JPH1131341A - 光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体 - Google Patents

光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体

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JPH1131341A
JPH1131341A JP9185364A JP18536497A JPH1131341A JP H1131341 A JPH1131341 A JP H1131341A JP 9185364 A JP9185364 A JP 9185364A JP 18536497 A JP18536497 A JP 18536497A JP H1131341 A JPH1131341 A JP H1131341A
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JP
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layer
magneto
recording medium
optical recording
temperature
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JP9185364A
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Masahiro Furuta
正寛 古田
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Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キュリー温度が高く、また、保磁力が室温か
らキュリー温度近傍までの温度範囲全体にわたって十分
大きな初期化層を有することで、初期化層の磁化が反転
させられにくく、信頼性の高いLIM−DOW光磁気記
録媒体を提供する。また、信頼性の高いMSR再生が可
能なLIM−DOW光磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 室温で垂直磁化を示し、記録した情報を
保持する磁性層であるメモリー層と、室温とキュリー温
度との間に補償温度を有する磁性層である記録層と、室
温で垂直磁化を示す磁性層である初期化層を有する光磁
気記録媒体であって、初期化層は、組成の異なる少なく
とも2層のレーヤーにより構成され、このうち少なくと
も1つのレーヤーは室温で希土類金属優勢であり、他の
レーヤーのうち少なくとも1つのレーヤーは室温で遷移
金属優勢である光変調オーバーライト可能な光磁気記録
媒体とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気記録媒体に
関し、特に、光変調オーバーライト光磁気記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】高密度に情報を記録でき100万回以上の
情報の書き換えが可能で、しかも、高速に再生すること
が可能な光磁気記録媒体は、主としてオーディオ用やコ
ンピュータ用の記録媒体として普及している。従来、光
変調方式では、光磁気記録媒体に一旦記録した情報を新
たな情報に書き換えるには、まず、記録してあった情報
を消去した後に、新たな情報を記録することが原理的に
必要であった。即ち、磁気ディスクの情報書き換えのよ
うに、消去動作をすることなしに一旦記録した情報を直
接新たな情報に書き換える重ね書き(オーバーライト)
は、不可能であった。従って、光磁気記録媒体では、磁
気ディスク等に比較して、情報の書き換えを行う際に、
古い情報を消去するのに要する時間だけ、情報の書き換
えに要する時間が長くなる。即ち、情報の書き換え速度
が遅いことが短所とされていた。
【0003】この短所を克服するために、記録ビーム強
度を変調するだけでオーバーライトが可能な、光変調オ
ーバーライト記録(Light Intensity Modulated Direct
Overwrite : LIM−DOW)方法、それに使用される
装置及び記録媒体が発明された。この発明は複数国に特
許出願され日本、US、及びドイツで既に特許登録され
ている(JP2521908=DE3,619,618A1 =USP 5,239,524
)。
【0004】この発明は、磁性層として基本的に垂直磁
化可能な磁性薄膜からなる記録及び再生層として機能す
る層(以下、メモリー層またはM層という)と、同じく
垂直磁化可能な磁性薄膜からなる記録補助層(以下、記
録層またはW層という)の2層の磁性層を有する光磁気
記録媒体を用いる。記録を行うには、記録前までに磁界
手段によりW層の磁化の向きだけを一方向に揃えてお
く。そして、2値化情報に従ってパルス変調されたビー
ムを媒体に照射する。ビームの強度は、高レベルPH と
低レベルPL の2値に制御される。この低レベルは、再
生時に媒体を照射する再生レベルPR よりも高い。
【0005】低レベルのビームを媒体に照射した場合に
媒体が達する温度においては、W層の磁化の向きは変わ
らず、M層の磁化の向きは、M層とW層との間に磁壁が
存在しない状態の向きになる。これを低温プロセス(L
プロセス)といい、このプロセスが起こる温度領域を低
