JPH11323302A - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

ホットメルト接着剤組成物

Info

Publication number
JPH11323302A
JPH11323302A JP12624598A JP12624598A JPH11323302A JP H11323302 A JPH11323302 A JP H11323302A JP 12624598 A JP12624598 A JP 12624598A JP 12624598 A JP12624598 A JP 12624598A JP H11323302 A JPH11323302 A JP H11323302A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
melt adhesive
adhesive composition
hot
hot melt
polyol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12624598A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kusuda
智 楠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP12624598A priority Critical patent/JPH11323302A/ja
Publication of JPH11323302A publication Critical patent/JPH11323302A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期凝集力や初期接着力の発現が速く、且
つ、低温雰囲気下においても優れた塗布性や初期接着力
を発揮する1液型の湿気硬化型ウレタン系ホットメルト
接着剤組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 ポリエステルポリオールを含有するポリ
オールの末端水酸基と多官能イソシアネート化合物とを
反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマーを主成分としてなるホットメルト
接着剤組成物であって、該ホットメルト接着剤組成物の
20℃におけるタックフリータイムが60秒以下であ
り、且つ、120℃における体積と20℃における体積
との関係が下記式(1)を満足することを特徴とするホ
ットメルト接着剤組成物。 (V120 −V20)/V120 =0.03〜0.1 式(1) (式中、V120 はホットメルト接着剤組成物の120℃
における体積を示し、V20はホットメルト接着剤組成物
の20℃における体積を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1液型の湿気硬化型
ウレタン系ホットメルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着
剤組成物は、1液型で作業性が良く、環境にも優しく、
且つ、硬化物は優れた接着力や物性を有するので、接着
剤、目地剤、シーリング剤、被覆剤等(以下、単に「接
着剤等」と記す)として広く使用されている。
【0003】特に近年では、作業性が良く環境に優しい
点から、従来の溶剤型ゴム系接着剤組成物に代わり、例
えばハニカムサンドイッチ構造パネルのような複合パネ
ル等の建材の製造に広く使用されている。
【0004】上記湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接
着剤組成物を用いた複合パネルの製造方法として、例え
ば、特開平2−258243号公報では、「ハニカムコ
アを芯材とし、その上下に表面板を接着してなるサンド
イッチ構造パネルの製造に際して、接着剤として、常温
では非粘着性の湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着
剤を用い、加熱プレスにより接着することを特徴とする
ハニカムサンドイッチ構造パネルの製造方法」が開示さ
れている。
【0005】しかし、上記開示による複合パネルの製造
方法における実施例中の製造例1に記載されている湿気
硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤は、ウレタンプレ
ポリマーが結晶性を有するため、タックフリータイムが
短く、初期凝集力や初期接着力の発現が速いという利点
はあるものの、例えば冬季の低温雰囲気下においては、
塗布時の加熱溶融状態や接着時の加熱再活性状態から急
激に冷却されるため、結晶化の過程での体積収縮が大き
く、ホットメルト接着剤層に内部歪みが生じ、例えば金
属のような被着体への塗布が困難となったり、接着後に
おいても被着体とホットメルト接着剤間の界面剥離が起
こり易くなる等の問題点がある。
【0006】又、上記問題点に対応するため、ウレタン
プレポリマーの結晶性を低下させると、タックフリータ
イムが長くなり、初期凝集力や初期接着力の発現が遅く
