JPH11320926A

JPH11320926A - 双方向インクジェットカラ―印刷方法

Info

Publication number: JPH11320926A
Application number: JP11111066A
Authority: JP
Inventors: Quintana Jason; ジェーソン・クインタナ
Original assignee: Hewlett Packard Co
Current assignee: HP Inc
Priority date: 1998-05-07
Filing date: 1999-04-19
Publication date: 1999-11-24
Also published as: EP0955174A3; EP0955174A2; KR19990088039A

Abstract

(57)【要約】【課題】印刷速度が高速で且つ所望の品質のインクジ
ェットカラー印刷が得られるインクジェットカラー印刷
方法を提供する。【解決手段】インクジェットペン１４が媒体上をスキ
ャンする際、各々の列が特定の色のインク専用となって
いるインクジェットのノズルの列を有するプリントヘッ
ド１２４は、各パスごとに媒体に対して一方向７０又は
逆方向７２へと移動し、ＫＣＭＹＹＭＣＫの順番でイン
クを噴射する。各パスの終了毎には、＋２分の１行分媒
体が送られる。特定の色を有するノズルの列は対称的に
配列しているため、プリントヘッドの移動方向に係わり
なく、インクの色が印刷される順番は同じであり、段１
０８〜１１２のいずれにおいても累積の順序がＫＣＭＹ
ＹＭＣＫ、ＫＣＭＹＹＭＣＫとなる。印刷される全ての
段における規定の色順が同じであるため、媒体に付着す
る色の順番に起因する色相の変化は起こらない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、双方向に印刷をお
こなう双方向インクジェットカラー印刷方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】カラー印刷は、通常１つ以上の基本色を
ある領域に付着させてその領域に所望の色を出すことに
より行われる。ディスプレイ（ display）技術では、基
本色として、一般的に原色（ primary color）である
赤、緑、青が用いられる。印刷技術では、基本色とし
て、一般的に等和色（ secondary color）であるシア
ン、マゼンタ、イエローが用いられる。インクジェット
ペン（ inkjet pen ）を用いるインクジェットカラー印
刷においては、ある領域に所望の色を出すために、複数
の基本色のインク粒子が噴出される。また、インクジェ
ットカラー印刷には、基本色と一緒に黒も使われてお
り、所望の色の外観（ appearance ）を向上させ、そし
て、ブラック印刷又はグレイスケール印刷を可能にす
る。インクジェットカラー印刷技術に用いられる基本色
は、便宜上、ＫＣＭＹと省略され、Ｋはブラックを示
し、Ｃはシアンを示し、Ｍはマゼンタを示し、そしてＹ
がイエローを示す。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の４色のインクジ
ェットカラー印刷方法を用いると、色が印刷媒体に付着
する順番によって、色相（ color hue）がばらつく場合
がある。すなわち、ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ロー（ＫＣＭＹ）の順番で印刷されたインクドットは、
ＹＭＣＫの順番で印刷されたドットと完全に同じ色を示
さないのである。このように色の付着する順番による色
相のばらつきは、双方向印刷方法（ bi-directional pr
inting method ）を用いて印刷する場合に問題となる。
双方向印刷においては、インクジェットペンが媒体シー
ト上を一方向に移動する間に１本の線が印刷され、そし
てその後、インクジェットヘッドが媒体シート上を反対
方向に戻る間にもう１本の線が印刷される。このような
双方向印刷方法は、各々の線が印刷される度にヘッドが
通常のリセット位置に移動する必要がないため、印刷が
速いという利点がある。

【０００４】４パス双方向（ four pass bi-direction
）のインクジェットカラー印刷技術では、線から線へ
の色相のばらつきが一般の人の目にはわからない程度に
充分小さい。２パス双方向のインクジェットカラー印刷
方法においては、一般的に許容出来る範囲を越えてお
り、位相のばらつきが目につくようになる。また、２パ
ス双方向のブラックインク印刷では、印刷品質は許容範
囲内である。したがって、一般的には４パス双方向のカ
ラーモード印刷及び２パス双方向のブラックモード印刷
が行われている。印刷速度を高めるために、改善された
色相制御を有するより少ないインクジェットの印刷パス
（ inkjet printing pass ）を用いたインクジェット印
刷方法又は装置が必要とされている。

【０００５】本発明は、このような従来の技術における
課題を解決するものであり、より少ない印刷パスで、且
つ、印刷ジョブの複数にわたる行の間の色相変化を回避
できることにより、印刷速度が高速で且つ所望の品質の
インクジェットカラー印刷が得られる双方向インクジェ
ットカラー印刷方法を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、インク
ジェットペンの媒体に対する移動方向にかかわらず、色
が同じ順序で媒体に噴出される双方向カラーモード印刷
が得られ、それによって色相の変化が回避される。特定
の所望の色の色相は、印刷されたそれぞれの線（又は
行）に対して同一である。

