JPH11320315A - 物品搬送装置及びその制御方法及び物品搬送システム - Google Patents

物品搬送装置及びその制御方法及び物品搬送システム

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JPH11320315A
JPH11320315A JP13398298A JP13398298A JPH11320315A JP H11320315 A JPH11320315 A JP H11320315A JP 13398298 A JP13398298 A JP 13398298A JP 13398298 A JP13398298 A JP 13398298A JP H11320315 A JPH11320315 A JP H11320315A
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JP13398298A
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Katsumi Ishihara
勝己 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の設計を複雑化すること無く、搬送装置の
干渉を防止することができる物品搬送装置を提供する。 【解決手段】 生産ラインの2つの工程間で物品を搬送
するための物品搬送装置において、前記2つの工程間の
ほぼ中央に配置された装置本体と、この装置本体に回動
可能に配置されたアーム1と、アーム1を回動させるた
めの回動機構と、アーム1の先端に設けられ、物品を保
持するための保持部と、この保持部を、前後の搬送装置
と干渉しない位置で、且つ回動方向で次工程に近い位置
A,Dに待機させる制御装置とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は組立・加工等を行な
う作業対象部品を各工程毎に設けられた作業台に順次搬
送する生産ラインにおける物品搬送装置及びその制御方
法及び物品搬送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の生産ラインにおける搬送装置とし
ては、特開平9−85590号公報に開示されるよう
に、第1の工程とその直後の第2の工程との略中央に配
置された装置本体に軸支され、装置本体の幅方向に沿っ
た両側に回動可能に設けられた一対のアーム部と、前記
アーム部の先端に設けられ、該アームの回動により前記
第1の工程に載置された物品を持ち上げて、重力方向に
対して常に一定姿勢を保ちながら第2の工程に移送する
物品保持手段と、前記物品保持手段に設けられ、前記ア
ームの回動に連動して前記物品を把持又は開放する把持
手段と、前記アームを前記第1、第2の工程間において
所定のタイミングで回動するように制御する制御手段と
を具備している搬送装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例では、搬送装置の物品保持手段が、物品を搬送し
ている時間以外のほとんどの時間の間、工程の作業台の
位置にあり、その作業台で作業を行う装置では、搬送装
置との干渉をさけるために設計が非常に複雑になってし
まう。また、生産ライン全体として、各搬送装置の衝突
防止の安全面から生産ライン全体を同期させる必要があ
り、各工程の中での最長タクトタイムがライン全体のタ
クトタイムとなってしまうという問題があった。
【0004】従って、本発明は上述した課題に鑑みてな
されたものであり、その目的は、装置の設計を複雑化す
ること無く、搬送装置の干渉を防止することができる物
品搬送装置及びその制御方法及び物品搬送システムを提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するために、本発明に係わる物品搬送装置
は、生産ラインの2つの工程間で物品を搬送するための
物品搬送装置において、前記2つの工程間のほぼ中央に
配置された装置本体と、該装置本体に回動可能に配置さ
れたアームと、該アームを回動させるための回動手段
と、前記アームの先端に設けられ、前記物品を保持する
ための保持手段と、前記保持手段を、前後の搬送装置と
干渉しない位置で、且つ回動方向で次工程に近い位置に
待機させる制御手段とを具備することを特徴としてい
る。
【0006】また、この発明に係わる物品搬送装置にお
いて、前記アームは、前記装置本体の幅方向両側に配置
された一対のアーム部材からなることを特徴としてい
る。
【0007】また、この発明に係わる物品搬送装置にお
いて、前記アームの回動角度を検出するための検出手段
