JPH11331634A - テレビモニタ偏向装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ＡＫＢ検出機能を有するテレビモニタ装置にお
いて、垂直方向に画像圧縮された表示を行う際に、ラス
タ画面の歪みが生じないような偏向装置を提供する。 【解決手段】１は垂直鋸歯状波信号を発生する垂直発振
部、２はテレビ画面の垂直方向のサイズを圧縮する信号
処理を行うと共に、調整された鋸歯状波信号の前端縁に
挿入するＶ飛ばしパルスを出力するワイドモード信号処
理部、３は上記垂直サイズが調整された垂直走査信号と
前記Ｖ飛ばしパルス信号Ｐｓが入力され、ＡＫＢ検出位
置が画面上でオーバスキャンとなるように垂直走査信号
を合成する加算回路で、その合成された垂直走査信号が
垂直ドライブ部４から垂直偏向コイルに供給される。Ｅ
／Ｗ信号発生部５にはサイズが調整された垂直走査信号
が直接入力され水平補正信号（パラボリック波形）を形
成するが、Ｖ飛ばしパルスＰｓの影響を受けることな
く、正確な補正信号（パラボリック波形）を作ることが
できるので、画像圧縮モードで表示された画面でもラス
タの歪み等が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、テレビモニタの偏
向回路に関わり、特にテレビジョン受像機等において、
表示画像のアスペクト比を変更する際に好適なテレビモ
ニタ偏向装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】現在の通常のテレビジョン放送では、そ
の表示画面が４：３のアスペクト比となるように設定さ
れているが、ワイド画面を表示したり、横長の表示管
に、２画面を同時に表示するような横長テレビモニタ装
置が市販されている。また、横長の映像画面を有するテ
レビ受像機の場合は、例えば１６：９のハイビジョンテ
レビ信号の受信画像ではそのまま同じアスペクト比で表
示しているが、通常のテレビ放送方式の映像信号を写す
ときは、４：３の表示画面の左右を一杯に写し、上下方
向をカットしてこの部位分がスクロールすることによっ
て見られるようにしたものある。

【０００３】図３（ａ）はその一例を示したもので４：
３の映像画面にワイドな映像番組Ａをそのまま写した場
合を示す。また図３（ｂ）の場合は横長のテレビ画面に
２画面Ａ，Ｂの表示を行っている場合を示している。ま
た図３（ｃ）は横長の映像画面に４：３のアスペクト比
となっている映像画面を画面一杯に映し出すモードを示
している。

【０００４】上記図３（ａ）（ｂ）の場合は通常の映像
画像に対して垂直方向が圧縮された画面Ａ，Ｂとなって
おり、表示面の上下がアンダスキャンとなることによっ
て黒帯が発生することを示している。ところで、このよ
うな表示モードの場合は以下のような問題が生じる。

【０００５】近年のテレビジョン受像機はホワイトバラ
ンスや、ペデスタルレベルの設定が自動的にコントロー
ルできるように、ＣＲＴの電子ビームによる明るさ、す
なわち、ＣＲＴのカソード電流を各原色信号毎に測定し
て所定の値と比較し、自動的にホワイトバランスやブラ
ックバランスがとれるようにＡＫＢ（Automatic Kinesc
ope Bias)機能を備えている。そのため、カソード電流
を検出する期間として、例えば垂直ブランキング内の特
定の水平期間にＡＫＢ検出信号を重畳し、このＡＫＢ検
出信号に基づいたカソード電流を検出することによって
表示色のバランスがとれるようにコントロールしてい
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このようなＡＢＫ検出
信号は、通常垂直方向のブランキング期間に挿入され、
オーバスキャンによって映像画面上に現れないようにし
ているが、上記したような図３（ａ）（ｂ）の場合のよ
うに、垂直方向のサイズを圧縮した画像表示モードの場
合は、ブランキング期間がアンダスキャンになることに
よってＡＫＢ検出信号が画面上に出ることになり、この
ＡＫＢ検出信号が目障りとなる。

【０００７】そこで、画面の圧縮モードの場合はＡＫＢ
検出信号の挿入箇所を垂直方向のオーバスキャンとなる
領域に飛ばす（Ｖ飛ばしという）信号処理を行うことが
考えられている。以下、このようなＶ飛ばし操作を行う
偏向回路系について図４および信号波形を示す図５によ
り説明する。

