JPH11328897A - 浮動ヘッドスライダ - Google Patents

浮動ヘッドスライダ

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JPH11328897A
JPH11328897A JP11097298A JP9729899A JPH11328897A JP H11328897 A JPH11328897 A JP H11328897A JP 11097298 A JP11097298 A JP 11097298A JP 9729899 A JP9729899 A JP 9729899A JP H11328897 A JPH11328897 A JP H11328897A
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slider
rail
gas bearing
gas
width
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JP11097298A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Takeuchi
芳徳 竹内
Yuzo Yamaguchi
雄三 山口
Fumitaka Muranushi
文隆 村主
Katsuyuki Tanaka
勝之 田中
Hiroji Kawakami
寛児 川上
Hiroshi Daito
宏 大東
Tetsuo Masukawa
哲男 益川
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】浮上バラツキが少なく、浮上の動的特性(特に
ピッチング剛性と、気体軸受の減衰特性)が良好な浮動
ヘッドスライダを提供する。さらに、高精度に量産性良
く作ることのできる浮動ヘッドスライダを提供する。 【解決手段】スライダを浮上させる一対の気体軸受レー
ルの幅を中央部で狭く、流入側、流出側で広くした浮動
ヘッドスライダ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
等、走行する記録媒体面上を微少な浮上すきまで浮上す
る浮動ヘッドスライダに係り、特に浮上特性の良好で、
大量生産に好適な、浮動スライダに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の磁気ディスク装置用浮動ヘッドス
ライダは、例えば特公昭57−569号公報に記載のよ
うに、スライダの両側部に平面部と気体流入側に傾斜面
部を有する一対の一直線の気体軸受レールを設けたいわ
ゆるテーパフラット形スライダが使われている。両気体
軸受レールの間は、気体軸受作用を発生しないだけ十分
な深さに削ったブリード部となっている。実際のブリー
ド部の深さは、気体軸受レールとの境界で100μm以
上である。
【0003】また、他の例としては、特開昭62−23
1481号公報に記載されているものがある。これは、
気体軸受レールの気体流入側のレール幅をそれ以外のレ
ール幅より広くしたものである。
【0004】そして、このようなスライダは、気体軸受
レールが一直線のためブリード部の溝をスライサなどの
機械研削加工を用いて作られたり、また、スライダ本体
に浮上面形状を構成する平板をガラス等の固着剤で固着
して作られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】最近、装置の高密度化
に対応して目標の浮上量の微小化が要求されてきてい
る。浮上量の微小化に伴い、許容浮上量変動の減少と浮
上量のバラツキを押さえる目的でスライダの小形化や各
寸法交差を小さく押さえる必要が出てきた。
【0006】浮上量の微小化により気体軸受レールの気
体軸受作用は、圧縮性の影響が益々顕著になり、スライ
ダの小形化による空気膜剛性の悪化や減衰特性の悪化に
伴う浮上不安定挙動の発生の可能性も出てきている。
【0007】さらに、浮上量の微小化、スライダの小形
化に伴い、気体軸受レールのレール幅は、狭くする必要
