JPH11320637A - 射出圧縮成形装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型キャビティ内に充填した溶融樹脂を圧縮
して成形を行うに際し、タイバーとの関係において移動
盤と固定盤との距離に関する位置情報を検出することに
より、常に金型面の平行を適正に維持し得るように各タ
イバーに対応する型締シリンダの油圧制御を行って、常
に良品質の圧縮成形品の成形を行うことができる射出圧
縮成形装置を提供する。 【解決手段】 固定盤３０に対する移動盤３６の移動距
離を検出するための距離検出器５４を、前記固定盤と移
動盤とにそれぞれ保持させて各タイバー３４に沿って配
設すると共に、前記各タイバーにそれぞれ張力を与えて
型締めを行う各型締シリンダ４６に対し圧油を供給する
油路５６に、前記圧油の流量をそれぞれ調整するサーボ
バルブ５８を設け、前記各距離検出器によりそれぞれ検
出される位置データに基づいて射出圧縮時の固定盤に対
する移動盤の距離偏差を算出してこの距離偏差に応じて
前記サーボバルブの圧油の流量設定値を修正変更する制
御盤６０を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、金型キャビティ内
に充填した溶融樹脂を圧縮して成形を行う射出圧縮成形
装置に係り、特に溶融樹脂を圧縮する金型面を常に適正
かつ平行に維持して、良品質の圧縮成形品を円滑かつ効
率的に成形することができる射出圧縮成形装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、射出成形機等において、金型キャ
ビティ内の溶融樹脂の不均一に起因する金型面の不均一
な型開きによる成形品精度の低下を防止するための型締
装置として、複数のタイバーにそれぞれ独立した型締シ
リンダを連結し、前記型締シリンダに供給する作動油を
制御する電気油圧制御弁と、金型パーティング面の開き
量を検出する変位センサを装備し、変位センサの変動に
応じて型締シリンダに供給する作動油を制御することに
より、金型パーティング面の平行度の精度を確保するよ
うに構成した型締装置が提案されている（特開昭６１−
２６１０１７号公報）。

【０００３】すなわち、前記提案に係る型締装置におい
て、変位センサは、タイバーの中心に最も接近した金型
側面の４個所に配置され、それぞれのタイバーにおいて
対応する金型のパーティング面の開き量（型開量）をそ
れぞれ検出するように構成されている。そして、前記各
変位センサにより検出される開き量は、変位変換器を介
してコントローラに入力され、金型のパーティング面の
平行度として監視される。

【０００４】従って、射出充填圧力に偏差が生じて、金
型のパーティング面の平行度が低下した場合には、金型
のパーティング面の開き量に不均一が発生する。そこ
で、金型のパーティング面のある個所における型開量
が、他の個所における型開量に比較して大きく検出され
た場合、コントローラは、増幅器を介して電気油圧制御
弁へ修正信号を出力し、型開量が大きく検出された変位
センサに対応するタイバーの型締シリンダに供給される
作動油圧力を増大させて、前記増大した型開量の低減を
図り、金型のパーティング面の平行度を高精度に保持す
るように構成されている。

【０００５】また、従来において、移動金型および固定
金型が傾くと、キャビティの間隔が不均一となり、偏肉
した成形品となったり、バリやひけが発生するという不
具合が生じることから、金型の圧縮工程において、移動
ダイプレートがキャビティ内に充填された溶融樹脂の圧
力分布に関係なく、固定ダイプレートに対して平行に前
進するように構成した射出圧縮成形装置が知られてい
る。

【０００６】すなわち、この種の射出圧縮成形装置とし
て、例えば固定金型を保持する固定ダイプレートと、移
動金型を保持する移動ダイプレートと、この移動ダイプ
レートを固定ダイプレートに対して進退させる型開閉シ
リンダと、型閉じ後に型締めを行うタイバーと、このタ
イバーを移動ダイプレートまたは固定ダイプレートに係
止するハーフナットと、前記タイバーに張力を与えて型
締を行う型締シリンダとから構成され、前記移動ダイプ
レートまたは固定ダイプレートと前記型締シリンダのそ
れぞれのラムとの相対距離を測定するラム位置検出器を
設け、このラム位置検出器から位置情報をフィードバッ
クし、それぞれのラムが同じ速さで移動して圧縮を行う
ように、それぞれの型締シリンダの油圧を制御するよう
構成した射出圧縮成形装置が提案されている（特開平６
−３０４９８４号公報）。

