JPH11314667A - 錠剤包装用袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【技術課題】 ＰＴＰ包装袋において、アルミ箔を押し
破って内側から錠剤を取り出すと、錠剤にアルミ箔の微
小片や粉末が付着して、これを錠剤と一緒に飲み込むこ
とがあるので、この点を解消する。 【解決手段】 底材１の上に錠剤収容室２ごとにミシン
目１０でカットされる蓋材５をイージーピール性を持た
せてシールを行い、蓋材５のタブ９に形成した未シール
部分９ａを摘んで錠剤ａごとに開封し、従来のようにア
ルミ箔６を錠剤ａで内側から押し破って取り出さないよ
うにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、錠剤収容室を連続
して形成した底材とこの底材を密封する蓋材で構成され
る錠剤包装用袋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】錠剤の包装形態において、底材に連続し
て形成した錠剤収容室内に一錠ごとに錠剤を収容し、こ
の底材の上面にアルミニウムフィルム（以下「アルミ
箔」という）を主層とした蓋材をヒートシールして密封
したものがあり、これを一般にＰＴＰ（press through
pack）包装袋と呼んでいる。

【０００３】図７は、従来のＰＴＰ包装袋を示すもの
で、この包装袋５０は、図８、９に示すように、ＰＰシ
ート又はＰＶＣシート等により一錠ごとに錠剤を収容す
る錠剤収容室５２を成形した底材５１側と、この上面を
密封するようにしてヒートシールされた蓋材５３とから
成り、この蓋材５３は外からオーバーコート／インキ／
アルミ箔／インキ／ヒートシール材コート層から成り、
底材５１と蓋材５３は周囲及び各収容室５２ごとの隔壁
５４の上面５４ａにおいて完全にヒートシールされてい
て、中から錠剤ａを取り出す際は、図１０に示すよう
に、底材５１の収容室５２の底を指先で押し潰すように
して錠剤ａを蓋材５３側に押し上げることにより蓋材５
３を内側から押し破り、取り出すものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のように
して蓋材５３を内側から錠剤ａで押し破ると、この破れ
るときにアルミ箔５３の微小片や粉末が錠剤ａに付着す
ることがあり、これを錠剤ａと一緒に飲み込んでしまう
ため、この対策が要望されている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような要
望に応えるべく創案されたものであって、アルミ箔を主
体とした蓋材を破る方法ではなく、蓋材を錠剤ごとにイ
ージーピールして開封し、一個の錠剤を取り出すことが
できるようにして、アルミ箔の微小片や粉末が錠剤に付
着しないように構成したことを特徴とするものである。

【０００６】請求項１に記載の発明においては、錠剤収
容室を形成した底材の上面にイージーピール性を保有さ
せて蓋材をシールすることにより、前記錠剤収容室内に
錠剤を密封すると共に、前記蓋材に開封手段付のタブを
形成し、且つ錠剤収容室を区画するように蓋材にカット
目を入れて錠剤収容室ごとに蓋材をカットして開封でき
るように構成したことを特徴とするものである。

【０００７】更に、請求項２に記載の発明においては、
請求項１に記載の発明において、開封手段に未シール部
分又は底材側の周縁の一部をカットして蓋材を引き剥が
す構造を採用したことを特徴とするものである。

【０００８】更に、請求項３に記載の発明においては、
請求項１又は２に記載の発明において、カット目がミシ
ン目又はハーフカットから成ることを特徴とするもので
ある。

【０００９】

【作用】包装袋内から錠剤を取り出す際は、その錠剤が
入った錠剤収容室の横に形成した開封手段、例えばタブ
の未シール部分を摘み、イージーピール部分を引き剥が
すものである。このようにすると、錠剤収容室の隔壁の
上面にイージーピールされた蓋材には、ミシン目又はハ
ーフカットが施されているため、蓋材はここでカットさ
れて一錠分のみが開封され、この状態で中から錠剤を取
り出すことが可能になる。

【００１０】

【実施例１】図１〜図５に基づいて本発明の実施例とそ
の作用を詳述する。図１〜図５において、１はＰＰシー
ト又はＰＶＣシート等により凹状の錠剤収容室２を形成
し、周縁３及び錠剤収容室２の隔壁４の上面４ａを偏平
に形成して成る底材、５は中間にアルミ箔６を形成し、
内面にイージーピールフィルム７を貼り合わせ、外面に
ＰＥＴフィルム８を貼り合わせて成る蓋材であって、こ
の蓋材５は、底材１の周縁（フランジ）３及び隔壁４の
上面４ａに対してイージーピールが可能なようにシール
されている。

