JPH11329688A - マグネット式ヒーター - Google Patents

マグネット式ヒーター

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Publication number
JPH11329688A
JPH11329688A JP14655398A JP14655398A JPH11329688A JP H11329688 A JPH11329688 A JP H11329688A JP 14655398 A JP14655398 A JP 14655398A JP 14655398 A JP14655398 A JP 14655398A JP H11329688 A JPH11329688 A JP H11329688A
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JP
Japan
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conductor
magnet
fluid
permanent magnet
heat
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Withdrawn
Application number
JP14655398A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Usui
正佳 臼井
Hiroshi Inoue
洋 井上
Kazuyoshi Takigawa
一儀 滝川
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11329688A publication Critical patent/JPH11329688A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より短時間にかつ効率よく熱媒体用流体を高
温に加熱することができる自動車などの車両用補助暖房
熱源補助ヒータの提供。 【解決手段】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
方式であって、駆動軸に取付けられた永久磁石回転体
と、該回転体と対向配置した導体側に前後動可能なウォ
ータージャケットが設けられ、前記永久磁石回転体の回
動により導体に生じるスリップ発熱によりウォータージ
ャケット内の熱媒体用流体が加熱される構造となす。ま
た、前記ウォータージャケットは電磁コイルまたは流体
圧シリンダーにて前後動する方式となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に寒冷時や極寒
時におけるディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動
力源とする主に自動車などの各種車両用エンジンの起動
性向上や電気自動車を含む各種車両や船舶のキャビン暖
房などに使用されるエンジン冷却水などの熱媒体用流体
の補助加熱手段として用いられ、またエンジン駆動され
る発電機、溶接機、コンプレッサー、建設機械などのエ
ンジン冷却水の予熱あるいは急速昇温(ウォーミングア
ップ時間の短縮)に用いるマグネット式ヒーターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】寒冷地などにおける始動時のエンジン冷
却水の暖房に利用される自動車などの車両用補助暖房熱
源として、ビスカス式ヒーターが知られている(特開平
2−246823号公報、実開平4−11716号公
報、特開平9−254637公報、特開平9−6672
9号公報、特開平9−323530公報など参照)。ビ
スカス式ヒーターは、シリコンオイルなどの粘性流体を
せん断により発熱させ、ウォータージャケット内を循環
する循環水に熱交換して暖房熱源に利用する方式であっ
て、その構造としては、例えばハウジング内部に発熱室
と、この発熱室の外域にウォータージャケットを形成
し、ハウジングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能
に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが
固定されており、発熱室の壁面とロータとの間隙にシリ
コンオイルなどの粘性流体が封入され、ウォータージャ
ケット内では循環水が入水ポートから取入れられ、出水
ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく循環され
