JPH11325498A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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JPH11325498A
JPH11325498A JP10198476A JP19847698A JPH11325498A JP H11325498 A JPH11325498 A JP H11325498A JP 10198476 A JP10198476 A JP 10198476A JP 19847698 A JP19847698 A JP 19847698A JP H11325498 A JPH11325498 A JP H11325498A
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JP
Japan
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flow
impeller
outlet
air
air conditioner
Prior art date
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Application number
JP10198476A
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English (en)
Inventor
Kanjiro Kinoshita
歓治郎 木下
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環状の平面形態をもつ吹出口を備えた空気調
和装置において、簡単且つ安価な構成により吹出流にス
イング作用を与えることで、室内空間の可及的に広い領
域において気流温度分布を良好ならしめて空調の快適性
をより一層高める。 【解決手段】 下面に略環状の吹出口4を有する天井埋
込型又は天井吊下型の空気調和装置において、上記吹出
口4から吹き出される吹出流を、鉛直面に直交する方向
からみて吹出方向が交互に変化するスイング流とすべく
上記吹出流の流れを制御する吹出流制御手段Xを備え
る。かかる構成とすることで、上記吹出口4が略環状の
平面形態をもつ開口であるにも拘わらず、上記吹出流制
御手段Xによって上記吹出口4から室内へ吹き出される
吹出流が、鉛直面に直交する方向からみて吹出方向が交
互に変化するスイング流とされ、例えば、かかるスイン
グ作用が付与されない吹出流がそのまま室内へ吹き出さ
れる場合に比して、室内における気流温度分布が可及的
に改善され、室内空間のより広い領域において快適な空
調特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、吹出流をスイン
グ流とする機能を備えた空気調和装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図11及び図12には、従来一般的な天
井埋込型の空気調和装置Z0を示している。この空気調
和装置Z0は、下端が開口した矩形箱状を有し且つ天井
81に形成した開口82に臨んで天井裏空間83側に埋
め込み状態で配置されるケーシング101と、矩形平板
状形態を有し且つその中央寄り部位に吸込口103を、
その外周寄りの四辺のそれぞれに吹出口104,10
4,・・を形成した室内パネル102とで囲繞された機
内空間112内に、上記ケーシング101の天井面10
1aの略中央部に取り付けられたモータ110により回
転駆動される遠心羽根車108を配置する一方、上記遠
心羽根車108の外側には該遠心羽根車108に近接状
態で熱交換器107を配置して構成される。そして、こ
の空気調和装置Z0においては、上記遠心羽根車108
の運転に伴い上記吸込口103から吸い込まれる室内空
気を、遠心羽根109部分からその径方向外方に位置す
る上記熱交換器107側へ向けて吹き出し、該熱交換器
107でその冷媒と熱交換させて温風あるいは冷風とし
て上記各吹出口104,104,・・から室内側へ吹き
出す。
【0003】ところで、空気調和装置においては、室内
に吹き出される吹出流にその吹出方向が上下方向にスイ
ングさせて室内における気流温度分布を改善することで
空調の快適性を向上させる等の観点から、上記吹出口1
04部分に吹出流の吹出方向を上下方向にスイングさせ
るための吹出流制御手段が備えられることが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の空気
調和装置においては、上述のように、上記吹出口104
が直線状に延びる開口とされていたので、ここに設けら
れる上記吹出流制御手段は、通常、帯板状形態に形成さ
れたガイド板を用い且つこれをステッピングモータ等の
駆動源によってその板厚方向へ揺動させる構成とするの
が通例であった。
【0005】このため、かかる従来構造の吹出流制御手
段を、環状の平面形態をもつ吹出口を備えた空気調和装
置にそのまま適用することは困難であり、また敢えてこ
れを適用した場合には、多角形状の吹出口として比較的
高価なステッピングモータを用い且つ該ステッピングモ
ータの駆動力をリンク機構等を用いて各ガイド板に伝達
する構成をとることになることから、構造が複雑化しコ
ストアップを招来するという問題を生じることになる。
従って、環状の平面形態をもつ吹出口に適用するに好適
で、且つ安価な構成の吹出流制御手段の開発が望まれる
ところであるが、かかる要求に応え得るような吹出流制
御手段は未だ提案されていないのが実情である。
【0006】そこで本願発明は、環状の平面形態をもつ
吹出口を備えた空気調和装置において、簡単且つ安価な
構成により吹出流にスイング作用を与えることで、室内
空間の可及的に広い領域において気流温度分布を良好な
らしめて空調の快適性をより一層高めることを目的とし
てなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0008】本願の第1の発明にかかる空気調和装置で
は、図1,図5、図6、図7及び図10にそれぞれ例示
するように、下面に略環状の吹出口4を有する天井埋込
型又は天井吊下型の空気調和装置において、上記吹出口
4から吹き出される吹出流を、鉛直面に直交する方向か
らみて吹出方向が交互に変化するスイング流とすべく上
記吹出流の流れを制御する吹出流制御手段Xを備えたこ
とを特徴としている。
【0009】本願の第2の発明では、図1,図5、図
6、図7及び図10にそれぞれ例示するように、天井に
埋め込み又は吊り下げ配置されるケーシング1と、その
内周側に吸込口3を備えるとともにその外周側には略環
状の平面形態をもつ吹出口4を備え且つ上記ケーシング
1の下端開口に取り付けられる室内パネル2とで囲繞さ