【０００８】図４において、１１は基準の垂直鋸歯状波
信号を発生する垂直発振部、１２はこの垂直発振部１１
から出力された鋸歯状波信号ＳOを所定のサイズとなる
ように処理するワイドモード信号処理部である。

【０００９】このワイドモード信号処理部１２にはＡＫ
Ｂ検出信号をオーバスキャンの領域に飛ばすためのＶ飛
ばしパルスＰＳが供給され、所定のサイズとなるように
圧縮された鋸歯状波信号の立ち上がり点付近を、さらに
伸張してオーバスキャンとなるような垂直走査信号Ｓ02
の波形に変換している。そして、この信号処理がなされ
た垂直走査信号Ｓ02が次の垂直ドライブ回路１４に供給
され、ここで垂直偏向コイルをドライブするための補
正、例えばリニアリティ、垂直位置調整、電力増幅等が
行われて、図示されていない偏向コイルに供給される。

【００１０】また、ワイドモード信号処理が行われれた
垂直走査信号Ｓ02から、付加されたＶ飛ばしパルス信号
ＰＳ成分を除去して、水平走査信号の補正（ピンクッシ
ョン歪み）を行うパラボリック波形ＳＨを作るために、
Ｖ飛ばしパルス信号成分を除去する減算回路１３が設け
られており、この減算回路１３によって垂直走査信号Ｓ
02からＡＫＢパルス信号ＰＳを除去した鋸歯状波信号Ｓ
01を作り、この信号がＥ／Ｗ信号処理回路１５に供給さ
れるようにしている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この減算回
路１３によって、Ｖ飛ばしパルス信号ＰＳ成分を減算し
ても図５の拡大した波形Ｓ01’に示すように、Ｖ飛ばし
パルス成分を差し引いた後に段差や、髭が付いて元の鋸
歯状波信号にすることは極めて困難になる。また、この
ような髭や、段差が残ったままの信号を使用して水平方
向のピンクッション歪み等を補正するパラボリック信号
を発生すると、拡大した同図の波形ＳＨ’に示すように
水平走査信号を補正する信号にも段差や髭が残り、その
ためラスタの上方部分に少なからず影響を与えて画質を
悪くするという問題が生じる。

【００１２】特に先に述べたように横長画面に４：３の
映像画面を一杯に映し出す図３（ｃ）の表示モードの場
合は、この画面の上下方向が切れることになるので、一
般に画面のスクロールが行われる操作機能が付加されて
いるが、このスクロールによってラスタの上方の周辺部
を写すと、ラスタの上辺隅がかけた画面となって映像画
面が歪むという問題が生じる。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点を解消するために映像管の垂直鋸歯状波信号を発生す
る垂直信号発生部と、前記垂直信号発生部から出力され
た垂直鋸歯状波信号のサイズを変更すると共に、当該波
形に重畳するＡＫＢ検出位置信号を出力するワイドモー
ド信号処理部と、前記ワイドモード信号処理で垂直サイ
ズが変更された信号から、水平走査信号を補正する補正
信号を出力するＥ／Ｗ補正信号発生部と、前記ワイドモ
ード信号処理部から出力されたＡＫＢ検出位置信号と前
記サイズが変更された垂直走査信号を加算する加算回路
とを備え、前記加算回路から出力された垂直走査信号を
偏向コイルに供給する垂直ドライブ回路を備えるように
した。

【００１４】このような構成にすると、Ｅ／Ｗ信号発生
部には最初から所定のサイズの調整された垂直走査信号
が供給されることになるから、Ｖ飛ばしパルス信号の影
響を受けることが無く、水平方向に対して、正確な補正
信号を発生することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
１により説明する。この図において１は垂直鋸歯状波信
号を発生する垂直発振部、２はテレビ画面の垂直方向の
サイズを設定する信号処理を行うと共に、ＡＢＫ飛ばし
パルス信号ＰＳが入力されたときに、鋸歯状波信号のサ
イズ（レベル）と共に、その挿入位置を設定するワイド
モード信号処理部、３は加算回路部、４は垂直走査信号
を偏向コイルに供給するための垂直ドライブ部である。

【００１６】また、５は前記ワイドモード信号処理部２
から出力されているサイズが設定された垂直走査信号Ｓ
1が入力され、その信号に基づいて水平走査信号の振幅
を補正する補正信号ＳＨ（パラボリック波形）を形成す
るＥ／Ｗ信号処理部である。

