JP2000015818A - インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 - Google Patents
インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置Info
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- JP2000015818A JP2000015818A JP18882898A JP18882898A JP2000015818A JP 2000015818 A JP2000015818 A JP 2000015818A JP 18882898 A JP18882898 A JP 18882898A JP 18882898 A JP18882898 A JP 18882898A JP 2000015818 A JP2000015818 A JP 2000015818A
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ベースプレート上に、ヒータ及びドライバー
を設けたシリコン基板、およびプリント配線基板を少く
とも有し、インク流路、液室およびノズルを形成した天
板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成されるイ
ンクジェットヘッドにおいて、電気的結合部およびイン
クの接触部分の封止個所を封止する、高いガスバリヤー
性を保持でき、吸水性による接着力の低下がなく、封止
の信頼性の高い封止剤を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹
脂組成物を封止剤とする。
を設けたシリコン基板、およびプリント配線基板を少く
とも有し、インク流路、液室およびノズルを形成した天
板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成されるイ
ンクジェットヘッドにおいて、電気的結合部およびイン
クの接触部分の封止個所を封止する、高いガスバリヤー
性を保持でき、吸水性による接着力の低下がなく、封止
の信頼性の高い封止剤を提供する。 【解決手段】 エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹
脂組成物を封止剤とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、ワードプロセッサー、ホストコンピューターの出
力装置としての、プリンター、ビデオプリンター等に用
いられる、液体吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッ
ド、このヘッドにインクタンクを含めたインクジェット
ヘッドカートリッジ、および液体吐出装置としてのイン
クジェット記録装置に関する。ここで記録とは、布、
糸、紙、シート材等のインク付与を受けるインク支持体
全てへのインク付与(プリント)を含むもので、文字等
の意味のある画像だけではなく、パターン画像等の無意
味な画像を含むものである。液体吐出装置のうち、記録
装置は、各種情報処理装置全て、あるいはその出力機と
してのプリンターを含むものであり、本発明はこれらへ
の適用が可能なものである。
ミリ、ワードプロセッサー、ホストコンピューターの出
力装置としての、プリンター、ビデオプリンター等に用
いられる、液体吐出ヘッドとしてのインクジェットヘッ
ド、このヘッドにインクタンクを含めたインクジェット
ヘッドカートリッジ、および液体吐出装置としてのイン
クジェット記録装置に関する。ここで記録とは、布、
糸、紙、シート材等のインク付与を受けるインク支持体
全てへのインク付与(プリント)を含むもので、文字等
の意味のある画像だけではなく、パターン画像等の無意
味な画像を含むものである。液体吐出装置のうち、記録
装置は、各種情報処理装置全て、あるいはその出力機と
してのプリンターを含むものであり、本発明はこれらへ
の適用が可能なものである。
【0002】本発明は、前記したインクジェット記録装
置におけるインク吐出のためのインクジェットヘッドカ
ートリッジに関するものであり、更には、このカートリ
ッジにおいて、インク液滴吐出エネルギー発生素子を形
成した基板に、この素子を駆動するための電気信号を付
与する電気的結合部(電気実装部)の封止、およびイン
ク流路や供給部よりインクが漏れないための封止等の封
止工程をエポキシ樹脂により行うインクジェット記録ヘ
ッドに関するものである。
置におけるインク吐出のためのインクジェットヘッドカ
ートリッジに関するものであり、更には、このカートリ
ッジにおいて、インク液滴吐出エネルギー発生素子を形
成した基板に、この素子を駆動するための電気信号を付
与する電気的結合部(電気実装部)の封止、およびイン
ク流路や供給部よりインクが漏れないための封止等の封
止工程をエポキシ樹脂により行うインクジェット記録ヘ
ッドに関するものである。
【0003】
【従来の技術】インクの小滴を発生させ、それを紙等の
被プリント媒体に付着させてプリントを行うインクジェ
ットプリント方式は、プリント時の騒音が極めて少な
く、かつ高速プリントが可能であり、しかもインクジェ
ットヘッドを極めて小型化できるため、カラー化及びコ
ンパクト化が容易であるプリント方式である。このイン
クジェットプリント方式のひとつに、発熱素子によって
インクを発泡させ、この気泡の成長を利用してインクを
吐出するタイプがある。このようなタイプに用いられる
インクジェットヘッドの一例を図1、2に示す。
被プリント媒体に付着させてプリントを行うインクジェ
ットプリント方式は、プリント時の騒音が極めて少な
く、かつ高速プリントが可能であり、しかもインクジェ
ットヘッドを極めて小型化できるため、カラー化及びコ
ンパクト化が容易であるプリント方式である。このイン
クジェットプリント方式のひとつに、発熱素子によって
インクを発泡させ、この気泡の成長を利用してインクを
吐出するタイプがある。このようなタイプに用いられる
インクジェットヘッドの一例を図1、2に示す。
【0004】図1はインクジェットヘッドの吐出エレメ
ントを示す模式図である。図2は図1の吐出エレメント
を用いたインクジェットヘッドのインク流路回りの構成
を示す断面図である。
ントを示す模式図である。図2は図1の吐出エレメント
を用いたインクジェットヘッドのインク流路回りの構成
を示す断面図である。
【0005】インクを吐出するためのエネルギー発生体
である発熱素子を備えたシリコン基板1001はアルミ
等の支持体1004上にダイボンディングされている。
一方、この支持体上にはシリコン基板のほかに記録装置
とのコンタクトを行うためのプリント配線基板1003
が接着されており、シリコン基板1001とプリント配
線基板1003とはワイヤボンディングによって電気的
に接続されている。なお、前記シリコン基板上には前記
発熱素子のほかに駆動用シフトレジスター及び配線パタ
ーンが設けられており、これらは前記発熱素子とともに