【０００７】図３は、前記提案に係る射出圧縮成形装置
を示すものである。図３において、参照符号１１は移動
金型、１２は固定金型、１３は移動ダイプレート、１４
は固定ダイプレート、１５は型締シリンダ１０のラム、
１６はハーフナット、１７は型開閉シリンダ、１８は方
向切換弁、１９はタイバーをそれぞれ示す。

【０００８】また、前記移動ダイプレート１３に対して
は、その移動位置を検出するための位置検出器２０が設
けられている。さらに、移動ダイプレート１３には、こ
の移動ダイプレート１３に対するそれぞれラム１５の相
対的位置を検出するためのラム位置検出器２２が、前記
各ラム１５に対してそれぞれ独立して設けられると共
に、型締シリンダ１０に供給する圧油を制御するための
サーボバルブ２４が前記各型締シリンダ１０に対してそ
れぞれ独立して設けられている。なお、参照符号２６は
制御器、２８は射出機を示す。

【０００９】しかるに、前記構成からなる射出圧縮成形
装置は、まずハーフナット１６をタイバー１９から離脱
した状態で、方向切換弁１８を介して圧油を型開閉シリ
ンダ１７ヘ供給し、移動ダイプレート１３を固定ダイプ
レート１４に対して前進させ、移動金型１１と固定金型
１２とを当接させて型閉じを行う。この型閉じをした状
態で、タイバー１９にハーフナット１６を係合させた
後、型締シリンダ１０のそれぞれの油室Ａに圧油を供給
して、型締め動作を行う。この動作により、型締シリン
ダ１０のラム側面とハーフナット１６の側面および移動
金型１１と固定金型１２とは、型締め昇圧時と同じ圧力
で圧接される。この状態で、各型締シリンダ１０に設け
られたラム位置検出器２２により得られた位置情報を、
各型締シリンダ１０のラム１５に対する基準原点位置と
して記憶する。

【００１０】次いで、型締シリンダ１０の油室Ａ、Ｂの
圧力を開放した後、型開閉シリンダ１７によって移動ダ
イプレート１３を後退させ、位置検出器２０によって移
動金型１１と固定金型１２との間に射出圧縮に必要な所
定の隙間ｅを形成する。ここで、型締シリンダ１０の油
室Ａ、Ｂを、油圧によりブロックして移動ダイプレート
１３の位置を固定し、射出機２８により溶融樹脂を金型
のキャビティ内に射出充填する。

【００１１】このようにして、溶融樹脂の充填を完了す
れば、型締シリンダ１０の油室Ａに、所要の油圧源から
サーボバルブ２４を介して圧油を供給して、前記両金型
１１、１２を圧縮しながら冷却し、成形品の射出圧縮成
形を行う。この圧縮の過程では、それぞれのラム位置検
出器２２から常時位置情報を制御器２６に送出し、前記
基準原点位置と比較して、進み過ぎているラム１５に対
してはその移動が遅くなるように、また遅れているラム
１５に対してはその移動が速くなるように、それぞれ制
御信号をサーボバルブ２４にフィードバックして制御す
る。この結果、各ラム１５は、それぞれ同じ速さで前進
するので、移動ダイプレート１３は常に固定ダイプレー
ト１４に対して平行に移動させることができるものであ
る。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
射出成形機の型締装置においては、変位センサを金型に
直接取付けることが必要であることから、金型交換を行
う場合に、その都度変位センサの取付け作業が煩雑とな
る難点がある。そこで、金型以外の部分に変位センサを
設けることも提案されているが、構造が複雑となり、製
造コストが増大する難点がある。

【００１３】また、後者の射出圧縮成形装置において
は、ラムと型締シリンダの相対位置を検出するためのラ
ム位置検出器２２の取付けは比較的容易であるが、型締
シリンダを別の位置、例えば固定ダイプレート１４側に
設けた場合には、前記ラム位置検出器２２の適正な設置
が困難となる。

【００１４】さらに、前述した従来装置における金型の
平行度を検出するための変位センサやラム位置検出器等
の設置によれば、タイバーを介して離間する金型の位置
的な変位を検出するのみであり、例えば型締め操作等に
よって多大な応力を受けるタバーの個々の変位に対して
補償することできない。

【００１５】従って、この種の射出圧縮成形装置におい
て、金型キャビティ内に充填された溶融樹脂の圧縮成形
に際し、金型の平行度を適正に保持するためには、前記
タバーの変位を、それぞれ成形サイクル毎に検出して、
それぞれ型締シリンダの圧力制御を行うことが必要であ
る。