【０００７】本発明の１つの特徴によれば、未使用の紙
（ virgin paper ）（例えば、インクが塗布されていな
い紙の領域）へのカラー印刷の最初の印刷パス、すなわ
ち第一のパスは、インクジェットペンが媒体シート上を
所定の一方向に移動している間にのみ行われる。その
後、インクジェットヘッドが媒体シート上を反対方向に
移動する間に、第二のパスの印刷が行われる。したがっ
て、第一のパスの各々において及び第二のパスの各々に
おいて、媒体シートの所定の部分に噴出される色の順序
が同じである。結果として、色相に変化を生じることな
く２パス双方向のインクジェットカラー印刷を行うこと
が可能となるのである。

【０００８】本発明の他の特徴によれば、第一のパスに
よる未使用紙へのカラー印刷は、連続する印刷パスの各
々の間に、媒体シートの用紙を媒体経路に沿って交互に
前方向及び後方向に送る（ feeding）ことにより実施さ
れる。一実施形態においては、第一のパスの後、第二の
パスの印刷のために、媒体が−０．５行分送られる。第
二のパスの後、媒体シートの他の未使用部分への第一の
パスを行うために、媒体の＋１．５行分が送られる。こ
れらの−０．５及び＋１．５の行送り（ linefeed）
は、個々の印刷パス終了毎に交互に行われ、第一のパス
は、常に未使用部分上に実施され、また、第二のパス
は、先立つ第一のパスにインクを重ねるように実施され
る。

【０００９】他の手法によれば、カラーインクジェット
のプリントヘッドは、対称的に配置されたインクジェッ
トのノズルを有している。従来型のインクジェットカラ
ー印刷装置のプリントヘッドには、ブラックドットを噴
出するノズルが２段と、シアンドットを噴出するノズル
が２段と、マゼンタドットを噴出するノズルが２段と、
イエロードットを噴出するノズルが２段とが順番に配置
されている。したがって、プリントヘッドは一方向に動
く間はＹＭＣＫ順、そして反対方向に動く間はＫＣＭＹ
順に印刷する。

【００１０】本発明による対称型のプリントヘッドの一
実施形態においては、ブラックドットを噴出するノズル
が１段と、それに続いてシアンドットを噴出するノズル
が１段と、マゼンタドットを噴出するノズルが１段と、
イエロードットを噴出するノズルが２段と、続いてマゼ
ンタドットを噴出するノズルが１段と、シアンドットを
噴出するノズルが１段と、そしてブラックドットを噴出
するノズルが１段とが順番に配置されている。したがっ
て、プリントヘッドはインクジェットのヘッドが媒体シ
ート上をどの方向に移動していようともＫＣＭＹＹＭＣ
Ｋの順で印刷する。

【００１１】本発明の特徴は、デスクトップ型インクジ
ェットカラー印刷装置と、ポータブル型インクジェット
カラー印刷装置と、プロッタの様な大型インクジェット
カラー印刷装置とを含むインクジェットカラー印刷装置
に適用される。このインクジェットカラー印刷装置に
は、プリンタ、ファックス、コピー機、あるいは、その
他の文字、記号又はグラフィクスを、紙やＯＨＰ用紙又
は布のようなインクを受ける媒体上に形成するために利
用されるインク噴射装置が含まれる。本発明の利点は、
より少ない印刷パス、したがって、印刷速度がより高速
で且つ所望の品質のインクジェットカラー印刷を実現で
きるところにある。本発明のこれら及びその他の特徴と
利点については、添付の図と共に以下の詳細な説明を参
照することによってより深い理解が得られるであろう。

【００１２】

【発明の実施の形態】概要図１は、本実施形態に係るインクジェットカラー印刷装
置１０のブロック図である。このインクジェットカラー
印刷装置１０は、インクジェットプリンタ、ファクシミ
リ、又はコピー機の一部である。シャトルキャリッジ
（ shuttle carriage ）（以後、単にキャリッジと記載
する）１２には、１個以上のインクジェットペン１４が
搭載されている。一実施形態においては、１つの異なる
色を印刷するために各々４つのインクジェットペンが設
けられている。他の実施形態おいては、４つの異なる色
の各々を印刷するために１つのインクジェットペンが設
けられている。通常、これら４色は、ブラック、シア
ン、マゼンタ、イエローである。また他の実施例として
は、赤、緑及び青の原色によって、シアン、マゼンタ及
びイエロー、又はブラック、シアン、マゼンタ及びイエ
ローを置き換えても良い。