があり、その結果、気体軸受レールの流出端への薄膜ヘ
ッドの搭載が困難となる。
【0008】また、気体軸受レールの気体流入側のレー
ル幅をそれ以外の気体軸受レールより広くした構造で
は、流出端側の気体軸受領域が小さいため、この部分で
の圧力発生が小さくなり、流出端部でのスライダのピッ
チング方向はもちろん上下、ローリング方向の剛性が減
少して従来形テーパフラットスライダに比べて浮上量変
動が増加する問題が生じる。
【0009】また、スライダを機械研削加工により製造
した場合には、寸法交差をミクロンメータ単位で管理す
ることが難しく、加工中に欠損なども生じやすい。
【0010】また、スライダを、別々に作られたスライ
ダ本体と浮上面部とを固着して製造する場合には、固着
による位置合せ誤差、浮上面の変形、量産性などの問題
がある。
【0011】このように、従来のスライダおよびスライ
ダの製造方法では、浮上安定性や浮上の動的特性に問題
があり、また、高精度、量産性に問題があった。
【0012】本発明の目的は、浮上バラツキが少なく、
浮上の動的特性(特にピッチング剛性と、気体軸受の減
衰特性)が良好で、高精度に量産性良く作ることのでき
る浮動ヘッドスライダを提供することにある。
【0013】また、同様の浮上の動的特性を示し、機械
加工で加工可能な浮動ヘッドスライダを提供する。
【0014】また、上記スライダを高精度に量産する、
もしくは安価で量産する製造法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的は、スライダを
浮上させる一対の気体軸受レールに大きな圧力を発生す
る流入側部と、流出側に大きな圧力を発生する流出側部
と、前記流入側部と流出側部を同一面で結合し、流入側
部、流出側部より気体軸受レール表面の延べ幅が狭い結
合部の3つの部分で構成し、前記おのおのの気体軸受レ
ールの幅方向の両境界のうちどちらか片側はほぼ直線で
構成することにより達成される。
【0016】本発明の他の目的は、ヘッドスライダのブ
リーブ部を浅溝部のスパッタリングなどのエッチング加
工と一直線深溝部のスライサなどの機械研削加工の併用
で加工することにより達成される。
【0017】また、本発明の他の目的は気体軸受レール
形状をスライダ基板の上に耐摺動性膜を印刷技術あるい
はスパッタリングなどの薄膜製造技術で形成することに
より達成される。
【0018】気体軸受レールを流入側部、流出側部及び
結合部の3つの部分より構成し、結合部分は延べ幅を他
の部分に比べて狭くした形状にする。本構成により気体
軸受レールに流入した気体は、傾斜面部等の圧力上昇手
段から平面部に進むに従い急激に圧縮され、結合部に達
し、流入側部に大きな圧力を発生する。結合部ではレー
ル表面の延べ幅が狭く構成されているため気体の一部は
直接軸受レール外へ流れ出る。また、結合部を進む残り
の気体は、引き続き圧縮されるがレール幅が狭いので容
易にレール幅方向へ流れ出る。これらの結果、気体の圧
縮体の悪影響を防ぎ減衰特性を向上し結合部で適切な圧
力を発生する。次の流出側部では、レール幅が再び広が
っているため結合部を進んできた気体と結合部で軸受レ
ール外へでた気体が流出側部へ進み、圧縮されて大きな
圧力を発生する。ここで、結合部を形成するために設け
た軸受レール面より低い部分の深さを浅くすることによ
り(例えば数十μm以下)流出側部の段差の絞り効果に
より減衰特性を向上することができる。また、1kHz
以上の周波数に対し気体軸受剛性が増加する効果もあ
る。気体軸受レールでの高い圧縮による圧縮性の悪影響
で減衰特性が悪化する現象は、浮上量が微小化するほど
顕著になる。
【0019】本構成により、浮上量が微小化しても(例
えば0.2μm以下)気体の圧縮の度合いを小さく抑
え、高い減衰特性を有し、不安定浮上挙動を回避する。
また、スライダの前後に気体軸受作用による圧力のピー
クを形成する圧力分布となり気体軸受のピッチング剛性
を増加させることができる。
【0020】また、本気体軸受レールの幅方向の外側を
直線とし結合部をスライダの幅方向外側に設けることに