【００１６】そこで、本発明者等は、鋭意研究並びに試
作を重ねた結果、固定金型を保持する固定盤と、移動金
型を保持する移動盤と、移動盤を固定盤に対して進退移
動させる型開閉シリンダと、一端にピストン部を形成し
型閉じ後に型締めを行うタイバーと、タイバーを移動盤
または固定盤に係止するハーフナットと、固定盤に形成
されタイバーに設けられたピストン部を嵌挿してタイバ
ーに張力を与えて型締めを行う型締シリンダとから射出
圧縮成形装置を構成し、前記固定盤に対する移動盤の移
動距離を検出するための距離検出器を、前記固定盤と移
動盤とにそれぞれ保持させて各タイバーに沿って配設す
ると共に、前記各タイバーにそれぞれ張力を与えて型締
めを行う各型締シリンダに対し圧油を供給する油路に、
前記圧油の流量をそれぞれ調整するサーボバルブを設
け、前記各距離検出器によりそれぞれ検出される位置デ
ータに基づいて射出圧縮時の固定盤に対する移動盤の距
離偏差を算出してこの距離偏差に応じて前記サーボバル
ブの圧油の流量設定値を修正変更するように構成するこ
とによって、金型キャビティ内に充填された溶融樹脂の
圧縮成形に際し、金型の平行度を常に適正に保持するこ
とができることを突き止めた。

【００１７】従って、本発明の目的は、金型キャビティ
内に充填した溶融樹脂を圧縮して成形を行うに際し、タ
イバーとの関係において移動盤と固定盤との距離に関す
る位置情報を検出することにより、常に金型面の平行を
適正に維持し得るように各タイバーに対応する型締シリ
ンダの油圧制御を行って、常に良品質の圧縮成形品の成
形を行うことができる射出圧縮成形装置を提供すること
にある。

【００１８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る射出圧縮成形装置は、固定金型を保持
する固定盤と、移動金型を保持する移動盤と、移動盤を
固定盤に対して進退移動させる型開閉シリンダと、一端
にピストン部を形成し型閉じ後に型締めを行うタイバー
と、タイバーを移動盤または固定盤に係止するハーフナ
ットと、固定盤に形成されタイバーに設けられたピスト
ン部を嵌挿してタイバーに張力を与えて型締めを行う型
締シリンダとから構成してなる射出圧縮成形装置におい
て、固定盤に対する移動盤の移動距離を検出するための
距離検出器を、前記固定盤と移動盤とにそれぞれ保持さ
せて各タイバーに沿って配設すると共に、前記各タイバ
ーにそれぞれ張力を与えて型締めを行う各型締シリンダ
に対し圧油を供給する油路に、前記圧油の流量をそれぞ
れ調整するサーボバルブを設け、前記各距離検出器によ
りそれぞれ検出される位置データに基づいて射出圧縮時
の固定盤に対する移動盤の距離偏差を算出してこの距離
偏差に応じて前記サーボバルブの圧油の流量設定値を修
正変更する制御盤を設けることを特徴とする。

【００１９】

【実施例】次に、本発明に係る射出圧縮成形装置の実施
例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。

【００２０】図１は、本発明に係る射出圧縮成形装置の
一実施例を示すものである。すなわち、図１において、
参照符号３０は固定盤を示し、この固定盤３０には固定
金型３２を取付けると共に、この固定盤３０に対し、複
数（通常４本）のタイバー３４を介して移動金型３６を
取付けた移動盤３８を進退自在に対向配置する。

【００２１】また、移動盤３８の一部には、固定盤３２
に固定した移動手段としての型開閉用シリンダ４０より
ピストンロッド４０ａを介して結合された前記移動盤３
８を固定盤３０に対して進退移動させて、前記移動金型
３６の固定金型３２に対する型開閉操作を行うように構
成される。

【００２２】一方、前記移動盤３８の外側面には、移動
盤３８を貫通した各タイバー３４の先端部側に形成した
ねじ部（または溝部）３４ａに対し、それぞれ開閉シリ
ンダ４２により移動させてこれと噛み合う係合手段とし
ての型締用ハーフナット４４を取付ける。また、前記固
定盤３０の各タイバー３４との結合部には、それぞれ型
締シリンダ４６を設け、この型締シリンダ４６にタイバ
ー３４の他端部に形成したピストン部３４ｂを嵌挿して
タイバー３４をその軸方向に進退自在に構成する。