【００１３】図に示すように、インクジェットペンのイ
ンク貯蔵器１６，１８，２０，２２は、所定の位置に配
置されている。一方の側の端には、ブラックインク貯蔵
器１６が配置され、そのブラックインク貯蔵器１６の隣
には、シアンインク貯蔵器１８が配置され、そのシアン
インク貯蔵器１８の隣には、マゼンタインク貯蔵器２０
が配置され、また、反対側の端のマゼンタインク貯蔵器
２０の隣には、イエローインク貯蔵器２２が配置されて
いる。このインク貯蔵器１６，１８，２０，２２の詳細
な配置は、上記配置に限定されるものではない。

【００１４】図２は、図１のインクジェットカラー印刷
装置におけるプリントヘッド２４のレイアウトを示した
図であり、４つの部分２６，２８，３０，３２を有する
インク粒子噴出源のプリントヘッド２４を示している。
４つの部分を有する代わりに、これらの４つの部分２
６，２８，３０，３２を４つのプリントヘッド２６，２
８，３０，３２としても良い。個々の部分は、インクジ
ェットのノズルを複数列有する。所定の部分の全てのノ
ズルは、同じ色のインク（インク粒子）で印刷する。プ
リントヘッド部分２６は、ブラックインクを噴出する印
刷素子のノズル４２を複数列３４有し、プリントヘッド
部分２８は、シアンインクを噴出するノズル４４を複数
列３６有する。また、プリントヘッド部分３０は、マゼ
ンタインクを噴出するノズル４６を複数列３８有し、プ
リントヘッド部分３２は、イエローインクを噴出するノ
ズル４８を複数列４０有する。

【００１５】印刷の最中、キャリッジ１２は、キャリッ
ジコントローラ５２の制御によりレール５０に沿って移
動し、そして、プリントヘッドコントローラ５４の制御
下でインク粒子がノズルから噴出される。

【００１６】図３は、図１のインクジェットカラー印刷
装置の一部分を示すブロック図である。図１及び図３を
参照すると、媒体５６は、１対のローラ５８によって媒
体経路に沿って搬送される。ローラの軸６０は、駆動手
段のモータ６２により駆動し、このモータは、制御手段
の媒体搬送コントローラ６４によって制御される。双方
向印刷では、プリントヘッドコントローラ５４がインク
ジェットのノズル４２，４４，４６，４８に噴射を行わ
せる間、キャリッジコントローラ５２がキャリッジ１２
をレール５０に沿って第一の方向７０に動かす。

【００１７】キャリッジ１２が媒体５６上を方向７０に
向かって移動する際、イエローインクを印刷するための
プリントヘッド部分３２が先頭部分となるように配置さ
れている場合は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
ク（ＹＭＣＫ）の順番で、所定の段（ row）にインクが
印刷される。キャリッジ１２が媒体５６の端まで進む
と、媒体搬送コントローラ６４が媒体をもう一つの段の
印刷位置に移動させる。その後、プリントヘッドコント
ローラ５４がインックジェットノズル４２４４，４６，
４８に再度噴射を行わせる間、キャリッジコントローラ
５２はキャリッジ１２をレール５０に沿って媒体５６上
を第一の方向７０とは逆の第二の方向７２へと戻す。上
記のような配列によれば、第二の方向７２に向かう移動
の間、ブラックインクを印刷するプリントヘッド部分２
６が先頭位置にくることになる。したがって、第二の方
向７２へと戻る移動では、インクはブラック、シアン、
マゼンタ、イエロー（ＫＣＭＹ）という逆の順序で印刷
される。

【００１８】印刷方法図４に、従来の４パス双方向のインクジェットカラー印
刷方法におけるプリントヘッドの動き及び色の印刷順序
を示す説明図を示す。パスの終了毎に媒体搬送コントロ
ーラ６４が媒体５６を＋４分の１行分（＋１／４ＬＦ
（ one quarter of a line feed ））送る。第一の方向
７０への個々のパスの間は、全ての色ＫＣＭＹを噴出す
る。第二の方向７２への個々のパスの間は、等和色ＣＭ
Ｙのみを噴出する。

【００１９】パス１の間は、キャリッジ１２は方向７０
に移動し、インクはＹＭＣＫの順に噴出され、その後、
媒体搬送コントローラによって０．２５行分だけ媒体が
送られる。パス２の間は、キャリッジ１２は逆方向７２
へと移動し、インクはＣＭＹの順番で噴出され、その後
０．２５行分だけ媒体が送られる。パス３の間は、キャ
リッジ１２は再度方向７０へと移動し、インクはＹＭＣ
Ｋの順番で噴出され、その後０．２５行分だけ媒体が送
られる。パス４の間は、キャリッジ１２は逆方向７２へ
と移動し、インクはＣＭＹの順番で噴出され、その後
０．２５行分だけ媒体が送られる。パス５の間は、キャ
リッジ１２は方向７０に移動し、インクはＹＭＣＫの順
番で噴出され、その後０．２５行分だけ媒体が送られ
る。パス６の間は、キャリッジ１２は逆方向７２に移動
し、インクはＣＭＹの順番で噴出され、その後０．２５
行分だけ媒体が送られる。

