JPH11318600A - 流し台の収納ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 流し台のカウンタートップを有効に利用し、
アイテムを機能的に収納する。 【解決手段】 立設板部２、上板部３及び、下板部４に
より断面形状がコ字状に形成された収納ユニット１を流
し台１８の後端縁部上に配置し、上板部３の下方に断面
四角形の案内レール８を設け、摺動可能に吊り棚を吊り
下げ、吊り棚に載置されたアイテムから落ちた水が下板
部４の上面に沿ってカウンタートップ１９へ流れるよう
に、下板部４の上面に傾斜を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、流し台の収納ユニ
ットに関するものであり、特に、流し台の背面上方に配
置された収納ユニットの構造（国際特許分類Ａ４７Ｂ７
７／００）に特徴を有するものである。

【０００２】

【従来の技術】流し台トップカウンターより後方に、洗
剤などの載置台を備える構造は、実開昭６３−１２７４
４５号公報に示されるように一般に知られている。この
うち、案内レールを用いて、流し台のカウンタートップ
の奥側上方位置に、調味料、洗剤等を収納または載置す
るための吊り下げ棚が設けられているものは、実開昭５
７−１８９４４６号公報、実開昭５７−１８９４４８号
公報等がある。

【０００３】さらに、水切り可能な収納棚の特殊な形状
を挙げると、特開平５−１６８５３４号公報に開示され
ているように、カウンタートップの端縁部後方に立設さ
れた設置壁面と、その設置壁面に対して前方に突出する
ように配置された作業台の上面とを覆うようにＬ字状の
傾斜板を配置するとともに、その傾斜板の作業台側の端
部がその前方にあるシンクの外縁部まで達し、その上面
に水切り台を設置する構造になっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上のような流し台の
収納ユニットは、それぞれ下記に記載したような問題を
有している。まず、特開平６３−１２７４４５号公報に
示されるタイプのものは、耐水性という観点からは過酷
な条件にさらされる場所であるカウンタートップの後端
面に収納ユニットが設けられているので、流し台周辺に
必要不可欠な、いわゆる水仕舞の問題は全く考慮されて
いないと言えるものである。すなわち、流し台を用いる
最も基本的な行為は調理作業であり、その調理作業には
水洗いという作業は不可欠なものであるため、カウンタ
ートップ周辺は常に水しぶきがかかる場所となってい
る。そして、その場所は、使用者にとっては常に清潔に
保とうとする欲求が強く働く場所であり、水洗いや水拭
きを日常的に行なわれる場所であるため、収納ユニット
を配置すると、収納ユニット内の収納物が邪魔となり、
水洗いや水拭きの作業にとって不都合なものとなってい
た。

【０００５】次に、流し台カウンタートップの後端上方
に位置するカウンター下面に案内レールを形成した、実
開昭５７−１８９４４６号、実開昭５７−１８９４４８
号公報に記載の構成はは、前述のように基本的な収納空
間の水仕舞いが考慮されていないことに加えて、その案
内レールも中空角柱状で切欠条を穿設したものであり、
取り付けられるアイテムの付け外しが困難であった。こ
れは、この案内レールの位置に起因する要素が大きく、
流し台カウンタートップは通常６００〜６５０ｍｍの奥
行きがあり、その後方に位置する案内レールへの取付
や、取り外しが女性を中心とする流し台使用者にとって
困難であることは明らかである。

【０００６】さらに、設置壁面とその設置壁面に対して
前方に突出するように配置された作業台の上面とを覆う
Ｌ字状の傾斜板を配置するとともに、その傾斜板の作業
台側の端部がその前方にあるシンクの外縁部まで達する
ようになっている特開平５−１６８５３４号公報の構成
は、一応水仕舞が考慮されて収納空間の水滴がシンク内
に落ちる構造になっている。しかしながら、現代の流し
台ではシンク周辺に必ず水栓があり、そのほとんど全て
はシンクより後方で、主に流し台背後の壁面または、シ
ンクの真後ろのカウンタートップの水平部にとりつけら
れるため、明らかに通常の方法、通常の位置では水栓の
取付が出来ないという問題点が生じていた。

【０００７】以上のように、従来の流し台の収納ユニッ
トでは、流し台のカウンタートップ後部に設けるに際し
て、水仕舞が良く、一般的に安価な汎用の流し台のカウ
ンタートップに適合し、従来の水栓も使用でき、カウン
タートップを広く使用でき、洗剤や、まな板などの調理
作業に必要な物品を機能的に収納する吊り金具を簡単に
付け外し可能という条件を備えるものはなく、利用者
は、何れかの問題を我慢しながら流し台を使用しなけれ
ばならなかった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、本発明の流し台の収納ユニットは、立設板部とその
両端に互いに並行するように配置された上板部と下板部
とにより、一方に開口を有した収納空間が形成されてお
り、その収納空間の開口を流し台のカウンタートップ側
に向けた状態で、流し台の後端縁部後方に配置される流
し台の収納ユニットであって、前記下板部の上面を前記
開口部に向かって下方に傾斜するように、かつ、その下
板部の先端を前記カウンタートップの後端縁より突出す
るように構成し、前記上板部の下面に、断面が四角形状
の案内レールを、その案内レールの上面と上板部が平行
になるよう、上板部の長手方向に沿って配置し、前記案
内レールの上面と両側面にそれぞれ係合してその案内レ
ールに沿って摺動可能な摺動部材に、吊り下げ棚の一端
を固定したことを特徴とする。

