コート層を形成させた後)に、このハニカム構造体を脱脂することが好ましい。この処理により、接着層用のペーストおよびコート層用ペーストに有機バインダが含まれている場合、これらの有機バインダを脱脂除去することができる。脱脂条件は、含まれる有機物の種類や量によって適宜選定されるが、おおよそ700℃、2時間が好ましい。
以上の工程により、図1に示すハニカム構造体を作製することができる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。
(実施例1)
まず、SAPO粒子(平均粒子径2μm)41wt%、フレーク状物6.4wt%、無機バインダ(ベーマイト)11.8wt%、有機バインダ(メチルセルロース)5.0wt%、潤滑剤(オレイン酸)3.7wt%、イオン交換水32.1wt%を混合、混練して混合組成物を得た。なお、フレーク状物としては、ガラスフレーク(アルミノホウケイ酸ガラス)を使用した。ガラスフレークは、平均粒子径が15μmであり、平均厚さが5μmであり、アスペクト比が3(平均粒子径/平均厚さ、以下同様)であった。
次に、この混合組成物を押出成形機により押出成形を行い、図2に示すような角柱状のハニカムユニットの成形体を得た。
次に、マイクロ波乾燥機および熱風乾燥機を用いてこれらの成形体を十分乾燥させ、400℃で2時間保持して脱脂した。その後、700℃で2時間保持して焼成を行い、ハニカムユニット(縦34.3mm×横34.3mm×全長100mm)を得た。ハニカムユニットのセル壁123の厚さは、0.2mmであった。セル密度は、124個/cmであった。
(実施例2)
実施例1と同様の工程により、実施例2に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、ガラスフレークとして、平均粒子径が160μm、平均厚さが5μm、アスペクト比が32のアルミノホウケイ酸ガラスを使用した。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例3)
実施例1と同様の工程により、実施例3に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物として、白雲母を使用した。この白雲母の平均粒子径は、23μm、平均厚さは、0.3μm、アスペクト比は、77であった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例4)
実施例3と同様の工程により、実施例4に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、白雲母として、平均粒子径が47μm、平均厚さが0.6μm、アスペクト比が78のものを使用した。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例5)
実施例1と同様の工程により、実施例5に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物として、αアルミナフレークを使用した。このαアルミナフレークの平均粒子径は、10μm、平均厚さは、0.3μm、アスペクト比は、33であった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例6)
実施例1と同様の工程により、実施例6に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物に替えて、テトラポッド状物として、酸化亜鉛(単結晶針状体)を使用した。この酸化亜鉛の平均繊維長(図3(b)の針状部分2aを意味する)は、20μmであった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例7)
実施例1と同様の工程により、実施例7に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物に替えて、3次元針状物として、アルミナ繊維体(複数のアルミナ繊維がガラスで結合されたもの)を使用した。このアルミナ繊維体の平均繊維長(図3(c)の繊維部分3aを意味する)は、50μm、平均繊維径は、6μmであった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例8)
実施例1と同様の工程により、実施例8に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、SAPO粒子の代わりに、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)を使用した。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例9)
実施例1と同様の工程により、実施例9に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、SAPO粒子(粒子径2μm)36.9wt%、フレーク状物12.4wt%、無機バインダ(ベーマイト)11.4wt%、有機バインダ(メチルセルロース)4.8wt%、潤滑剤(オレイン酸)3.6wt%、イオン交換水30.9wt%を混合、混練して、混合組成物を得た。なお、フレーク状物としては、ガラスフレーク(アルミノホウケイ酸ガラス)を使用した。ガラスフレークは、平均粒子径が15μmであり、平均厚さが5μmであり、アスペクト比が3であった。
