JPH11314367A - 封止材料を用いたインクジェットヘッド - Google Patents

封止材料を用いたインクジェットヘッド

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JPH11314367A
JPH11314367A JP12234198A JP12234198A JPH11314367A JP H11314367 A JPH11314367 A JP H11314367A JP 12234198 A JP12234198 A JP 12234198A JP 12234198 A JP12234198 A JP 12234198A JP H11314367 A JPH11314367 A JP H11314367A
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JP
Japan
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ink
jet head
ink jet
organic polymer
sealing material
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JP12234198A
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Takaaki Kurihara
香暁 栗原
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドの封止剤の吸水特性を
低減させることにより封止材料とインクジェットヘッド
の構造部材との接着力の低下を防止し信頼性を高めるこ
と。 【解決手段】 分子構造中にアルコキシシランにより変
成した炭素原子を有するシリコーン変成有機高分子化合
物を主成分として含有する湿気硬化性封止材料を使用し
てなるインクジェット記録ヘッドにおいて、ポリエーテ
ルポリオールを含み、特定式(1)・・・省略・・・に
示す結合間のアルキル鎖が炭素数2から10であり、ア
ルコキシ基が炭素数1〜3であるアルコキシシランを分
子内に2個以上有する湿気硬化性封止材料を用いること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封止材料を用いたイ
ンクジェットヘッドおよび該インクジェットヘッドを搭
載するインクジェット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクの小滴を発生させ、それを紙等の
被プリント媒体に付着せしめてプリントを行うインクジ
ェットプリント方式は、プリント時の騒音が極めて少な
く、かつ高速プリントが可能であり、しかもインクジェ
ットヘッドを極めて小型化できるため、カラー化および
コンパクト化が容易であるプリント方式である。このよ
うなインクジェットプリント方式のひとつに発熱素子に
よってインクを発泡せしめ、この気泡の成長を利用して
インクを吐出するタイプがある。このようなタイプに用
いられるインクジェットヘッドの一例を図1、2にて示
す。
【0003】図1はインクジェットヘッドの吐出エレメ
ントを示す模式図である。また、図2は図1の吐出エレ
メントを用いたインクジェットヘッドのインク流路回り
の構成を示す断面図である。
【0004】インクを吐出するためのエネルギー発生体
である発熱素子を備えたシリコン基板1001はアルミ
等の支持体1004上にダイボンディングされている。
一方、該支持体上にはシリコン基板の他に記録装置との
コンタクトを行うためのプリント配線基板1003が接
着されており、シリコン基板1001とプリント配線基
板1003とはワイヤボンディングによって電気的に接
続されている。なお、前記シリコン基板上には前記発熱
素子の他に駆動用シフトレジスターおよび配線パターン
が設けられており、これらは前記発熱素子とともにシリ
コン形成技術によりあらかじめシリコン基板1001に
作り込まれている。また、プリント配線基板1003に
はインクジェット装置とのコンタクトを行うコンタクト
パッド(不図示)が形成されている。1002は、イン
ク流路1002eおよびインク液室の1002bとなる
凹部が射出成形にて一体に形成される天板であり、該天
板1002は前記シリコン基板1001にバネ等によっ
て固定され、前記インク流路1002eおよびインク液
室1002bが形成されている。また、天板1002は
インク吐出口を有しており、天板にレーザー加工を施す
ことによりインク吐出口が形成される。
【0005】このようなインクジェットヘッドは、天板
とシリコン基板との接合がバネによってなされているた
め、天板に反りが発生していたり、天板とシリコン基板
との間にごみが入ったりするとインク流路を形成するイ
ンク流路壁を均一に基板に密着させることができなくな