【００２０】留意すべきは、６回の印刷パスで、各々が
１／４行である段（ row）が９段（７４〜９０）できる
ことである。この手順が、媒体シート全体を印刷する間
繰り返され、これにより各行に、より厳密には１／４行
毎に４パスのインクジェットカラー印刷が実施される。
最初の４パスの各々においてインクを受ける段８０を考
えると、この段８０は、ＹＭＣＫ、ＣＭＹ、ＹＭＣＫ、
ＣＭＹの順序でインクを受ける。第二のパスから第五の
パスそれぞれにおいてインクを受ける段８２を考える
と、この段８２は、ＣＭＹ、ＹＭＣＫ、ＣＭＹ、ＹＭＣ
Ｋの順序でインクを受ける。同様に、段８４は、ＹＭＣ
Ｋ、ＣＭＹ、ＹＭＣＫ、ＣＭＹの順序でインクを受け
る。このカラー印刷方法は、個々の段で順序は異なるも
のの、色相の変化は最小限であり、一般的に認知し得な
いものである。しかしながら、より高速の印刷速度が得
られる２パス双方向のインクジェットカラー印刷の実現
が望まれる。

【００２１】図５に、２パス双方向のインクジェットカ
ラー印刷方法におけるプリントヘッドの動き及び色の印
刷順序を示す説明図を示す。２パス双方向のインクジェ
ットカラー印刷方法においては、パス終了毎に、媒体搬
送コントローラが１／２行分（＋１／２ＬＦ）媒体を送
る。各々のパスが方向７０又は７２のいずれの方向に行
われる場合でも、全ての色ＫＣＭＹを噴出することがで
きる。ここには、６回のパスが描かれている。

【００２２】パス１の間は、キャリッジ１２は方向７０
に移動し、インクはＹＭＣＫの順に噴出され、その後、
媒体搬送コントローラによって０．５行分だけ媒体が搬
送される。パス２の間は、キャリッジ１２は逆方向７２
に移動し、インクはＫＣＭＹの順に噴出され、その後
０．５行分だけ媒体が搬送される。パス３の間は、キャ
リッジ１２は再度方向７０に移動し、インクはＹＭＣＫ
の順に噴出され、その後０．５行分だけ媒体が搬送され
る。パス４の間は、キャリッジ１２は逆方向７２に移動
し、インクはＫＣＭＹの順に噴出され、その後０．５行
分だけ媒体が搬送される。パス５の間は、キャリッジ１
２は方向７０に移動し、インクはＹＭＣＫの順に噴出さ
れ、その後０．５行分だけ媒体が搬送される。パス６の
間は、キャリッジ１２は逆方向７２に移動し、インクは
ＫＣＭＹの順に噴出され、その後０．５行分だけ媒体が
搬送される。

【００２３】留意すべきは、６回の印刷パスにより各々
が１／２行である段が７段できることである。この手順
が、媒体シート全体を印刷する間繰り返され、これによ
り各行に、より厳密には１／２行毎に２パスのインクジ
ェットカラー印刷が実施される。最初の２回のパスの各
々においてインクを受ける段９４を考えると、この段９
４は、ＹＭＣＫ、ＫＣＭＹの順序でインクを受ける。第
二及び第三のパスの各々においてインクを受ける次の段
９６を考えると、この段９６はＫＣＭＹ、ＹＭＣＫの順
序でインクを受ける。同様に、段９８はＹＭＣＫ、ＫＣ
ＭＹの順序で、段１００はＫＣＭＹ、ＹＭＣＫの順序
で、段１０２はＹＭＣＫ、ＫＣＭＹの順序で、それぞれ
インクを受ける。この１／２行毎に異なる色の付着順序
により発生する色相の変化は、容易に認知されてしま
い、許容範囲以下の印刷品質となってしまう。そのた
め、２パス双方向のインクジェットカラー印刷方法で所
望のカラー印刷品質を得るためには他の方法論が必要で
ある。