シリコン形成技術によりあらかじめシリコン基板100
1に作り込まれている。また、プリント配線基板100
3にはインクジェット装置とのコンタクトを行うコンタ
クトパッド(不図示)が形成されている。1002は、
インク流路1002e及びインク液室の1002bとな
る凹部が射出成形で一体に形成される天板であり、この
天板1002は前記シリコン基板1001にバネ等によ
って固定され、前記インク流路1002e及びインク液
室1002bが形成されている。天板1002はインク
吐出口1002cを有しており、天板にレーザー加工を
施すことにより形成される。
である発熱素子を備えたシリコン基板1001はアルミ
等の支持体1004上にダイボンディングされている。
一方、この支持体上にはシリコン基板のほかに記録装置
とのコンタクトを行うためのプリント配線基板1003
が接着されており、シリコン基板1001とプリント配
線基板1003とはワイヤボンディングによって電気的
に接続されている。なお、前記シリコン基板上には前記
発熱素子のほかに駆動用シフトレジスター及び配線パタ
ーンが設けられており、これらは前記発熱素子とともに
シリコン形成技術によりあらかじめシリコン基板100
1に作り込まれている。また、プリント配線基板100
3にはインクジェット装置とのコンタクトを行うコンタ
クトパッド(不図示)が形成されている。1002は、
インク流路1002e及びインク液室の1002bとな
る凹部が射出成形で一体に形成される天板であり、この
天板1002は前記シリコン基板1001にバネ等によ
って固定され、前記インク流路1002e及びインク液
室1002bが形成されている。天板1002はインク
吐出口1002cを有しており、天板にレーザー加工を
施すことにより形成される。
【0006】このようなインクジェットヘッドは、天板
とシリコン基板との接合がバネによってされているた
め、天板に反りが発生していたり天板とシリコン基板と
の間にごみが入ったりすると、インク流路を形成するイ
ンク流路壁を均一に基板に密着させることができなくな
るおそれがあり、この場合にはインク漏れが生じること
がある。このようなインク漏れを防止するために、天板
とシリコン基板との接合界面に封止剤が注入される。ま
た、インクジェットヘッド以外にインク流路を形成する
インク供給ユニットの接合部分にも同様に封止剤が注入
される。たとえば、図2における、インク供給ユニット
1005はインクタンクにカシメピンによってベースプ
レート1004に固定されており、これらの部材の隙間
においても封止材料1006が注入されている。
とシリコン基板との接合がバネによってされているた
め、天板に反りが発生していたり天板とシリコン基板と
の間にごみが入ったりすると、インク流路を形成するイ
ンク流路壁を均一に基板に密着させることができなくな
るおそれがあり、この場合にはインク漏れが生じること
がある。このようなインク漏れを防止するために、天板
とシリコン基板との接合界面に封止剤が注入される。ま
た、インクジェットヘッド以外にインク流路を形成する
インク供給ユニットの接合部分にも同様に封止剤が注入
される。たとえば、図2における、インク供給ユニット
1005はインクタンクにカシメピンによってベースプ
レート1004に固定されており、これらの部材の隙間
においても封止材料1006が注入されている。
【0007】従来インクジェットヘッド及びインクジェ
ット装置の封止剤としては1液湿気硬化型シリコーン樹
脂が用いられてきた。これはシリコーン封止材料が高い
耐インク性、密着性を有していることだけでなく、湿気
硬化が可能であること、及び所望の粘度、タックフリー
時間を有する封止剤を得ることができることに起因して
いる。
ット装置の封止剤としては1液湿気硬化型シリコーン樹
脂が用いられてきた。これはシリコーン封止材料が高い
耐インク性、密着性を有していることだけでなく、湿気
硬化が可能であること、及び所望の粘度、タックフリー
時間を有する封止剤を得ることができることに起因して
いる。
【0008】ところで、インクジェットヘッド及びイン
クジェット装置の課題のひとつに気泡の侵入防止があ
る。すなわち、インクジェットヘッド内のインク流路や
インク液室に気泡が入ってくると、吐出エネルギーがこ
の気泡に吸収され安定した吐出を行えなくなったり、イ
ンク供給がこの気泡によって遮断されてインクの供給不
良を招くことがある。このため、ヘッド内に気泡がたま
った場合には、従来インクジェット装置に具備された回
復ポンプによってインクを吸引することにより気泡の除
去を行っていた。しかしながら、いったん気泡を除去し
ても気泡の侵入防止措置が確実に行われていないと、ヘ
ッドを放置する間に徐々に気泡が侵入し前述の不具合が
生じることになる。したがって、このような場合には前
述の不具合を避けるためにインクジェットヘッドの回復
操作を頻繁に行う必要が生じる。しかしながら、近年装
置の小型化が要求されるようになって、インクタンクの
容量も小さくなり、廃インクを吸収する部材の容量も小
さくなっていることから、前述の回復操作は極力少なく
することが求められており、この観点より気泡の侵入防
止は重要な課題となっている。
クジェット装置の課題のひとつに気泡の侵入防止があ
る。すなわち、インクジェットヘッド内のインク流路や
インク液室に気泡が入ってくると、吐出エネルギーがこ
の気泡に吸収され安定した吐出を行えなくなったり、イ
ンク供給がこの気泡によって遮断されてインクの供給不
良を招くことがある。このため、ヘッド内に気泡がたま
った場合には、従来インクジェット装置に具備された回
復ポンプによってインクを吸引することにより気泡の除
去を行っていた。しかしながら、いったん気泡を除去し
ても気泡の侵入防止措置が確実に行われていないと、ヘ
ッドを放置する間に徐々に気泡が侵入し前述の不具合が
生じることになる。したがって、このような場合には前
述の不具合を避けるためにインクジェットヘッドの回復
操作を頻繁に行う必要が生じる。しかしながら、近年装
置の小型化が要求されるようになって、インクタンクの
容量も小さくなり、廃インクを吸収する部材の容量も小
さくなっていることから、前述の回復操作は極力少なく
することが求められており、この観点より気泡の侵入防
止は重要な課題となっている。
【0009】そこで、ヘッド内に気泡が侵入する原因を
研究したところ、主に封止剤部分より気泡が侵入してい
ることが明らかとなった。すなわち、従来封止剤として
用いられているシリコーン封止材料であるオルガノシリ
コーン化合物は、シリコンと炭素あるいは他の原子との
結合距離が長いためガス透過性が比較的高く、前述の気
泡侵入防止の観点からは必ずしも優れたものではなかっ
たのである。ここで、気泡侵入防止の観点より、ガス透
過性が低い有機高分子化合物を封止剤として用いること
が考えられるが、汎用的な有機高分子化合物はシリコー
ン系高分子化合物に比べて100倍以上ガス透過性が低
い特性を有しているものの、これら有機高分子化合物を
そのままインクジェットヘッド及びインクジェット装置
の封止材料として用いることはできなかった。このもっ