なるか不十分になるという問題点があり、タックフリー
タイムが短く、従って、初期凝集力や初期接着力の発現
が速く、しかも低温雰囲気下においても優れた塗布性や
初期接着性を発揮する湿気硬化型ウレタン系ホットメル
ト接着剤は実用化されていないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、初期凝集力や初期接着力の発現
が速く、且つ、低温雰囲気下においても優れた塗布性や
初期接着力を発揮する1液型の湿気硬化型ウレタン系ホ
ットメルト接着剤組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
(以下、「本発明」と記す)によるホットメルト接着剤
組成物は、ポリエステルポリオールを含有するポリオー
ルの末端水酸基と多官能イソシアネート化合物とを反応
させて得られる両末端にイソシアネート基を含有するウ
レタンプレポリマーを主成分としてなるホットメルト接
着剤組成物であって、該ホットメルト接着剤組成物の2
0℃におけるタックフリータイムが60秒以下であり、
且つ、120℃における体積と20℃における体積との
関係が下記式(1)を満足することを特徴とする。 (V120 −V20)/V120 =0.03〜0.1 式(1) (式中、V120 はホットメルト接着剤組成物の120℃
における体積を示し、V20はホットメルト接着剤組成物
の20℃における体積を示す)
【0009】本発明によるホットメルト接着剤組成物の
主成分である両末端にイソシアネート基を有するウレタ
ンプレポリマー(以下、単に「ウレタンプレポリマー」
と記す)を合成するために用いられるポリエステルポリ
オールを含有するポリオールとは、ポリエステルポリオ
ールのみからなるポリオール、又は、ポリエステルポリ
オールとポリエーテルポリオールのようなポリエステル
ポリオール以外のポリオールとが併用された混合ポリオ
ールを言う。
【0010】本発明において、ウレタンプレポリマーを
合成するために用いられるポリオールがポリエステルポ
リオールを含有しないポリオールであると、得られるホ
ットメルト接着剤組成物のタックフリータイムが長くな
り、初期凝集力や初期接着力の発現が遅くなるか不十分
となる。
【0011】上記ポリエステルポリオールとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、無
水フタル酸、琥珀酸、無水琥珀酸、デカメチレンジカル
ボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等のジカルボン酸
のような多価カルボン酸の1種もしくは2種以上と、特
に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオー
ル、1,3−プロパンジオール、1,2−プロピレング
リコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノー
ルA、水添ビスフェノールF等のような多価アルコール
の1種もしくは2種以上とを脱水縮合して得られるポリ
エステルポリオール;ε−カプロラクタムを開環重合し
て得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙
げられ、好適に用いられる。
【0012】上記ポリエステルポリオールは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0013】又、上記ポリエステルポリオールと併用さ
れても良いポリエステルポリオール以外のポリオールと
しては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ
エーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリ
カーボネートポリオール等が挙げられ、好適に用いられ
る。
【0014】上記ポリエステルポリオール以外のポリオ
ールは、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用
されても良い。
【0015】ポリエーテルポリオールとしては、特に限
定されるものではないが、例えば、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等が挙げられ、好適に用いられる。
【0016】上記ポリエーテルポリオールは、単独で用
いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0017】ポリアルキレンポリオールとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、ポリブタジエンポ
リオール、水素化ポリブタジエンポリオール、ポリイソ
プレンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等
が挙げられ、好適に用いられる。
【0018】上記ポリアルキレンポリオールは、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0019】ポリカーボネートポリオールとしては、特
