JPH11321931A - 電池の保管方法 - Google Patents

電池の保管方法

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JPH11321931A
JPH11321931A JP12751698A JP12751698A JPH11321931A JP H11321931 A JPH11321931 A JP H11321931A JP 12751698 A JP12751698 A JP 12751698A JP 12751698 A JP12751698 A JP 12751698A JP H11321931 A JPH11321931 A JP H11321931A
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oxygen
battery
absorbent
gas
gas barrier
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JP12751698A
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English (en)
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Tatsuo Iwai
辰雄 岩井
Tetsushi Watanabe
哲志 渡辺
Junko Baba
純子 馬場
Shigeru Murabayashi
茂 村林
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の保存時の腐食や起電力低下等の劣化を
防止する。 【解決手段】 本発明は、電池を酸素の吸収に水分を必
要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共にガスバリア性容器
内に密封することで電池の腐食や起電力低下等の劣化を
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池の保管方法に
関する。詳しくは、電池の起電力低下や液漏れ等の品質
低下を起こさず、電池材料の酸化を防ぐ、電池の保管方
法に関する。本発明でいう電池とは、マンガン乾電池、
アルカリマンガン乾電池、リチウム電池、水銀電池、酸
化銀電池、空気亜鉛電池等の一次電池(乾電池)、リチ
ウム二次電池、鉛電池、ニッケルカドミウム電池、ニッ
ケル水素電池等の二次電池(蓄電池)をいう。
【0002】
【従来の技術】電池は大きく陽極、陰極、電解液からな
り、陽極と陰極の酸化還元反応により電流が流れる。こ
のとき陽極、陰極の活物質がそれぞれ還元と酸化を受け
化学変化を起こし、これに伴い僅かながら体積変化をも
たらす。このため、電池は放電するに従いソルティング
(電池封口部分の粉吹き)、クリープ(封口部分からの
電解液のはい上がり)、リーク(封口部分などからの電
解液の漏れ)といった液漏れを起こすこととなる。電池
の電解質は電池の種類により異なるが、水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウムといった腐食性の非常に強い強ア
ルカリを用いていることが多く、漏液した場合、自分自
身はもちろん相手端子を腐食したり、組み込んだ装置自
体に悪影響を及ぼすため非常に大きな問題点であった。
電池の放電は装置に組み込んだ動作時以外にも、保存時
に特に高温多湿雰囲気において自己放電という形で大気
中の水分による放電および電池内部における放電で起こ
る。漏液は製造技術の進歩により著しく減少したがそれ
でもシール部分からの僅かな漏液を完全に無くすことは
困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記課
題を解決して、電池の保存時の腐食や起電力低下等の劣
化を防止することを特徴とする電池の保管方法である。
これまで、電池、または電池材料を脱酸素剤と共に密封
保存する方法が、特開昭60−30052、特開平6−
231808、特開平9−147848に開示されてい
る。しかし、脱酸素剤と密封することにより、漏れた電
