JPH11327198A - 画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置

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JPH11327198A
JPH11327198A JP13028998A JP13028998A JPH11327198A JP H11327198 A JPH11327198 A JP H11327198A JP 13028998 A JP13028998 A JP 13028998A JP 13028998 A JP13028998 A JP 13028998A JP H11327198 A JPH11327198 A JP H11327198A
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篤志 田中
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恒徳 芦邊
Akira Shimada
明 島田
Hidekazu Matsuda
秀和 松田
Minoru Shimojo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久中に中間転写体の抵抗低下を防止でき、
繰り返し使用しても飛散りが極めて少ない画像形成方法
を提供にある。 【解決手段】 第1の画像担持体上に形成されたトナー
像を中間転写体に転写し、第2の画像担時体上に再度、
転写して画像を得る画像形成方法において、少なくとも
下記(A)〜(D)に該当する化合物が予め表面に塗布
された中間転写体と表面に存在する現像剤とを使用する
画像形成方法。(A)硝酸イオン吸着物質、(B)層状
構造を有する化合物、(C)後記に示されるハイドロタ
ルサイト類化合物:M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)
・mH2O(ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+
2価の金属イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n
価のアニオン)、(D)後記に示される化合物:M2+
(1-x)3+ X(1+X/2)(ただし、0<X≦0.5、
2+;2価の金属イオン、M3+;3価の金属イオン)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真方式を用い
た画像形成方法及び画像形成装置に関し、特に第1の画
像担持体上に形成されたトナー像を、一旦中間転写体に
転写させた後に第2の画像担持体上に更に転写させ、画
像形成物を得る電子写真画像形成方法及び画像形成装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】中間転写体を使用した画像形成方法は、
カラー画像情報や多色画像情報の複数の成分色画像を順
次積層転写してカラー画像や多色画像を合成再現した画
像形成物を出力するカラー画像形成装置や多色画像形成
方法、又はカラー画像形成機能や多色画像形成機能を具
備させた画像形成方法として有効である。
【0003】中間転写体として中間転写ベルトを用いた
画像形成装置の一例の概略図を図1に示す。図1は電子
写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あ
るいはレーザービームプリンター)である。1は第1の
画像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下感
光ドラムと記す)であり、矢印の方向に所定の周速度
(プロセススピード)で回転駆動される。
【0004】感光ドラム1は回転過程で、1次帯電器2
により所定の極性、電位に一様に帯電処理され、次いで
不図示の像露光手段3による露光3を受ける。このよう
にして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエ
ロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0005】次いで、その静電潜像が第1の現像器(イ
エロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分
像に現像される。この時第2〜第4の現像器、すなわち
マゼンタ現像器42、シアン色現像器43、及びブラッ
ク色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作
用していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上
記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0006】中間転写ベルト20は、矢印の方向に感光
ドラム1とほぼ同じ表面移動速度で回転駆動される。感
光ドラム1上に形成された上記第1色のイエロー成分像
が、感光ドラム1と中間転写ベルト20とのニップ部を
通過する過程で、1次転写ローラ62を介してバイアス
電源29から中間転写ベルト20に印加される1次転写
バイアスによって形成される電界により、中間転写ベル
ト20の外周面に順次転写(1次転写)されていく。
【0007】中間転写ベルト20に対応する第1色のイ
エロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面
は、クリーニング装置13により清掃される。以下、同
様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナ
ー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベ
ルト20上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像
に対応した合成カラートナー画像が中間転写べルト20
上に形成される。
【0008】63は2次転写ローラで、2次転写対向ロ
ーラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト20
の下面部に配設してある。トナー画像を感光ドラム1か
ら中間転写ベルト20へ転写するための1次転写バイア
スは、トナーとは逆極性でバイアス電源29から印加さ
れる。その印加電圧は例えば+100V〜+2kVの範
囲である。感光ドラム1から中間転写ベルト20への第
1〜第4色のトナー画像の1次転写工程において、2次
転写ローラ63及び転写残トナー帯電部材52は中間転
写ベルト20から離間している。
【0009】2次転写ローラ63が中間転写ベルト20
に当接され、給紙ローラ11から中間転写ベルト20と
2次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで
第2の画像担持体である転写材Pが給送され、2次転写
バイアスがバイアス電源28から2次転写ローラ63に
印加されることにより、中間転写ベルト20上に転写さ
れた合成カラートナー画像は、転写材Pに2次転写され
る、合成カラートナー画像が転写された転写材Pは、定
着器15へ導入され加熱定着される。
【0010】転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベ
ルト20には転写残トナー帯電部材52が当接され、感
光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することによ
り、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト20上に残
留しているトナー(転写残トナー)に、感光ドラム1と
逆極性の電荷が付与される。前記転写残トナーは、感光
ドラム1との当接部及びその近傍において感光ドラム1
に静電的に転写されることにより、中間転写ベルト20
がクリーニングされる。
【0011】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に張り付け又は吸着せしめ、そこへ第1の画
像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカ
ラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960号
公報中で述べられたごとくの転写装置と比較すると、第
2の画像担持体である転写材にになんら加工、制御(例
えばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる
等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写する
ことができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、40g
/m2程度の薄い紙から200g/m2程度の厚い紙ま
で、幅の広狭や、長さの長短によらず転写可能であると
いう利点を有している。
【0012】このような利点のため、すでに市場におい
ては中間転写ベルトを用いたカラー複写機、カラープリ
ンター等が稼働し始めている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】中間転写体を用いた画
像形成方法には上記のような利点があるが、従来の中間
転写体において、繰り返し画像を出力(耐久)すると、
中間転写体に1次転写されたトナーが、1次転写から2
次転写までの間に中間転写体上で飛散って、画像品位が
徐々に低下する(以後、飛散りと呼ぶ)という問題が生
じることがあった。
【0014】本発明の目的は、耐久中に中間転写体の抵
抗低下を防止でき、繰り返し使用しても飛散りが極めて
少ない画像形成方法を提供することである。
【0015】
【発明を解決するための手段】本発明に従って、第1の
画像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写
し、その後第2の画像担時体上に再度、転写して画像を
得る画像形成方法において、少なくとも下記(A)〜
(D)に該当する化合物が予め表面に塗布された中間転
写体と、少なくとも下記(A)〜(D)に該当する化合
物が表面に存在する現像剤とを使用することを特徴とす
る画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置が提供さ
れる。
【0016】(A)硝酸イオン吸着物質 (B)層状構造を有する化合物 (C)下記一般式(1)で示されるハイドロタルサイト
類化合物 一般式(1) : M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン) (D)下記一般式(2)で示される化合物 一般式(2) : M2+ (1-x)3+ X(1+X/2)
(ただし、0<X≦0.5、M2+;2価の金属イオン、
3+;3価の金属イオン)
【0017】これらの中で特に好ましい物質は、下記一
般式(1)及び一般式(2)で表わされる化合物であ
る。
【0018】 一般式(1) : M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン) 一般式(2) : M2+ (1-x)3+ X(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5、M2+;2価の金属イオン、
3+;3価の金属イオン)
【0019】最も好ましい物質は下記一般式(3)及び
一般式(4)で表わされる化合物である。
【0020】 一般式(3) : Mg(1-X)AlX(OH)2(CO3X/2・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0) 一般式(4) : Mg2+ (1-x)Al3+ X(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5)
【0021】
【発明の実態の形態】まず、飛散りの推定メカニズムに
ついて図2及び図3を用いて説明する。なお、説明文
中、中間転写体として中間転写ベルト20を、トナーに
はマイナスの電荷を有するトナー24(いわゆるネガト
ナー)を用い、感光体はマイナスに帯電させて使用した
ものとする。
【0022】図2は、1次転写直後の中間転写ベルト2
0の表面電位の予想分布図である。中間転写ベルト20
の画像部(1次転写されたトナーが存在する部分)は、
トナー自身が有する電荷により、−VD1(V)の表面電
