JPH11328534A - 金銭登録機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】発行されるレシートの裏面を有効に活用すると
共に、レシートを発行するためのロールシートの無駄を
無くして効率的な利用を可能にする金銭登録機を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】本発明の金銭登録機は、収納部に収納され
たロールシート１を繰り出して搬送するシート搬送装置
と、搬送されるシートの表面と裏面のそれぞれに各種情
報を印字する第１の印字装置３および第２の印字装置５
と、各印字装置が印字する印字情報の制御を行う制御手
段と、印字が施されたシートをカットするカット装置７
とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は金銭登録機に関
し、詳細には、複数の印字装置を備えた金銭登録機に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、小売店等で使用されている金銭登
録機は、発行されるレシートに各種情報を印字するため
の印字装置を組み込んでおり、この印字装置に使用され
る代表的な方式として、ドットインパクト方式、ライン
サーマル方式、インクジェット方式が用いられている。
そして、このような従来の金銭登録機は、実際のレシー
ト発行時に、用紙の片面に対してのみ、売上げ情報、店
舗広告等の商品情報を文字やグラフィックの形で記録し
ている。この場合、前記印字装置は、交換しやすい位置
に収納され、用紙搬送装置によって搬送されるロールシ
ートに印字を施しており、印字がされたシートは、印字
終了の任意位置でカットされた後、レシートとして金銭
登録機から排出される。

【０００３】ところで、最近、ロールシートの印字裏面
側に広告等を予め印刷しておくことにより、発行される
レシートの裏面を広告媒体として有効活用することが行
われている。この場合、広告等は、広告効果を高めるた
めに特定のピッチで印刷されており、用紙の切断位置を
広告ピッチの正数倍で行うことにより、裏面広告が途中
で途切れないようにしている。あるいは、広告等の印刷
ピッチをレシート最小発行長の２分の１以下の長さに設
定することにより、どのような長さで用紙がカットされ
ても、必ず広告等が１つは途切れない形で入るようにし
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の金銭登録機で
は、多数の商品を購入すると印字情報が多くなって、印
字情報量に比例した長いレシートを発行する必要があ
り、レシート発行時間の増加、及び購入者にとって扱い
ずらいレシート受け渡しによるサービスの低下を招いて
いる。また、長いレシートを発行することは、用紙の使
用量増加につながり、ランニングコスト（用紙費用）の
増加及び資源の無駄使いにつながる。

【０００５】また、従来の金銭登録機において、用紙の
裏面を有効に活用すべく広告情報等を予め印刷したロー
ルシートを使用する場合は、以下のような課題がある。
上述したように、広告情報等を特定ピッチで印刷してお
き、その整数倍で用紙をカットする方式では、表面の印
字内容に対して不必要にレシートが長くなってしまい、
用紙のランニングコストが上がってしまう。これに対し
て、広告情報等の印刷ピッチとは関係なく、表面印字情
報に従った位置で用紙をカットすると、裏面の広告等が
途中で途切れて、広告機能が半減したり、場合によって
は広告機能がなくなってしまい、その結果、商品購入者
は、裏面に対する興味を無くし、広告機能がなくなって
しまう。また、上述した広告等の印刷ピッチをレシート
最小発行長の２分の１以下の長さに設定する方式では、
大きさ的に限られた小さな広告等しか印刷できない。

【０００６】さらに、上述した裏面広告は、ロールシー
ト製造工程内で印刷するため、その内容は、購入者が受
け取る数週間から数ヶ月前の情報となり、レシート発行
時における最新の情報を掲載することができない。加え
て、裏面印刷は、時間や曜日、購入者の種別（老若男
女）、購入内容等によって内容を書変えることができな
いため、その情報は番人向けの一般的なものしか掲載す
ることができない。さらにまた、古い情報、例えば、期
間限定キャンペーン情報や、製品販売の中止情報等が書
き込まれたロールシートは、ある期間が過ぎると使用す
ることができなくなる場合があり、用紙を無駄にするこ
とも有り得る。

【０００７】この発明は、発行されるレシートの裏面を
有効に活用すると共に、レシートを発行するためのロー
ルシートの無駄を無くして効率的な利用を可能にする金
銭登録機を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の金銭登録機は、収納部に収納されたロール
シートを繰り出して搬送するシート搬送装置と、搬送さ
れるシートの表面と裏面のそれぞれに各種情報を印字す
る第１の印字装置および第２の印字装置と、各印字装置
が印字する印字情報の制御を行う制御手段と、印字が施
されたシートをカットするカット装置とからなる印字装
置を有することを特徴としている。

