JPH11313997A - ミシンの釜 - Google Patents
ミシンの釜Info
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- JPH11313997A JPH11313997A JP24198498A JP24198498A JPH11313997A JP H11313997 A JPH11313997 A JP H11313997A JP 24198498 A JP24198498 A JP 24198498A JP 24198498 A JP24198498 A JP 24198498A JP H11313997 A JPH11313997 A JP H11313997A
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- hook
- shuttle
- upper thread
- sewing machine
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Abstract
(57)【要約】
【課題】水平釜又は垂直釜を備えた本縫ミシンにおける
縫い目の均整度をより向上させることを目的としてい
る。更に、中釜から抜ける上糸ループを受取る中釜押え
の、微妙な形状設計を要する糸案内がなくてもすむよう
にする。 【解決手段】ミシンの釜は、外釜1と中釜2とよりな
り、剣先3の先端部に外釜回転方向イと逆向きのフック
4を形成する。フックを外側に向けて円弧状に反らし、
中釜2のオープナー当接部の突出先端部が剣先の内側縁
より内側に位置するとよい。針板は、上糸ループが引込
まれる部分の外釜回転方向上流側に糸外し片を設ける。
縫い目の均整度をより向上させることを目的としてい
る。更に、中釜から抜ける上糸ループを受取る中釜押え
の、微妙な形状設計を要する糸案内がなくてもすむよう
にする。 【解決手段】ミシンの釜は、外釜1と中釜2とよりな
り、剣先3の先端部に外釜回転方向イと逆向きのフック
4を形成する。フックを外側に向けて円弧状に反らし、
中釜2のオープナー当接部の突出先端部が剣先の内側縁
より内側に位置するとよい。針板は、上糸ループが引込
まれる部分の外釜回転方向上流側に糸外し片を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、本縫いミシンの縫
品質向上を可能とする釜、即ち、ベッド面と平行に回転
する全回転式の水平釜及びベッド面に垂直に回転する垂
直釜に関するものであり、また縫品質向上に寄与する針
板に関するものである。
品質向上を可能とする釜、即ち、ベッド面と平行に回転
する全回転式の水平釜及びベッド面に垂直に回転する垂
直釜に関するものであり、また縫品質向上に寄与する針
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水平釜は外釜と中釜とよりなり、図11
に示す外釜1を備えたものが知られている。その水平釜
の外釜1は、剣先3に対向して少し離れた位置に糸案内
Gを備えている。垂直釜も同様に外釜と中釜とよりな
り、図13に示す外釜1aは剣先3aに対向して少し離
れた位置に糸案内gを備えている。
に示す外釜1を備えたものが知られている。その水平釜
の外釜1は、剣先3に対向して少し離れた位置に糸案内
Gを備えている。垂直釜も同様に外釜と中釜とよりな
り、図13に示す外釜1aは剣先3aに対向して少し離
れた位置に糸案内gを備えている。
【0003】図12を参照し、水平釜の構成に伴う周囲
の状況を簡単に説明し、糸案内Gの役目を説明する。
の状況を簡単に説明し、糸案内Gの役目を説明する。
【0004】中釜2は外釜1内の上側に外釜1の上縁部
に設けた中釜押え11により、外釜1から飛び出すこと
なく、回転可能に取付けられており、その中釜2には下
糸を巻いたボビンを収容するボビンケース5が固定され
る。現実には外釜1が回転するが、外釜1が回転すると
きに中釜2が伴回りしないように、針板6下面の一対の
係止部材12、13間に中釜2の係合突起14を遊嵌し
ている。通常は外釜1の回転に伴う摩擦によって中釜2
の係合突起14は一方の係止部材13に係合し続けるこ
ととなるが、それでは釜周囲を回る上糸Yのループが係