位を有している。一方、中間転写ベルト20の非画像部
(1次転写されたトナーが存在しない部分)は、1次転
写時に感光体から流れ込んだ電荷(1次転写電流)によ
って、−VL1(V)の表面電位を有している。図2の状
態では、|−VD1|≒|−VL1|で、|−VD1|と|−
L1|に差があったとしても、せいぜい100(V)程
度であろう。
【0023】図2の状態から時間が経過し、トナー24
を2次転写する直前での中間転写ベルト20の表面電位
の分布予想図が図3である。図3において、トナー24
自身が有する電荷の減衰は遅いので、画像部の表面電
位:−VD2(V)は、−VD1(V)とほとんど変わらな
いと考えられる。
【0024】一方、非画像部の表面電位:−VL2(V)
は、中間転写ベルト20の抵抗値に大きく左右される、
すなわち、中間転写体の抵抗値が低い場合には、図3に
示すように非画像部電位が大きく減衰して、|−V
L2(V)|<<|−VL1(V)|となってしまう。従っ
て、図3の状態のように画像部と非画像部の電位差△V
が大きくなり、この電位差によって作られる電気力線に
沿ってマイナス電荷を有するトナー24が移動し、これ
が飛散りの原因になっていると考えられる。
【0025】以上の推定メカニズムによれば、飛散りを
防止するためには、中間転写ベルト20の抵抗値を高く
して非画像部の減衰を遅くすればよいことになる。ただ
し、中間転写ベルト20の抵抗値を大きくしすぎると、
1次転写電流が流れなくなって、1次転写そのものが良
好に行われなくなってしまう。
【0026】このような状態を回避するためには、中間
転写体を複数の層で構成し、その表面層(表層)を高抵
抗(例えば1×1014Ωcm以上)層にして、かつ薄く
(例えば5〜100μm)すると有効である。ところ
が、このような中間転写体においても、初期こそ飛散り
の少ない良好な画像が得られるものの、使用を続ける徐
々に飛散りが増加(悪化)して、ついには実用に耐えな
い画像になってしまうという問題があった。
【0027】本出願人らは、上記の問題を解決するため
に、まず使用耐久後の中間転写体を調べた。その結果、
耐久後の中間転写体は、初期と比較して抵抗値が1/1
0程度に低下していることが分かった。更に、耐久後の
中間転写体の表面を分析したところ、硝酸イオン(NO
3 -)が検出された。一方、耐久前の中間転写体の表面か
ら硝酸イオンは検出されなかった。以上の結果から、耐
久による飛散り悪化のメカニズムは以下のように考えら
れる。
【0028】すなわち、耐久時に発生する放電(放電は
1次転写時や2次転写時などに発生していると考えられ
る)によりオゾンが発生し、オゾンが空気中の窒素と反
応して窒素酸化物(NOx)となり、窒素酸化物が空気
中の水分と反応して硝酸となる。周知の通り、硝酸(H
NO3)は水素イオン(H+)と硝酸イオン(NO3 -)と
に電離する。その結果、耐久が進むにつれて中間転写体
の表面に水素イオン(H+)や硝酸イオン(NO3 -)が
付着してゆき、これらのイオンが中間転写体の抵抗値を
低下させるために、耐久が進むと図3の状態のように、
中間転写体の画像部電位と非画像部電位の差△Vが大き
くなって飛散りが悪化するものと考えられる。
【0029】上記メカニズムによれば、耐久による飛散
り悪化を防止するためには、生成する硝酸を除去するこ
とが有効な対策になると考えられる。そこで本出願人ら
は、硝酸イオン(NO3 -)を吸着する作用を持つ硝酸イ
オン吸着物質に着目した。すなわち、予め硝酸イオン吸
着物質を塗布した中間転写体を用いることで、耐久によ
る中間転写体の低抵抗化を防止することができ、飛散り
悪化を防止できるのではないかと考えて検討を行なっ
た。その結果、確かに飛散り悪化の防止効果が得られる
ことが分かった。
【0030】本発明における硝酸イオン吸着物質とは、
硝酸イオン(NO3 -)を吸着する性質を有する物質を指
し、具体的には下記測定方法にて全窒素量(以後、窒素
量)を測定した時に、窒素量が13(mg/l)以下で
ある被試験物質を言う。なお、13(mg/l)以下と
したのは、被試験物質を加えない以外は下記測定方法に
従って窒素量の測定を行なう[すなわち、1×10
-3(N)の硝酸水溶液の窒素量を測定する]と、測定値
が約14(mg/l)となることから、被試験物質を加
えた時の窒素量が13(mg/l)以下であれば、明ら
かに硝酸イオンを吸着していると判断できるためであ
る。
【0031】<測定機器> 多項目水質計LASA−1
(東亜電波工業社製) <使用試薬> 2,6−ジメチルフェノール(品名:L
CK339、東亜電波工業社製) <フィルタ> LPZ−284(330nm、東亜電波
工業社製)
【0032】<測定手順> (1)1×10-3(N)の硝酸水溶液10mlに、被試
験物質0.5gを加え、40分間撹拌又は振動する。 (2)上記液体が濁っている場合には、適当な手段でろ
過し、ろ液を採取する。 (3)上記ろ液0.5mlをキュベット(LCK23
8、東亜電波工業社製)に加え、続いてC液(2,6−
ジメチルフェノール:LCK339)0.2mlを加
え、キュベットの栓をしてキュベットを振る。その後、
室温(20〜25℃)にて15分間キュベットを静止放
置し、LASA−1の取扱説明書に従って、全窒素量
(mg/l)を測定する(プログラム項目=NO3−
N)。
【0033】言うまでもなく、飛散り悪化に対してより
大きな防止効果を得るためには、上記測定による窒素量
が少ない物質ほど好ましい。具体的には、窒素量が10
(mg/l)以下であれば好ましく、より好ましくは7
(mg/l)以下、更に好ましくは5(mg/l)以下
である。
【0034】なお、硝酸イオン吸着物質に疎水化処理等
の表面処理を行なうと、硝酸水溶液との親和性が低く
(疎水度が高く)なって、窒素量が13(mg/l)よ
り大きな値を示すことがある。これは、疎水化処理等に
よって硝酸イオンの吸着速度が低下しているだけであ
り、硝酸イオン吸着容量が低下している訳ではない。
【0035】従ってこのような場合には、表面処理をし
ていない場合の窒素量を測定し、その測定結果に基づい
て、表面処理した物質が硝酸イオン吸着物質であるか否
かを判断する。すなわち、表面処理をしていない硝酸イ
オン吸着物質{上記測定による窒素量が13(mg/
l)以下である物質}に表面処理をすることによって、
窒素量が13(mg/l)より大きくなったとしても、
物質(表面処理後の物質)は、本発明における硝酸イオ
ン吸着物質であるとみなす。
【0036】本発明における硝酸イオン吸着物質の例と
しては、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化マ
グネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、
水酸化アルミナ・マグネシウム、水酸化アルミニウム・
炭酸水素ナトリウム共沈物(ドーソナイト)、ジヒドロ
キシアルミニウムアミノアセテート、水酸化アルミニウ
ム・炭酸マグネシウム・炭酸カルシウム共沈物等が挙げ
られる。
【0037】次に本出願人らは、耐久による飛散り悪化
の防止効果を有する物質を更に探索した結果、層状構造
を有する化合物も有効であることが分かった。これは、
層状構造を有する化合物(層状化合物)が、層間に硝酸
イオンを取り込むことによって中間転写体の抵抗低下を
防いているためと予想される。このような層状化合物の
例として、例えばカオリン、雲母等が挙げられるが、よ
り好ましい例としては、下記一般式(1)で示されるハ
イドロタルサイト類化合物が挙げられる。
【0038】 一般式(1) : M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン)
【0039】一般式(1)で示されるハイドロタルサイ
ト類化合物は、正に荷電した基本層[M2+ (1-X)
3+ X(OH)2]X+と、負に荷電した中間層[An- (X/n)
mH2O] X-とからなる層状化合物であり、基本層に中
間層が挿入された層間化合物と考えることができる。一
般に層間化合物は特異な化学的性質(反応性)を発揮す
ることが知られているが、一般式(1)で示されるハイ
ドロタルサイト類化合物の場合には、中間層に存在する
アニオン(An-)と硝酸イオンとが容易に置換(アニオ
ン交換)することが知られている。アニオン交換のメカ
ニズムは定かでないが、基本層と硝酸イオンとの電気的
な相互作用(吸引力)、中間層の空隙の大きさ(中間層
の厚さ)、吸着作用等が複合的に作用しているものと推
定される。
【0040】すなわち、一般式(1)で示されるハイド
ロタルサイト類化合物は、反応式(1)のように反応し
て、硝酸イオンを吸着する。このため、一般式(1)で
示される化合物を予め塗布した中間転写体を用いると耐
久による飛散り悪化の防止効果を得ることができると考
えられる。
【0041】 反応式(1):M2+ (1-X)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O+XHNO3 →M2+ (1-X)3+ X(OH)2(NO3X・mH2O+HXn- (X/n)
【0042】更に本出願人らは、一般式(1)におい
て、An- (X/n)として、その共役酸HXn- (X/n)の酸解
離定数;pKaが3以上となるアニオンを有する場合、
飛散り防止効果が一層向上して好ましいことを見出し
た。このような化合物が好ましい理由は以下のように考
えられる。すなわち、一般式(1〉で示されるハイドロ
タルサイト類化合物は、アニオン交換の結果、酸;HX
n- (X/n)を生成する。この時、生成した酸の酸解離定
数;pKaが3以上であると、HXn- (X/n)が解離する
割合は非常に小さい。
【0043】従って、反応式(1)における右辺(硝酸
イオン吸着後)の遊離アニオン量は、左辺(硝酸イオン
吸着前)の遊離アニオン量よりも減少することになる。
つまり、一般式(1)において、An- (X/n)として、そ
の共役酸HXn- (X/n)の酸解離定数;pKaが3以上と
なるアニオンを含有する{アニオンの好ましい含有量は
全てのAn- (X/n)に対して20%以上、より好ましい含
有量は50%以上である}ハイドロタルサイト類化合物
は、中間転写体表面の硝酸イオンを吸着すると同時に、
中間転写体表面の遊離アニオンの絶対量を減少させる働
きを有しているので、耐久による中間転写体の電気抵抗
値の低下をより効果的に防止でき、飛散り悪化を防止す
ることができると考えられる。
【0044】更に厳密には、反応式(1)は平衡関係に
ある。従って、硝酸の吸着が進んでAn- (X/n)の量が増
加してくると、反応式(1)が右へ進みにくくなって、
硝酸イオンの吸着能力が低下することが予想される。し
かし、化合物は、生成するA n- (X/n)の量がごく僅かで
あるために、反応式(1)が右へ進みにくくなることが
ほとんどない。つまり、化合物は、硝酸の吸着に伴う硝
酸吸着能力の低下が極めて少ないので、飛散りの悪化を
より効果的に防止できるという利点も有する。
【0045】以上、上記化合物は、An- (X/n)の共役酸
Xn- (X/n)のpKaが大きいため、耐久により発生す
る硝酸イオンを吸着すると同時に、中間転写体表面のア
ニオン量を低減させる作用を有することを述べてきた
が、本出願人らの検討によれば、An- (X/n)の共役酸HX
n- (X/n)のpKaの好ましい範囲は4以上、より好ま
しい範囲は6以上である。なお、An- (X/n)はその共役
酸HXn- (X/n)のpKaが3以上となるものであればど
のようなアニオンでもよい。An-の具体的な例として
は、OH-(H2OのpKa=7.0)、CO3 2-(H2
3のpKa1=6.35)、CH3COO-(CH3CO
OHのpKa=4.76)等が挙げられる。
【0046】更に、ハイドロタルサイト類化合物は水に
不溶であり、硝酸イオン吸着後も水に不溶であるという
性質を有する。この性質も、中間転写体の電気抵抗の低
下防止に寄与するために、耐久による飛散り悪化は一層
効果的に防止されることになる。また、ハイドロタルサ
イト類化合物はNOxガス(窒素酸化物)の吸着作用を
有しているとも言われている。従って、ハイドロタルサ
イト類化合物が、飛散り悪化の防止に極めて効果的であ
るのは、上記理由に加えて、NOxガスを吸着すること
で、硝酸イオンの発生量そのものを抑えているという相
乗効果を有しているためではないかと考えられる。
【0047】一般式(1)において、Alのモル分率:
Xは、0<X≦0.5であるが、硝酸イオンの吸着能力
(アニオン交換容量)は、Xが大きくなるほど向上する
ことが知られている。このため、飛散り悪化の防止効果
の観点からは0.2≦Xが好ましく、より好ましくは
0.25≦X、特に0.28≦Xが好ましい、Xは0.
