JPH1131320A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1131320A
JPH1131320A JP18234597A JP18234597A JPH1131320A JP H1131320 A JPH1131320 A JP H1131320A JP 18234597 A JP18234597 A JP 18234597A JP 18234597 A JP18234597 A JP 18234597A JP H1131320 A JPH1131320 A JP H1131320A
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JP18234597A
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Kazutoshi Otsuka
和俊 大塚
Katsutoshi Hara
克俊 原
Mitsuhiro Katashima
充弘 片嶋
Akira Ishikawa
彰 石川
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 記録情報(磁化)が消失し難く、十分な剛性
を有し、ヘッドタッチが良好であり、更には遮光性、導
電性(静電気の帯電防止特性)、走行性、及び電磁変換
特性に優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 支持体の一方の面側に強磁性粉末とバイ
ンダとを含む磁性層が、他方の面側に磁性粉末とバイン
ダとを含むバック層が設け、磁性層は、磁気記録媒体の
長手方向における保磁力Hcmが1700〜2500O
e、飽和磁束密度Bsmが3000〜5000G、角型
比Sqが0.80〜0.95、バック層は、保磁力Hc
bが300Oe未満、飽和磁束密度Bsbが前記磁性層
の飽和磁束密度Bsmの1/5〜1/1であり、磁性層
は、その表面の中心線平均粗さRamが1.5〜4n
m、十点平均粗さRzmが15〜50nmであり、更に
該磁気記録媒体の長手方向におけるヤング率が5〜15
Gpaである磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、磁気テープ等の塗布型の磁気記
録媒体は、ポリエステルフィルム等のベースフィルム
(支持体)の一方の面側に、磁性粉末、バインダ樹脂、
その他各種の添加剤及び溶剤を混練して得た磁性塗料を
塗布することによって構成された磁性層が設けられ、他
方の面側にカーボンブラックやバインダ樹脂、その他各
種の添加剤及び溶剤を混練して得た塗料を塗布すること
によって構成されたバック層が設けられたものが一般的
である。
【0003】しかし、カーボンブラックとバインダ樹脂
を主体として構成されたバック層を有する磁気記録媒体
は、カーボンブラックは吸油量が高く、含有量をあまり
増やすことが出来ない為、剛性が上がらず、磁性層と磁
気ヘッドとの良好な接触(いわゆる、良好なヘッドタッ
チ)が得られ難い問題がある。そこで、カーボンブラッ
クに代えて非磁性粉末をバック層に含有させることが提
案(例えば、特開昭50−30503号公報、特開昭5
7−88529号公報、特開昭59−14124号公
報、特開昭59−92436号公報、特開昭60−50
619号公報、特開昭62−295216号公報)され
ている。
【0004】しかし、これらの磁気記録媒体は、遮光性
や導電性が低い。この為、光透過量の差を利用したテー
プ端検出システムにおいては、誤動作が起き易い。又、
導電性が低いことから、静電気が帯電し易く、走行性が
悪くなる。又、黒色の酸化鉄粉末をバック層に含有させ
ることが提案(例えば、特開昭60−85424号公
報、特開昭60−179929号公報、特開昭60−1
79934号公報、特開昭62−75929号公報)さ
れている。
【0005】又、マグネタイトをバック層に含有させる
ことが提案(例えば、特開昭58−199437号公
報、特開昭58−200429号公報)されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案のも
のでも、剛性は不十分で、ヘッドタッチが余り良くな
い。又、バック層の表面性が良くない。更には、長期に
わたって保存しているうちに減磁によって記録情報(磁
化)が消失するなど、保存安定性に問題がある。
【0007】従って、本発明が解決しようとする第1の
課題は、長期にわたって保存していても記録情報(磁
化)が消失し難く、記録情報の保存安定性に富む磁気記
録媒体を提供することである。本発明が解決しようとす
る第2の課題は、十分な剛性を有する、ヘッドタッチが
良好な磁気記録媒体を提供することである。
【0008】本発明が解決しようとする第3の課題は、
遮光性、導電性(静電気の帯電防止特性)、走行性、及
び電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、支持体の
一方の面側に強磁性粉末とバインダとを含む磁性層が、
他方の面側に磁性粉末とバインダとを含むバック層が設
けられた磁気記録媒体において、前記磁性層は、該磁気
記録媒体の長手方向における保磁力Hcmが1700〜
2500Oe、飽和磁束密度Bsmが3000〜500
0G、角型比Sqが0.80〜0.95であり、前記バ
ック層は、該磁気記録媒体の長手方向における保磁力H
cbが300Oe未満、飽和磁束密度Bsbが前記磁性
