JPH11321895A - 合成樹脂製バリア性チューブ容器 - Google Patents

合成樹脂製バリア性チューブ容器

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JPH11321895A
JPH11321895A JP10153680A JP15368098A JPH11321895A JP H11321895 A JPH11321895 A JP H11321895A JP 10153680 A JP10153680 A JP 10153680A JP 15368098 A JP15368098 A JP 15368098A JP H11321895 A JPH11321895 A JP H11321895A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエステル樹脂を用いて成形する延伸チュ
ーブ容器の特に水蒸気バリアー性を向上させることにあ
る。 【解決手段】 芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエ
ステルと脂肪族ボリエーテルとの熱可塑性ポリエステル
エラストマー、芳香族ポリエステルと脂肪族ボリエステ
ルとの熱可塑性ポリエステルエラストマーの中から選択
されるいずれかの樹脂を成形原料としてを射出成形法に
より成形した筒形状の一次成形体を、軸方向と径方向に
二軸延伸ブロー成形することにより得られる肩部と胴部
が一体成形された二次成形体である容器の内面の全面お
よび/または外面の全面にエポキシ樹脂を3 〜80μmの
厚さにコーティングした事を特徴とするバリア性チュー
ブ容器であって、前記一次成形体の成形原料の熱可塑性
ポリエステルエラストマーの結晶融点が150 ℃〜230
℃、密度が1.05〜1.29g/cm3 、かつ、曲げ弾性率が100
〜9000Kg/cm2の範囲にあること及び前記二次成形体であ
る容器の肩部から下の胴部の肉厚が80〜 800μmである
ことを含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルコポ
リマーを用いて成形する二軸延伸ブロー成形チューブ容
器のバリア性を向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチック材料を主体とするスクイズ
性チューブ容器は、柔軟性、内容物の保存性、携帯性に
優れている事から、練り歯磨き、化粧品、医薬品、食
品、日用品等の容器として広く使用されている。プラス
チックチューブ容器に保存する内容物の成分には、空気
中の酸素が容器内部まで透過して酸化的に変質するもの
や、浸透性に富み、チューブ材質との親和性が高いた
め、チューブ容器物性を著しく低下させる界面活性剤、
溶剤、油性香料等が含まれる事が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】単一素材から成形され
るポリエステルの延伸ブローチューブは、リサイクル
性、外観が優れているが、水蒸気バリア性が乏しいた
め、水性内容物の重量減少を防止できないことに問題が
ある。また肉厚を厚くすれば、水蒸気バリア性は改善さ
れるが、屈曲性が乏しくなり、使用感、使用性を悪化す
る問題がある。本発明の課題は、ポリエステル樹脂を用
いて成形する延伸チューブ容器の特に水蒸気バリアー性
を向上させることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ポリエ
ステル樹脂、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテル
との熱可塑性ポリエステルエラストマー、芳香族ポリエ
ステルと脂肪族ポリエステルとの熱可塑性ポリエステル
エラストマーの中から選択されるいずれかの樹脂を成形
原料としてを射出成形法により成形した筒形状の一次成
形体を、軸方向と径方向に二軸延伸ブロー成形すること
により得られる首部と肩部と胴部とが一体成形された二
次成形体である容器の内面の全面および/または外面の
全面にエポキシ樹脂を3 〜80μmの厚さにコーティング
した事を特徴とするバリア性チューブ容器であって、前
記一次成形体の成形原料の熱可塑性ポリエステルエラス
トマーの結晶融点が150 ℃〜230 ℃、密度が1.05〜1.29
g/cm3 、かつ、曲げ弾性率が100 〜9000Kg/cm2の範囲に
あること及び前記二次成形体である容器の肩部及び胴部
の肉厚が80〜800 μmであることを含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図面等を用い