を更に具備することを特徴としている。
【0008】また、この発明に係わる物品搬送装置にお
いて、前記制御手段は、前後の工程の作業装置の制御手
段からの情報と、前記検出手段からの情報とに基づい
て、前記アームを回動制御することを特徴としている。
【0009】また、本発明に係わる物品搬送装置の制御
方法は、生産ラインの2つの工程間のほぼ中央に配置さ
れた装置本体と、該装置本体に回動可能に配置されたア
ームと、該アームを回動させるための回動手段と、前記
アームの先端に設けられ、前記物品を保持するための保
持手段とを備える物品搬送装置の制御方法であって、前
記保持手段を、前後の搬送装置と干渉しない位置で待機
させる待機工程を具備することを特徴としている。
【0010】また、この発明に係わる物品搬送装置の制
御方法において、前記アームは、前記装置本体の幅方向
両側に配置された一対のアーム部材からなることを特徴
としている。
【0011】また、この発明に係わる物品搬送装置の制
御方法において、前記物品搬送装置は、前記アームの回
動角度を検出するための検出手段を更に備えることを特
徴としている。
【0012】また、この発明に係わる物品搬送装置の制
御方法において、前後の工程の作業装置の制御手段から
の情報と、前記検出手段からの情報とに基づいて、前記
アームを回動制御する回動工程を更に具備することを特
徴としている。
【0013】また、本発明に係わる物品搬送システム
は、生産ラインの2つの工程間のほぼ中央に配置された
装置本体と、該装置本体に回動可能に配置されたアーム
と、該アームを回動させるための回動手段と、前記アー
ムの先端に設けられ、前記物品を保持するための保持手
段とを備える物品搬送装置を少なくとも2つ備える物品
搬送システムであって、前記2つの物品搬送装置のうち
の一方の物品搬送装置のアームが、前記2つの物品搬送
装置の前記保持手段が互いに干渉する可能性のある位置
に有るときに、前記一方の物品搬送装置が、他方の物品
搬送装置に対してアームの回動を禁止する信号を出力す
ることを特徴としている。
【0014】また、この発明に係わる物品搬送システム
において、前記アームは、前記装置本体の幅方向両側に
配置された一対のアーム部材からなることを特徴として
いる。
【0015】また、この発明に係わる物品搬送システム
において、前記2つの物品搬送装置は、前記アームの回
動角度を検出するための検出手段を更に備えることを特
徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態につ
いて添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は、本
発明の一実施形態に係わる物品搬送装置の側面図であ
る。
【0017】図1において、左右に並列に配置された作
業台22,23は、物品20を載置して加工及び組立の
工程作業を行う台である。作業台22は前工程、作業台
23は後工程を行う台であり、物品20は矢印31に沿
って、作業台22から作業台23へ順次移送されなが
ら、各作業台において所定の加工及び組立がなされる。
ホルダ24は、物品が作業台22,23に載置されたと
きの物品の保持位置の基準となり、各作業台22,23
上に設けられている(作業台22のホルダは不図示)。
【0018】物品20,21は、搬送対象物であり、物
品20は、前工程での作業中の物品、物品21は後工程
での作業中の物品である。
【0019】図2は、図1に示す物品搬送装置の平面図
である。図2において、本実施形態において搬送対象と
している物品20は、薄肉円筒形状の感光ドラムであ
る。この物品は、その両端における幅数mm以内の部分の
みが接触可となっており、それ以外の部分は接触不可
で、且つ両端における接触可能な幅数mm以内の部分も傷
等が付かないよう搬送しなければならない。
【0020】図1において、中心線32を挟んで対称に
配置された一対のアーム1(一対のアームのうち片方は
不図示)は、シャフト2に直結されており、以下に説明
する駆動機構により、矢印30の方向に回動可能になっ
ている。駆動機構は、サーボモータ3を駆動源とするタ
イミングプーリ4から駆動力を付与される。タイミング
プーリ4は、タイミングベルト18を介して、プーリ5
に連結されている。テンショナ6は、タイミングベルト
18の張力調整のために設けられている。プーリ5は、
シャフト2と回転軸が同じとなるように固定され、サー
ボモータ3の回転は、プーリ5の径がプーリ4に対して
大きく設定されているため減速されてシャフト2に伝達
され、アーム1を回動させる。プーリ4とプーリ5の減
速比は1/10とされ、アーム1の最大回転数は5rp
sに設定されているので、アーム1は高速回転可能とな