5以下であればよいが、結晶構造としては0<X≦1/
3(0.33)の範囲がより安定である。これは、M3+
がM2+を置換した格子点相互のプラス電荷による反発が
強くなるためと推定されている。
【0048】ここで、一般式(1)においてAn-がCO
3 2-であるハイドロタルサイト類化合物について述べ
る。化合物は、反応式(2)によって水と二酸化炭素
(炭酸ガス)を生成する。
【0049】 反応式(2):M2+ (1-X)3+ X(OH)2CO3 2-・mH2O+XHNO3 →M2+ (1-X)3+ X(OH)2(NO3 -X・mH2O+ (X/2)2O+(X/2)CO2
【0050】生成した二酸化炭素は気体であるために、
中間転写体の電気抵抗値を低下させることはない。厳密
には、生成した二酸化炭素のごく一部が水に溶けて炭酸
(H 2CO3)となるが、炭酸のpKa1は6.35と大
きいために、炭酸イオン(HCO3 -)はほとんど生成し
ない。また、炭酸イオンが生成したとしても、ハイドロ
タルサイト類化合物は炭酸イオンに対する選択性が低い
という特徴を持っているので、ごく微量の炭酸イオン
が、反応式(2)を右へ進みにくくすることはない。ま
た、An-がCO3 2-であるハイドロタルサイト類化合物
は、工業的に大量生産されているために安価に入手でき
ることもあり、CO3 2-はAn-として最も好ましい例で
あるといえる。
【0051】なお、一般式(1)においてAn-は1種類
のアニオンである必要はない。例えばCO3 2-及びCH3
COO-の2種類であってもよいし、pKaが3未満の
アニオン、例えばSO4 2-(H2S04のpKa1<1)
等が含有されていてもよい。M2+はMg2+、Ca2+、Z
2+、Ni2+等任意の2価の金属イオン、M3+はA
3+、Fe3+、Co3+等任意の3価の金属イオンであ
り、M2+及びM3+は、それぞれ2種類以上の金属からな
っていてもよい。特に、M2+がMg2+であり、かつM 3+
がAl3+であるハイドロタルサイト類化合物は、工業的
に安価に入手できること、毒性等の問題がないことか
ら、特に好ましい。
【0052】以上を総合すると、ハイドロタルサイト類
化合物の最も好ましい例は、一般式(3)で示されるハ
イドロタルサイト類化合物と言える。一般式(3)で示
される具体例としては、以下のような化合物が挙げられ
る。
【0053】 一般式(3) : Mg(1-X)AlX(OH)2(CO3X/2・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0)
【0054】<好ましい具体例> 1.Mg0.68Al0.32(OH)2(CO30.16・0.5
7H2O 2.Mg0.8Al0.2(OH)2(CO30.1・0.61
2O 3.Mg0.75Al0.25(OH)2(CO30.125・0.
5H2O 4.Mg0.83Al0.17(OH)2(CO30.085・0.
47H2
【0055】なお、厳密には一般式(3)の化合物(及
び上記具体例の化合物)において、Mg2+、Al3+以外
の陽イオン(例えばCa2+、Zn2+、Ni2+、Fe
3+等)や、CO3 2-以外の陰イオンが少量(それぞれモ
ル分率で0.1未満)混入している場合がある。そのよ
うな化合物の組成は、厳密な意味では一般式(3)や上
記具体例の組成式で表現することはできないのだが、こ
れらの混入イオンによって飛散り悪化の防止効果はなん
ら損なわれることはない。従って、本発明においては、
Mg2+、Al3+以外の陽イオン(例えばCa2+、Z
2+、Ni2+、Fe3+等)や、CO3 2-以外の陰イオン
が少量混入していても、一般式(3)(及び上記具体例
の組成式)で表わされる化合物であると定義する。
【0056】更に本出願人らは、耐久による飛散り悪化
の防止効果を有する物質を探索した結果、一般式(2)
で示される化合物も好ましい物質であることを見出し
た。
【0057】 一般式(2) : M2+ (1-x)3+ X(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5、M2+;2価の金属イオン、
3+;3価の金属イオン)
【0058】一般式(2)で示される化合物は、一般式
(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物を高温
(300〜800℃)で加熱することによって得ること
ができる。すなわち、ハイドロタルサイト類化合物か
ら、OH、An-、H2Oが脱離することによって、一般
式(2)で示される化合物となる。ここで、この脱離反
応は可逆反応である。
【0059】従って、一般式(2)で示される化合物
は、硝酸及び水と反応式(3)のように反応して、硝酸
イオンを吸着する。
【0060】 反応式(3):M2+ (1-x)3+ X(1+X/2)XHNO3Z2O →M2+ (1-x)3+ X(OH)2(NO3X・mH2O (ただし、z=1+m−x/2)
【0061】一般式(2)で示される化合物は、一般式
(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物と比較し
て、より大きなアニオン交換容量を有することが知られ
ている。また、OH、An-、H2Oの脱離が可逆である
ために、一般式(2)で示される化合物の性質は、一般
式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物と似て
いる。
【0062】一般式(2)において、Alのモル分率:
Xは、0<X≦0.5であるが、硝酸イオンの吸着能力
(アニオン交換容量)は、Xが大きくなるほど向上する
ことが知られている。このため、飛散り悪化の防止効果
の観点からは0.2≦Xが好ましく、より好ましくは
0.25≦X、特に0.28≦Xが好ましい。Xは0.