て詳細に説明する。図1は、本発明のバリア性チューブ
容器の、(a)正面図、(b)Y部拡大断面図(外面コ
ート)、(c)Y部拡大断面図(内面コート)である。
図2は、本発明の一次成形体であるパリソンの正面図で
ある。本発明による合成樹脂製バリア性チューブ容器の
チューブ容器の成形方法は、先ず、有底筒形状のコール
ドパリソンFを射出成形法により成形する。このコール
ドパリソンFは首部(または口元部)を含む肩部と胴部
が一体構成される。
【0006】次に、前記コールドパリソンFを延伸効果
の出る温度帯まで加熱し、その肩部をブロー金型の一部
である肩部サポートにより保持し、ブロー金型内にコー
ルドパリソンの胴部を位置させる。コールドパリソンF
内には延伸ロッドが挿入され、圧力流体を注入するため
の通路が形成されている。延伸効果の出る温度帯にある
うちに延伸ロッドを前進させて軸方向yに1軸延伸する
と共に、胴部にエアーを注入して径方向xに延伸して二
軸延伸ブロー成形を行う。延伸倍率は、コールドパリソ
ンの肉厚に依存するが、1軸、2軸とも2〜7倍程度が
望ましい。本発明の合成樹脂製バリア性チューブ容器P
は、上記のようにして得られる容器本体1と該容器本体
1の口元部から内容物を充填した後、該口元部において
ねじ4m,4nにより螺合して密封するキャップ2とか
ら構成されている。
【0007】このようにして、得られる合成樹脂製バリ
ア性チューブ容器Pは、そのままでは容器本体1におい
て水蒸気バリア性に劣り、液体系の内容物を収納して長
期に保存した場合には、前記容器の側壁または底部から
内容物の水分をはじめ、その他の液体成分が蒸散してし
まう。その対策として鋭意検討の結果、本発明者らは、
前記2軸延伸容器の内容物収納部C側、すなわち、内面
もしくは外面、更には内外面の全面にエポキシ系樹脂を
コーティングする事により、水蒸気バリア性を付与する
ことが可能であることを見出し、各種の実験とともに本
発明を完成するに到った。エポキシ樹脂を、前記チュー
ブ容器の内面にコーティングした場合は、耐内容物性が
向上する。これはエポキシ樹脂のもつ耐内容物保存性に
依存する。本発明においては、前記エポキシ樹脂のコー
ティング層の厚さを3 〜80μmとする。エポキシ樹脂層
の厚さが 3μm未満の場合には、十分なバリア性を発現
しない、また、エポキシ樹脂層の厚さが80μmを超える
とチューブ容器の屈曲性・柔軟性に問題が発生する。本
発明における合成樹脂製バリア製チューブ容器における
エポキシ樹脂のコーティング方法は、浸漬法、スプレー
コーティング法、ロールコーティング法あるいは印刷法
等を利用することができるが、これらの方法に限定され
るものではない。
【0008】本発明について、更に詳細に説明する。ま
ず、本発明における筒状体の一次成形体(コールドパリ
ソン)Fの成形原料として使用する芳香族ポリエステル
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
テトラメチレンテレフタレートからなる1種もしくは1
種類以上からなる共重合体、混合物よりなる。コールド
パリソンFに使用するエラストマー樹脂は、柔軟性に富
む熱可塑性ポリエステルエラストマーを使用する。熱可
塑性ポリエステルエラストマーとは、(AB)n型マルチ
ブロック型のコポリマーであり、結晶性の高融点ポリエ
ステルブロック単位(ハードセグメント)と低いガラス
転移温度(Tg)の非晶性ブロック単位(ソフトセグメン
ト)から合成される。
【0009】ハードセグメントにポリブチレンテレフタ
レート単位、ソフトセグメントにポリ(テトラメチレン
オキシド)グリコール(PTMG)のような脂肪族ポリエー
テル単位を用いて共重合した芳香族ポリエステル/脂肪
族ポリエーテル型の熱可塑性ポリエステルエラストマ
ー、また、ハードセグメントにポリブチレンテレフタレ
ート単位、ソフトセグメントにポリカプロラクトンンや
ポリブチレンアジペートの様な脂肪族ポリエステルを共
重合した芳香族ポリエステル/脂肪族ポリエステル型の
熱可塑性ポリエステルエラストマーが最も適している。
【0010】使用する熱可塑性ポリエステルエラストマ
ーの樹脂物性としては、結晶融点が150 ℃〜230 ℃、よ
り望ましくは180 ℃〜210 ℃、密度が1.05〜1.29g/c
m3 、より望ましくは1.10〜1.20g/cm3 、かつ曲げ弾性
率が 100〜9000Kg/cm2、より望ましくは、1000〜6000Kg
/cm2の範囲にある熱可塑性ポリエステルエラストマーが