止部材12と係止部材13との間を通過できず、上糸ル
ープYに大きな張力が加わり、縫い目形成動作に支障を
きたすことになる。そこで図示省略したオープナーによ
り、上糸ループYの通過を容易にするために、係合突起
14を係止部材12側に強制的に寄せ、上糸ループ通過
間隙を形成している。
に設けた中釜押え11により、外釜1から飛び出すこと
なく、回転可能に取付けられており、その中釜2には下
糸を巻いたボビンを収容するボビンケース5が固定され
る。現実には外釜1が回転するが、外釜1が回転すると
きに中釜2が伴回りしないように、針板6下面の一対の
係止部材12、13間に中釜2の係合突起14を遊嵌し
ている。通常は外釜1の回転に伴う摩擦によって中釜2
の係合突起14は一方の係止部材13に係合し続けるこ
ととなるが、それでは釜周囲を回る上糸Yのループが係
止部材12と係止部材13との間を通過できず、上糸ル
ープYに大きな張力が加わり、縫い目形成動作に支障を
きたすことになる。そこで図示省略したオープナーによ
り、上糸ループYの通過を容易にするために、係合突起
14を係止部材12側に強制的に寄せ、上糸ループ通過
間隙を形成している。
【0005】縫い目は、上糸ループYがボビンケース5
と一体となった中釜の周りを回る過程で形成されるが、
そのループの形成は、外釜1がその剣先3に上糸Yを引
っかけ、図12の(1)から(3)に示す順に回転する
ことによってなされる。その回転の終盤に入ってしばら
くすると、上糸ループYは、剣先3から離れる。同図か
らわかるように、剣先3の少し離れた回転下流側には中
釜押え11の先端に形成した糸案内Gが向かい合ってい
るので、剣先3を離れた上糸ループYは、天秤による上
糸引上げに伴って、直ぐに糸案内G側に移動して係合す
る。上糸ループYは、糸案内Gに係合したまま天秤の引
上げにより縮小しながら、針板6の針穴7近くまで移動
する。そして、更に外釜1が回転すると糸案内Gも共に
移動して上糸ループYから抜け、上糸Yは針穴7の上に
引き上げられ、縫い目が形成される。下送りミシンの場
合は、上述のように、上糸ループYは針板6の針穴7近
くまで移動するが、図9に示すような針送りミシンの場
合は、送り歯21に設けられた針穴22の近くまで移動
する。
と一体となった中釜の周りを回る過程で形成されるが、
そのループの形成は、外釜1がその剣先3に上糸Yを引
っかけ、図12の(1)から(3)に示す順に回転する
ことによってなされる。その回転の終盤に入ってしばら
くすると、上糸ループYは、剣先3から離れる。同図か
らわかるように、剣先3の少し離れた回転下流側には中
釜押え11の先端に形成した糸案内Gが向かい合ってい
るので、剣先3を離れた上糸ループYは、天秤による上
糸引上げに伴って、直ぐに糸案内G側に移動して係合す
る。上糸ループYは、糸案内Gに係合したまま天秤の引
上げにより縮小しながら、針板6の針穴7近くまで移動
する。そして、更に外釜1が回転すると糸案内Gも共に
移動して上糸ループYから抜け、上糸Yは針穴7の上に
引き上げられ、縫い目が形成される。下送りミシンの場
合は、上述のように、上糸ループYは針板6の針穴7近
くまで移動するが、図9に示すような針送りミシンの場
合は、送り歯21に設けられた針穴22の近くまで移動
する。
【0006】以上の説明からわかるように、糸案内G
は、縫い目均整度への悪影響を少なくするために、剣先
3から離れてからの上糸ループYを少しでも安定化させ
る役割を担っている。
は、縫い目均整度への悪影響を少なくするために、剣先
3から離れてからの上糸ループYを少しでも安定化させ
る役割を担っている。
【0007】垂直釜にいても、図14に示すように、上
糸ループの形成及びその際の糸案内gの役目は水平釜と
ほぼ同様である。即ち、外釜1aの剣先3aが上糸Yを
引っかけ、ボビンケース5aと一体となった中釜2aの
周りを、図14の(1)から(3)に示す順に回る過程
で、上糸ループYが形成される。外釜1aが(2)の位
置から少し回転すると、上糸ループYは、天秤による上
糸引上げに伴って、剣先3aを離れ、中釜押え11aの
先端の糸案内gに移動して係合する。上糸ループYは、
糸案内gに係合したまま天秤の引上げにより縮小し、布