より気体軸受のローリング剛性を大きくすることができ
る。
【0021】また、本気体軸受レールの幅方向の内側を
直線とし結合部をスライダの幅方向内側に設けることに
より結合部を機械加工で形成することができる。
【0022】気体軸受レールの境界を浅い段差で構成す
ることにより、スパッタエッチングなどの非機械加工が
可能となり各寸法交差を小さくでき浮上バラツキを小さ
く抑えることができる。
【0023】さらにブリード部に一直線の深溝ブリード
部を設けることにより、前述の浅溝深さをさらに浅くす
ることができ、浅溝部の加工時間の短縮と寸法精度の向
上が図れる。
【0024】また、スパッタリングなどの薄膜製造技術
により気体軸受レールを形成することにより耐摺動性に
優れた膜を精度良く作ることができる。
【0025】また、印刷技術により気体軸受レールを形
成することにより耐摺動性に優れた膜を精度良く安価に
大量に作ることができる。
【0026】また、本構造で、気体軸受レールの3つの
部分の形状を選ぶことにより荷重付加位置を変えずにス
ライダの浮上姿勢を制御することができるのは言うまで
もない。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1及
び図2により説明する。気体軸受レール3は、平面部3
1と気体流入側に設けた傾斜面部32よりなる。気体軸
受レール3は、スライダ本体1の浮上面の両サイドに、
気体の流れ方法に沿って配置され、気体軸受レール3の
流出端に記録・再生用のヘッド2が取り付けられてい
る。気体軸受レール3は、スライダ本体1の外側境界を
直線で形成し、流入側部A、流出側部Bおよび結合部C
の3つの部分からなる。結合部Cには、くい込み部を形
成し、この結合部Cのレール幅W3は、流入側部Aの幅
W1および流出側部Bの幅W2に対して、狭く(W1≒W2
>W3)形成している。一方、前述の一対の気体軸受レ
ール3の間には、これらと境界を有し、深さD1のブリ
ード部5が設けられている。深さD1の値は、10〜2
0μm程度であり、従来の値である80〜200μmよ
り小さく形成されている。この浅溝のブリード部5と気
体軸受レール3の境界は、3つの部分の一部にレール幅
の平行部を持ち、各部分の境界はなめらかな曲線でつな
げている。
【0028】本実施例によれば、気体軸受レール3をス
ライダ本体1の最両側端に形成しているため気体軸受の
ロール剛性を大きくとることができ、シーク時の浮上量
変動を小さく押さえることができる。さらに本形状で
は、気体軸受レール3に流入した気体は、圧力上昇手段
である傾斜面部31から平面部32に進むに従い急激に
圧縮され、結合部Cに達し、流入側部Aに大きな圧力を
発生する。結合部Cではレール表面の延べ幅が狭く構成
されているため気体の一部は直接軸受レール3外へ流れ
出る。また、結合部Cを進む残りの気体は、引き続き圧
縮されるがレール幅が狭いので容易にレール幅方向へ流
れ出る。これらの結果気体の圧縮性の悪影響を防ぎ減衰
特性を向上し結合部で適切な圧力を発生する。次の流出
側部では、レール幅が再び広がっているため結合部を進
んできた気体と結合部で軸受レール外へでた気体が流出
側部へ進み、圧縮されて大きな圧力を発生する。ここ
で、結合部を形成するために設けた軸受レール面より低
いブリード部5の深さを浅くすることにより(例えば数
十μm以下)、流出側部の段差の絞り効果により減衰特
性を向上することができる。
【0029】また流出側部Cのブリード部5のせばまり
による、絞り効果により、減衰特性を向上する効果があ
る。
【0030】次に、本実施例の圧力分布の概要を図3に
示す。図中、実線は、本実施例の圧力分布であり、破線
は、従来形のテーパフラット形スライダの圧力分布であ
る。
【0031】また、横軸に、気体軸受レール3の傾斜面
部31の先端箇所(気体流入端)aから平面部32の後
端箇所(気体流出端)の任意箇所dをとり、縦軸に圧力
をとっている。
【0032】この図からもわかるように、破線で示す従
来形状では、浮上量の微小化に伴い、流出端浮上量0.