温プロセス温度(Lプロセス温度)TL という。一方、
高レベルのビームを媒体に照射した場合に媒体が達する
更に高い温度においては、W層の磁化の向きは記録磁界
の方向に倣い、M層の磁化の向きは、M層とW層との間
に磁壁が存在しない状態の向きになる。これを高温プロ
セス(Hプロセス)といい、このプロセスが起こる温度
領域を高温プロセス温度(Hプロセス温度)TH とい
う。
【0006】ビームの照射後は、高レベルのビーム照射
によって記録磁界の方向に倣ったW層の磁化は、磁界手
段により、その磁界の向きに倣う。従って、磁界手段の
磁化の向きと記録磁界の向きが逆であれば、既に記録さ
れているM層に、新たな記録が繰り返し記録(即ち、オ
ーバーライト)できるのである。これがLIM−DOW
の原理である。
【0007】以上説明した内容を、若干表現を換えれ
ば、高レベルのビーム照射によって記録マークを形成
し、低レベルのビーム照射によって記録マークを消去す
ることで、新しい情報を古い情報の上にオーバーライト
(重ね書き)するとも言える。上記の発明に関しては、
その後、M層とW層の間に、両者の間に働く交換結合力
を調整するための中間層(I層)を設けることが提案さ
れた。これにより、より安定にオーバーライト動作を実
現できるようになった。また、M層に接してビーム照射
側に、より光磁気効果の大きな磁性層である再生層(R
層)を設け、M層の情報をこの層に磁気転写して再生す
ることも提案された。これにより、より良好な再生信号
が得られるようになった。
【0008】更に、初期化層(Ini.層)と呼ぶ磁性層
と、 Ini.層とW層の間の交換結合力をコントロールす
るスイッチング層(S層)と呼ぶ磁性層を設けることに
より、磁界手段なしにW層の磁化方向を揃えることを可
能にしたタイプのもの(特開昭63-268103=USP4,878,13
2)が発明された。LIM−DOW可能な光磁気ディス
クは、上記の発明を全て含めた形で実用化が始まってい
る。その実用化された光磁気ディスクの構成を図6に示
す。
【0009】ところで、近年、画像情報のような大きな
情報量を記録あるいは再生する機会が増加している。こ
のような状況において、1枚の光磁気記録媒体に、更に
高密度に記録を行い、多くの情報を記録し、また、その
情報を正確に再生する必要性が高まっている。そして、
その要求を満たすための様々なアプローチがなされてい
る。
【0010】高密度に記録を行うには記録マークの幅や
長さを小さくする必要がある。この要請に応えるため
に、記録ビームの中心付近のエネルギーの高い領域での
み記録マークが形成されるように記録媒体の記録感度の
設定を行うことが考えられる。この方法によれば、原理
的にはかなり小さなマークを形成することが可能であ
る。即ち、記録する際、記録ビーム中心付近の高温部分
でのみ記録マークが形成(いわゆる筆先記録)されるよ
うに磁性層の組成設計を行えば、高密度記録はできるの
である。
【0011】しかし、問題は再生にある。再生は、ビー
ムスポット内のマークを光学的に検出することにより行
われる。従って、再生ビームスポットからは基本的に一
個のマークしか読み取れないようにする必要がある。も
し、ビームスポットから複数個のマークを読み取ってし
まうと複数の情報が混在し、何が必要な情報なのかを正
しく認識することができないのである。このようにビー
ムスポット内の複数の情報が混ざり合うことを光クロス
トークと呼んでいる。
【0012】この問題に対して、高密度に記録された情
報を正確に再生することを可能とする画期的な再生方法
とそれに使用される記録媒体が発明された。これは磁気
超解像(Magnetically-induced Super Resolution : M
SR)再生及び媒体と呼ばれる。この方法の基本的な考
え方は、およそ次の通りである。再生ビームの照射によ
り記録媒体の温度は上昇するが、媒体は移動しているの
で、再生ビームスポット内の後ろ側の温度が畜熱作用に
より相対的に高温になる。この温度分布の特性を利用し
てビームスポット内の一部を磁気的にマスクし、マスク
されない部分(開口部)のみ再生すれば、スポット内の
小さな部分の情報のみ再生することができる。つまり、
実質的に再生ビームスポットサイズを小さくしたのと同
じ効果をもたらすことになる。
【0013】具体的には、(1)再生ビームスポット内の
低温部分、即ち、ビームスポット内の進行方向に対して
前方が開口となる(高温部分がマスクになる)FADタ
イプ(特開平3-93056)、(2)高温部分、即ち、ビームス
ポット内の後方が開口となる(低温部分がマスクにな
る)RADタイプやCADタイプがあり、更に、(3)低
温部分と高温部分の両方がマスクになり、レーザースポ
ットの中心部分の最も光量の多い部分が再生されるダブ
ルマスクタイプが提案されている。
【0014】上記のダブルマスクタイプを例に取って、
図7を用いてMSR再生の原理を簡単に説明する。図7
は、このタイプの光磁気記録媒体の主要部分の断面と再
生ビームが照射された部分の温度分布を示している。光
磁気記録媒体は3層の磁性層を有しており、情報はメモ
リー層の垂直磁化方向の形で記録される。メモリー層の
上には再生中間層(RI層:オーバーライトの中間層と
区別するためにこのように呼ぶ)、及び再生層を有して
いる。再生中間層の磁化は、所定の温度以下の領域(低
温領域)では面内磁化であるが、所定の温度以上の領域