層の飽和磁束密度Bsmの1/5〜1/1であり、か
つ、前記磁性層は、その表面の中心線平均粗さRamが
1.5〜4nm、十点平均粗さRzmが15〜50nm
であり、更に該磁気記録媒体の長手方向におけるヤング
率が5〜15Gpaであることを特徴とする磁気記録媒
体によって解決される。
【0010】特に、前記バック層の表面の中心線平均粗
さRabが4〜10nm、十点平均粗さRzbが20〜
200nmである磁気記録媒体によって解決される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明になる磁気記録媒体は、支
持体の一方の面側に強磁性粉末とバインダとを含む磁性
層が、他方の面側に磁性粉末とバインダとを含むバック
層が設けられた磁気記録媒体において、前記磁性層は、
該磁気記録媒体の長手方向における保磁力Hcmが17
00〜2500Oe(好ましくは、1700〜2400
Oe)、飽和磁束密度Bsmが3000〜5000G
(好ましくは、3500〜4500G)、角型比Sqが
0.80〜0.95(好ましくは、0.85〜0.9
5)であり、前記バック層は、該磁気記録媒体の長手方
向における保磁力Hcbが300Oe未満、飽和磁束密
度Bsbが前記磁性層の飽和磁束密度Bsmの1/5〜
1/1であり、かつ、前記磁性層は、その表面の中心線
平均粗さRamが1.5〜4nm(好ましくは、2〜3
nm)、十点平均粗さRzmが15〜50nm(好まし
くは、20〜40nm)であり、更に該磁気記録媒体の
長手方向におけるヤング率が5〜15Gpa(好ましく
は、8〜13Gpa)である。前記バック層の中心線平
均粗さRabは4〜10nm(好ましくは、5〜8n
m)である。又、前記バック層の十点平均粗さRzbは
20〜200nm(好ましくは、30〜150nm)で
ある。又、バック層の表面電気抵抗は1.0×105
1.0×108 Ω/□である。そして、磁性層の長手方
向におけるヤング率Emとバック層の長手方向における
ヤング率Ebとが、0.6Em<Eb<1.3Emを満
たすものである。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の磁気記録媒体に用いられる支持体は非磁性のもの
である。このような支持体としては、例えばポリエレチ
ンテフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート、セルロースジアセテート、セルロースアセテート
ブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等の
セルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、ポリイミド、
ポリアミドイミド等のプラスチック類、紙、バライタま
たはポリエチレン、ポレプロピレン、エチレン−ブテン
共重合体などの炭素数2〜10のα−ポリオレフィン類
を塗布またはラミネートした紙などの紙類も使用でき
る。その他、Al合金などの金属、ガラスや磁器などの
セラミックスも用いられる。これらの非磁性支持体は使
用目的に応じて透明あるいは不透明であっても良い。支
持体の厚さは、用途によっても異なるが、2〜10μm
である。
【0013】支持体の一方の面側には磁性層が設けられ
る。すなわち、磁性塗料を支持体の一面上に塗布するこ
とによって、乾燥後の厚さが0.1〜2.5μmの磁性
層が設けられる。ここで、磁性層の乾燥後の厚さを0.
1〜2.5μmとしたのは、薄すぎると、均一な塗布が
困難であり、かつ、出力も低下し、更には剛性も低下
し、ヘッドタッチが低下するからであり、逆に、厚すぎ
ると、厚み損失が大きくなって高域での出力が低下した
り、オーバーライト特性が低下するからである。尚、よ
り好ましくは、乾燥後の厚さが0.2〜2.0μmであ
る。
【0014】この磁性層中に含まれる磁性粉末として
は、公知な磁性粉末が適宜用いられる。例えば、強磁性
金属(合金も含まれる)粉末が使用される。強磁性金属
粉末は金属分が75重量%以上であり、金属分の80重
量%又はそれ以上が少なくとも一種の強磁性金属(例え
ば、Fe,Co,Ni,Fe−Co,Fe−Ni,Co
−Ni,Fe−Co−Ni) であり、金属分の20重量
%又はそれ以下、好ましくは0.5〜5重量%がAl,
Si,S,Sc,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Zn,
Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,Te,B
a,Ta,W,Re,Au,Hy,Pb,Bi,La,
Ce,Pr,Nd,B,Pなどの組成を有するものであ
っても良い。この強磁性金属粉末は、長径が0.06〜
0.2μmの粒子であるのが好ましい。その針状比は3
〜10であるのが好ましい。その保磁力は1700〜2
500Oeであるものが好ましい。又、上記磁性粉末の
他にも、六方晶系フェライト磁性粉末を用いることも出
来る。このフェライト磁性粉末は、板径が0.03〜
0.07μmのものであるのが好ましい。その板状比は
2〜5であるのが好ましい。その保磁力は1500〜3
000Oeであるものが好ましい。その他にも酸化物系
磁性粉末を用いることが出来る。上記特徴の磁性粉末を
用いることによって、長手方向における保磁力Hcmが
1700〜2500Oe、飽和磁束密度Bsmが300
0〜5000G、角型比Sqが0.80〜0.95であ