中に引き込まれ、縫い目が形成される。その際、外釜1
aの回転に伴い、糸案内gも共に移動して上糸ループY
から抜ける。この糸案内gも、剣先3から離れてからの
上糸ループYを受けて安定化させる役割を担っている。
糸ループの形成及びその際の糸案内gの役目は水平釜と
ほぼ同様である。即ち、外釜1aの剣先3aが上糸Yを
引っかけ、ボビンケース5aと一体となった中釜2aの
周りを、図14の(1)から(3)に示す順に回る過程
で、上糸ループYが形成される。外釜1aが(2)の位
置から少し回転すると、上糸ループYは、天秤による上
糸引上げに伴って、剣先3aを離れ、中釜押え11aの
先端の糸案内gに移動して係合する。上糸ループYは、
糸案内gに係合したまま天秤の引上げにより縮小し、布
中に引き込まれ、縫い目が形成される。その際、外釜1
aの回転に伴い、糸案内gも共に移動して上糸ループY
から抜ける。この糸案内gも、剣先3から離れてからの
上糸ループYを受けて安定化させる役割を担っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のミシンの各釜
は、中釜周りを回り遠い位置で外釜剣先3(3a)から
離れるときの上糸ループYが大きなものであるので、張
力不安定状態を引起し、不揃いな縫い目が形成される。
また、外釜1(1a)の剣先3(3a)から離れた上糸
ループYを糸案内G(g)で確実に受け、スムーズに糸
抜けするには、糸案内G(g)の大きさ、傾き、剣先3
との間隙等の形状設計が微妙で非常に難しい。糸案内G
(g)の形状は、異なる機種の釜ではもちろん、縫製条
件、例えば、縫製物の厚さ、固さ、糸の番手、糸の種類
等が変わっても変える必要がある。また、二本針ミシン
においては、左右の釜間でも異なる。
は、中釜周りを回り遠い位置で外釜剣先3(3a)から
離れるときの上糸ループYが大きなものであるので、張
力不安定状態を引起し、不揃いな縫い目が形成される。
また、外釜1(1a)の剣先3(3a)から離れた上糸
ループYを糸案内G(g)で確実に受け、スムーズに糸
抜けするには、糸案内G(g)の大きさ、傾き、剣先3
との間隙等の形状設計が微妙で非常に難しい。糸案内G
(g)の形状は、異なる機種の釜ではもちろん、縫製条
件、例えば、縫製物の厚さ、固さ、糸の番手、糸の種類
等が変わっても変える必要がある。また、二本針ミシン
においては、左右の釜間でも異なる。
【0009】本発明は、水平釜又は垂直釜を備えた本縫
ミシンにおける縫い目の均整度をより向上させることを
目的としている。更に、中釜から抜ける上糸ループを受
取る中釜押えの、微妙な形状設計を要する糸案内がなく
てもすむようにすることを目的としている。
ミシンにおける縫い目の均整度をより向上させることを
目的としている。更に、中釜から抜ける上糸ループを受
取る中釜押えの、微妙な形状設計を要する糸案内がなく
てもすむようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のミシンの釜は、
外釜1(1a)と中釜2(2a)とよりなり、剣先3
(3a)の先端部に外釜回転方向イ(ロ)と逆向きのフ
ック4(4a)を形成したミシンの釜。
外釜1(1a)と中釜2(2a)とよりなり、剣先3
(3a)の先端部に外釜回転方向イ(ロ)と逆向きのフ
ック4(4a)を形成したミシンの釜。
【0011】フックフック4(4a)を外側に向けて円
弧状にすとよい(図8)。
弧状にすとよい(図8)。
【0012】水平釜において、中釜2のオープナー当接
部8の突出先端部Aが剣先3の内側縁Bより内側に位置
するようにする(図3)。
部8の突出先端部Aが剣先3の内側縁Bより内側に位置
するようにする(図3)。
【0013】垂直釜においては、更に、フック4aを釜
表側、釜外周側に向けるとよい(図5、図6)。
表側、釜外周側に向けるとよい(図5、図6)。
【0014】垂直釜においては、中釜2a鍔部の上糸ル
ープ抜け出し位置付近に切欠湾入部2a’を形成し、こ
の切欠湾入部2a’により従来に比べて上糸ループに作
用する摩擦抵抗が少なくなるので、上糸ループの糸抜け
タイミングが早くなり、従って、上糸ループは剣先3a
のフック4aに最後まで係合するようにする(図5、図
6)。
ープ抜け出し位置付近に切欠湾入部2a’を形成し、こ
