JP2000123962A - マグネット式ヒーター - Google Patents

マグネット式ヒーター

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JP2000123962A
JP2000123962A JP10297222A JP29722298A JP2000123962A JP 2000123962 A JP2000123962 A JP 2000123962A JP 10297222 A JP10297222 A JP 10297222A JP 29722298 A JP29722298 A JP 29722298A JP 2000123962 A JP2000123962 A JP 2000123962A
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heat medium
conductor
medium fluid
magnet
permanent magnet
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JP10297222A
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Hiroshi Inoue
洋 井上
Masahito Yamada
雅人 山田
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より短時間にかつ効率よく熱媒体用流体を高
温に加熱することができる自動車などの車両用補助暖房
熱源補助ヒータの提供。 【解決手段】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
方式であり、前記導体を熱媒体用流体ジャケットとなし
て、駆動軸に軸受装置を介して支承された固定円板に取
付け、前記駆動軸により回動可能に設けられ前記円板と
対向配置した永久磁石回転体の回動により熱媒体用流体
ジャケットに生じるスリップ発熱により該ジャケット内
の熱媒体用流体が加熱される構造となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に寒冷時や極寒
時におけるディーゼルエンジンやガソリンエンジンを動
力源とする主に自動車などの各種車両用エンジンの起動
性向上や電気自動車を含む各種車両や船舶のキャビン暖
房などに使用されるエンジン冷却水などの熱媒体用流体
の補助加熱手段として用いられ、またエンジン駆動され
る発電機、溶接機、コンプレッサー、建設機械などのエ
ンジン冷却水の予熱あるいは急速昇温(ウォーミングア
ップ時間の短縮)に用いるマグネット式ヒーターに関す
る。
【0002】
【従来の技術】寒冷地などにおける始動時のエンジン冷
却水の暖房に利用される自動車などの車両用補助暖房熱
源として、ビスカス式ヒーターが知られている(特開平
2−246823号公報、実開平4−11716号公
報、特開平9−254637公報、特開平9−6672
9号公報、特開平9−323530公報等参照)。ビス
カス式ヒーターは、シリコンオイルなどの粘性流体をせ
ん断により発熱させ、ウォータージャケット内を循環す
る循環水に熱交換して暖房熱源に利用する方式であっ
て、その構造としては、例えばハウジング内部に発熱室
と、この発熱室の外域にウォータージャケットを形成
し、ハウジングには軸受装置を介して駆動軸が回動可能
に支承され、駆動軸には発熱室内で回動可能なロータが
固定されており、発熱室の壁面とロータとの間隙にシリ
コンオイルなどの粘性流体が封入され、ウォータージャ
ケット内では循環水が入水ポートから取入れられ、出水
ポートから外部の暖房回路へ送り出されるべく循環され
ている。
【0003】車両の暖房装置に組込まれたこのビスカス
式ヒーターでは、駆動軸がエンジンにより駆動されれ
ば、発熱室内でロータが回動するため、粘性流体が発熱
室の壁面とロータの外面との間隙でせん断により発熱
し、この発熱がウォータージャケット内の循環水に熱交
換され、加熱された循環水が暖房回路でエンジン冷却水
など車両の暖房に供されることとなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したビス
カス式ヒーターは、シンプルな構造により、小型化と低
コストを実現でき、また摩耗のない非接触式の機構で高
い信頼性と安全性を確保することができ、さらに水温が