【００２４】一方向に限った未使用部への印刷図６に、本発明に係る２パス双方向のインクジェットカ
ラー印刷方法における一実施形態のプリントヘッドの動
き及び色の印刷順序を示す説明図を示す。各々のパスが
方向７０又は７２のいずれの方向に行われる場合でも、
全ての色ＫＣＭＹを噴出することができる。ここには、
６回のパスが描かれている。本発明の一つの特徴とし
て、媒体５６の未使用領域（ virgin area）への印刷
は、キャリッジが媒体５６に対して第一の方向７２に移
動しているときにのみ発生する。このような未使用領域
への印刷は、代わりにキャリッジが方向７０に移動して
いる間のみに行うようにしても良いことは当業者にとっ
て明らかであろう。ここでは、未使用領域とは、空白、
又は以前に印刷されていない領域、又は媒体の下地（例
えば透かし模様やデザインの入った下地）を意味する。
未使用領域へのこのような印刷を、一方向への印刷の際
にのみ行うようにするために、その一方向への印刷の後
に、−０．５行分（−０．５ＬＦ）媒体を送る。反対方
向への印刷後には＋１．５行分（＋１．５ＬＦ）媒体を
送る。一方向に印刷している間だけ未使用紙へ印刷を行
うことは、２パス以上の複数パスの印刷でも実施可能で
あることは、当業者にとって明らかであろう。また、異
なる行送り方法を用いても良い。例えば、４パスの印刷
モードにおける行送りは、一方向への未使用領域への印
刷の後に−４分の１行分（−０．２５ＦＬ）媒体を送
り、もう１つの方向への印刷の後に＋４分の３行分（＋
０．７５ＦＬ）媒体を送ることである。この場合、一方
向への印刷の間に未使用領域に列（ swath）の半分しか
印刷されないことに留意されたい。

【００２５】留意すべきは、６回の印刷パスが、各々が
１／２行である段が７段できることである。この手順
が、媒体シート全体を印刷する間繰り返され、これによ
り各行に、より厳密には１／２行毎に２パスのインクジ
ェットカラー印刷が実施される。

【００２６】スキャン又は印刷中のマイナスの行送り及
びプラスの行送りの幅は、異なる実施形態によって違っ
ても良い。異なる実施形態では、プラスの行送りが１行
以上（例えば、プラスの行送り (１．００）である一
方、マイナスの行送りが、２÷印刷モードにおけるパス
の数−１、以下（例えば、マイナスの行送り (（２／パ
スの数）−１）となる。

【００２７】図６を参照すると、パス１の間は、キャリ
ッジ１２は一つの方向７２に移動し、インクはＫＣＭＹ
の順に噴出され、その後、媒体搬送コントローラによっ
て−０．５行分だけ媒体が送られる。パス２の間は、キ
ャリッジ１２は反対方向７０へと移動し、インクはＹＭ
ＣＫの順に噴出され、その後＋１．５行分だけ媒体が送
られる。パス３の間は、キャリッジ１２は一方向７２に
再度移動し、インクはＫＣＭＹの順に噴出され、その後
−０．５行分だけ媒体が送られる。パス４の間は、キャ
リッジ１２は逆方向７０に移動し、インクはＹＭＣＫの
順に噴出され、その後＋１．５行分だけ媒体が送られ
る。パス５の間は、キャリッジ１２は一方向７２に移動
し、インクはＫＣＭＹの順に噴出され、その後−０．５
行分だけ媒体が送られる。パス６の間は、キャリッジ１
２は反対方向７０に移動し、インクはＹＭＣＫの順に噴
出され、その後＋１．５行分だけ媒体が送られる。留意
すべきは、個々の段がインクを同じ順序、ＫＣＭＹ、Ｙ
ＭＣＫで受けることである。この順序は異なっても良い
し、どのように規定した順序でもかまわない。しかしな
がら、規定された順序は印刷される段の各々で同じであ
る。結果的に、媒体への色の付着順序（以後、色順と記
載する）に起因した段間の色相の変化がなくなる。

【００２８】図６に描かれた２パス双方向のインクジェ
ットカラー印刷方法により印刷を開始すると、印刷され
る列の半分が、方向７０に最初に発生した印刷（例えば
パス２）で印刷されないために空白となる。これは段１
１０の部分に対応する。実用においては、このような段
１１０はインクを受けず、そしてこれは媒体の外、媒体
の余白、又は媒体のプリント出来ない領域に位置する。

【００２９】また、規定の色順は階層的序列であること
にも留意が必要である。ここで階層とは、第一の規定の
色順でインクを噴出することを示す。例えば、方向７０
への印刷がＹＭＣＫの順に発生した場合、媒体の所定の
領域にはイエローインクがマゼンタ、シアン又はブラッ
クインクよりも先に付着し、マゼンタインクがシアン又
はブラックインクよりも先に付着し、そしてシアンイン
クがブラックインクよりも先に付着する。その領域にイ
エローが用いられない場合は実際の順序はＭＣＫとな
る。またかわりに、その領域にマゼンタインクが用いら
れない場合、実際の順序はＹＣＫとなる。このような階
層中の１つ以上の色は省略できる。しかしながら、階層
がＹＭＣＫの場合、イエローインクを受ける特定領域に
はイエローの前に他の色が印刷されることはない。