【００２３】また、前記移動盤３８には、前記ハーフナ
ット４４と隣接させて各タイバー３４の先端肩部３４ｃ
と当接して、前記各タイバー３４のねじ部３４ａとハー
フナット４４とが噛み合う位置に位置決めするためのス
トッパ４８をそれぞれ設けると共に、移動盤３８の移動
位置を検出するための位置検出器５０を設ける。なお、
前記ストッパ４８に当接する各タイバー３４の先端部に
は、それぞれ延長軸部５１を突設してその先端に連結板
５２を結合する。

【００２４】以上の構成は、従来の射出圧縮成形装置の
構成と基本的に同じである。そこで、本発明に係る射出
圧縮成形装置においては、移動盤３８と固定盤３０との
間において、前記固定盤３０に対する移動盤３８の移動
距離を検出することができる距離検出器５４を、前記固
定盤３０と移動盤３８とにそれぞれ取付けると共に前記
各タイバー３４に添って延在するように配設し、この距
離検出器５４により固定盤３０に対する移動盤３８の移
動距離を検出するように構成配置する。

【００２５】一方、前記各タイバー３４に対して設けら
れた型締シリンダ４６に対してそれぞれ圧油を供給する
油路５６には、サーボバルブ５８をそれぞれ設けると共
に、前記各距離検出器５４および位置検出器５０により
それぞれ検出される信号を入力して、前記各サーボバル
ブ５８を制御するための制御盤６０を設ける。なお、こ
の制御盤６０は、前記型開閉用シリンダ４０に圧油を供
給するための方向切換弁６２に対して、その作動を制御
するように接続されている。また、図１において、参照
符号６４は射出成形機のノズル部を示す。

【００２６】しかるに、前記距離検出器５４は、例えば
図２に示すように、それぞれ一端を固定盤３０と移動盤
３８とに取付けて、各タイバー３４に添って延在するよ
うに配設した筒形電極５４ａとこれに挿通される棒状電
極５４ｂとからなる直線変位形ポテンショメータにより
構成することができる。すなわち、例えば差動トランス
に代表される直線変位形ポテンショメータは、固定盤３
０に対する移動盤３８の移動距離変位（直線変位）に応
じて、前記相対する筒形電極５４ａと棒状電極５４ｂと
の間に発生する電気量が、直線的に増減変位するように
構成されたものである。

【００２７】次に、前記構成からなる本実施例に係る射
出圧縮成形装置の動作につき説明する。まず、ハーフナ
ット４４によるタイバー３４と移動盤３８との係合関係
が解除されている状態において、型開閉用シリンダ４０
により型閉じ動作を行う。この場合、予め設定した型閉
じ限の手前において、タイバー３４の先端肩部３４ｃを
ストッパ４８に当接させて相対位置決めを行った後、開
閉シリンダ４２を動作させてハーフナット４４を閉じタ
イバー３４と係合させ、これによりタイバー３４と移動
盤３８とを同調前進させ、移動金型３６と固定金型３２
とを当接させて型閉じを行う。その後、各型締シリンダ
４６に圧油を供給して型締め動作を行う。この状態にお
ける固定盤３０に対する移動盤３６のそれぞれ距離検出
器５４で検出される位置データを、型締シリンダ４６の
基準原点位置として、制御盤６０に設けた記憶部に記憶
する。

【００２８】次いで、前記型締シリンダ４６の左右の油
室Ａ、Ｂの圧抜きを行った後、型開閉用シリンダ４０に
より移動盤３８を後退させ、位置検出器５０により移動
金型３６と固定金型３２との間に、射出圧縮に必要な所
定の間隙ｅを設定する。

【００２９】そして、前記型締シリンダ４６の左右の油
室Ａ、Ｂを、油圧によってブロックして移動盤３８の位
置を固定し、射出成形機のノズル部６４より溶融樹脂を
金型キャビティ内に射出充填する。

【００３０】このようにして、溶融樹脂の射出充填が完
了した後、型締シリンダ４６の一方の油室Ｂに対し、所
要の油圧源よりサーボバルブ５８を介して圧油を供給
し、前記両金型３２、３６を圧縮し、成形品の圧縮成形
を行う。この圧縮成形の工程において、前記各距離検出
器５４より常時得られる位置情報を制御盤６０に送出
し、前記記憶部に記憶した基準原点位置と比較して、進
み過ぎているタイバー３４に対しては、その移動が遅く
なるように、対応する型締シリンダ４６への圧油の供給
流量を修正するように、サーボバルブ５８をフィードバ
ック制御する。また、前記基準原点位置と比較して、遅
れているタイバー３４に対しては、その移動が速くなる
ように、対応する型締シリンダ４６への圧油の供給流量
を修正するように、サーボバルブ５８をフィードバック
制御する。