っている。さらに、近接センサ12はサーボモータ3の
基準となる原点位置を決定するために設けられ、センサ
取付板13に固定されている。センサードグ板14は、
アーム1の回転角度をセンサ12により検知可能に設け
られ、アーム1の回転に連動してプーリ5の半回転分の
回転角度を検知可能にプーリ5に取り付けられている。
【0021】<アームの先端部の機構>図2に示すよう
に、一対のアーム1は中心線32に対して対称に設けら
れているので、以下では片側のアーム1の先端部の機構
についてのみ説明する。
【0022】図1,図2において、フィンガーベース1
5は、アーム1の先端部分に矢印32で示す方向に回動
自在に取り付けられている。このフィンガーベース15
のアーム1を挟んで反対側には、プーリ8がフィンガー
ベース15と一体的に回動自在に軸支され、プーリ8は
タイミングベルト9を介して、シャフト2を回転自在に
支持する取付板11に固定されたプーリ7に連結されて
いる。プーリ7の軸心とシャフト2の軸心は一致してい
る。テンショナ10は、プーリ7とプーリ8に巻装され
たタイミングベルト9の張力調整用に設けられている。
これらプーリ7,8は、同径,同歯数のタイミングプー
リである。プーリ7は、取付板11に固定されているの
で、シャフト2とアーム1が回転しても回転することは
なく、これにタイミングベルト9を介して連結されてい
るプーリ8すなわちフィンガベース15は、アーム1が
回転しても鉛直方向に対して一定の姿勢を保つこととな
る。
【0023】フィンガーベース15には、物品20の搬
送時、物品20を持ち上げるためのホルダ16が1つの
フィンガーベースに対して2つ取り付けられている。各
々のホルダ16は、フィンガーベース15に回動自在に
軸支されており、物品に当接する部分は、断面円形状に
形成される。本実施形態では、当接部分にOリングが取
り付けられている。また、物品20を持ち上げる際に、
2つのホルダ16は、物品20の重心を中心として左右
対称に支持するように、且つ2つのホルダ16の間隔が
物品20の直径より小さくなるように配置され、前工程
の作業台22側にアーム1が倒れた状態の時(図1に示
す鉛直方向と垂直な水平状態)、ホルダ16のOリング
が物品20の下部に接触する位置よりわずかに下方に位
置するように配置されている。また、2つのホルダ16
の中間点と、フィンガベースの中心線とは一致してお
り、且つアーム長(フィンガーベース中心とアーム回転
中心との間隔)と、アーム回転中心から各作業台22,
23までの距離L1,L2とは同一である。
【0024】次に、図3は、上記の一実施形態の変形例
を示した側面図である。また、図4は、図3に示す物品
のクランプ式搬送装置の平面図である。
【0025】図3,図4において、フィンガーベース1
5には、一対のレバー17が回動自在に取り付けられて
いる。このレバー17は、物品20を両側から抱えるよ
うにフィンガーベース15の下部から上方に矩形状に延
設されている。また、レバー17は、軸34を介してフ
ィンガーベース15に回動自在に軸支されている。レバ
ー17の一端部36は、ホルダ16と同様に物品に当接
してもその表面に傷を付けない形状、材質とし、レバー
17の他端部(カム接触部)35は、カム26に当接し
ている。このカム26は、フィンガーベース15とアー
ム1の先端との間で、アーム1に固定されている。一対
のレバー17の略中央部分には、前述のフィンガーベー
ス15に回動可能に取り付けられたホルダ16が配置さ
れ、一対のレバー間には、当該レバーを互いに引き寄せ
る方向に付勢する引張りバネ19が張架されている。ア
ーム1が回動してカム26がレバー17に対して相対回
転すると共に、バネ19の引張り力の作用により、アー
ムが作業台22,23(前、後工程共)近傍にある場
合、レバー17は開き状態(図3に示す状態)、それ以
外の回動位置では、物品20を把持した閉じ状態とな
る。
【0026】<カムの作用>図5(a)は、図3,図4
に示すカムの形状を示した図であり、図5(b)は、ア
ームの回転角度αと、カムの作用によるレバーの開閉状
態との関係を示す図である。
【0027】図5(a)において、カム26は、レバー
17との接触部分26aをリングの内周に設け、内周面
の直径上にあって対向する部位には、一対の凸部26b
が形成されている。カム26が回動し、この凸部26b
とレバー17とが接触したとき、一対のレバー17がバ
ネ19の付勢力に打ち勝って開き状態となる。カム26
は、90°から270°に引かれた中心線を中心として
線対称な形状となっている。このような線対称な形状と
することで、図5(b)に示すように、図3の前工程の
作業台22から物品を取り出す時のレバー17の閉じる