れる機内空間15内に、略円筒状又は略円錐筒状等の略
同心断面状の外観形態を有し且つその軸方向を上下方向
に向けた状態で配置される熱交換器21と、該熱交換器
21の外周側又は内周側又は外周側と内周側の双方にお
いて回転する羽根車8,9を備えたファン7とを配置し
て構成される空気調和装置において、上記機内空間15
の上記吹出口4に臨む位置に、該吹出口4から吹き出さ
れる吹出流を、鉛直面に直交する方向からみて吹出方向
が交互に変化するスイング流とすべく該吹出流の流れを
制御する吹出流制御手段Xを備えたことを特徴としてい
る。 本願の第3の発明にかかる空気調和装置では、図
1,図5,図6、図7及び図10にそれぞれ例示するよ
うに、天井に埋め込み又は吊り下げ配置されるケーシン
グ1と、その内周側に吸込口3を備えるとともにその外
周側には略環状の平面形態をもつ吹出口4を備え且つ上
記ケーシング1の下端開口に取り付けられる室内パネル
2とで囲繞される機内空間15内に、略円筒状又は略円
錐筒状の外観形態を有し且つその軸方向を上下方向に向
けた状態で配置される熱交換器21と、該熱交換器21
の外周側又は内周側又は外周側と内周側の双方において
回転する羽根車8,9を備えたファン7とを配置して構
成される空気調和装置において、上記機内空間15の上
記吹出口4に臨む位置に、該吹出口4から吹き出される
吹出流を、鉛直面に直交する方向からみて吹出方向が交
互に変化するスイング流とすべく該吹出流の流れを制御
する吹出流制御手段Xを備えたことを特徴としている。
【0010】本願の第4の発明にかかる空気調和装置で
は、図7に例示するように、上記第1,第2又は第3の
発明にかかる空気調和装置において、上記吹出流制御手
段Xを、低速回転するモータ18により回転駆動される
回転部材23と、該回転部材23の外周部に設けられ且
つ該回転部材23の軸心に対する傾斜方向が該回転部材
23の回転方向において変化する案内面25a,25b
を備えた吹出流偏向部材25とで構成したことを特徴と
している。
【0011】本願の第5の発明にかかる空気調和装置で
は、図7に例示するように、上記第4の発明にかかる空
気調和装置において、上記回転部材23を回転駆動する
上記モータ18を上記室内パネル2側に取り付けたこと
を特徴としている。
【0012】本願の第6の発明にかかる空気調和装置で
は、図5及び図6に例示するように、上記第1,第2又
は第3の発明にかかる空気調和装置において、上記吹出
流制御手段Xを、上記吹出口4に臨んで回転自在に配置
された回転部材23と、上記回転部材23の外周部に設
けられ且つ該回転部材23の軸心に対する傾斜方向が該
回転部材23の回転方向において変化する案内面24
a,24bを備えた吹出流偏向部材24と、上記熱交換
器21の内周側に上記ファン7の羽根車9を配置したも
のにおいては熱交換器21の後方流の動圧を受けて、上
記熱交換器21の外周側に上記ファン7の羽根車8を配
置したものにおいては該羽根車8の後方流の動圧を受け
て、上記回転部材23に回転力を付与する回転力付与部
材22とで構成したことを特徴としている。
【0013】本願の第7の発明にかかる空気調和装置で
は、図6に例示するように、上記第6の発明にかかる空
気調和装置において、上記回転部材23を、上記ファン
7を回転駆動する上記モータ16の回転軸16aに回転
自在に支承せしめたことを特徴としている。
【0014】本願の第8の発明にかかる空気調和装置で
は、図5に例示するように、上記第6の発明にかかる空
気調和装置において、上記回転部材23を、上記室内パ
ネル2側に配置した支承部材28に回転自在に支承せし
めたことを特徴としている。
【0015】本願の第9の発明にかかる空気調和装置で
は、図10に例示するように、上記第1,第2又は第3
の発明にかかる空気調和装置において、上記吹出流制御
手段Xを、上記熱交換器21の外周側で回転する羽根車
8に、該羽根車8の軸心に対する傾斜方向が該羽根車8
の回転方向において変化する案内面26a,26bを備
えた吹出流偏向部材26を設けて構成したことを特徴と
している。
【0016】本願の第10の発明にかかる空気調和装置
では、図10に例示するように、上記第9の発明にかか
る空気調和装置において、上記吹出流偏向部材26を、
上記羽根車8の羽根10,10,・・を支持するハブ部
13bで構成し、且つ上記案内面26a,26bを上記
ハブ部13bの上記各羽根10,10,・・間部位の面
方向を上記羽根車8の回転方向において変化させて構成
したことを特徴としている。
【0017】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0018】(a) 本願の第1の発明にかかる空気調
和装置によれば、下面に略環状の吹出口4を有する天井
埋込型又は天井吊下型の空気調和装置において、上記吹
出口4から吹き出される吹出流を、鉛直面に直交する方
向からみて吹出方向が交互に変化するスイング流とすべ
く上記吹出流の流れを制御する吹出流制御手段Xを備え
ているので、上記吹出口4が略環状の平面形態をもつ開
口であるにも拘わらず、上記吹出流制御手段Xによって
上記吹出口4から室内へ吹き出される吹出流が、鉛直面
に直交する方向からみて吹出方向が交互に変化するスイ
ング流とされ、例えばかかるスイング作用が付与されな
い吹出流がそのまま室内へ吹き出される場合に比して、
室内における気流温度分布が可及的に改善され、室内空
間のより広い良好において快適な空調特性を得ることが
できるものである。
【0019】(b) 本願の第2の発明にかかる空気調
和装置によれば、天井に埋め込み又は吊り下げ配置され
るケーシング1と、その内周側に吸込口3を備えるとと
もにその外周側には略環状の平面形態をもつ吹出口4を
備え且つ上記ケーシング1の下端開口に取り付けられる
室内パネル2とで囲繞される機内空間15内に、略円筒
状又は略円錐筒状等の略同心断面状の外観形態を有し且
つその軸方向を上下方向に向けた状態で配置される熱交
換器21と、該熱交換器21の外周側又は内周側又は外
周側と内周側の双方において回転する羽根車8,9を備
えたファン7とを配置して構成される空気調和装置にお
いて、上記機内空間15の上記吹出口4に臨む位置に、
該吹出口4から吹き出される吹出流を、鉛直面に直交す
る方向からみて吹出方向が交互に変化するスイング流と
すべく該吹出流の流れを制御する吹出流制御手段Xを備
えているので、上記吹出口4が略環状の平面形態をもつ
開口であるにも拘わらず、上記吹出流制御手段Xによっ
て上記吹出口4から室内へ吹き出される吹出流が、鉛直
面に直交する方向からみて吹出方向が交互に変化するス
イング流とされ、例えばかかるスイング作用が付与され
ない吹出流がそのまま室内へ吹き出される場合に比し
て、室内における気流温度分布が可及的に改善され、室