上昇し、補助ヒーターが不要になると温度制御により自
動的に運転が停止するため、無駄なエネルギーは使用し
ないなどの特徴を有するが、粘性流体として用いるシリ
コンオイルの耐熱性は240℃程度が限界であり、シリ
コンオイルの温度をあまり高くできないことと、始動時
シリコンオイルが撹拌されて高温に発熱するまでに時間
がかかると共に、シリコンオイルの温度が上昇すると粘
度が低下することによりせん断抵抗が低下して単位時間
当りの発熱量が次第に減少する傾向があるためにエンジ
ン冷間時間での急速な暖房効果が得られないという難点
がある。また、ビスカス式ヒーターは、使用環境が極低
温の場合粘性流体の粘度が高くなるため、起動時の負荷
トルクが増大する。特にエンジン駆動の場合は起動時に
過大な負荷がかかることになる。このため、特にディー
ゼルエンジン搭載の寒冷地仕様車の場合、このようなビ
スカス式ヒータは有効性において十分とはいえず、より
短時間にかつ効率よく熱媒体用流体を高温に加熱するこ
とができる補助ヒータが望まれていた。
【0005】本発明は、このようなビスカス式ヒーター
の有する問題点にかんがみなされたもので、ビスカス式
ヒーターに比しより高温にしかも短時間に熱媒体用流体
の温度を上昇させることができ、かつ耐熱性に優れたマ
グネット式ヒーターを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るマグネット
式ヒーターは、磁石と導体間に形成される磁路をせん断
することにより導体側に発生するスリップ発熱を熱媒体
用流体に熱交換する方式であり、その要旨は、磁石と導
体を僅かなギャップを隔てて対向配置し、該磁石と導体
を相対的に回転させることにより導体に生じるスリップ
発熱で熱媒体用流体を加熱する方式であって、その第1
の実施態様は前記導体を熱媒体用流体ジャケットとなし
て、駆動軸に軸受装置を介して支承された円板に当該熱
媒体用流体ジャケットがバックプレートを介して取付け
られ、前記駆動軸により回動可能に設けられ前記熱媒体
用流体ジャケットと僅かなギャップを隔てて対向配置し
た永久磁石を有する永久磁石回転体を備え、該永久磁石
回転体の回動により熱媒体用流体ジャケットに生じるス
リップ発熱により該熱媒体用流体ジャケット内の熱媒体
用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするもの
である。
【0007】また本発明の第2の実施態様は、前記導体
を熱媒体用流体ジャケットとなして、非回転支軸に固着
された円板に当該熱媒体用流体ジャケットがバックプレ
ートを介して取付けられ、前記非回転支軸に軸受装置を
介して回動可能に支承され前記熱媒体用流体ジャケット
と僅かなギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有す
る永久磁石回転体を備え、該永久磁石回転体の回動によ
り前記熱媒体用流体ジャケットに生じるスリップ発熱に
より該ジャケット内の熱媒体用流体が加熱される構造と
なしたことを特徴とするものである。
【0008】さらに本発明の第3の実施態様は、非回転
支軸に固着された円板を導体となして、当該円板に熱媒
体用流体ジャケットが取付けられ、前記非回転支軸に軸
受装置を介して回動可能に支承され前記導体と僅かなギ
ャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する永久磁石
回転体を備え、該永久磁石回転体の回動により導体に生
じるスリップ発熱により前記熱媒体用流体ジャケット内
の熱媒体用流体が加熱される構造となしたことを特徴と
するものである。
【0009】そして本発明の第4の実施態様は、前記導
体を熱媒体用流体ジャケットとなして、内周に筒形のバ
ックプレートを介して熱媒体用流体ジャケットが取付け
られたシリンダー型のハウジング内に、外周に前記熱媒
体用流体ジャケットと僅かなギャップを隔てて対向配置
した永久磁石を有する永久磁石回転体が軸受装置を介し
て回動可能に支承され、前記永久磁石回転体の回動によ
り導体に生じるスリップ発熱により前記熱媒体用流体ジ
ャケット内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたこ
とを特徴とするものである。
【0010】さらにまた本発明の第5の実施態様は、前
記導体をシリンダー型のハウジングとなして、当該ハウ
ジングの外周に熱媒体用流体ジャケットが取付けられ、