るおそれがあり、この場合にはインク漏れが生じてしま
う事がある。このようなインク漏れを防止するために、
天板とシリコン基板との接合界面に封止剤が注入され
る。また、インクジェットヘッド以外にインク流路を形
成するインク経路形成部材の接合部分にも同様に封止剤
が注入される。たとえば、図2において、インク流路部
材802およびインクタンク803はカシメピンによっ
てベースプレート807に固定されており、これらの部
材の隙間においても封止剤801が注入されている。
【0006】従来、インクジェットヘッドおよびインク
ジェット装置の封止剤としては、1液湿気硬化型シリコ
ーン樹脂が用いられてきた。これはシリコーン封止材料
が高い耐インク性、密着性を有していることだけでな
く、湿気硬化が可能であること、および所望の粘度、タ
ックフリー時間の封止剤を得ることができることに起因
している。ここでインクジェットヘッドおよびインクジ
ェット装置の封止剤に湿気硬化型1液封止剤を用いるこ
とはヘッドの生産を安定かつ簡便に行う観点から必須の
ものである。すなわち、まず、インクジェットヘッドを
構成する部材は成形樹脂部品が多く、熱可塑性樹脂を流
し込んだり、あるいは熱硬化性樹脂により封じることは
困難である。また、2液混合によって硬化する樹脂を使
用する場合には、使用直前に2液を混合して一定時間以
内に使用する必要があるため、生産技術的に困難を極め
る。一方、湿気硬化型樹脂はインクジェットヘッドの構
成部品の隙間に毛細管現象によって回り込み、隙間以外
のところではメニスカスを形成して封止剤の流れが停止
して硬化するため、封止したい細部は封止剤が安定的に
回り込み、また、封止剤を流したくない箇所には回り込
まないという利点を有している。
【0007】ところで、インクジェットヘッドおよびイ
ンクジェット装置の課題のひとつに気泡の侵入防止があ
る。すなわち、インクジェットヘッド内のインク流路や
インク液室に気泡が入ってくると、吐出エネルギーが該
気泡に吸収され安定した吐出を行えなくなったり、イン
ク供給が気泡によって遮断されてインクの供給不良を招
いてしまうことがある。このため、ヘッド内に気泡がた
まってしまった場合には、従来はインクジェット装置に
具備された回復ポンプによってインクを吸引することに
より気泡の除去を行っていた。しかしながら、いったん
気泡を除去しても気泡の侵入防止装置が確実に作動しな
いと、ヘッドを放置した場合等において徐々に気泡が侵
入し、前述の不具合が生じてしまうことになる。したが
って、このような場合においては前述の不具合を避ける
ためにインクジェットヘッドの回復操作を頻繁に行う必
要が生じる。しかしながら、近年、装置の小型化が要求
されるようになると、インクタンクの容量も小さくな
り、廃インクを吸収する部材の容量も少なくなっている
事から、前述の回復操作は極力少なくする事が求められ
ており、この観点より気泡の侵入防止は重要な課題とな
っている。
【0008】そこで、ヘッド内に気泡が侵入する原因を
研究したところ、主に封止剤部分より気泡が侵入してい
ることが明らかとなった。すなわち、従来の封止剤とし
て用いられているシリコーン封止材料であるオルガノシ
リコーン化合物は、シリコンと炭素あるいは他の原子と
の結合距離が長いため、ガス透過性が比較的高く、前述
の気泡侵入防止の観点では必ずしも優れたものではなか
ったのである。ここで、気泡侵入防止の観点より、ガス
透過性が低い有機高分子化合物を封止剤として用いるこ
とが考えられるが、汎用的な有機高分子化合物はシリコ
ーン系高分子化合物に比べて100倍以上ガス透過率が
低い特性を有しているものの、これら有機高分子化合物
をそのままインクジェットヘッドおよびインクジェット
装置の封止材料として用いることはできなかった。この
もっとも大きな原因は、有機高分子化合物でありかつ湿
気硬化可能な材料は極めて少なく、また湿気硬化が可能
であっても、耐インク性や部材との密着性等において満
足できる材料はほとんどないからである。
【0009】そこで、前述の気泡侵入の問題に鑑み、特
願平6−241094号ではシリコーン変成した有機高
分子化合物、特にポリエーテルポリオールを基材樹脂に
使用した湿気硬化型1液性材料を封止剤として適用する
ことが提案されている。このシリコーン変成した有機高
分子化合物は、湿気硬化特性を付与するために分子末端
に加水分解しやすいアルコキシ基を有するシリコーン化
合物が付加されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来、インクジェット
ヘッドの封止に用いられる封止材料としては、シリコー
ン変成した有機高分子化合物が用いられ、その代表的な
ものとしてはポリエーテルポリオールが挙げられる。ポ
リエーテルポリオールは、比較的高い耐アルカリ性を示
すとともに低粘度であることから、前記したようにイン