2μm程度以下で気体の粒子性や圧縮性の影響が顕著に
現れるために、気体軸受レール3上の圧力分布は、傾斜
面部31終了直後で最大圧力となりその後流出端まで順
次に減小する圧力分布となる。本圧力分布では、スライ
ダのピッチング方向(前後方向)の空気膜剛性が小さ
い。一方、実線で示す本実施例の構造では、スライダ本
体1の傾斜面部31で圧力上昇し(図中b点)、その
後、中央部の幅のせまい部分で、一部の気体が気体軸受
レール3から外に流れ出るために圧力は降下し(図中c
点)、流出端側で再び気体軸受レール3の幅が広がり圧
力も上昇する(図中d点)。その結果、スライダ本体1
の気体軸受レール3の前後に圧力のピークを持つ圧力分
布となり、またその領域の面積も広くとっているため、
従来形テーパフラットスライダに比べてスライダのピッ
チング方向の空気膜剛性を大きくできる。図4にピッチ
ング方向の空気膜剛性と浮上量の関係を示す。この図に
おいては横軸にスライダ1の浮上量をとり、縦軸は、ピ
ッチング方向のスライダの空気膜剛性をとっている。そ
して、図中、実線は本実施例のスライダ、破線は従来形
スライダの各々の特性を示している。破線を示す従来形
スライダの台形状圧力分布は、浮上量が小さくなり圧力
性の影響が顕著なほど発生するため、ピッチング方向の
空気膜剛性kpは浮上量が小さくなっても微増にとどま
る。一方本実施例のスライダは、図3に示した圧力分布
にできるため、浮上量が小さくなるほど、従来形スライ
ダに比べピッチング方向空気膜剛性を大きくとることが
できる。
【0033】図5は、ピッチング剛性の周波数特性を示
す。この図において、横軸は周波数を示し、縦軸はピッ
チング方向のスライダの空気膜剛性を示している。そし
て、図中実線は本実施例のスライダ、破線は従来形のテ
ーパフラットスライダ、一点鎖線は従来形のシェープド
レールスライダの各々の特性を示す。本実施例のスライ
ダは、高周波領域では、kpがさらに大きくなり、ディ
スク突起などへの応答性を高くすることができる。
【0034】また、浮上量の微小化に伴いもう一つの問
題は気体の圧縮性の影響に伴う浮上安定性である。図6
に浮上の安定性の評価結果を示す。図6は、スライダの
潤滑方程式の摂動解(軸受剛性及び減衰係数)とスライ
ダの運動方程式より、Routh-Hurwitzの安定判別によ
って計算した値である。横軸は、スライダの圧縮性の程
度を表わす二次元圧縮係数 を示し、縦軸は周波数を示す。縦軸に周波数をとるの
は、軸受剛性、減衰係数が周波数に依存するためであ
る。図中SAは浮上の安定領域、IAは不安定領域であ
る。この本発明のスライダは二次元軸受圧縮係数Abが
10以下の値(図のP2で示す)で安定であるが10以
上にあると不安定領域IAが存在し、圧縮係数Abがさら
に大きくなると、その領域がさらに拡がることがわか
る。従来形スライダでは浮上量が0.15μm程度以下
で圧縮特性Abが約10以上の値(図のP1の点)となり
不安定領域IAになる。この傾向は小形、大荷重で顕著
である。
【0035】図7は空気膜減衰係数の上下、ピッチング
の主成分C11とC22の周波数特性を示す。図において横
軸に周波数をとり、縦軸に空気膜減衰係数をとってい
る。そして、図中、実線は本実施例のスライダのC11,
C22、破線は、従来形のテーパスライダのC11,C22、
一点鎖線は従来形のシェープドレールスライダのC11,
C22を示している従来形のテーパーフラットスライダ
(図中TF)の約3倍、また他の従来形シェープドレー
ルスライダの約2倍の減衰特性を本実施例スライダが持
っていることがわかる。
【0036】本実施例のスライダでは、減衰特性向上
と、結合部Cを設けることにより等価気体軸受レール幅
を小さくし、又ピボット位置を変えることなく平均浮上
量hmを大きくすることができるため、軸受圧縮係数Ab
を小さくすることができ、実用運転条件で浮上不安定の
発生を防止することができる。
【0037】また、ブレード部5は、気体の流入方向か
ら、幅が拡がり、そして狭まる構成になっており、従来
形より溝深さ、溝の傾きに対し鈍感になっている。実用
的には、加工精度に対する浮上バラツキ量を考慮して溝
深さD1は20μm程度と従来形に比べて小さく押さえ
ている。
【0038】本構成により、スパッタエッチングなどの
非機械加工で、浮上面形状を加工することができ、高精
度加工により浮上バラツキの小さく、ピッチング剛性が
高く安定に浮上するスライダを得ることができる。
【0039】また、本構成にすることにより、スライダ