【００３０】対称的なプリントヘッドの配列図７は、本実施形態に係るインクジェットカラー印刷装
置のプリントヘッド１２４のレイアウトを示す図であ
り、図１のインクジェットペン１４のプリントヘッドの
他の実施形態である。インク粒子噴出源のプリントヘッ
ド１２４は、インクジェットのノズルを複数段有する。
各々の段は、特定の色を印刷するために、各々の特定の
色のインク専用となっている。段は色によって対称的に
配列されている。外側の段３４は同じ色のインク（例え
ばブラック）を印刷し、段３４に隣接する内側の段３６
は他の色（例えばシアン）のインクを印刷する。その次
の内側の段３８はまた他の色（例えばマゼンタ）のイン
クを印刷し、最も内側の段は４番目の色（例えばイエロ
ー）のインクを印刷する。インクジェットペン１４が媒
体５６上をスキャンする際、プリントヘッド１２４は媒
体に対して一方向７０又は逆方向７２へと移動するが、
段は対称的に配列しているため、プリントヘッドの移動
方向７０，７２に係わりなく、インク色が印刷される順
番は同じである。図に示した実施形態においては、各色
に２段ずつ、合計８段（３４〜４０）となっている。色
の印刷順序は、プリントヘッド１２４が方向７０に移動
する際は、ＫＣＭＹＹＭＣＫであり、プリントヘッド１
２４が反対方向７２に移動する際も同様にＫＣＭＹＹＭ
ＣＫである。

【００３１】図８に、本発明に係る２パス双方向のイン
クジェットカラー印刷方法における他の実施形態のプリ
ントヘッド１２４の動き及び色の印刷順序を示す説明図
であり、キャリッジ１２（図１参照）がそのプリントヘ
ッド１２４を有するインクジェットペン１４を搭載した
２パス双方向のインクジェットカラー印刷方法を示して
いる。パスの終了毎に、＋２分の１行分（＋１／２Ｌ
Ｆ）媒体が送られる。個々のパスが方向７０，７２のい
ずれの方向に実行される場合でも、全ての色ＫＣＭＹを
噴出する。ここでは４回のパスが描かれている。

【００３２】パス１の間は、キャリッジ１２は一方向７
０に移動し、インクはＫＣＭＹＹＭＣＫの順番で噴出さ
れ、その後、媒体搬送コントローラによって０．５行分
だけ媒体が送られる。パス２の間は、キャリッジ１２は
反対方向７２に移動し、インクはＫＣＭＹＹＭＣＫの同
じ順番で噴出され、その後０．５行分だけ媒体が送られ
る。パス３の間は、キャリッジ１２は一方向７０に移動
し、インクはＫＣＭＹＹＭＣＫの順番で噴出され、その
後０．５行分だけ媒体が送られる。パス４の間は、キャ
リッジ１２は反対方向７２に移動し、インクはＫＣＭＹ
ＹＭＣＫの順番で噴出され、その後０．５行分だけ媒体
が送られる。

【００３３】留意すべきは、４回の印刷パスで、各々が
１／２行である段が５段（１０６〜１１４）できること
である。この手順が、媒体シート全体を印刷する間繰り
返され、これにより各行に、より厳密には１／２行毎に
２パスのインクジェットカラー印刷が実施されるわけで
ある。段１０８〜１１２はインクを受ける活性段（ act
ive row ）である。段１０６は余白、又は媒体外にある
空白領域である。段１０８〜１１２の各々は、２パスの
インクジェットカラー印刷が実施される間、ＫＣＭＹＹ
ＭＣＫの順にインクを受ける。これらの段１０８〜１１
２のいずれにおいても累積の順序がＫＣＭＹＹＭＣＫ、
ＫＣＭＹＹＭＣＫとなる。印刷される全ての段における
規定の色順が同じであるため、媒体５６に付着する色順
に起因する色相の変化は起こらない。

【００３４】効果本発明の利点の一つは、印刷ジョブの複数にわたる行の
間の色相変化を回避できることである。したがって、特
定の所望の色の色相が、印刷されたそれぞれの行で同じ
になり、所望の印刷品質が得られる。本発明のもう一つ
の利点は、より少ない印刷パスにより所望の品質のイン
クジェットカラー印刷が得られることである。それゆ
え、より高速の印刷速度が可能となる。

【００３５】本発明の一実施形態を説明してきたが、様
々な代替手法及び変更を用いることが可能である。従っ
て上記の説明は、請求の範囲により定義された本発明を
限定するものではない。