に限定されるものではないが、例えば、ポリヘキサメチ
レンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメ
チレンカーボネートポリオール等が挙げられ、好適に用
いられる。
【0020】上記ポリカーボネートポリオールは、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0021】又、本発明によるホットメルト接着剤組成
物の主成分であるウレタンプレポリマーの合成に用いら
れる多官能イソシアネート化合物としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、トリレンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、M
DIとトリフェニルメタントリイソシアネート等との混
合物(クルードMDI)、フェニレンジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、シクロヘキサンフェニレンジイソシアネ
ート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、イソフ
ォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイ
ソシアネート、エチレンジイソシアネート、メチレンジ
イソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイ
ソシアネート並びにこれらの水素添加物等のような分子
中に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネー
ト化合物が挙げられ、好適に用いられるが、なかでも安
全性や反応性が良好なMDIもしくはクルードMDIが
より好適に用いられる。
【0022】上記多官能イソシアネート化合物は、単独
で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良
い。
【0023】本発明によるホットメルト接着剤組成物の
主成分として用いられるウレタンプレポリマーの合成方
法は、特別なものではなく、例えば、前記ポリエステル
ポリオールを含有するポリオールと上記多官能イソシア
ネート化合物とを、ポリオール中の水酸基に対する多官
能イソシアネート化合物中のイソシアネート基の比率が
当量比で1.2〜15、好ましくは3〜12、となるよ
うな割合で混合し、60〜100℃で数時間反応させる
ことにより行えば良い。
【0024】ポリオール中の水酸基に対する多官能イソ
シアネート化合物中のイソシアネート基の比率が1.2
未満であると、得られるウレタンプレポリマーの粘度が
高くなり過ぎて、取扱い時の作業性が悪くなることがあ
り、逆にポリオール中の水酸基に対する多官能イソシア
ネート化合物中のイソシアネート基の比率が15を超え
ると、得られるホットメルト接着剤組成物が硬化時に発
泡を起こし、接着力が低下することがある。
【0025】上記で得られるウレタンプレポリマーを用
いてホットメルト接着剤組成物を作製する場合、前記ポ
リエステルポリオールのみからなるポリオール又は混合
ポリオールを用いて合成したウレタンプレポリマーを用
いてホットメルト接着剤組成物としても勿論良いし、ポ
リエステルポリオールのみからなるポリオールを用いて
合成したウレタンプレポリマーとポリエステルポリオー
ル以外のポリオールのみからなるポリオールを用いて合
成したウレタンプレポリマーとを予め別々に作製してお
き、これらを混合してホットメルト接着剤組成物として
も良い。
【0026】本発明によるホットメルト接着剤組成物
は、20℃におけるタックフリータイムが60秒以下で
あり、且つ、120℃における体積と20℃における体
積との関係が下記式(1)を満足することが必要であ
る。 (V120 −V20)/V120 =0.03〜0.1 式(1) (式中、V120 はホットメルト接着剤組成物の120℃
における体積を示し、V20はホットメルト接着剤組成物
の20℃における体積を示す)
【0027】本発明で言うタックフリータイムとは、ホ
ットメルト接着剤組成物が120℃における加熱溶融状
態から20℃の雰囲気下における放置状態で冷却固化さ
れ、表面の粘着性を消失するまでの時間を意味する。
【0028】ホットメルト接着剤組成物の上記20℃に
おけるタックフリータイムが60秒を超えると、初期凝
集力や初期接着力の発現が遅くなるか不十分となるのみ
ならず、例えば夏季の高温雰囲気下においてはタックフ
リータイムが更に長くなり、作業性も悪くなる。
【0029】本発明で言う(V120 −V20)/V120
は、ホットメルト接着剤組成物が120℃において熱膨
張されている時の体積(V120 )と20℃まで冷却され
た時の体積(V20)との差をV120 で除した値を意味
し、この値が小さいほどホットメルト接着剤組成物の体
積収縮が少ないと言える。
【0030】ホットメルト接着剤組成物の上記(V120
−V20)/V120 が0.03未満であると、低温雰囲気