5以下であればよいが、結晶構造としては0<X≦1/
3(0.33)の範囲がより安定である。これは、M3+
がM2+を置換した格子点相互のプラス電荷による反発が
強くなるためと推定されている。
【0063】一般式(2)で示される化合物が硝酸イオ
ンを吸着することは既に述べた通りであるが、NOxガ
ス(窒素酸化物)の吸着作用を有しているとも言われて
いる。一般式(2)で示される化合物が、飛散り悪化の
防止に効果的であるのは、上記理由に加えて、NOxガ
スを吸着することで、硝酸イオンの発生量そのものを抑
えているという相乗効果を有しているためと考えられ
る。
【0064】一般式(2)において、M2+はMg2+、C
2+、Zn2+、Ni2+等任意の2価の金属イオン、M3+
はAl3+、Fe3+、Co3+等任意の3価の金属イオンで
あり、M2+及びM3+は、それぞれ2種類以上の金属から
なっていてもよいが、M2+がMg2+であり、かつM3+
Al3+である化合物は、工業的に安価に入手できるこ
と、毒性等の問題がないことから特に好ましい。
【0065】従って、一般式(2)で示される化合物の
中で、最も好ましい例は下記一般式(4)で示される化
合物である。一般式(4)で示される化合物の具体例と
しては、以下のような化合物が挙げられる。
【0066】 一般式(4) : Mg(1-x)AlX(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5、m≧0)
【0067】<好ましい具体例> 1.Mg0.68Al0.321.16 2.Mg0.8Al0.21.1 3.Mg0.75Al0.251.125 4.Mg0.83Al0.171.085
【0068】なお上記化合物は、層間水を取り込んでい
る場合もある。すなわち、例えば上記3の化合物の場合
には、Mg0.75Al0.251.125・mH2Oという組成を
有することも可能である。また、厳密には一般式(4)
の化合物(及び上記具体例の化合物)において、M
2+、Al3+以外の陽イオン(例えばCa2+、Zn2+
Ni2+、Fe3+等)や、CO3 2-以外の陰イオン、層間
水等が少量(それぞれモル分率で0.1未満)混入して
いる場合がある。
【0069】そのような化合物の組成は、厳密な意味で
は一般式(4)や上記具体例の組成式で表現することは
できないのだが、これらの混入物によって飛散り悪化の
防止効果はなんら損なわれることはない、従って、本発
明においては、M3+、Al3+以外の陽イオン(例えばM
2+、Ca2+、Zn2+、Ni2+等)や、CO3 2-以外の
陰イオン、層間水が少量混入していても、一般式(4)
(及び上記具体例の組成式)で表わされる化合物である
と定義する。
【0070】ここで、前記(B)〜(D)の定義に該当
する化合物の多くは、(A)の定義に該当する。しか
し、前記(B)〜(D)の定義に該当する化合物であっ
ても、(A)の定義に該当しない化合物が存在すること
も考えられる、それでもこのような化合物は、(B)〜
(D)の定義に該当する限り、飛散り悪化の防止効果を
有すると考えられる。
【0071】なぜならば、(A)の定義に該当する化合
物か否かは、本出願人らが考案した上記の測定方法によ
る窒素量で判断しているに過ぎないので、(A)の定義
に該当していなくても、耐久時に発生する硝酸イオンを
吸着して中間転写体の低抵抗化を防止することのできる
化合物が存在することは十分予測され、(B)〜(D)
の化合物はこれに該当すると考えられるからである。
【0072】ここまで説明してきたように、本出願人ら
は、硝酸イオン吸着物質、層状構造を有する化合物、前
記一般式(1)で表わされる化合物、及び前記一般式
(2)で表わされる化合物(これらを総称して吸着物質
と呼ぶ)を中間転写体の表面に予め塗布しておくこと
で、耐久による中間転写体の低抵抗化を防止でき、飛散
り悪化を防止できることを見出した。
【0073】しかし、中間転写体の表面に予め吸着物質
を塗布しておくだけでは、飛散り悪化の防止効果が永久
に持続することはない。その理由は2つ考えられる、1
つ目の理由は表面に塗布された吸着物質が耐久時に中間
転写体の表面から徐々に剥離してゆくため、2つ目の理
由は吸着物質が吸着容量以上の硝酸イオンを吸着するこ
とができないためではないかと考えられる。
【0074】そこで本出願人らは、飛散り悪化の防止効
果の持続期間を更に延ばすため、予め吸着物質が塗布さ
れた中間転写体と吸着物質が表面に存在する現像剤とを
用いる像形成方法を考案した。すなわち、表面に吸着物
質の粉末を付着させた現像剤を用いることで、新鮮な吸
着物質(現像剤の表面に存在している吸着物質)を、少
なくとも1次転写から2次転写までの間、中間転写体の
表面に存在させることができ、飛散り悪化の防止効果の
持続期間をさらにのばせるのではないかと考えた。
【0075】更に本出願人らは、吸着物質を外添した現
像剤と予め吸着物質を塗布した中間転写体とを用いて耐
久試験を行なった。その結果、予め吸着物質を塗布した
中間転写体のみを使用した場合と比べて、飛散り悪化の
防止効果が長時間持続することを見出し、本発明に至っ
た。
【0076】中間転写体に用いる吸着物質と現像剤に用
いる吸着物質は、同一の物質であっても異なる物質であ
ってもよいが、本出願人らは、中間転写体に用いる吸着
物質と現像剤に用いる吸着物質が同一の元素を有する化
合物である場合、飛散り悪化の防止効果がより長時間持
続して好ましいことを見出した。更に中間転写体に用い
る吸着物質と現像剤に用いる吸着物質が同一の化合物で
ある場合、飛散り悪化の防止効果が更に長時間持続する
ことも見出した。
【0077】その理由は明確ではないが、中間転写体に
用いる吸着物質と現像剤に用いる吸着物質が同一の元素
を有していると、現像剤から補給される吸着物質と予め
中間転写体の表面に存在している吸着物質との親和性が
増すため、現像剤が中間転写体上に1次転写された時
に、現像剤の表面に存在する吸着物質の一部が現像剤の
表面から離れて中間転写体の表面に付着するのではない
かと考えられる。
【0078】中間転写体に用いる吸着物質と現像剤に用
いる吸着物質が同一の化合物である場合に、飛散り悪化
の防止効果が更に長時間持続したのも、同様の理由によ
って現像剤の表面に存在する吸着物質の一部が現像剤の
表面から一層離れやすくなって、中間転写体の表面によ
り付着しやすくなるためではないかと考えられる。
【0079】本発明において、中間転写体に予め塗布し
ておく吸着物質は粉体であることが好ましい。粉体であ
ることが好ましい第1の理由は、吸着物質が粉体である
と、中間転写体の表面に存在する吸着物質が、中間転写
体とトナーとの接触面積を減少させて2次転写効率が向
上し、その結果、中抜け画像(図4参照)やクリーニン
グ不良に起因する画像不良が発生しにくくなるためであ
る。第2の理由は、吸着物質が粉体(特に微粉末)であ
ると、吸着物質の比表面積が増加するので、硝酸イオン
の接触面積が増加して硝酸イオンを吸着する速度が向上
し、飛散り悪化の防止効果が増大するという利点を有す
るからである。
【0080】本出願人らの検討によれば、中間転写体に
予め塗布しておく吸着物質の平均粒径及び比表面積は下
記の範囲が好ましい。
【0081】<平均粒径(重量平均)>0.005〜1
00μmが好ましい。0.005μm未満であると、2
次転写効率の向上効果が小さくなり、100μmより大
きいと中間転写体の表面に大きな凹凸ができて、凸部と
凹部での2次転写効率が異なってしまい、結果として画
像濃度の均一性が失われる、平均粒径のより好ましい範
囲は0.05〜10μm、更に好ましい範囲は0.1〜
1μmである。
【0082】<比表面積>1(m2/g)以上が好まし
い。比表面積が1(m2/g)未満であると、飛散り悪
化の防止効果が小さくなり、2次転写効率の向上も僅か
であった。飛散り悪化の防止効果が小さかったのは、比
表面積が小さいために、硝酸イオンの吸着速度が遅くな
り、その結果飛散り防止効果が小さくなったものと考え
られる。
【0083】また、2次転写効率の向上が僅かであった
のは、一般に比表面積が大きい粉体は多孔質(ポーラ
ス)であるために、トナーとの接触面積が減少すること
で2次転写効率を向上させる効果があるのに対して、比
表面積が小さい{1(m2/g)未満}場合には、前記
効果が小さくなってしまうためではないかと考えられ
る。より好ましい比表面積の範囲は2(m2/g)以
上、更に好ましい範囲は8〜500(m2/g)であ
る。
【0084】また、現像剤の表面に存在する吸着物質は
粉体でなければならないが、本出願人らの検討によれ
ば、現像剤の表面に存在する吸着物質の物質の平均粒径
及び比表面積は下記の範囲にあることが望ましい。
【0085】<平均粒径(重量平均)>0.005〜5
μmが好ましい。0.005μm未満であると、2次転
写効率の向上効果が小さくなり、5μmより大きいとか
ぶりが大きくなる。平均粒径のより好ましい範囲は0.