解質溶液と酸素との反応による電池材料の酸化、または
漏液した電解溶液がなくても進む酸化し易い金属製の電
池材料の酸化は抑制できても、そもそもの漏液の原因と
なる高湿度雰囲気において生じ易い自己放電を防ぐこと
ができなかった。これは、従来の脱酸素剤として、鉄や
炭化鉄などの鉄粉とハロゲン化金属等の電解質からなる
組成物、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、第一鉄塩等の還元制の
無機塩、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ピロ
ガロール等のポリフェノール類や、グルコース等の還元
性糖類アスコルビン酸やエリソルビン酸等の還元性の多
価アルコール、グリセリン等の還元剤が用いられている
が、何れも酸素吸収反応に水分を必要とし、一般的には
脱酸素剤組成物自身が水分を保有しているので、これら
脱酸素剤を容器内に密閉した場合には、脱酸素剤から発
生する水蒸気により容器内の相対湿度は70%RH(2
5℃)程度の高湿度になるからである。このため、脱酸
素剤と同時にシリカゲル等の乾燥剤を併用することが考
えられるが、その場合は酸素吸収反応に必須である脱酸
素剤中の水分がシリカゲルに奪われ、酸素吸収反応が進
まず酸素吸収性能が劣化してしまうので好ましくなく、
現状で電池材料の酸化を防ぐと同時に自己放電をも防ぐ
効果的な方法がなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、酸素の吸
収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共にガス
バリア性容器内に密封することにより電池を酸素と水分
の両者を除いた環境におくことで、大気中の水分による
自己放電を防ぎ、これにより漏液量を減らすと共に起電
力低下を防ぎ、さらに酸素も除去することにより、僅か
に起こる漏液による金属部分の腐食も防げることを見い
だし、本発明を完成した。そして驚くべきことに、上記
雰囲気に保管していることで、電池の端子部等の腐食や
自己放電による電池容量の低下による起電力の低下を防
止し、品質低下の無い状態で保つことが可能となった。
【0005】すなわち、本発明は、酸素の吸収に水分を
必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共にガスバリア性容
器内に密封することで電池の腐食や電池容量の低下を防
止する電池の保管方法である。また、本発明は、酸素の
吸収に水分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤並びに酸
性ガス吸収剤と共にガスバリア性容器内に密封すること
を特徴とする電池の保管方法である。さらに、本発明に
用いられる酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸収剤
が、不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和基を有す
る鎖状炭化水素重合物を主剤とし酸素吸収促進物質を含
むものであることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
【0007】本発明では、酸素の吸収に水分を必要とし
ない酸素吸収剤と脱湿剤、好ましくはさらに酸性ガス吸
収剤と共に電池をガスバリア性容器内に密封する必要が
ある。ここで容器内の酸素濃度は酸素濃度5%以下、好
ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下がよ
い。また、水分は相対湿度として10%以下、好ましく
は5%以下、さらに好ましくは1%以下がよい。上記の
範囲を超えて酸素並びに水分濃度が高い場合、電池が腐
食したり、起電力の低下を引き起こしたりする。
【0008】本発明に用いられる酸素吸収剤は、酸素吸
収に水分を必要としないものであれば特に制限を受ける
ものではないが、不飽和脂肪酸化合物や不飽和基を有す
る鎖状炭化水素重合物の不飽和有機化合物、ポリアミド
やポリオレフィン等の熱可塑性重合物を主剤とし、遷移
金属塩等の酸素吸収促進物質を含む酸素吸収剤が例示さ
