JPH1131306A - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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- JPH1131306A JPH1131306A JP19796397A JP19796397A JPH1131306A JP H1131306 A JPH1131306 A JP H1131306A JP 19796397 A JP19796397 A JP 19796397A JP 19796397 A JP19796397 A JP 19796397A JP H1131306 A JPH1131306 A JP H1131306A
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- magnetic layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 読み込みノイズを低減し、歩留まりが良好と
なる薄膜磁気ヘッドを提供すること 【解決手段】 基板1の上面に、アルミナをスパッタし
て下地層2が形成され、係る下地層の表面に、フォトリ
ソ技術とイオンミーリングによって記録媒体摺動面Aに
平行な突起10が形成されている。そして、下地膜,突
起の上面に下部磁性層3が形成されている。よって、下
部磁性層の表面の突起の形成位置に凸部11が形成され
ている。すると、形状異方性により、下部磁性層の表面
の凸部に磁壁が集中する。係る磁壁は記録媒体摺動面に
平行に生じているので、記録媒体に記録されたデータの
磁界に対して安定な状態となり、磁壁の移動,揺らぎが
生じず、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズが生じ
なくなる。よって、薄膜磁気ヘッドの磁気特性が向上す
る。
なる薄膜磁気ヘッドを提供すること 【解決手段】 基板1の上面に、アルミナをスパッタし
て下地層2が形成され、係る下地層の表面に、フォトリ
ソ技術とイオンミーリングによって記録媒体摺動面Aに
平行な突起10が形成されている。そして、下地膜,突
起の上面に下部磁性層3が形成されている。よって、下
部磁性層の表面の突起の形成位置に凸部11が形成され
ている。すると、形状異方性により、下部磁性層の表面
の凸部に磁壁が集中する。係る磁壁は記録媒体摺動面に
平行に生じているので、記録媒体に記録されたデータの
磁界に対して安定な状態となり、磁壁の移動,揺らぎが
生じず、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズが生じ
なくなる。よって、薄膜磁気ヘッドの磁気特性が向上す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドに
関するもので、より具体的には、下地層の上方に安定し
た状態の磁区となる磁性層が形成された薄膜磁気ヘッド
に関する。
関するもので、より具体的には、下地層の上方に安定し
た状態の磁区となる磁性層が形成された薄膜磁気ヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の薄膜磁気ヘッドの一例として、イ
ンダクティブ型の磁気ヘッドについて説明する。インダ
クティブ型の磁気ヘッドは、記録媒体に記録されたデー
タを読み出すための磁極を備えており、係る磁極は下部
磁性層と上部磁性層の2層を接続することにより構成さ
れている。図2は従来の薄膜磁気ヘッドにおける基板か
ら下部磁性層までの構造を示している。同図に示すよう
に、平坦かつ滑らかな面が形成されている基板1の上面
に、アルミナ等の絶縁体をスパッタすることにより、下
地層2が形成されている。係る下地層2は表面が平坦か
つ滑らかとなるように形成される。係る下地層2の上面
所定位置に下部磁性層3が形成されている。
ンダクティブ型の磁気ヘッドについて説明する。インダ
クティブ型の磁気ヘッドは、記録媒体に記録されたデー
タを読み出すための磁極を備えており、係る磁極は下部
磁性層と上部磁性層の2層を接続することにより構成さ
れている。図2は従来の薄膜磁気ヘッドにおける基板か
ら下部磁性層までの構造を示している。同図に示すよう
に、平坦かつ滑らかな面が形成されている基板1の上面
に、アルミナ等の絶縁体をスパッタすることにより、下
地層2が形成されている。係る下地層2は表面が平坦か