05〜3μm、更に好ましい範囲は0.1〜1μmであ
る。
【0086】<比表面積>1(m2/g)以上が好まし
い。比表面積が1(m2/g)未満であると、飛散り悪
化の防止効果が小さくなり、2次転写効率の向上も僅か
であった。飛散り悪化の防止効果が小さかったのは、比
表面積が小さいために、硝酸イオンの吸着速度が遅くな
り、その結果飛散り防止効果が小さくなったものと考え
られる。
【0087】また、2次転写効率の向上が僅かであった
のは、一般に比表面積が大きい粉体は多孔質(ポーラ
ス)であるために、トナーとの接触面積が減少すること
で2次転写効率を向上させる効果があるのに対して、比
表面積が小さい{1(m2/g)未満}場合には、前記
効果が小さくなってしまうためではないかと考えられ
る。より好ましい比表面積の範囲は2(m2/g)以
上、更に好ましい範囲は8〜500(m2/g)であ
る。
【0088】なお、本発明における比表面積とは、20
0(mg)のサンプルを105℃で15分間加熱及び脱
気処理し、全自動表面積測定装置マルチソーブ12(湯
浅アイオニクス社製)を用い、窒素ガスを使用してBE
T法により求めた比表面積の値を言う。
【0089】本発明において、中間転写体の表面に吸着
物質を塗布する際、少なくとも中間転写体の画像領域
(トナーが1次転写され得る領域)全体に塗布すること
が好ましい。塗布の手段は特に限定されるものではない
が、例えば吸着物質の粉体を中間転写体の表面にふりか
けてもよいし、ブラシ、ブレード、ローラ等を用いて吸
着物質を塗布してもよいし、スプレー(乾式/湿式を間
わず)を用いてもよい。特に、ブラシ、ブレード、ロー
ラ等を用いて吸着物質を塗布した場合、中間転写体の表
面が摺擦されて吸着物質が中間転写体の表面により強く
付着される(あるいは固着される)ため、耐久によって
吸着物質が剥がれ落ちにくくなって好ましい。
【0090】もちろん、その他任意の手段により吸着物
質を塗布することができる。吸着物質が現像剤の表面に
存在している状態は、現像剤と吸着物質とを任意の手段
で撹拌混合することで容易に達成される。例えばヘンシ
ェルミキサーやボールミル等の混合機を用いて現像剤の
表面に吸着物質を付着あるいは固着させることができ
る。もちろん、その他の任意の手段を用いることもでき
る。
【0091】吸着物質を現像剤に添加するタイミングに
制限はない。多くの現像剤は吸着物質以外の粉末(例え
ばシリカ、チタン酸ストロンチウム等)を表面に付着あ
るいは固着させる工程(いわゆる外添工程)を経て製造
されるので、この時に吸着物質をその他の外添剤と同時
に投入して、本発明の現像剤を製造してもよい。
【0092】吸着物質を存在させる現像剤は、樹脂とそ
の他の材料を溶融混練した後に粉砕して製造された現像
剤(いわゆる粉砕トナー)でもよいし、懸濁重合等の重
合手段により製造された現像剤(いわゆる重合トナー)
であってもよい。
【0093】次に、本出願人らは現像剤の表面に存在さ
せる吸着物質の量について検討を行なった。その結果、
吸着物質の量は現像剤100重量部に対して0.05〜
5重量部の範囲が好ましいことが分かった。0.05重
量部未満であると、飛散り悪化の防止効果が小さく、5
重量部より多いと、かぶりが悪化した。吸着物質の好ま
しい量は現像剤100重量部に対して0.1〜3重量
部、より好ましい範囲は0.2〜2重量部である。な
お、吸着物質は1種類である必要はなく、前記(A)〜
(D)の定義に従う化合物を複数用いてもよい。その場
合、吸着物質の量は各々の合計が0.05〜5重量部で
あればよい。
【0094】現像剤の表面に吸着物質を存在させる理由
は、先に述べたように少なくとも1次転写から2次転写
までの間、新鮮な吸着物質(現像剤の表面に存在する吸
着物質)を中間転写体の表面に接触させることで、耐久
時に発生する硝酸イオンを吸着して中間転写体の低抵抗
化を防止するためである。あるいは、現像剤から剥がれ
落ちた吸着物質が中間転写体の表面に付着することで、
中間転写体の表面に常に新鮮な吸着物質を補給すること
ができ、これによって中間転写体の低抵抗化を防止する
ためである。
【0095】従って、現像剤の表面に存在させる吸着物
質の好ましい例は、中間転写体の表面に塗布しておく物
質の好ましい例(前述)と同一である。すなわち、現像
剤の表面に存在させると好ましい化合物の例は、一般式
(1)〜一般式(4)で表わされる化合物である。もち
ろん、先と同様、少量の不純物が混入していても一般式
(1)〜一般式(4)で定義される化合物であるとみな
す。
【0096】現像剤は正電荷を有する現像剤であっても
負電荷を有する現像剤であっても良いが、特に一般式
(1)〜一般式(4)で表わされる化合物は正電荷を有
するので、負電荷を有する現像剤と組み合わせて使用す
ると、現像剤の荷電(トリボ)を好適に制御することが
できて好ましい。
【0097】なお、フルカラー電子写真方式においては
現像剤を3色以上(多くの場合4色)用いる。従って、
吸着物質は全ての現像剤に添加することが好ましいが、
特定色のトナー(例えば最も使用頻度が高いと考えられ
るブラックトナー)にのみ、吸着物質を添加することも
考えられる。
【0098】また、吸着物質に疎水化処理等の表面処理
を施すと、吸着物質の電気抵抗値が湿度に影響されにく
くなるので、これを現像剤に外添した場合、現像剤のト
リボの湿度依存性が減少して安定した現像/転写を行な
うことができるので好ましい。更に、表面処理を施した
吸着物質を中間転写体の表面に塗布した場合には、中間
転写体の電気抵抗値が湿度に影響されにくくなるので、
特に高湿度環境における飛散りが悪化しにくくなって好
ましい。
【0099】表面処理剤の例としては、高級脂肪酸(例
えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリル酸など)、界
面活性剤(例えばステアリン酸ソーダ、ラウリルベンゼ
ンスルホン酸ソーダなど)、カップリング剤(例えばビ
ニルトリエトキシシラン、ヘキサメチレンジシラザン、
イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート
など)、グリセリン脂肪酸エステル(グリセリンモノス
テアレート、グリセリンモノオレエートなど)が挙げら
れる。これらの中でも、特に高級脂肪酸が好ましい。
【0100】なお、本発明の吸着物質の一例であるハイ
ドロタルサイト類化合物を添加した現像剤が、米国第2
682331号特許、特開平6−138697号公報、
特開平8−22191号公報、特開平7−319200
号公報等で開示されている。しかしながら、上記公報は
いずれもハイドロタルサイト類化合物が有する帯電極性
(ポジ粒子性)を利用して現像剤の電荷(トリボ)をコ
ントロールすることが狙いであり、ハイドロタルサイト
類化合物が有するイオン交換(アニオン交換)能を利用
して、耐久中に発生する硝酸イオンを無害化するという
本発明の発明思想とは全く異なるものである。もちろ
ん、現像剤と中間転写体とを用いる画像形成方法におい
て、飛散り悪化の防止効果が期待されるこを示唆する記
述は全く見当たらない。
【0101】更に、米国第2584306号特許にもハ
イドロタルサイト類化合物を添加した現像剤が開示され
ている。提案では、イオン交換能を利用して耐久中に発
生する酸を無害化する思想が述べられている。しかしな
がら、提案では感光体の画像ボケや画像流れに効果を有
する旨の記述があるのみで、現像剤と中間転写体とを用
いる画像形成方法において、飛散り悪化の防止効果が期
待されるこを示唆する記述は全く見当たらない。
【0102】中間転写体への耐久による飛散り(中間転
写体上での飛散り)悪化のメカニズムは、本出願人らが
初めて明らかにしたものであるから、上記公報の中で飛
散り悪化の防止効果が期待されるこを示唆する記述が見
当たらないのは当然であろう。また、本発明の画像形成
方法と、吸着物質の塗布工程とを組み合わせると、吸着
物質が現像剤からも塗布部材からも供給されるので、飛
散り悪化の防止効果は一層大きくなる。
【0103】ところで、近年の画像形成装置の小型化に
伴い、中間転写体にも小型化が要求されている。中間転
写体の形状を大別すると、図5に示すベルト形状と図6
に示すドラム形状があるが、装置の小型化の観点から、
図5に示すような中間転写ベルトが多用されるようにな
ってきている。しかしながら、中間転写ベルトは、その
形態上プーリに張架して使用するために、画像形成動作
中に中間転写ベルトが必然的に変形する。
【0104】先に述べたように、中間転写体上に1次転
写されたトナーの飛散りを防ぐには、非画像部と画像部
の電位差△Vを小さく保つことが有効であるが、画像形
成動作中に中間転写ベルトが変形すると、トナーに対し
て機械的に飛散りを引き起こす作用を有するので、中間
転写ドラムと比較して中間転写ベルトにおいては耐久が
進むほど(すなわち硝酸イオンが表面に付着して中間転
写ベルトの抵抗が低下するほど)飛散りが発生しやすか
った。
【0105】特に、中間転写ベルトとして繊維で補強し
たゴムを用いた場合、ベルトは0.5〜2(mm)程度
の厚さになるが、この時、図7に示すように、直進部分
における中間転写ベルトの任意の長さをLとすると、こ
の部分がプーリ上に移動した時に、中間転写ベルトの表
面がL+βに伸びる。そして、プーリ通過後には再び長
さLに戻る。このように、中間転写ベルト表面の伸縮が
大きくなるので、一層飛散りが発生しやすくなる。ま
た、中間転写ベルトが樹脂ベルトである場合、ベルトの
厚さは50〜300μm程度でゴムベルトより薄いた
め、上記伸縮による飛散り悪化は軽減される。それで
も、プーリ上での変形は避けられず、やはり中間転写ド
ラムと比較して飛散りは発生しやすくなる。
【0106】しかし、本発明の画像形成方法及び画像形
成装置は、予め中間転写体の表面に吸着物質が塗布され
ていると共に、現像剤の表面にも吸着物質が存在してい
るので、耐久後も非画像部と画像部の電位差△Vを小さ
く保つことが可能である。従って、中間転写体の形状を
ベルト形状とすることは、飛散り(画像品位)を犠牲に
することなく、画像形成装置の小型化を計ることができ
るので、本発明における非常に好ましい形態例である。
【0107】中間転写体上に残った転写残トナーをクリ
ーニングする方法の1つとしては、先に述べたように、
転写残トナー帯電部材を用いて、中間転写体上の転写残
トナーを感光体と逆極性に帯電させることで、転写残ト
ナーを感光体に転写してクリーニングする、いわゆる静
電クリーニング方式がある。
【0108】その他のクリーニング方式としては、中間
転写体にブレードを当接させて転写残トナーを掻き取
る、いわゆるブレードクリーニング方式があるが、ブレ
ードクリーニング方式は、耐久によるブレードの劣化が
発生しやすく、そのためにクリーニング不良が発生する
場合がある。これに対して静電クリーニングは、ブレー
ド劣化によるクリーニング不良の問題がないという利点
を有している。
【0109】また、転写残トナーを感光体に転写する工
程と、次画像の1次転写工程とを同時に行なうと(1次
転写同時クリーニング方式)、画像形成装置のスループ
ットを低下させることなく中間転写体のクリーニングを
行なうことができるので、1次転写同時クリーニング方
式は、スループットとクリーニング性能を両立させるた
めの好ましいクリーニング方式である。
【0110】1次転写同時クリーニング方式等の静電ク
リーニング方式は上記の利点を有しているものの、転写
残トナー帯電部材に直流電圧、あるいは直流電圧に交流
電圧を重畳した電圧を印加するために、転写残トナー帯
電部材と中間転写体との間で放電が発生する。放電が発
生すれば、オゾンが発生し硝酸等の帯電生成物が生成す
る。
【0111】特に、クリーニング性能の向上を目的とし
て、転写残トナー帯電部材に直流電圧に交流電圧を重畳
した電圧を印加した場合には、放電量が増加してより多
量の硝酸が生成することになる。そのため、中間転写体
のクリーニング方式として静電クリーニング方式を用い
た場合には、ブレードクリーニング方式等他のクリーニ
ング方式を用いた場合と比較して、耐久による飛散りの