内空間のより広い良好において快適な空調特性を得るこ
とができるものである。
【0020】(c) 本願の第3の発明にかかる空気調
和装置によれば、天井に埋め込み又は吊り下げ配置され
るケーシング1と、その内周側に吸込口3を備えるとと
もにその外周側には略環状の平面形態をもつ吹出口4を
備え且つ上記ケーシング1の下端開口に取り付けられる
室内パネル2とで囲繞される機内空間15内に、略円筒
状又は略円錐筒状の外観形態を有し且つその軸方向を上
下方向に向けた状態で配置される熱交換器21と、該熱
交換器21の外周側又は内周側又は外周側と内周側の双
方において回転する羽根車8,9を備えたファン7とを
配置して構成される空気調和装置において、上記機内空
間15の上記吹出口4に臨む位置に、該吹出口4から吹
き出される吹出流を、鉛直面に直交する方向からみて吹
出方向が交互に変化するスイング流とすべく該吹出流の
流れを制御する吹出流制御手段Xを備えているので、上
記吹出口4が略環状の平面形態をもつ開口であるにも拘
わらず、上記吹出流制御手段Xによって上記吹出口4か
ら室内へ吹き出される吹出流が、鉛直面に直交する方向
からみて吹出方向が交互に変化するスイング流とされ、
例えばかかるスイング作用が付与されない吹出流がその
まま室内へ吹き出される場合に比して、室内における気
流温度分布が可及的に改善され、室内空間のより広い良
好において快適な空調特性を得ることができるものであ
る。
【0021】(d) 本願の第4の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記吹出流制御手段Xを、低速回転す
るモータ18により回転駆動される回転部材23と、該
回転部材23の外周部に設けられ且つ該回転部材23の
軸心に対する傾斜方向が該回転部材23の回転方向にお
いて変化する案内面25a,25bを備えた吹出流偏向
部材25とで構成しているので、上記吹出口4から吹き
出される吹出流は、上記回転部材23と一体的に回転し
且つ該回転部材23の軸心に対する傾斜方向がその回転
方向において変化する上記吹出流偏向部材25の上記案
内面25a,25bにより偏向作用を受けることで、そ
の吹出方向が上下方向にスイングし、これにより上記
(a),(b)又は(c)に記載の効果が達成されるも
のである。
【0022】(e) 本願の第5の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(d)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記回転部材23を回転駆動する上記モータ18を上記
室内パネル2側に取り付けているので、空気調和装置の
据付け時あるいはメンテナンス時には上記モータ18及
びこれに取り付けられる上記吹出流制御手段Xを上記室
内パネル2と一体的に着脱することができ、それだけ据
付け作業あるいはメンテナンス作業における作業性が向
上することになる。
【0023】(f) 本願の第6の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記吹出流制御手段Xを、上記吹出口
4に臨んで回転自在に配置された回転部材23と、上記
回転部材23の外周部に設けられ且つ該回転部材23の
軸心に対する傾斜方向が該回転部材23の回転方向にお
いて変化する案内面24a,24bを備えた吹出流偏向
部材24と、上記熱交換器21の内周側に上記ファン7
の羽根車9を配置したものにおいては熱交換器21の後
方流の動圧を受けて、上記熱交換器21の外周側に上記
ファン7の羽根車8を配置したものにおいては該羽根車
8の後方流の動圧を受けて、上記回転部材23に回転力
を付与する回転力付与部材22とで構成しているので、
上記熱交換器21の内周側に上記ファン7の羽根車9を
配置したものにおいては、上記回転部材23が上記熱交
換器21の後方流の動圧を受けて作動する上記回転力付
与部材22により回転せしめられ、また上記熱交換器2
1の外周側に上記ファン7の羽根車8を配置したものに
おいては上記回転部材23が上記羽根車8の後方流の動
圧を受けて作動する上記回転力付与部材22により回転
せしめられるとともに、この回転部材23の回転に伴っ
て、上記吹出口4から室内へ吹き出される吹出流は、上
記回転部材23の外周部に配置され且つ該回転部材23
の軸心に対する傾斜方向がその回転方向において変化す
る上記吹出流偏向部材24の上記案内面24a,24b
により偏向作用を受けてその吹出方向が上下方向にスイ
ングすることになり、これらの相乗作用として、上記
(a),(b)又は(c)に記載の効果が達成されるも
のである。
【0024】しかも、この場合、上記吹出流制御手段X
の回転駆動力として上記羽根車8又は羽根車9の吹出空
気がもつ動圧を利用するようにしているので、例えば比
較的高価なステッピングモータ等の駆動源を備える場合
に比して、低コスト化が促進されるものである。
【0025】さらに、特に、上記熱交換器21の外周側
に上記ファン7の羽根車8が配置されているものにおい
ては、吹出流が上記羽根車8の回転に伴う大きな旋回成
分をもった状態で吹き出されることから、該吹出流の室
内への広がりが増長され、室内の気流温度分布がより広
い領域において良好となり、空調の快適性がより一層高
められることになる。
【0026】(g) 本願の第7の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(f)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記回転部材23を、上記ファン7を回転駆動する上記
モータ16の回転軸16aに回転自在に支承せしめてい
るので、例えば、上記回転部材23を専用の支承部材を
用いて支承させる構成とする場合に比して、構造の簡略
化、低コスト化が図れるものである。
【0027】(h) 本願の第8の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記(f)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、
上記回転部材23を、上記室内パネル2側に配置した支
承部材28に回転自在に支承せしめているので、空気調
和装置の据付け時あるいはメンテナンス時には上記回転
部材23、即ち、上記吹出流制御手段Xを上記室内パネ
ル2と一体的に着脱することができ、それだけ据付け作
業あるいはメンテナンス作業における作業性が向上する
ことになる。
【0028】(i) 本願の第9の発明にかかる空気調
和装置によれば、上記吹出流制御手段Xを、上記熱交換
器21の外周側で回転する羽根車8に、該羽根車8の軸
心に対する傾斜方向が該羽根車8の回転方向において変
化する案内面26a,26bを備えた吹出流偏向部材2