つ滑らかとなるように形成される。係る下地層2の上面
所定位置に下部磁性層3が形成されている。
【0003】下部磁性層3は、記録媒体摺動面と平行に
なるように磁界をかけた状態で、下地層2の上面所定位
置にパーマロイ等をスパッタして形成されている。この
とき、同図(B)に示すように、下部磁極層3の表面に
は外部からかけられた磁界に沿って平行な磁壁4aと、
その磁壁4aの両端から下部磁極層3の周囲に向けて斜
めに延びる磁壁4bが形成される。すると、下部磁性層
3は、係る磁壁4a,4bによって区切られた磁区5が
複数生じた状態となる。そして、磁壁4aを挟んで対向
する磁区5と、それに挟まれた磁壁4bで囲まれる磁区
5を隣り合った複数の磁区5の磁化方向は環状に連結
し、一つの還流磁区が形成されている。
なるように磁界をかけた状態で、下地層2の上面所定位
置にパーマロイ等をスパッタして形成されている。この
とき、同図(B)に示すように、下部磁極層3の表面に
は外部からかけられた磁界に沿って平行な磁壁4aと、
その磁壁4aの両端から下部磁極層3の周囲に向けて斜
めに延びる磁壁4bが形成される。すると、下部磁性層
3は、係る磁壁4a,4bによって区切られた磁区5が
複数生じた状態となる。そして、磁壁4aを挟んで対向
する磁区5と、それに挟まれた磁壁4bで囲まれる磁区
5を隣り合った複数の磁区5の磁化方向は環状に連結
し、一つの還流磁区が形成されている。
【0004】下部磁性層3及び下地層2の上方に、複数
の絶縁層,複数のコイル層を順次形成する。そして、最
上層となる絶縁層,コイル層の上方にレジストが塗布さ
れ、係るレジストを焼成することにより、ハードベーク
レジスト層が形成されている。係るハードベークレジス
ト層の上面所定位置に、パーマロイ等をスパッタするこ
とにより、上部磁性層が形成されている。そして、形成
された各層の上方にアルミナ等をスパッタして保護膜を
形成している。
の絶縁層,複数のコイル層を順次形成する。そして、最
上層となる絶縁層,コイル層の上方にレジストが塗布さ
れ、係るレジストを焼成することにより、ハードベーク
レジスト層が形成されている。係るハードベークレジス
ト層の上面所定位置に、パーマロイ等をスパッタするこ
とにより、上部磁性層が形成されている。そして、形成
された各層の上方にアルミナ等をスパッタして保護膜を
形成している。
【0005】上記した各層が形成された基板を所定位置
で切断することにより、一度に多数の薄膜磁気ヘッドが
形成されている。
で切断することにより、一度に多数の薄膜磁気ヘッドが
形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の薄膜磁気ヘッドでは、絶縁体により形成された
下地層の上面は平坦かつ滑らかとなっているので、下地
層の上面に下部磁性層を形成すると、下部磁性層に発生
する磁壁の形成方向は形状異方性により影響される。よ
って、磁性層形成の際に外部から磁場を与えても、係る
磁場の方向と異なる方向に磁壁(縦割れ磁壁6)が発生
してしまう。係る縦割れ磁壁6は、磁気記録媒体に記録
されたデータの磁界によって、データの読み込み時に移
動しやすく、バルクハウゼンノイズを発生してしまう。
た従来の薄膜磁気ヘッドでは、絶縁体により形成された
下地層の上面は平坦かつ滑らかとなっているので、下地
層の上面に下部磁性層を形成すると、下部磁性層に発生
する磁壁の形成方向は形状異方性により影響される。よ
って、磁性層形成の際に外部から磁場を与えても、係る
磁場の方向と異なる方向に磁壁(縦割れ磁壁6)が発生
してしまう。係る縦割れ磁壁6は、磁気記録媒体に記録
されたデータの磁界によって、データの読み込み時に移
動しやすく、バルクハウゼンノイズを発生してしまう。
【0007】さらに、縦割れ磁壁6は揺らぎが生じるの
で、縦割れ磁壁6を境界線とする磁区は内部の磁化方向
が安定していない状態となる。そのため、磁気記録媒体
に記録されたデータの読み込み時に、磁区内の磁化方向
が揺らいでしまい、ウィグルノイズが発生してしまう。
よって、データの再現性が劣化してしまう。
で、縦割れ磁壁6を境界線とする磁区は内部の磁化方向
が安定していない状態となる。そのため、磁気記録媒体
に記録されたデータの読み込み時に、磁区内の磁化方向
が揺らいでしまい、ウィグルノイズが発生してしまう。
よって、データの再現性が劣化してしまう。
【0008】また、従来の薄膜磁気ヘッドでは、一枚の
基板から多数の薄膜磁気ヘッドを製造しているので、下
部磁性層を形成する際に外部からかけられる磁場の強さ