望ましい。結晶融点が高くなると、得られるチューブ容
器の柔軟性が悪くなり、逆に、結晶融点が低くなるとコ
ールドパリソン成形樹脂の成形性が悪くなる。密度が高
くなると、バリア性、特に酸素バリア性は良くなるが、
チューブ容器の柔軟性がわるくなり、密度が低くなる
と、2軸延伸処理してもバリア性が著しく悪くなる。弾
性率は、結晶融点とほぼ比例関係にある。
【0011】前述のようにして得られた二軸延伸工程で
得られたブローチューブ容器の半製品は、チューブ容器
の底部となる下端の適当な箇所を切断することで、チュ
ーブ容器とすることができる。チューブ容器の底部の前
記切断方法は、金属カッターによる切断方法の他、熱線
や超音波切断法等が使用できる。胴部は二軸延伸効果に
より、ガスバリア性が高くなると同時に、透明性、表面
平滑性が向上し、機械的物性も著しく改善できる。ま
た、使用樹脂原料として熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを使用した場合、従来のポリエチレンテレフタレー
トと異なり容器の使用性、特に、柔軟になるため、絞り
出し性が格段に向上し、内容物の容器残留の問題が解消
される。
【0012】そこで、本発明者らは、前記2軸延伸ブロ
ー成形法により得られた容器の水蒸気バリア性を向上さ
せるために、前記容器の外面および/または内面にエポ
キシ樹脂をコーティングすることを試みて、その結果、
目的とする水蒸気バリア性の良好なチューブ容器を得る
ことができ、本発明を完成するに至ったものである。
【0013】チューブ容器にコーティングするエポキシ
樹脂としては、末端にエポキシ基を有する分子量が300
〜10,000程度のオリゴマー性樹脂であり、製造原料の種
類によって、グリシジルエーテル型、グリシジルエステ
ル型、グリシジルアミン型がある。グリシジルアミン型
は、分子中に窒素原子を有するが、その他のエポキシ樹
脂は窒素原子を持たない。グリシジルアミン型は、安定
性が悪く、硬化剤との反応の段階でゲル化し易い問題が
あり、安定性の高いグリシジルエーテル型、あるいはグ
リシジルエステル型が望ましい。
【0014】これらのエポキシ樹脂の中で、グリシジル
エーテル型は、アルコール性水酸基を有するアルコール
類、あるいはフェノール類、グリシジルエステル型は、
カルボン酸を官能基として有する活性水素含有化合物類
をエピクロルヒドリンでエポキシ化して得られる。通
常、アルカリ存在下で反応を行い、一回の反応でエポキ
シ化する方法や二回以上の反応を経てエポキシ化する。
反応には、三級アミン、四級アミン、トリフェニルホス
フィン等の触媒を使用することも出来る。他の方法とし
ては、二重結合を有する化合物を過酸化水素もしくは過
酸で液相酸化する方法、二重結合を有する化合物を空気
酸化する方法、イリドを用いる方法があるが、これらに
限定されるものりではない。反応は、ビスフェノールA
とエピクロルヒドリンとの反応では、ビスフェノール1
モルに対して、エピクロルヒドリンは2モル以上必要で
ある。温度は 5〜 150℃の範囲で行うのが一般的である
が、これに限定されるものではない。反応溶媒として
は、原料が溶解する溶媒であれば良いが、好ましくは、
アルコール類が望ましい。アルコール類としては、メタ
ノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノー
ル等の低級アルコールの他に、2-メトキシエタノール、
2-エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、ま
た、多価アルコール類も使用できる。
【0015】この様にして得られるグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂としては、その基本骨格から、ビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノー
ルA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS
型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン
型、フルオレン型の分子中にエポキシ基を2個有する二
官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソク
レゾールノオラック型、DPP ノボラック型、トリス・ヒ
ドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン
型の分子中にエポキシ基を3個以上有する他官能エポキ