れるが、不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和基を
有する鎖状炭化水素重合物を主剤とし、酸素吸収促進物
質を含む酸素吸収剤が好ましい。
【0009】酸素吸収剤に用いられる不飽和脂肪酸化合
物とは、炭素数が10以上で炭素間に2重結合を持った
不飽和脂肪酸、または該不飽和脂肪酸の塩もしくはエス
テルである。該不飽和脂肪酸およびその脂肪酸の塩もし
くはエステルには、置換基、例えば水酸基やホルミル基
等を有していても良い。また、不飽和脂肪酸化合物は必
ずしも単一物質である必要はなく、2種以上の混合物で
あっても良い。
【0010】不飽和脂肪酸化合物の例として、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、パリナリ
ン酸、ダイマー酸またはリシノール酸等の不飽和脂肪
酸、およびこれらのエステルを含有する油脂、エステル
類や金属塩が挙げられる。また、不飽和脂肪酸として植
物油、動物油から得られる脂肪酸、すなわち、アマニ油
脂肪酸、大豆油脂肪酸、桐油脂肪酸、糠油脂肪酸、胡麻
油脂肪酸、綿実油脂肪酸、菜種油脂肪酸やトール油脂肪
酸等も用いられる。
【0011】また、不飽和基を有する鎖状炭化水素重合
物とは、炭素数10以上で炭素原子間に2重結合を1つ
以上を有した重合物およびその誘導体である。該誘導体
は、置換基として、例えば水酸基、アミノ基、ホルミル
基やカルボキシル基等が存在しても良い。不飽和基を有
する鎖状炭化水素重合物を例示すれば、ブタジエン、イ
ソプレンや1,3−ペンタジエンなどのオリゴマーや重
合体が挙げられ、これらは必ずしも単一物質である必要
はなく、共重合体や2種以上の混合物であっても良い。
不飽和基を有する鎖状炭化水素重合物は、必ずしも純物
質である必要はなく、その製造時に混入してくる溶媒等
の少量の不純物は、常識的な範囲で許容される。
【0012】本発明に用いられる酸素吸収促進物質とし
ては、有機化合物の酸化を促進する金属塩やラジカル開
始剤を例示することができる。金属塩としては、Cu、
Fe、Co、Ni、CrやMn等の遷移金属塩が好まし
く、遷移金属塩として、例えばナフテン酸遷移金属塩や
不飽和脂肪酸遷移金属塩が好適に用いられる。
【0013】酸素吸収剤の主剤及び酸素吸収促進物質が
液状物質である場合は、これらを担持させることが好ま
しく、担体物質としては、天然パルプ、合成パルプから
なる紙や合成紙、不織布、多孔フィルム、シリカゲル、
アルミナ、活性炭、モレキュラーシーブス等の合成ゼオ
ライト、モルデナイト、エリオナイト等の天然ゼオライ
ト、パーライトや活性白土等の粘土鉱物等が例示され
る。また、担体物質として、脱湿剤や酸性ガス吸収剤に
選定されるものを選び、担体に脱湿能や酸性ガス吸収能
を持たせることも実質的な使用方法である。
【0014】酸素吸収剤における各成分の割合は、主剤
100重量部に対し、酸素吸収促進物質は0.01〜4
0重量部の範囲であり、担体物質は1〜1000重量部
の範囲である。
【0015】本発明に用いられる脱湿剤としては、天然
パルプ、合成パルプからなる紙や合成紙、シリカゲル、
アルミナ、活性炭、モレキュラーシーブス等の合成ゼオ
ライト、モルデナイト、エリオナイト等の天然ゼオライ
ト、パーライト、活性白土、生石灰、酸化バリウム、塩
化カルシウム、臭化バリウム、水素化カルシウム、硫酸
カルシウム、塩化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫
酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、塩化亜鉛等が例示され
る。また、脱湿剤として、酸素吸収剤や酸性ガス吸収剤
に選定されるものを選び、脱湿能を持たせることも実質
的な使用方法であり、この場合には改めて脱湿剤を加え
る必要はない。さらにこれら脱湿剤は必ずしも単一物質
である必要はなく、2種以上の混合物であっても良い。
【0016】本発明に用いられる酸性ガス吸収剤として
は、密封雰囲気に存在する二酸化炭素等の酸性物質を吸
収又は吸着できる物質であればよく、例えば、紙や合成
紙、合成樹脂類、モレキュラーシーブス等の合成ゼオラ