【０００９】本発明によれば、収納ユニットを流し台の
後端縁部後方に配置するので、カウンタートップ面に取
付けられている水栓が従来通り使用することができるこ
ととなる。又、下板部の上面を開口部に向かって下方に
傾斜するように形成しているので、水仕舞がよくなるた
め、水による収納ユニットの腐食や衛生面の悪化が防止
できることとなる。さらに、下板部の先端部を前記カウ
ンタートップの後端の上方に位置するように構成してい
るので、一般的に安価な汎用の流し台のカウンタートッ
プの後方にに取付ける際、バックガードの先端部上方に
前記下板部の先端部を突出せしめて配置することによ
り、取付けが容易にできることとなる。また、収納ユニ
ット内に、案内レールを持つことで、使用者から離れた
位置で洗剤などを機能的に収納するための吊り棚の取り
外しが容易で、さらに角形断面により吊り棚の揺れを防
止する効果のある流し台収納ユニットを提供できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】（実施の形態１）以下に、本発明
の請求項１および請求項２に記載された発明の実施の形
態について、図１ないし図３を用いて説明する。

【００１１】図１ないし図３において、１はアルミニウ
ム、人工大理石、ステンレス、鉄、化粧パーティクルボ
ード、化粧ラワン合板、化粧ＭＤＦ、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂、ＦＲＰ、天然石等の材料からなる収納ユニ
ットであり、この収納ユニット１は、立設板部２とその
両端に互いに略々並行するように配置された上板部３と
下板部４とによって断面形状がコ字状になるように射出
成形あるいは押し出し成形などにより一体的に形成さ
れ、立設板部２、上板部３及び下板部４に囲まれた内部
に一方向に開口部を有した収納空間５が形成されてい
る。又、この収納ユニット１の立設板部２の後面と上板
部３の上面とには、外飾用として外飾部材７が設けられ
ており、この材料は前述した収納ユニット１の材料が選
択的に使用される。

【００１２】８は上板部３の下方に、その下面に並行す
るように配置された断面四角形状の案内レールであり、
この案内レール８は、その長手方向を収納ユニット１及
び収納空間５の長手方向に対して並行するように配置さ
れている。案内レール部８には、その案内レール８の上
面と両側面にそれぞれ係合して、その案内レールに沿っ
て摺動可能に、かつ着脱可能に摺動部材１１が設けられ
ており、その摺動部材１１に一体的に、または吊り棚９
の一端が固定されて吊り下げられている。

【００１３】また、図２に示すように、この吊り棚９の
一部１０は、立設板部２に当接し、安定するように構成
されてている。尚、この吊り棚９の種類としては、図１
に示すように、水切り棚１２、包丁立て１３、まな板立
て１４、調味料入れ１５、ふきん掛け１６、万能フック
１７などがあり、さらに、図示していないが、コップ掛
け、箸・お玉入れ、鍋フタ置き、ペーパーホルダー、書
見台等、通常アイレベルと称する流し台の長手方向に摺
動可能な案内レール８に取付けて使用される吊り具類、
及び、ハンガーネットと称する格子に引掛けて使用する
金具類等のアイテムがあげられる。

【００１４】又、下板部４の上面は前記開口部に向かっ
て下方に傾斜するように形成されている。この下向きの
傾斜角度は、皿等の背の低いものを載置する場合には、
滑り落ちないためには１〜１５度の範囲に設定すること
が望ましい。又、コップ等の背の高いものを載置する場
合には、１〜１０度の範囲がより望ましいものとなる。
又、下板部４の先端部には、下方に突出した突出部６が
形成されている。さらに、立設板部２の前面と下板部４
の上面とのコーナー部は水が溜まって水仕舞が悪くなら
ないように曲面に形成した方がよい。この曲面の半径は
１０〜５０mmが望ましい。

【００１５】次に、収納ユニット１を流し台１８に取付
ける場合を説明すると、収納ユニット１の長手方向を流
し台１８の長手方向に並行せしめ、かつ、収納空間５の
開口部を流し台１８のカウンタートップ１９側に向けた
状態で、収納空間５を流し台１８の後端縁部後方に位置
させるように配置する。そして、この配置された収納ユ
ニット１は、下板部４の前記開口部側に位置する先端部
を、流し台１８のカウンタートップ１９の後端縁部に上
方に突出するように形成されたバックガード２０の先端
部上方に位置するように配置し、かつ、下板部４の先端
部の突出部６を、バックガード２０の前方立設面の前方
に位置せしめてその前方立設面と突出部６の後方立壁面
とを当接せしめることにより、少なくともバックガード
２０の先端部を覆うようにしている。