シ樹脂がある。また、これらの芳香族エポキシ樹脂の他
に、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-
プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ールネ等の2価以上の脂肪族アルコール類ををエピクロ
ルヒドリン、あるいはジクロルヒドリンでエポキシ化し
た脂肪族エポキシ樹脂も使用できる。
【0016】グリシジルエステル型エポキシ樹脂として
は、分子中に、カルボキシル基(-COOH )を2個以上有
する芳香族、あるいは脂肪族カルボン酸とエピクロルヒ
ドリン、あるいはジクロルヒドリンとの反応で得ること
ができる。芳香族では、フタル酸、イソフタル酸、テレ
フタル酸のエポキシ化物等がある。(23)これらのエ
ポキシ樹脂は、1種類のエポキシ樹脂、あるいは2種以
上のエポキシ樹脂を混合して使用しても良い。
【0017】エポキシ樹脂の分子量は300 〜10,000(数
平均分子量)、重合度(n)は0.1〜20、エポキシ当量
は100 〜10,000g/eq、粘度は20〜40,000ps(25℃)であ
る。
【0018】エポキシ樹脂と反応させる硬化剤として
は、重付加型ポリアミン、重付加型酸無水物、重付加型
ポリフェノール、重付加型ポリメルカプタン、重付加型
イソシアネート、重付加型有機酸、触媒型硬化剤、縮合
型硬化剤、等がある。この中で、反応性に富むポリアミ
ン系硬化剤や有機酸やその誘導体(エステル、酸無水
物)が広く使用されているが、特に限定されるものでは
ない。ポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンアミン、メタキシリレンジアミン、
イソホロンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキ
サン、ジアミノジフェニルメタン、等の未変性ポリアミ
ン、ポリアミド、ケチミン、エポキシ変性帯(エポキシ
アダクト)等の変性ポリアミン、有機酸誘導体として
は、シュウ酸、フタル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフ
タル、ピロメリット酸、シクロペンタジエンメチルマレ
イン、ドデシルコハク酸、ジクロマレイン、クロレンジ
ック酸、あるいはこれらのエステル体、無水物体等があ
るが、これらに限定されるものではない。硬化反応を促
進する三級アミン等を極く少量添加しても良い。また、
これらの硬化剤は、1種のみとしてもよく、2種以上の
硬化剤を組み合わせて用いてもよい。
【0019】硬化剤とエポキシ樹脂の反応により、樹脂
皮膜中に三次元架橋構造が形成され、エポキシ樹脂の物
性、特に、機械的強度、電気的特性、耐熱性、耐薬品
性、接着性、並びにガス遮断性を効果的に改善すること
ができる。
【0020】本発明におけるエポキシ樹脂の硬化反応は
溶媒中で行う。使用可能な溶媒としてはエポキシ樹脂と
硬化剤が可溶化する溶媒であれば使用可能である。具体
的には脂肪族炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、
エステル系溶媒、ケトン系溶媒、あるいはアルコール系
溶媒等が使用できる。溶媒は単独、あるいは2種以上の
溶媒を混合しても良い。アルコール系溶媒では、メタノ
ール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、等の低級アルコールの他に、2-メトキシエタノー
ル、2-エトキシエタノール等のグリコールエーテル類、
また、多価アルコール類も使用できる。
【0021】硬化反応は、常温、あるいは加温しながら
行う。概ね5 ℃〜150 ℃の範囲で行うが、高温過ぎると
ゲル化反応が起こり、硬化反応後のコーティング性が悪
くなる。必要に応じて、窒素気流を反応容器に導入し、
酸素ガスの影響を除く。また、硬化剤の添加量は、エポ
キシ樹脂のエポキシ基の数で任意に選択されるが、酸無
水物の場合は、触媒的硬化も有するので、0.1 〜0.5 エ
ポキシ当量が一般的である。ただし、硬化剤の量は、三
次元構造を決定し、硬化膜の物性に影響を及ぼす要因な
ので、その量は注意を払う必要がある。
【0022】硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂層3は、
やや脆いという欠点がある。特に、本発明では、皮膜を
形成する被着材が蒸着フィルムの蒸着なので、曲げ弾性
係数が大きい樹脂皮膜は硬化が少ない。可撓性を付与す
る方法としては次の方法があるが、これらの方法に限定