【００３１】このように制御することにより、移動盤３
８は、固定盤３０に対して常に平行に移動するように動
作させることができる。

【００３２】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更
が可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る射出
圧縮成形装置は、固定金型を保持する固定盤と、可動金
型を保持する移動盤と、移動盤を固定盤に対して進退移
動させる型開閉シリンダと、一端にピストン部を形成し
型閉じ後に型締めを行うタイバーと、タイバーを移動盤
または固定盤に係止するハーフナットと、固定盤に形成
されタイバーに設けられたピストン部を嵌挿してタイバ
ーに張力を与えて型締めを行う型締シリンダとから構成
してなる射出圧縮成形装置において、固定盤に対する移
動盤の移動距離を検出するための距離検出器を、前記固
定盤と移動盤とにそれぞれ保持させて各タイバーに沿っ
て配設すると共に、前記各タイバーにそれぞれ張力を与
えて型締めを行う各型締シリンダに対し圧油を供給する
油路に、前記圧油の流量をそれぞれ調整するサーボバル
ブを設け、前記各距離検出器によりそれぞれ検出される
位置データに基づいて射出圧縮時の固定盤に対する移動
盤の距離偏差を算出してこの距離偏差に応じて前記サー
ボバルブの圧油の流量設定値を修正変更する制御盤を設
けた構成とすることにより、移動盤を固定盤に対し常に
平行に移動させることができ、成形品が偏肉になった
り、バリができたり、ひけができたりする不具合を除去
して、円滑かつ効率的な射出圧縮成形を行うことができ
る。

【００３４】特に、本発明に係る射出圧縮成形装置によ
れば、移動盤と固定盤との距離を検出するための距離検
出器を、それぞれ一端を移動盤または固定盤に保持して
各タイバーにそれぞれ案内支持させたことにより、型締
め操作等によって多大な応力を受ける各タイバーの個々
の変位に対して補償することができるで、移動盤と固定
盤との平行度の保持を、容易かつ高精度に達成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る射出圧縮成形装置の一実施例を示
す概略断面側面図である。

【図２】図１に示す射出圧縮成形装置における距離検出
器の構成を示す概略断面側面図である。

【図３】従来の射出圧縮成形装置の構成を示す概略断面
側面図である。

【符号の説明】

３０ 固定盤 ３２ 固定金型 ３４ タイバー ３４ａ ねじ部 ３４ｂ ラム部 ３４ｃ 先端肩部 ３６ 移動金型 ３８ 移動盤 ４０ 型開閉用シリンダ ４０ａ ピストンロッド ４２ 開閉シリンダ ４４ 型締用ハーフナット ４６ 型締シリンダ ４８ ストッパ ５０ 位置検出器 ５１ 延長軸部 ５２ 連結板 ５４ 距離検出器（直線変位形ポテンショメータ） ５４ａ 筒形電極 ５４ｂ 棒状電極 ５６ 油路 ５８ サーボバルブ ６０ 制御盤 ６２ 方向切換弁 ６４ 射出成形機のノズル部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 固定金型を保持する固定盤と、移動金型
   を保持する移動盤と、移動盤を固定盤に対して進退移動
   させる型開閉シリンダと、一端にピストン部を形成し型
   閉じ後に型締めを行うタイバーと、タイバーを移動盤ま
   たは固定盤に係止するハーフナットと、固定盤に形成さ
   れタイバーに設けられたピストン部を嵌挿してタイバー
   に張力を与えて型締めを行う型締シリンダとから構成し
   てなる射出圧縮成形装置において、 固定盤に対する移動盤の移動距離を検出するための距離
   検出器を、前記固定盤と移動盤とにそれぞれ保持させて
   各タイバーに沿って配設すると共に、前記各タイバーに
   それぞれ張力を与えて型締めを行う各型締シリンダに対
   し圧油を供給する油路に、前記圧油の流量をそれぞれ調
   整するサーボバルブを設け、前記各距離検出器によりそ
   れぞれ検出される位置データに基づいて射出圧縮時の固
   定盤に対する移動盤の距離偏差を算出してこの距離偏差
   に応じて前記サーボバルブの圧油の流量設定値を修正変
   更する制御盤を設けることを特徴とする射出圧縮成形装
   置。