では垂直磁化を示し、再生中間層のキュリー温度以上の
領域(高温領域)ではその磁化は消失する。従って、所
定の温度以下(低温領域)では、メモリー層の磁化は、
再生中間層の磁化が面内方向なので、再生層には及ば
ず、この温度領域では再生層の磁化は再生磁界の影響で
再生磁界に倣う。所定の温度以上から再生中間層のキュ
リー温度までの温度範囲では、メモリー層の磁化は交換
結合力によって再生中間層を通して再生層に転写され
る。そして、再生中間層のキュリー温度以上(高温領
域)では、再生中間層の磁化が消失するためにメモリー
層の磁化は再生層に及ばず、この温度領域では再生層の
磁化は再生磁界の影響で再生磁界に倣う。即ち、低温領
域と高温領域では再生層の磁化が再生磁界の向きに揃っ
てマスクされてしまうので、これらの領域ではメモリー
層のマークは再生されず、その中間の領域のみ再生層に
メモリー層の磁化が転写されるので、この領域に入るマ
ークのみが再生されることになる。
【0015】このダブルマスクタイプは、他のタイプに
比べて開口領域をより小さくできるので、より高密度に
記録した情報の再生にも対応できる利点がある。又、他
の方式と比べ信号再生される領域が光量が最も強いレー
ザー光の中心部分であるため再生信号も大きい。しか
も、再生ビーム強度の変動に伴って、高温領域のマスク
が増大する時は低温領域マスクは減少し、逆に、高温領
域のマスクが減少する時は低温領域のマスクは増大する
ので、開口領域は変化しない。よって、再生信号特性の
再生ビーム強度変動による影響は受けにくいという利点
も併せ持つ。しかし、低温領域、高温領域、及びその中
間の領域が明確に形成される必要があるので、温度分布
を広くする必要があり、このため再生ビーム強度が高く
なる傾向がある。
【0016】最近になって、LIM−DOW可能であっ
て、かつ、MSR再生可能な光磁気記録媒体も提案され
ている(特開平6-139639)。例えば、図6に記載の実用
化されたLIM−DOW可能な光磁気記録媒体の6層の
磁性層(R層/M層/I層/W層/S層/ Ini.層)に
加えて、R層とM層の間に、両者の交換結合をコントロ
ールするための磁性層である再生スイッチング層(RS
層)を設け、7層の磁性層構成としている。この構成を
図5に示す。この媒体のオーバーライト記録動作につい
ては、図6に記載の実用化された6層の磁性層によるオ
ーバーライト可能な光磁気記録媒体と全く同様に行われ
る。即ち、高レベルのビームを照射した際(即ち、Hプ
ロセス時)には、ビームの照射時間に対応した長さのマ
ークが記録層(W層)に形成される。記録層に形成され
たマークは、ビーム照射終了後、媒体の温度がLプロセ
ス温度まで低下した時点で、メモリー層(M層)、再生
スイッチング層(RS層)、再生層(R層)に磁気転写
される。そして、更に媒体の温度が低下すると、予め所
定の方向に揃えてある初期化層の磁化の作用により、記
録層の磁化も所定の方向に揃う。即ち、初期化される。
また、低レベルのビームを照射した場合(即ち、Lプロ
セス時) 、所定の方向に揃った記録層の磁化の作用に
より、磁化がメモリー層、再生スイッチング層、再生層
に転写される。一方、再生時には、再生層、再生スイッ
チング層、メモリー層の3層は、FADタイプのMSR
再生の動作をする。即ち、6層のLIM−DOW光磁気
記録媒体に、メモリー層に比べてそのキュリー温度が低
い磁性層である再生スイッチング層を付加することによ
り、MSR再生可能なLIM−DOW光磁気記録媒体と
なるのである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、LIM−D
OW記録動作が実現されるには、Lプロセスが起こるの
に必要な温度と、Hプロセスが起こるのに必要な温度
の、2種類の温度が必要である。このためHプロセス温
度は、LIM−DOW可能でない従来の光磁気記録媒体
の記録温度に比べて高いのが一般的である。
【0018】しかし、Hプロセスを実現するための高レ
ベルレーザービーム強度PHの設定が高過ぎると、Hプ
ロセス温度THが初期化層(Ini.層)のキュリー温度に
近くなる。記録時に印加する磁界の方向はIni.層の磁化
とは逆向きなので、このような場合、本来、反転しては
いけないIni.層の磁化が反転させられてしまう恐れがあ
る。特に、周囲の温度が高い場合には、高レベルレーザ
ービーム強度の設定が同じであっても、記録媒体はより
高温になり、 Ini.層の保磁力はその分小さくなる。即
ち、Ini.層の磁化は反転させられ易くなる。また、レー
ザーの出力は、種々の変動要因により、常に設定値通り
の出射強度が得られるとは限らず、設定値以上の強度に
なることが起こり得る。このような場合にも、Ini.層の
磁化は反転させられてしまう危険性がある。
【0019】一方、MSR再生は、再生ビームスポット
内の温度分布を利用するものなので、従来のMSRでな
い媒体に比べて再生ビーム強度を大きくする必要があ
る。以上のことから、LIM−DOWとMSRの両方の
機能を持つ光磁気記録媒体では、 LIM−DOW可能
でない従来の光磁気記録媒体に比較して、より高い再生
ビーム強度が必要となる。そして、それに伴って、DO
W動作のLプロセスの温度とHプロセスの温度も高い側
にシフトさせる必要が生じる。さもないと、再生ビーム
強度により達する媒体の温度とLプロセスの温度が重な
ったり、あるいは、 Lプロセスの温度とHプロセスの