されるものではない。 可塑剤を添加し、硬化物中に未反応物として長鎖状の
化合物を残存させる方法 可塑剤:ジブチルフタレート、有機酸のエチレングリコ
ールのエステル、テトラヒドロフルフリルアルコールの
エチレンオキシド付加物 硬化時に長鎖状化合物をエポキシ基とが反応するよう
な物質(可撓性付与剤)を添加する方法 希釈剤を使用する。 希釈剤:ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジル
エーテル、ジグリシジルエーテル、ブタンジオールグリ
シジルエーテル、等 充填剤を使用する。 充填剤:マイカ粉末、シリカまたは石英粉末、炭酸カル
シウム、アルミナ、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ガラ
ス粉末 プラスチック樹脂を添加する。 プラスチック樹脂:ポリスチレン、ポリプロピレン、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン、
ポリアミド、等
【0023】このようにして得られる2軸延伸PET 容器
の外面または内面の全面または、外内の両面全面にエポ
キシ樹脂層3を設けた合成樹脂製バリア性チューブ容器
Pは、液体の内容物を充填し、密封保存をしても、内容
物中の水分をはじめとする液体成分が容器の壁を通して
蒸散することなく、流通容器として使用可能となった。
本発明の合成樹脂製バリア性チューブ容器の原料である
ポリエステル系樹脂は再生により、他用途へ利用が可能
であるため、使用後の容器を回収・再生により省資源の
観点からも有用なものである。
【0024】エポキシ系樹脂は、わずかな有色性を示す
ので、本発明の合成樹脂製バリア製チューブ容器におい
ては、前記の色がチューブの表面に表れないようにする
ために、前記チューブの表面に直接印刷を施すことによ
り解決できる。また、直接容器の表面に印刷する代わり
に、印刷を施したラベルを貼付してもよい。あるいは、
前記チューブ容器に印刷を施したシュリンクフィルムに
より被覆し、熱収縮してチューブ容器に密着させてもよ
い。
【0025】
〔実施例1〕
使用樹脂:熱可塑性ポリエステルエラストマー 芳香族ポリエステル/脂肪族ポリエーテル型エラストマー (東洋紡 ペルプレン、P-40H ) 密度:1.12g/m3、曲げ弾性率520kg/cm2 、結晶融点172 ℃ 該樹脂を射出成形法により図2に示す予備成形体でネジ
山部を有するチューブ用コールドパリソンFを成形し
た。射出バレル温度は240 ℃とした。このコールドパリ
ソンを90℃に加熱保持した後、二軸延伸ブロー成形法に
より、図1に示す胴部肉厚が0.3mm 、胴部径が35mmの有
底部を有するボトル形状の成形体を得た。更に下記コー
ティングAの入った液槽内に前記成形体を浸け、容器外
面に10μm(乾燥)をコーティング、反応温度120 ℃で
1時間熱硬化させた後、チューブ容器の肩下長となる13
0mm の位置で水平方向に金属カッターで切断してチュー
ブ容器を得た。 コーティング剤A:510gのビスフェノールAのグリシジ
ルエーテル誘導体を反応容器に入れ、2Lの1-エトキシ
-2- プロパノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マ
グネチックスターラーで攪拌し、80℃で徐々に溶解し
た。溶解後、温度を80℃に維持したまま、83℃のトリエ
チレンテトラミンを1Lのn−プロパノール溶液を添加
し、マグネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ
樹脂を硬化させた。反応は1時間行い、反応終了後、温
度を120 ℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、ポリ
アミンを付加樹脂させたエポキシ樹脂の5 %溶液(n- プ
ロパノール)を調整した。 〔実施例2〕実施例1の方法にて作成したボトルに、実
施例1と同様の手法にて、下記コーティング液Bを3 μ
m塗工、110 ℃、1時間硬化させた後、チューブ容器の
肩下長となる130mm の位置で水平方向にカッターで切断
し、チューブ容器を得た。 コーティング剤B:550gの1,4-ブタンジオールのグリシ
ジルエーテル誘導体を反応容器に入れ、1Lの2-ブトキ
シエタノールを加え、窒素ガスを導入しながら、マグネ
チックスターラーで攪拌し、65℃で徐々に溶解した。溶
解後、温度を100 ℃に上げ、55g のヘキサヒドロフタル
酸無水物を0.7 Lのn−プロパノール溶液を添加し、マ
グネチックスターラーで攪拌しながら、エポキシ樹脂を