外周に前記ハウジングの内周面と僅かなギャップを隔て
て対向配置した永久磁石を有する永久磁石回転体が当該
ハウジング内に軸受装置を介して回動可能に支承され、
前記永久磁石回転体の回動によりハウジングに生じるス
リップ発熱により前記熱媒体用流体ジャケット内の熱媒
体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするも
のである。
【0011】また本発明の第1の実施態様から第5の実
施態様においては、前記永久磁石に替えてサーマルフェ
ライトまたは電磁石を用いたり、前記導体にエディカレ
ント材またはヒステリシス材を用いたりするものであ
り、さらに熱媒体用流体ジャケットは螺旋状または渦巻
状に巻かれた流路、あるいは連続したU字状屈曲部をも
つ流路を有する円形パイプ、楕円形パイプ、長円形パイ
プまたは角パイプで構成され、そして前記楕円形パイ
プ、長円形パイプまたは角パイプはその側壁が接するよ
うにバックプレート、円板あるいはハウジングにろう付
けにより固着しているものである。
【0012】すなわち、本発明に係るマグネット式ヒー
ターは永久磁石、サーマルフェライトなどの磁石と、磁
気ヒステリシスの大きな材料(以下「ヒステリシス材」
と呼ぶ)やエディカレント材などの導体(発熱体)の2
つの部材が僅かなギャップを隔てて向かい合い、磁石と
導体を相対的に回転させて磁路をせん断することにより
導体側に発生するスリップ発熱を利用したもので、導体
にエディカレント材またはヒステリシス材を用いること
によって数秒〜数十秒で200〜600℃の温度に発熱
させることができるという特徴を有する。
【0013】なお、上記した「スリップ発熱」とは前記
磁石により発生した磁界内で、該磁界を切る方向に導体
を動かす(回転させる)と、当該導体内に渦電流(エデ
ィカレント)が発生し、この渦電流の導体内における電
気抵抗により発熱することを意味する。
【0014】そして本発明は磁石と導体間の相対回転に
より主として導体が発熱し、磁石も導体からの輻射熱に
より磁力は少し弱まり、駆動トルクは多少減少するが、
前記したビスカス式ヒーター程の比ではなく、発熱量は
高い値を維持し続けることができる。
【0015】本発明において、僅かなギャップを隔てて
対向配置した磁石と導体を相対的に回転させて磁路をせ
ん断する方法としては、磁石側と導体側のいずれか一方
を回転させる方法、磁石側と導体側を互いに相反する方
向に回転させる方法、磁石側と導体側の回転数を変えて
同一方向に回転させる方法などがある。なお、ギャップ
は特に限定するものではないが、通常0.3〜1.0m
mである。
【0016】また、本発明における回転駆動源として
は、エンジンによりプーリなどを介して駆動する方式、
あるいはエンジンとは別設の専用のモーターや風力、水
力などを用いることができる。
【0017】さらに、このマグネット式ヒーターのON
/OFF制御手段としては、電磁クラッチ、サーマルフ
ェライト、電磁ブレーキ、電磁コイルなどを用いること
ができる。なお、サーマルフェライトは、永久磁石にソ
フトフェライトを貼り付けたものが一般的であり、ある
温度以上に発熱すると磁路がソフトフェライト中を通る
ようになり、反対に発熱温度がある温度以下に下がると
磁路がソフトフェライトの外側に形成されるという特性
を有する磁石であるため、磁石にサーマルフェライトを
用いた場合は、このマグネット式ヒーターは自動的にO
N/OFF制御が可能となるので、別体のON/OFF
制御機構は不要である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係るマグネット式
ヒーターの一実施例を示す縦断側面図、図2は同じくマ
グネット式ヒーターの他の実施例で、(a)は縦断側面
図、(b)は同上マグネット式ヒーターのウォータージ
ャケットを示す正面図、図3は図2に示すマグネット式
ヒーターのウォータージャケット変形例を示す縦断側面
図、図4は図3のに示すマグネット式ヒーターのウォー
タージャケット変形例を示す縦断側面図、図5は同じく
マグネット式ヒーターの別の実施例を示す縦断側面図、
図6は図5に示すマグネット式ヒーターのウォータージ
ャケット変形例を示す縦断側面図、図7は同じくマグネ
ット式ヒーターのさらに他の実施例を示す縦断側面図、
図8は図7に示すマグネット式ヒーターの別の実施例を
示す縦断側面図であり、1は駆動軸、2は非回転支軸、
3、8は円板、4−1、4−2はシリンダー型ハウジン