温度が重なって、情報を再生しようとして消去してしま
ったり、消去しようとして記録してしまうということが
起ってしまう。
【0020】しかし、このようにHプロセスの温度が高
くなると、Hプロセス時にIni.層の磁化が反転させられ
てしまう危険性がある。特に、ダブルマスクタイプMS
R再生では、既に説明したように、低温領域、高温領
域、及びその中間の領域が明確に形成される必要がある
ので、温度分布を広くする必要があり、このため再生ビ
ーム強度が高くなる傾向がある。従って、LIM−DO
WとダブルマスクタイプMSRの両方の機能を持つ光磁
気記録媒体では、Hプロセス時にIni.層の磁化が反転さ
せられてしまう危険性が特に高いという問題がある。
【0021】この問題点を解決する方法として、Ini.層
をキュリー温度が高い組成の材料で構成することが考え
られる。即ち、Ini.層をキュリー温度をHプロセス温度
よりも十分高くしようというものである。それには、In
i.層のCo含有率を高めることが知られている。しかし、
この方法によってキュリー温度を高くすることにも限界
がある。また、例えIni.層のキュリー温度を高くできた
としても、室温からキュリー温度近傍までの温度範囲全
体にわたって十分大きな保磁力が得られる可能性は低
い。例えば、Hプロセス温度近傍で十分大きな保磁力を
得ようとすると、室温付近での保磁力が小さくなって、
再生時にIni.層の磁化が反転してしまう危険性がある。
この結果、LIM−DOW動作やMSR再生の信頼性が
低下するという問題がある。
【0022】本発明は上記問題点を解決し、キュリー温
度が高く、また、保磁力が室温からキュリー温度近傍ま
での温度範囲全体にわたって十分大きな初期化層を有す
ることで、初期化層の磁化が反転させられにくく、信頼
性の高いLIM−DOW光磁気記録媒体を提供すること
を目的とする。更に、信頼性の高いMSR再生が可能な
LIM−DOW光磁気記録媒体を提供することを目的と
する。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、室温で垂直磁化を示し、記録した情報を保持する磁
性層であるメモリー層と、室温とキュリー温度との間に
補償温度を有する磁性層である記録層と、室温で垂直磁
化を示す磁性層である初期化層を有する光磁気記録媒体
であって、初期化層は、組成の異なる少なくとも2層の
レーヤー(レーヤー : layer)により構成され、このうち
少なくとも1つのレーヤーは室温で希土類金属優勢(R
Eリッチ)であり、他のレーヤーのうち少なくとも1つ
のレーヤーは室温で遷移金属優勢(TMリッチ)である
ことを特徴とする。ここで、REリッチとは、遷移金属
(TM)と希土類金属(RE)を主成分とする磁性体に
おいて、希土類金属の副格子磁化(sublattice)が遷移金
属の副格子磁化より大きい場合を言い、TMリッチとは
遷移金属の副格子磁化が希土類金属の副格子磁化より大
きい場合を言う。
【0024】このような構成により、Ini.層は、室温付
近においてTMリッチの磁性膜の働きにより十分大きな
保磁力を確保できる。そして、キュリー温度近傍におい
てはREリッチの磁性膜の働きにより十分に大きな保磁
力を確保できると考えられる。これら2層の磁性膜は、
交換結合力により互いに極めて強く結合している。従っ
て、光磁気記録再生の際に用いられる磁界手段によっ
て、これら2層の間に磁壁が生成されることでIni.層と
しての機能が損なわれることはない。
【0025】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の光磁気記録媒体において、メモリー層のキュリー温度
をTc(M)、記録層のキュリー温度をTc(W)、初期化層
のキュリー温度をTc(Ini.)としたとき、Tc(Ini.)>
Tc(W)>Tc(M) を満足することを特徴とする。ここ
で、初期化層のキュリー温度をTc(Ini.)とは、2層以
上のレーヤーによって構成される初期化層全体としての
キュリー温度を意味する。即ち、初期化層全体を1つの
層として捉え、そのマクロな磁化の大きさの温度特性
上、磁化がゼロとなる温度をキュリー温度Tc(Ini.)と
する。
【0026】請求項3に記載の発明は、請求項1及び請
求項2に記載の光磁気記録媒体において、メモリー層と
記録層の間に、室温で希土類金属優な磁性層である中間
層と、記録層と初期化層の間に、磁性層であるスイッチ
ング層と、メモリー層に接して記録層とは反対の側に、
室温で垂直磁化を示す磁性層である再生層を設けたこと
を特徴とする。
【0027】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の光磁気記録媒体において、メモリー層に接して記録層
とは反対の側に、室温で垂直磁化を示す磁性層である再
生スイッチング層と、再生スイッチング層に接して記録
層とは反対の側に、室温で垂直磁化を示す磁性層である
再生層を有することを特徴とする。このような構成によ
り、小さいマークにより高密度にメモリー層に記録され
た情報を、クロストークを発生させずに確実に再生でき
るMSR再生を実現することが可能である。
【0028】請求項5に記載に発明は、請求項4に記載
の光磁気記録媒体において、再生層と再生スイッチング
層の間に、室温では面内磁化を示し、再生ビームの照射
により温度がTtより上昇した領域では、垂直磁化を示