り、かつ、その表面の中心線平均粗さRamが1.5〜
4nm、十点平均粗さRzmが15〜50nmであり、
表面性が良く、かつ、電磁変換特性に優れた磁性層が得
られる。例えば、上記の値より小さな保磁力のものが用
いられると、出力が小さなものとなる。
【0015】上記磁性粉末には、必要に応じて、磁性塗
料中における磁性粉末の分散性を向上させる為、表面処
理が施される。例えば、「Characterization of Powder
Surfaces (Academic Press)」に記載の方法を採用する
ことが出来る。又、シランカップリング処理、チタンカ
ップリング処理、アルミナカップリング処理などを行う
ことも出来る。又、樹脂コーティングを行うことも出来
る。
【0016】塗布型の磁性層中には、上記磁性粉末の他
に研磨剤が含まれる。研磨剤としては溶融アルミナ、炭
化ケイ素、酸化クロム(Cr23)、コランダム、人造
コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモンド、ザクロ
石、エメリー( 主成分:コンラダムと磁鉄鉱)等が挙げ
られる。勿論、これらにのみ限られるものではない。こ
れらの研磨剤は、モース硬度が5以上であり、平均粒子
径が0.05〜5μmの大きさのものが使用され、特に
好ましくは0.1〜2μmである。そして、これらの研
磨剤は、磁性粉末100重量部に対し0.5〜15重量
部の範囲で添加される。
【0017】塗布型の磁性層中には、上記の成分の他、
この分野で通常使用される添加剤として帯電防止剤、潤
滑剤、分散剤等が含有される。帯電防止剤としてはカー
ボンブラックや一酸化チタン等の導電性微粉末、サポニ
ンなどの天然界面活性剤、アルキレンオキサイド系、グ
リセリン系、グリシドール系などのノニオン界面活性
剤、高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、
ピリジンその他の複素環類、ホスホニウム又はスルホニ
ウム等のカチオン界面活性剤、カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基
を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホ
ン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類
等の両性活性剤などが挙げられる。このような帯電防止
剤は磁性粉末100重量部に対して0.01〜10重量
部の範囲で添加される。上記の界面活性剤は単独または
混合して添加してもよい。これらは帯電防止剤として用
いられるものがあるが、時としてその他の目的、例えば
分散、磁気特性の改良、潤滑性の改良、塗布助剤として
適用される場合もある。
【0018】潤滑剤としては、例えばジアルキルポリシ
ロキサン(アルキル基は炭素数1〜5個)、ジアルコキ
シポリシロキサン(アルコシ基は炭素数1〜4個)、モ
ノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキル基
は炭素数1〜5個、アルコキシ基は炭素数1〜4個)、
フェニルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサ
ン(アルキル基は炭素数1〜5個)等のシリコーンオイ
ル、グラファイト等の導電性微粉末、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン等の無機微粉末、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン−塩化ビニル共重合
体、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチック微粉
末、α−オレフィン重合物、常温で液状の不飽和脂肪族
炭化水素、炭素数12〜20個の一塩基性脂肪族と炭素
数3〜12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステ
ル類、フルオロカーボン類などが挙げられる。尚、下記
の分散剤の中にも潤滑剤としての機能を発揮するものも
有り、これらを用いても良い。これらの潤滑剤は、磁性
粉末100重量部に対して0.1〜15重量部の範囲で
添加される。
【0019】分散剤としては、炭素数12〜18個の脂
肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数11〜17個のアル
キルまたはアルケニル基)、前記の脂肪酸のアルカリ金
属(Li,Na,K等)又はアルカリ土類金属(Mg,
Ca,Ba等)からなる金属石鹸、前記の脂肪酸エステ
ルのフッ素を含有した化合物、前記の脂肪酸のアミド、
ポリアルキレンオキサイドアルキルリン酸エステル、レ
シチン、トリアルキルポリオレフィンオキシ第四アンモ
ニウム塩(アルキルは炭素数1〜5個、オレフィンはエ
チレン、プロピレン等)等が挙げられる。この他に炭素
数12以上の高級アルコール、硫酸エステル等もある。
これらの分散剤は磁性粉末100重量部に対して10重
量部以下の範囲で添加され得る。
【0020】又、上記の各成分の他に防錆剤や防黴剤が
添加されていても良い。防黴剤としては、例えばリン
酸、スルファミド、グアニジン、ピリジン、アミン、尿
素、ジンククロメート、カルシウムクロメート、ストロ
ンチウムクロメート等が使用できるが、特にジシクロヘ
キシルアミンナイトライト、シクロヘキシルアミンクロ