ている。
【0003】車両の暖房装置に組込まれたこのビスカス
式ヒーターでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれ
ば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱
室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱
し、この発熱がウォータージャケット内の循環水に熱交
換され、加熱された循環水が暖房回路でエンジン冷却水
など車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したビス
カス式ヒーターは、シンプルな構造により、小型化と低
コストを実現でき、また摩耗のない非接触式の機構で高
い信頼性と安全性を確保することができ、さらに水温が
上昇し、補助ヒーターが不要になると温度制御により自
動的に運転が停止するため、無駄なエネルギーは使用し
ないなどの特徴を有するが、粘性流体として用いるシリ
コンオイルの耐熱性は240℃程度が限界であり、シリ
コンオイルの温度をあまり高くできないことと、始動時
シリコンオイルが撹拌されて高温に発熱するまでに時間
がかかると共に、シリコンオイルの温度が上昇すると粘
度が低下することによりせん断抵抗が低下して単位時間
当りの発熱量が次第に減少する傾向があるためにエンジ
ン冷間時間での急速な暖房効果が得られないという難点
がある。このため、特にディーゼルエンジン搭載の寒冷
地仕様車の場合、このようなビスカス式ヒータは有効性
において十分とはいえず、より短時間にかつ効率よく熱
媒体用流体を高温に加熱することができる補助ヒータが
望まれていた。
【0005】本発明は、このようなビスカス式ヒーター
の有する問題点にかんがみなされたもので、ビスカス式
ヒーターに比しより高温にしかも短時間に熱媒体用流体
の温度を上昇させることができ、かつ耐熱性に優れたマ
グネット式ヒーターを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマグネット
式ヒーターは、磁石と導体間に形成される磁路をせん断
することにより導体側に発生するスリップ発熱を熱媒体
用流体に熱交換する方式であり、その要旨は、磁石と導
体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体
を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ
発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、駆動軸に
軸受装置を介して支承されたハウジングの内部に、前記
駆動軸により回動可能に設けられた永久磁石回転体と、
該回転体と僅かなギャップを隔てて対向配置した導体を
有しかつ該導体側に熱媒体用流体を循環させる熱媒体用
流体ジャケットが前後に摺動可能に設けられ、前記永久
磁石回転体の回動により導体に生じるスリップ発熱によ
り前記熱媒体用流体ジャケット内の熱媒体用流体が加熱
される構造となすとともに、前記熱媒体用流体ジャケッ
トは電磁コイルまたは流体圧シリンダーにて前後動する
方式となしたことを特徴とし、また前記永久磁石に替え
てサーマルフェライトまたは電磁石を用いたり、前記導
体に、ヒステリシス材またはエディカレント材を前記磁
石側に設けたヒステリシス材を用いたりするものであ
る。
【0007】すなわち、本発明は永久磁石、サーマルフ
ェライトなどの磁石と、磁気ヒステリシスの大きな材料
(以下「ヒステリシス材」と呼ぶ)やエディカレント材
などの導体(発熱体)の2つの部材で構成され、この2
つの部材が僅かなギャップ(通常0.3〜1.0mm)
を隔てて向かい合い、磁石と導体を相対的に回転させて
磁路をせん断することにより導体側に発生するスリップ
発熱を利用したもので、発熱体にエディカレント材また
はヒステリシス材を用いることによって数秒〜数十秒で
200〜600℃の温度に発熱させることができるとい
う特徴を有する。
【0008】なお、上記した「スリップ発熱」とは前記
磁石により発生した磁界内で、該磁界を切る方向に導体
を動かす(回転させる)と、当該導体内に渦電流(エデ
ィカレント)が発生し、この渦電流の導体内における電
気抵抗により発熱することを意味する。
【0009】本発明における熱交換方式としては、発熱
体である導体に熱媒体用流体を直接または間接に接触さ
せる方式を用いることができる。導体に熱媒体用流体を
直接接触させて熱交換する方式としては、熱媒体用流体