す再生中間層を有し、再生スイッチング層のキュリー温
度をTc(RS)としたとき、Tc(RS) > Tt を満足す
ることを特徴とする。
【0029】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の光磁気記録媒体において、再生スイッチング層のキュ
リー温度Tc(RS)が、メモリー層のキュリー温度Tc
(M)より低いことを特徴とする。請求項7に記載の発明
は、請求項3に記載の光磁気記録媒体において、メモリ
ー層に接して記録層とは反対の側に、常温で磁化を示さ
ない非磁性層と、非磁性層に接して記録層とは反対の側
に、室温で垂直磁化を示す磁性層である再生層を有する
ことを特徴とする。
【0030】このような構成により、再生層の磁化とメ
モリー層の磁化の相互作用を抑制することができ、その
結果、再生時にメモリー層の磁化による静磁界により再
生層に磁化が転写されてMSR再生が行われることが可
能となる。請求項8に記載の発明は、請求項1〜7に記
載の光磁気記録媒体において、初期化層を構成するレー
ヤーのうち、遷移金属優勢であるレーヤーが記録層また
はスイッチング層と接していることを特徴とする。
【0031】このような構成により、より安定なオーバ
ーライト動作を可能とする。請求項9に記載の発明は、
請求項1〜8に記載の光磁気記録媒体において、初期化
層を構成するレーヤーのうち、希土類金属優勢のレーヤ
ーは室温とキュリー温度の間に補償温度を有することを
特徴とする。請求項10に記載の発明は、請求項1〜9
に記載の光磁気記録媒体において、初期化層を構成する
レーヤーのうち、遷移金属優勢のレーヤーの厚さは、希
土類金属優勢のレーヤーの厚さよりも厚いことを特徴と
する。
【0032】請求項11に記載の発明は、請求項1〜1
0に記載の光磁気記録媒体において、初期化層は、希土
類金属優勢のレーヤーと遷移金属優勢のレーヤーとを交
互に形成した積層膜(マルチレーヤー : multi-layer)
として形成されたことを特徴とする。このような構成に
より、室温からキュリー温度に至るまで、十分に大きい
保磁力を有する初期化層をより安定に作製することが可
能となる。
【0033】請求項12に記載の発明は、請求項11に
記載の光磁気記録媒体において、初期化層を構成する希
土類金属優勢のレーヤー及び遷移金属優勢のレーヤーの
厚さは、共に0.2 nm以上であることを特徴とする。即
ち、原子の大きさは半径で約0.2 nmであるので、1レー
ヤーの厚さは0.2 nm以上であることが望ましい。請求項
13に記載の発明は、請求項11及び請求項12に記載
の光磁気記録媒体において、初期化層を構成するレーヤ
ーのうち、遷移金属優勢のレーヤーと記録層またはスイ
ッチング層が接していることを特徴とする。
【0034】請求項14に記載の発明は、請求項3〜1
3に記載の光磁気記録媒体において、初期化層とスイッ
チング層の間に、室温で遷移金属優勢の磁性膜を設けた
ことを特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明にお
ける実施の形態を説明する。 (光磁気ディスク)図1は、請求項3に記載した発明に
基づいて今回作製した光磁気ディスクの基本構造を示す
断面図である。図1において、ディスク基板1は、直径
86 mm、内径15 mm、厚さ1.2 mmの円盤状ポリカーボネイ
ト製基板である。そして、その表面には、ランド部とグ
ルーブ部をなすガイド溝がスパイラル状に形成されてい
る。
【0036】このディスク基板1の表面には、保護層
2、再生層3、メモリー層6、中間層7、記録層8、ス
イッチング層9、初期化層第1レーヤー10、初期化層
第2レーヤー11、保護層12、感度調整層13、有機
保護層14が順に形成される。保護層2は、窒化シリコ
ンからなる厚さ70 nmの層である。再生層3は、Gd25(Fe
80Co20)75からなる厚さ30 nmの層である。これは原子%
で、希土類金属としてのGd25%と、遷移金属としてのFe
及びCoの合計75%からなり、全遷移金属のうちFeが80
%、Coが20%であることを意味しており、以下同様の表
わし方とする。メモリー層6は、Tb20(Fe80Co20)80から
なる厚さ30 nmの層である。中間層7は、Gd25(Fe80Co2
0)75からなる厚さ30 nmの層である。記録層8は、Dy26
(Fe55Co45)74からなる厚さ20 nmの層である。スイッチ
ング層9は、 Tb16(Fe83Co17)84からなる厚さ12 nmの層
である。初期化層は2層のレーヤーからなり、スイッチ
ング層9に接する初期化層第1レーヤー10は、Tb21(F
e20Co80)79からなる厚さ20 nmの層である。初期化層第
2レーヤー11は、Tb24(Fe10Co90)76からなる厚さ15 n
mの層である。保護層12は、窒化シリコンからなる厚
さ30 nmの層である。感度調整層13は、Alからなる厚
さ30 nmの層である。有機保護層は14は、紫外線硬化
樹脂による厚さ10μmの層である。
【0037】図2は、請求項5に記載の発明に基づいて
今回作製した光磁気ディスクの基本構造を示す断面図で
ある。図2において、ディスク基板1は、直径86 mm、
内径15 mm、厚さ1.2 mmの円盤状ポリカーボネイト製基
板である。そして、その表面には、ランド部とグルーブ
部をなすガイド溝がスパイラル状に形成されている。こ
のディスク基板1の表面には、保護層2、再生層3、再