メート、ジイソプロピルアミンナイトライト、ジエタノ
ールアミンホスフェート、シクロヘキシルアンモニウム
カーボネート、ヘキサメチレンジアミンカーボネート、
プロピレンジアミンステアレート、グアニジンカーボネ
ート、トリエタノールアミンナイトライト、モルフォリ
ンステアレート等の気化性防錆剤(アミン、アミド又は
イミドの無機酸塩または有機酸塩)を使用すると防錆効
果が向上する。
【0021】防黴剤としては、例えばサルチルアニライ
ド、酸化ビス(トリブチルスズ)、フェニルオレイン酸
水銀、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸水
銀、ペンタクロロフェノール、トリクロロフェノール、
p−ジニトロフェノール、ソルビン酸、p−オキシ安息
香酸ブチル、ジヒドロアセト酸などが挙げられる。塗布
型の磁性層を構成する為、バインダが用いられる。特
に、上記磁性粉末100重量部に対して5〜100重量
部、特に5〜70重量部のバインダが用いられる。例え
ば、熱可塑性樹脂が用いられる。具体的には、ポリ塩化
ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル
−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニト
リル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリル
共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、アクリル酸エステル−スチレン共重合体、メタクリ
ル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル
酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エ
ステル−スチレン共重合体、ウレタンエラストマー、ポ
リ弗化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルース誘導体( セ
ルロースアセテートブチレート、セルロースジアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等) 、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、各種の合成ゴム系の熱可塑
性樹脂( ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソ
プレン、スチレン−ブタジエン共重合体等) 及びこれら
の混合物が用いられる。又、熱硬化性樹脂または反応型
樹脂を用いることも出来る。例えば、フェノール・ホル
マリン−ノボラツック樹脂、フェノール・ホルマリン−
レゾール樹脂、フェノール・フルフラール樹脂、キシレ
ン・ホルムアルデヒド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
乾性油変性アルキッド樹脂、石炭酸樹脂変性アルキッド
樹脂、マレイン酸樹脂変性アルキッド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシ樹脂と硬化剤(ポリアミン、酸
無水物、ポリアミド樹脂、その他)、末端イソシアネー
トポリエステル湿気硬化型樹脂、末端イソシアネートポ
リエーテル湿気硬化型樹脂、ポリイソシアネートプレポ
リマー(ジイソシアネートと低分子量トリオールとを反
応させて得た1分子内に3個以上のイソシアネート基を
有する化合物、ジイソシアネートのトリマーおよびテト
ラマー)、ポリイソシアネートプレポリマーと活性水素
を有する樹脂(ポリエステルポリオール、ポリエーテル
ポリオール、アクリル酸共重合体、マレイン酸共重合
体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、パ
ラヒドロキシスチレン共重合体など)、及びこれらの混
合物等を用いることが出来る。
【0022】支持体の他方の面側には記録・再生には利
用できない程度の磁性を有する層、いわゆるバック層が
設けられる。バック層に適度な磁性を持たせる為、バッ
ク層中には高透磁率の磁性粉末、例えば酸化物、窒化
物、炭化物、及び前記の混合物、複合結晶体の群の中か
ら選ばれるものであって、モース硬度が5以上の高透磁
率磁性粉末が含有せしめられる。特に、球状のマグネタ
イトが含有せしめられる。ここで、球状とは、直径が
0.005〜0.2μmのマグネタイト(Fe3 4
の保磁力が300Oe未満(20Oe以上)であると言
う意味での球状である。従って、数学的な意味での球形
を意味するものではない。そして、球状で、平均粒径
(直径)が0.005〜0.2μm(特に、0.01〜
0.2μm)であり、保磁力が20Oe以上、300O
e未満のマグネタイト(Fe3 4 )を含有する塗料を
支持体の他面上に塗布することによって、乾燥後の厚さ
が0.3〜1.0μm(特に、0.5〜0.9μm)の
バック層が設けられる。ここで、バック層の乾燥後の厚
さを0.3〜1.0μm(特に、0.5〜0.9μm)
としたのは、0.3μmより薄くなると、均一な塗布が
困難であり、かつ、バック層のヤング率が小さく、適度
な剛性を持たせられなくなり、ヘッドタッチが低下する
からである。
【0023】このバック層中には、上記マグネタイトの
ような低保磁力の磁性粉末の他に、上記バインダと同様