ジャケット内に導体の磁石と反対側の面を熱媒体用流体
ジャケット内に露出させる方式を、また導体に熱媒体用
流体を間接的に接触させて熱交換する方式としては、熱
媒体用流体ジャケットを介して熱交換する方式をそれぞ
れ用いることができる。
【0010】また、本発明において、熱媒体用流体ジャ
ケットを電磁コイルまたは流体圧シリンダーにて前後動
可能に設けたのは、磁石と導体間のギャップを調整する
ことにより当該マグネット式ヒーターのON/OFF制
御を行うためであり、さらには導体に生ずる発熱温度を
調整するためである。
【0011】本発明における回転駆動源としては、エン
ジンによりプーリなどを介して駆動軸を駆動する方式、
あるいはエンジンとは別設の専用のモーターや風力、水
力などを用いることができる。
【0012】一方、サーマルフェライトは、永久磁石に
ソフトフェライトを貼り付けたものが一般的であり、あ
る温度以上に発熱すると磁路がソフトフェライト中を通
るようになり、反対に発熱温度がある温度以下に下がる
と磁路がソフトフェライトの外側に形成されるという特
性を有する磁石であるため、磁石にサーマルフェライト
を用いた場合には、発熱温度を下げて磁力を低下させて
おくことが可能となることにより、熱媒体用流体ジャケ
ットを後退させる力を弱めることが可能となり、電磁コ
イルまたは流体圧シリンダーに付与するエネルギーを低
減できるという効果が得られる。
【0013】本発明は磁石と導体間の相対回転により主
として導体が発熱し、磁石も導体からの輻射熱により磁
力は少し弱まり、駆動トルクは多少減少するが、前記し
たビスカス式ヒーター程の比ではなく、発熱量は高い値
を維持し続けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るマグネット式
ヒーターの一例を示す縦断側面図、図2は同じくマグネ
ット式ヒーターの他の例を示す縦断側面図であり、1、
11は駆動軸、2、12は前部ハウジング、2−1、1
2−1は後部ハウジング、3、13は磁石回転体、4、
14は永久磁石、5、15はウォータージャケット、
6、16は導体、7、17、17−1は軸受装置、8、
18は支持ロッド、9は電磁コイル収納ボックス、10
は電磁コイル、21はコイルバネ、22は流体圧シリン
ダー、23はピストン、24は入水ポート、25−1、
25−2は流体出入ポート、26、36は締結ボルト、
27、37はプーリ、28は給電ケーブルをそれぞれ示
す。
【0015】すなわち、図1に示すマグネット式ヒータ
ーは、駆動軸1の外周に軸受装置7を介して支承された
前部ハウジング2内に前記駆動軸1に嵌着された磁石回
転体3が収納され、この磁石回転体3と僅かなギャップ
を隔てて対向するウォータージャケット5が前記駆動軸
1と同軸線上に設けた支持ロッド8に外嵌されて該ジャ
ケット背面側の後部ハウジング2−1内に前後に摺動可
能に収納され、かつ後部ハウジング2−1に一体に取付
けられた電磁コイル収納ボックス9内の電磁コイル10
により前記支持ロッド8が該ボックス内に組込んだコイ
ルバネ21および磁力に抗して後方に移動可能となして
いる。上記磁石回転体3にはドーナツ状の永久磁石4が
ヨーク4aを介して取付けられ、この永久磁石4と僅か
なギャップを隔てて相対向する導体6がウォータージャ
ケット5に取付けられ、かつ電磁コイル収納ボックス9
内の電磁コイル10により支持ロッド8を前後に摺動さ
せて永久磁石4と導体6間のギャップを調整できるよう
に構成されている。前記導体6はヒステリシス材または
該ヒステリシス材あるいは鉄材、アルニコ材などの基材
の磁石側表面にエディカレント材を貼着して構成された
ものである。
【0016】なお、磁石回転体3の回転によるウォータ
ージャケット5の回転(つれ回り)を防止するために、
ウォータージャケット5と一体の支持ロッド8の後端に
所望深さの断面矩形のピン穴8−1を形成し、この穴8
−1に摺動可能に挿入される所望長さの断面矩形ピン8
−2を電磁コイル収納ボックス9に取付けている。
【0017】後部ハウジングには入水ポート24および
図示しない出水ポートが隣接して設けられ、入水ポート
24と出水ポートとはウォータージャケット5に連通さ
れている。なお、ウォータージャケット5には熱交換効
率をよくするために、例えばスパイラル状や放射状、あ
るいは円弧状のフィンを設けることができる。
【0018】駆動軸1にはボルト26によりプーリ27
が取付けられ、車両のエンジンによりベルトで回転され
るようになっている。なお、駆動源はエンジンに替えて
専用のモーターや風水力を使用することも可能である。