クジェットヘッドの製造に好適な封止材料を得ることが
できる。
【0011】しかしながら、ポリエーテルポリオールは
比較的高い親水性を呈するために、インクジェットヘッ
ドの封止剤として使用する場合においては、封止材料と
しての吸水特性に配慮することが必要である。すなわ
ち、封止材料が高い給水特性を有する場合は、吸水によ
って封止材料とインクジェットヘッドの構造部材との接
着力が低下し、インク漏れにいたる場合が生じることを
見出した。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
鑑みなされたものであって、その目的とするところは、
湿気硬化型シリコーン変成した有機高分子化合物の分子
構造を改質することにより、ガスバリア性を保持したま
ま吸水特性を低減させ、吸水による封止材料とインクジ
ェットヘッドの構造部材との接着力を維持し、インク漏
れを防止することである。
【0013】本発明は上記の目的を達成するために提供
されるものであって、分子構造中にアルコキシシランに
より変成した炭素原子を有するシリコーン変成有機高分
子化合物を主成分として含有する湿気硬化性封止材料を
使用してなるインクジェットヘッドにおいて、シリコー
ン変性有機高分化合物が下記構造(1)に示す材料であ
ることを特徴とするインクジェットヘッドである。
【0014】
【化2】 (但し、上記の式において、Xは水素原子、CH2 また
はCH3 を表わし、nは2以上10以下の整数、kは1
以上5以下の整数、mおよびpはそれぞれ1以上3の整
数を示す。) 上記のインクジェットヘッドにおいては、前記湿気硬化
性封止材料中の前記シリコーン変成有機高分子化合物含
有量が70%以上であることが好ましい。
【0015】また、前記シリコーン変成有機高分子の重
量平均分子量が30000以下1000以上であり、重
量平均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する
値である分散度(Mw/Mn)が3以下であることが好
ましい。
【0016】更に、インク使用部分を封止する封止箇所
が、少なくともインク液室およびノズルを形成する部材
とエネルギー発生素子を形成する基板との接合界面、イ
ンク液室およびノズルを形成する部材とインク流路部材
との接合界面の何れか、およびインク流路部材とインク
タンクユニットの接合界面の何れかであることが好まし
い。
【0017】更に本発明は、記録媒体の被記録面に対向
してインクを吐出するインク吐出口が設けられている請
求項1に記載のインクジェット記録ヘッドと、記録ヘッ
ドを載置するための部材とを少なくとも具備することを
特徴とするインクジェット装置を提供するものである。
【0018】前記シリコーン変成有機高分子化合物の主
鎖は、ポリエーテルポリオールである。結合間のアルキ
ル鎖を炭素数2から10とすることによって、ポリエー
テルポリオール中の酸素原子に対する炭素原子の割合を
大きくしている。ここで、結合間のアルキル鎖は、必ず
しも直鎖である必要はなく、側鎖を有するものでも構わ
ない。結合間のアルキル鎖は、二重結合を有するアルコ
ールとジオールとの縮合により導入される。このとき用
いられるハロゲン化アルキルが該結合間のアルキル鎖の
長さを決定する。本発明において、結合間にアルキル鎖
を導入するために用いられるハロゲン化アルキルとして
は、1、2−ジクロロエタン、1、3−ジクロロプロパ
ン、1、4−ジクロロブタン等が挙げられるが、炭素数
2から10のアルカンでハロゲン原子を2個有する物質
が使用される。ハロゲン化アルキルは直鎖である必要は
なく、側鎖を有していてもよい。ポリオール部には1、
3−プロパンジオール、1、4−ブタンジオール等を用
いるポリグリコール、ポリプロパノール、ポリブタノー
ル等が好適である。
【0019】構造式(1)に示すアルコキシシランを有
するシリコーン変成有機高分子化合物を合成するには、
高分子化合物の末端に反応性のシリコーン官能基を導入
する際に、ジエトキシメチルシラン、エトキシジメチル
シラン、メチルジプロポキシシラン、ジメチルプロポキ
シシラン等を反応せしめる。
【0020】通常の湿気硬化性封止剤には、有機錫化合
物等の縮合触媒、炭酸カルシウム等の充填剤、酸化チタ
ン、カーボンブラック等の顔料、フタル酸エステル等の
可塑剤、その他ダレ防止剤等の添加物が加えられて均一
に練り混ぜてあり、主成分であるシリコーン変成有機高
分子化合物の含有量は、わずか30〜50%程度であ
る。しかしながら、インクジェットヘッドに用いる封止
剤においては、これらの各種添加物は、インク中に金属
イオンや有機物を溶解せしめ、吐出不良の原因となる。
そこで、本発明に用いるインクジェットヘッドに用いる
封止剤では、主成分である前記シリコーン変成有機高分
子化合物の割合を70あるいは80%以上のような高い
比率を有する添加組成物とした封止材料の利用が好適で