タイミングと、後工程の作業台23へ物品を載置する時
のレバー17の開くタイミングとをアームの回転角度に
対して同タイミングで対称的に動作させることができ
る。
【0028】<レバーの動作>図6(a)〜(c)は、
作業台22の物品ホルダ24(図3,図4参照)から作
業台23へ物品20を搬送する際に、物品20を作業台
22から取り出す様子を示す。なお、図6(a)は、作
業台22での工程作業中において、アーム1が搬送指令
待ちの状態であり、このときのアーム1の回転角αを0
°として時計回りに角度が+(プラス)方向になり、1
回転して、α=0°(360°でなく)になるものとし
てアーム1の回動と物品20を把持するレバーの動作を
説明する。
【0029】図6(a)において、物品20は、まだ、
作業台22の物品ホルダ24上に有り、フィンガーベー
ス15のホルダ16は、物品20に対して接触しない程
度に近接している。また、レバー17は、軸34を介し
てフィンガーベース15に回動自在に軸支されている。
また、レバー17は、レバー17の他端部に回動自在に
設けられたカム接触部35を介してカム26の内周面に
当接している(カム接触部35とカム26の内周面と
は、転がり接触させて摩耗を抑えるように配慮されてい
る)。
【0030】図示のように、アーム1が回転角α=0°
の時には、カム26の内周面に形成された凸部26bと
レバー17のカム接触部35とが当接しているので、レ
バー17はバネ19の引張り力に抗して押し広げられる
ように軸34まわりに回動し、レバー17の一端部36
が物品20を把持することなく開き状態となっている。
【0031】次に、図6(b)に示すように、搬送指令
を受けて物品搬送動作が開始されると、アーム1は、矢
印方向へ回動する。アーム1が図6(a)の状態から図
6(b)の状態(α=+9°回動した状態)に回動する
と、フィンガーベース15上のホルダ16は物品20を
作業台22から持ち上げ、取り出す準備をする。ただ
し、図5(b)に示すように、図6(a)の状態から図
6(b)の状態に移行しただけでは、カム26の凸部2
6bとレバー17のカム接触部35との当接状態は完全
に解除されないので、レバー17は、開き状態のまま
で、レバー17は物品20を把持しない。
【0032】さらに、アーム1が図6(b)の状態から
図6(c)の状態(α=+18°回動した状態)に回動
すると、図6(b)に示すように、レバー17は閉じ始
める。図6(c)でアーム1が18°回転したときに
は、カム26の凸部26bとレバー17のカム接触部3
5との当接状態が解除され、レバー17にバネ19の引
張り力が作用して、ホルダ16とレバー17の一端部3
6との間で物品20を上下方向から押え込んでしまう。
【0033】その後、作業台23へ物品20を載置する
前(アームの回転角度α=162°)までレバー17と
カム26により、物品20は保持された状態で搬送され
る。さらに回転した後は、図5(b)に示すように、ア
ームの回転角度αが180°になるまで、レバー17が
開き状態へ作動して、作業台23に物品20を載置す
る。その後、作業台23に載置した物品とレバー17の
一端部36が干渉しないよう、レバー17はアームの回
転角度αが189°になるまで開いたままの状態であ
る。次に、回転角度αが198°になるまで徐々にレバ
ー17が閉じていき、最初の作業台22に向かう。そし
て、アームの回転角度αが342°の位置から、徐々に
レバー17が開き始め、アームの回転角度αが351°
の位置からα=0°に回動するときには、完全にレバー
17が開いた状態で回動して停止する。
【0034】<制御回路>図7は、本発明の一実施形態
のクランプ式搬送装置を上述のように動作させるための
制御回路の構成を示すブロック図である。
【0035】図7において、前工程のシーケンス制御部
44は、前工程における工程処理を順次実行する。後工
程のシーケンス制御部45も同様に後工程における工程
処理を順次実行する。これらシーケンス制御部44、4
5は、本実施形態の搬送装置のメインシーケンス制御部
43に通信ラインを介して接続され、各種の指令信号や
状態信号を互いに送受信できるようになっている。さら
に、メインシーケンス制御部43は、アーム1の回動開
始信号や回動終了信号等によってサーボモータを加減速
させてアームの位置制御を実行するサーボ制御部42に
接続されている。このサーボ制御部42には、サーボモ
ータ3の原点出しに必要な近接センサ12や、サーボモ
ータ3の軸回動位置を検知するためのエンコーダ40が
接続されている。サーボモータ3は、モータドライバ4
1から回転制御信号を受けて駆動される。モータドライ
バ41は、サーボ制御部42の指令に基づいてサーボモ