なバインダが含まれる。このバインダの量は、マグネタ
イトのような磁性粉末100重量部に対して5〜30重
量部、特に10〜20重量部である。その他にも、上記
磁性層で述べたと同様な潤滑剤や分散剤等が必要に応じ
て用いられる。但し、従来、含有せしめられていたカー
ボンブラックは含ませないのが好ましい。これは、カー
ボンブラックは分散性が悪い為、表面性が低下するこ
と、又、吸油量が大きいため含有量を増やすことが出来
ない為、剛性の低下を引き起こす為である。
【0024】上記特徴のマグネタイトは、戸田工業
(株)製のMTS−312,TFM−005,TFM−
010等を用いることが出来る。特に、0.025〜
0.2μmの粒子サイズのものをそのまま用いることが
出来る。場合によっては、表面をAl2 3 ,Si
2 ,TiO2 ,ZrO2 ,SnO2 ,Sb2 3 ,Z
nO等で被着したものを用いる。
【0025】上記塗布型の磁性層やバック層を構成する
為に、磁性層用の塗料(磁性塗料)やバック層用の塗料
(バック塗料)が用意される。これは、各々の構成成分
を溶剤中に溶かした塗料である。塗料の製造に用いられ
る溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系の
溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチ
ル、酢酸グリコールモノエチルエーテル等のエステル系
の溶剤、エーテル、グリコールジメチルエーテル、グリ
コールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコール
エーテル系の溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
タール系(芳香族炭化水素系)の溶剤、メチレンクロラ
イド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩
素化炭化水素系の溶剤を適宜選択して使用できる。
【0026】そして、上記磁性粉末、バインダ樹脂、潤
滑剤などが混練されて塗料とされる訳であるが、混練に
際しては、磁性粉末及び上述の各成分が全て同時に、あ
るいは個々順次に混練機に投入される。この塗料の混練
分散にあたっては各種の混練機、例えば二本ロールミ
ル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロン
ミル、サンドグライダー、Szegvariアトライタ
ー、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速度
衝撃ミル、ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホモ
ジナイザー、超音波分散機などが用いられる。
【0027】支持体上に磁性塗料やバック塗料を塗布す
る方法としては如何なる方法であっても良い。例えば、
グラビア方式、リバース方式、エクストルージョン方式
などが挙げられるが、その他の方法も可能である。塗布
に用いられる塗布ヘッドも如何なるものでも良い。そし
て、上記のような磁性粉末、結合剤、各種の添加剤を溶
剤に混練分散した塗料を、支持体上に塗布し、配向、そ
して硬化させることによって塗布型の磁気記録媒体が得
られる。塗膜の硬化は、例えば40〜100℃に加熱さ
れた熱風の供給によって行われる。塗膜の硬化具合の制
御は、温度の制御、供給量の制御によって行われる。
尚、磁性塗料とバック塗料のどちらを先に塗布しても良
い。
【0028】又、必要により表面平滑化処理を施した
り、所望の形状にカッティングされて磁気記録媒体が得
られる。磁性塗膜のカレンダリング処理は、メタルロー
ルとコットンロール、又は合成樹脂(例えばナイロン、
ポリウレタン等)ロール、メタルロールとメタルロール
等の2本のロールの間を通すスーパーカレンダー法等が
用いられる。
【0029】又、磁性層やバック層と支持体との間に
は、必要に応じて、磁性あるいは非磁性の中間層が設け
られる。以下、具体的実施例を挙げて説明する。
【0030】
【実施例1】 〔磁性塗料の配合〕 鉄を主体とする強磁性粉末(保磁力2220Oe、飽和磁化143emu/g 平均長軸長0.075μm)100重量部 研磨剤(α−アルミナ、平均長軸長0.2μm) 5重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR104) 11.2重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(東洋紡社製UR8300(固形分濃度30% ) 11.7重量部 ミリスチン酸(潤滑剤) 2重量部 ブチルステアレート(潤滑剤) 0.8重量部 硬化剤(日本ポリウレタン工業社製のコロネートL) 2.4重量部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノンとが3対1の混合溶剤 290重量部 〔磁性塗料の調整〕強磁性粉末、研磨剤、バインダ、ミ
リスチン酸を粉体混合機により混合し、次いで固形分濃
度が83wt%になるよう溶剤を加え、混合物とする。
次に、該混合物を強力な剪断力を付加できる固練り機
(連続式二軸混練押出装置)で固練りを行い、次いで得
られた固練り物を溶剤により34wt%になるよう希
釈、攪拌し、ミルベースを得た。次に、該ミルベースを
粒径0.8mmのチタニアビーズを備えたミリング装置
(竪型式サンドミル)により分散処理を施し、混練物と