とも大きな原因は有機高分子化合物であって湿気硬化可
能な材料は極めて少なく、また湿気硬化が可能であって
も耐インク性や部材との密着性等において満足できる材
料はほとんどないからである。
研究したところ、主に封止剤部分より気泡が侵入してい
ることが明らかとなった。すなわち、従来封止剤として
用いられているシリコーン封止材料であるオルガノシリ
コーン化合物は、シリコンと炭素あるいは他の原子との
結合距離が長いためガス透過性が比較的高く、前述の気
泡侵入防止の観点からは必ずしも優れたものではなかっ
たのである。ここで、気泡侵入防止の観点より、ガス透
過性が低い有機高分子化合物を封止剤として用いること
が考えられるが、汎用的な有機高分子化合物はシリコー
ン系高分子化合物に比べて100倍以上ガス透過性が低
い特性を有しているものの、これら有機高分子化合物を
そのままインクジェットヘッド及びインクジェット装置
の封止材料として用いることはできなかった。このもっ
とも大きな原因は有機高分子化合物であって湿気硬化可
能な材料は極めて少なく、また湿気硬化が可能であって
も耐インク性や部材との密着性等において満足できる材
料はほとんどないからである。
【0010】そこで、前述の気泡侵入の問題に鑑みて、
特開平7−232439号ではシリコーン変成した有機
高分子化合物、特にポリエーテルポリオールを基材樹脂
に使用した湿気硬化型1液性材料を封止剤として適用す
ることが提案されている。このシリコーン変成した有機
高分子化合物は、湿気硬化特性を付与するために分子末
端に加水分解しやすいアルコキシ基を有するシリコーン
化合物が付加されている。そして、このアルコキシ基は
湿気によって分解しシラノールに変化する。ここで、こ
のシラノールは極めて不安定であるため、シラノールを
重合させるべく有機錫等の触媒を若干量添加することに
よってシラノールをゲル化させる。しかしながら、この
変性シリコーンに関しては、骨格がポリエーテルポリオ
ールの吸水性の高い樹脂であり、インク等を吸収して電
気的絶縁性が低下するため、電気実装部に使用すること
は困難であった。勿論、他の疎水性高分子化合物をシリ
コーン変性すれば、インク吸収に関する欠点を除くこと
は可能であるが、ガスバリアー性が高く且つ吸水性も低
い湿気硬化型の封止材料は深部硬化性が極めて悪く、封
止材の硬化に1週間程度も必要となる。
特開平7−232439号ではシリコーン変成した有機
高分子化合物、特にポリエーテルポリオールを基材樹脂
に使用した湿気硬化型1液性材料を封止剤として適用す
ることが提案されている。このシリコーン変成した有機
高分子化合物は、湿気硬化特性を付与するために分子末
端に加水分解しやすいアルコキシ基を有するシリコーン
化合物が付加されている。そして、このアルコキシ基は
湿気によって分解しシラノールに変化する。ここで、こ
のシラノールは極めて不安定であるため、シラノールを
重合させるべく有機錫等の触媒を若干量添加することに
よってシラノールをゲル化させる。しかしながら、この
変性シリコーンに関しては、骨格がポリエーテルポリオ
ールの吸水性の高い樹脂であり、インク等を吸収して電
気的絶縁性が低下するため、電気実装部に使用すること
は困難であった。勿論、他の疎水性高分子化合物をシリ
コーン変性すれば、インク吸収に関する欠点を除くこと
は可能であるが、ガスバリアー性が高く且つ吸水性も低
い湿気硬化型の封止材料は深部硬化性が極めて悪く、封
止材の硬化に1週間程度も必要となる。
【0011】また、これらのシリコーン系封止剤は一般
的には低分子シロキサンを含有しており、硬化に際し
て、この低分子シロキサンがインク流路あるいはインク
吐出エネルギー発生素子上等に付着した場合、このシリ
コーンは撥水特性が極めて高いため、インクの流れや吐
出の妨げとなって、良好な印字が行われなくなる場合も
あった。
的には低分子シロキサンを含有しており、硬化に際し
て、この低分子シロキサンがインク流路あるいはインク
吐出エネルギー発生素子上等に付着した場合、このシリ
コーンは撥水特性が極めて高いため、インクの流れや吐
出の妨げとなって、良好な印字が行われなくなる場合も
あった。
【0012】更には、これら湿気硬化型封止剤を使用す
る場合には、液状の封止剤が所望の個所以外に流出しな
いように、封止枠となる部品が必要であり、コストアッ
プの一因となっていた。また、封止剤が硬化してインク
を注入するまでに、数時間から数日程度の滞留が必要で
あり、滞留のための装置や場所等を多大に必要としてい
る。
る場合には、液状の封止剤が所望の個所以外に流出しな
いように、封止枠となる部品が必要であり、コストアッ
プの一因となっていた。また、封止剤が硬化してインク
を注入するまでに、数時間から数日程度の滞留が必要で
あり、滞留のための装置や場所等を多大に必要としてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来、インクジェット
ヘッドの封止に用いられている封止材料であるシリコー
ン樹脂またはシリコーン変成した有機高分子化合物は、
比較的高い耐アルカリ性を示すとともに、低粘度である
ことから、前記したようにインクジェットヘッドの製造
に好適であった。
ヘッドの封止に用いられている封止材料であるシリコー
ン樹脂またはシリコーン変成した有機高分子化合物は、
比較的高い耐アルカリ性を示すとともに、低粘度である
ことから、前記したようにインクジェットヘッドの製造
に好適であった。
【0014】しかしながら、常温において前記シリコー
ン樹脂または変成シリコーン樹脂は液状であるため、図
2に示したように、封止枠として外枠部材(インク供給
ユニット)1005を組み付けなければならなかった。
さらに、この樹脂は湿気硬化性であることから、硬化反
応は樹脂表面から進行し、樹脂全体が完全に硬化するま
でに常温では数日を必要としていた。樹脂表面は硬化し
ているものの、未硬化分が存在しているため、印字に悪
影響を及ぼすことがあった。
ン樹脂または変成シリコーン樹脂は液状であるため、図
2に示したように、封止枠として外枠部材(インク供給
ユニット)1005を組み付けなければならなかった。
さらに、この樹脂は湿気硬化性であることから、硬化反
応は樹脂表面から進行し、樹脂全体が完全に硬化するま
でに常温では数日を必要としていた。樹脂表面は硬化し
ているものの、未硬化分が存在しているため、印字に悪
影響を及ぼすことがあった。
【0015】また、インクジェットヘッドの封止材料と
して使用する場合には、この材料の吸水特性に配慮する
ことが必要である。封止材料が極めて高い吸水特性を示
す場合では、封止材料とインクジェットヘッドの構造部
材との接着力が低下し、インク漏れが発生することがあ
ったからである。
して使用する場合には、この材料の吸水特性に配慮する
ことが必要である。封止材料が極めて高い吸水特性を示
す場合では、封止材料とインクジェットヘッドの構造部
材との接着力が低下し、インク漏れが発生することがあ
ったからである。
【0016】本発明は、上記課題に鑑みなされたもので
あって、その目的は高いガスバリア性を保持するととも