の切欠湾入部2a’により従来に比べて上糸ループに作
用する摩擦抵抗が少なくなるので、上糸ループの糸抜け
タイミングが早くなり、従って、上糸ループは剣先3a
のフック4aに最後まで係合するようにする(図5、図
6)。
【0015】本発明の針板6は、上糸ループが引込まれ
る部分9(6a’)の外釜回転方向上流側に糸外し片1
0(10a)を設けたものである。
る部分9(6a’)の外釜回転方向上流側に糸外し片1
0(10a)を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1ないし図3を参照し、本発明
の水平釜の実施形態について説明する。
の水平釜の実施形態について説明する。
【0017】この水平釜は、外釜1と中釜2とよりなる
基本構成は従来のものと変わらないが、次の二点で大き
な変更を加えている。
基本構成は従来のものと変わらないが、次の二点で大き
な変更を加えている。
【0018】一つ目の変更は、図1に示すように、外釜
1の剣先3の先端部に外釜1の回転方向イと逆向きのフ
ック4を設けたことである。
1の剣先3の先端部に外釜1の回転方向イと逆向きのフ
ック4を設けたことである。
【0019】二つ目の変更は、従来あった糸案内G
(g)を取除いたことである。
(g)を取除いたことである。
【0020】図1(1)に示すものは、フック4が外側
に向いており、図1(2)に示すものは、フック4が上
側に向いているが、働きはどちらも同じである。
に向いており、図1(2)に示すものは、フック4が上
側に向いているが、働きはどちらも同じである。
【0021】このような構成の水平釜においては、図2
に示すように、縫い目形成に際し、上糸Yのループが外
釜1の剣先3に掛けられて中釜2の周りを回るが、その
終盤に入ってしばらくすると、上糸ループYは、剣先3
から離れる。しかしながら、剣先3の先端部には、外釜
1の回転方向イと逆向きのフック4が設けられているの
で、上糸ループYは、天秤による上糸引上げに伴って、
即座にフック4に係合する(図2(3))。上糸ループ
Yは、天秤の引上げにより縮小しながら、そのまま針板
6の針穴7近くまで移動する。そして、更に外釜1が回
転してフック4が針穴7の位置より先に進むと、上糸ル
ープYは自然にフック4より外れて針穴7の上に引き上
げられ、縫い目が形成される。
に示すように、縫い目形成に際し、上糸Yのループが外
釜1の剣先3に掛けられて中釜2の周りを回るが、その
終盤に入ってしばらくすると、上糸ループYは、剣先3
から離れる。しかしながら、剣先3の先端部には、外釜
1の回転方向イと逆向きのフック4が設けられているの
で、上糸ループYは、天秤による上糸引上げに伴って、
即座にフック4に係合する(図2(3))。上糸ループ
Yは、天秤の引上げにより縮小しながら、そのまま針板
6の針穴7近くまで移動する。そして、更に外釜1が回
転してフック4が針穴7の位置より先に進むと、上糸ル
ープYは自然にフック4より外れて針穴7の上に引き上
げられ、縫い目が形成される。
【0022】ところで、水平釜の中釜2は、図3(1)
に示すように、中釜2を外釜回転方向と反対方向に強制
回転させて中釜回転止部に上糸ループ通過間隙を形成さ
せる図示省略したオープナーが作用する当接部8が大き
く外側に突出しているが、上糸ループが中釜2の周りを
回るときに、当然にその当接部8をも通過しなければな
らない。しかしながら、上記のごとく当接部8は大きく
外側に突出しているので、上糸ループは、その当接部8
に一旦引っ掛かり、大きな張力がかかることになる。
に示すように、中釜2を外釜回転方向と反対方向に強制
回転させて中釜回転止部に上糸ループ通過間隙を形成さ
せる図示省略したオープナーが作用する当接部8が大き
く外側に突出しているが、上糸ループが中釜2の周りを
回るときに、当然にその当接部8をも通過しなければな
らない。しかしながら、上記のごとく当接部8は大きく
外側に突出しているので、上糸ループは、その当接部8
に一旦引っ掛かり、大きな張力がかかることになる。
【0023】そこで、本発明においては、当接部8に
も、図3(2)に示すような工夫をこらしている。即
ち、当接部8の、中釜周りを回る上糸ループYが当たる
側を従来のもの(点線で表示)より大きく削って、外側