下でも体積収縮が極めて小さいという利点を有すること
になるが、ポリエステルポリオールを含有するポリオー
ルを用いて合成されたウレタンプレポリマーを主成分と
するホットメルト接着剤組成物では実質的に達成するこ
とは困難である。
【0031】又、ホットメルト接着剤組成物の上記(V
120 −V20)/V120 が0.1を超えると、体積収縮が
大きく、特に低温雰囲気下における接着力が乏しくな
る。
【0032】本発明によるホットメルト接着剤組成物に
は、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、必須成分である前記ウレタンプレポリマー以外に、
溶融粘度の調整や被着体に対する密着性向上のための粘
着付与樹脂や熱可塑性樹脂等の他の成分が含有されてい
ても良い。
【0033】含有されていても良い粘着付与樹脂として
は、特に限定されるものではないが、例えば、ロジン系
樹脂、水添ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、水添テルペ
ン系樹脂、テルペンフェノール系樹脂、脂肪族石油樹
脂、脂環族石油樹脂、芳香族石油樹脂等の公知の各種粘
着付与樹脂が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0034】上記粘着付与樹脂の軟化点は、特に限定さ
れるものではないが、環球式軟化点で90〜150℃で
あることが好ましい。
【0035】又、上記粘着付与樹脂の添加量は、特に限
定されるものではないが、ウレタンプレポリマー100
重量部に対し、粘着付与樹脂200重量部以下であるこ
とが好ましい。
【0036】ウレタンプレポリマー100重量部に対す
る粘着付与樹脂の添加量が200重量部を超えると、加
熱溶融装置や塗布装置のフィルター保持性が低下した
り、ホットメルト接着剤組成物が低温時に脆弱になるこ
とがある。
【0037】含有されていても良い熱可塑性樹脂として
は、特に限定されるものではないが、例えば、180℃
におけるメルトインデックス(MI)が100以上のエ
チレン−ビニルモノマー共重合体が挙げられ、好適に用
いられる。
【0038】上記エチレン−ビニルモノマー共重合体の
具体例としては、特に限定されるものではないが、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)
アクリル酸共重合体等が挙げられ、これらの1種もしく
は2種以上が好適に用いられる。
【0039】又、含有されていても良い熱可塑性樹脂と
して、特に限定されるものではないが、例えば、SB
S、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性ブロック
エラストマーやポリエチレン、ポリプロピレン、α−オ
レフィン共重合体等のポリオレフィン系樹脂等の1種も
しくは2種以上が用いられても良い。
【0040】上記熱可塑性樹脂の添加量は、特に限定さ
れるものではないが、ウレタンプレポリマー100重量
部に対し、熱可塑性樹脂100重量部以下であることが
好ましい。
【0041】ウレタンプレポリマー100重量部に対す
る熱可塑性樹脂の添加量が100重量部を超えると、ホ
ットメルト接着剤組成物の初期凝集力や初期接着力の発
現が速くなるという利点はあるものの、溶融粘度が著し
く高くなり塗布作業性が低下することがある。
【0042】本発明によるホットメルト接着剤組成物に
は、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、必須成分であるウレタンプレポリマー、必要に応じ
て添加される前記粘着付与樹脂や上記熱可塑性樹脂以外
に、例えば、パラフィンワックスやマイクロクリスタリ
ンワックス等のようなワックス類、アミン系や有機金属
化合物系等のような触媒類、無機もしくは有機充填剤、
増粘剤、チクソ性付与剤、可塑剤、軟化剤、界面活性
剤、カップリング剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が含
有されていても良い。
【0043】アミン系触媒としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル
−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチ
ル)エーテル、N−メチル,N’−ジメチルアミノエチ
ルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基
をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等が挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れる。
【0044】充填剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、雲母粉末、炭酸カルシウム、表面処理
炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、酸化チタ