【００３６】以下に本発明の実施の形態を要約する。

【００３７】１．媒体（５６）上への双方向インクジェ
ットカラー印刷方法であって、インク粒子噴出源（２
４）を媒体に対して第一の方向（７２）に移動させるス
テップと、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前
記第一の方向に移動させて全てのインク粒子を印刷する
ために、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前記
第一の方向に移動させながら、階層（ＫＣＭＹ）の第一
の規定の色順で、前記インク粒子を前記媒体の未使用領
域に噴出するステップと、前記インク粒子噴出源を前記
媒体に対して第二の方向（７０）に移動させるステップ
と、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前記第一
の方向とは異なる前記第二の方向に移動させて全てのイ
ンク粒子を印刷するために、前記インク粒子噴出源を前
記媒体に対して前記第二の方向に移動させながら、階層
（ＹＭＣＫ）の第二の規定の色順で、前記インク粒子を
噴出するステップとを有する双方向インクジェットカラ
ー印刷方法。

【００３８】２．媒体（５６）上への双方向インクジェ
ットカラー印刷方法であって、インク粒子噴出源（１２
４）を媒体に対して第一の方向（７２）に移動させるス
テップと、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して第
一の方向に移動させながら、階層（ＫＣＭＹ）の第一の
規定の色順で、インク粒子を前記媒体上に噴出するステ
ップと、前記第一の規定の順序でインク粒子を噴出する
ステップ後、前記媒体を前記インク粒子噴出源に対して
前方又は後方のいずれか一方向に送るステップと、前記
インク粒子噴出源を前記媒体に対して第二の方向（７
０）に移動させるステップと、前記インク粒子噴出源を
前記媒体に対して、前記第一の方向とは異なる前記第二
の方向に移動させながら、階層（ＹＭＣＫ）の第二の規
定の色順で、インク粒子を前記媒体上に噴出するステッ
プと、前記第二の規定の順序で噴出するステップ後、前
記媒体を前記インク粒子噴出源に対して前方又は後方の
いずれかの、前記一方向とは反対のもう一方の方向に送
るステップとを有する双方向インクジェットカラー印刷
方法。

【００３９】３．前記インク粒子が、前記第一の規定の
順序（ＫＣＭＹ）のみで前記媒体の未使用領域に噴出さ
れる上記２に記載の双方向インクジェットカラー印刷方
法。

【００４０】４．前記媒体を一方向に送るステップは、
０．５行又は１．５行のいずれかの行分だけ、前記一方
向に前記媒体を送ることを含み、前記媒体をもう一方の
方向に送るステップは、０．５行又は１．５行のいずれ
かの前記媒体を送る行分とは異なるもう一方の行分だ
け、前記もう一方の方向に前記媒体を送ることを含む上
記２又は３に記載の双方向インクジェットカラー印刷方
法。

【００４１】５．前記第一の方向に移動させ、前記第一
の規定の順序でインク粒子を噴出し、前記一方の方向に
媒体を送り、前記第二の方向に移動させ、前記第二の規
定の順序でインク粒子を噴出し、前記もう一方の方向に
媒体を送るステップは、前記媒体に対する全ての印刷ジ
ョブのために、反復として連続して繰り返され、前記第
一の方向は各反復について規定の色順が同じであり、前
記第二の方向は各反復について規定の色順が同じである
上記２，３又は４に記載の双方向インクジェットカラー
印刷方法。

【００４２】６．前記第二の規定の色順は、前記第一の
規定の色順とは異なる上記１〜５のいずれか一項記載の
双方向インクジェットカラー印刷方法。

【００４３】７．媒体（５６）に印刷するためのインク
ジェットカラー印刷装置（１０）であって、各々の貯蔵
器が異なる色のインクを貯蔵する複数のカラーインク貯
蔵器（１６〜２２）と、各々が一つの規定された色を噴
出するために専用されており、噴出するインクの色によ
ってプリントヘッド上に対称的に配列された複数列（３
４〜４０）が配列している複数の印刷素子（４２〜４
８）を有するインクジェットのプリントヘッド（１２
４）と、前記媒体を印刷するために、前記インクジェッ
トのプリントヘッドの前記媒体に対しての移動方向が第
一の方向又は第二の方向であるか否かにかかわらず階層
（ＫＣＭＹＹＭＣＫ）の共通の色順でインクを噴出する
前記インクジェットのプリントヘッドを、交互に前記第
一及び第二の方向（７０，７２）へと前記媒体上を移動
させるキャリッジ（１２）と、を備えるインクジェット
カラー印刷装置。