グ、5、15は永久磁石回転体、6は永久磁石、7、1
7、27、37はウォータージャケット、9、19はバ
ックプレート、10は軸受装置、11は入水ポート、1
2は出水ポート、13は締結ボルト、14、24はプー
リをそれぞれ示す。
【0019】すなわち、図1に示すマグネット式ヒータ
ーは、駆動軸1の外周に軸受装置10を介して支承され
た円板3に、例えばエディカレント材製のウォータージ
ャケット(導体)7をドーナツ状のバックプレート9を
介して取付け、前記ウォータージャケット7と僅かなギ
ャップを隔てて対向配置したドーナツ状の永久磁石6を
有する永久磁石回転体5が前記駆動軸1と一体に取付け
られている。永久磁石6はヨーク6aを介して取付けら
れている。ウォータージャケット7には、入水ポート1
1および出水ポート12が設けられている。なお、駆動
軸1には締結ボルト13によりプーリ14が取付けら
れ、車両のエンジンなどによりベルトで回転されるよう
になっている。
【0020】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、駆動軸1がプーリ14を介してエンジンにより駆動
されると、該駆動軸1と一体構造の永久磁石回転体5が
回動し永久磁石6が回動することにより、エディカレン
ト材製のウォータージャケット(導体)7との間に形成
されている磁路がせん断されて該ウォータージャケット
7にスリップ発熱が生じる。このウォータージャケット
7の発熱は、当該ジャケット7内の熱媒体用流体として
の循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路で
車両の暖房などに供されることとなる。
【0021】つぎに、図2に示すマグネット式ヒーター
は、非回転支軸2の外周に固着した円板8にドーナツ状
のバックプレート9を介してエディカレント材製のウォ
ータージャケット(導体)17を取付ける。このウォー
タージャケット17は図(b)に示すごとく、例えば渦
巻状に巻かれた流路を有する円形パイプ17−1で構成
したもので、該円形パイプ17−1はバックプレート9
の一表面に例えばろう付けや溶接などにより固着され、
かつ内端部と外端部にはそれぞれ入水ポート11および
出水ポート12が設けられ、入水ポート11は円板8の
付根部を貫通して外側に突出させている。また、非回転
支軸2には、前記ウォータージャケット17と僅かなギ
ャップを隔てて対向配置したドーナツ状の永久磁石6を
有する永久磁石回転体15が軸受装置10を介して回動
可能に支承され、この永久磁石回転体15にはプーリ2
4が取付けられ、車両のエンジンなどによりベルトで回
転されるようになっている。
【0022】上記構成のマグネット式ヒーターにおい
て、永久磁石回転体15がプーリ24を介してエンジン
により駆動されて永久磁石6が回動すると、エディカレ
ント材製のウォータージャケット17との間に形成され
ている磁路がせん断されて該ウォータージャケット17
にスリップ発熱が生じ、当該ジャケット17内の熱媒体
用流体としての循環水に熱交換され、加熱された循環水
が暖房回路で車両の暖房などに供されることとなる。
【0023】図3に示すマグネット式ヒーターは、ウォ
ータージャケット27を角パイプ27−1で構成した以
外は図2のものとほぼ同一の構成である。このウォータ
ージャケット27も図2(b)に示すごとく、角パイプ
27−1を渦巻状に巻いてバックプレート9に好ましく
はろう付けにより固着して構成したものであるが、各巻
回ごとに側壁が接するように構成するとともに、内端部
と外端部にはそれぞれ入水ポート11および出水ポート
12が設けられ、入水ポート11は円板8の付根部を貫
通して外側に突出させている。したがって、ウォーター
ジャケット27以外の構成および該マグネット式ヒータ
ーの作用については図2のものと全く同一であるので説
明を省略する。
【0024】図4に示すマグネット式ヒーターは、ウォ
ータージャケット27を楕円形パイプあるいは長円形パ
イプ27−1で構成した以外は図2のものとほぼ同一の
構成である。このウォータージャケット27も図2
(b)に示すごとく、楕円形パイプあるいは長円形パイ
プ27−1を渦巻状に巻いてバックプレート9に好まし
くはろう付けにより固着して構成したものであるが、各
巻回ごとに側壁が接するように構成するとともに、内端
部と外端部にはそれぞれ入水ポート11および出水ポー
ト12が設けられ、入水ポート11は円板8の付根部を
貫通して外側に突出させている。したがって、ウォータ