ン、ゴム粉末、有機バルーン、無機バルーン、ウォラス
トナイト等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0045】又、上記充填剤の形状は、特に限定される
ものではなく、粉末状、鱗片状、球状、塊状、針状等の
いずれの形状であっても良い。
【0046】チクソ性付与剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、コロイド状シリカ、水素添加
ヒマシ油、有機ベントナイト等が挙げられ、これらの1
種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0047】可塑剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
ブチルフタレート、ジラウリルフタレート、ジオクチル
アジペート、ジイソデシルアジペート、トリブチルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、アジピン酸プロ
ピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレング
リコールポリエステル、エポキシ化大豆油、塩素化パラ
フィン、流動パラフィン等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0048】安定剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、商品名「チヌビン327」(チバガイ
ギー社製)、商品名「イルガノックス1010」(チバ
ガイギー社製)、商品名「トミソープ800」(吉富製
薬社製)等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上
が好適に用いられる。
【0049】本発明によるホットメルト接着剤組成物の
製造方法は、特別なものではなく、例えば、加熱装置を
備えたプラストミル、ニーダー、バンバリーミキサー、
ロール等の公知の攪拌混合機を用いて、窒素ガスのよう
な不活性ガス雰囲気下もしくは減圧脱水雰囲気下等で、
必須成分であるウレタンプレポリマーの1種もしくは2
種以上の所定量、必要に応じて添加される粘着付与樹脂
や熱可塑性樹脂の1種もしくは2種以上の所定量、並び
に、必要に応じて添加される上述の各種添加剤の1種も
しくは2種以上の所定量を均一に攪拌混合すれば良い。
【0050】こうして得られたホットメルト接着剤組成
物は、加熱装置を備えたホットメルトアプリケーター、
ロールコーター、スプレー塗布機、ハンドガン等の公知
のホットメルト塗布機を用いて、100〜150℃程度
の塗布温度でビード状、スパイラル状、フォーム状等の
様々なパターンで被着体に塗布することが出来る。
【0051】
【作用】本発明によるホットメルト接着剤組成物は、ポ
リエステルポリオールを含有するポリオールと多官能イ
ソシアネート化合物とから合成されたウレタンプレポリ
マーを主成分としてなり、しかも、その20℃における
タックフリータイムが特定の時間以下となるように規定
されており、且つ、120℃における体積と20℃にお
ける体積との関係が特定の式を満足するように規定され
ているので、初期凝集力や初期接着力の発現が速いのみ
ならず、例えば冬季のような低温雰囲気下においても優
れた塗布性や初期接着力を発揮する。
【0052】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重
量部」を意味する。
【0053】先ず、以下に示すような3種類のウレタン
プレポリマーを合成した。
【0054】1.ウレタンプレポリマー(A)の合成 セパラブルフラスコ中で、1,6−ヘキサンジオールと
アジピン酸とを脱水縮合して得られたポリエステルポリ
オール〔1,6−ヘキサンアジペート(水酸基価4
3)〕1000部を120℃で加熱溶融し、700mm
Hgの減圧下で1時間脱水した。次いで、この溶融物が
100℃になるまで温度調節した後、MDI(商品名
「Isonate125M」、三菱化成ダウ社製)19
3部を投入し、100℃で3時間反応させて、常温で結
晶性を有するウレタンプレポリマー(A)を得た。
【0055】2.ウレタンプレポリマー(B)の合成 セパラブルフラスコ中で、1,6−ヘキサンジオールと
デカメチレンジカルボン酸とを脱水縮合して得られたポ
リエステルポリオール(水酸基価30)1000部を1
20℃で加熱溶融し、700mmHgの減圧下で1時間
脱水した。次いで、この溶融物が100℃になるまで温
度調節した後、MDI「Isonate125M」15
4部を投入し、100℃で3時間反応させて、常温で結
晶性を有するウレタンプレポリマー(B)を得た。
【0056】3.ウレタンプレポリマー(C)の合成 セパラブルフラスコ中で、ポリプロピレングリコール
(水酸基価36)1000部を120℃で加熱溶融し、
700mmHgの減圧下で1時間脱水した。次いで、こ
の溶融物が100℃になるまで温度調節した後、MDI
「Isonate125M」167部を投入し、100
℃で3時間反応させて、常温で液状のウレタンプレポリ
