JPH11321899A - 耐アルカリ性チューブ容器 - Google Patents

耐アルカリ性チューブ容器

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JPH11321899A
JPH11321899A JP15367998A JP15367998A JPH11321899A JP H11321899 A JPH11321899 A JP H11321899A JP 15367998 A JP15367998 A JP 15367998A JP 15367998 A JP15367998 A JP 15367998A JP H11321899 A JPH11321899 A JP H11321899A
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JP
Japan
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tube container
head
resin
tube
alkali
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JP15367998A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Matsuzaki
弘 松嵜
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐アルカリ性を有するチューブ容器を提供す
ることである。 【解決手段】 頭部と胴部とが不連続であって、頭部を
構成する樹脂と胴部最内層樹脂とが熱融着可能なチュー
ブ容器において、頭部とそれに連なる胴部を熱融着して
チューブ容器を成形後、前記チューブ容器の頭部及び胴
部のエンドシール部を除く内面全面にエポキシ系樹脂
を、3 〜 300μmの厚さにコーティングした事を特徴と
する耐アルカリ性チューブ容器であって、前記チューブ
容器頭部を構成する樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニト
リル、ポリメタキシリレンアジパミドの中の一種から選
ばれたこと、前記チューブ容器胴部の最内層樹脂が、ポ
リオレフィン系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重
合体、ポリアクリロニトリル、ポリメタキシリレンアジ
パミドの中から選ばれることを含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラミネートチュー
ブ容器に関するものである。更に詳しくは、練歯磨き等
のオーラルケア製品、接着剤、化粧品、医薬品、食品等
のラミネートチューブ容器、とりわけ耐薬品性に優れた
チューブ容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】練歯磨き、化粧品、医薬品、食品、日用
品等の内容物を充填包装する容器として、前記内容物の
保存性、保管性、携帯性に優れるチューブ容器が広く使
用されている。またそれに伴って、種々の構成、製造方
法のチューブ容器が考案、製造されている。チューブ内
に保存する内容物の中には、空気中の酸素により酸化・
変性するものや、浸透性に富み、チューブ材質との親和
性が高く、チューブ容器の物性を著しく低下させる界面
活性剤、溶剤、油性香料等も含まれる。また、内容物保
護の点からは、内容物の品質を左右する有効成分や香料
が容器に吸着・分散及び揮散して、内容物の品質を損な
う問題が知られている。これらの問題の対応策として、
ラミネートチューブにおいては、胴部の積層体の中に酸
素バリア性を有する樹脂層や非吸着性の樹脂層を形成す
ることがある。これらの樹脂層を形成する材料として
は、アルミ箔等の金属箔、あるいはポリ塩化ビニリデン
(PVCD) 、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVO
H)、ポリビニルアルコール(PVA) 、ポリアクリロニトリ
ル(PAN) 、ポリエステル、ナイロン等の樹脂からなるフ
ィルムまたはシートであり、前記各種の材料を基材層、
ヒートシール層等と押出しラミネーションやドライラミ
ネーション法等の技法を用いて積層した胴部用シートを
形成する。また、バリア性樹脂層あるいは非吸着性樹脂
層を含む複数の樹脂をTダイ共押出シート成形法で同時
に押し出して胴部用積層体シートとすることもできる。
いずれのシートにおいても、シートのチューブ容器を形
成する際に内面となる側には、頭部と熱融着可能であ
り、また、チューブ容器のエンドシールの際にヒートシ