した。次いで、該混練物を攪拌機により攪拌を行いなが
ら残りの潤滑剤を添加した後、塗布に適した固形分濃度
である30wt%になるよう溶剤を添加し、30分間攪
拌後、絶対精度1μmの濾過フィルタを用いて濾過し
た。その後、該濾過物を攪拌機にて攪拌しながら、硬化
剤を添加し、磁性塗料とした。
【0031】 〔バック塗料の配合〕 マグネタイト(球状、直径0.025μm、モース硬度5、Hc100Oe) 100重量部 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン社製MR110) 9重量部 スルホン酸基含有ポリウレタン(東洋紡社製UR8200) 6重量部 ミリスチン酸(潤滑剤) 2重量部 ブチルステアレート(潤滑剤) 1重量部 硬化剤(日本ポリウレタン工業社製のコロネートL) 3重量部 メチルエチルケトンとトルエンとシクロヘキサノンとの等量混合溶剤 181.5重量部 〔バック塗料の調整〕球状のマグネタイト及びバインダ
(塩化ビニル系共重合体とスルホン酸基含有ポリウレタ
ン)を、溶剤により固形分濃度が86重量%となるよう
に調整し、粉体混合機(三井鉱山社製のヘンシェルミキ
サー)で十分に混合した。この混合物を強力な剪断力を
付加できる固練り機(栗本鉄工所製連続式2軸混練用押
出機)で分散処理した後、溶剤により固形分濃度が43
重量%となるように調整した。この後、粒径0.8mm
のチタニアビーズを備えたミリング装置(浅田鉄工社製
竪型サンドミル)で更に分散処理した。次に、この混練
物に潤滑剤を添加し、そして塗料を塗布するのに適した
粘度のものとする為、溶剤により固形分濃度が40重量
%となるように調整し、この後、攪拌機で1時間攪拌
し、そして絶対濾過精度1μmの濾過フィルターを用い
て濾過した。この後、濾過したものを攪拌機で攪拌し、
硬化剤を添加し、バック塗料とした。
【0032】〔磁気テープ〕厚さ4.5μmのポリアミ
ド(PA)フィルムの他方の面上に上記バック塗料を、
乾燥後の厚さが0.5μmとなるよう塗布し、そして9
0℃の熱風乾燥炉中を通過させ、乾燥させた。この後、
ロール表面温度90℃、ロール線圧350kg/cmの
条件でカレンダー処理を行った。
【0033】次いで、上記磁性塗料を、乾燥後の厚さが
1.5μmとなるよう塗布した。そして、磁性塗膜が乾
燥する前に5000Oeのソレノイドによる磁界中を通
過させて磁場配向処理を行い、次いで90℃の熱風が風
速15m/secの割合で供給される乾燥炉中を30秒
間かけて通過させ、乾燥させた。上記のようにして得た
原反を3.8mm幅にスリットして、DDS用磁気テー
プを得た。
【0034】
【実施例2】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトとして、球状で、直径が0.05μm、モース硬度
は5、Hcが150Oeのマグネタイトを用いた以外
は、実施例1の方法に準じた。
【0035】
【実施例3】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトとして、球状で、直径が0.10μm、モース硬度
は5、Hcが200Oeのマグネタイトを用いた以外
は、実施例1の方法に準じた。
【0036】
【実施例4】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトとして、球状で、直径が0.15μm、モース硬度
は5、Hcが250Oeのマグネタイトを用いた以外
は、実施例1の方法に準じた。
【0037】
【実施例5】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトとして、球状で、直径が0.015μm、モース硬
度は5、Hcが80Oeのマグネタイトを用いた以外
は、実施例1の方法に準じた。
【0038】
【比較例1】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに平均一次粒径が0.02μmのカーボン
ブラックを用いた以外は、実施例1の方法に準じた。
【0039】
【比較例2】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに平均一次粒径が0.07μmのカーボン
ブラックを用いた以外は、実施例1の方法に準じた。
【0040】
【比較例3】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに平均一次粒径が0.025μmのヘマタ
イトを用いた以外は、実施例1の方法に準じた。
【0041】
【比較例4】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに平均粒径が0.3μmのマグネタイト
(保磁力300Oe)を用いた以外は、実施例1の方法
に準じた。
【0042】
【比較例5】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに針状比が8、長軸長が0.15μm、モ
ース硬度は5、Hcが550Oeのマグネタイトを用い
た以外は、実施例1の方法に準じた。
【0043】
【比較例6】実施例1におけるバック塗料中のマグネタ
イトの代わりに針状比が8、長軸長が0.25μm、モ
ース硬度は5、Hcが700Oeのマグネタイトを用い
た以外は、実施例1の方法に準じた。
【0044】
【比較例7】実施例1において、磁性塗料中における磁
性粉として保磁力Hcが1500Oeのものを用いた以