は、基板上の位置によって異なる。よって、磁壁の方向
にばらつきが生じてしまう。そして、下部磁性層が十分
に磁化されていないものは、特に縦割れ磁壁が発生しや
すいので、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズの発
生が著しい。そして、係る製品は不良品として廃棄処分
される。よって、薄膜磁気ヘッドの歩留まりが劣化して
しまう。
基板から多数の薄膜磁気ヘッドを製造しているので、下
部磁性層を形成する際に外部からかけられる磁場の強さ
は、基板上の位置によって異なる。よって、磁壁の方向
にばらつきが生じてしまう。そして、下部磁性層が十分
に磁化されていないものは、特に縦割れ磁壁が発生しや
すいので、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズの発
生が著しい。そして、係る製品は不良品として廃棄処分
される。よって、薄膜磁気ヘッドの歩留まりが劣化して
しまう。
【0009】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、読み込みノイズを低減し、歩留まりが良好となる
薄膜磁気ヘッドを提供することにある。
もので、その目的とするところは、上記した問題点を解
決し、読み込みノイズを低減し、歩留まりが良好となる
薄膜磁気ヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、表面に複数の
段差を設けられた下地層を備え、前記段差は直線形状に
設けられており、前記複数の段差は記録媒体摺動面と平
行となるように設けられており、前記下地層の上面に形
成された磁性層を備えている(請求項1)。
ため、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、表面に複数の
段差を設けられた下地層を備え、前記段差は直線形状に
設けられており、前記複数の段差は記録媒体摺動面と平
行となるように設けられており、前記下地層の上面に形
成された磁性層を備えている(請求項1)。
【0011】この段差は、例えば一直線上に凸形状に突
出させたり、凹形状に窪ませることにより形成できる。
そして請求項1に記載するように、下地膜の表面に段差
を形成すると、係る下地膜の上面に形成された磁性膜
は、下地膜の段差と同じ形状の段差が生じる。すると、
形状異方性により、磁性層の凸形状となっている部分ま
たは凹形状となっている部分に磁壁が集中する。よっ
て、複数の段差を記録媒体摺動面に沿って、平行に形成
することにより、磁壁の生じる方向を記録媒体摺動面に
平行な一方向に揃える。そのため、縦割れ磁壁は生じな
い。
出させたり、凹形状に窪ませることにより形成できる。
そして請求項1に記載するように、下地膜の表面に段差
を形成すると、係る下地膜の上面に形成された磁性膜
は、下地膜の段差と同じ形状の段差が生じる。すると、
形状異方性により、磁性層の凸形状となっている部分ま
たは凹形状となっている部分に磁壁が集中する。よっ
て、複数の段差を記録媒体摺動面に沿って、平行に形成
することにより、磁壁の生じる方向を記録媒体摺動面に
平行な一方向に揃える。そのため、縦割れ磁壁は生じな
い。
【0012】すると、磁気記録媒体に記録されたデータ
の磁界に対して磁壁は安定状態となり、磁壁の移動は生
じることがなくなるので、バルクハウゼンノイズは発生
しない。また、磁気記録媒体に記録されたデータを読み
込む時に受ける磁界によって、磁壁の揺らぎは生じなく
なるので、係る磁壁で区切られた磁区内の磁化方向は安
定し、ウィグルノイズは発生しない。
の磁界に対して磁壁は安定状態となり、磁壁の移動は生
じることがなくなるので、バルクハウゼンノイズは発生
しない。また、磁気記録媒体に記録されたデータを読み
込む時に受ける磁界によって、磁壁の揺らぎは生じなく
なるので、係る磁壁で区切られた磁区内の磁化方向は安
定し、ウィグルノイズは発生しない。
【0013】磁壁の方向は、段差の形状によって決定さ
れるので、基板を所定位置で切断することにより製造さ
れる複数の薄膜磁気ヘッドにおいて、磁壁の方向にばら
つきが生じることを可及的に抑制でき、欠陥品が製造さ
れるおそれが極めて少なくなる。
れるので、基板を所定位置で切断することにより製造さ
れる複数の薄膜磁気ヘッドにおいて、磁壁の方向にばら
つきが生じることを可及的に抑制でき、欠陥品が製造さ
れるおそれが極めて少なくなる。