【００１１】９は蓋材５の周縁において、底材１の各錠
剤収容室２ごとに形成されたタブであって、このタブ９
の端には未シール部分９ａが形成されている。なお、タ
ブ９の形状、未シール部分９ａの大きさは任意である。
１０は、蓋材５において、底材１の周縁３と隔壁４の上
面４ａにかかるようにして入れられたミシン目である。
図中ａは錠剤収容室２内に密封された錠剤である。

【００１２】上記ＰＴＰ包装袋において、錠剤ａを取り
出す際には、タブ９の未シール部分９ａを摘み、図４に
示すようにして蓋材５を引き剥がすと、蓋材５はミシン
目１０の部分でカットされて一つの錠剤収容室２のみが
開封される。この結果、錠剤収容室２内から一錠の錠剤
ａを取り出すことができる。

【００１３】上記実施例の場合、アルミ箔６の内側にイ
ージーピールフィルム７を貼り合わせているが、アルミ
箔６とイージーピールフィルム７間に、ＰＥＴフィルム
８を形成することによって、開封するときにアルミ箔６
が不規則に破れないようにしてもよい。

【００１４】因に、実用的な底材１と蓋材５の構成例を
次に示す。 ・底 材 ＰＰシート又はＰＶＣシート ・蓋 材 ＰＥＴ／アルミ箔／イージーピールフィルム オーバーコート／インキ／アルミ箔・ＰＥＴ／インキ／イージー ピールフィルム オーバーコート／インキ／酸化アルミナ又は酸化シリカ蒸着・Ｐ ＥＴ／インキ／イージーピールフィルム なお、図５に示すように、ミシン目１０の代りに、ハー
フカット１１を入れて蓋材５を錠剤収容室２ごとにカッ
トするようにしてもよい。

【００１５】

【実施例２】本実施例は、開封手段の他の実施例を示す
もので、図６（ａ）に示すように、周縁３にＶカット
（又は切り込み）３ａをあらかじめ形成しておき、
（ｂ）に示すように、このＶカット３ａで周縁３をカッ
トして蓋材５を引き剥がすものである。なお、本発明に
おいて、蓋材５の開封手段は上記実施例１、２に限定さ
れるものではない。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上のように、錠剤を一錠ごと
に収容した底材の上面にイージーピール性を持たせて蓋
材をシールしたことにより、そして、錠剤収容室ごとに
カットできるようにミシン目又はハーフカットを蓋材に
入れたことにより、この蓋材を一錠分ごとに開封して取
り出すことができる。よって、従来のＰＴＰ包装袋のよ
うに、錠剤を取り出すのにアルミ箔を押し破る必要がな
いので、錠剤に破れたアルミ箔の微小片や粉末が付着
し、これを錠剤と一緒に飲み込んでしまうという心配が
ない（請求項１、２、３）。又、本発明においては、蓋
材において、アルミ箔にＰＥＴフィルムを貼り合わせる
ことにより、アルミ箔が不規則に破れる心配がない（請
求項１、２、３）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したＰＴＰ包装袋の平面図。

【図２】Ａ−Ａ′線断面図。

【図３】Ｂ−Ｂ′断面図。

【図４】錠剤収容室の蓋材を開封し、カットした状態の
説明図。

【図５】蓋材にハーフカットを施した実施例の説明図。

【図６】（ａ） 底材の周縁の部分に開封用のＶカット
を入れた状態の説明図。 （ｂ） Ｖカットを利用して蓋材を開封している状態の
説明図。

【図７】従来のＰＴＰ包装袋の平面図。

【図８】Ｃ−Ｃ′線断面図。

【図９】Ｄ−Ｄ′線拡大断面図。

【図１０】アルミ箔を押し破って錠剤を取り出している
状態の説明図。

【符号の説明】

１ 底材 ２ 錠剤収容室 ３ 周縁 ３ａ Ｖカット ４ 隔壁 ４ａ 上面 ５ 蓋材 ６ アルミ箔 ７ イージーピールフィルム ８ ＰＥＴフィルム ９ タブ ９ａ 未シール部分 １０ ミシン目 １１ ハーフカット １２ ラベル ａ 錠剤

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 錠剤収容室を形成した底材の上面にイー
   ジーピール性を保有させて蓋材をシールすることによ
   り、前記錠剤収容室内に錠剤を密封すると共に、前記蓋
   材に開封手段付のタブを形成し、且つ錠剤収容室を区画
   するように蓋材にカット目を入れて錠剤収容室ごとに蓋
   材をカットして開封できるように構成して成る錠剤包装
   用袋。
2. 【請求項２】 開封手段に未シール部分又は底材側の周
   縁の一部をカットして蓋材を引き剥がす構造を採用して
   成る請求項１記載の錠剤包装用袋。
3. 【請求項３】 カット目がミシン目又はハーフカットか
   ら成る請求項１又は２記載の錠剤包装用袋。