に、前記した吸水特性を低減させ、吸水による封止材料
とインクジェットヘッドの構造部材との接着力の吸水に
よる低下を低減せしめ、インク漏れを防止すること、さ
らには電気実装部の封止の信頼性を向上させる封止剤を
提供することである。さらに、インクジェットヘッドの
外形を同時に成形し前記封止プロセスに要していたコス
トを削減するとともに、工程を簡素化することを目的と
している。
あって、その目的は高いガスバリア性を保持するととも
に、前記した吸水特性を低減させ、吸水による封止材料
とインクジェットヘッドの構造部材との接着力の吸水に
よる低下を低減せしめ、インク漏れを防止すること、さ
らには電気実装部の封止の信頼性を向上させる封止剤を
提供することである。さらに、インクジェットヘッドの
外形を同時に成形し前記封止プロセスに要していたコス
トを削減するとともに、工程を簡素化することを目的と
している。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は次のようであ
る。
る。
【0018】1.ベースプレート上に、ヒータ及びドラ
イバーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板
を少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成
した天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成さ
れるインクジェットヘッドにおいて、前記プリント配線
の電気的結合部および/または前記インクの接触部分の
封止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組
成物で封止してなるインクジェットヘッド。
イバーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板
を少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成
した天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成さ
れるインクジェットヘッドにおいて、前記プリント配線
の電気的結合部および/または前記インクの接触部分の
封止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組
成物で封止してなるインクジェットヘッド。
【0019】2.エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂
を主成分とし、硬化剤、無機充填剤および/または硬化
促進剤を含有することを特徴とする上記1に記載のイン
クジェットヘッド。
を主成分とし、硬化剤、無機充填剤および/または硬化
促進剤を含有することを特徴とする上記1に記載のイン
クジェットヘッド。
【0020】3.エポキシ樹脂が、ビスフェノールA、
ビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールA、テ
トラフェニロールエタン、フェノールノボラック、o−
クレゾールノボラック、ポリプロピレングリコール、水
添ビスフェノールAからなる群から選ばれる上記2に記
載のインクジェットヘッド。
ビスフェノールF、テトラブロモビスフェノールA、テ
トラフェニロールエタン、フェノールノボラック、o−
クレゾールノボラック、ポリプロピレングリコール、水
添ビスフェノールAからなる群から選ばれる上記2に記
載のインクジェットヘッド。
【0021】4.硬化剤が、無水フタル酸、テトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン無水
テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデシニル無水
コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、および無水メチルハイミック
酸からなる群から選ばれる上記2に記載のインクジェッ
トヘッド。
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリ
メリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノン無水
テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデシニル無水
コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、および無水メチルハイミック
酸からなる群から選ばれる上記2に記載のインクジェッ
トヘッド。
【0022】5.前記エポキシ樹脂組成物による封止を
トランスファーモールドで行う上記1に記載のインクジ
ェットヘッド。
トランスファーモールドで行う上記1に記載のインクジ
ェットヘッド。
【0023】6.前記エポキシ樹脂組成物による封止
を、インクの通路に弾性体を圧着して行う上記5に記載
のインクジェットヘッド。
を、インクの通路に弾性体を圧着して行う上記5に記載
のインクジェットヘッド。
【0024】7.前記弾性体の圧着を可動ピンで行う上
記5に記載のインクジェットヘッド。
記5に記載のインクジェットヘッド。
【0025】8.電気的結合部および/またはインク液
室にインクを供給するためのインク供給管を型割り位置
に配置することを特徴とする上記5に記載のインクジェ
ットヘッド。
室にインクを供給するためのインク供給管を型割り位置
に配置することを特徴とする上記5に記載のインクジェ
ットヘッド。
【0026】9.ベースプレート上に、ヒータ及びドラ
イバーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板
を少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成
した天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成す
るインクジェットヘッドの製造方法において、前記プリ
ント配線の電気的結合部および/または前記インクの接
触部分の封止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキ
シ樹脂組成物でトランスファーモールドにより封止する
ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
イバーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板
を少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成
した天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成す
るインクジェットヘッドの製造方法において、前記プリ
ント配線の電気的結合部および/または前記インクの接