【0014】そして、磁性層の形状を変えても、段差の
形状を制御することによって、磁壁の発生位置を制御す
ることができるので、磁区の形状や磁区の数を制御する
ことができる。よって、磁性層の形状に合わせて、最良
の磁気特性を有するように任意の形状の磁区を、任意の
数だけ作り出すことができる。
形状を制御することによって、磁壁の発生位置を制御す
ることができるので、磁区の形状や磁区の数を制御する
ことができる。よって、磁性層の形状に合わせて、最良
の磁気特性を有するように任意の形状の磁区を、任意の
数だけ作り出すことができる。
【0015】上記した段差を設ける磁性層は、薄膜磁気
ヘッドを構成する層であれば、いずれの層にも適用する
ことができるが、特に、前記磁性層を下部シールド層ま
たは下部磁性層とすると効果が顕著に現れる(請求項
2)。
ヘッドを構成する層であれば、いずれの層にも適用する
ことができるが、特に、前記磁性層を下部シールド層ま
たは下部磁性層とすると効果が顕著に現れる(請求項
2)。
【0016】請求項2に記載するように、磁性層が下部
シールド層または下部磁性層である場合、下地膜はアル
ミナ等の加工が容易な材質を用いられている。よって、
下地膜の表面の形状を制御しやすい。よって、下地膜の
表面に任意の形状の段差を容易に形成することができ
る。よって、係る下地膜の表面に形成された磁性層の磁
区の形状、数を調整しやすい。
シールド層または下部磁性層である場合、下地膜はアル
ミナ等の加工が容易な材質を用いられている。よって、
下地膜の表面の形状を制御しやすい。よって、下地膜の
表面に任意の形状の段差を容易に形成することができ
る。よって、係る下地膜の表面に形成された磁性層の磁
区の形状、数を調整しやすい。
【0017】また、好ましくは、前記段差を前記磁性層
の形成範囲内に形成し、前記段差の長手方向の長さを前
記磁性層の幅よりも短くすることである(請求項3)。
すなわち、図1にも示すように、磁性層に形成される磁
区は、記録媒体摺動面(A)に平行な磁区と、磁性層の
周囲に隣接して形成される三角形状の磁区が存在するよ
うに磁壁が形成される。したがって、記録媒体摺動面に
平行な磁壁は、必ず磁性層の幅よりも短くなる。そこで
請求項3に記載するように、段差の長さを磁性層の幅よ
りも短くすると、その段差を生成した部分までが上記平
行な磁壁が安定的に形成され、段差の両端から磁性層の
周囲に向かっては、斜めに進む磁壁が形成される。よっ
て段差の長さを調整することにより、斜めに進む磁壁の
形成位置の制御も精度よく行えるので好ましい。
の形成範囲内に形成し、前記段差の長手方向の長さを前
記磁性層の幅よりも短くすることである(請求項3)。
すなわち、図1にも示すように、磁性層に形成される磁
区は、記録媒体摺動面(A)に平行な磁区と、磁性層の
周囲に隣接して形成される三角形状の磁区が存在するよ
うに磁壁が形成される。したがって、記録媒体摺動面に
平行な磁壁は、必ず磁性層の幅よりも短くなる。そこで
請求項3に記載するように、段差の長さを磁性層の幅よ
りも短くすると、その段差を生成した部分までが上記平
行な磁壁が安定的に形成され、段差の両端から磁性層の
周囲に向かっては、斜めに進む磁壁が形成される。よっ
て段差の長さを調整することにより、斜めに進む磁壁の
形成位置の制御も精度よく行えるので好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る薄膜磁気ヘッ
ドの第1の実施の形態における基板から下部磁性層まで
の構造を示している。同図に示すように、表面が平坦か
つ滑らかな表面である基板1の上面に、アルミナをスパ
ッタして下地層2が形成されている。係る下地層2の表
面には、従来の薄膜磁気ヘッドと同様に下部磁性層3が
形成されている。
ドの第1の実施の形態における基板から下部磁性層まで
の構造を示している。同図に示すように、表面が平坦か
つ滑らかな表面である基板1の上面に、アルミナをスパ
ッタして下地層2が形成されている。係る下地層2の表
面には、従来の薄膜磁気ヘッドと同様に下部磁性層3が
形成されている。
【0019】ここで、本形態では、下地層2の表面に突
起10が形成され、下地層2の表面に段差を設けてい
る。本形態では、凸形状の突起を設けることにより段差
を形成するようにしている。すなわち、突起10は直線
形状となるように形成されており、記録媒体摺動面Aの
方向に平行となるように形成されている。また、本形態
では、突起10は下部磁性層3の形成範囲内で、下部磁