イト、モルデナイト、エリオナイト等の天然ゼオライト
や活性炭に例示される多孔性物質類ならびにアルカリ金
属またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸
塩、有機酸塩や有機アミン類が用いられる。また、酸性
ガス吸収剤として、酸素吸収剤や脱湿剤に選定されるも
のを選び、酸性ガス吸収能を持たせることも実質的な使
用方法であり、この場合には改めて酸性ガス吸収剤を加
える必要はない。さらにこれら酸性ガス吸収剤は必ずし
も単一物質である必要はなく、2種以上の混合物であっ
ても良い。
【0017】本発明の酸素吸収剤および脱湿剤の使用量
としては、酸素吸収剤は、少なくともガスバリア性の密
封容器内の空間容積の酸素を吸収することができる量で
あり、好ましくはその量の1.1〜10倍の範囲であ
り、また脱湿剤は、少なくともガスバリア性の密封容器
内の空間容積の水分を吸収することができる量であり、
好ましくはその量の1.1〜500倍の範囲であり、ガ
スバリア性の密封容器のバリア性能に応じ適宜選ばれ
る。
【0018】本発明の酸素吸収剤、脱湿剤、さらには酸
性ガス吸収剤は、各成分を混合して用いることも可能で
ある。これらの単一剤あるいは混合物は適宜、粉体、顆
粒、錠剤やシート状等にして用いられる。酸素吸収剤、
脱湿剤、さらには酸性ガス吸収剤は、被保存物品に直接
触れることは好ましくなく、通常は、例えば紙、不織
布、プラスチック等を基材とする通気性包材に包装して
包装体として使用される。また酸素吸収剤は、その一部
あるいは全部を、脱湿剤さらには酸性ガス吸収剤と一緒
の包装体としても、また各々別の包装体としても良い。
包装体の形態は必ずしも限定されず、目的に応じて、例
えば、小袋、シート、ブリスター包装体等が挙げられ
る。包装体の包装材料および構成は特に限定されない。
また防塵対策として、上記包装体を酸素、水分及び酸性
ガスの透過性に支障を来さず、かつ包装体から発生する
ダストを外部に放出させない無塵包材で更に覆い、二重
包装体とすることも可能である。しかし包装体自体に防
塵対策が施されている場合には、改めて無塵包材で覆う
必要はない。
【0019】本発明のガスバリア性の容器は、目的に応
じて、例えば、プラスチックフィルム袋、プラスチック
容器、金属容器、ガラス容器等が挙げられる。また、保
管期間が長い場合は、特にガスバリア性の高い容器が好
ましい。さらにガスバリア性の容器は、内容物を容器外
から確認できるように、容器が透明なガスバリア性の材
質で構成されることが望ましい。不透明な素材の場合
は、透明なガスバリア性の材質を一部組み合わせること
も実質的な使用方法である。
【0020】プラスチックフィルム袋は、アルミニウム
箔等の金属箔や、酸化珪素や酸化アルミニウム等を蒸着
したガスバリア性の高いラミネートフィルムが好適であ
る。例えば酸化珪素蒸着のラミネートフィルムはガスバ
リア性も高く、透明で内容物が確認できるので有用であ
る。アルミニウム箔フィルム袋等の不透明袋にて内容物
の確認が必要な場合、透明なガスバリア性の材質を一部
に組み合わせて使用することも実質的な使用方法であ
る。
【0021】プラスチックフィルム袋のガスバリア性と
しては、25℃、60%RHにおける酸素透気度が20
ml/m2 ・day ・atm 以下、好ましくは5ml/m2
・day ・atm 以下、更に好ましくは1ml/m2 ・day
・atm 以下で、かつ40℃、90%RHにおける水蒸気
透過度が5g/m2 ・day 以下、好ましくは1g/m 2
・day 以下である。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定さ
れるものではない。 実施例1 ガス吸収剤包装体の製造:下記処方の酸素吸収剤5gと
脱湿剤並びに酸性ガス吸収剤として生石灰2.5gとを
混合し、内面に開孔したポリエチレンフィルムをラミネ
ートした紙の小袋(内寸サイズ、5cm×7.5cm)
に充填し、ガス吸収剤包装体(以下、単にガス吸収剤と
いう)を製造した。ここで酸素吸収剤は、主剤の不飽和
有機化合物に大豆油を、また酸素吸収促進物質にナフテ
ン酸コバルト(Co含有量8重量%品)を選び、大豆油