【００４４】８．媒体（５６）に印刷するためのインク
ジェットカラー印刷装置（１０）であって、各々の貯蔵
器が異なる色のインクを貯蔵する複数のカラーインク貯
蔵器（１６〜２２）と、各々が一つの規定された色を噴
出するために専用されている複数列（３４−４０）が配
列している複数の印刷素子（４２〜４８）を有するイン
クジェットのプリントヘッド（１２４）と、前記媒体を
印刷するために、前記インクジェットのプリントヘッド
を交互に第一及び第二の方向（７０，７２）へと前記媒
体上を移動させるキャリッジ１２であって、前記キャリ
ッジが前記第一の方向（７２）に移動している間は、イ
ンクが前記媒体上に第一の階層の規定の色順（ＫＣＭ
Ｙ）で受け止められ、前記キャリッジが前記第二の方向
（７０）に移動している間は、インクが前記媒体上に前
記第一の規定の色順とは逆の第二の階層の規定の色順
（ＹＭＣＫ）で受け止められるキャリッジと、前記キャ
リッジに対して媒体を動かす駆動手段（６２）と、前記
キャリッジが前記第一の方向に移動している間は、前記
媒体を前記キャリッジに対して前方又は後方のいずれか
の一方の方向に動かし、前記キャリッジが前記第二の方
向に移動している間は、前記媒体を前記キャリッジに対
して前方又は後方のいずれかのもう一方の方向に動かす
ように前記駆動手段を制御する制御手段（６４）とを備
えるインクジェットカラー印刷装置。

【００４５】９．前記インクは、前記媒体の未使用領域
に、前記第一の規定の色順でのみ噴出される上記８に記
載のインクジェットカラー印刷装置。

【００４６】１０．「ｎ」回にわたるパスの複数パスに
よる印刷が実施されるインクジェットカラー印刷装置で
あって、前記制御手段（６４）が、前記一方の方向で、
少なくとも１行分、前記媒体を送るように前記駆動手段
を制御する手段と、前記もう一方の方向で、少なくとも
（２／ｎ）−１行分、前記媒体を送るように前記駆動手
段を制御する手段とを備え、前記第一の規定の色順又は
前記第二の規定の色順のいずれか一方のみで全てのイン
クを印刷している間、前記インクが前記媒体の未使用領
域に噴出される上記８又は９に記載のインクジェットカ
ラー印刷装置。

【００４７】

【発明の効果】本発明の双方向インクジェットカラー印
刷方法によれば、より少ない印刷パスで印刷でき勝つ印
刷ジョブの複数にわたる行の間の色相変化を回避できる
ことによって、印刷速度が高速で且つ所望の品質のイン
クジェットカラー印刷が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施形態に係るインクジェットカラー印刷装
置のブロック図である。

【図２】図１のインクジェットカラー印刷装置における
プリントヘッドのレイアウトを示した図である。

【図３】図１のインクジェットカラー印刷装置の一部分
を示すブロック図である。

【図４】従来の４パス双方向のインクジェットカラー印
刷方法におけるプリントヘッドの動き及び色の印刷順序
を示す説明図である。

【図５】２パス双方向のインクジェットカラー印刷方法
におけるプリントヘッドの動き及び色の印刷順序を示す
説明図である。

【図６】本発明に係る２パス双方向のインクジェットカ
ラー印刷方法における一実施形態のプリントヘッドの動
き及び色の印刷順序を示す説明図である。

【図７】本実施形態に係るインクジェットカラー印刷装
置のプリントヘッドのレイアウトを示す図である。

【図８】本発明に係る２パス双方向のインクジェットカ
ラー印刷方法における他の実施形態のプリントヘッドの
動き及び色の印刷順序を示す説明図である。

【符号の説明】

１０インクジェットカラー印刷装置１２シャトルキャリッジ１４インクジェットペン１６〜２２インク貯蔵器２４，１２４プリントヘッド３４〜４０ノズルの列４２〜４８ノズル５６媒体６２モータ６４媒体搬送コントローラ７０，７２プリントヘッドの移動方向１０６〜１１４段

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】媒体（５６）上への双方向インクジェット
カラー印刷方法であって、インク粒子噴出源（２４）を媒体に対して第一の方向
（７２）に移動させるステップと、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前記第一の方
向に移動させて全てのインク粒子を印刷するために、前
記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前記第一の方向
に移動させながら、階層（ＫＣＭＹ）の第一の規定の色
順で、前記インク粒子を前記媒体の未使用領域に噴出す
るステップと、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して第二の方向
（７０）に移動させるステップと、前記インク粒子噴出源を前記媒体に対して前記第一の方
向とは異なる前記第二の方向に移動させて全てのインク
粒子を印刷するために、前記インク粒子噴出源を前記媒
体に対して前記第二の方向に移動させながら、階層（Ｙ
ＭＣＫ）の第二の規定の色順で、前記インク粒子を噴出
するステップとを有することを特徴とする双方向インク
ジェットカラー印刷方法。