性層3の周囲に接触しない位置に形成されている。
起10が形成され、下地層2の表面に段差を設けてい
る。本形態では、凸形状の突起を設けることにより段差
を形成するようにしている。すなわち、突起10は直線
形状となるように形成されており、記録媒体摺動面Aの
方向に平行となるように形成されている。また、本形態
では、突起10は下部磁性層3の形成範囲内で、下部磁
性層3の周囲に接触しない位置に形成されている。
【0020】係る突起10の形成方法の一例を説明する
と、下地膜2の形成後、係る下地膜2の上面に、突起1
0を形成する部分に孔部をあけたレジストを形成し、そ
の上方よりアルミナをスパッタすることにより、所定形
状の突起10を形成する。
と、下地膜2の形成後、係る下地膜2の上面に、突起1
0を形成する部分に孔部をあけたレジストを形成し、そ
の上方よりアルミナをスパッタすることにより、所定形
状の突起10を形成する。
【0021】下部磁性層3は下地膜2の上面所定位置に
パーマロイ等の磁性体をスパッタすることにより形成し
ている。よって、下部磁性層3は下地膜2の表面に沿っ
て形成されるので、下部磁性層3の表面の突起10の形
成された位置に、凸部11が形成される。すると、形状
異方性により、下部磁性層3の表面の凸部11の形成さ
れた位置に磁壁が集中する。
パーマロイ等の磁性体をスパッタすることにより形成し
ている。よって、下部磁性層3は下地膜2の表面に沿っ
て形成されるので、下部磁性層3の表面の突起10の形
成された位置に、凸部11が形成される。すると、形状
異方性により、下部磁性層3の表面の凸部11の形成さ
れた位置に磁壁が集中する。
【0022】本形態では、下部磁極層3の形成範囲内に
突起10を形成しているが、本発明に係る薄膜磁気ヘッ
ドでは、係る突起10は下部磁性層3の形成範囲を含む
ように形成されればよく、下部磁性層3の形成範囲をは
みだして形成してもよい。
突起10を形成しているが、本発明に係る薄膜磁気ヘッ
ドでは、係る突起10は下部磁性層3の形成範囲を含む
ように形成されればよく、下部磁性層3の形成範囲をは
みだして形成してもよい。
【0023】同図(B)は下部磁性層3の表面に生じた
磁区の形状を示している。同図に示すように、突起10
の形成位置に合わせて磁壁12aが生じている。さら
に、本形態では、磁壁12aは下部磁性層3の周囲に接
していないので、係る磁壁12aの先端から下部磁性層
3の周囲の所定位置(2箇所)まで、磁壁12bが生じ
ている。下部磁性層3の表面は、係る磁壁12aと磁壁
12bによって区切られた複数の磁区14aと、下部磁
性層3の周囲と磁壁12bから磁壁12bによって分割
された複数の磁区14bが形成されている。そして、隣
り合った磁区14aと磁区14bの磁化方向は環状に連
結し、一つの還流磁区が形成されている。磁壁12aは
記録媒体摺動面Aに対して平行となるように形成されて
おり、記録媒体に記録されているデータを読み込む時に
生じる磁界に対して安定した状態であるので、磁壁12
aは移動しない。よって、バルクハウゼンノイズを抑制
することができる。
磁区の形状を示している。同図に示すように、突起10
の形成位置に合わせて磁壁12aが生じている。さら
に、本形態では、磁壁12aは下部磁性層3の周囲に接
していないので、係る磁壁12aの先端から下部磁性層
3の周囲の所定位置(2箇所)まで、磁壁12bが生じ
ている。下部磁性層3の表面は、係る磁壁12aと磁壁
12bによって区切られた複数の磁区14aと、下部磁
性層3の周囲と磁壁12bから磁壁12bによって分割
された複数の磁区14bが形成されている。そして、隣
り合った磁区14aと磁区14bの磁化方向は環状に連
結し、一つの還流磁区が形成されている。磁壁12aは
記録媒体摺動面Aに対して平行となるように形成されて
おり、記録媒体に記録されているデータを読み込む時に
生じる磁界に対して安定した状態であるので、磁壁12
aは移動しない。よって、バルクハウゼンノイズを抑制
することができる。
【0024】また、磁壁12aに揺らぎが生じることが
なく、磁区14a内部が記録媒体に記録されたデータの
磁界を受けても、磁区14a内部の磁化方向が変化する
ことはなく安定な状態となる。よって、磁化方向に揺ら
ぎが生じることなく、ウィグルノイズが生じることはな
い。
なく、磁区14a内部が記録媒体に記録されたデータの
磁界を受けても、磁区14a内部の磁化方向が変化する
ことはなく安定な状態となる。よって、磁化方向に揺ら
ぎが生じることなく、ウィグルノイズが生じることはな