への突出度をより小さくしている。即ち、当接部8の突
出先端部Aの位置が剣先3の内側縁Bより内側に、即
ち、剣先3の内側縁Bの回転軌跡より常に内側に位置す
るようにする。このようにそれば、上糸ループYが当接
部8をスムーズに通過することができる。なお、ここで
剣先3の内側縁Bとは、剣先3の先端から剣先3の基部
にわたる部分の内側縁を意味する。
も、図3(2)に示すような工夫をこらしている。即
ち、当接部8の、中釜周りを回る上糸ループYが当たる
側を従来のもの(点線で表示)より大きく削って、外側
への突出度をより小さくしている。即ち、当接部8の突
出先端部Aの位置が剣先3の内側縁Bより内側に、即
ち、剣先3の内側縁Bの回転軌跡より常に内側に位置す
るようにする。このようにそれば、上糸ループYが当接
部8をスムーズに通過することができる。なお、ここで
剣先3の内側縁Bとは、剣先3の先端から剣先3の基部
にわたる部分の内側縁を意味する。
【0024】図4及び図7を参照し、本発明の垂直釜の
実施形態について説明する。
実施形態について説明する。
【0025】この垂直釜も、基本構成は従来のものと変
わらず、特徴点も先の水平釜と同様である。即ち、図4
に示すように、外釜1aの剣先3aの先端部に外釜1a
の回転方向ロと逆向きのフック4aを設け、従来あった
糸案内gを取除いている。そのフック4aは、(1)に
示すように、釜裏側に向き、且つ、(2)に示すよう
に、釜外周側に向いている。これは、糸受けをより確実
にするためである。
わらず、特徴点も先の水平釜と同様である。即ち、図4
に示すように、外釜1aの剣先3aの先端部に外釜1a
の回転方向ロと逆向きのフック4aを設け、従来あった
糸案内gを取除いている。そのフック4aは、(1)に
示すように、釜裏側に向き、且つ、(2)に示すよう
に、釜外周側に向いている。これは、糸受けをより確実
にするためである。
【0026】このような構成の垂直釜においても、図7
に示すように、縫い目形成の終盤に入ってしばらくする
と、上糸ループYは、剣先3aから離れ、天秤による上
糸引上げに伴って、剣先3aの先端部のフック4aに即
座に係合する。そして、その上糸ループYは、天秤の引
上げにより縮小しながら、縫目形成位置近くまで移動す
る。そして、更に外釜1aが回転してフック4aが縫目
形成位置より先に進むと、上糸ループYは自然にフック
4aより外れて布中に引き上げられ、縫い目が形成され
る。
に示すように、縫い目形成の終盤に入ってしばらくする
と、上糸ループYは、剣先3aから離れ、天秤による上
糸引上げに伴って、剣先3aの先端部のフック4aに即
座に係合する。そして、その上糸ループYは、天秤の引
上げにより縮小しながら、縫目形成位置近くまで移動す
る。そして、更に外釜1aが回転してフック4aが縫目
形成位置より先に進むと、上糸ループYは自然にフック
4aより外れて布中に引き上げられ、縫い目が形成され
る。
【0027】次に、図5及び図6を参照し、本発明の別
の2つの垂直釜の実施形態について説明する。
の2つの垂直釜の実施形態について説明する。
【0028】これら2つの垂直釜も、外釜1aの剣先3
aの先端部に外釜1aの回転方向ロと逆向きのフック4
aを設け、従来あった糸案内gを取除いている点は、図
4に示す垂直釜と同様であり、作用、効果の点でも基本
的には変わらない。相違点は、フック4aの向きが若干
異なる点と、中釜2aの鍔部に切欠湾入部2a’を形成
した点である。以下に、相違点のみ説明する。
aの先端部に外釜1aの回転方向ロと逆向きのフック4
aを設け、従来あった糸案内gを取除いている点は、図
4に示す垂直釜と同様であり、作用、効果の点でも基本
的には変わらない。相違点は、フック4aの向きが若干
異なる点と、中釜2aの鍔部に切欠湾入部2a’を形成
した点である。以下に、相違点のみ説明する。
【0029】フック4aの向きは、図5に示す垂直釜の
場合は、釜外周側に向いており、図6に示す垂直釜の場
合は、釜表側、且つ、釜外周側に向いている。これらの
ものは、図4に示す垂直釜より、糸受けがより確実にな
される。
場合は、釜外周側に向いており、図6に示す垂直釜の場
合は、釜表側、且つ、釜外周側に向いている。これらの
ものは、図4に示す垂直釜より、糸受けがより確実にな