ージャケット27以外の構成および該マグネット式ヒー
ターの作用については図2のものと全く同一であるので
説明を省略する。
【0025】なお図3および図4に示すマグネット式ヒ
ーターは、渦電流が相互に接触する側壁間を通過してジ
ュール熱を発生し、また円形断面を有する円形パイプに
比べて永久磁石6とバックプレート9との間隔が短くな
り、さらに永久磁石6との対向面積が増すため発熱量が
増加するので好ましい。特に図3のように角パイプ27
−1が相互に密接してバックプレート9に接してろう付
けされたり、図4の場合はバックプレート9に面した楕
円形あるいは長円形パイプ27−1の隙間27−2にろ
う材が充填されるためこの部分に渦電流が流れので一層
発熱量が増加する。
【0026】一方、図5および図6に示すマグネット式
ヒーターは、非回転支軸2の外周に固着する円板8を導
体とし、この円板の背面側に図5では渦巻状に巻かれた
流路を有する円形パイプ17−1で構成したウォーター
ジャケット17を、図6では渦巻状に巻かれた流路を有
する角パイプ27−1で構成したウォータージャケット
27をそれぞれ配設し、かつ図3のように各巻回ごとに
側壁が接するように円板8に固着するとともに、前記円
板8と僅かなギャップを隔てて対向配置したドーナツ状
の永久磁石6を有する永久磁石回転体15が非回転支軸
2に軸受装置10を介して回動可能に支承されている。
【0027】上記構成のマグネット式ヒーターの場合
は、永久磁石回転体15がプーリ24を介してエンジン
などにより駆動されて永久磁石6が回動すると、非回転
支軸2に固着されているエディカレント材製の円板8と
の間に形成されている磁路がせん断されて該円板8にス
リップ発熱が生じ、該円板8の背面側に設けられている
ウォータージャケット17または27内の熱媒体用流体
としての循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房
回路で車両の暖房などに供されることとなる。
【0028】また、図7に示すマグネット式ヒーター
は、いわゆるシリンダータイプのもので、駆動軸1の外
周に軸受装置10を介して支承されたシリンダー型ハウ
ジング4−1の内周に筒形のバックプレート19を介し
てエディカレント材製のウォータージャケット(導体)
37が取付けられ、さらにこのシリンダー型ハウジング
4−1内に外周に前記ウォータージャケット37と僅か
なギャップを隔てて対向配置した永久磁石6を有する永
久磁石回転体15が軸受装置10を介して前記駆動軸1
に支承されている。ウォータージャケット37は1本の
円形パイプ37−1を螺線状に巻いて構成したもので、
各巻回の側壁が接するように筒形のバックプレート19
の内周面に固着され、かつ両端部にはそれぞれ入水ポー
ト11および出水ポート12が設けられ、入水ポート1
1側はシリンダー型ハウジング4−1の基部側を貫通し
て配管している。なお、駆動軸1にはプーリ24が取付
けられ、車両のエンジンなどによりベルトで回転される
ようになっている。
【0029】上記図7に示すマグネット式ヒーターにお
いて、駆動軸1がプーリ24を介してエンジンなどによ
り駆動されると、シリンダー型ハウジング4−1内で永
久磁石回転体15が回動し永久磁石6が回動することに
より、ハウジング4−1の内周面に取付けられたウォー
タージャケット37との間に形成されている磁路がせん
断されてウォータージャケット37にスリップ発熱が生
じる。この発熱は当該ジャケット内の熱媒体用流体とし
ての循環水に熱交換され、加熱された循環水が暖房回路
で車両の暖房などに供されることとなる。
【0030】図8に示すマグネット式ヒーターは、図7
に示すマグネット式ヒーターにおけるシリンダー型ハウ
ジング4−1をエディカレント材製のシリンダー型ハウ
ジング(導体)4−2とし、かつこのシリンダー型ハウ
ジング4−2の外周に図7のものと同様1本の円形パイ
プを螺線状に巻き付けて構成したウォータージャケット
37を配設した構成となし、前記シリンダー型ハウジン
グ4−2内に該ハウジングと僅かなギャップを隔てて対
向配置した永久磁石6を有する永久磁石回転体15が軸
受装置10を介して前記駆動軸1に支承されている。
【0031】上記図8に示すマグネット式ヒーターにお
いて、駆動軸1がプーリ24を介してエンジンなどによ
り駆動されると、シリンダー型ハウジング4−2内で永
久磁石回転体15が回動し永久磁石6が回動することに
より、ハウジング4−2の内周面との間に形成されてい