100重量部とナフテン酸コバルト2重量部の混合物に
天然ゼオライト(モルデナイト)350重量部を加え、
ブレンダーで混合した後、25℃で10分間静置して流
動性のある粉粒体とした。
【0023】Al箔積層フィルム袋:PET/Al箔/
LLDPEよりなる構成の厚さ120μmのアルミニウ
ム箔ラミネートプラスチックフィルムを用い、LLDP
E面を三方シールして、サイズ220mm×300mm
のAl箔積層フィルム袋を製袋した。なお、このAl箔
積層フィルム袋は、25℃、60%RHにおける酸素透
気度が0.09ml/ m2 ・day ・atm で、かつ40℃、90
%RHにおける水蒸気透過度が0.002g/m2 ・day の高い
ガスバリヤ性能を有する。
【0024】アルカリ乾電池の保管:松下電池工業(
株) 製アルカリ乾電池LR(G)C8511M 10本と上記に製造
したガス吸収剤1包とを、Al箔積層フィルム袋に空気
500ml(25℃、75%RH)と共に入れ、袋の開
口部をヒートシールして密封した。このAl箔積層フィ
ルム袋を60℃、95%RHの雰囲気下で6ヶ月間放置
した。6ヶ月間保管した上記Al箔積層フィルム袋内の
酸素濃度並びに水分濃度をガスクロマトグラフを用い測
定したところ、表1に示した通り、保存系内は実質的に
酸素並びに水分のない状態に維持されていたことが確認
された。そして開封して試験片の目視による変色確認を
実施したところ、液漏れや腐食は見られず、初期の状態
を維持していた。この電池を( 株) 三和電気製作所製MU
LTITESTER SP-15Dを用い10Ω負荷時の起電力を測定し
た。結果を表1に示す。
【0025】比較例1 比較例1は、実施例1に用いたものと同じ電池を用い、
ガスバリア性容器に収納密封することなく、60℃、9
5%RH雰囲気下で6ヶ月間放置し、実施例1における
と同様に目視観察、起電力測定を実施した。結果を表1
に示す。比較例1では液漏れが起こり、漏れた液により
電極部に錆が激しく発生し、最外層の印刷部分の剥離が
見られた。
【0026】比較例2〜4 実施例1に用いた電池を用いAl箔積層フィルム袋に密
封保管する際に、それぞれ、比較例2ではフジ・シリカ
ゲルA形(富士デヴィソン化学(株)製、10g入り)
1個を、また比較例3では酸素吸収反応に必要な水分を
保有する自力反応型鉄粉系脱酸素剤(エージレスZ−1
00PT、三菱ガス化学(株)製造)1個を、さらに比
較例4ではガス吸収剤を同封することなく電池だけをそ
れぞれ空気500mlと共に密封し、それぞれ実施例1
におけると同様に、保管及び目視評価を実施した。結果
を表1に示す。比較例2〜4ではそれぞれ錆の発生や起
電力低下が見られた。
【0027】実施例2〜5 実施例1のガス吸収剤における酸素吸収剤の主剤と酸素
吸収促進物質の組み合わせを、それぞれ次のように変
え、実施例1と同様にして、ガス吸収剤を製造した。ま
た保存する電池を実施例1のアルカリ乾電池から富士写
真フィルム( 株)製リチウム電池FR6/2Bに変えて保管を
行った。 酸素吸収主剤(100 重量部) 酸素吸収促進物質(2 重量部) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 実施例1 大豆油 ナフテン酸コバルト 実施例2 トール油脂肪酸 トール油脂肪酸コバルト 実施例3 大豆油 トール油脂肪酸コバルト 実施例4 大豆油+液状ホ゜リイソフ゜レン ナフテン酸マンガン 実施例5 液状フ゛タシ゛エンオリコ゛マー トール油脂肪酸マンガン 酸素吸収剤の主剤と酸素吸収促進物質の組み合わせの異
なる上記のガス吸収剤を用い、それぞれ実施例1と同様
に、電池の保管及び目視評価を実施した。結果を表2に
示す。実施例1と同様に、実施例2〜5の全ての試験区
で保管後も保存前の初期状態から変化はなく、また起電
力低下も認められなかった。
【0028】実施例6 実施例6では、実施例1の保管条件を60℃、95%R
Hから25℃、90%RH雰囲気下で1年間とした他は
実施例1と同様にして行った。その結果を表3に示す。
保管後も保存前の初期状態から変化はなく、また起電力
低下も認められなかった。
【0029】実施例7 実施例7では、ガス吸収剤包装体中、脱湿剤並びに酸性
ガス吸収剤として用いる生石灰を10.0gとし、保管