触部分の封止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキ
シ樹脂組成物でトランスファーモールドにより封止する
ことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
【0027】10.前記エポキシ樹脂組成物による封止
を、インクの通路に弾性体を圧着して行う上記9に記載
のインクジェットヘッドの製造方法。
を、インクの通路に弾性体を圧着して行う上記9に記載
のインクジェットヘッドの製造方法。
【0028】11.前記弾性体の圧着を可動ピンで行う
上記9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
上記9に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
【0029】12.電気的結合部および/またはインク
液室にインクを供給するためのインク供給管を型割り位
置に配置することを特徴とする上記9に記載のインクジ
ェットヘッドの製造方法。
液室にインクを供給するためのインク供給管を型割り位
置に配置することを特徴とする上記9に記載のインクジ
ェットヘッドの製造方法。
【0030】13.上記1に記載のインクジェットヘッ
ドを用いた記録装置。
ドを用いた記録装置。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明のトランスファーモールド
に使用するエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および
硬化剤を主成分とするが、この組成物は必要に応じて無
機充填剤、硬化促進剤等を適宜含有することができる。
に使用するエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および
硬化剤を主成分とするが、この組成物は必要に応じて無
機充填剤、硬化促進剤等を適宜含有することができる。
【0032】エポキシ樹脂としては、フェノール型とし
てビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラブロモ
ビスフェノールA、テトラフェニロールエタン、フェノ
ールノボラック、o−クレゾールノボラック等、アルコ
ール型としてポリプロピレングリコール、水添ビスフェ
ノールA等何れも使用できる。
てビスフェノールA、ビスフェノールF、テトラブロモ
ビスフェノールA、テトラフェニロールエタン、フェノ
ールノボラック、o−クレゾールノボラック等、アルコ
ール型としてポリプロピレングリコール、水添ビスフェ
ノールA等何れも使用できる。
【0033】本発明において使用される硬化剤は通常エ
ポキシ樹脂の硬化剤として機能するものが選択される
が、そのなかでも、耐インク性に優れ、かつトランスフ
ァーモールドに一般的に用いられている酸無水物を主体
とする硬化剤が好ましい。酸無水物硬化型エポキシ樹脂
は、比較的高温(120−170℃)で硬化するため、
エポキシ主剤と硬化剤およびフィラーやシランカップリ
ング剤、難燃剤等を所定割合で配合したタブレットを形
成しておけば、安定した特性の樹脂を作業性よく使用す
ることが可能である。またアミン硬化型エポキシ樹脂に
比べて、実装個所への腐食性も極めて低く、安定した信
頼性のインクジェットヘッドを製作できる。
ポキシ樹脂の硬化剤として機能するものが選択される
が、そのなかでも、耐インク性に優れ、かつトランスフ
ァーモールドに一般的に用いられている酸無水物を主体
とする硬化剤が好ましい。酸無水物硬化型エポキシ樹脂
は、比較的高温(120−170℃)で硬化するため、
エポキシ主剤と硬化剤およびフィラーやシランカップリ
ング剤、難燃剤等を所定割合で配合したタブレットを形
成しておけば、安定した特性の樹脂を作業性よく使用す
ることが可能である。またアミン硬化型エポキシ樹脂に
比べて、実装個所への腐食性も極めて低く、安定した信
頼性のインクジェットヘッドを製作できる。
【0034】酸無水物硬化剤としては、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリト酸、ベンゾフ
ェノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデ
シニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイ
ミック酸等を挙げることができる。
テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル
酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリト酸、ベンゾフ
ェノン無水テトラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデ
シニル無水コハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、メチルへキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイ
ミック酸等を挙げることができる。
【0035】フィラーとしてカーボンブラック、シリ
カ、酸化チタン等を添加しても構わない。また、安定
剤、シランカップリング剤、難燃剤等の添加剤をあらか
じめ所定量混合しておいても構わない。
カ、酸化チタン等を添加しても構わない。また、安定
剤、シランカップリング剤、難燃剤等の添加剤をあらか
じめ所定量混合しておいても構わない。
【0036】インクジェット記録ヘッドにおいては、I
CやLSIのモールドと異なり、インク吐出孔形成個
所、インク供給個所等、樹脂を充填してはならない個所
が存在する。このような個所への樹脂の回り込みに関し
ては、弾性フィルム等を該当個所に押し当てた後、樹脂
を注入することにより防止することが可能である。即
ち、インク吐出孔面への樹脂の流入を防止する場合は、
前記成形時において、図4に示すように金型内面に弾性
体を真空吸着などにより密着させたのち、インク吐出孔
面を圧着せしめることによりエポキシ樹脂の回り込みを
防止することができる。この弾性体には耐熱性を有する
ものが好適であり、シリコンゴムシート、加硫ゴムシー
ト等のゴムシートのほか、テフロンフィルム、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、
アラミド等のフィルム部材を挙げることができる。
CやLSIのモールドと異なり、インク吐出孔形成個
所、インク供給個所等、樹脂を充填してはならない個所
が存在する。このような個所への樹脂の回り込みに関し
ては、弾性フィルム等を該当個所に押し当てた後、樹脂
を注入することにより防止することが可能である。即
ち、インク吐出孔面への樹脂の流入を防止する場合は、
前記成形時において、図4に示すように金型内面に弾性
体を真空吸着などにより密着させたのち、インク吐出孔
面を圧着せしめることによりエポキシ樹脂の回り込みを
防止することができる。この弾性体には耐熱性を有する