6を設けて構成しているので、上記外側羽根車8の回転
により上記吹出口4から室内側へ吹き出される吹出流
は、該羽根車8の外周部に設けた上記吹出流偏向部材2
6の案内面26a,26bにより偏向作用を受けてスイ
ング流として室内へ吹き出され、これにより上記
(a),(b)又は(c)に記載の効果が達成されるも
のである。さらに、特に、上記羽根車8が、上記吹出流
偏向部材26を支持して回転する回転部材及び該回転部
材に回転力を付与する回転力付与部材として機能するこ
とから、該回転部材及び回転力付与部材の設置が不要で
ある分だけ、構造の簡略化及び低コスト化が促進される
ものである。
【0029】(j) 本願の第10の発明にかかる空気
調和装置によれば、上記吹出流偏向部材24を、上記羽
根車8の羽根10,10,・・を支持するハブ部13b
で構成し、且つ上記案内面24a,24bを上記ハブ部
13bの上記各羽根10,10,・・間部位の面方向を
上記羽根車8の回転方向において変化させて構成してい
るので、該吹出流偏向部材24を専用の部材を用いるこ
となく上記羽根車8の構成部材を用いて構成することが
でき、より一層安価に上記(i)に記載の効果を達成す
ることができるものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる空気調和
装置を幾つかの好適な実施形態に基づいて具体的に説明
する。
【0031】A:第1の実施形態 図1及び図2には、本願発明の第1の実施形態にかかる
空気調和装置Z1を示している。この空気調和装置Z
1は、セパレート型空気調和装置における天井埋込型の
室内機であって、次述するケーシング1と室内パネル2
とで囲繞された矩形の機内空間15内に、後述する熱交
換器21とファン7と吹出流制御手段Xを配置して構成
されている。
【0032】A−1:ケーシング1 上記ケーシング1は、下端が開口した矩形箱状の形態を
もち、且つ建屋の天井31に形成した開口32に臨んで
その天井裏空間内に埋め込み状態で取り付けられる。こ
のケーシング1における天壁1aの内面側の略中央位置
には、後述するファン7を回転駆動するためのモータ1
6が、その軸線を上下方向に向けた状態で取り付けられ
ている。
【0033】A−2:室内パネル2 上記室内パネル2は、樹脂材により略矩形厚板状に一体
形成されたものであって、その平面方向の中央部分には
円形の吸込口3が形成される一方、該吸込口3の径方向
外側部位には該吸込口3の周囲を囲繞するようにして円
弧状に延びる複数(この実施形態においては4個)の開
口で略環状に形成された吹出口4が設けられている。ま
た、上記吸込口3には、グリル5が装着されるととも
に、該グリル5の上面側にはフィルター6が配置されて
いる。
【0034】A−3:熱交換器21 上記熱交換器21は、板厚方向に積層配置された複数枚
の板状のフィンと該各フィンを貫通して配置される複数
本の伝熱管とでなり全体として厚板状の外観形態をもつ
所謂クロスフィンタイプの熱交換器で構成されており、
この実施形態においてはさらにこれを弧状に湾曲させ、
上記室内パネル2の吸込口3の内径に近い内径寸法をも
つ円筒状に成形して使用するようにしている。
【0035】尚、この実施形態においては、上記熱交換
器21を上述のように円筒状の形態に形成しているが、
本願発明における熱交換器21はかかる形態に限定され
るものではなく、要するに同心断面状の形態(即ち、そ
の軸線に直交する面での断面形状が、軸線方向のどの位
置での断面であっても、該熱交換器21の周壁部分が上
記軸線位置を中心とする同心円形態を呈するもの)を有
すればその目的を達し得るものであり、従って、略円筒
状の形態、略円錐筒状の形態、あるいは円形に近い平面
形状をもつ多角形筒状の形態の如くその周壁がその軸線
方向において直線状に延びる形態のみならず、例えばそ
の周壁が軸線方向において曲線状に延びるような形態も
採用できるものである。
【0036】そして、この円筒状の熱交換器21は、上
記機内空間15内に、その軸線を上記モータ16の軸線
と略合致させた立設状態で取り付けられている。従っ
て、この熱交換器21の配置によって上記機内空間15
は、該熱交換器21の内側に位置し且つ上記吸込口3に
連通する内側空間15Aと、該熱交換器21の外側に位
置し且つ上記吹出口4に連通する外側空間15Bの内外
二つの空間に区画されることになる。
【0037】A−4:ファン7 上記ファン7は、次述する羽根車支持材13と該羽根車
支持材13の外周側に設けられた外側羽根車8と、内周
側に設けられた内側羽根車9とを備えて構成され、且つ
該内側羽根車9の軸心部に設けられたファン取付基材1
2を介して上記モータ16の回転軸に連結支持されてい
る。
【0038】A−4−a:羽根車支持材13 上記羽根車支持材13は、次述する外側羽根車8と内側
羽根車9とを支持し且つこれらを上記モータ11により
回転駆動させるためのものであって、図1に示すよう
に、アルミ板等の金属板材や樹脂材により環状に一体成
形され、上記熱交換器21の下端下方を通って上記内側
空間15Aと外側空間15Bの間に跨がって配置される
平板状の延出板部13aと、該延出板部13aの外周側
に連続して設けられた短円錐筒状の外側ハブ部13b
と、上記延出板部13aの内周側に連続して設けられた
短円筒状の内側ハブ部13cとを備えている。
【0039】この羽根車支持材13の上記外側ハブ部1
3bの外面側には次述する外側羽根車8の各羽根10,
10,・・が取り付けられ、また該羽根車支持材13の
上記内側ハブ部13cの内面側には次述する内側羽根車
9の各羽根11,11,・・が取り付けられる。そし
て、上記内側羽根車9の上記各羽根11,11,・・の
基端部を上記ファン取付基材12に連結することで、上
記熱交換器21の外周側で回転する上記外側羽根車8
と、該熱交換器21の内周側で回転する上記内側羽根車
9とを備えたファン7が構成されるものである。
【0040】A−4−b:外側羽根車8 上記外側羽根車8は、上述のように、上記羽根車支持材
13の外側ハブ部13bに設けられて上記熱交換器21
の外周側(即ち、上記外側空間15B内)で回転する斜
流羽根車であって、該外側ハブ部13b上にその周方向
に所定間隔で複数枚の羽根10,10,・・を立設配置
して構成されている。尚、この外側羽根車8は、これを
軸流羽根車で構成することもできるものである。
【0041】A−4−c:内側羽根車9 上記内側羽根車9は、上記羽根車支持材13の上記内側
ハブ部13cと上記ファン取付基材12の外縁部との間
に跨がって複数枚の羽根11,11,・・を、該羽根車
支持材13の周方向に所定間隔で配置して構成された斜
流羽根車であって、上記熱交換器21の内周側(即ち、
内側空間15A内)で回転する。尚、この内側羽根車9
は、これを軸流羽根車あるいは遠心羽根車で構成するこ
ともできるものである。