ール可能な樹脂層とすることが必要である。このように
して得られる胴部用積層体シートを用いて、胴貼り加工
を行い、チューブ容器の筒部とする。また、バリア性樹
脂層を含む複数の樹脂を円形の金型による共押出しによ
りシームレスのチューブを直接成形することも可能であ
る。これらの方法で形成した筒状のチューブ容器胴部
に、チューブ容器とするために頭部を形成する方法とし
ては、熱安定性の高い高密度ポリエチレン(HDPE)等のオ
レフィン系樹脂を溶融押し出し、生産性の高い圧縮成型
で頭部と胴部を一体成型する方法が主流となっている。
また、射出成型で頭部を形成し、胴部と頭部(肩部)と
を熱融着することもある。頭部にバリア性を付与する方
法として、アルミ箔等の金属箔層やバリア性樹脂層を含
む別部材(ロンデル)をインサート材として頭部形成時
に圧縮成型、または射出成型法で一体成型する方法、ま
たは頭部形成後に嵌合させる方法も提案されている(特
公平4-76869)。チューブ容器としては、前記の他には、
多層押出ダイレクトブロー成形により胴部本体及び頭部
までバリア性を付与する方法や射出成形で成形した単
層、あるいは多層コールドパリソンを一軸、あるいは二
軸延伸法により、ストレッチブロー成形する方法も考案
されている(特公昭63-26687、特公平4-3740) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ラミネートによる積層
体シートを筒貼りした胴部を有するチューブ容器にバリ
ア性を付与するために、前記チューブ容器の胴部を構成
する積層体シート中にEVOH、PAN 、無機酸化物蒸着膜を
設けたフィルム、アルミ箔からなる層等を多く用いる
が、アルカリ性内容物に触れた場合、前記バリア層が融
解、分解し目的であるバリア性もしくは非吸着性を発現
しない問題がある。また、チューブ容器の頭部に通常用
いられているポリオレフィン系樹脂は、水蒸気バリア性
は高いが、低分子量のアルカリ性化合物、染料等はポリ
オレフィン系樹脂を透過するため、保存性に欠けるとい
った問題が有る。また、チューブ容器の頭部にバリアー
性を付与するために、前記のように、アルミ箔等の金属
箔層やバリア性樹脂層を含む別部材(ロンデル)を用い
て、低分子量のアルカリ性化合物等の透過を防ぐことは
できるが、その製造工程が複雑になり、また、前記ロン
デルの加工等による製造コストの上昇は避けられない。
多層押出ブロー成形によるチューブ容器の場合には、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体をポリエチレンやポ
リプロピレン等のオレフィン系樹脂で挟む事により、容
器全体としてのバリア性を付与することがある。しか
し、アルカリ性内容物を保存した場合はエチレン・ビニ
ルアルコール共重合体が融解もしくは一部分解する事に
よってバリア性が低下する傾向がある。本発明の課題
は、耐アルカリ性を有するチューブ容器を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、頭部と胴部と
が不連続であって、頭部を構成する樹脂と胴部最内層樹
脂とが熱融着可能なチューブ容器において、頭部とそれ
に連なる胴部を熱融着してチューブ容器を成形後、前記
チューブ容器の頭部及び胴部のエンドシール部を除く内
面全面にエポキシ系樹脂を、3 〜300 μmの厚さにコー
ティングした事を特徴とする耐アルカリ性チューブ容器
であって、前記チューブ容器頭部を構成する樹脂が、ポ
リオレフィン系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重
合体、ポリアクリロニトリル、ポリメタキシリレンアジ
パミドの中の一種から選ばれたこと、前記チューブ容器
胴部の最内層樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、エチレン
・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、
ポリメタキシリレンアジパミドの中から選ばれることを
含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の耐アルカリ性チュ
ーブ容器について詳細に説明する。図1は、本発明の耐
アルカリ性チューブ容器の実施例を説明する、(a)半
断面正面図、(b)Y部拡大断面図である。本発明の耐
アルカリ性チューブ容器Pは、例えば図1(a)に示す
ように、ラミネーション法もしくは多層押出法により積
層された積層体シートを筒貼り機を用いて形成される胴
部tと、前記胴部tを圧縮成形用金型に装着して、圧縮
成形用金型の上方より頭部形成用樹脂を供給した後、圧