【0019】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、後部ハウジング2−1内に前後に摺動可能に収納さ
れているウォータージャケット5は通常はコイルバネ2
1により永久磁石4側に押圧されて前部ハウジング2の
前端面に当接して該永久磁石4と所定のギャップが保た
れている。この状態で駆動軸1がプーリ27を介してエ
ンジンにより駆動されると、該駆動軸1側の前部ハウジ
ング2内で磁石回転体3が回動し永久磁石4が回動する
ことにより、後部ハウジング2−1内に前後に摺動可能
にかつ断面矩形のピン穴8−1に摺動可能に挿入されて
いる断面矩形ピン8−2の作用によりつれ回りすること
なく収納されているウォータージャケット5の前面に取
付けられた導体6と永久磁石4との間に形成されている
磁路がせん断されて主に導体6にスリップ発熱が生じ
る。この導体6の発熱は、ウォータージャケット5内の
熱媒体用流体としての循環水に熱交換され、加熱された
循環水が暖房回路で車両の暖房に供されることとなる。
【0020】一方、マグネット式ヒーターをOFFする
場合は、電磁コイル収納ボックス9内の電磁コイル10
に給電ケーブル28を介して通電し、支持ロッド8を該
ボックス内に組込んだコイルバネ21および磁力に抗し
て後方に移動させて永久磁石4と導体6間のギャップを
大きくする。これにより、磁石回転体3が回動しても導
体内には渦電流が発生しないため該導体は発熱すること
がない。
【0021】つぎに、図2に示すマグネット式ヒーター
は、図1に示すマグネット式ヒーターにおけるON/O
FF制御手段として採用した電磁コイルによる方式に替
えて、流体圧シリンダーを採用した例であり、他の装置
構成は図1と同様である。すなわち、駆動軸11の外周
に軸受装置17を介して支承された前部ハウジング12
内に前記駆動軸11に嵌着された磁石回転体13が収納
され、この磁石回転体13と僅かなギャップを隔てて対
向するウォータージャケット15が前記駆動軸1と同軸
線上に設けた支持ロッド18に外嵌されて該ジャケット
背面側の後部ハウジング2−1内に軸受装置17−1を
介して前後に摺動可能に収納され、かつ後部ハウジング
2−1に一体に取付けられた流体圧シリンダー22のピ
ストン23に前記支持ロッド18が接続されて、流体圧
シリンダー22によりウォータージャケット15が前後
動する仕組みとなっている。
【0022】上記磁石回転体3には図1のものと同様、
ドーナツ状の永久磁石14がヨーク14aを介して取付
けられ、この永久磁石14と僅かなギャップを隔てて相
対向する導体16がウォータージャケット15に取付け
られ、かつ流体圧シリンダー22により支持ロッド18
を前後に摺動させて永久磁石14と導体16間のギャッ
プを調整できるように構成されている。前記導体16も
前記と同様、ヒステリシス材または該ヒステリシス材あ
るいは鉄材、アルニコ材などの基材の磁石側表面にエデ
ィカレント材を貼着して構成されたものである。
【0023】駆動軸1にはボルト36によりプーリ37
が取付けられ、車両のエンジンによりベルトで回転され
るようになっている。
【0024】なお、図2に示すマグネット式ヒーターの
場合も図1に示すものと同様、磁石回転体13の回転に
よるウォータージャケット15の回転(つれ回り)を防
止するために、流体圧シリンダー22のピストン23に
所望深さの断面矩形のピン穴23−1を形成し、このピ
ン穴23−1に摺動可能に挿入される所望長さの断面矩
形ピン23−2を流体圧シリンダー22に取付けてい
る。
【0025】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、後部ハウジング12−1内に前後に摺動可能に収納
されているウォータージャケット15は通常は流体圧シ
リンダー22の流体出入ポート25−1より導入される
流体圧により永久磁石14側に押圧されて前部ハウジン
グ12の前端面に当接して該永久磁石14と所定のギャ
ップが保たれている。この状態で駆動軸11がプーリ3
7を介してエンジンにより駆動されると、該駆動軸11
側の前部ハウジング12内で磁石回転体13が回動し永
久磁石14が回動することにより、後部ハウジング12
−1内に前後に摺動可能にかつ断面矩形のピン穴23−
1に摺動可能に挿入されている断面矩形ピン23−2の
作用によりつれ回りすることなく収納されているウォー
タージャケット15の前面に取付けられた導体16と永
久磁石14との間に形成されている磁路がせん断されて
主に導体16にスリップ発熱が生じる。この導体16の
発熱は、ウォータージャケット15内の熱媒体用流体と