【0042】A−5:吹出流制御手段X 上記吹出流制御手段Xは、次述する回転力付与部材22
と回転部材23と吹出流偏向部材24とを備えて構成さ
れる。
【0043】A−4−a:回転部材23 上記回転部材23は、図1及び図4に示すように、上記
ファン7における上記羽根車支持材13の延出板部13
aとこれに対向する上記室内パネル2の上面との間の隙
間を通って上記内側空間15A側から外側空間15B側
へ延出する環状円板部23aと、該環状円板部23aの
内周縁と該回転部材23の中心部分に位置する支持部2
3cとを連結する複数本のアーム部23b,23b,・
・と、上記環状円板部23aの外周縁に連続する環状の
外周壁部23dとを備えている。そして、この回転部材
23は、上記支持部23cを上記モータ16の回転軸1
6aに回転自在に支承させることで支持され、該回転軸
16aを中心として回転可能とされている。
【0044】尚、上記回転部材23の上記外周壁部23
dは、次述する吹出流偏向部材24を構成する。また、
上記各アーム部23b,23b,・・の間は、通風開口
30とされている。
【0045】A−4−b:吹出流偏向部材24 上記吹出流偏向部材24は、上述のように上記回転部材
23の一部である上記外周壁部23dで構成され、且つ
その外周面上には、図1及び図4に示すように、次述の
回転力付与部材22を構成する複数のタービン羽根2
7,27,・・,27,・・が取り付けられる。この場
合、この吹出流偏向部材24の外周面(即ち、上記外周
壁部23dの外周面)は、均一な円弧面とはされず、上
記各タービン羽根27,27,・・の間でそれぞれ上記
回転部材23の軸心に対する傾斜角が異なる面とされて
いる。即ち、上記吹出流偏向部材24における上記各タ
ービン羽根27,27,・・間の部位は、その外周面が
上記回転部材23の軸心方向に対して所定の傾斜角をも
った傾斜面24a(以下、「第1案内面24a」とい
う)と、その外周面が上記回転部材23の軸心方向に略
平行な筒壁面24b(以下、「第2案内面24b」とい
う)とが、該吹出流偏向部材24の周方向に交互に並ん
だ形状とされている。そして、この傾斜角の異なる第1
案内面24a,24a,・・と第2案内面24b,24
b,・・とをもった吹出流偏向部材24が上記回転部材
23の回転に伴いこれと一体回転することで、上記吹出
口4からの吹出流に偏向作用が与えられるものである。
【0046】A−4−c:回転力付与部材22 上記回転力付与部材22は、上記外側羽根車8から吹き
出される空気流の動圧によって上記回転部材23を回転
駆動するものであって、図3及び図4に示すように、上
記吹出流偏向部材24の外周面上に、該吹出流偏向部材
24の周方向に所定間隔で配置された複数枚のタービン
羽根27,27,・・で構成される。そして、このター
ビン羽根27は、図3に示すように、該タービン羽根2
7の上方位置に配置される上記外側羽根車8の羽根10
の傾斜方向と反対方向に傾斜している。即ち、上記外側
羽根車8の羽根10が、その回転方向(矢印R1方向)
においてその前縁8aがその後縁8bよりも回転方向に
位置する傾斜とされているのに対して、上記タービン羽
根27は回転方向(矢印R2方向)においてその前縁2
7aがその後縁27bよりも反回転方向に位置する傾斜
とされており、かかる相対関係に基づき、上記外側羽根
車8が矢印R1方向に回転し、該外側羽根車8から吹き
出される空気流の動圧が上記タービン羽根27の羽根面
に作用することで、上記回転部材23は上記外側羽根車
8の回転方向と同方向(矢印R2方向)に回転力を受
け、追従回転することになる。
【0047】A−6:作動等の説明 続いて、上述の如く構成された空気調和装置Z1の作動
等の説明をする。
【0048】この空気調和装置Z1においては、上記モ
ータ16により上記ファン7が回転駆動されると、主と
して上記外側羽根車8の吸い出し作用によって室内空気
は、図1に流線Aで示すように、上記吸込口3から内側
空間15Aに吸い込まれた後、上記熱交換器21で熱交
換され、温風あるいは冷風として上記外側空間15Bか
ら上記吹出口4を通して室内へ吹き出され、これにより
室内の暖房あるいは冷房が実現される。
【0049】ところで、この実施形態の空気調和装置Z
1においては、上記吹出口4から室内へ吹き出される吹
出流に、上記吹出流制御手段Xによってスイング作用が
付与され、これによって室内の空調特性のより一層の向
上が図られている。即ち、この実施形態の空気調和装置
1においては、上記吹出口4と上記外側羽根車8との
間に、上記吹出流制御手段Xを設けているので、先ず、
上記吹出流制御手段Xの上記回転力付与部材22を構成
する上記各タービン羽根27,27,・・が、上記外側
羽根車8の後方流の動圧を受けて上記回転部材23に回
転力を付与し、これにより該回転部材23が上記外側羽
根車8の回転に追従して回転せしめられる。
【0050】一方、この回転部材23の回転により、該
回転部材23の外周部に配置され且つ該回転部材23の
軸心に対する傾斜方向が異なる二種類の案内面、即ち、
第1案内面24aと第2案内面24bとを該回転部材2
3の回転方向に交互に配置して構成される上記吹出流偏
向部材24が該回転部材23と一体的に回転する。
【0051】この結果、上記外側羽根車8から上記吹出
口4を通って室内側へ吹き出される吹出流は、上記吹出
流偏向部材24の各第1案内面24a,24a,・・、
及び各第2案内面24b,24b,・・に交互に接する
ことで該各24a,24a,・・、同24b,24b,
・・からその傾斜方向に対応した偏向作用を受け、上記
第1案内面24aから偏向作用を受けた吹出流は図1に
白抜矢印A1で示すように上記吹出口4から斜め下方へ
向けて吹き出され、また、上記第2案内面24bから偏
向作用を受けた吹出流は図1に白抜矢印A2で示すよう
に上記吹出口4からほぼ鉛直下方へ向けて吹き出され
る。
【0052】このように、上記吹出口4から室内に吹き
出される吹出流の吹出方向が上記吹出口4の周方向にお
いて交互に変化することで吹出流は全体としてスイング
流とされ、室内の広い領域において気流温度分布が良好
となり、空調の快適性が向上することになるものであ
る。しかも、この場合、上記吹出流制御手段Xの回転駆
動力として上記外側羽根車8の吹出空気がもつ動圧を利
用するようにしているので、例えば比較的高価なステッ
ピングモータ等の駆動源を備える場合に比して、低コス
ト化が促進されるものである。
【0053】また、この場合、特にこの実施形態のもの
においては、上記熱交換器21の外周側に上記外側羽根
車8が配置され、この外側羽根車8からの吹出空気が吹
出流として上記吹出流制御手段X側に吹き出される。こ
のため、上記吹出口4からの吹出流は、上記吹出流制御
手段Xによりスイング流とされるのに加えて、上記羽根