【０００９】上記した構成によれば、収納部から繰り出
されて搬送されるシートに対して、第１の印字装置がシ
ートの片面に印字を施しつつ、第２の印字装置がもう一
方の面に印字を施す。両面に印字が施されたシートは、
カット装置によってカットされ、レシートとして金銭登
録機外に排出される。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、添付図面を参照しながら説明する。

【００１１】上述したように、本発明の金銭登録機は、
レシートを発行するのに用いられるロールシートに対し
て、表面および裏面の印字を可能とする２つの印字装置
を組み込んだことを特徴とする。この場合、以下の実施
形態では、組み込まれる印字装置として、インクジェッ
ト方式、ラインサーマル方式、ドットインパクト方式の
ものを、記録内容、目的等に応じて任意に組み合わせる
こととする。また、図示する構成では、金銭登録機の
内、ロールシートに対して両面印字を行い、これを排出
する領域部分（印字領域部分）のみを模式的に図示する
こととし、それ以外の公知の部分についての構成は省略
する。

【００１２】図１および図２は、第１の実施形態を示し
ており、図１は印字領域部分の側面図、図２はその斜視
図である。

【００１３】収納部に収容されるロールシート１の下流
側には、プラテン３ａと、これに対向して配置され、ガ
イドレール３ｂに沿って駆動手段（図示せず）によって
摺動するインクジェット式のヘッド３ｃとを備えたイン
クジェット方式の印字装置（第１印字装置）３が配置さ
れている。ロールシート１から繰り出された用紙は、案
内手段（図示せず）によって垂直方向に立ち上げられ、
プラテン３ａとヘッド３ｃとの間に搬送されて、片方の
面に印字処理が施される。

【００１４】印字装置３の垂直方向下流側には、フィー
ドローラ５ａと、これに対向して配置された熱転写式の
サーマルヘッド５ｂとを備えた印字装置（第２印字装
置）５が配置されている。前記第１の印字装置３で片方
の面に印字が施された用紙は、この印字装置５によっ
て、もう一方の面に印字が施される。

【００１５】そして、第２印字装置の下流側には、カッ
ターアッセンブリ７ａと、カッター受け７ｂとを備えた
カット装置７が配置されており、一処理内で両面印字が
施された用紙をカットし、そのカットした用紙をレシー
トとして金銭登録機外に排出する。

【００１６】なお、ロールシート収容部と第１印字装置
との間にエレクトロスタンプ１０を配置しておき、排出
されるレシートのヘッド部分に所定のメッセージ（小売
店のロゴ、挨拶文等）をスタンプ 印字するようにして
も良い。また、図示しないが、金銭登録機内には、繰り
出されたロールシートを搬送する搬送装置、各種の駆動
機構、駆動源、並びに別のロールシートに対して売上げ
情報等を記録するジャーナルプリンタ等が設けられるよ
うにしても良い。

【００１７】図３は、上記したように構成される金銭登
録機の全体の制御を行う制御ブロックの一例を示す図で
ある。上記した各印字装置３，５の動作の制御および各
印字装置が印字する印字情報の制御は、ＣＰＵ３０によ
って行われる。ＣＰＵ３０には、計算用のプログラムや
定数データ等が記録されたＲＯＭ１１と、例えば広告等
の各種情報（可変データ）を一時的に記録するＲＡＭ１
２が接続されている。また、ＣＰＵ３０には、インター
フェース１５を介して、前記第１印字装置のヘッド３ｃ
を作動させる第１ヘッドコントローラ２１と、前記第２
印字装置のヘッド５ｂを作動させる第２ヘッドコントロ
ーラ２２と、さらに、レシートプリンタコントローラ２
８を介して、前記エレクトロスタンプ１０、シートの搬
送を行うシート搬送ローラ２５、前記カット装置７とが
接続されており、これらの各要素がロールシートに印字
を施すためのレシートプリンタ２０（ジャーナルプリン
ト部を有する場合、レシート／ジャーナルプリンタ）を
構成している。

【００１８】また、ＣＰＵ３０には、インターフェース
１５を介して、キー操作やバーコードスキャナ等によっ
て必要な情報を入力する入力装置３１と、計算結果等を
表示する表示装置３２が接続されている。