縮成形によって前記頭部sを成形すると同時に、接合部
5において前記胴部と接合してなるチューブ容器の内容
物収納部Cの側、すなわち、前記頭部s及び胴部tの内
面にエポキシ樹脂層3を設けたチューブ容器である。
【0006】本発明にかかる耐アルカリ性チューブ容器
の容器本体1は、図1(a)に示すように胴部(または
スリーブ)tと該胴部tの端部に接合される頭部sとか
ら構成される。前記チューブ容器の胴部tを形成する積
層体10は、図1(b)に示すように、通常、頭部との
接合及び筒貼りのためにその表裏11,13には熱接着
用樹脂を用い、内容物の蒸散防止、又、品質保護性のた
めに中間層13にバリア性樹脂層を積層を設ける。前記
表面層11または最内層13は、頭部sとの接合が可能
な樹脂からなる層とする。前記前記胴部積層体シート
は、ラミネーション法または多層押出法により得ること
ができるが、ラミネーション法においては、前記シート
を用いて所定の径を有する筒状体を形成して、さらに、
所定の長さに切断してスリーブとする。また、前記多層
押出法の場合には、2種以上の押出機を連結した一つの
ダイスから水平方向に多層パイプを共押出し、適当な長
さに切断してスリーブとする。
【0007】次に、前記スリーブを圧縮成形機内に装着
し、チューブ容器の頭部を形成する樹脂を注入し、頭部
を成形すると同時に前記スリーブの端部と接合する。ま
た、頭部の成形および接合は、インサート射出成形法に
より、前記スリーブを成形金型に装着し、頭部樹脂を金
型内に射出注入して、頭部を形成すると同時にスリーブ
と接合する方法であってもよい。
【0008】本発明者は、頭部成形と該頭部とスリーブ
との接合をされたチューブは別に成形されたキャップを
嵌着し、または、嵌着しない状態において、図1(a)
に示すように胴部及び首部の内面にエポキシ樹脂をコー
ティングすることにより、耐薬品性、特に耐アルカリ性
を付与することが可能であることを見出した。前記エポ
キシ樹脂のコーティングにおいて、チューブ容器のエン
ド部がヒートシール等により接着する場合には、非コー
ト部4とする。以下、チューブ容器材質及びコーティン
グに用いるエポキシ樹脂等について詳細に説明する。
【0009】スリーブを形成する積層体の構成について
さらに説明する。前述のように、中間層にバリア性樹脂
層を積層した帯状の積層体シート、あるいは2種以上の
押出機を連結してTダイ法で共押出した多層共押出シー
トの両端部を重ね合わせ熱融着し、適当な長さに切断す
るチューブ形成用スリーブ、または、2種以上の押出機
を連結した一つのダイスから水平方向に多層パイプを共
押出し、適当な長さに切断する押し出しチューブ成形用
スリーブ等を使用する。ラミネーション法による積層体
シートの場合、中間層として設けるバリア層としては、
アルミ箔、アルミ蒸着フィルム(アルミ蒸着PET 、アル
ミ蒸着OPP 、アルミ蒸着ナイロン、等)、無機酸化物蒸
着フィルム(酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム等の無機酸化物をPVD法、または、CVD法真
空蒸着法で薄膜蒸着したPET )、塩化ビニリデンコート
PET 、またはナイロンフィルム、エチレン・ビニルアル
コール共重合体、等を使用することができる。また、T
ダイで共押出す積層体シートの中間層、または、多層パ
イプの場合の中間層として設けるバリア層としては、エ
チレン・ビニルアルコール共重合体、ポリメタキシリレ
ンアジパミド(以下、MXDナイロンと記載)、ポリア
クリロニトリル、ポリエステル等の樹脂を使用すること
ができる。前記チューブ容器の胴部を形成する多層積層
フィルムの最内層は、ポリオレフィン系樹脂、エチレン
・ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、
MXDナイロンの中から選択することが望ましい。ポリ
オレフィン樹脂は、ガスバリア性には劣るが成形性に優
れており、本発明のエポキシ樹脂をチューブ容器の内面
に塗布することで、チューブ容器としてのバリア性を確
保することが可能である。エチレン・ビニルアルコール
共重合体、ポリアクリロニトリル、MXDナイロンはい
ずれもバリア性に優れた材質であり、本発明のエポキシ
樹脂を塗布することにより、アルカリ性内容物により前
記バリア性能の低下を防ぐことができる。
【0010】上記チューブ成形用スリーブ、あるいは、
押出チューブ成形用スリーブの肉厚は、0.1mm 〜2mm 、
望ましくは0.2 〜1mm 、より望ましくは0.3 〜0.6mm が
良好である。
【0011】頭部成形用樹脂としては、ポリオレフィン
系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリア
クリロニトリル、MXDナイロンから選ばれる少なくと
も1種以上のガスバリア性樹脂を用いるものとする。前
記頭部成形用樹脂には、必要に応じて滑剤、架橋剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、強化剤、補強剤、帯
電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、着色顔
料、等のプラスチック配合剤を添加することができる。
【0012】次に、本発明にかかる耐アルカリ性チュー
ブ容器に用いるエポキシ樹脂について詳細に説明する。
チューブ容器にコーティングするエポキシ樹脂として
は、末端にエポキシ基を有する分子量が300 〜10,000程
度のオリゴマー性樹脂であり、製造原料の種類によっ
て、グリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、グ
リシジルアミン型が利用可能であるが、前記グリシジル
アミン型は、分子中に窒素原子を有するが、その他のエ
ポキシ樹脂は窒素原子を持たない。グリシジルアミン型
は安定性が悪く、硬化剤との反応の段階でゲル化し易い
問題があり、安定性の高いグリシジルエーテル型、ある
いはグリシジルエステル型が望ましい。
【0013】これらのエポキシ樹脂の中で、グリシジル
エーテル型は、アルコール性水酸基を有するアルコール
類、あるいはフェノール類、グリシジルエステル型は、
カルボン酸を官能基として有する活性水素含有化合物類
をエピクロヒドリン、あるいはジクロヒドリンでエポキ
シ化して得られる。通常、アルカリ存在下で反応を行
い、一回の反応でエポキシ化する方法や二回以上の反応
を経てエポキシ化する。反応には、三級アミン、四級ア
ミン、トリフェニルホスフィン等の触媒を使用すること
もできる。他の方法としては、二重結合を有する化合物
を過酸化水素もしくは過酸で液相酸化する方法、二重結
合を有する化合物を空気酸化する方法、イリドを用いる
方法等があるが、これらに限定されるものではない。例
えば、ビスフェノールAとエピクロヒドリンとの反応で
は、ビスフェノール1モルに対してエピクロヒドリンは
2モル以上必要である。温度は5 〜150 ℃の範囲で行う
のが一般的であるが、これに限定されるものではない。
反応溶媒としては、原料が溶解する溶媒であれば良い
が、好ましくは、アルコール類が望ましい。アルコール
類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール等の低級アルコールの他に、2−
メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のグリ
コールエーテル類、また、多価アルコール類も使用でき
る。
【0014】この様にして得られるグリシジルエーテル
型エポキシ樹脂としては、その基本骨格から、ビスフェ
ノールA型、ビスフェノールF型、臭素化ビスフェノー
ルA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールS
型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン
型、フルオレン型の分子中にエポキシ基を2個有する二
官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソク
レゾールノオラック型、DPPノボラック型、トリス・
ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタ
ン型の分子中にエポキシ基を3個以上有する多官能エポ
キシ樹脂がある。
【0015】また、これらの芳香族エポキシ樹脂の他
に、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-
プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、等の2価以上の脂肪族アルコール類をエピクロヒ
ドリン、あるいはジクロヒドリンでエポキシ化した脂肪
族エポキシ樹脂も使用できる。
【0016】グリシジルエステル型エポキシ樹脂として
は、分子中に、カルボキシル基( -COOH)を2個以上有
する芳香族、あるいは脂肪族カルボン酸とエピクロヒド
リン、あるいはジクロヒドリンとの反応で売ることがで
きる。芳香族では、フタル酸、イソフタル酸、テレフタ
ル酸のエポキシ化合物等がある。これらのエポキシ樹脂
は、1種類のエポキシ樹脂、あるいは2種以上のエポキ
シ樹脂を混合して使用しても良い。エポキシ樹脂の分子
量は、300 〜10,000(数平均分子量)、重合度(n)は
0.1 〜20、エポキシ当量は100 〜10,000g/eq、粘度は20