ータ3を直接駆動するようになっている。
【0036】<制御ブロック>図8は、一実施形態の搬
送装置の制御ブロック図である。1つの搬送装置(対象
搬送装置と呼ぶ)の制御装置は、前後の搬送装置の制御
装置と前後の工程作業制御装置との間で信号のやり取り
を行い、動作するようになっている。
【0037】<搬送装置の動作位置>図9は、一実施形
態の搬送装置のアーム1の回転方向位置とその位置での
状態を表しており、既に述べたようにアーム1はその回
転位置情報を検知可能となっている。図9において、A
は物品を後工程に供給するときの待機位置である。Aの
位置及びCの位置は、後搬送装置との間で機構上の干渉
が生ずるBの位置からずれており、この位置(Aの位置
及びCの位置)では後搬送装置との間で機構上の干渉は
生じない。Bは、後工程の供給位置(作業位置)であ
る。Dは、前工程の物品の排出のための待機位置であ
る。Dの位置及びFの位置は、前搬送装置との間で機構
上の干渉が生ずるEの位置からずれており、この位置
(Dの位置及びFの位置)では、前搬送装置との間で機
構上の干渉は生じない。Eは前工程の排出位置(作業位
置)である。
【0038】<搬送装置の動作制御>次に、一実施形態
の搬送装置が、メインシーケンス制御部43によって生
産ラインにおいてどのように動作制御されるかについて
説明する。図10乃至図12A,Bは、メインシーケン
ス制御部による動作手順を示すフローチャート及び動作
状態図である。
【0039】図10は、装置全体のフローチャートであ
って、本装置に電源が入ってから通常稼動までの動作で
ある。
【0040】図10において、処理が開始されると、ま
ず、ステップS1で、電源が立ち上げられ、ステップS
2で初期化処理を実行して、ステップS3にてシーケン
スプログラムに基づいて各生産ラインの装置が稼働され
て生産が開始される。その後、ステップS4では、前工
程での工程作業が終了したところで物品の搬送を行な
い、装置の稼動中は、ステップS3、S4の処理を繰り
返し実行する。
【0041】図11は、図10で説明した初期化処理の
動作を示すフローチャートである。
【0042】図11において、初期化処理が開始される
と、ステップS11では、前工程及び後工程のシーケン
ス制御部44、45が電源立ち上げ後の準備を終了し、
搬送装置の動作開始可能となるまで待つ。ステップS1
1で搬送装置が動作開始可能となったところで(ステッ
プS11でYES)、ステップS12において、センサ
12、エンコーダ40、モータドライバ41により、サ
ーボ制御部42にサーボモータ3の原点出し実行させ
る。その後、ステップS13で、アーム1を初期位置へ
移動させる。このステップS13では、初期位置は、前
工程排出待機位置(図9にDで示す位置)であり、アー
ム1の回転角度αが−40°の位置である。ステップS
13でアームの移動を終了すると初期化処理を終了す
る。
【0043】図12A、図12Bは、一実施形態の搬送
装置が搬送動作を行うときの状態の変遷を示す図であ
る。
【0044】まず、図11に示した初期化処理が行われ
ると、図12Aの(a)に示すように、前搬送装置、対
象搬送装置、後搬送装置のアーム1は、図9にDで示す
排出待機位置に位置決めされる。なお、この例では、初
期化処理が行われた状態では、前工程のさらに前の工
程、前工程、及び後工程の工程作業を行う位置にはワー
ク(物品1、物品2、物品3)が存在しているものと仮
定する。また、この状態においては、後搬送装置は、対
象搬送装置の動作を禁止するインターロックon信号を
対象搬送装置に出力し、対象搬送装置は、前搬送装置の
動作を禁止するインターロックon信号を前搬送装置に
出力している。
【0045】次に、後工程の工程作業が終了し、後工程
の排出指令が出力されると、後搬送装置のアームは、
(b)に示すように、排出待機位置Dから排出完了位置
Fまで回動して、物品3を排出する。後搬送装置のアー
ムが排出完了位置Fまで回動した時点で、後搬送装置
は、対象搬送装置の動作を許可するインターロックof
f信号を対象搬送装置に出力する。
【0046】このとき、前工程が終了し、前工程の排出
信号が出力されていれば、対象搬送装置のアームは、
(c)に示すように、排出待機位置Dから排出完了位置
Fまで回動して、物品2を排出する。また、後搬送装置
からインターロックoff信号が出力された時点でまだ
前工程の排出信号が出力されていなければ、この排出信
号が出力されるのを待って同様の動作を行う。また、対
象搬送装置のアームの動作と並行して、後搬送装置のア
ームは、排出完了位置Fから供給待機位置Aまで回動す
る。対象搬送装置のアームが排出完了位置Fまで回動し