生中間層4、再生スイッチング層5、メモリー層6、中
間層7、記録層8、スイッチング層9、初期化層第1レ
ーヤー10、初期化層第2レーヤー11、保護層12、
感度調整層13、有機保護層14が順に形成される。
【0038】保護層2は、窒化シリコンからなる厚さ70
nmの層である。再生層3は、Gd25(Fe80Co20)75からな
る厚さ30 nmの層である。再生中間層4は、Gd29Fe71か
らなる厚さ40 nmの層である。再生スイッチング層5
は、Tb20Fe80からなる厚さ20 nmの層である。メモリー
層6は、Tb20(Fe80Co20)80からなる厚さ30 nmの層であ
る。中間層7は、Gd25(Fe80Co20)75からなる厚さ30 nm
の層である。記録層8は、Dy26(Fe55Co45)74からなる厚
さ20 nmの層である。スイッチング層9は、 Tb16(Fe83C
o17)84からなる厚さ12 nmの層である。初期化層は2層
のレーヤーからなり、スイッチング層9に接する初期化
層第1レーヤー10は、Tb21(Fe20Co80)79からなる厚さ
20 nmの層である。初期化層第2レーヤー11は、Tb24
(Fe10Co90)76からなる厚さ15 nmの層である。保護層1
2は、窒化シリコンからなる厚さ30 nmの層である。感
度調整層13は、Alからなる厚さ30 nmの層である。有
機保護層は14は、紫外線硬化樹脂による厚さ10μmの
層である。
【0039】次に、光変調オーバーライト(LIM−D
OW) 光磁気ディスクの記録再生特性について説明す
る。 (LIM−DOW記録)記録方向に外部磁界を印加しな
がら、波長680 nmのレーザービームを、高レベルPHと
低レベルPLの2値のパワーレベルに変調しながら、光
磁気ディスクに照射する。
【0040】高レベルPHで照射された領域では、加熱
されてメモリー層のキュリー温度を越えて記録層のキュ
リー温度に近い温度になる。この状態で外部磁場が印加
されることで記録層の磁化方向は反転する。また、スイ
ッチング層があるタイプのものでは、上記の温度はスイ
ッチング層のキュリー温度以上であるので、スイッチン
グ層の磁化は消失し、その結果、初期化層と記録層との
間は交換結合状態でなくなる。即ち、初期化層の磁化の
影響は記録層に及ばない。本発明の光磁気ディスクの初
期化層は、少なくとも2層以上のレーヤーによって構成
されているので、室温からキュリー温度付近まで十分大
きな保磁力を有する。従って、仮に高レベルPHが変動
して所定の値より高くなった場合でも、初期化層の磁化
が反転することはない。
【0041】レーザービームが遠ざかり、メモリー層の
キュリー温度以下の温度まで冷却される過程において、
記録層とメモリー層は交換結合状態が復活するので、記
録層の磁化は中間層を介してメモリー層へ転写される。
このようにして、メモリー層へのマーク形成が行われれ
る。更に冷却されてスイッチング層のキュリー温度まで
温度が下がると、スイッチング層の磁化が回復するの
で、初期化層と記録層が中間層を通じて交換結合状態と
なる。即ち、初期化層の磁化の影響が記録層に及ぶよう
になる。こうして、記録層の磁化は初期化層の磁化に倣
う。
【0042】次に、低レベルPLで照射された領域で
は、メモリー層のキュリー温度近傍程度の温度になる。
この温度では、記録層の磁化は充分大きな値を保持して
いる。このため、メモリー層の磁化は記録層の磁化に倣
う向きに揃えられる。即ち、メモリー層の情報は消去さ
れる。なお、外部磁界の印加によっては、記録層の磁化
の向きは反転させられない。 (MSR再生)次に、請求項4〜14の発明に係るMS
R再生について説明する。
【0043】MSR再生は、メモリー層の磁化情報を再
生層に転写し、これを再生することにより行う。MSR
再生は既に説明した通り、再生ビームスポット内に発生
する温度分布を利用して行われる。従って、MSR再生
でない光磁気ディスクの再生に比べて高い再生ビーム強
度を必要とする。今回作製した光磁気ディスクでは1.6
〜3.5mW程度の再生ビーム強度が必要である。
【0044】光磁気ディスクに再生レベルのレーザービ
ームが照射された領域では温度が上昇し、再生ビームス
ポット内に温度分布が生じる。ビームスポット内の温度
分布によって、高温領域、中間領域、そして低温領域の
3つの領域に分けて、それぞれの領域における動作を説
明する。高温領域では、再生スイッチング層のキュリー
温度(例えば140゜C)以上となる。この領域における再
生スイッチング層の磁化は消失するため、メモリー層と
再生層は磁気的に遮断され、交換結合状態でなくなる。
この結果、再生層はメモリー層の磁化による影響は受け
ず、この状態で再生磁界が印加されると、再生層の磁化
は再生磁界の向きに倣う。即ち、高温領域ではメモリー
層の情報は再生されない。
【0045】中間領域(例えば70〜140゜Cの領域)で
は、再生中間層の補償温度近傍の温度になるので、この
領域内の再生中間層は面内磁化状態から垂直磁化状態に
変化する。この結果、メモリー層の磁化は再生中間層を
通じて再生層に転写される。即ち、中間領域では、メモ
リー層の情報が再生される。低温領域では再生中間層の
補償温度に比べて充分温度は低いので、再生中間層は面
内磁化状態のままである。この結果、メモリー層の磁化
の影響が再生層に及ぶことはないので、この領域では、
再生磁界を印加すると、再生層の磁化は再生磁界の方向