【００１９】上記したように構成されている金銭登録機
の一連の動作を説明する。まず、入力装置３１から値段
等の情報が入力されると、ＲＯＭ１１に記録されている
プログラムに従って計算等が行われると共に、その内容
が順次表示装置３２に表示される。また、この動作と並
行して、レシートプリンタコントローラ２８を介してス
タンプ処理、用紙の搬送処理が行われると共に、第１ヘ
ッドコントローラ２１を介して搬送される用紙の片面に
商品情報（少なくとも売上明細を含み、店舗ロゴや店名
等の店舗情報等を含んでいても良い）が印字され、さら
に第２ヘッドコントローラ２２を介して、商品情報以外
の情報（広告情報等）がＲＡＭ１２から取り出されて用
紙のもう一方の面に印字される。そして、一連の印字処
理が施された用紙は、印字の終了タイミングに基づいて
駆動されるカット装置７によってカットされ、レシート
として排出される。

【００２０】この構成において、ＲＡＭ１２に印字長さ
の異なる複数の情報を記録させておき、ＣＰＵ３０が、
第１印字装置によって印字される商品情報の長さに応
じ、最適の長さの情報を選択して第２印字装置に出力す
るように構成することができる。あるいは、購入者、購
入時期、購入内容等に応じて、最適な情報を選択して第
２印字装置に出力するように構成しても良い。この場
合、最適な情報の選択は、入力された商品情報、もしく
は別途、入力装置３１からの入力により行うことができ
る。

【００２１】このような構成により、以下のような効果
を得ることができる。２つの印字装置を組み込むことに
より、レシート発行時に両面に情報を記録することがで
きてレシートの有効利用が図れると共に、レシートの裏
面に最適な情報を印字することで、広告機能の向上が図
れる。また、ＣＰＵ３０に対し、裏面広告、情報データ
をレシート裏面に印字する際、ロールシート長手方向に
データを圧縮／拡大させる機能を持たせることも可能と
なる。これにより、レシート長いっぱいに広告、情報を
掲載することが可能となり、限られたスペースに効率的
に情報を印字することができる。

【００２２】また、ＲＡＭ１２に、期間、曜日、対象
者、情報量等に応じた各種の長さの情報が記憶できるた
め、表面でのレシート印字量（レシート長）が確定した
後、その用紙長に合わせた大きさの情報を途切れること
なく裏面に印字することができ、この結果、必要以上の
長さのレシートを購入者に受け渡すようなことがなくな
り、用紙裏面を無駄無く使用することができる。さらに
は対象者に応じて最適な情報を提供することも可能とな
る。

【００２３】さらに、ロールシートに予め広告等の情報
を印刷しておく必要がないため、コストの低減が図れる
と共に、常に最新の情報を提供することができ、情報が
古くなることによるロールシートの処分という問題がな
くなり、コストの低減が図れる。

【００２４】上記した構成以外にも、例えば、裏面印字
を行う第２印字装置が、表面印字を行う第１印字装置の
印字情報の一部を印字するように構成しても良い。すな
わち、用紙表面側に、第１印字装置によって、売上明細
等の商品情報の１／２を印字し、残りの１／２を第２印
字装置によって用紙裏面側に印字するように構成する。
このように、用紙の両面側に従来のレシート印字内容を
記録することによって、一取り引き当たりの用紙使用量
を約半分近く削減することが可能となり、用紙コストの
削減、ひいては用紙使用量削減による環境保護にも寄与
する。また、購入者に渡すレシートの長さが従来の半分
程度となるので、レシートの取り扱いが容易になること
によるサービスの効用が図れる。さらに、レシートの発
行時間の短縮が可能となり、１顧客当たりに要する作業
時間の削減が可能となって、人件費の削減、サービスの
向上が図れる。

【００２５】次に、本発明の別の実施形態について説明
する。以下の実施の形態では、前記実施形態と同一の部
分については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明
については省略する。