た時点で、対象搬送装置は、前搬送装置の動作を許可す
るインターロックoff信号を前搬送装置に出力する。
【0047】そして、このとき、前工程のさらに前の工
程の排出信号が出力されていれば、前搬送装置のアーム
は、(d)に示すように、排出待機位置Dから排出完了
位置Fまで回動して、物品1を排出する。また、前搬送
装置のアームの動作と並行して、対象搬送装置のアーム
は、排出完了位置Fから供給待機位置Aまで回動する。
さらに、これらの動作と並行して、後搬送装置のアーム
は、供給位置Bまで回動して、後工程のさらに後の工程
に物品3を供給し、この工程の動作準備を許可する信号
を出力する。
【0048】次に、(e)に示すように、前搬送装置と
対象搬送装置と後搬送装置のアームは回動を継続し、後
搬送装置のアームが供給完了位置Cにきた時点で、後搬
送装置は、後工程のさらに後の工程に作業許可信号を出
力する。また、対象搬送装置のアームが供給位置Bまで
きた時点で、対象搬送装置は、後工程の動作準備を許可
する信号を出力する。
【0049】次に、(f)に示すように、後搬送装置の
アームが排出待機位置Dに戻ってきた時点で、対象搬送
装置は、後搬送装置の動作を禁止するインターロックo
n信号を後搬送装置に出力する。また、対象搬送装置の
アームが供給完了位置Cにきた時点で、対象搬送装置
は、後工程に作業許可信号を出力する。さらに、前搬送
装置のアームが供給位置Bまできた時点で、前搬送装置
は、前工程の動作準備を許可する信号を出力する。
【0050】次に、(g)に示すように、対象搬送装置
のアームが排出待機位置に戻ってきた時点で、前搬送装
置は、対象搬送装置の動作を禁止するインターロックo
n信号を対象搬送装置に出力する。また、前搬送装置の
アームが供給完了位置Cにきた時点で、前搬送装置は、
前工程に作業許可信号を出力する。
【0051】このようにして、それぞれのワークが、そ
れぞれ次の工程へと供給され、工程作業が許可された
後、各工程作業が行われる。なお、後工程の工程作業が
完了した時点で、対象搬送装置からは、後搬送装置に対
してインターロックoff信号が出力され、前工程の工
程作業が完了した時点で、前搬送装置からは、対象搬送
装置に対してインターロックoff信号が出力される。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高速な物品搬送装置を実現できるばかりでなく、作業
装置の設計に制限される搬送装置の物品把持部の干渉を
なくすことができる。搬送装置の非同期化が可能であ
り、各作業のタクトバラツキを吸収できる。効果があ
る。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係わる物品搬送
装置の側面図である。
【図2】図1に示す物品搬送装置の平面図である。
【図3】一実施形態の変形例を示した側面図である。
【図4】図3に示す物品のクランプ式搬送装置の平面図
である。
【図5】図3、図4に示すカムの形状を示した図であ
る。
【図6】前工程作業台の物品ホルダから後工程作業台へ
物品を搬送する際に、物品を前工程作業台から取り出す
様子を示す図である。
【図7】一実施形態の搬送装置の制御回路の構成を示す
ブロック図である。
【図8】一実施形態の搬送装置の制御ブロック図であ
る。
【図9】一実施形態の搬送装置のアームの回転方向位置
とその位置での状態を表した図である。
【図10】装置に電源が入ってから通常稼動までの動作
を示す装置全体のフローチャートである。
【図11】図10における初期化処理の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図12A】搬送処理の動作を示す状態図である。
【図12B】搬送処理の動作を示す状態図である。
【符号の説明】
1 アーム 2 シャフト 3 サーボモータ 4,5,7,8 プーリ 6,10 テンショナ 9,18 タイミングベルト 11 取付板 12 センサ 13 センサ取付板 14 センサドグ 15 フィンガベース 16,24 ホルダ 17 レバー 19 引張りバネ 20 前工程の物品 21 後工程の物品 22 前工程の作業台 23 後工程の作業台 26 カム 33 基台 34 軸 35 カム接触部 36 一端部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生産ラインの2つの工程間で物品を搬送
    するための物品搬送装置において、 前記2つの工程間のほぼ中央に配置された装置本体と、 該装置本体に回動可能に配置されたアームと、 該アームを回動させるための回動手段と、 前記アームの先端に設けられ、前記物品を保持するため