い。
【0025】下地層2の上面に形成された突起10の形
成位置,形成方向,形成数を制御することにより、磁壁
12aの位置,方向,数を制御することができるので、
本形態では、突起10の形成位置,形成方向,形成数を
制御して、下部磁性層3の形状に最も適した磁区を発生
させ、下部磁性層3の磁化特性を最良のものにしてい
る。
成位置,形成方向,形成数を制御することにより、磁壁
12aの位置,方向,数を制御することができるので、
本形態では、突起10の形成位置,形成方向,形成数を
制御して、下部磁性層3の形状に最も適した磁区を発生
させ、下部磁性層3の磁化特性を最良のものにしてい
る。
【0026】本形態では、下地層2の表面に突起を形成
し、下部磁性層3の表面に凸部を形成しているが、本発
明に係る薄膜磁気ヘッドでは、下地層2に溝や孔部を形
成することにより、下部磁性層3の表面に凹部を形成し
てもよい。係る場合でも、形状異方性により、凹部の形
成位置に磁壁が生じるので、凹部(溝や孔部)の形成位
置,形成方向,形成数を制御して、バルクハウゼンノイ
ズ,ウィグルノイズを抑制することができる。
し、下部磁性層3の表面に凸部を形成しているが、本発
明に係る薄膜磁気ヘッドでは、下地層2に溝や孔部を形
成することにより、下部磁性層3の表面に凹部を形成し
てもよい。係る場合でも、形状異方性により、凹部の形
成位置に磁壁が生じるので、凹部(溝や孔部)の形成位
置,形成方向,形成数を制御して、バルクハウゼンノイ
ズ,ウィグルノイズを抑制することができる。
【0027】そして、下部磁性層3及び第1下地層2の
上方に、複数の絶縁層,複数のコイル層を順次形成す
る。そして、最上層となる絶縁層,コイル層の上方にレ
ジストが塗布され、係るレジストを焼成することによ
り、ハードベークレジスト層が形成されている。係るハ
ードベークレジスト層の表面は平坦かつ滑らかとなって
いる。係るハードベークレジスト層の上面所定位置に、
パーマロイ等をスパッタすることにより、上部磁性層が
形成されている。そして、形成された各層の上方にアル
ミナ等をスパッタして保護膜を形成している。
上方に、複数の絶縁層,複数のコイル層を順次形成す
る。そして、最上層となる絶縁層,コイル層の上方にレ
ジストが塗布され、係るレジストを焼成することによ
り、ハードベークレジスト層が形成されている。係るハ
ードベークレジスト層の表面は平坦かつ滑らかとなって
いる。係るハードベークレジスト層の上面所定位置に、
パーマロイ等をスパッタすることにより、上部磁性層が
形成されている。そして、形成された各層の上方にアル
ミナ等をスパッタして保護膜を形成している。
【0028】上記した各層が形成された基板を所定位置
で切断することにより、一度に多数の薄膜磁気ヘッドが
形成されている。このとき形成された薄膜磁気ヘッドは
下部磁極層3の磁壁12aの方向は突起10の形成方向
によって誘導されているので、基板の位置によって磁壁
方向のばらつきが生じることが可及的に抑制され、製品
の歩留まりは向上する。
で切断することにより、一度に多数の薄膜磁気ヘッドが
形成されている。このとき形成された薄膜磁気ヘッドは
下部磁極層3の磁壁12aの方向は突起10の形成方向
によって誘導されているので、基板の位置によって磁壁
方向のばらつきが生じることが可及的に抑制され、製品
の歩留まりは向上する。
【0029】本形態では、下部磁性層について説明した
が、下部シールド層についても同様のことがいえる。さ
らに、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、上部磁性層等
に凸部あるいは凹部を形成してもよい。すなわち、上部
磁性層の下地層となるハードベークされたレジスト層の
上方にアルミナ等の絶縁物をスパッタして、記録媒体摺
動面Aに平行となる突起を形成する。すると、上部磁性
層に突起と同じ形状の凸部が生じるので、係る凸部の形
成位置に磁壁が生じる。係る磁壁は記録媒体に記録され
たデータによる磁界に対して安定状態となるので、バル
クハウゼンノイズ,ウィグルノイズの発生をより抑制す
ることができ、薄膜磁気ヘッドの磁気特性を良好にする
ことができ、データの再現性を良好にすることができ
る。
が、下部シールド層についても同様のことがいえる。さ
らに、本発明に係る薄膜磁気ヘッドでは、上部磁性層等
に凸部あるいは凹部を形成してもよい。すなわち、上部
磁性層の下地層となるハードベークされたレジスト層の
上方にアルミナ等の絶縁物をスパッタして、記録媒体摺