される。
【0030】中釜2aの切欠湾入部2a’は、中釜2a
の契合突起14aが遊嵌する契合部材12a、13a間
の凹部の係止部材13aを基準として図5(2)におい
て時計方向へ約55°の角度の範囲に形成されている。
即ち、中釜2aの鍔部の上糸ループ抜け出し位置付近を
湾入して切取って形成される(切欠湾入部の存在しない
図4に示す垂直釜と比較されたい)。図4に示す垂直釜
では、上糸ループYは中釜鍔部のはり出した外釜剣先と
の狭い隙間を通るので、その移動はスムーズではない。
一方、図5及び図6に示す垂直釜は、中釜鍔部に切欠湾
入部2a’が形成されているので、上糸ループYの移動
に支障を与える障害物がなくなり、上糸ループYの抜け
出しタイミングが早くなる。そのため、上糸ループYは
乱れることなく、フック4aに素早く係止し、天秤の引
上げにより、たるむことなく、糸張力が作用した状態を
保ちながら、剣先3aの回転移動につれて、剣先3aか
ら抜け出ることになる。従って、上糸ループYは、中途
でフック4aから外れることがなくなり、糸締まりがよ
り安定する。
の契合突起14aが遊嵌する契合部材12a、13a間
の凹部の係止部材13aを基準として図5(2)におい
て時計方向へ約55°の角度の範囲に形成されている。
即ち、中釜2aの鍔部の上糸ループ抜け出し位置付近を
湾入して切取って形成される(切欠湾入部の存在しない
図4に示す垂直釜と比較されたい)。図4に示す垂直釜
では、上糸ループYは中釜鍔部のはり出した外釜剣先と
の狭い隙間を通るので、その移動はスムーズではない。
一方、図5及び図6に示す垂直釜は、中釜鍔部に切欠湾
入部2a’が形成されているので、上糸ループYの移動
に支障を与える障害物がなくなり、上糸ループYの抜け
出しタイミングが早くなる。そのため、上糸ループYは
乱れることなく、フック4aに素早く係止し、天秤の引
上げにより、たるむことなく、糸張力が作用した状態を
保ちながら、剣先3aの回転移動につれて、剣先3aか
ら抜け出ることになる。従って、上糸ループYは、中途
でフック4aから外れることがなくなり、糸締まりがよ
り安定する。
【0031】何れの釜も、図8に示すように、フック4
(4a)を外側に向けて円弧状とするこより、スムーズ
な糸抜けが可能となる。なお(1)、(2)は、水平釜
における図1(1)、(2)に対応するものであり、
(3)は、垂直釜(図4)におけるものである。
(4a)を外側に向けて円弧状とするこより、スムーズ
な糸抜けが可能となる。なお(1)、(2)は、水平釜
における図1(1)、(2)に対応するものであり、
(3)は、垂直釜(図4)におけるものである。
【0032】次に図9を参照し、本発明の水平釜用の針
板の実施形態について説明する。
板の実施形態について説明する。
【0033】この針板6は、釜側側部の上糸ループ引込
み部9の外釜回転方向上流側に糸外し片10を設けたも
のである。良い縫い目を形成するには、天秤の引上げ最
上点前に糸締まりする必要があるが、自然に外れるまで
剣先3のフック4に上糸ループYを掛止していると、天
秤が上糸Yを引上げきれず、布上に小さなループが生じ
る。この糸外し片10は、フック4が上糸ループYを長
い間掛止し過ぎないように、上糸ループYがフック4か
ら自然に外れる前に、上糸ループYに作用して、上糸ル
ープYをフック4から外す役目を担っている。
み部9の外釜回転方向上流側に糸外し片10を設けたも
のである。良い縫い目を形成するには、天秤の引上げ最
上点前に糸締まりする必要があるが、自然に外れるまで
剣先3のフック4に上糸ループYを掛止していると、天
秤が上糸Yを引上げきれず、布上に小さなループが生じ
る。この糸外し片10は、フック4が上糸ループYを長
い間掛止し過ぎないように、上糸ループYがフック4か
ら自然に外れる前に、上糸ループYに作用して、上糸ル
ープYをフック4から外す役目を担っている。
【0034】垂直釜用の針板6aにも、図10に示すよ
うに、水平釜用針板と同様の、上糸ループYがフック4
aから自然に外れる前に、上糸ループYに作用して、上
糸ループYをフック4aから外す糸外し片10aが設け
られている。その位置は、針板6a裏の針穴6a’近く
の釜回転方向上流側である。
うに、水平釜用針板と同様の、上糸ループYがフック4