悪化が加速されるという弊害があった。
【0112】しかしながら、本発明の画像形成方法及び
画像形成装置は、予め中間転写体の表面に吸着物質が塗
布されていると共に、現像剤の表面にも吸着物質が存在
しているので、耐久中に中間転写体の抵抗値が低下する
ことを防ぐことができ、耐久による飛散り悪化を防止す
ることができる。従って、本発明の画像形成方法及び画
像形成装置に、一次転写同時クリーニング方式を適用す
ると、高画質と高速プリントを両立することができて好
ましい。
【0113】先に述べたように、中間転写ベルトを製造
する場合、1層あるいは2層以上の樹脂からなる中間転
写ベルトとすることができる。また、繊維で補強したゴ
ム層の上に樹脂層を設けた構造とすることもできる。繊
維で補強したゴム層の上に樹脂層を設けた中間転写ベル
トの例を、図8及び図9に示す。図8では、縦横の糸か
らなる織布でゴム層を補強している。図9では、螺旋状
に糸を設けることでゴム層を補強している。より製造が
容易であるのは、図9のように螺旋状に糸を設けてゴム
層を補強した中間転写ベルトである。
【0114】繊維の材質は、強度、コストの観点から、
綿、ポリエステル繊維が好ましい。ただし、もちろんこ
れに限定されるものではない。糸は1本のフィラメント
であっても、複数のフィラメントを撚ったものであって
もよく、混紡してもよい。同じく織布は、例えばメリヤ
ス織り等どのような織り方の織布でも使用可能であり、
もちろん交織した織布も使用可能である。
【0115】ゴムの厚さは0.5mm〜2mmが好まし
く、より好ましくは0.5〜1mmである。ゴムベルト
を0.5mm未満に薄く作ることは困難であり、2mm
より厚くすると、中間転写ベルトの円滑な駆動が困難に
なる。また、ゴムが厚くなる程、プーリ部における中間
転写ベルト表面の伸び率が大きくなり、中間転写ベルト
上のトナーを機械的に飛散らせる力が大きくなる。
【0116】飛び散りが少ないという本発明の画像形成
装置の特徴を最大限に生かすためには、中間転写ベルト
のゴム(基層)の厚さは1mm以下が好ましい。更に、
ゴム層の硬度を85度以下とすると、中抜け画像が発生
しにくくなって、より好ましい。ここで、硬度はJIS
−K6301に記載のA型硬度に従うものとする。
【0117】本発明の画像形成装置の中間転写体が中間
転写ベルトである時、中間転写ベルトの材質に関係な
く、中間転写ベルトの周方向の引っ張り弾性率が1×1
7(Pa)以上、好ましくは3×107(Pa)以上、
より好ましくは1×108(Pa)以上であると、中間
転写ベルトの回転中に生ずる伸縮(引っ張り側で伸び
て、弛み側で縮む)が減少するので、中間転写ベルト上
のトナーを機械的に飛散らせる作用が小さくなって、本
発明の飛散りが少ないという特徴が生かされて好まし
い。
【0118】本発明の中間転写体を製造するにあたっ
て、ゴム、エラストマー、樹脂等を用いることができ
る。例えばゴム、エラストマーとしては、イソプレンゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピ
レンターポリマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン
化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アクリロニトリ
ルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン、エピクロロヒドリンゴム、ア
クリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、水素化ニト
リルゴム、熱可塑性エラストマー(例えばポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタ
ン系、ポリアミド系、ポリエステル系、フッ素樹脂系)
等が使用できる。ただし、上記材料に限定されるもので
はない。
【0119】また樹脂としては、酢酸ビニル、ポリエス
テル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニリデン、アイ
オノマー樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、フッ素
樹脂、ポリアミド、芳香族ポリアミド、変性ポリフェニ
レンオキサイド、エチレンビニルアルコール共重合樹
脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエー
テルケトン樹脂、ポリイミド樹脂等を用いることができ
る。ただし、上記材料に限定されるものではない。
【0120】本発明の中間転写体には、導電剤を添加す
ることができる。導電剤はどのようなものを用いてもよ
いが、例えば、カーボン、アルミニウムやニッケル等の
金属粉末、酸化チタン等の金属酸化物、4級アンモニウ
ム塩含有ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアニリ
ン、ポリビニルピロール、ポリジアセチレン、ポリエチ
レンイミン、含硼素高分子化合物及びポリピロール等の
導電性高分子化合物等が挙げられる。ただし、上記導電
剤に限定されるものではない。
【0121】本発明の画像形成方法及びこれを用いた画
像形成装置は、耐久による飛散り悪化が小さいという特
徴を持つが、初期から飛散りを減少させる方法の1つと
して、先にも述べたように中間転写体を複数の層で構成
し、最表面層(表層)の抵抗を大きくするとよい。表層
の抵抗値の範囲の目安は、中間転写体によって異なる。
すなわち、中間転写体がドラム形状である場合には、表
層の体積抵抗率が1×1011Ωcm以上であることが好
ましい。また、中間転写体がベルト形状である場合に
は、表層の体積抵抗率が1×1014Ωcm以上であるこ
とが好ましい。
【0122】中間転写体の形状によって表層の体積抵抗
率の好ましい範囲が異なるのは、中間転写体がドラム形
状である場合には、中間転写ドラムの回転中に中間転写
ドラムはほとんど変形しないのに対して、中間転写体が
ベルト形状である場合には、中間転写ベルトの回転中に
中間転写ベルトが変形するために、中間転写ベルト上の
トナーが機械的に飛散りやすくなるため、表層の抵抗値
をより高くして、非画像部と画像部との電位差△Vをよ
り小さく保つ必要があるからである。なお、飛散りを減
少させるためには、表層の体積抵抗率に上限はないが、
現在存在する材料の抵抗値から考えて、実質的な上限は
1×1018Ωcm程度である。
【0123】この時の表層の厚さは、5〜100μmが
好ましい。100μm以上であると、中間転写体の抵抗
が高くなりすぎて1次転写電流が流れ難くなるために、
1次転写を良好に行なうことができなくなる。5μm未
満であると、表層による非画像部電位の減衰を遅くする
効果が小さくなって飛散りが発生しやすくなる。
【0124】なお、体積抵抗率の測定は以下のようにし
て行なうものとする。
【0125】<測定機> 抵抗計;超高抵抗計R8340A(アドバンテスト社
製) 試料箱;超高抵抗測定用試料箱TR42(アドバンテス
ト社製、主電極直径50mm、ガードリング内径70m
m、ガードリング外径80mm)
【0126】<サンプル>10cm角のシート状に切
り、これを測定サンプルとする。複数の層で構成される
中間転写体の特定の層の体積抵抗率を測定したい場合に
は、被測定層を50〜300μmの厚さに形成(塗料
等、被測定層のみの膜の作成が困難な場合にはアルミシ
ート上に被測定層を20〜50μmの厚さに形成)し、
これを10cm角に切り、測定サンプルとする。
【0127】<測定条件> 測定雰囲気;22〜23℃/50〜60%。なお、測定
サンプルは予め22〜23℃/50〜60%の雰囲気に
24時間以上放置しておく。 印加電圧;100(V)。ただし、リミッター(300
mA)が働いて測定不能の場合は1(V)。 測定モード;プログラムモード5(ディスチャージ10
秒、チャージ及びメジャー30秒)
【0128】本発明の画像形成方法及びこれを用いた画
像形成装置において、吸着物質と共にその他の物質を用
いてもよい。例えば、酸化防止剤(フェノール系、燐
系、アミン系、硫黄系)を吸着物質と併用すると、飛散
り悪化の防止効果が一層向上して好ましい。これは、酸
化防止剤がオゾンと反応することで、NOxや硝酸の生
成量が低減され、吸着物質との相乗効果を発揮している
ものと考えられる。
【0129】また、粒径0.005〜0.1μm程度の
シリカ(任意の疎水化処理がされていてもよい)を吸着
物質と併用すると、混合粉体(吸着物質とシリカとの混
合物)の流動性力が向上して、混合粉体を中間転写体の
表面に塗布しやすくなる、また、シリカが有する優れた
雛型性により、2次転写効率が一層向上するという利点
もある。もちろん、併用する物質は上記物質に限定され
るものではない。
【0130】以上説明してきたように、本発明は第1の
画像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写
し、その後第2の画像担時体上に再度、転写して画像を
得る画像形成方法において、予め表面に少なくとも下記
(A)〜(D)に該当する化合物が塗布された中間転写
体と、少なくとも下記(A)〜(D)に該当する化合物
が表面に存在する現像剤とを使用することを特徴とする
画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置である。従
って、繰り返し使用しても飛散りが極めて少ないという
特徴を持つ。
【0131】(A)硝酸イオン吸着物質 (B)層状構造を有する化合物 (C)下記一般式(1)で示されるハイドロタルサイト
類化合物 一般式(1) : M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0,M2+;2価の金属
イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
ン) (D)下記一般式(2)で示される化合物 一般式(2) : M2+ (1-x)3+ X(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5、M2+;2価の金属イオン、
3+;3価の金属イオン)
【0132】
【実施例】以下、実施例により本願発明を更に詳細に説
明する。
【0133】(実施例1)カーボンブラックを配合した
NBR/EPDM=7/3の導電性コンパウンドを、厚
さ0.4mmのチューブ状に押し出し、これを円筒状の
金型に被せた。次に、この上に直径約120μmのポリ
エステル糸をピッチ0.7mmで螺旋状に巻き付けた。
更に、前記チューブをもう一度被せ、その上からテーピ
ングすることによりコンパウンドを金型に密着させた
後、加硫及び研磨を行なって、厚み方向に対して中央部
分に螺旋状の繊維を有するゴムベルト(基層)を得た。
得られた基層の厚さは0.8mm、JIS−A硬度は7
0度、体積抵抗率は1×107Ωcm、周方向の引っ張
り弾性率は1.3×108(Pa)であった。
【0134】次に、前記基層上に、ポリエーテルポリウ
レタンの塗料をスプレー塗布し、指触乾燥後に100℃
で30分乾燥させることにより、厚さ8μmの第1の被
覆層(中間層)を得た。更に、ポリエステルポリウレタ
ンの塗料を前記中間層の上にスプレー塗布し、指触乾燥
後に120℃で1時間乾燥させることにより、厚さ12
μmの第2の被覆層(表層)を設けて、中間転写ベルト
を得た。
【0135】上記第2の被覆層に用いた塗料を、アルミ
シート上にコーティングし、乾燥皮膜の厚さが30μm
の体積抵抗率測定用サンプルを作成し、サンプルの体積
抵抗率を前記手順に従って測定したところ、第2の被覆
層の体積抵抗率は1×1016Ωcmであった。
【0136】得られた中間転写ベルトを回転させなが
ら、中間転写ベルトにスポンジローラを当接させて中間
転写ベルトの表面を摺擦しながら、下記組成式を有する
ハイドロタルサイト類化合物のステアリン酸による表面
処理物を中間転写ベルトの表面に塗布した。 組成:Mg0.68Al0.32(OH)2(CO30.16・0.