硬化させた。反応は10時間行い、反応終了後、温度を13
0 ℃に上げ、過剰の溶媒を減圧下で留去し、硬化剤を付
重合させたエポキシ樹脂の7 %溶液(n−プロパノー
ル)を調整した。 〔実施例3〕実施例1の方法にて作成したボトルに、コ
ーティング液Aをボトル内面に厚さ20μmで塗工、120
℃、3時間硬化させた後、チューブ容器の肩下長となる
130mm の位置もで水平方向に金属カッターで切断し、チ
ューブ容器を得た。 〔実施例4〕実施例1の方法にて作成したボトルに、肩
下長となる任意の位置で水平方向に金属カッターで切断
し、チューブ容器を得た。この容器を上記コーティング
Aの入った液槽内に本成形体を浸け、内外面に各10μm
(乾燥)をコーティング、反応温度120 ℃で1時間熱硬
化させた後、チューブ容器を得た。 〔実施例5〕使用樹脂として、PET 樹脂 J-120 (三井
化学株式会社製 商品名)を使用した以外は実施例1と
同様の成形法、コーティングを行いチューブ容器を得
た。 〔比較例1〕実施例1と同様の手法で得たボトルにコー
ティング処理を行わずチューブ容器を得た。 <水蒸気バリア測定>実施例1 〜 5、比較例1 の各チュ
ーブ容器の口部をアルミ箔を含む積層シーラントで熱接
着させた後、底部にガス透過測定様治具を装着、空隙部
を低分子エポキシ系接着剤で固定し、MOCON 法にて水蒸
気透過度を測定した。測定条件は、40℃/90%RHとし
た。 <測定結果>
【0026】
【表1】 実施例1〜3及び5より、内面もしくは外面の1面にエ
ポキシ樹脂をコーティングすることにより、水蒸気バリ
ア性が向上することが判明した。また実施例4の示すよ
うに、容器内外面の両面にコーティングすることによ
り、より一層水蒸気バリア性が向上することが判明し
た。
【0027】
【発明の効果】芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエーテ
ルとの熱可塑性ポリエステルエラストマー、芳香族ポリ
エステルと脂肪族ポリエステルとの熱可塑性ポリエステ
ルエラストマーの中から選択されるいずれかの樹脂を成
形原料とする2軸延伸チューブ容器の、外面、内面、又
は両面にエポキシ樹脂をコート面積を限定してコーティ
ングすることにより、特に水蒸気バリア性を向上させる
ことができ、かつ、容器としての外観を損なうことなく
流通容器として安定した性能を持つ容器とすることがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバリア性チューブ容器の、(a)正面
図、(b)Y部拡大断面図(外面コート)、(c)Y部
拡大断面図(内面コート)
【図2】パリソンの正面図
【符号の説明】
P 合成樹脂製バリア性チューブ容器 F パリソン x,y 延伸方向 C 内容物収納部 K 首部 G 肩部 H 胴部 1 容器本体 2 キャップ 3 エポキシ樹脂コート層 4m,4n ねじ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ポリエステル樹脂、芳香族ポリエス
    テルと脂肪族ポリエーテルとの熱可塑性ポリエステルエ
    ラストマー、芳香族ポリエステルと脂肪族ポリエステル
    との熱可塑性ポリエステルエラストマーの中から選択さ
    れるいずれかの樹脂を成形原料として射出成形法により
    成形した筒形状の一次成形体を、軸方向と径方向に二軸
    延伸ブロー成形することにより得られる首部と肩部と胴
    部とが一体成形された二次成形体である容器の内面の全
    面および/または外面の全面にエポキシ樹脂を3 〜80μ
    mの厚さにコーティングした事を特徴とする合成樹脂製
    バリア性チューブ容器。
  2. 【請求項2】前記一次成形体の成形原料の熱可塑性ポリ
    エステルエラストマーの結晶融点が150 ℃〜230 ℃、密
    度が1.05〜1.29g/cm3 、かつ、曲げ弾性率が100 〜9000
    Kg/cm2の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の
    合成樹脂製バリア性チューブ容器。
  3. 【請求項3】前記二次成形体である容器の肩部及び胴部
    の肉厚が80〜 800μmであることを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の合成樹脂製バリア性チューブ容
    器。
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