に倣う。即ち、低温領域ではメモリー層の情報は再生さ
れない。
【0046】次に、光磁気ディスクの記録及び再生につ
いて以下に説明する。 (記録方法)光磁気ディスクを記録再生装置にセットす
る。この記録再生装置は、光磁気ディスクを回転させる
ためのスピンドルモータ、半導体レーザーを光源として
出射ビームをディスクに導き反射ビームをディテクタに
導く記録再生用光ヘッド、強度及び方向を記録用と再生
用に切替え可能な磁界印加手段を有する。半導体レーザ
ー光源の波長はλ=680 nmであり、また、光ヘッドの対
物レンズの開口数(NA)=0.55とする。なお、記録用
磁界と再生用磁界はそれぞれ別の印加手段によることも
可能である。
【0047】光磁気ディスクはスピンドルモータにより
ビーム照射位置における線速度が9m/secの一定速度
となるように回転させる。その状態でレーザービームを
記録すべき情報に従ってPH=9.5mW、PL=6.0mW
の2値の強度に変調しながら照射する。レーザービーム
は対物レンズにより光磁気ディスクの磁性層にフォーカ
スされる。その際、照射ビームスポットのサイズは回折
限界により決まり、上記の波長と開口数の条件では、ビ
ームスポットの直径は約1.2μmとなる。記録の際に印
加する磁界の強度は300 Oeとする。このようにして記録
マークを形成する。 (再生方法)レーザービームを3.3mWの一定強度で点
灯させ、そのビームを偏光フィルターを通して光磁気デ
ィスクに照射する。このとき、再生磁界として、形成さ
れたマークの磁化の向きとは反対方向に200 Oeの磁界を
印加する。光磁気ディスクから反射されたビームは偏光
ビームスプリッターにより分割され、それぞれのビーム
は2つのフォトディテクタに入射する。2つのフォトデ
ィテクタにおいてはビームの強弱を電気信号に変換した
後、差動信号が取り出される。そして、電気信号は復調
されることにより情報の再生が行われる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜3の発
明では、初期化層は、室温で希土類金属優勢組成ののレ
ーヤーと室温で遷移金属優勢なレーヤーの少なくとも2
層以上のレーヤーにより構成される。従って、キュリー
温度が高く、また、室温からキュリー温度近傍までの温
度範囲全体にわたって十分大きな保磁力が得られること
で、磁化が反転させられにくい初期化層(Ini.層)とす
ることができる。その結果、信頼性の高いLIM−DO
W光磁気記録媒体が提供できる。
【0049】請求項4〜6の発明では、メモリー層に接
して記録層とは反対の側に、再生スイッチング層と再生
層が順に設けられている。これにより、信頼性の高いM
SR再生が可能なLIM−DOW光磁気記録媒体を提供
できる。請求項7の発明では、メモリー層と再生層の間
に非磁性層が設けられている。これにより、メモリー層
の磁化と再生層の磁化の相互作用を抑制し、より信頼性
の高いMSR再生が実現できる。
【0050】請求項8〜10の発明では、初期化層を構
成するレーヤーのうち、遷移金属優勢であるレーヤーが
記録層またはスイッチング層と接する構成とした。これ
によりより信頼性の高いLIM−DOW光磁気記録媒体
を提供できる。請求項11〜14の発明では、初期化層
は、希土類金属優勢のレーヤーと遷移金属優勢のレーヤ
ーとを交互に形成した積層膜とした。これにより、更に
確実に、キュリー温度が高く、また、室温からキュリー
温度近傍までの温度範囲全体にわたって十分大きな保磁
力を有するLIM−DOW光磁気記録媒体が提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る光変調オーバーライト光磁気記
録媒体の構造を示す垂直断面図である。
【図2】 本発明に係るMSR再生可能な光変調オーバ
ーライト光磁気記録媒体の構造及びMSR再生原理を示
す概念図である。
【図3】 再生層とメモリー層の間に非磁性層を設けた
本発明に係るMSR再生可能な光変調オーバーライト光
磁気記録媒体の構造及びMSR再生原理を示す概念図で
ある。
【図4】 初期化層をマルチレーヤー構造とした本発明
に係るMSR再生可能な光変調オーバーライト光磁気記
録媒体の構造及びMSR再生原理を示す概念図である。
【図5】 MSR再生可能な光変調オーバーライト光磁
気記録媒体の構造及びMSR再生原理を示す概念図であ
る。
【図6】 実用化された光変調オーバーライト光磁気記
録媒体の構造を示す垂直断面図である。
【図7】 ダブルマスクタイプのMSR再生の原理を示
す概念図である。
【符号の説明】
1… ディスク基板 2… 保護層 3… 再生層 4… 再生中間層 5… 再生スイッチング層 6… メモリー層 7… 中間層 8… 記録層 9… スイッチング層 10… 初期化層第1レーヤー 11… 初期化層第2レーヤー 12… 保護層 13… 感度調整層 14… 有機保護層 15… 非磁性層 16… 遷移金属優勢磁性層 17… マルチレーヤー初期化層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温で垂直磁化を示し、記録した情報を
    保持する磁性層であるメモリー層と、 室温とキュリー温度との間に補償温度を有する磁性層で
    ある記録層と、 室温で垂直磁化を示す磁性層である初期化層を有する光
    磁気記録媒体であって、 初期化層は、組成の異なる少なくとも2層のレーヤーに