5H2
【0137】上記ハイドロタルサイトをステアリン酸で
表面処理した後の窒素量は13.1(mg/l)、ステ
アリン酸で表面処理する前の窒素量は3.72(mg/
l)であった。従って、本実施例で使用した吸着物質は
(A)及び(C)の定義に従う化合物である。前記ハイ
ドロタルサイトの平均粒径は0.55μm、比表面積は
10m2/gであった。
【0138】次に、LBP2030(キヤノン製)のト
ナー100gと、上記ハイドロタルサイト類化合物(ス
テアリン酸処理したもの)0.5gとをヘンジェルミキ
サーで撹拌混合して、表面にハイドロタルサイト類化合
物が存在するトナーを得た(4色とも同じ操作を行なっ
た)。得られた中間転写体とトナーを、図1に示される
フルカラー電子写真装置に装着した。
【0139】図1において、転写残トナー帯電部材52
は106Ωのゴムローラであり、通常は中間転写ベルト
20と離間している。そして、2次転写残トナーが転写
残トナー帯電部材52と中間転写ベルト20とのニップ
部を通過する間、転写残トナー帯電部材52は中間転写
ベルト20と当接され、バイアス電源26から、+10
0(V)の直流電圧に周波数2000(Hz)、ピーク
間電圧3000(V)の正弦波交流電圧を重畳した電圧
が印加される。
【0140】これによって、2次転写残トナーはプラス
に帯電され、感光ドラム1に転写されてクリーニングさ
れる。なお、本実施例においては、前記クリーニング工
程(プラスに帯電された2次転写残トナーを感光ドラム
1に転写する工程)と次の出力画像の1次転写工程を同
時に行なう1次転写同時クリーニング方式とした。
【0141】次に、下のように2次転写効率を定義し
て、2次転写効率の測定(シアン色トナーのみ)を行な
った。
【0142】 2次転写効率 =(紙上画像濃度)/(中間転写体上転写残画像濃度+紙上画像濃度)×100
【0143】その結果、表1に示すように95%という
高い2次転写効率が得られた。ところで、実施例2の結
果から分かるように、ハイドロタルサイトをステアリン
酸で処理していなくても同等の2次転写効率が得られて
いる。従って、本実施例における高い転写効率は、ステ
アリン酸(ハイドロタルサイトの表面処理剤)の潤滑/
雛型効果によるものではなく、ハイドロタルサイトその
ものの作用によるものであることが分かる。
【0144】次に、繰り返しフルカラー画像を出力(耐
久試験)して、出力画像の中でマゼンタ色トナーとシア
ン色トナーとが重なっている部分の飛散りの程度を評価
した。結果を表1に示す。なお、作像条件を以下に示
す。
【0145】試験環境;23±1℃/55±10% 感光体;OPC感光ドラム 表面電位;暗電位(非画像部電位)=−550V 明電位(画像部電位)=−150V 1色目一次転写バイアス=+100V 2色目一次転写バイアス=+650V 3色目一次転写バイアス=+750V 4色目一次転写バイアス=+750V 二次転写電流=12μA(定電流制御) 中間転写体上(1次転写後)のトナー乗り量=0.7m
g/cm2(イエロー、マゼンタ、シアン)、0.8m
g/cm2(ブラック)
【0146】
【表1】
【0147】(実施例2)ステアリン酸で処理していな
いハイドロタルサイトを用いた以外は、実施例1と同様
にして中間転写ベルト及びトナーを製造した。得られた
中間転写体及びトナーを図1に示す画像形成装置に組み
込んで実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に
示す。
【0148】(実施例3〜8)トナー100gに対する
ハイドロタルサイト類化合物の混合量を表2のように変
化させた以外は実施例1と同様にして中間転写ベルト及
び現像剤を得た。得られた中間転写体及びトナーを図1
に示す画像形成装置に組み込んで実施例1と同様の評価
を行なった。結果を表1に示す。
【0149】
【表2】
【0150】(実施例9)ポリブチレンエチレンテレフ
タレート(PBT)樹脂とカーボンブラックを混練し、
インフレーション成形により厚さ150μm、体積抵抗
率1×108Ωcmの継ぎ目のない樹脂ベルトを得た。
次に、樹脂ベルトの表面に下記組成式を有する化合物を
実施例1と同様の方法で塗布して、本実施例に用いる中
間転写ベルトを得た。 中間転写ベルトに塗布した化合物 : Mg0.68Al
0.321.16
【0151】上記化合物の窒素量は3.12(mg/
l)であったので、化合物は(A)及び(D)の定義に
従う化合物である。なお、化合物の平均粒径は0.7μ
m、比表面積は155m2/gであった。
【0152】次に、LBP2030のトナー100g
に、酸化マグネシウム(MgO)1gをボールミルで混
合して、表面に吸着物質が存在するトナーを得た(4色
共に同じ操作を行なった)。酸化マグネシウムの窒素量
は12(mg/l)であったので、化合物は(A)の定
義に従う化合物である。平均粒径は0.7μm、比表面
積は31m2/gであった。
【0153】得られた中間転写ベルト及びトナーを図1
に示す画像形成装置に組み込み、実施例1と同様にして
2次転写効率を測定し、その後耐久試験して、飛散りの
程度を評価した。なお、その他の作像条件は実施例1と
同様である。結果を表1に示す。
【0154】(実施例10)実施例9と同様にして得た
樹脂ベルトの表面に、実施例9でトナーに添加した酸化
マグネシウムをスプレー塗布することにより、予め吸着
物質を塗布した中間転写ベルトを得た。
【0155】次に、LBP2030のトナー100g
と、ドーソナイト(水酸化アルミニウム・炭酸水素ナト
リウム共沈物)1gとをヘンシェルミキサーで撹拌混合
して、表面にドーソナイトが存在するトナーを得た(4
色とも同じ操作を行なった)。
【0156】なお、ここで用いたドーソナイトの平均粒
径は1μm、比表面積は100m2/gであり、窒素量
は10(mg/l)であった。従って、ドーソナイトは
(A)の定義に従う化合物である。得られた中間転写ベ
ルト及びトナーを図1に示す画像形成装置に組み込み、
実施例1と同様にして2次転写効率を測定し、その後耐
久試験して、飛散りの程度を評価した。なお、その他の
作像条件は実施例1と同様である。結果を表1に示す。
【0157】(実施例11)実施例1で得られた中間転
写ベルト及びトナーを図11に示す画像形成装置に組み
込んだ、図11において、中間転写ベルト20のクリー
ニング装置16は、感光ドラムのクリーニング装置13
と類似の構造で、ウレタンブレードを有しており、ブレ
ードが2次転写残トナーを掻き取ることにより中間転写
ベルトのクリーニングが行われる。
【0158】実施例1と同様にして2次転写効率を測定
し、その後耐久試験して、飛散りの程度を評価した。な
お、その他の作像条件は実施例1と同様である。結果を
表1に示す。
【0159】(実施例12)外径176mmのアルミシ
リンダー上に、ヒドリンゴムのコンパウンドを巻き付
け、加硫及び研磨を行なうことで、アルミシリンダーの
上に厚さ3mmのヒドリンゴム層(基層)を形成した。
【0160】その後、ポリカーボネートポリウレタンの
塗料をスプレー塗布し、指触乾燥の後、130℃で1時
間乾燥させることにより、厚さ20μmの被覆層を形成
した。その後、下記組成式を有するハイドロタルサイト
類化合物を実施例1と同様にして中間転写ドラムの表面
に塗布しすることにより、本実施例の中間転写ドラムを
得た。 組成:Mg0.80Al0.20(OH)2(OC64COO)
0.1・0.61H2
【0161】上記ハイドロタルサイトの窒素量は7.0
0(mg/l)であった、従って、本実施例で使用した
吸着物質は(A)及び(C)の定義に従う化合物であ
る。前記ハイドロタルサイトの平均粒径は0.6μm、
比表面積は14m2/gであった。なお、上記組成式に
おいてOC64COOはサリチル酸イオンであり、サリ
チル酸のpKa1は2.81である。
【0162】次に、LBP2030のトナー100gと
上記ハイドロタルサイト類化合物1gとをヘンジェルミ
キサーで撹拌混合して、本実施例に用いるトナーを得
た。なお、上記被覆層に用いた塗料をアルミシート上に
コーティングし、乾燥皮膜の厚さが30μmの体積抵抗
率測定用サンプルを作成した。サンプルの体積抵抗率を
前記手順に従って測定したところ、被覆層の体積抵抗率
は6×1012Ωcmであった。
【0163】得られた中間転写ドラムを、図11に示さ
れるフルカラー電子写真装置(1次転写同時クリーニン
グ方式)に装着した。その後、更に繰り返しフルカラー
画像を出力(耐久試験)して、出力画像の中でマゼンタ
色トナーとシアン色トナーとが重なっている部分の飛散
りの程度を評価した。結果を表1に示す。なお、作像条
件を以下に示す。
【0164】試験環境;23±1℃/55±10% 感光体;OPC感光ドラム 表面電位;暗電位(非画像部電位)=−550V 明電位(画像部電位)=−150V 1色目一次転写バイアス=+100V 2色目一次転写バイアス=+200V 3色目一次転写バイアス=+300V 4色目一次転写バイアス=+500V 二次転写電流=20μA(定電流制御) 中間転写体上(1次転写後)のトナー乗り=0.7mg
/cm2(イエロー、マゼンタ、シアン〉、0.8mg
/cm2(ブラック) 転写残トナー帯電部材=106Ωのゴムローラ 転写残トナー帯電部材への印加電圧=+100(V)の
直流電圧に、周波数1500(Hz)、ピーク間電圧4