る磁路がせん断されて該ハウジングにスリップ発熱が生
じる。この発熱は当該ハウジング4−2の外周に各巻回
の側壁が接するように固着されたウォータージャケット
37内の熱媒体用流体としての循環水に熱交換され、加
熱された循環水が暖房回路で車両の暖房などに供される
こととなる。
【0032】図9は本発明者が試験的に行った希土類永
久磁石とエディカレント材発熱データを例示したもの
で、このデータは永久磁石とエディカレント材間のギャ
ップを1.0mmに設定して対向配置し、エディカレン
ト材側を固定した状態で磁石側の回転数を種々変えて測
定した時間(sec)と温度の関係を示したものであ
る。このデータより、磁石と導体を僅かなギャップを隔
てて対向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させるこ
とにより、数秒〜数十秒で導体に200〜600℃のス
リップ発熱が生じることがわかる。したがって、導体側
にウォータージャケットを取付けた場合には、循環水と
の熱交換表面の温度を極短時間に200〜600℃の高
温に加熱することができることとなる。
【0033】なお、上記の各実施例では、熱媒体用流体
として水を採用したが、これに限定されず、他の熱媒体
用流体、例えば熱媒体油、シリコンオイル、あるいは空
気なども採用できる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明に係るマグ
ネット式ヒーターは、永久磁石やサーマルフェライトな
どの磁石と、エディカレント材またはヒステリシス材か
らなる導体を相対的に回転させることにより導体に生じ
るスリップ発熱を利用したものであるから、構造をより
シンプルにでき、小型化と低コスト化を実現でき、また
摩耗のない非接触式の機構でより高い信頼性と安全性を
確保することができるという効果に加え、例えばエンジ
ン冷間時、急速に暖房が必要な場合、磁石側または導体
側をエンジンなどにより駆動することによりエンジン冷
却水を急速に暖めるとともにエンジンの暖房機能を著し
く向上させることができるという優れた効果を有する。
したがって、本発明はより短時間にかつ効率よく熱媒体
用流体を高温に加熱することができる補助ヒータとして
優れた効果を発揮し、特にディーゼルエンジン搭載の寒
冷地仕様車などに極めて有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネット式ヒーターの一実施例
を示す縦断側面図である。
【図2】同じくマグネット式ヒーターの他の実施例で、
(a)は縦断側面図、(b)は同上マグネット式ヒータ
ーのウォータージャケットを示す正面図である。
【図3】図2に示すマグネット式ヒーターのウォーター
ジャケット変形例を示す縦断側面図である。
【図4】図3に示すマグネット式ヒーターのウォーター
ジャケット変形例を示す縦断側面図である。
【図5】同じくマグネット式ヒーターの別の実施例を示
す縦断側面図である。
【図6】図5に示すマグネット式ヒーターのウォーター
ジャケット変形例を示す縦断側面図である。
【図7】同じくマグネット式ヒーターのさらに他の実施
例を示す縦断側面図である。
【図8】図7に示すマグネット式ヒーターの別の実施例
を示す縦断側面図である。
【図9】本発明者が試験的に行った希土類永久磁石とエ
ディカレント材発熱データの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 駆動軸 2 非回転支軸 3、8 円板 4−1、4−2 シリンダー型ハウジング 5、15 永久磁石回転体 6 永久磁石 6a ヨーク 7、17、27、37 ウォータージャケット 9、19 バックプレート 10 軸受装置 11 入水ポート 12 出水ポート 13 締結ボルト 14、24 プーリ 17−1、27−1、37−1 バルブ 27−2 隙間

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、前記導体を熱媒体用流体ジャケットとな
    して、駆動軸に軸受装置を介して支承された円板に当該
    熱媒体用流体ジャケットがバックプレートを介して取付
    けられ、前記駆動軸により回動可能に設けられ前記熱媒
    体用流体ジャケットと僅かなギャップを隔てて対向配置
    した永久磁石を有する永久磁石回転体を備え、該永久磁
    石回転体の回動により熱媒体用流体ジャケットに生じる