ものが好適であり、シリコンゴムシート、加硫ゴムシー
ト等のゴムシートのほか、テフロンフィルム、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサ
ルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、
アラミド等のフィルム部材を挙げることができる。
【0037】また、この弾性体へのワークの押し当てに
関しては、型に設けた可動ピンや可動駒を所望のタイミ
ングにて可動させ、ワークの吐出孔形成面の基本的には
逆側より、ワークを弾性体に押し当てることが好まし
い。
関しては、型に設けた可動ピンや可動駒を所望のタイミ
ングにて可動させ、ワークの吐出孔形成面の基本的には
逆側より、ワークを弾性体に押し当てることが好まし
い。
【0038】このような概念は近年半導体トランスファ
ーモールド業界にて検討されている、3P成型技術を挙
げることができる。この技術は型内部にテフロン等の耐
熱、離型フィルムを張り合わせ、このフィルム内に半導
体を挿入してモールドする技術である。このフィルムに
対して、前記したワークのインク吐出孔形成面を押し当
てれば、樹脂のこの個所への回り込みを防止することが
可能である。このとき、可動ピンや可動駒はフィルム越
しにワークを押し付けるため、樹脂に直接接触すること
はなく、硬化樹脂によって可動ピンや駒の動きが鈍くな
るような弊害は生じない。
ーモールド業界にて検討されている、3P成型技術を挙
げることができる。この技術は型内部にテフロン等の耐
熱、離型フィルムを張り合わせ、このフィルム内に半導
体を挿入してモールドする技術である。このフィルムに
対して、前記したワークのインク吐出孔形成面を押し当
てれば、樹脂のこの個所への回り込みを防止することが
可能である。このとき、可動ピンや可動駒はフィルム越
しにワークを押し付けるため、樹脂に直接接触すること
はなく、硬化樹脂によって可動ピンや駒の動きが鈍くな
るような弊害は生じない。
【0039】このヘッドにはプリンター本体との電気的
接続を行うための接続個所を設ける必要がある。従来の
インクジェットヘッドに関しては、ガラエポ基板に銅や
ニッケルで配線パターンを形成したPWB基板で行う場
合が多いが、これに関しては、コンタクト部を型設計で
樹脂の回り込みを防止する形態としておくことが好まし
い。また、フレキシブルフィルム等に配線パターンを形
成したTABフィルム等を用いる場合は、このフィルム
を型割り位置より型の外部へはみ出させておくことが望
ましい。さらには、半導体と同様に、リードフレームを
用いて型外部に信号線を出し、後工程でリードフレーム
を別途形成したコンタクトパッドに接続する方法も可能
である。このような場合、インクタンク本体に無電解メ
ッキやフォトリソ技術等で形成した筐体配線パターンに
対して、この吐出エレメントを貼りあわせることも可能
である。
接続を行うための接続個所を設ける必要がある。従来の
インクジェットヘッドに関しては、ガラエポ基板に銅や
ニッケルで配線パターンを形成したPWB基板で行う場
合が多いが、これに関しては、コンタクト部を型設計で
樹脂の回り込みを防止する形態としておくことが好まし
い。また、フレキシブルフィルム等に配線パターンを形
成したTABフィルム等を用いる場合は、このフィルム
を型割り位置より型の外部へはみ出させておくことが望
ましい。さらには、半導体と同様に、リードフレームを
用いて型外部に信号線を出し、後工程でリードフレーム
を別途形成したコンタクトパッドに接続する方法も可能
である。このような場合、インクタンク本体に無電解メ
ッキやフォトリソ技術等で形成した筐体配線パターンに
対して、この吐出エレメントを貼りあわせることも可能
である。
【0040】本発明は前記エポキシ樹脂を用いて、主に
インクジェットヘッドの実装部、インク流路および液室
外部の封止を行うとともにインクジェットヘッドの外形
を形成することを特徴とする。これらの工程を同時に行
うことから、生産性が向上する。すなわち、トランスフ
ァーモールドにおいては、型温度にも依存するが、一般
的には40秒乃至420秒で樹脂の硬化が完了するた
め、極めて高いタクトでインクジェットヘッドの形成工
程を行うことができる。
インクジェットヘッドの実装部、インク流路および液室
外部の封止を行うとともにインクジェットヘッドの外形
を形成することを特徴とする。これらの工程を同時に行
うことから、生産性が向上する。すなわち、トランスフ
ァーモールドにおいては、型温度にも依存するが、一般
的には40秒乃至420秒で樹脂の硬化が完了するた
め、極めて高いタクトでインクジェットヘッドの形成工
程を行うことができる。
【0041】以下実施例を以って本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ないことは言うまでもない。
説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ないことは言うまでもない。
【0042】
【実施例】実施例1 トランスファーモールドにより熱硬化性エポキシ樹脂を
用いたインクジェットヘッドを作成した。すなわち、図
1に示すように、プリント基板を貼り合わせたアルミ製
ベースプレートに、ヒーター及びドライバーを汎用的シ
リコンプロセスで作成した基板をダイボンディングし
た。次いで射出成形によってインク流路、液室及びノズ
ルを形成したポリサルフォン製樹脂天板に、エキシマレ
ーザーで吐出孔を形成し、吐出孔と基板上のヒーターが
最適位置に合致するように位置合わせしつつ貼り合わせ
たバネで固定し、ばね組み品を得た。次いで厚さ0.2
mmのシリコンゴムシートを真空吸着することによりト
ランスファーモールドの金型に密着させた後、このばね
組み品を金型内に設置し、熱硬化性エポキシ樹脂(日東
電工製NT−8506)を充填した。トランスファー成
形機はYKC−12T(YKC製)を使用し、成形条件
は、樹脂材料のプレヒート80℃、金型温度125℃、
注入圧力15kg/cm2、成形時間300秒である。
その後、ポストキュアとして空気中125℃、16時間
放置し樹脂の図3に示すように硬化を完了させた。図4
に、上記成形のフローを模式的に示した。図4(a)に
示すようにばね組み品を上型と下型にはさみ込み(b)
のように1007の封止を行い(この際型とワークの間
にフィルムがある)、型をはずして図3の形状をうる
(c)。
用いたインクジェットヘッドを作成した。すなわち、図
1に示すように、プリント基板を貼り合わせたアルミ製
ベースプレートに、ヒーター及びドライバーを汎用的シ
リコンプロセスで作成した基板をダイボンディングし
た。次いで射出成形によってインク流路、液室及びノズ
ルを形成したポリサルフォン製樹脂天板に、エキシマレ
ーザーで吐出孔を形成し、吐出孔と基板上のヒーターが
最適位置に合致するように位置合わせしつつ貼り合わせ
たバネで固定し、ばね組み品を得た。次いで厚さ0.2
mmのシリコンゴムシートを真空吸着することによりト
ランスファーモールドの金型に密着させた後、このばね