000(V)の正弦波交流電圧を重畳
【0165】(比較例1)中間転写ベルトにもトナーに
もハイドロタルサイト類化合物を使用しなかった以外は
実施例1と同様にして本比較例の中間転写ベルト及びト
ナーを製造し、図1に示される画像形成装置に組み込ん
で、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表1に示
す。
【0166】(比較例2)実施例1で得られた中間転写
ベルト(すなわち吸着物質が予め塗布されている中間転
写ベルト)と、比較例1で用いたトナー(すなわち、吸
着物質が表面に存在しないトナー)とを、図1に示され
る画像形成装置に組み込んで、実施例1と同様の評価を
行なった。結果を表1に示す。
【0167】(比較例3)吸着物質を塗布しなかった以
外は実施例1と同様にして得られた中間転写べルトと、
実施例1で用いたトナー(すなわち、吸着物質が表面に
存在するトナー)とを、図1に示される画像形成装置に
組み込んで、実施例1と同様の評価を行なった。結果を
表1に示す。
【0168】実施例1と比較すると、本比較例の飛散り
レベルは劣っている。これは、トナーから供給される吸
着物質は、あくまでも予め中間転写体の表面に塗布され
ていた吸着物質の減少/劣化分を補うものであるので、
本比較例のように中間転写体の表面に予め吸着物質が塗
布されていないと、トナーから供給される吸着物質が効
果を発揮しはじめる前に、中間転写体の低抵抗化が起き
ているためと思われる。
【0169】(比較例4)中間転写ドラムにもトナーに
もハイドロタルサイト類化合物を使用しなかった以外は
実施例12と同様にして本比較例の中間転写ドラム及び
トナーを製造し、図11に示される画像形成装置に組み
込んで、実施例12と同様の評価を行なった。結果を表
1に示す。
【0170】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明は第1
の画像坦持体上に形成されたトナー像を中間転写体に転
写し、その後第2の画像担時体上に再度、転写して画像
を得る画像形成方法において、少なくとも前記(A)〜
(D)に該当する化合物が予め表面に塗布された中間転
写体と、少なくとも前記(A)〜(D)に該当する化合
物が表面に存在する現像剤とを使用することを特徴とす
る画像形成方法及びこれを用いた画像形成装置の提供が
可能となった。
【0171】前記(A)〜(D)に該当する化合物は、
中間転写体の表面に付着する硝酸を吸着する作用を有す
るので、本発明の画像形成方法及びこれを用いた画像形
成装置は、耐久中に中間転写体の抵抗が低下することを
防止でき、その結果繰り返し使用しても極めて飛散りの
少ない画像を得ることができるという効果を有する。ま
た、2次転写効率が向上して、中抜けやクリーニング不
良のない画像を得ることができるという効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】中間転写ベルトを用いたカラー画像出力装置の
概略図である。
【図2】中間転写ベルトの1次転写直後の表面電位の分
布予想図である。
【図3】中間転写ベルトの2次転写直前の表面電位の分
布予想図である。
【図4】中抜けを例示する図である。
【図5】中間転写ベルトの一例を示す断面概略図であ
る。
【図6】中間転写ドラムの一例を示す断面概略図であ
る。
【図7】中間転写ベルトのプーリ部における伸縮を説明
する図である。
【図8】織布状の繊維で補強した中間転写ベルトの一部
展開斜視図である。
【図9】糸状の繊維で補強した中間転写ベルトの一部展
開斜視図である。
【図10】本発明の画像出力装置の一例を示す概略図で
ある。
【図11】本発明の画像出力装置の一例を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 1次帯電器 3 像露光手段 13 感光ドラムのクリーニング装置 16 中間転写体のクリーニング装置 20 中間転写ベルト 21 基層 22 繊維 23 被覆層 24 中間転写ベルト上に1次転写されたトナー 30 中間転写ドラム 31 導電性シリンダー 32 基層 33 被覆層 41 イエロー色現像装置 42 マゼンタ色現像装置 43 シアン色現像装置 44 ブラック色現像装置 52 転写残トナー帯電部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 秀和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 下條 稔 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の画像担持体上に形成されたトナー
    像を中間転写体に転写し、その後第2の画像担時体上に
    再度、転写して画像を得る画像形成方法において、少な
    くとも下記(A)〜(D)に該当する化合物が予め表面
    に塗布された中間転写体と、少なくとも下記(A)〜
    (D)に該当する化合物が表面に存在する現像剤とを使
    用することを特徴とする画像形成方法。 (A)硝酸イオン吸着物質 (B)層状構造を有する化合物 (C)下記一般式(1)で示されるハイドロタルサイト
    類化合物 一般式(1) : M2+ (1-x)3+ X(OH)2n- (X/n)・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0、M2+;2価の金属
    イオン、M3+;3価の金属イオン、An-;n価のアニオ
    ン) (D)下記一般式(2)で示される化合物 一般式(2) : M2+ (1-x)3+ X(1+X/2) (ただし、0<X≦0.5、M2+;2価の金属イオン、
    3+;3価の金属イオン)
  2. 【請求項2】 少なくとも前記(B)〜(D)の化合物
    が予め表面に塗布された中間転写体と、少なくとも前記
    (B)〜(D)の化合物が表面に存在する現像剤とを使
    用する請求項1記載の画像形成方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記(C)又は前記(D)の
    化合物が予め表面に塗布された中間転写体と、少なくと
    も前記(C)又は前記(D)の化合物が表面に存在する
    現像剤とを使用する請求項2記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 、少なくとも前記一般式(1)で示され
    るハイドロタルサイト類化合物が予め表面に塗布された
    中間転写体と、少なくとも前記一般式(1)で示される
    ハイドロタルサイト類化合物が表面に存在する現像剤と
    を使用する請求項3記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 前記一般式(1)で示されるハイドロタ
    ルサイト類化合物が、An-の共役酸HXn- (X/n)の酸解
    離定数pKaが3以上であるn価のアニオンを含有する
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 前記ハイドロタルサイト類化合物が、下
    記一般式(3)で示される請求項5に記載の画像形成方
    法。 一般式(3) : Mg(1-X)AlX(OH)2(CO3X/2・mH2O (ただし、0<X≦0.5、m≧0)
  7. 【請求項7】 前記一般式(2)において、M2+がMg
    であり、かつM3+がAlである請求項1〜6のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 中間転写体の表面に予め塗布する化合
    物、及び現像剤の表面に存在する化合物として、同一の
    金属元素を有する化合物を用いる請求項1〜7のいずれ
    かに記載の画像形成方法。
  9. 【請求項9】 中間転写体の表面に予め塗布する化合
    物、及び現像剤の表面に存在する化合物として、同一の
    化合物を用いる請求項8に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 前記現像剤において、吸着物質の含有
    量が現像剤100重量部に対して、0.05〜5重量部
    である請求項1〜9のいずれかに記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 前記中間転写体が中間転写ベルト又は
    中間転写ドラムである請求項1〜10のいずれかに記載
    の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 転写残トナー帯電部材を用いて中間転
    写体上の転写残トナーを帯電させる工程と、その後該転
    写残トナーを感光体に転写する工程とを有する請求項1
    〜11のいずれかに記載の画像形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれかに記載の画
    像形成方法を用いて画像を得ることを特徴とする画像形
    成装置。
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