aから自然に外れる前に、上糸ループYに作用して、上
糸ループYをフック4aから外す糸外し片10aが設け
られている。その位置は、針板6a裏の針穴6a’近く
の釜回転方向上流側である。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0036】即ち、上糸が中釜から抜けてから外釜剣先
の先端部のフックに捉えられる時点が従来の糸案内によ
る場合より極めて早く、且つ、上糸ループは極めて小さ
くなってから釜より離れるので、縫いが安定する。ま
た、フックから外れるタイミングを自由にとることがで
きる。更に、上糸が確実にフック部に引っ掛かるので、
ミスがない。フックを外側に向けて円弧状に反らす場合
は、上糸がフック先端部に引っ掛かって弾かれるような
ことが皆無となり、よりスムーズに糸抜けすることがで
きる。
の先端部のフックに捉えられる時点が従来の糸案内によ
る場合より極めて早く、且つ、上糸ループは極めて小さ
くなってから釜より離れるので、縫いが安定する。ま
た、フックから外れるタイミングを自由にとることがで
きる。更に、上糸が確実にフック部に引っ掛かるので、
ミスがない。フックを外側に向けて円弧状に反らす場合
は、上糸がフック先端部に引っ掛かって弾かれるような
ことが皆無となり、よりスムーズに糸抜けすることがで
きる。
【0037】その上、水平釜では、中釜のオープナー当
接部の突出度を小さくしたり、垂直釜では、中釜鍔部の
上糸ループ抜け出し位置付近に切欠湾入部を形成し、針
板には、糸外し片を設けたので、糸締まりがよく、均整
度の高い縫い目を形成することが可能となった。また、
微妙な形状設計を要する糸案内が不要となったので、製
造コストを低減させることができる。二本針ミシンにお
いても左右の糸案内形状を変える必要がなくなった。
接部の突出度を小さくしたり、垂直釜では、中釜鍔部の
上糸ループ抜け出し位置付近に切欠湾入部を形成し、針
板には、糸外し片を設けたので、糸締まりがよく、均整
度の高い縫い目を形成することが可能となった。また、
微妙な形状設計を要する糸案内が不要となったので、製
造コストを低減させることができる。二本針ミシンにお
いても左右の糸案内形状を変える必要がなくなった。
【図1】本発明の水平釜を構成する外釜の斜視図であ
る。(1)と(2)は、フック形状のみ若干異なる。
る。(1)と(2)は、フック形状のみ若干異なる。
【図2】本発明の水平釜の動作を説明する平面図であ
る。
る。
【図3】本発明の水平釜を構成する中釜についての図で
あり、(1)は中釜の斜視図、(2)は別の中釜を備え
た水平釜の平面図である。
あり、(1)は中釜の斜視図、(2)は別の中釜を備え
た水平釜の平面図である。
【図4】本発明の垂直釜の図であり、(1)は平面図、
(2)は正面図、(3)は(1)図における剣先フック
部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フック部の
拡大図である。
(2)は正面図、(3)は(1)図における剣先フック
部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フック部の
拡大図である。
【図5】本発明の他の垂直釜の図であり、(1)は平面
図、(2)は正面図、(3)は(1)図における剣先フ
ック部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フック
部の拡大図である。
図、(2)は正面図、(3)は(1)図における剣先フ
ック部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フック
部の拡大図である。
【図6】本発明の更に他の垂直釜の図であり、(1)は
平面図、(2)は正面図、(3)は(1)図における剣
先フック部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フ
ック部の拡大図である。
平面図、(2)は正面図、(3)は(1)図における剣
先フック部の拡大図、(4)は(2)図における剣先フ
ック部の拡大図である。
【図7】本発明の垂直釜の動作を説明する斜視図であ
る。
る。
【図8】本発明の釜における外釜剣先を円弧状とした種