    スリップ発熱により該熱媒体用流体ジャケット内の熱媒
    体用流体が加熱される構造となしたことを特徴とするマ
    グネット式ヒーター。
  2. 【請求項2】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、前記導体を熱媒体用流体ジャケットとな
    して、非回転支軸に固着された円板に当該熱媒体用流体
    ジャケットがバックプレートを介して取付けられ、前記
    非回転支軸に軸受装置を介して回動可能に支承され前記
    熱媒体用流体ジャケットと僅かなギャップを隔てて対向
    配置した永久磁石を有する永久磁石回転体を備え、該永
    久磁石回転体の回動により前記熱媒体用流体ジャケット
    に生じるスリップ発熱により該ジャケット内の熱媒体用
    流体が加熱される構造となしたことを特徴とするマグネ
    ット式ヒーター。
  3. 【請求項3】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、非回転支軸に固着された円板を導体とな
    して、当該円板に熱媒体用流体ジャケットが取付けら
    れ、前記非回転支軸に軸受装置を介して回動可能に支承
    され前記導体と僅かなギャップを隔てて対向配置した永
    久磁石を有する永久磁石回転体を備え、該永久磁石回転
    体の回動により導体に生じるスリップ発熱により前記熱
    媒体用流体ジャケット内の熱媒体用流体が加熱される構
    造となしたことを特徴とするマグネット式ヒーター。
  4. 【請求項4】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、前記導体を熱媒体用流体ジャケットとな
    して、内周に筒形のバックプレートを介して熱媒体用流
    体ジャケットが取付けられたシリンダー型のハウジング
    内に、外周に前記熱媒体用流体ジャケットと僅かなギャ
    ップを隔てて対向配置した永久磁石を有する永久磁石回
    転体が軸受装置を介して回動可能に支承され、前記永久
    磁石回転体の回動により導体に生じるスリップ発熱によ
    り前記熱媒体用流体ジャケット内の熱媒体用流体が加熱
    される構造となしたことを特徴とするマグネット式ヒー
    ター。
  5. 【請求項5】 磁石と導体を僅かなギャップを隔てて対
    向配置し、該磁石と導体を相対的に回転させることによ
    り導体に生じるスリップ発熱で熱媒体用流体を加熱する
    方式であって、前記導体をシリンダー型のハウジングと
    なして、当該ハウジングの外周に熱媒体用流体ジャケッ
    トが取付けられ、外周に前記ハウジングの内周面と僅か
    なギャップを隔てて対向配置した永久磁石を有する永久
    磁石回転体が当該ハウジング内に軸受装置を介して回動
    可能に支承され、前記永久磁石回転体の回動によりハウ
    ジングに生じるスリップ発熱により前記熱媒体用流体ジ
    ャケット内の熱媒体用流体が加熱される構造となしたこ
    とを特徴とするマグネット式ヒーター。
  6. 【請求項6】 永久磁石に替えてサーマルフェライトを
    用いることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1
    項に記載のマグネット式ヒーター。
  7. 【請求項7】 導体にエディカレント材またはヒステリ
    シス材を用いることを特徴とする請求項1〜6のうちい
    ずれか1項に記載のマグネット式ヒーター。
  8. 【請求項8】 熱媒体用流体ジャケットは螺旋状または
    渦巻状に巻かれた流路、あるいは連続したU字状屈曲部
    をもつ流路を有する円形パイプ、楕円形パイプ、長円形
    パイプまたは角パイプで構成されていることを特徴とす
    る請求項1〜7のうちいずれか1項に記載のマグネット
    式ヒーター。
  9. 【請求項9】 前記楕円形パイプ、長円形パイプまたは
    角パイプはその側壁が接するようにバックプレート、円
    板あるいはハウジングにろう付けにより固着しているこ
    とを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載
    のマグネット式ヒーター。
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