ある。
【0021】ところで、シリコーン変成有機高分子の粘
度は、高分子成分の含有量が支配的であるが、高分子成
分を少なくして分子量分布を狭くすることにより封止材
料の粘度も飛躍的に低減できるものである。本発明にお
いては、封止材料の粘度を規定するために、その重量平
均分子量(MW)は30000以下、好ましくは100
0〜20000であり数平均分子量に対する値である分
散度(Mw/Mn)を3以下とすることが望ましい。こ
のような分子量分布は汎用的なGPC装置により測定す
ることができる。これらの分子量分布の制御としては、
高分子材料の製造条件の制御と共に、製造した高分子材
料を分子量分別したり、蒸留によって低分子化合物を除
去することにより可能である。また、分子量分別法とし
ては、テトラヒドロフラン等に溶解せしめ、次いでn−
ヘキサンにて沈殿せしめることにより所望の分子量に調
整することもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について詳
細に説明する。
【0023】実施例1 本発明に用いられる封止材料は、シリコーン変成した有
機高分子化合物を縮合反応させることにより、ゲル化さ
れることは前述した。前記有機高分子化合物の主鎖とし
てはポリエーテルポリオールである。ポリプロピレング
リコールとポリエーテルプロパノール結合間のアルキル
鎖を導入するために用いられるハロゲン化アルキルとし
て1、3−ジクロロプロパンを使用し、苛性アルカリ下
で反応せしめた。
【0024】次いで塩化アリルを反応せしめ末端にアリ
ルオキシ基を有する高分子化合物を合成した。続いて該
樹脂にジメトキシメチルシランを白金触媒を使用して反
応せしめた。この実施例で示した合成化合物はn=3,
l=1,m=3,k=3である。該樹脂に硬化触媒とし
てジブチル錫ジアセテートを樹脂に対して2wt%添加
して封止材料を調整した。該樹脂の粘度は13000c
psであり、タックフリー時間は25分間であった。吸
水率測定に使用するために該封止材料を使用して、ディ
スク板を作成した。
【0025】実施例2 実施例1にて作成したポリオキシプロピレンポリプロパ
ノールに塩化アリルを反応せしめ末端にアリルオキシ基
を有する高分子化合物を合成した後、該樹脂にジエトキ
シメチルシランを白金触媒を使用して反応せしめた。該
樹脂に実施例1と同様にして錫触媒を添加して湿気硬化
型封止材料とし、ディスク板を作成した。
【0026】比較例1〜2 比較例1として従来から知られているグリコールとジオ
ール間の反応にジクロロメタンを使用した有機高分子化
合物を原料として、ジメトキシメチルシランによりシラ
ン変成した封止材料を用いて、実施例1と同様にしてデ
ィスク板を作成し吸水特性を評価した。比較例1で合成
される化合物は鐘淵化学工業(株)より上市されるカネ
カMSポリマーと同様の構造を有するものであり、構造
式(1)においてはn=1,l=1である。
【0027】また、比較例としてウレタン結合によって
シラン変成した湿気硬化型封止剤を用いて、実施例1と
同様にディスク板作成し吸水特性を評価した。
【0028】吸水特性の評価:次に吸水特性を評価する
ために、実施例1〜2および比較例1〜2のディスク板
を各々ディスク板の重量に対して40倍量のインク中に
含浸せしめた。該インク中には、2−(シクロヘキシル
アミノ)エタンスルホン酸、2−ピロリドン、水、染料
を含んでいる。この染料の構造は、構造式(2)に示
す。
【0029】
【化3】 次いで、120℃、2atm中に10時間投入し、投入
前後の封止材料の重量変化により吸水率を算出した。そ
の結果を下記表1に示す。
【0030】
【表1】 実施例3 本実施例は、前記封止剤をインクジェットヘッドに使用
した例を記載する。
【0031】実施例1の封止材料を使用して以下のよう
なインクジェットヘッドを作成した。すなわち、図1に
示すように、プリント基板を貼り合わせたアルミ製ベー
スプレートに、ヒーターおよびドライバーを汎用的シリ
コンプロセスにて作成した基板をダイボンディングし
た。次いで射出成形によってインク流路、液室およびノ
ズルを形成したポリサルフォン製樹脂天板にエキシマレ
ーザーにて吐出口を形成した天板を、吐出口とヒーター
が最適位置に合致するように位置合わせしつつ貼り合わ
せたバネにて固定した。次いで、インク供給部材を熱カ
シメにてベースプレートに固定したのち前記封止材料を
流し込んだ。
【0032】封止は、サンプルを30度傾斜せしめ、4
0℃に保温した治具に固定し、ディスペンサーにて流し
込んだ。封止剤の注入状態は図2に示す。封止剤(80
1)は、天板805とインク供給部材802の接合界
面、天板とヒーター基板806の界面に充填され硬化し
た。また、天板に成形されたノズル801や液室811
に流入することはなかった。次いで、図1に示すように
インクタンクを熱カシメすることによりベースプレート