マー(C)を得た。
【0057】(実施例1)
【0058】(1)ホットメルト接着剤組成物の作製 セパラブルフラスコ中で、700mmHgの減圧下、上
記で得られたウレタンプレポリマー(A)80部及びウ
レタンプレポリマー(C)20部を120℃で加熱溶融
し、均一に攪拌混合してホットメルト接着剤組成物を得
た。
【0059】(2)タックフリータイム及び(V120
20)/V120 の測定 上記で得られたホットメルト接着剤組成物のタックフリ
ータイム及び(V120−V20)/V120 を以下の方法で
測定したところ、タックフリータイムは55秒であり、
(V120 −V20)/V120 は0.06であった。尚、測
定は20℃−65%RHの恒温恒湿室で行った。
【0060】タックフリータイム:120℃で加熱溶融
したホットメルト接着剤組成物を、ロールコーターを用
いて、段ボール紙(厚み2mm)に塗布量が50g/m
2 となるように塗布し、塗布直後から5秒毎に普通紙
(厚み20μm)を塗布面に貼り合わせて直ちに剥離
し、普通紙とホットメルト接着剤組成物間の界面剥離が
生じた最短時間を測定し、タックフリータイム(秒)と
した。
【0061】(V120 −V20)/V120 :メスシリンダ
ー中にホットメルト接着剤組成物の所定量を入れ、20
℃における体積(V20)と120℃で加熱溶融した時の
体積(V120 )を測定し、(V120 −V20)/V120
算出した。
【0062】(3)評価 上記で得られたホットメルト接着剤組成物の性能(塗
布性、初期接着力)を以下の方法で評価した。その結
果は表1に示すとおりであった。
【0063】塗布性:温度5℃又は20℃に調温され
たペンタイト製金属板(厚み2mm)のそれぞれに、1
20℃で加熱溶融したホットメルト接着剤組成物をロー
ルコーターを用いて塗布し、塗布状態を目視で観察し
て、下記判定基準にて塗布性を評価した。 〈判定基準〉 ○‥‥金属板の表面全面に塗布されており、塗布状態は
良好である △‥‥金属板の表面に塗布されていない部分があり、塗
布状態はやや不良である ×‥‥金属板の表面に全く塗布されていず、塗布状態は
不良である
【0064】初期接着力:図1に示す接着試験片1を
以下のようにして作製した。ペーパーロールコア(52
セル/100cm2 、高さ34mm)3の上下両面に、
120℃で加熱溶融したホットメルト接着剤組成物をロ
ールコーターを用いて、塗布量が各面40g/m2 とな
るように塗布した後、上下両面にペンタイト製金属板
(厚み0.8mm)2を重ね合わせ、温度100℃、圧
力0.5kg/cm2 の条件で90秒間熱プレスし、次
いで、温度20℃、圧力0.5kg/cm2 の条件で9
0秒間冷プレスして、接着試験片1を得た。得られた接
着試験片1を直ちに温度5℃又は20℃の雰囲気下で調
温した後、同雰囲気下で矢印方向に剥離し、初期接着力
(kgf/25mm)を求めた。又、同時に破壊状態を
目視で観察した。
【0065】(実施例2)表1に示すように、ホットメ
ルト接着剤組成物の作製において、ウレタンプレポリマ
ー(B)30部及びウレタンプレポリマー(C)70部
を混合したこと以外は実施例1と同様にして、ホットメ
ルト接着剤組成物を得た。得られたホットメルト接着剤
組成物のタックフリータイム及び(V120 −V20)/V
120 を実施例1の場合と同様にして測定したところ、タ
ックフリータイムは25秒であり、(V120 −V20)/
120 は0.03であった。
【0066】(比較例1)表1に示すように、ホットメ
ルト接着剤組成物の作製において、ウレタンプレポリマ
ー(A)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、ホットメルト接着剤組成物を得た。得られたホット
メルト接着剤組成物のタックフリータイム及び(V120
−V20)/V120 を実施例1の場合と同様にして測定し
たところ、タックフリータイムは40秒であり、(V
120 −V20)/V120 は0.13であった。
【0067】(比較例2)表1に示すように、ホットメ
ルト接着剤組成物の作製において、ウレタンプレポリマ
ー(B)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、ホットメルト接着剤組成物を得た。得られたホット
メルト接着剤組成物のタックフリータイム及び(V120
−V20)/V120 を実施例1の場合と同様にして測定し
たところ、タックフリータイムは10秒であり、(V
120 −V20)/V120 は0.15であった。
【0068】(比較例3)表1に示すように、ホットメ
ルト接着剤組成物の作製において、ウレタンプレポリマ
ー(C)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にし
て、ホットメルト接着剤組成物を得た。得られたホット
メルト接着剤組成物のタックフリータイム及び(V120
−V20)/V120 を実施例1の場合と同様にして測定し
たところ、タックフリータイムは12時間以上であり、
(V120 −V20)/V120 は0.01であった。
【0069】(比較例4)表1に示すように、ホットメ