【００１７】本発明の実施の形態は上記のブロック図に
よって、以下のような信号が作られる。基準の垂直鋸歯
状波信号を発生する垂直発振部１は例えば受信した映像
信号の同期信号に基づいて垂直鋸歯状波信号Ｓ0を発生
し、この出力レベルが表示画面のモードによって、ワイ
ドモード信号処理部２により調整される。例えば、垂直
方向が圧縮されるサイズに調整された垂直走査信号Ｓ１
は直接Ｅ／Ｗ補正信号発生部５に入力され、水平走査信
号の補正を行う補正信号ＳＨ（パラボリック波形）を形
成する。

【００１８】また、ワイドモード信号処理回路部２に入
力されているＶ飛ばしパルス信号Ｐｓは、垂直サイズの
調整に対応してその挿入位置が設定され、そのＶ飛ばし
パルス信号Ｐｓが加算回路３に供給される。加算回路３
は、上記垂直サイズが調整された垂直走査信号Ｓ1と前
記Ｖ飛ばしパルス信号Ｐｓが入力され、ＡＫＢ検出位置
が画面上でオーバスキャンとなるように垂直走査信号Ｓ
2として合成し、その合成された垂直走査信号Ｓ２が垂
直ドライブ部４に入力される。そして、この垂直ドライ
ブ部４において電力増幅、リニヤリティ、垂直位置等の
補正がなされ、図示されていない垂直偏向コイルに供給
される。

【００１９】本発明の場合は上記したようにＥ／Ｗ補正
信号処理部５にはサイズが調整された垂直走査信号Ｓ1
が直接入力されているので、この信号に基づいて作成さ
れる水平補正信号がＶ飛ばしパルスＰｓの影響を受ける
ことなく、正確な補正信号（パラボリック波形）を作る
ことができる。

【００２０】また、垂直ドライブ回路部４にはサイズが
調整された垂直走査信号Ｓ１にＶ飛ばしパルスＰＳが重
畳された垂直走査信号Ｓ２が供給されるので、この走査
信号に基づいて偏向コイルにスキャン信号を供給する
と、ＡＫＢ検出位置が映像画面のオーバスキャンとされ
た領域に移り、この点でカソード電流を検出してモニタ
画面のホワイトバランス調整を行うことができるように
なる。なお、Ｖ飛ばしパルスＰSは画像の下側にオーバ
スキャン領域が形成されるように鋸歯状波の後端縁に逆
極性で挿入するようにしてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のテレビモ
ニタ偏向装置は、特に垂直方向を圧縮してワイド画面を
表示し、垂直方向にアンダスキャンが発生するような画
像表示モードにおいて、ＡＫＢ検出を行う信号が挿入さ
れているときでも、表示ラスタの歪みを防止し、画質を
悪くすることながないという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテレビモニタ偏向装置の実施の形態を
示すブロック図である。

【図２】図１の各部の信号波形図を示す。

【図３】テレビジョン受像機で映し出される各種の画像
モードの説明図である。

【図４】従来のテレビジョン受信機の偏向回路系を示す
ブロック図である。

【図５】従来の偏向回路系の操作信号波形の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 垂直発振部、２ ワイドモード信号処理回路部 ３
加算回路、４垂直ドライブ部、５ Ｅ／Ｗ信号処理部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像管の垂直鋸歯状波信号を発生する垂
   直信号発生部と前記垂直信号発生部から出力された垂直
   鋸歯状波信号のサイズを変更すると共に、当該波形に重
   畳するＡＫＢ検出位置信号を出力するワイドモード信号
   処理部と、 前記ワイドモード信号処理部で垂直サイズが変更された
   信号から、水平走査信号を補正する補正信号を出力する
   Ｅ／Ｗ補正信号発生部と、 前記ワイドモード信号処理部から出力されたＡＫＢ検出
   位置信号と前記サイズが変更された垂直走査信号を加算
   する加算回路と、 前記加算回路から出力された垂直走査信号を偏向コイル
   に供給する垂直ドライブ回路とを備えていることを特徴
   とするテレビモニタ偏向装置。
2. 【請求項２】 上記ＡＫＢ検出位置信号は鋸歯状波信号
   の前端縁に重畳され得ることを特徴とする請求項１に記
   載のテレビモニタ偏向装置。
3. 【請求項３】 上記ＡＫＢ検出位置信号は鋸歯状波信号
   の後端縁に重畳されることを特徴とする請求項１に記載
   のテレビモニタ偏向装置。