〜40,000ps(25℃)である。
【0017】エポキシ樹脂と反応させる硬化剤として
は、重付加型ポリアミン、重付加型酸無水物、重付加型
ポリフェノール、重付加型ポリメルカプタン、重付加型
イソシアネート、重付加型有機酸、触媒型硬化剤、縮合
型硬化剤、等がある。中でも、反応性に富むポリアミン
系硬化剤や有機酸やその誘導体(エステル、酸無水物)
を利用できるが、特に限定されるものではない。ポリア
ミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエ
チレントリアミン、メタキシリレンジアミン、イソホロ
ンジアミン、1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン、ジ
アミノジフェニルメタン、等の未変性ポリアミン、ポリ
アミド、ケチミン、エポキシ変性体(エポキシアダク
ト)、等の変性ポリアミン、有機酸誘導体としては、シ
ュウ酸、フタル酸、マレイン酸、ヘキサヒドロフタル、
ピロメリット酸、シクロペンタジエンメチルマレイン、
ドデシルコハク酸、ジクロマレイン、クロレンジック
酸、あるいはこれらのエステル体、無水物体等がある。
また、硬化させる反応を促進する三級アミン等を極く少
量添加しても良い。さらに、以上に挙げた各種硬化剤
は、1種あるいは2種以上の硬化剤を組み合わせてエポ
キシ樹脂を硬化させてもよい。
【0018】硬化剤とエポキシ樹脂の反応により、樹脂
皮膜中に三次元架橋構造が形成され、エポキシ樹脂の物
性、特に、機械的強度、電気的特性、耐熱性、耐薬品
性、接着性、並びにガス遮断性を効果的に改善すること
ができる。
【0019】エポキシ樹脂硬化反応は、溶媒中で行う。
使用可能な溶媒としては、エポキシ樹脂と硬化剤が可溶
化する溶媒であればよい。具体的には、脂肪族炭化水素
系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、ケト
ン系溶媒、あるいはアルコール系溶媒が使用できる。溶
媒は単独、あるいは2種以上の溶媒を混合してもよい。
アルコール系溶媒では、メタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、等の低級アルコール
の他に、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ール等のグリコールエーテル類、また、多価アルコール
類も使用できる。
【0020】硬化反応は、常温、あるいは加温しながら
行う。概ね 5℃〜 150℃の範囲で行うが、高温すぎると
ゲル化反応が起こり、硬化反応後のコーティング性が悪
くなる。必要に応じて、窒素気流を反応容器に導入し、
酸素ガスの影響を除く。また、硬化剤の添加量は、エポ
キシ樹脂のエポキシ基の数で任意に選択されるが、酸無
水物の場合は、触媒的効果も有するので、 0.1〜 0.5エ
ポキシ当量が一般的である。ただし、硬化剤の量は、三
次元構造を決定し、硬化膜の物性に影響を及ぼす因子な
ので、その量は注意を払う必要が有る。
【0021】硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂は、やや
もろいという欠点がある。特に、本発明では、皮膜を形
成する被着材が蒸着フィルムの蒸着なので、曲げ弾性係
数が大きい樹脂皮膜は硬化が少ない。可撓性を付与する
方法としては次の方法があるが、これらの方法に限定さ
れるものではない。 可塑剤を添加し、硬化物中に未反応物として長鎖状の
化合物を残存させる方法 可塑剤:ジブチルフタレート、有機酸のエチレングリコ
ールのエステル、テトラヒドロフルフリルアルコールの
エチレンオキシド付加物 硬化時に長鎖状の化合物をエポキシ基とが反応するよ
うな物質(可撓性付与剤)を添加する方法 希釈剤を使用する。希釈剤:ブチルグリシジルエーテ
ル、アリルグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテ
ル、ブタンジオールグリシジルエーテル、等 充填剤を使用する。充填剤:マイカ粉末、シリカまた
は石英粉末、炭酸カルシウム、アルミナ、ケイ酸ジルコ
ニウム、酸化鉄、ガラス粉末 プラスチック樹脂を添加する。プラスチック樹脂:ポ
リエチレン、ポリプロピレン。エチレン・酢酸ビニル共
重合体、酸変性ポリオレフィン、ポリアミド、等
【0022】
〔実施例3〕
チューブの胴部用積層体: LDPE130/EVOH20/LDPE175/EVOH10 {略号 EVOH: エチレン・ビニルアルコール共重合体} コーティング剤Aを厚さ30μmでコーティング 胴部:EVOHを用い、その他は実施例1と同条件にてチュ