【００２６】図４および図５は、第２実施形態を示す図
であり、それぞれ印字領域部分の側面図、およびその斜
視図である。

【００２７】この実施形態では、前記第１実施形態の第
２印字装置５（サーマルヘッド印字装置）のヘッド５ｂ
を反対側に配置すると共に、第２印字装置５の上流側に
配置される第１印字装置（符号９で示す）をドットイン
パクト方式で構成したものである。第１印字装置９は、
プラテン９ａと、これに対向して配置され、ガイドレー
ル９ｂに沿って駆動手段（図示せず）によって摺動する
ドットマトリクス式のヘッド９ｃとを備えており、ヘッ
ド９ｃが、上記第２印字装置のヘッド５ｂによる印字面
とは反対側の面に印字できるように構成されている。も
ちろん、商品情報、広告情報の印字は、どちらの印字装
置が行っても良い。このような構成においても、前記実
施形態と同様の効果が得られる。

【００２８】図６および図７は、第３実施形態を示す図
であり、それぞれ印字領域部分の側面図、およびその斜
視図である。

【００２９】この実施形態では、前記第２実施形態の第
２印字装置を、第１実施形態に示すインクジェット方式
で構成したものである（符号３で示す）。この実施形態
のように、２つの印字装置に、サーマルヘッド方式の印
字装置を用いない場合は、用紙の搬送が正確に行えるよ
う、例えば、第２印字装置３の下流側にフィードローラ
アッセンブリ５０を配置しておくことが好ましい。この
ような構成においても、上記した実施形態と同様の効果
が得られる。

【００３０】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は、上記した実施形態以外にも、以下のよう
に種々変形することが可能である。例えば、印字装置
は、上述した３つの方式以外にも、使用態様、目的等に
応じて、別の方式のものを組み込んでもよい。また、各
印字装置の組み込み位置についても、上述した実施形態
のような垂直置き以外にも、水平置きにしたり、あるい
は金銭登録機全体の大きさや、それに組み込まれる各種
装置の大きさに応じて、適宜変形することが可能であ
る。また、上記実施形態では、第１の印字装置が、レシ
ートの表となる商品情報を、第２の印字装置がそれ以外
の広告情報を印字するように構成されていたが、各印字
装置の印字内容を逆にしても良い。また、表面、裏面に
印字される情報内容は、例えば、表面に売上明細のみ
を、裏面に店舗情報等の各種広告を印字する等、使用態
様、目的等に応じて適宜変更できる。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、金銭登
録機内に２つの印字装置を組み込んで、発行されるレシ
ートの裏面にも印字できるように構成したため、レシー
トの裏面を有効に活用することができる。また、レシー
トを発行するためのロールシートに予め情報を印刷して
おく必要性がなくなり、ロールシートの効率的な利用が
図れる。

【００３２】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施形態を示し、印字領域部分
の側面図を表す。

【図２】図１に示す印字領域部分の斜視図を表す。

【図３】金銭登録機の全体の制御を行う制御ブロックの
一例を示す。

【図４】本発明の第２の実施形態を示し、印字領域部分
の側面図を表す。

【図５】図４に示す印字領域部分の斜視図を表す。

【図６】本発明の第３の実施形態を示し、印字領域部分
の側面図を表す。

【図７】図６に示す印字領域部分の斜視図を表す。

【００３３】

【符号の説明】

１…ロールシート、 ３，５，９…印字装置、 ７…カット装置、 １０…エレクトロスタンプ。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納部に収納されたロールシートを繰り
   出して搬送するシート搬送装置と、 搬送されるシートの表面と裏面のそれぞれに各種情報を
   印字する第１の印字装置および第２の印字装置と、 各印字装置が印字する印字情報の制御を行う制御手段
   と、 印字が施されたシートをカットするカット装置と、を有
   することを特徴とする金銭登録機。
2. 【請求項２】 前記２つの印字装置は、ドットインパク
   ト方式、ラインサーマル方式、インクジェット方式の任
   意の組み合わせ（同種を含む）であることを特徴とする
   請求項１に記載の金銭登録機。
3. 【請求項３】 前記制御手段は、一方の印字装置に対し
   て商品情報を、他方の印字装置に対して、それ以外の情
   報を印字させることを特徴とする請求項１または２に記
   載の金銭登録機。
4. 【請求項４】 前記制御手段は、前記他方の印字装置に
   対して、前記一方の印字装置が印字する商品情報の長さ
   に応じた長さの情報を印字させることを特徴とする請求
   項３に記載の金銭登録機。
5. 【請求項５】 前記制御手段は、一方の印字装置に対し
   て商品情報の一部を、他方の印字装置に対して他の商品
   情報を印字させることを特徴とする請求項１または２に
   記載の金銭登録機。