条件を60℃、95%RHから25℃、90%RH雰囲
気下で1年間とし、また、Al箔積層フィルム袋をテッ
クバリヤ(三菱化学(株)製酸化ケイ素蒸着ガスバリヤ
性フィルム)/LLDPEの構成よりなる厚さ112μ
mシリカ蒸着フィルム袋に変更した他は実施例1と同様
にして行った。なお、このシリカ蒸着フィルム袋は、2
5℃、60%RHにおける酸素透気度が0.9ml/m
2 ・day ・ atm で、かつ40℃、90%RHにおける水
蒸気透過度が0.5g/m2 ・day の高いガスバリヤ性
能を有する。その結果を表3に示す。実施例6と同様
に、保管後も保存前の初期状態から変化はなく、また起
電力低下も認められなかった。
【0030】比較例5 比較例5では、実施例7のシリカ蒸着フィルム袋を、塩
化ビニリデンをコートしたナイロン/PE/LLDPE
の構成よりなる厚さ95μmのKコートナイロンフィル
ム袋に変更した他は実施例7と同様にして行った。な
お、このKコートナイロンフィルム袋は、25℃、60
%RHにおける酸素透気度が8.3 ml/m 2 ・day ・ at
m 、かつ40℃、90%RHにおける水蒸気透過度が1
0g/m2・day で、上記のAl箔積層フィルム袋やシ
リカ蒸着フィルム袋に比べてガスバリヤ性能は低く、本
発明に用いられるガスバリヤ性容器ではない。その結果
を表3に示す。実施例6や実施例7と異なり、錆の発生
や起電力低下が見られた。
【0031】比較例6 比較例6では、実施例7のシリカ蒸着フィルム袋を、厚
さ60μmのLLDPEフィルム袋に変更した他は実施
例7と同様にして行った。なお、このLLDPEフィル
ム袋は、25℃、60%RHにおける酸素透気度が20
00ml/m2・day ・ atm 、かつ40℃、90%RH
における水蒸気透過度が20g/m2 ・day で、上記の
Al箔積層フィルム袋やシリカ蒸着フィルム袋に比べて
ガスバリヤ性能は低く、本発明に用いられるガスバリヤ
性容器ではない。その結果を表3に示す。実施例6や実
施例7と異なり、錆の発生や起電力低下が見られた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、電池を酸素の吸収に水
分を必要としない酸素吸収剤と脱湿剤と共に、好ましく
はさらに酸性ガス吸収剤と共に、ガスバリア性容器内に
密封するだけの極めて簡便な方法で、電池の漏液による
腐食や起電力低下を防止することができる。
フロントページの続き (72)発明者 村林 茂 東京都千代田区丸の内2丁目5番2号 三 菱瓦斯化学株式会社本社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池を酸素の吸収に水分を必要としない
    酸素吸収剤と脱湿剤と共にガスバリア性容器内に密封す
    ることを特徴とする電池の保管方法。
  2. 【請求項2】 電池を酸素の吸収に水分を必要としない
    酸素吸収剤と脱湿剤並びに酸性ガス吸収剤と共にガスバ
    リア性容器内に密封することを特徴とする電池の保管方
    法。
  3. 【請求項3】 酸素の吸収に水分を必要としない酸素吸
    収剤が不飽和脂肪酸化合物および/または不飽和基を有
    する鎖状炭化水素重合物を主剤とし、酸素吸収促進物質
    を含むものである請求項1または2に記載の電池の保管
    方法。
JP12751698A 1998-05-11 1998-05-11 電池の保管方法 Pending JPH11321931A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014029818A (ja) * 2011-08-23 2014-02-13 Nippon Shokubai Co Ltd ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014029818A (ja) * 2011-08-23 2014-02-13 Nippon Shokubai Co Ltd ゲル電解質又は負極合剤、及び、該ゲル電解質又は負極合剤を使用した電池

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