ルト接着剤組成物の作製において、ウレタンプレポリマ
ー(B)10部及びウレタンプレポリマー(C)90部
を混合したこと以外は実施例1と同様にして、ホットメ
ルト接着剤組成物を得た。得られたホットメルト接着剤
組成物のタックフリータイム及び(V120 −V20)/V
120 を実施例1の場合と同様にして測定したところ、タ
ックフリータイムは90秒であり、(V120 −V20)/
120 は0.02であった。
【0070】実施例2、及び、比較例1〜4で得られた
5種類のホットメルト接着剤組成物の性能(塗布性、
初期接着力)を実施例1の場合と同様にして評価し
た。その結果は表1に示すとおりであった。
【0071】
【表1】
【0072】表1から明らかなように、本発明による実
施例1及び2のホットメルト接着剤組成物は、常温時は
勿論のこと、低温雰囲気下においても塗布性に優れ、且
つ、初期凝集力の発現が速く、優れた初期接着力を発揮
した。
【0073】これに対し、(V120 −V20)/V120
0.1を超えていた比較例1のホットメルト接着剤組成
物は、常温時の塗布性と初期接着力は優れていたもの
の、低温雰囲気下における塗布性がやや悪く、初期接着
力も材料破壊と界面剥離の混在した破壊状態であり、や
や低かった。
【0074】又、同じく(V120 −V20)/V120
0.1を超えていた比較例2のホットメルト接着剤組成
物は、常温時の塗布性と初期接着力は優れていたもの
の、低温雰囲気下における塗布性が悪く、初期接着力も
界面剥離の破壊状態であり、悪かった。
【0075】さらに、ポリエステルポリオールを含有し
ないポリオール(ポリプロピレングリコール)を用いて
合成したウレタンプレポリマー(C)のみからなる比較
例3のホットメルト接着剤組成物は、常温時及び低温雰
囲気下での塗布性は優れていたものの、タックフリータ
イムが極端に長く、且つ、初期凝集力の発現が極めて遅
いため、常温時及び低温雰囲気下のいずれにおいても凝
集破壊の破壊状態であり、初期接着力が極端に低かっ
た。
【0076】さらに又、タックフリータイムが60秒を
超え、(V120 −V20)/V120 が0.03未満であっ
た比較例4のホットメルト接着剤組成物は、常温時及び
低温雰囲気下での塗布性は優れていたものの、初期凝集
力の発現が遅く、常温時及び低温雰囲気下のいずれにお
いても凝集破壊の破壊状態であり、初期接着力が低かっ
た。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるホット
メルト接着剤組成物は、初期凝集力や初期接着力の発現
が速く、且つ、低温雰囲気下においても優れた塗布性や
初期接着力を発揮すると共に、1液型であるので作業性
も良好であり、最終的には湿気硬化による優れた強度を
発揮するので、例えばハニカムサンドイッチ構造パネル
のような複合パネル等の接着用を始め、接着剤、目地
剤、シーリング剤、被覆剤等として各種用途に好適に用
いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】初期接着力試験の接着試験片を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 接着試験片 2 ペンタイト製金属板 3 ペーパーロールコア ↑↓ 剥離方向

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルポリオールを含有するポリ
    オールの末端水酸基と多官能イソシアネート化合物とを
    反応させて得られる両末端にイソシアネート基を有する
    ウレタンプレポリマーを主成分としてなるホットメルト
    接着剤組成物であって、該ホットメルト接着剤組成物の
    20℃におけるタックフリータイムが60秒以下であ
    り、且つ、120℃における体積と20℃における体積
    との関係が下記式(1)を満足することを特徴とするホ
    ットメルト接着剤組成物。 (V120 −V20)/V120 =0.03〜0.1 式(1) (式中、V120 はホットメルト接着剤組成物の120℃
    における体積を示し、V20はホットメルト接着剤組成物
    の20℃における体積を示す)
JP12624598A 1998-05-08 1998-05-08 ホットメルト接着剤組成物 Pending JPH11323302A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12624598A JPH11323302A (ja) 1998-05-08 1998-05-08 ホットメルト接着剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12624598A JPH11323302A (ja) 1998-05-08 1998-05-08 ホットメルト接着剤組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11323302A true JPH11323302A (ja) 1999-11-26

Family