    の保持手段と、 前記保持手段を、前後の搬送装置と干渉しない位置で、
    且つ回動方向で次工程に近い位置に待機させる制御手段
    とを具備することを特徴とする物品搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記アームは、前記装置本体の幅方向両
    側に配置された一対のアーム部材からなることを特徴と
    する請求項1に記載の物品搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記アームの回動角度を検出するための
    検出手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記
    載の物品搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前後の工程の作業装置
    の制御手段からの情報と、前記検出手段からの情報とに
    基づいて、前記アームを回動制御することを特徴とする
    請求項3に記載の物品搬送装置。
  5. 【請求項5】 生産ラインの2つの工程間のほぼ中央に
    配置された装置本体と、該装置本体に回動可能に配置さ
    れたアームと、該アームを回動させるための回動手段
    と、前記アームの先端に設けられ、前記物品を保持する
    ための保持手段とを備える物品搬送装置の制御方法であ
    って、 前記保持手段を、前後の搬送装置と干渉しない位置で待
    機させる待機工程を具備することを特徴とする物品搬送
    装置の制御方法。
  6. 【請求項6】 前記アームは、前記装置本体の幅方向両
    側に配置された一対のアーム部材からなることを特徴と
    する請求項5に記載の物品搬送装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記物品搬送装置は、前記アームの回動
    角度を検出するための検出手段を更に備えることを特徴
    とする請求項5に記載の物品搬送装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 前後の工程の作業装置の制御手段からの
    情報と、前記検出手段からの情報とに基づいて、前記ア
    ームを回動制御する回動工程を更に具備することを特徴
    とする請求項7に記載の物品搬送装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 生産ラインの2つの工程間のほぼ中央に
    配置された装置本体と、該装置本体に回動可能に配置さ
    れたアームと、該アームを回動させるための回動手段
    と、前記アームの先端に設けられ、前記物品を保持する
    ための保持手段とを備える物品搬送装置を少なくとも2
    つ備える物品搬送システムであって、 前記2つの物品搬送装置のうちの一方の物品搬送装置の
    アームが、前記2つの物品搬送装置の前記保持手段が互
    いに干渉する可能性のある位置に有るときに、前記一方
    の物品搬送装置が、他方の物品搬送装置に対してアーム
    の回動を禁止する信号を出力することを特徴とする物品
    搬送システム。
  10. 【請求項10】 前記アームは、前記装置本体の幅方向
    両側に配置された一対のアーム部材からなることを特徴
    とする請求項9に記載の物品搬送システム。
  11. 【請求項11】 前記2つの物品搬送装置は、前記アー
    ムの回動角度を検出するための検出手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項9に記載の物品搬送システム。
JP13398298A 1998-05-15 1998-05-15 物品搬送装置及びその制御方法及び物品搬送システム Withdrawn JPH11320315A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009227362A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Haruchika Seimitsu:Kk ワークの搬送・加工装置
CN102658498A (zh) * 2012-04-09 2012-09-12 浙江金环轴承有限公司 一种轴承套圈切削加工流水线的传输装置
JP2018089740A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 加工装置

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