の形状、押付荷重による気体軸受レール3のレール幅に
よる薄膜トランスデューサの搭載の制約がなくなり、性
能優先の薄膜ヘッドの搭載が可能である。
【0040】また、本構成では、ロータリーアクチュエ
ータ方式の装置ではスライダと媒体走行方向との角度
(以下ヨー角と略す。)がつく場合でも、ヨー角に対す
る浮上量及び浮上特性の悪化は少なく従来形に比べて良
好な特性を得ることができる。
【0041】また気体軸受レール3の3つの構成部分を
なめらかな曲線で結ぶことにより、ブレード部5の気体
の流れの乱れ、よどみを押さえ、塵埃の付着、堆積を防
止することができる。
【0042】前述の実施例においては、気体軸受レール
3とブリード部5との境界は、気体軸受レール3の結合
Cがレール幅W3の平行な直線でありこの結合部Cと流
入側部A、流出側部Bとそれぞれ滑らかに連なっている
曲線となっている。しかし、この気体軸受レール3とブ
リード部5との境界は、上記実施例に限るものではな
く、他の構成でも同様の作用、効果を得ることができ
る。
【0043】即ち、3つの部分流入側部A、流出側部B
及び結合部Cからなる気体軸受レール3の各部分のレー
ル幅W1,W2及びW3は、平行な直線で形成し、各部分
の境界での幅のゆるやかな変化をなくし、急激に変化す
るよう連結してもよい。これにより、レール形状の決定
の座標点が減り、製作上寸法精度があがる。レール幅の
急変部での気体流れの乱れによる塵埃付着の点を除き、
前述の実施例と同様の効果がある。
【0044】また、気体軸受レール3の結合部Cを、ゆ
るやかに変化する曲線で形成してもよい。これにより、
塵埃付着の点に更に効果を有する。また、気体軸受レー
ル3の結合部Cを、ゆるやかに変化する直線で構成して
もよい。また、3つの部分から成る気体軸受レール3の
流入側部A、流出側部Bのレール幅W1,W2をおのおの
両端に向けて広げるように構成してもよい。また、気体
軸受レール3の結合部Cのレール幅W3が、流出側部B
に向かって幅が徐々にせまくなる形状としてもよい。
【0045】以上説明した各実施例においては、気体軸
受レール3の流入側部Aと流出側部Bのレール幅W1,
W2は同じ幅に構成されているが、これらのレール幅W1
とW2は異なるように構成してもよい。
【0046】例えば、流入側部Aのレール幅W1を流出
側部Bのレール幅W2より広く構成した場合には、スラ
イダ本体1の姿勢角をより大きくとることができ、浮上
面の寸法精度に対するバラツキを低減することができ
る。また、流出側部Bのレール幅W2を流入側部Aのレ
ール幅W2より広く構成した場合には、流出側部Bにお
ける軸受剛性の向上と、薄膜ヘッドの実装が容易となる
効果がある。
【0047】以上説明した各実施例において、ブリード
部5の深さD1(即ち気体軸受レール3の高さ)を、傾
斜面4の先端の深さD3より小さくしてもよい。このよ
うに構成することにより、ディスク速度の低い領域で
は、ブリード部5の溝深さD1を5〜10μmにするこ
とも可能であり、加工時間の短縮と、加工精度の向上が
図れる。
【0048】図8及び図9は、本発明の他の実施例を示
すものである。この例においては、スライダ1には、ブ
リード部5を分離する一直線状の深溝ブリード部51を
設けている。深溝ブリード部51の深さD2は、40〜
60μm程度であり、気体軸受レール3以外の部分であ
るため高精度は要求されず研削加工等の機械加工で加工
できる。また深溝ブリード部51を設けることにより、
浮上バラツキへの影響が減少するためブリード部5の溝
深さD1は5〜15μm程度に浅くすることができ、ブ
リード部5のスパッタエッチングなどの加工時間の短縮
と加工量の減小による加工精度の向上効果がある。
【0049】図8に示す例において、深溝ブリード部5
1は、ブリード部5の領域に、深さが異にして複数本設
けてもよい。
【0050】また、図8及び前述した例において、気体
軸受レール3の流入側部Aのレール幅W1と流出側部B
のレール幅W2を変えてもよい。レール幅W1をレール幅
W2より大きくすると、浮上面の寸法精度に対するバラ
ツキを低減でき、レール幅W2をレール幅W1より大きく
すると、流出側部Bにおける軸受剛性を向上でき、ヘッ
ドの実装が容易となる。
【0051】また図8及び前述した例において、深溝ブ
リード部51の溝深さD2をブリード部5の溝深さD1
(即ち気体軸受レール3の高さ)及び傾斜面4の先端高
さよりも小さくしてもよい。このように構成することに