車8の回転に伴う旋回成分はタービン羽根27を回転さ
せるために多少失われるものの、大きな旋回成分をもっ
て吹き出されることから、該吹出流の室内への広がりが
さらに増長され、室内の気流温度分布がより一層広い領
域において良好となり、空調の快適性がさらに高められ
ることになる。
【0054】さらに、この実施形態のものにおいては、
上記吹出流制御手段Xを、その上記回転部材23を上記
ファン7を回転駆動する上記モータ16の回転軸16a
に回転自在に支承せしめることで上記ケーシング1側に
支持するようにしているので、例えば、上記回転部材2
3を専用の支承部材を用いて支承させる構成とする場合
に比して、構造の簡略化、低コスト化が図れるものであ
る。尚、この場合、例えば後述の図6に示すように、上
記モータ16の回転軸16aを上記室内パネル2の近傍
まで延ばし、ここに上記回転部材23を取り付けるよう
にすることもでき、かかる構成とした場合には、この実
施形態のように上記回転部材23のアーム部23bを傾
斜配置する必要がなく、それだけ該回転部材23のコン
パクト化、延いては上記空気調和装置Z1のコンパクト
化が促進されることになる。
【0055】B:第2の実施形態 図5には、本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和
装置Z2を示している。この空気調和装置Z2は、上記第
1の実施形態にかかる空気調和装置Z1とその基本構成
を同じにするものであって、これと異なる点は、上記第
1の実施形態の空気調和装置Z1においては上記吹出流
制御手段Xの上記回転部材23を上記モータ16の回転
軸16aに回転自在に支承せしめていたのに対して、こ
の実施形態の空気調和装置Z2においては、上記室内パ
ネル2側に支承部材28を配置し、この支承部材28に
よって上記回転部材23を回転自在に支承せしめた点で
ある。
【0056】かかる支承構造とすることで、空気調和装
置Z2の据付け時あるいはメンテナンス時には上記回転
部材23、即ち、上記吹出流制御手段Xを、上記室内パ
ネル2と一体的に着脱することができ、それだけ据付け
作業あるいはメンテナンス作業における作業性が向上す
ることになるものである。
【0057】尚、上記以外の基本的な作用効果は上記第
1の実施形態における空気調和装置Z1の場合と同様で
あるので、第1の実施形態における該当説明部分を援用
することで、ここでの説明を省略する。
【0058】C:第3の実施形態 図6には、本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和
装置Z3を示している。この空気調和装置Z3は、上記第
1の実施形態にかかる空気調和装置Z1が、上記ファン
7として、上記熱交換器21の外周側で回転する斜流羽
根車又は軸流羽根車でなる外側羽根車8と、該熱交換器
21の内周側で回転する斜流羽根車又は軸流羽根車又は
遠心羽根車でなる内側羽根車9とを備えたものを採用し
ていたのに対して、上記熱交換器21の内周側で回転す
る遠心羽根車で構成される内側羽根車9のみを備えたフ
ァン7を採用したものであり、この点が上記第1の実施
形態のものと大きく異なっている。
【0059】そして、このファン7の構成の相違に起因
して、上記吹出口4の近傍に配置される上記吹出流制御
手段Xにおいても上記第1の実施形態の場合とは若干そ
の構成を異にしている。即ち、この実施形態の空気調和
装置Z3においては、上記ファン7が内側羽根車9のみ
で構成され、従ってこの内側羽根車9から吹き出される
空気流は上記熱交換器21を通過した後に上記吹出口4
の近傍に配置した上記吹出流制御手段Xの回転力付与部
材22に対してその動圧を作用せしめる構成であること
から、例えば上記第1の実施形態の場合のように上記熱
交換器21の外周側に外側羽根車8が配置され、該外側
羽根車8からの吹出空気の動圧がそのまま上記回転力付
与部材22に作用する場合に比して、上記熱交換器21
における整流作用により減衰されるので利用できる動圧
は小さい。このため、上記吹出流制御手段X側において
は、上記回転力付与部材22を構成する上記各タービン
羽根27,27,・・の羽根面積を大きく設定し、上記
熱交換器21の後方流のもつ動圧を有効に活用して所要
の回転力を得るようにしている。また、上記回転部材2
3の外周部の外周壁部23dで構成される上記吹出流偏
向部材24は、上記各実施形態の吹出流偏向部材24と
同様に、上記回転部材23の軸心に対する傾斜角が異な
る二種類の案内面、即ち、第1案内面24aと第2案内
面24bとを該吹出流偏向部材24の周方向に交互に配
置した構成とされるが、その場合、該各案内面24a,
24bの空気流れ方向の長さを比較的長くして吹出流に
対する偏向作用を強め、これにより吹出流が旋回成分を
ほとんど有しないことによる室内の気流温度分布の改善
領域の狭小化を可及的に抑制し、広い領域において良好
な気流温度分布が確保されるようにしている。
【0060】かかる構成とすることで、この実施形態の
空気調和装置z3においては、上記熱交換器21の内周
側のみに上記内側羽根車9でなるファン7を配置した構
成でありながら、上記第1の実施形態の空気調和装置Z
1の場合と同程度の快適な空調特性が実現されるもので
ある。
【0061】また、この実施形態の空気調和装置Z3
おいては、上記ファン7が遠心羽根車でなる内側羽根車
9で構成され、その吸込側にベルマウス17が配置され
ており、該吸込側のスペース的な余裕が少ないことか
ら、上記モータ16の回転軸16aを上記室内パネル2
の近傍まで延出させ、この延出部分に上記回転部材23
を回転自在に支承させる構造を採用している。
【0062】尚、上記以外の作用効果は上記第1の実施
形態における空気調和装置Z1の場合と同様であるの
で、その該当部分の説明を援用することで、ここでの説
明を省略する。
【0063】D:第4の実施形態 図7には、本願発明の第4の実施形態にかかる空気調和
装置Z4を示している。この空気調和装置Z4は、上記フ
ァン7の構成に関しては、上記第1の実施形態における
空気調和装置Z1と同様に、熱交換器21の外周側で回
転する上記外側羽根車8と該熱交換器21の内周側で回
転する上記内側羽根車9とを備えたものであるが、該第
1の実施形態における外側羽根車8はこれを斜流羽根車
で構成していたのに対して、この実施形態における外側
羽根車8はこれを軸流羽根車で構成したものであり、そ
の機能面あるいは能力面においては殆ど差は無い。
【0064】これに対して、上記外側羽根車8から吹き
出される空気流をスイング流とするための上記吹出流制
御手段Xの構成については大きく異なった構成となって
いる。即ち、この実施形態における吹出流制御手段X
は、上記各実施形態のように該吹出流制御手段Xに空気
流の動圧を利用して回転力を付与する構成とはせず、上
記室内パネル2側にモータ18を設け、該モータ18に