外は、実施例1の方法に準じた。
【0045】
【特性】上記各例で得た磁気テープについて、磁性層お
よびバック層の静磁気特性(磁性層の保磁力Hcm、飽
和磁束密度Bsm、角型比Sq。バック層の保磁力Hc
b、飽和磁束密度Bsb。)を調べたので、その結果を
表−1に示す。尚、保磁力および飽和磁束密度の測定
は、所定形状に打ち抜いたサンプルに対して、振動式磁
力計を用い、印加磁場10kOeにて測定した。
【0046】 表−1 静 磁 気 特 性 磁性層 バック層 Hcm Bsm Sq Hcb Bsb (Oe) (G) (Oe) (G) 実施例1 2300 4200 0.88 100 2600 実施例2 2300 4200 0.88 150 1800 実施例3 2300 4200 0.88 200 1600 実施例4 2300 4200 0.88 250 1500 実施例5 2300 4200 0.88 80 2500 比較例1 2300 4200 0.88 − − 比較例2 2300 4200 0.88 − − 比較例3 2300 4200 0.88 − − 比較例4 2300 4200 0.88 300 2000 比較例5 2300 4200 0.88 550 1800 比較例6 2300 4200 0.88 700 1500 比較例7 1500 2800 0.83 150 1800 又、磁性層およびバック層の表面粗さ(磁性層表面の中
心線平均粗さRam、十点平均粗さRzm。バック層表
面の中心線平均粗さRab、十点平均粗さRzb。)を
調べたので、その結果を表−2に示す。尚、表面粗さの
測定は、サーフコム590A((株)東京精密製)を用
い、針径2μm、スキャン速度0.03mm/sec、
カットオフ0.08mmの条件で行った。
【0047】 表−2 表 面 粗 さ 磁性層(nm) バック層(nm) Ram Rzm Rab Rzb 実施例1 2.3 25 6 65 実施例2 2.8 33 7 76 実施例3 3.4 35 8 83 実施例4 3.9 40 9 92 実施例5 2.2 20 5 48 比較例1 2.5 23 7 76 比較例2 4.8 48 12 135 比較例3 2.5 28 7 72 比較例4 5.3 55 14 165 比較例5 4.3 48 11 122 比較例6 5.0 5.3 13 130 比較例7 4.3 50 6 65 又、長手方向における磁気テープのヤング率E、磁性層
のヤング率Em、バック層のヤング率Ebについても調
べたので、その結果を表−3に示す。尚、ヤング率は、
長さ100mm、幅3.81mmのサンプルを万能引っ
張り試験機に取り付け、速度5mm/minで引っ張
り、距離と力との関係をプロットし、次いで0.5〜
1.5Nの範囲の傾斜を用いて全体のヤング率を算出す
る。そして、磁性層を剥離した場合とバック層を剥離し
た場合の測定を行い、磁性層のヤング率Em、バック層
のヤング率Ebを算出する。
【0048】又、バック層の表面電気抵抗についても調
べたので、その結果を併せて表−3に示す。尚、表面電
気抵抗は、24カラットの金メッキした半径が10mm
で粗さN4(ISO 1302参照)で仕上げた半円形
状の電極を3.81mmの間隔を設けて配置し、この二
つの電極の円周面に表面電気抵抗を測定しようとするサ
ンプルの測定面側が接するように沿わせて配置し、サン
プルの両端を各々0.25Nの力で引っ張り、電極に1
00±10vの直流電圧を印加して電流を測定し、この
電流値から求めたものである。
【0049】 表−3 ヤング率(Gpa) Eb バック層の表面電気抵抗 E Em Eb /Em (Ω/□) 実施例1 13 10 9.1 0.91 1.5×107 実施例2 12.5 10 8 0.80 3.2×107 実施例3 12 10 7.5 0.75 5.5×107 実施例4 12 10 6.9 0.69 8.7×107 実施例5 13 10 8.7 0.87 1.1×107 比較例1 7 10 3.8 0.38 3.7×106 比較例2 7 10 3.6 0.36 5.5×106 比較例3 12.5 10 7.8 0.78 1.0×1011 比較例4 12 10 6.7 0.67 5.5×107 比較例5 12 10 7.1 0.71 6.7×107 比較例6 11.5 10 6.8 0.68 8.7×107 比較例7 13 10 9.1 0.91 1.5×107 そして、上記各例で得た磁気テープについて、出力、ド
ロップアウト、飽和磁束密度の保持率、バック層の削れ
具合を調べたので、その結果を表−4に示す。
【0050】尚、出力は、メディア ロジック社製のT
ape Evaluator Model 4500を
用い、DDS3−Driveにて磁気テープに13.5
MHz(波長0.33μm)の信号を記録し、これを再
生した時の基準テープに対する相対値である。ドロップ
アウトは、メディア ロジック社製のTape Eva
luator Model 4500を用い、DDS3
−Driveにて磁気テープに9MHzの信号を記録
し、これを10000トラック再生した時に、標準とな
る出力に対して50%以上の出力低下があった場合をド
ロップアウトとしてカウントした。飽和磁束密度の保持
率は、磁気テープを温度60℃、相対湿度90%RHの
雰囲気下に120日間放置した後の飽和磁束密度と磁気
テープ製作直後の飽和磁束密度とを測定し、両者の比で
表したものである。バック層の削れ具合は20Mバイト