    より構成され、このうち少なくとも1つのレーヤーは室
    温で希土類金属優勢であり、他のレーヤーのうち少なく
    とも1つのレーヤーは室温で遷移金属優勢であることを
    特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 メモリー層のキュリー温度をTc(M)、記録層のキュリ
    ー温度をTc(W)、初期化層のキュリー温度をTc(In
    i.)とすると、次の式 Tc(Ini.)>Tc(W)>Tc(M) を満足することを特徴とする光変調オーバーライト可能
    な光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1及び請求項2に記載の光磁気記
    録媒体において、 メモリー層と記録層の間に、室温で希土類金属優な磁性
    層である中間層と、 記録層と初期化層の間に、磁性層であるスイッチング層
    と、 メモリー層に接して記録層とは反対の側に、室温で垂直
    磁化を示す磁性層である再生層を有することを特徴とす
    る光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 メモリー層に接して記録層とは反対の側に、室温で垂直
    磁化を示す磁性層である再生スイッチング層と、 再生スイッチング層に接して記録層とは反対の側に、室
    温で垂直磁化を示す磁性層である再生層を有することを
    特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 再生層と再生スイッチング層の間に、室温では面内磁化
    を示し、再生ビームの照射により温度がTtより上昇し
    た領域では、垂直磁化を示す再生中間層を有し、 再生スイッチング層のキュリー温度をTc(RS)とする
    と、次の式 Tc(RS) > Tt を満足することを特徴とする光変調オーバーライト可能
    な光磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 再生スイッチング層のキュリー温度Tc(RS)が、メモリ
    ー層のキュリー温度Tc(M)より低いことを特徴とする
    光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の光磁気記録媒体におい
    て、 メモリー層に接して記録層とは反対の側に、常温で磁化
    を示さない非磁性層と、 非磁性層に接して記録層とは反対の側に、室温で垂直磁
    化を示す磁性層である再生層を有することを特徴とする
    光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載の光磁気記録媒体に
    おいて、 初期化層を構成するレーヤーのうち、遷移金属優勢であ
    るレーヤーが記録層またはスイッチング層と接している
    ことを特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8に記載の光磁気記録媒体に
    おいて、 初期化層を構成するレーヤーのうち、希土類金属優勢の
    レーヤーは室温とキュリー温度の間に補償温度を有する
    ことを特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記
    録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9に記載の光磁気記録媒体
    において、 初期化層を構成するレーヤーのうち、遷移金属優勢のレ
    ーヤーの厚さは、希土類金属優勢のレーヤーの厚さより
    も厚いことを特徴とする光変調オーバーライト可能な光
    磁気記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10に記載の光磁気記録媒
    体において、 初期化層は、希土類金属優勢のレーヤーと遷移金属優勢
    のレーヤーとを交互に形成した積層膜(マルチレーヤー
    : multi-layer)として形成されたことを特徴とする光
    変調オーバーライト可能な光磁気記録媒体。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の光磁気記録媒体に
    おいて、 初期化層を構成する希土類金属優勢のレーヤー及び遷移
    金属優勢のレーヤーの厚さは、共に0.2 nm以上であるこ
    とを特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記録
    媒体。
  13. 【請求項13】 請求項11及び請求項12に記載の光
    磁気記録媒体において、 初期化層を構成するレーヤーのうち、遷移金属優勢のレ
    ーヤーと記録層またはスイッチング層が接していること
    を特徴とする光変調オーバーライト可能な光磁気記録媒
    体。
  14. 【請求項14】 請求項3〜13に記載の光磁気記録媒
    体において、 初期化層とスイッチング層の間に、室温で遷移金属優勢
    の磁性膜を設けたことを特徴とする光変調オーバーライ
    ト可能な光磁気記録媒体。
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