その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(実施例10)
実施例9と同様の工程により、実施例10に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物として、白雲母を使用した。この白雲母の平均粒子径は、23μm、平均厚さは、0.3μm、アスペクト比は、77であった。その他の作製条件は、実施例9と同じである。
(実施例11)
実施例1と同様の工程により、実施例11に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この実施例では、フレーク状物に替えて、3次元針状物として、図3(d)に示した形状のベーマイト連晶粒子を使用した。このベーマイト粒子の平均粒子径は、20μmであり、針状部4bの太さqは、0.2μmであり、針状部4bのアスペクト比は、25であった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(比較例1)
実施例1と同様の工程により、比較例1に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この比較例1では、フレーク状物は、使用せず、代わりに、アルミナ繊維を使用した。アルミナ繊維の平均繊維長は、120μmであり、平均繊維径は、6μmであった。その他の作製条件は、実施例1と同じである。
(比較例2)
比較例1と同様の工程により、比較例2に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この比較例2では、アルミナ繊維の代わりに、ガラス繊維を使用した。ガラス繊維の平均繊維長は、85μmであり、平均繊維径は、6μmであった。その他の作製条件は、比較例1と同じである。
(比較例3)
比較例1と同様の工程により、比較例3に係るハニカムユニットを作製した。ただし、この比較例では、SAPO粒子の代わりに、γアルミナ粒子(平均粒径2μm)を使用した。その他の作製条件は、比較例1と同じである。
表1には、各実施例におけるハニカムユニットの主材料、ハニカムユニットに使用したフレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物の材質、フレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物の含有量、フレーク状物の平均粒子径、フレーク状物の平均厚さ、フレーク状物のアスペクト比、テトラポッド状物の平均針状長(平均繊維長)、3次元針状物の平均繊維径、3次元針状物の平均粒子径、3次元針状物の針状部の平均厚さ(太さ)、3次元針状物の針状部のアスペクト比、ならびに各比較例におけるハニカムユニットの主材料、ハニカムユニットに使用した無機繊維の材質、無機繊維の平均繊維長、および平均繊維径をまとめて示した。
Figure 0005681431
(4点曲げ試験)
前述の方法で作製した各実施例および比較例のハニカムユニットを用いて、4点曲げ試験を行い、ハニカムユニットの強度を評価した。4点曲げ試験は、JISR1601(ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法)に準拠する方法で実施した。より具体的には、上面荷重点間距離を20mmとし、下面支点間距離を85mmとして、ハニカムユニットに対して荷重を加え、ハニカムユニットが破壊するときの強度を測定した。荷重負荷装置には、インストロン5582を使用し、荷重の変化速度は、10mm/分とした。試験数は、各ハニカムユニットにつき10個とした。
4点曲げ試験で測定した曲げ強度(MPa)の試験結果を表1に示す。SAPOを主材料とし、さらにフレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を添加した実施例1〜7、11におけるハニカムユニットの4点曲げ強度は、1.0MPa〜1.2MPaであった。一方、フレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を使用していない比較例1〜2におけるハニカムユニットの4点曲げ強度は、いずれも0.7MPaであった。
また、γアルミナを主材料とし、さらにフレーク状物を添加した実施例8におけるハニカムユニットの4点曲げ強度は、1.6MPaであった。一方、フレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を使用していない比較例3におけるハニカムユニットの4点曲げ強度は、1.3MPaであった。
これらの結果から、主材料の種類に関わらず、フレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を添加することにより、ハニカムユニットの強度が向上することがわかった。
また、SAPOを主材料とするハニカムユニットにおいて、フレーク状物の含有量をさらに高めた、実施例9および10に係るハニカムユニットでは、4点曲げ強度は、1.3MPa、1.4MPaとなった。このことから、フレーク状物の含有量とともに、ハニカムユニットの強度が向上することがわかった。テトラポッド状物または3次元針状物の含有量を変えても、同様の結果が得られると考えられる。