より、気体軸受レール3の加工時間の短縮と加工精度の
向上を図ることができる。
【0052】以上説明した各実施例においては、気体軸
受レール3の外側を、気体の流入側から流出側に直線的
に形成し、内側のブリード部との境界側をレール幅が変
化するように形成している。
【0053】しかし、本発明は、これに限るものではな
く、逆の形状でもよい。即ち、スライダ本体1の気体軸
受レール3の内側を、直線とし、外周側に結合部Cの外
周側に窪みを設けレール幅を変えてもよい。本構成で
は、結合部窪みはたとえば縦軸平面研削でまた、ブリー
ド部5は従来の横軸平面研削など機械加工で加工するこ
とが可能である。
【0054】図10および図11は、本発明の他の実施
例を示す。この例においては、気体軸受レール3の流入
側部A、流出側部B及び結合部Cを同じレール軸で形成
し、このうち、結合部Cには、ブリード部5から気体軸
受レール3の幅の他端に達しないで再びブリード部5に
戻る溝11を設け、これにより分離レール部12を設け
る形で構成したものである。分離レール部12は、レー
ル幅がせまく、減衰特性をさらに高める作用がある。ま
た、分離レール部12により、結合部Cの前後のレール
幅変化部への塵埃の堆積を防止する。
【0055】図10に示す例では、気体軸受レール3の
結合部Cの溝11をブリード部5側に設けたが、逆に気
体軸受レール3の結合部の溝11をスライダ本体1の外
側に設けても、前述とほぼ同様の作用効果がある。
【0056】以上説明した各実施例においては、気体軸
受レール3がスライダ本体1の両端側に対になって配設
されているが、レールの本数は2本に限るものではな
く、浮上バランスを考慮し、流れの中心線に対して対象
に複数本配設してもよいし、また、流れの中心線に配設
してもよい。
【0057】図12は、本発明におけるスライダの製造
方法の一実施例を示すもので気体軸受レール形状をスパ
ッタリングなどの薄膜製造技術により形成した例であ
る。
【0058】気体軸受レール形状穴15を設けたマスク
14を用いて、スパッタリングなどの薄膜製造技術によ
り、スライダ本体13に気体軸受レール膜16を形成し
た例である。スライダ本体13の材料にとらわれず、耐
摺動性に優れた膜を高精度に、量産性良く、製造するこ
とができる。
【0059】図13は、本発明におけるスライダの製造
方法の他の実施例を示すもので、気体軸受レール形状を
印刷技術で形成した例である。
【0060】印刷ローラ17には、気体軸受レール形状
に印刷するための転写用凸版19がセットされている。
スライダ本体13は、テーブル20の上にセットし、転
写膜テープ18を介して、印刷ローラ17により加圧印
刷し、転写膜テープ18の一部をスライダ本体13の上
に転写し、気体軸受レール膜16を形成する。本方式に
より、浮動ヘッドスライダを安価に大量に量産、製造す
ることができる。
【0061】図14は、本実施例に係る浮動ヘッドスラ
イダが装着されたリニア形回転円板記憶装置の平面断面
図である。キャリッジ33にガイドアーム9が結合さ
れ、該ガイドアーム9にヘッド支持装置8が連結され、
ヘッド支持装置8の先端部に浮動ヘッドスライダ1が装
着されている。スライダ1は、ボイスコイルモータ35
に駆動されて、回転する円板記憶媒体7の半径方向に進
退する。本実施例によりスライダ浮上量変動及び浮上バ
ラツキが小さく安定に浮上するため、スライダ浮上量を
小さくすることが可能となり、記憶媒体の高密度記憶を
実現できた。
【0062】図15は、本実施例に係る浮動ヘッドスラ
イダ1が装着されたインライン形回転円板記憶装置の一
部破砕斜視図で、キャリッジ33に連接されたヘッド支
持装置8の先端に装着された本発明浮動ヘッドスライダ
1を示している。本実施例によっても同様の効果が得ら
れた。
【0063】前述した各実施例においては、スライダ浮
上面の圧力分布をスライダの最側部にもしくはスライダ
の4隅に分極することができ、高いローリング方向剛性
もしくは高いピッチング剛性を得ることができる。又、
減衰特性向上と実質的に二次元圧縮係数を下げることに
よって浮上不安定を回避して安定に浮上さることができ
る。本構成をスパッタリングなどの非機械加工で行なう
ことにより寸法精度を高め、浮上バラツキを低減させる
ことができる。
【0064】さらにブリード部を浅溝と深溝の2段にす
ることにより、深溝を機械加工、浅溝をスパッタリング
など非機械加工の併用が可能となり、浅溝部深さを浅く
でき、加工時間と加工精度が向上できる。
