JPH1132954A - 電気掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴムパッキンのリップの先端がホース継手と本
体吸込口との隙間に引き込まれてロックしてしまうおそ
れがあった。 【解決手段】本体吸込口に配設されるゴムパッキンの円
環状リップの内周面の径が、前記本体吸込口の円筒部の
内径より大であるとともに、前記本体吸込口にホース継
手を挿入したときの、前記ゴムパッキンと前記ホース継
手端部との圧接面から前記ゴムパッキンの内周に設けら
れた前記円環状リップまでの距離が、前記円環状リップ
の直径方向の長さよりも大になるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭で使用され
る電気掃除機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般家庭で使用される電気掃除機には、
一端に延長管及び吸込具を接続し、他端に電気掃除機本
体の吸込口に接続できるようにホース継手を有する集塵
ホースを備えたものがある。

【０００３】電気掃除機の使用時には、この集塵ホース
のホース継手を本体吸込口に接続することで集塵ホース
と本体の集塵室とが連通し、吸込具，延長管及び集塵ホ
ースを通して吸引された塵埃を本体集塵室内に設けられ
た集塵袋に捕集することができる。

【０００４】ホース継手と電気掃除機本体との接続部
は、塵埃を効率良く吸引できるように気密を確保する必
要がある。そこで、従来の電気掃除機は図５に示すよう
に、下ケース６０１の前部に設けた連通口６１５にゴム
パッキン６１６をはめこみ、さらに本体吸込口６０３で
圧接保持するようにしていた。そして、ホース継手を本
体吸込口６０３に差し込んだときに、ゴムパッキン６１
６の内周に配設された円環状リップが、ホース継手の円
筒部の外周に当接することにより、気密を確保すること
ができるようになっていた。

【０００５】さらにこの従来の電気掃除機においては、
図４に示すようにホース継手７０６を本体吸込口６０３
に差し込んだときのガタつきによる空気のもれを防ぐた
めに、ゴムパッキン６１６の内周に円環状リップ１０１
を立設していた。この円環状リップ１０１は、ガタつき
による変位が少ない位置、すなわち、本体吸込口とゴム
パッキンとの圧接面ａからの距離ｈが円環状リップ１０
１の直径方向の長さｃよりも小さい位置に設けていた。
また同時に、ゴムパッキン６１６の表面にハロゲン処理
を施して、ホース継手７０６と円環状リップ１０１との
滑りを良くするといったことが行われていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の電気掃除機では、ゴムパッキン６１６の表面にハロ
ゲン処理を施したとき、厚みの薄いリップ先端部の形状
にバラツキが生じやすく、ホース継手７０６と円環状リ
ップ１０１との間の気密が十分に確保できないといった
欠点があった。

【０００７】また、ゴムパッキン６１６の表面のハロゲ
ン処理によるリップ先端部の形状のバラツキを見越して
リップの出しろｃを大きくすると、ホース継手７０６を
本体吸込口６０３から引き抜くときに、リップの先端が
ホース継手７０６と本体吸込口６０３との隙間ｆに引き
込まれてロックしてしまうおそれがあった。

【０００８】そこで本発明の目的は、上記の課題を解決
し、取扱性や吸込性能に優れた電気掃除機を提供するこ
とである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の特徴とするところは、集塵室及び電動送風機
を内蔵する掃除機本体と、前記集塵室に連通するホース
の一端に設けられたホース継手と、該ホース継手を接続
するために前記掃除機本体に設けられた本体吸込口とを
備え、該本体吸込口には前記ホース継手と本体吸込口と
の気密を保持するためゴムパッキンを有する電気掃除機
において、前記ゴムパッキンの内周面には前記ホース継
手が該本体吸込口に接続されたときに、該ホース継手の
円筒部の外周に当接する円環状リップを有し、該円環状
リップは、内周面の径が前記本体吸込口の円筒部の内径
より大であるとともに、前記本体吸込口に前記ホース継
手を挿入したときの、前記ゴムパッキンと前記ホース継
手端部との圧接面から前記ゴムパッキンの内周に設けら
れた前記円環状リップまでの距離が、前記円環状リップ
の直径方向の長さよりも大になるように構成したことに
ある。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を添付の図
面を参照し、説明する。