組み品を金型内に設置し、熱硬化性エポキシ樹脂(日東
電工製NT−8506)を充填した。トランスファー成
形機はYKC−12T(YKC製)を使用し、成形条件
は、樹脂材料のプレヒート80℃、金型温度125℃、
注入圧力15kg/cm2、成形時間300秒である。
その後、ポストキュアとして空気中125℃、16時間
放置し樹脂の図3に示すように硬化を完了させた。図4
に、上記成形のフローを模式的に示した。図4(a)に
示すようにばね組み品を上型と下型にはさみ込み(b)
のように1007の封止を行い(この際型とワークの間
にフィルムがある)、型をはずして図3の形状をうる
(c)。
【0043】前記エポキシ樹脂は、天板に成形されたノ
ズル1002aや液室1002bには流入することはな
く硬化した。また、吐出孔からの流入もみられなかっ
た。次いでインクタンクを熱カシメによりベースプレー
トに固定し、インクを注入することによって図5に示す
形態のインクジェットヘッド500を作成した。
ズル1002aや液室1002bには流入することはな
く硬化した。また、吐出孔からの流入もみられなかっ
た。次いでインクタンクを熱カシメによりベースプレー
トに固定し、インクを注入することによって図5に示す
形態のインクジェットヘッド500を作成した。
【0044】次にこのインクジェットヘッドを図6に示
す構成のインクジェット装置に装着してガスバリアー特
性の評価を行った。図6中インクジェットヘッド20は
インクジェット装置のホームポジションに設けた回復ユ
ニットRの吸引ポンプ26にキャップ26Aを介して吸
引回復される。
す構成のインクジェット装置に装着してガスバリアー特
性の評価を行った。図6中インクジェットヘッド20は
インクジェット装置のホームポジションに設けた回復ユ
ニットRの吸引ポンプ26にキャップ26Aを介して吸
引回復される。
【0045】実施例1のインクジェットヘッドをインク
ジェット装置に装着し、吸引回復を行いそのまま35℃
の環境下に放置したが7日経過した時点においても印字
が可能であった。
ジェット装置に装着し、吸引回復を行いそのまま35℃
の環境下に放置したが7日経過した時点においても印字
が可能であった。
【0046】比較例1 比較例としてシリコーン変成した有機物を封止剤に用い
てインクジェットヘッドを作成した。シリコーン変成封
止剤は常温では液状のため、通常インクジェットヘッド
に用いる場合には図2のように熱カシメにより封止枠と
インクタンク接続用にインク流路を兼ね備えたインク供
給ユニット1005を組み付けてある。サンプルを30
度傾斜させてディスペンサーで樹脂を注入し、封止を行
った。樹脂の注入状態は図2に示す。封止剤1006は
天板1002とインク供給ユニット1005の接合界
面、天板1002とヒーター基板1001の界面に充填
され硬化した。また、天板に成形されたノズル1002
eや液室1002bには流入することはなかった。次い
でインクタンクを熱カシメよりベースプレートに固定
し、インクを注入することによってインクジェットヘッ
ドを作成した。このインクジェットヘッドを実施例1と
同じのインクジェット装置に装着し、吸引回復を行い、
そのまま35℃環境下に放置し5日後に印字したところ
不吐出となった。
てインクジェットヘッドを作成した。シリコーン変成封
止剤は常温では液状のため、通常インクジェットヘッド
に用いる場合には図2のように熱カシメにより封止枠と
インクタンク接続用にインク流路を兼ね備えたインク供
給ユニット1005を組み付けてある。サンプルを30
度傾斜させてディスペンサーで樹脂を注入し、封止を行
った。樹脂の注入状態は図2に示す。封止剤1006は
天板1002とインク供給ユニット1005の接合界
面、天板1002とヒーター基板1001の界面に充填
され硬化した。また、天板に成形されたノズル1002
eや液室1002bには流入することはなかった。次い
でインクタンクを熱カシメよりベースプレートに固定
し、インクを注入することによってインクジェットヘッ
ドを作成した。このインクジェットヘッドを実施例1と
同じのインクジェット装置に装着し、吸引回復を行い、
そのまま35℃環境下に放置し5日後に印字したところ
不吐出となった。
【0047】実施例2 吸水率測定に使用するために熱硬化性エポキシ樹脂(日
東電工製NT−8506)をトランスファーモールドに
より、20mm×5mmの試験片を作成した。トランス
ファー成形機はYKC−12T(YKC製)を使用し、
成形条件は、樹脂材料のプレヒート80℃、金型温度1
25℃、注入圧力15kg/cm2、成形時間300秒
である。その後、ポストキュアとして空気中125℃、
16時間放置し樹脂の硬化を完了させ、試験片を得た。
東電工製NT−8506)をトランスファーモールドに
より、20mm×5mmの試験片を作成した。トランス
ファー成形機はYKC−12T(YKC製)を使用し、
成形条件は、樹脂材料のプレヒート80℃、金型温度1
25℃、注入圧力15kg/cm2、成形時間300秒
である。その後、ポストキュアとして空気中125℃、
16時間放置し樹脂の硬化を完了させ、試験片を得た。
【0048】次に吸水特性を評価するために、この試験
片を試験片の重量に対して40倍量のインク中に含浸さ
せた。このインク中には、2−(シクロへキシルアミ
ノ)エタンスルホン酸、2−ピロリドン、水、染料を含
んでいる。このインク中に120℃、2atmの条件で
10時間投入し、投入前後の封止材料の重量変化により
吸水率を算出した。その結果を表1に示す。
片を試験片の重量に対して40倍量のインク中に含浸さ
せた。このインク中には、2−(シクロへキシルアミ
ノ)エタンスルホン酸、2−ピロリドン、水、染料を含
んでいる。このインク中に120℃、2atmの条件で
10時間投入し、投入前後の封止材料の重量変化により
吸水率を算出した。その結果を表1に示す。
【0049】比較例2 比較例として従来用いられてきた変成シリコーン樹脂を
用いて実施例2と同形の試験片を作成した。実施例2と
同様にして吸水率を求め、表1に示した。
用いて実施例2と同形の試験片を作成した。実施例2と
同様にして吸水率を求め、表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エポキシ樹脂を用いることにより、気泡の侵入を低減す
るとともにインクジェットヘッドの構造部材との接着力
の低下を防止することができる。さらに、エポキシ樹脂
を用いた一括成形により、従来封止枠とインク流路を兼
ね備えているインク供給ユニットを廃止することによ
り、封止工程の簡素化することができ、信頼性が高いイ
ンクジェットヘッドを提供することができるという効果
を有する。
エポキシ樹脂を用いることにより、気泡の侵入を低減す
るとともにインクジェットヘッドの構造部材との接着力
の低下を防止することができる。さらに、エポキシ樹脂
を用いた一括成形により、従来封止枠とインク流路を兼
ね備えているインク供給ユニットを廃止することによ
り、封止工程の簡素化することができ、信頼性が高いイ
ンクジェットヘッドを提供することができるという効果
を有する。