しての循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回
路で車両の暖房に供されることとなる。
【0026】一方、マグネット式ヒーターをOFFする
場合は、流体圧シリンダー22の流体出入ポート25−
1の方を解放し、他方の流体出入ポート25−2より流
体圧を導入してウォータージャケット15を後方に移動
させて永久磁石14と導体16間のギャップを大きくす
る。これにより、磁石回転体13が回動しても導体内に
は渦電流が発生しないため該導体は発熱することがな
い。
【0027】上記図1、図2では磁石に永久磁石を用い
たマグネット式ヒーターを例示したが、永久磁石に替え
てサーマルフェライトを用いた場合には、前記したごと
く発熱温度を下げて磁力を低下させておくことが可能と
なることにより、熱媒体用流体ジャケットを後退させる
力を弱めることが可能となり、電磁コイルまたは流体圧
シリンダーに付与するエネルギーを低減できるという効
果が得られる。
【0028】図3は本発明者が試験的に行った希土類エ
ディカレント材発熱データを例示したもので、このデー
タは永久磁石とエディカレント材間のギャップを1.0
mmに設定して対向配置し、エディカレント材側を固定
した状態で磁石側の回転数を種々変えて測定した時間
(sec)と温度の関係を示したものである。このデー
タより、磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対向配置
し、該磁石と導体を相対的に回転させることにより、数
秒〜数十秒で導体に200〜600℃のスリップ発熱が
生じることがわかる。したがって、導体側にウォーター
ジャケットを設けた場合には、循環水との熱交換表面の
温度を極短時間に200〜600℃の高温に加熱するこ
とができることとなる。
【0029】なお、上記の各実施例では、熱媒体用流体
として水を採用したが、これに限定されず、他の熱媒体
用流体、例えば熱媒体油、シリコンオイル、あるいは空
気などのガス体も採用できることはいうまでもない。ま
た、ウォータージャケット5、15のつれ回り防止手段
としては、前記の断面矩形ピン及び矩形ピン穴による方
式に限らず、例えば図1に示すマグネット式ヒーターの
場合は、支持ロッド8を矩形断面のロッドとし、電磁コ
イル10に矩形のコイルを用いて構成してもよく、また
図2に示すマグネット式ヒーターの場合は、流体圧シリ
ンダーに断面矩形のシリンダーを用いてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るマグ
ネット式ヒーターは、永久磁石や電磁石、サーマルフェ
ライトなどの磁石と、ヒステリシス材またはエディカレ
ント材を磁石側表面に設けたヒステリシス材などからな
る導体を相対的に回転させることにより導体に生じるス
リップ発熱を利用したものであるから、構造をよりシン
プルにでき、小型化と低コスト化を実現でき、また摩耗
のない非接触式の機構でより高い信頼性と安全性を確保
することができるという効果に加え、例えばエンジン冷
間時、急速に暖房が必要な場合、磁石側または導体側を
エンジンなどにより駆動することによりエンジン冷却水
を急速に暖めるとともにエンジンの暖房機能を著しく向
上させることができるという優れた効果を有する。した
がって、本発明はより短時間にかつ効率よく熱媒体用流
体を高温に加熱することができる補助ヒータとして優れ
た効果を発揮し、特にディーゼルエンジン搭載の寒冷地
仕様車などに極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネット式ヒーターの一例を示
す縦断側面図である。
【図2】同じくマグネット式ヒーターの他の例を示す縦
断側面図である。
【図3】本発明者が試験的に行った希土類エディカレン
ト材発熱データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1、11 駆動軸 2、12 前部ハウジング 2−1、12−1 後部ハウジング 3、13 磁石回転体 4、14 永久磁石 5、15 ウォータージャケット 6、16 導体 7、17、17−1 軸受装置 8、18 支持ロッド 9 電磁コイル収納ボックス 10 電磁コイル 21 コイルバネ 22 流体圧シリンダ 23 ピストン 24 入水ポート 25−1、25−2 流体出入ポート 26、36 締結ボルト 27、37 プーリ 28 給電ケーブル
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】駆動軸1にはボルト26によりプーリ27
が取付けられ、車両のエンジンによりベルトで回転され