ーブ容器を試作した。 〔比較例1〕 (1)実施例1のチューブ容器でエポキシ樹脂をコーテ
ィングしていないチューブ容器を試作した。 〔比較例2〕 チューブの胴部用積層体: LDPE130/EVOH20/LDPE175/EVOH10 コーティング剤は不使用 頭部:EVOHを用い実施例1と同様の手法にてチューブ容
器を試作した。 〔評価試験〕実施例1〜3および比較例1,2で得たチ
ューブ容器の口部をアルミを含む積層フィルムでヒート
シール、チューブ容器のボトム部よりアンモニア水溶液
を充填、エンド部をヒートシールし保存試験を実施し
た。 アンモニア水溶液 :アンモニア(10 %) 水溶液、
アンモニア(30 %)水溶液 エンドシール方法 :インパルスシール法 保存条件 :50℃ドライ 評価部位 :各部(サイドシール部、頭部、ラ
ミネート基材)のデラミの有無、内容物の着色の有無
【0023】
【表1】実験結果 以上より、実施例1から3はアルカリ性条件下デラミが
発生することなく、良好な耐アルカリを発現しうる事が
分かった。比較例1,2は、いずれもデラミが発生し
た。とりわけ内層にEVOHを用いたチューブ容器は全ての
評価項目においてデラミが発生した。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、肩部と胴部が不連続な
円筒状チューブ容器において、頭部及び胴部の内面にエ
ポキシ樹脂をコーティングすることにより、アルカリ性
内容物でも保存可能なチューブ容器を提供できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐アルカリ性チューブ容器を説明す
る、(a)半断面正面図、(b)Y部拡大断面図
【符号の説明】
P チューブ容器 t 胴部 s 頭部 C 内容物収納部 1 容器本体 2 キャップ 3 エポキシ樹脂コート部 4 エポキシ樹脂非コート部 5 接合部 6m,6n ネジ 7 注出口抑え突起 10 胴部積層体 11 表面層 12 中間層 13 最内層 14 エポキシ樹脂層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】頭部と胴部とが不連続であって、頭部を構
    成する樹脂と胴部最内層樹脂とが熱融着可能なチューブ
    容器において、頭部とそれに連なる胴部を熱融着してチ
    ューブ容器を成形後、前記チューブ容器の頭部及び胴部
    のエンドシール部を除く内面全面にエポキシ系樹脂を、
    3〜 300μmの厚さにコーティングした事を特徴とする
    耐アルカリ性チューブ容器。
  2. 【請求項2】前記チューブ容器頭部を構成する樹脂が、
    ポリオレフィン系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共
    重合体、ポリアクリロニトリル、ポリメタキシリレンア
    ジパミドの中の一種から選ばれたことを特徴とする請求
    項1に記載の耐アルカリ性チューブ容器。
  3. 【請求項3】前記チューブ容器胴部の最内層樹脂が、ポ
    リオレフィン系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重
    合体、ポリアクリロニトリル、ポリメタキシリレンアジ
    パミドの中から選ばれたことを特徴とする請求項1又は
    請求項2に記載の耐アルカリ性チューブ容器。
JP15367998A 1998-05-20 1998-05-20 耐アルカリ性チューブ容器 Pending JPH11321899A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002307600A (ja) * 2001-04-16 2002-10-23 Dainippon Printing Co Ltd バリア性フィルム
JP2003034342A (ja) * 2001-07-24 2003-02-04 Toppan Printing Co Ltd バリア性チューブ状容器
JP2009274734A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Key Tranding Co Ltd チューブ容器
JP2012192968A (ja) * 2011-03-17 2012-10-11 Toppan Printing Co Ltd ヒンジキャップ、包装容器、及びパッケージ商品
CN107600673A (zh) * 2017-10-16 2018-01-19 上海艾鲲新材料科技有限公司 封尾pe软管及其生产设备和生产工艺

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