【００１１】図７に本発明の一実施例の電気掃除機の外
観の斜視図を示す。

【００１２】同図において、７０１は制御回路や電動送
風機等が内蔵された掃除機本体、７０２は掃除機本体７
０１の本体吸込口６０３にホース継手７０６を介して接
続された集塵ホース、７０３はホース手元部、７０４は
集塵ホース７０２の先端（ホース手元部７０３）に接続
された延長管、７０５は延長管７０４に接続された吸込
具を示している。

【００１３】次に、図５に本発明の一実施例の電気掃除
機の一部を分解した状態の外観斜視図、図６に、本発明
の一実施例の電気掃除機の縦断面図を示す。

【００１４】同図において、掃除機本体７０１は、その
前部に下部を覆う下ケース６０１とその前面上部を覆う
蓋体６０２，蓋体６０２の前方かつ下部に設けられた本
体吸込口６０３，集塵袋６０８を収納する集塵室６０
４，集塵室６０４内の気密を保持するために蓋体６０２
と一体成型された気密保持リブ６０５を有し、その後部
に下ケース６０１と上ケース６０６とで形成される電動
送風機室６０７を有している。

【００１５】集塵室６０４には塵埃を補集するための集
塵袋６０８，電動送風機室６０７には電動送風機６０９
が収納されている。集塵袋６０８は口板６０８ａを有
し、クランプ６１７により、集塵室６０４に臨んだゴム
パッキン６１６に圧接保持されている。

【００１６】また、電動送風機６０９の吸気側はフィル
ター６１０を介して集塵室６０４と連通している。集塵
室６０４の下部を形成している下ケース６０１の壁面上
部にはフタパッキン６１１が配設されており、このフタ
パッキン６１１と気密保持リブ６０５とが圧接され、集
塵室６０４の気密を保持するようにしている。上ケース
６０６の上部には、上ケースカバー６１２で覆われた基
板収納部６１３が形成され、制御基板６１４が収納され
ている。下ケース６０１の前方には、連通口６１５が設
けられていて、ゴムパッキン６１６がはめこまれて本体
吸込口６０３と下ケース６０１とで圧接保持されてお
り、本体吸込口６０３と集塵室６０４とが連通してい
る。

【００１７】次に、図１〜図４を用いて本発明の一実施
例を説明する。

【００１８】図１は、本体吸込口６０３にホース継手７
０６を挿入する様子を示す図、図２は、本体吸込口６０
３にホース継手７０６を挿入した状態を示す図、図３
は、本体吸込口６０３からホース継手７０６を引き抜く
状態を示す図である。

【００１９】図１及び図２において、ゴムパッキン６１
６の内径Ｄは本体吸込口６０３の円筒部の内径ｄよりも
大きく形成している。そして、本体吸込口６０３にホー
ス継手７０６を差し込んだときに、このホース継手７０
６の先端部がゴムパッキンの剛性の高い部分に当らない
ようにして、差し込みに支障がないようにしている。さ
らに、ゴムパッキン６１６の内周面には、本体吸込口６
０３との圧接面ａからｂだけ離れた位置に円環状リップ
１０１が配設されている。このｂはリップの直径方向の
長さｃよりも大きくなるようにしている。円環状リップ
１０１の開口径Ｅ(＝Ｄ−２ｃ)はホース継手７０６の円
筒部の外径寸法ｅより小さくなっていてホース継手７０
６が差し込まれると、円環状リップ１０１は押し広げら
れてホース継手７０６の円筒部に密着し、気密を保持す
る。

【００２０】次に、図３において、ホース継手７０６を
本体吸込口６０３から引き抜く場合には、ゴムパッキン
６１６の円環状リップ１０１はホース継手７０６との摩
擦によってホース継手７０６の引き抜き方向に反転して
摺動するが、このとき本体吸込口６０３とゴムパッキン
６１６との圧接面ａからｂ(ｂ＞ｃ)の距離があるため、
本体吸込口６０３とホース継手７０６とのギャップｆに
円環状リップ１０１の先端が引き込まれてロック状態に
なるのを防ぐことができる。