【００１６】以上のように、上記構成による流し台の収
納ユニット１は、収納ユニット１を流し台１８の後端縁
部後方に位置させているので、カウンタートップ１９の
上面に収納ユニット１が位置しないこととなり、流し台
１８のカウンタートップ１９の上面に取付けられている
水栓が従来通り使用することができることとなる。ま
た、下板部４の先端部をバックガード２０の上方に位置
するように構成しているので、収納ユニット１を一般的
に安価な汎用の流し台１８のカウンタートップ１９の後
方に取付ける際、バックガード２０の先端部上方に下板
部４の先端部を配置することにより、取付けが容易にで
きることとなる。

【００１７】下板部４の上面を収納空間５の開口部に向
かって下方に傾斜するように形成することにより、カウ
ンタートップ１９面に水が流れ落ちて水仕舞がよくなる
ため、水による収納ユニット１の腐食や衛生面の悪化が
防止できることとなる。又、上板部３の下面に案内レー
ル部８を形成することにより、その案内レール部８に摺
動可能に取付けられた吊り金具９に、通常の調理作業に
必要な、洗剤、包丁、まな板、調味料、ふきん等の吊り
金具を吊すことにより、効果的に好みの位置に収納する
ことができるとともに、アイテムが水切りを行っていな
い状態で下板部４の上面に載置したときに生じ易かった
下板部４の上面（例えば、ステンレスや人工大理石の
面）に発生していた変色や錆等の腐食が生じなくなる。

【００１８】さらに、それらのアイテムが水切りができ
ていなくても、それらアイテムからの水滴は下板部４の
上面に落ちた後、その上面の下向きの傾斜によりカウタ
ートップ１９に導かれるので、水仕舞ができることとな
る。摺動部材９ａは四角形断面の案内レール８の上面と
両側面に沿って係合しているため、それに固定された吊
り棚９ａの揺れは軽減でき、さらに、吊り棚９の一部１
０が立設板部２に当接するように構成されているため、
吊り棚９に物品を載せた時の吊り棚９の揺れを阻止でき
る。

【００１９】また、下板部４の先端に形成した突出部６
によって、バックガード２０の先端部（前方立接面の上
方部分）を覆うことにより、下板部４とバッツクガード
２０の先端部との隙間がこの突出部６により隠され、カ
ウンタートップ１９のシンクで行われる水作業による水
しぶきが前記隙間に侵入することもなくなる。

【００２０】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、収納ユニ
ットを流し台の後端縁部後方に配置するので、カウンタ
ートップ面に取付けられている水栓が従来通り使用する
ことができることとなる。

【００２１】又、下板部の上面を開口部に向かって下方
に傾斜するように形成しているので、水仕舞がよくなる
ため、水による収納ユニットの腐食や衛生面の悪化が防
止できることとなる。さらに、下板部の先端部を前記カ
ウンタートップの後端の上方に位置するように構成して
いるので、一般的に安価な汎用の流し台のカウンタート
ップの後方にに取付ける際、バックガードの先端部上方
に前記下板部の先端部を配置することにより、取付けが
容易にできることとなる。また、収納ユニット内に、案
内レールを持つことで、使用者から離れた位置で洗剤な
どを機能的に収納するための吊り金具の取り外しが容易
で、さらに角形断面により吊り金具の揺れを防止する効
果のある流し台収納ユニットを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態における流し台の収納ユ
ニットの使用状況を示す斜視図

【図２】同流し台の収納ユニットの側面図

【図３】同流し台の収納ユニットの吊り棚を含む側面図

【符号の説明】

１ 収納ユニット ２ 立設板部 ３ 上板部 ４ 下板部 ５ 収納空間 ６ 突出部 ８ 案内レール ９ 吊り棚 １１ 摺動部材 １８ 流し台 １９ カウンタートップ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 立設板部とその両端に互いに並行するよ
   うに配置された上板部と下板部とにより、一方に開口を
   有した収納空間が形成されており、その収納空間の開口
   を流し台のカウンタートップ側に向けた状態で、流し台
   の後端縁部後方に配置される流し台の収納ユニットであ
   って、前記下板部の上面を前記開口部に向かって下方に
   傾斜するように、かつ、その下板部の先端を前記カウン
   タートップの後端縁より突出するように構成し、前記上
   板部の下方に、断面が四角形状の案内レールを、その案
   内レールの上面と上板部が平行になるよう、上板部の長
   手方向に沿って配置し、前記案内レールの上面と両側面
   にそれぞれ係合してその案内レールに沿って摺動可能な
   摺動部材に、吊り下げ棚の一端を固定したことを特徴と
   する流し台の収納ユニット。
2. 【請求項２】 前記吊り下げ棚の一部が前記立設板部に
   当接していることを特徴とする請求項１に記載の流し台
   の収納ユニット。