【図1】インクジェットヘッドの吐出エレメント部の構
成を示す模式的斜視図である。
成を示す模式的斜視図である。
【図2】シリコーンおよび変成シリコーン樹脂を用いた
インクジェットヘッドのインク流路回りの構成を示す断
面図である。
インクジェットヘッドのインク流路回りの構成を示す断
面図である。
【図3】トランスファーモールドにより封止を行ったイ
ンクジェットヘッドのインク流路回りの構成を示す断面
図である。
ンクジェットヘッドのインク流路回りの構成を示す断面
図である。
【図4】図3の形状を成型するための模式的フロー図で
ある。
ある。
【図5】本発明によるイングジェットカートリッジの斜
視図である。
視図である。
【図6】本発明を適用したインクジェット装置の一例を
示す概略図である。
示す概略図である。
R 回復ユニット 20 インクジェットヘッド 26 吸引ポンプ 26A キャップ 500 インクジェットヘッド 1001 ヒーターボード 1002 天板 1003 プリント配線基板 1004 ベースプレート 1005 インク供給ユニット(封止枠) 1006 封止材料 1007 エポキシ樹脂
Claims (13)
- 【請求項1】 ベースプレート上に、ヒータ及びドライ
バーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板を
少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成し
た天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成され
るインクジェットヘッドにおいて、前記プリント配線の
電気的結合部および/または前記インクの接触部分の封
止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂組成
物で封止してなるインクジェットヘッド。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂を
主成分とし、硬化剤、無機充填剤および/または硬化促
進剤を含有することを特徴とする請求項1記載のインク
ジェットヘッド。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂が、ビスフェノールA、ビ
スフェノールF、テトラブロモビスフェノールA、テト
ラフェニロールエタン、フェノールノボラック、o−ク
レゾールノボラック、ポリプロピレングリコール、水添
ビスフェノールAからなる群から選ばれる請求項2記載
のインクジェットヘッド。 - 【請求項4】 硬化剤が、無水フタル酸、テトラヒドロ
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメ
リット酸、無水プロメリット酸、ベンゾフェノン無水テ
トラカルボン酸、無水クロレンド酸、ドデシニル無水コ
ハク酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキ
サヒドロ無水フタル酸、および無水メチルハイミック酸
からなる群から選ばれる請求項2記載のインクジェット
ヘッド。 - 【請求項5】 前記エポキシ樹脂組成物による封止をト
ランスファーモールドで行う請求項1記載のインクジェ
ットヘッド。 - 【請求項6】 前記エポキシ樹脂組成物による封止を、
インクの通路に弾性体を圧着して行う請求項5記載のイ
ンクジェットヘッド。 - 【請求項7】 前記弾性体の圧着を可動ピンで行う請求
項5記載のインクジェットヘッド。 - 【請求項8】 電気的結合部および/またはインク液室
にインクを供給するためのインク供給管を型割り位置に
配置することを特徴とする請求項5記載のインクジェッ
トヘッド。 - 【請求項9】 ベースプレート上に、ヒータ及びドライ
バーを設けたシリコン基板、およびプリント配線基板を
少くとも有し、インク流路、液室およびノズルを形成し
た天板と、前記シリコン基板とを貼り合わせて形成する
インクジェットヘッドの製造方法において、前記プリン
ト配線の電気的結合部および/または前記インクの接触
部分の封止個所をエポキシ樹脂を主成分とするエポキシ
樹脂組成物でトランスファーモールドにより封止するこ
とを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項10】 前記エポキシ樹脂組成物による封止
を、インクの通路に弾性体を圧着して行う請求項9記載
のインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項11】 前記弾性体の圧着を可動ピンで行う請
求項9記載のインクジェットヘッドの製造方法。 - 【請求項12】 電気的結合部および/またはインク液
室にインクを供給するためのインク供給管を型割り位置
に配置することを特徴とする請求項9記載のインクジェ
ットヘッドの製造方法。 - 【請求項13】 請求項1に記載のインクジェットヘッ
ドを用いた記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18882898A JP2000015818A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18882898A JP2000015818A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000015818A true JP2000015818A (ja) | 2000-01-18 |
Family
ID=16230552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18882898A Pending JP2000015818A (ja) | 1998-07-03 | 1998-07-03 | インクジェットヘッドおよび該ヘッドを用いた記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000015818A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7059703B2 (en) | 2001-05-31 | 2006-06-13 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink jet recording head |
-
1998
- 1998-07-03 JP JP18882898A patent/JP2000015818A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7059703B2 (en) | 2001-05-31 | 2006-06-13 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Ink jet recording head |
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