【００２１】また、同時に、ゴムパッキン６１６の円環
状リップ１０１が立設されている内周面の径Ｄと、ホー
ス継手７０６の円筒部の外径寸法ｅとの寸法差は、少な
くとも円環状リップ１０１の厚さｇの２倍以上となるよ
うに構成することで、円環状リップ１０１の反転，摺動
が可能となる。

【００２２】図４は、ゴムパッキン６１６の内周面の円
環状リップ１０１が、本体吸込口６０３との圧接面ａか
らの距離ｈ(ｈ＜ｃ)に配設されている従来例である。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ゴ
ムパッキンと本体吸込口との圧接面から、前記ゴムパッ
キンの内周に設けられた円環状リップまでの距離が、前
記円環状リップの直径方向の長さよりも大であるように
構成することで円環状リップの出しろが大きくでき、ハ
ロゲン処理を施した際に生ずるリップ先端の形状のバラ
ツキの影響を小さくすることで気密性が向上し、吸込性
能に優れた電気掃除機を提供できる。

【００２４】また、本体吸込口とホース継手とのギャッ
プにリップの先端が引き込まれてロックしてしまうこと
もない。

【００２５】さらに、円環状リップは、内周面の径が前
記本体吸込口の円筒部の内径より大であるとともに、前
記本体吸込口に前記ホース継手を挿入したときの、前記
ゴムパッキンと前記ホース継手端部との圧接面から前記
ゴムパッキンの内周に設けられた前記円環状リップまで
の距離が、前記円環状リップの直径方向の長さよりも大
になるように構成しているので、ホース継手を本体吸込
口から引き抜くときに、リップの先端がホース継手の引
き抜き方向に反転しようとして、ホース継手とゴムパッ
キンとの間にリップが噛み込んでロックしてしまうこと
もなく、取扱性に優れた電気掃除機を提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る本体吸込口６０３にホ
ース継手７０６を挿入する様子を示す図である。

【図２】本発明の一実施例に係る本体吸込口６０３にホ
ース継手７０６を挿入した状態を示す図である。

【図３】本発明の一実施例に係る本体吸込口６０３から
ホース継手７０６を引き抜く状態を示す図である。

【図４】従来例の電気掃除機の一部を拡大した縦断面図
である。

【図５】本発明の一実施例の電気掃除機の一部を分解し
た状態の外観斜視図である。

【図６】本発明の一実施例の電気掃除機の縦断面図であ
る。

【図７】本発明の一実施例の電気掃除機の外観斜視図で
ある。

【符号の説明】

１０１…円環状リップ、６０１…下ケース、６０２…蓋
体、６０３…吸込口、６０４…集塵室、６０５…気密保
持リブ、６０６…上ケース、６０７…電動送風機室、６
０８…集塵袋、６０８ａ…口板、６０９…電動送風機、
６１０…フィルター、６１１…フタパッキン、６１２…
上ケースカバー、６１３…基板収納部、６１４…制御基
板、６１５…連通口、６１６…ゴムパッキン、６１７…
クランプ、７０１…掃除機本体、７０２…ホース、７０
３…ホース手元部、７０４…延長管、７０５…吸込具、
７０６…ホース継手。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】集塵室及び電動送風機を内蔵する掃除機本
   体と、前記集塵室に連通するホースの一端に設けられた
   ホース継手と、該ホース継手を接続するために前記掃除
   機本体に設けられた本体吸込口とを備え、該本体吸込口
   には前記ホース継手と本体吸込口との気密を保持するた
   めゴムパッキンを有する電気掃除機において、 前記ゴムパッキンの内周面には前記ホース継手が該本体
   吸込口に接続されたときに、該ホース継手の円筒部の外
   周に当接する円環状リップを有し、 該円環状リップは、内周面の径が前記本体吸込口の円筒
   部の内径より大であるとともに、前記本体吸込口に前記
   ホース継手を挿入したときの、前記ゴムパッキンと前記
   ホース継手端部との圧接面から前記ゴムパッキンの内周
   に設けられた前記円環状リップまでの距離が、前記円環
   状リップの直径方向の長さよりも大になるように構成し
   たことを特徴とする電気掃除機。