るようになっている。なお、駆動源はエンジンに替えて
専用のモーターや風水力などを使用することも可能であ
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】つぎに、図2に示すマグネット式ヒーター
は、図1に示すマグネット式ヒーターにおけるON/O
FF制御手段として採用した電磁コイルによる方式に替
えて、流体圧シリンダーを採用した例であり、他の装置
構成は図1と同様である。すなわち、駆動軸11の外周
に軸受装置17を介して支承された前部ハウジング12
内に前記駆動軸11に嵌着された磁石回転体13が収納
され、この磁石回転体13と僅かなギャップを隔てて対
向するウォータージャケット15が前記駆動軸11と同
軸線上に設けた支持ロッド18に外嵌されて該ジャケッ
ト背面側の後部ハウジング12−1内に軸受装置17−
1を介して前後に摺動可能に収納され、かつ後部ハウジ
ング12−1に一体に取付けられた流体圧シリンダー2
2のピストン23に前記支持ロッド18が接続されて、
流体圧シリンダー22によりウォータージャケット15
が前後動する仕組みとなっている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】上記磁石回転体13には図1のものと同
様、ドーナツ状の永久磁石14がヨーク14aを介して
取付けられ、この永久磁石14と僅かなギャップを隔て
て相対向する導体16がウォータージャケット15に取
付けられ、かつ流体圧シリンダー22により支持ロッド
18を前後に摺動させて永久磁石14と導体16間のギ
ャップを調整できるように構成されている。前記導体1
6も前記と同様、ヒステリシス材または該ヒステリシス
材あるいは鉄材、アルニコ材などの基材の磁石側表面に
エディカレント材を貼着して構成されたものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】駆動軸11にはボルト36によりプーリ3
7が取付けられ、車両のエンジンによりベルトで回転さ
れるようになっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】なお、上記の各実施例では、熱媒体用流体
として水を採用したが、これに限定されず、他の熱媒体
用流体、例えば熱媒体油、シリコンオイル、冷媒あるい
は空気などのガス体も採用できることはいうまでもな
い。また、ウォータージャケット5、15のつれ回り防
止手段としては、前記の断面矩形ピン及び矩形ピン穴に
よる方式に限らず、例えば図1に示すマグネット式ヒー
ターの場合は、支持ロッド8を矩形断面のロッドとし、
電磁コイル10に矩形のコイルを用いて構成してもよ
く、また図2に示すマグネット式ヒーターの場合は、流
体圧シリンダーに断面矩形のシリンダーを用いてもよ
い。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、駆動軸に軸受装置を介して支承されたハ
    ウジングの内部に、前記駆動軸により回動可能に設けら
    れた永久磁石回転体と、該回転体と僅かなギャップを隔
    てて対向配置した導体を有しかつ該導体側に熱媒体用流
    体を循環させる熱媒体用流体ジャケットが前後に摺動可
    能に設けられ、前記永久磁石回転体の回動により導体に
    生じるスリップ発熱により前記熱媒体用流体ジャケット
    内の熱媒体用流体が加熱される構造となすとともに、前
    記熱媒体用流体ジャケットは電磁コイルまたは流体圧シ
    リンダーにて前後動する方式となしたことを特徴とする
    マグネット式ヒーター。
  2. 【請求項2】 永久磁石に替えてサーマルフェライトを
    用いることを特徴とする請求項1記載のマグネット式ヒ
    ーター。
  3. 【請求項3】 前記導体に、ヒステリシス材またはエデ
    ィカレント材を前記磁石側に設けたヒステリシス材を用
    いることを特徴とする請求項1または2記載のマグネッ
    ト式ヒーター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104299750A (zh) * 2014-09-30 2015-01-21 佛山市川东磁电股份有限公司 一种磁热发电装备的加热冷却系统
JP2016094830A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 シナノケンシ株式会社 送風機

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