よって上記吹出流制御手段Xを回転駆動させるようにし
ている。かかる回転力の付与手段の相違に起因して、先
ず、上記吹出流制御手段Xは、図7及び図8に示すよう
に、上記モータ18により回転駆動される回転部材23
と、該回転部材23の外周に位置する外周壁部23dで
構成される吹出流偏向部材25とを備えてなり、上記各
実施形態の如き回転力付与部材22を構成するタービン
羽根27,27,・・は備えられていない。
【0065】また、上記回転部材23の外周壁部23d
で構成される上記吹出流偏向部材25は、図8に示すよ
うに、その外周面(即ち、上記外周壁部23dの外周
面)を均一な円弧面とはせず、その外周面が上記回転部
材23の軸心方向に対して所定の傾斜角をもった傾斜面
25a(以下、「第1案内面25a」という)と、その
外周面が上記回転部材23の軸心方向に略平行な筒壁面
25b(以下、「第2案内面25b」という)とが、該
吹出流偏向部材25の周方向に所定間隔で交互に並んだ
形状としており、上記タービン羽根27,27,・・が
設けられていない点を除けば上記第1の実施形態におけ
る吹出流偏向部材24と同様の構成となっている。そし
て、この傾斜角の異なる第1案内面25a,25a,・
・と第2案内面25b,25b,・・とを備えた吹出流
偏向部材25が上記回転部材23の回転に伴いこれと一
体回転することで、上記吹出口4からの吹出流に偏向作
用が与えられるものである。
【0066】尚、この吹出流偏向部材25の他の実施形
態として、図9に示す如きものが考えられる。この吹出
流偏向部材25は、上記回転部材23の外周壁部23d
の傾斜角をその周方向に連続的に変化させて構成したも
のであり、該外周壁部23dの傾斜角を所定間隔をもっ
て交互に変化させて構成した上記実施形態における吹出
流偏向部材25の場合よりも、吹出流の吹出方向を滑ら
かに変化させることができる。
【0067】かかる構成の吹出流制御手段Xを備えた空
気調和装置Z4においては、上記外側羽根車8から吹き
出される空気流が、上記モータ18によって回転駆動さ
れる上記回転部材23の外周面に形成された上記吹出流
偏向部材25の各第1案内面25a,25a,・・及び
第2案内面25b,25b,・・に接触することで、こ
れらから所要の偏向作用を受け、上記第1案内面25a
から偏向作用を受けた吹出流は図7に白抜矢印A1で示
すように上記吹出口4から斜め下方へ向けて吹き出さ
れ、また、上記第2案内面25bから偏向作用を受けた
吹出流は図7に白抜矢印A2で示すように上記吹出口4
からほぼ鉛直下方へ向けて吹き出される。
【0068】このように、上記吹出口4から室内に吹き
出される吹出流の吹出方向が上記吹出口4の周方向にお
いて交互に変化することで吹出流は全体としてスイング
流とされ、室内の広い領域において気流温度分布が良好
となり、空調の快適性が向上することになるものであ
る。
【0069】尚、上記以外の作用効果は上記第1の実施
形態における空気調和装置Z1の場合と同様であるの
で、その該当部分の説明を援用することで、ここでの説
明を省略する。
【0070】E:第5の実施形態 図10には、本願発明の第5の実施形態にかかる空気調
和装置Z5を示している。この空気調和装置Z5は、上記
各実施形態における空気調和装置Z1〜Z4が、共に吹出
流制御手段Xを上記ファン7とは別体に形成していたの
に対して、吹出流制御手段Xをファン7と一体に形成し
たものであって、かかる点において大きく相違するもの
である。
【0071】即ち、この実施形態の空気調和装置Z5
おいては、上記ファン7を、上記熱交換器21の外周側
で回転する外側羽根車8と該熱交換器21の内周側で回
転する内側羽根車9とで構成したものにおいて、該ファ
ン7の上記羽根車支持材13の外周部に位置し上記外側
羽根車8の各羽根10,10,・・が取り付けられる外
側ハブ部13bを吹出流偏向部材26として利用してい
る。そして、この場合、この吹出流偏向部材26の外周
面(即ち、上記外周壁部23dの外周面)は、これを均
一な円弧面とはせず、上記各羽根10,10,・・の間
でそれぞれ上記ファン7の軸心に対する傾斜角が異なる
面としている。即ち、上記吹出流偏向部材26における
上記各羽根10,10,・・間の部位を、その外周面が
上記ファン7の軸心方向に対して所定の傾斜角をもった
傾斜面26a(以下、「第1案内面26a」という)
と、その外周面が上記ファン7の軸心方向に略平行な筒
壁面26b(以下、「第2案内面26b」という)と
が、該吹出流偏向部材26の周方向に交互に並んだ形状
としている。そして、この傾斜角の異なる第1案内面2
6a,26a,・・と第2案内面26b,26b,・・
とをもった吹出流偏向部材26が上記ファン7の回転に
伴いこれと一体回転することで、上記吹出口4からの吹
出流に偏向作用が与えられるものである。
【0072】このように構成することで、上記外側羽根
車8の回転により上記吹出口4から室内側へ吹き出され
る吹出流は、該外側羽根車8の外周部に設けた上記吹出
流偏向部材26の案内面26a,26bにより偏向作用
を受けてスイング流として室内へ吹き出され、これによ
り室内の広い領域において良好な気流温度分布が得ら
れ、空調の快適性が向上するものである。
【0073】また、上記外側羽根車8が、上記吹出流偏
向部材26を支持して回転する回転部材及び該回転部材
に回転力を付与する回転力付与部材として機能すること
から、該回転部材及び回転力付与部材として専用の部材
を設置することが不要であり、その分だけ、構造の簡略
化及び低コスト化が促進される。
【0074】尚、上記以外の作用効果は上記第1の実施
形態における空気調和装置Z1の場合と同様であるの
で、その該当部分の説明を援用することで、ここでの説
明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明にかかる空気調和装置の第1の実施形
態を示す断面図である。
【図2】図1のII−II矢視図である。
【図3】図1のIII−III拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV拡大矢視図である。
【図5】本願発明にかかる空気調和装置の第2の実施形
態を示す断面図である。
【図6】本願発明にかかる空気調和装置の第3の実施形
態を示す断面図である。
【図7】本願発明にかかる空気調和装置の第4の実施形
態を示す断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII拡大矢視図である。
【図9】他の実施形態にかかる回転部材の構造を示す断
面図であって、図8に対応するものである。
【図10】本願発明にかかる空気調和装置の第5の実施
形態を示す断面図である。
【図11】従来の空気調和装置の構造を示す断面図であ
る。