ID=14930400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12624598A Pending JPH11323302A (ja) 1998-05-08 1998-05-08 ホットメルト接着剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11323302A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009541517A (ja) * 2006-06-30 2009-11-26 シーカ・テクノロジー・アーゲー 延長されたオープンタイムを有する湿気反応性ホットメルト接着剤
WO2010137490A1 (ja) * 2009-05-28 2010-12-02 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン Icカード用湿気硬化型ホットメルト接着剤
WO2019163622A1 (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 Dic株式会社 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009541517A (ja) * 2006-06-30 2009-11-26 シーカ・テクノロジー・アーゲー 延長されたオープンタイムを有する湿気反応性ホットメルト接着剤
US8357453B2 (en) 2006-06-30 2013-01-22 Sika Technology Ag Humidity-reactive hotmelt adhesive with increased open time
WO2010137490A1 (ja) * 2009-05-28 2010-12-02 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン Icカード用湿気硬化型ホットメルト接着剤
JP2010275409A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Henkel Japan Ltd Icカード用湿気硬化型ホットメルト接着剤
WO2019163622A1 (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 Dic株式会社 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5155180A (en) Moisture-curing hot-melt adhesive
SK9462002A3 (en) Adhesion promoters for monomer-free reactive polyurethanes
JP2010528160A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤組成物
KR20110016935A (ko) 히드록실 작용화된 폴리우레탄 핫멜트 프리폴리머
JPH03111475A (ja) 反応性ホットメルト型接着剤組成物
CN109666441A (zh) 一种单组份反应型聚氨酯热熔胶及其制备方法
JPH04222888A (ja) ホットメルト接合法
JP2828917B2 (ja) 湿気硬化性ウレタンシーラント組成物
JPH11323302A (ja) ホットメルト接着剤組成物
JP2018016703A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤及びその製造方法
JP3623149B2 (ja) 湿気硬化型接着剤組成物
TW200301295A (en) Moisture-curing adhesives
JP2001262112A (ja) 湿気硬化型ウレタン系ホットメルト接着剤
JP2001107014A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
JPH11106732A (ja) 接着剤組成物
TW200413426A (en) Solvent-free moisture-curable hot melt urethane resin composition
WO2023182285A1 (ja) 無縫製衣類の製造方法
JPH09286837A (ja) 湿気架橋型ウレタンホットメルト組成物
JPH10218978A (ja) ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及び接着剤組成物
JP2000129239A (ja) 湿気硬化型接着剤組成物
JPH04300985A (ja) 反応性ホットメルト接着剤
CN112694860B (zh) 反应型聚氨酯热熔胶及其制备方法
JP2019065220A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
JPH08259923A (ja) 反応性ホットメルト接着剤組成物
JP2000234009A (ja) 湿気硬化型ウレタン系組成物