動面Aに平行となる突起を形成する。すると、上部磁性
層に突起と同じ形状の凸部が生じるので、係る凸部の形
成位置に磁壁が生じる。係る磁壁は記録媒体に記録され
たデータによる磁界に対して安定状態となるので、バル
クハウゼンノイズ,ウィグルノイズの発生をより抑制す
ることができ、薄膜磁気ヘッドの磁気特性を良好にする
ことができ、データの再現性を良好にすることができ
る。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る薄膜磁気ヘ
ッドでは、下地層の表面に記録媒体摺動面に平行な段差
を形成することにより、下地層の表面に形成された下部
磁極層にも段差が生じる。係る段差に沿って生じた下部
磁性層の磁壁は、記録媒体に記録されたデータの磁界に
対して安定状態なので、磁壁の移動や揺らぎは生じな
い。そのため、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズ
の発生を抑制することができる。よって、データの再現
性を良好にすることができる。
ッドでは、下地層の表面に記録媒体摺動面に平行な段差
を形成することにより、下地層の表面に形成された下部
磁極層にも段差が生じる。係る段差に沿って生じた下部
磁性層の磁壁は、記録媒体に記録されたデータの磁界に
対して安定状態なので、磁壁の移動や揺らぎは生じな
い。そのため、バルクハウゼンノイズ,ウィグルノイズ
の発生を抑制することができる。よって、データの再現
性を良好にすることができる。
【0031】磁壁の方向,位置,数は段差の形成方向,
形成位置,形成数によって調整できる。よって、磁性層
の形状に合わせて磁壁の方向,位置,数を調整すること
で、磁性層の磁化特性を最も良好にすることができる。
さらに、所定層(下部磁性層を含む)が形成された基板
を所定位置で切断することによって形成された複数の薄
膜磁気ヘッドにおいて、磁壁の方向,位置,数にばらつ
きを生じることが可及的に抑制され、縦割れ磁壁の発生
を防止し、製品の歩留まりを向上することができる。
形成位置,形成数によって調整できる。よって、磁性層
の形状に合わせて磁壁の方向,位置,数を調整すること
で、磁性層の磁化特性を最も良好にすることができる。
さらに、所定層(下部磁性層を含む)が形成された基板
を所定位置で切断することによって形成された複数の薄
膜磁気ヘッドにおいて、磁壁の方向,位置,数にばらつ
きを生じることが可及的に抑制され、縦割れ磁壁の発生
を防止し、製品の歩留まりを向上することができる。
【図1】(A)は本発明に係る薄膜磁気ヘッドの第1の
実施の形態における基板から下部磁性層までの構造を説
明するための図である。(B)は下部磁性層に生じる磁
壁,磁区を説明するための図である。
実施の形態における基板から下部磁性層までの構造を説
明するための図である。(B)は下部磁性層に生じる磁
壁,磁区を説明するための図である。
【図2】(A)は従来の薄膜磁気ヘッドの基板から下部
磁性層までの構造を説明するための図である。(B)は
従来の薄膜磁気ヘッドの下部磁極層に生じる磁壁,磁区
を説明するための図である。
磁性層までの構造を説明するための図である。(B)は
従来の薄膜磁気ヘッドの下部磁極層に生じる磁壁,磁区
を説明するための図である。
2 下地層 3 下部磁性層 10 突起 A 記録媒体摺動面
Claims (3)
- 【請求項1】 表面に複数の段差(10)を設けられた
下地層(2)を備え、 前記段差は直線形状に設けられており、 前記複数の段差は記録媒体摺動面(A)と平行となるよ
うに設けられており、 前記下地層の上面に形成された磁性層(3)を備えたこ
とを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】 前記磁性層(3)は下部シールド層また
は下部磁性層であることを特徴とする請求項1に記載の
薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】 前記段差(10)が前記磁性層(3)の
形成範囲内に形成され、 前記段差の長手方向の長さが前記磁性層の幅よりも短い
ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘ
ッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19796397A JPH1131306A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 薄膜磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19796397A JPH1131306A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 薄膜磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1131306A true JPH1131306A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16383240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19796397A Withdrawn JPH1131306A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | 薄膜磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1131306A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002207071A (ja) * | 2001-01-10 | 2002-07-26 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 磁気検知素子及びこの素子を用いた方位検知システム |
JP2009519452A (ja) * | 2005-12-14 | 2009-05-14 | コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク | 小型磁気コア、小型磁気コアを備えるセンサ、および小型磁気コアの製造方法 |
US20100214698A1 (en) * | 2009-02-24 | 2010-08-26 | Seagate Technology Llc | Domain control in bottom shield of mr sensor |
US8107193B2 (en) | 2010-04-08 | 2012-01-31 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Perpendicular magnetic recording head |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP19796397A patent/JPH1131306A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002207071A (ja) * | 2001-01-10 | 2002-07-26 | Tohoku Ricoh Co Ltd | 磁気検知素子及びこの素子を用いた方位検知システム |
JP4575602B2 (ja) * | 2001-01-10 | 2010-11-04 | 東北リコー株式会社 | 磁気検知素子 |
JP2009519452A (ja) * | 2005-12-14 | 2009-05-14 | コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク | 小型磁気コア、小型磁気コアを備えるセンサ、および小型磁気コアの製造方法 |
US20100214698A1 (en) * | 2009-02-24 | 2010-08-26 | Seagate Technology Llc | Domain control in bottom shield of mr sensor |
US8194360B2 (en) * | 2009-02-24 | 2012-06-05 | Seagate Technology Llc | Domain control in bottom shield of MR sensor |
US8107193B2 (en) | 2010-04-08 | 2012-01-31 | Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. | Perpendicular magnetic recording head |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20041005 |