【図12】図11のXII−XII矢視図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は室内パネル、3は吸込口、4は吹
出口、5はグリル、6はフィルター、7はファン、8は
外側羽根車、9は内側羽根車、10及び11は羽根、1
2はファン取付基材、13は羽根車支持材、15は機内
空間、15Aは内側空間、15Bは外側空間、16はモ
ータ、17はベルマウス、18はモータ、21は熱交換
器、22は回転力付与部材、23は回転部材、24〜2
6は吹出流偏向部材、27はタービン羽根、28は支承
部材、30は通風開口、Aは空気流、A1は斜下方吹出
流、A2は下方吹出流、Xは吹出流制御手段、Z1〜Z5
は空気調和装置である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面に略環状の吹出口(4)を有する天
    井埋込型又は天井吊下型の空気調和装置において、 上記吹出口(4)から吹き出される吹出流を、鉛直面に
    直交する方向からみて吹出方向が交互に変化するスイン
    グ流とすべく上記吹出流の流れを制御する吹出流制御手
    段(X)が備えられていることを特徴とする空気調和装
    置。
  2. 【請求項2】 天井に埋め込み又は吊り下げ配置される
    ケーシング(1)と、その内周側に吸込口(3)を備え
    るとともにその外周側には略環状の平面形態をもつ吹出
    口(4)を備え且つ上記ケーシング(1)の下端開口に
    取り付けられる室内パネル(2)とで囲繞される機内空
    間(15)内に、略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断
    面状の外観形態を有し且つその軸方向を上下方向に向け
    た状態で配置される熱交換器(21)と、該熱交換器
    (21)の外周側又は内周側又は外周側と内周側の双方
    において回転する羽根車(8,9)を備えたファン
    (7)とを配置して構成される空気調和装置であって、 上記機内空間(15)の上記吹出口(4)に臨む位置
    に、該吹出口(4)から吹き出される吹出流を、鉛直面
    に直交する方向からみて吹出方向が交互に変化するスイ
    ング流とすべく該吹出流の流れを制御する吹出流制御手
    段(X)が備えられていることを特徴とする空気調和装
    置。
  3. 【請求項3】 天井に埋め込み又は吊り下げ配置される
    ケーシング(1)と、その内周側に吸込口(3)を備え
    るとともにその外周側には略環状の平面形態をもつ吹出
    口(4)を備え且つ上記ケーシング(1)の下端開口に
    取り付けられる室内パネル(2)とで囲繞される機内空
    間(15)内に、略円筒状又は略円錐筒状の外観形態を
    有し且つその軸方向を上下方向に向けた状態で配置され
    る熱交換器(21)と、該熱交換器(21)の外周側又
    は内周側又は外周側と内周側の双方において回転する羽
    根車(8,9)を備えたファン(7)とを配置して構成
    される空気調和装置であって、 上記機内空間(15)の上記吹出口(4)に臨む位置
    に、該吹出口(4)から吹き出される吹出流を、鉛直面
    に直交する方向からみて吹出方向が交互に変化するスイ
    ング流とすべく該吹出流の流れを制御する吹出流制御手
    段(X)が備えられていることを特徴とする空気調和装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 上記吹出流制御手段(X)が、 低速回転するモータ(18)により回転駆動される回転
    部材(23)と、 該回転部材(23)の外周部に設けられ且つ該回転部材
    (23)の軸心に対する傾斜方向が該回転部材(23)
    の回転方向において変化する案内面(25a,25b)
    を備えた吹出流偏向部材(25)とで構成されているこ
    とを特徴とする空気調和装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記回転部材(23)を回転駆動する上記モータ(1
    8)が上記室内パネル(2)側に取り付けられているこ
    とを特徴とする空気調和装置。
  6. 【請求項6】 請求項1,2又は3において、 上記吹出流制御手段(X)が、 上記吹出口(4)に臨んで回転自在に配置された回転部
    材(23)と、 上記回転部材(23)の外周部に設けられ且つ該回転部
    材(23)の軸心に対する傾斜方向が該回転部材(2
    3)の回転方向において変化する案内面(24a,24
    b)を備えた吹出流偏向部材(24)と、 上記熱交換器(21)の内周側に上記ファン(7)の羽
    根車(9)を配置したものにおいては熱交換器(21)
    の後方流の動圧を受けて、上記熱交換器(21)の外周
    側に上記ファン(7)の羽根車(8)を配置したものに
    おいては該羽根車(8)の後方流の動圧を受けて、上記
    回転部材(23)に回転力を付与する回転力付与部材
    (22)と、で構成されていることを特徴とする空気調
    和装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 上記回転部材(23)が、上記ファン(7)を回転駆動
    する上記モータ(16)の回転軸(16a)に回転自在
    に支承されていることを特徴とする空気調和装置。
  8. 【請求項8】 請求項6において、 上記回転部材(23)が、上記室内パネル(2)側に配
    置した支承部材(28)に回転自在に支承されているこ
    とを特徴とする空気調和装置。
  9. 【請求項9】 請求項1,2又は3において、 上記吹出流制御手段(X)が、 上記熱交換器(21)の外周側で回転する羽根車(8)
    に、該羽根車(8)の軸心に対する傾斜方向が該羽根車
    (8)の回転方向において変化する案内面(26a,2
    6b)を備えた吹出流偏向部材(26)を設けて構成さ
    れていることを特徴とする空気調和装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、 上記吹出流偏向部材(24)が、上記羽根車(8)の羽
    根(10),(10),・・を支持するハブ部(13
    b)で構成され、且つ上記案内面(24a,24b)が
    上記ハブ部(13b)の上記各羽根(10),(1
    0),・・間部位の面方向を上記羽根車(8)の回転方
    向において変化させて構成されていることを特徴とする
    空気調和装置。
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