に固定し、インクを注入することによってインクジェッ
トヘッドを作成し、ガスバリアー特性の評価を行なっ
た。
【0033】実施例4 実施例2の封止剤を用いて、実施例3と同様にしてイン
クジェットヘッドを作成しガスバリアー特性の評価を行
なった。
【0034】比較例3〜4 比較例1および比較例2の封止剤を用いて、実施例3と
同様にしてインクジェットヘッドを作成しガスバリアー
特性の評価を行なった。
【0035】ガスバリアー特性の評価 次にこの実施例3〜4および比較例3〜4のインクジェ
ットヘッドを図3に示す構成のインクジェット装置に装
着してガスバリアー特性の評価を行った。図3中インク
ジェットヘッド20はインクジェット装置のホームポジ
ションに設けた吸引ポンプ26にキャップ26Aを介し
て吸引回復される。
【0036】このインクジェットヘッドにおいては、上
記吸引回復により、インクタンクから、インク流路、イ
ンク液室およびノズル部すべてにわたってインクが充填
されインク吐出が可能となる。
【0037】実施例3および4のインクジェットヘッド
をインクジェット装置に装着せしめ、吸引回復を行いそ
のまま35℃の環境下に放置したところ、5日経過した
時点においても印字が可能であった。また、比較例3お
よび4のインクジェットヘッドは、3日後に印字したと
ころ不吐出となった。
【0038】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、封止剤による封止部分からの気泡の侵入を低減する
とともに、封止剤とインクジェットヘッドの構造部材と
の接着力の低下を防止することができ、信頼性が高く装
置の小型化にも寄与することができるインクジェットヘ
ッドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットヘッドの吐出エレメント部の構
成を示す模式図。
【図2】図1のインク吐出エレメントを用いたインクジ
ェットヘッドのインク流路回りの構成を示す断面図。
【図3】本発明を適用したインクジェット装置の一例を
示す概略図。
【符号の説明】
801 封止材料 803 インクタンク 805、1002 天板 807、1004 ベースプレート 806、1001 ヒーターボード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造中にアルコキシシランにより変
    成した炭素原子を有するシリコーン変成有機高分子化合
    物を主成分として含有する、湿気硬化型封止材料を使用
    してなるインクジェットヘッドにおいて、シリコーン変
    成有機高分子化合物が、下記構造式(1)に示す材料で
    あることを特徴とするインクジェットヘッド。 【化1】 (但し、上記の式において、Xは水素原子、CH2 また
    はCH3 を表わし、nは2以上10以下の整数、kは1
    以上5以下の整数、mおよびpはそれぞれ1以上3以下
    の整数を示す。)
  2. 【請求項2】 前記湿気硬化性封止材料中の前記シリコ
    ーン変成有機高分子化合物含有量が70%以上であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記シリコーン変成有機高分子の重量平
    均分子量が30000以下1000以上であり、重量平
    均分子量(Mw)の数平均分子量(Mn)に対する値で
    ある分散度(Mw/Mn)が3以下である請求項1に記
    載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 インク使用部分を封止する封止箇所が、
    少なくともインク液室およびノズルを形成する部材とエ
    ネルギー発生素子を形成する基板との接合界面、インク
    液室およびノズルを形成する部材とインク流路部材との
    接合界面、およびインク流路部材とインクタンクユニッ
    トの接合界面の何れかである請求項1に記載のインクジ
    ェットヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項1に記載
    のインクジェットヘッドと、ヘッドを載置するための部
    材とを少なくとも具備することを特徴とするインクジェ
    ット装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100420575C (zh) * 2004-12-27 2008-09-24 精工爱普生株式会社 静电驱动器、液滴喷头、液滴喷出装置以及静电设备
JP2012516915A (ja) * 2009-02-03 2012-07-26 ヘンケル コーポレイション インクジェットプリントヘッド用封止材

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