分の区間を2000回繰り返して走行させた後の表面を
顕微鏡にて観察したものである。
【0051】 表−4 出力 ドロップアウト 飽和磁束密度の 顕微鏡観察による 保持率(%) バック層の削れ具合 実施例1 110 300 99 無 実施例2 105 300 98 無 実施例3 100 300 96 無 実施例4 95 300 95 無 実施例5 110 300 99 無 比較例1 95 2500 85 大 比較例2 85 3000 88 大 比較例3 90 1200 88 小 比較例4 83 300 95 無 比較例5 90 300 90 無 比較例6 80 300 89 無 比較例7 68 300 90 無
【0052】
【発明の効果】長手方向における保磁力Hcmが170
0〜2500Oe、飽和磁束密度Bsmが3000〜5
000G、角型比Sqが0.80〜0.95の磁性層を
支持体の一方の面側に設け、かつ、長手方向における保
磁力Hcbが300Oe未満、飽和磁束密度Bsbが前
記磁性層の飽和磁束密度Bsmの1/5〜1/1のバッ
ク層を支持体の他方の面側に設け、かつ、前記塗布型の
磁性層の中心線平均粗さRamが1.5〜4nm、十点
平均粗さRzmが15〜50nmのものとなし、更に、
該磁気記録媒体の長手方向におけるヤング率が5〜15
Gpaのものとしたから、長期にわたって保存していて
も記録情報(磁化)が消失し難く、記録情報の保存安定
性に富み、かつ、剛性が有って、ヘッドタッチが良く、
更には静電気が帯電し難く、塵や埃が付着し難く、そし
て走行性が良く、電磁変換特性に優れたものであり、
又、遮光性にも優れている等の特長を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 彰 栃木県芳賀郡市貝町大字赤羽2606 花王株 式会社研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面側に強磁性粉末とバイ
    ンダとを含む磁性層が、他方の面側に磁性粉末とバイン
    ダとを含むバック層が設けられた磁気記録媒体におい
    て、 前記磁性層は、該磁気記録媒体の長手方向における保磁
    力Hcmが1700〜2500Oe、飽和磁束密度Bs
    mが3000〜5000G、角型比Sqが0.80〜
    0.95であり、 前記バック層は、該磁気記録媒体の長手方向における保
    磁力Hcbが300Oe未満、飽和磁束密度Bsbが前
    記磁性層の飽和磁束密度Bsmの1/5〜1/1であ
    り、 かつ、前記磁性層は、その表面の中心線平均粗さRam
    が1.5〜4nm、十点平均粗さRzmが15〜50n
    mであり、 更に該磁気記録媒体の長手方向におけるヤング率が5〜
    15Gpaであることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記バック層は、その表面の中心線平均
    粗さRabが4〜10nm、十点平均粗さRzbが20
    〜200nmであることを特徴とする請求項1の磁気記
    録媒体。
  3. 【請求項3】 前記バック層の表面電気抵抗が1.0×
    105 〜1.0×108 Ω/□であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記磁性層の長手方向におけるヤング率
    Emとバック層の長手方向におけるヤング率Ebとが、
    0.6Em<Eb<1.3Emを満たすものであること
    を特徴とする請求項1〜請求項3いずれかの磁気記録媒
    体。
  5. 【請求項5】 前記バック層に含まれる磁性粉末は、酸
    化物、窒化物、炭化物、及び前記の混合物、複合結晶体
    の群の中から選ばれるものであって、モース硬度が5以
    上のものであることを特徴とする請求項1〜請求項4い
    ずれかの磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記バック層に含まれる磁性粉末は、形
    状が球状のものであることを特徴とする請求項1〜請求
    項5いずれかの磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記バック層に含まれる磁性粉末は、平
    均粒径が0.005〜0.2μmのものであることを特
    徴とする請求項1〜請求項6いずれかの磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記バック層に含まれる磁性粉末は、マ
    グネタイトであることを特徴とする請求項1〜請求項7
    いずれかの磁気記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記バック層には、カーボンブラックが
    含まれていないことを特徴とする請求項1〜請求項8い
    ずれかの磁気記録媒体。
JP18234597A 1997-07-08 1997-07-08 磁気記録媒体 Pending JPH1131320A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10614834B2 (en) 2016-09-30 2020-04-07 Fujifilm Corporation Magnetic tape

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