【0065】また、結合部窪みをスライダ本体の外側部
に設けることにより、機械加工で気体軸受レールを形成
することができる。
【0066】また、結合部を溝を用いて形成することに
より、減衰特性をさらに向上させることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
浮上バラツキが少なく、浮上の動特性が良好なスライダ
を得ることができる。また、スライダを高精度にしかも
安価に量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の平面図。
【図2】図1のI−II線矢視断面図。
【図3】浮上面の圧力分布を示す説明図。
【図4】浮上量とピッチング方向空気膜剛性の関係を示
す説明図。
【図5】ピッチング方向空気膜剛性kpの周波数特性を
示す説明図。
【図6】浮上の安定判別結果を示す説明図。
【図7】空気膜の減衰係数の周波数特性を示す説明図。
【図8】本発明の他の実施例を示す平面図。
【図9】図8のIX−IX線矢視断面図。
【図10】本発明の更に他の実施例の平面図。
【図11】図10のIX−IX線矢視断面図。
【図12】本発明のスライダの製造方法の一例を説明す
る図。
【図13】本発明のスライダの製造方法の他の例を説明
する図。
【図14】本発明のスライダを搭載した磁気ディスク装
置を示す図。
【図15】本発明のスライダを搭載した磁気ディスク装
置を示す図。
【符号の説明】
1…スライダ本体、 2…トランヂューサ、
3…気体軸受レール、5…ブリード部、 12…
分離レール部、 14…マスク、16…気体軸受レー
ル膜、 17…印刷ローラ、 18…転写膜テー
プ、20…テーブル、 31…傾斜面部、
32…平面部、51…深溝ブリード部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 勝之 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 川上 寛児 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 大東 宏 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内 (72)発明者 益川 哲男 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所ストレージシステム事業部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転する記録媒体に対向して配置されるス
    ライダ本体と、該スライダ本体の前記記録媒体との対向
    面に形成され該記録媒体の回転に伴う気体流により発生
    する圧力によりスライダ本体を浮上させる少なくとも一
    本の気体軸受レールと、該気体軸受レール面より窪んで
    形成されたブリード部とを備えた浮動ヘッドスライダに
    おいて、前記気体軸受レールは、気体流の流入側に圧力
    を発生する流入側部と、流出側に圧力を発生する流出側
    部と、前記流入側部と流出側部を同一面で結合するもの
    であって、前記流入側部及び流出側部より気体軸受レー
    ル表面の幅が狭い結合部との3つの部分を有し、少なく
    とも該気体軸受レールのスライダ本体の長手方向の側面
    と接するブリード部は深さが15オm以下の浅溝である
    ことを特徴とする浮動ヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】前記気体軸受レールは、流入側部のレール
    幅と流出側部のレール幅が異なるように構成されること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の浮動ヘッド
    スライダ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7057855B2 (en) 2000-12-07 2006-06-06 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Head slider with flotation improving section and disk drive apparatus using the same

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