々のフックの斜視図である。
々のフックの斜視図である。
【図9】本発明の水平釜用針板の斜視図である。
【図10】本発明の垂直釜用針板に関する図であり、
(1)は針板の位置を示すミシンの斜視図、(2)は針
板の斜視図、(3)は針板の側面図、(4)は針板の正
面図である。
(1)は針板の位置を示すミシンの斜視図、(2)は針
板の斜視図、(3)は針板の側面図、(4)は針板の正
面図である。
【図11】従来の水平釜を構成する外釜の斜視図であ
る。
る。
【図12】従来の水平釜の動作を説明する平面図であ
る。
る。
【図13】従来の垂直釜の図であり、(1)は平面図、
(2)は正面図である。
(2)は正面図である。
【図14】従来の垂直釜の動作を説明する平面図であ
る。
る。
1外釜 1a外釜2中釜2a中釜2a’切欠湾入部 3剣先 3a剣先 4フック 4aフック 6針板 6a針板 6a’針穴 8オープナー当接部 9上糸ループ引込み部 10 糸外し片
Claims (5)
- 【請求項1】外釜剣先の先端部に外釜回転方向と逆向き
のフックを形成したミシンの釜。 - 【請求項2】フックを外側に向けて円弧状に反らした請
求項1に記載のミシンの釜。 - 【請求項3】釜が水平釜であり、その中釜のオープナー
当接部の突出先端部が剣先の内側縁より内側に位置する
請求項1又は請求項2に記載のミシンの釜。 - 【請求項4】釜が垂直釜であり、その中釜鍔部の上糸ル
ープ抜け出し位置付近に切欠湾入部が形成された請求項
1又は請求項2に記載のミシンの釜。 - 【請求項5】上糸ループが引込まれる部分の外釜回転方
向上流側に糸外し片を設けた針板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24198498A JPH11313997A (ja) | 1998-03-06 | 1998-08-27 | ミシンの釜 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-73298 | 1998-03-06 | ||
JP7329898 | 1998-03-06 | ||
JP24198498A JPH11313997A (ja) | 1998-03-06 | 1998-08-27 | ミシンの釜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11313997A true JPH11313997A (ja) | 1999-11-16 |
Family
ID=26414453
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24198498A Pending JPH11313997A (ja) | 1998-03-06 | 1998-08-27 | ミシンの釜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11313997A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004732A1 (en) * | 2000-07-12 | 2002-01-17 | Kobest Co., Ltd | Rotary shuttle device for sewing machine |
KR100740523B1 (ko) * | 2006-06-16 | 2007-07-18 | 박중선 | 재봉틀의 밑실공급장치 |
-
1998
- 1998-08-27 JP JP24198498A patent/JPH11313997A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004732A1 (en) * | 2000-07-12 | 2002-01-17 | Kobest Co., Ltd | Rotary shuttle device for sewing machine |
KR100740523B1 (ko) * | 2006-06-16 | 2007-07-18 | 박중선 | 재봉틀의 밑실공급장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20040512 |