(吸湿試験)
次に、実施例1〜7および9〜11、ならびに比較例1〜2に係るハニカムユニットを用いて、以下の方法で、吸湿試験を行った。
まず、平均繊維径が0.5μmで、平均繊維長が15μmのアルミナ繊維767g、シリカガラス2500g、カルボキシルセルロース17g、固形分30質量%のシリカゾル600g、ポリビニルアルコール167g、界面活性剤160g、およびアルミナバルーン17gを混合混練して、耐熱性の接着層用ペーストならびにコート層用ペーストを作製した。
接着層用ペーストを用いて、実施例および比較例と同一方法で製作したハニカムユニットを、縦横4列ずつになるように接合する。次に、この接合体を120℃まで加熱して、接着層用ペーストを乾燥、固化させて、接着層を形成させるとともに、ハニカムユニット同士を固着させる。その後、ダイヤモンドカッター等を用いて、接合体を、例えば円柱状に切削加工し、外周面(側面)にコート層用ペーストを塗布後、120℃まで加熱して、これを乾燥、固化させて、コート層を形成して、直径143.8mm×全長100mmの円柱状ハニカム構造体を作製する。
以上の工程により、図1に示すような形状のハニカム構造体を作製する。
次に、このハニカム構造体の外周面に、無機繊維のマット材(厚さ10mm)を巻き回し、ハニカム構造体にマット材を固定した後、このハニカム構造体を、内径が160mmφの金属ケース中に装着させる。そのままの状態で、室内(25℃、湿度55%)で2時間保持する(ハニカムユニットが空気中の水分を吸収する)。その後、金属ケースからハニカム構造体を取り外し、ハニカム構造体の状態を目視で観察した。
試験結果を表1の右端の欄に示す。SAPOを主材料とし、さらにフレーク状物、テトラポッド状物または3次元針状物を添加した実施例1〜7、9〜11におけるハニカムユニットでハニカム構造体を構成した場合、吸湿試験後のハニカム構造体に、異常(ワレ、クラック)は認められなかった。これに対して、フレーク状物、テトラポッド状物、または3次元針状物を使用していない(無機繊維を使用したもの)比較例1〜2におけるハニカムユニットで構成されたハニカム構造体では、吸湿試験後に、ハニカムユニットの端面にクラックが発生した。
このことから、ハニカムユニットにフレーク状物、テトラポッド状物、および3次元針状物のいずれか一つを少なくとも含むことにより、ワレ、クラック等の発生を避けることができることがわかる。
100 ハニカム構造体
110 第1の端面
115 第2の端面
120 コート層
121、122 セル
123、124 セル壁
130 ハニカムユニット
150 接着層
200 別のハニカム構造体。

Claims (9)

  1. 無機粒子を含み、長手方向に沿って、第1の端面から第2の端面に延伸する複数のセルがセル壁により区画されたハニカムユニットを有するハニカム構造体であって、
    前記ハニカムユニットは、さらに、ガラスフレーク、シリカフレーク、酸化亜鉛フレーク、複数のアルミナ繊維がガラスで結合されて構成されるアルミナ繊維体、およびベーマイト連晶粒子からなる群から選定された、少なくとも一つを含むことを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記フレーク状物は、アスペクト比が3〜250の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記無機粒子は、ゼオライトを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 前記ゼオライトは、β型ゼオライト、Y型ゼオライト、フェリエライト、ZSM−5型ゼオライト、モルデナイト、フォージサイト、ゼオライトA、およびゼオライトLのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項に記載のハニカム構造体。
  5. 前記ゼオライトは、AlPO(アルミノリン酸塩)、またはSAPO(シリコアルミノリン酸塩)を含むことを特徴とする請求項に記載のハニカム構造体。
  6. 前記ゼオライトは、FeまたはCuでイオン交換されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  7. 前記無機粒子は、アルミナ、シリカ、セリア、ジルコニア、およびムライトのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  8. 当該ハニカム構造体は、さらに無機バインダを含み、
    前記無機バインダは、アルミナゾル、シリカゾル、チタニアゾル、水ガラス、セピオライト、アタパルジャイトおよびベーマイトの群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
  9. 当該ハニカム構造体は、複数のハニカムユニットを接着層を介して接合することにより構成されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一つに記載のハニカム構造体。
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