JPH11312470A - プラズマディスプレイパネルおよびそれを用いた画像表示装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルおよびそれを用いた画像表示装置

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JPH11312470A
JPH11312470A JP10341312A JP34131298A JPH11312470A JP H11312470 A JPH11312470 A JP H11312470A JP 10341312 A JP10341312 A JP 10341312A JP 34131298 A JP34131298 A JP 34131298A JP H11312470 A JPH11312470 A JP H11312470A
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electrodes
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、プラズマディスプレイパネルの高輝
度化、高発光効率化を実現することを目的とする。 【解決手段】本発明は、AC型のプラズマディスプレイ
パネルにおいて、陽光柱を用いたグロ−放電の維持条件
に着目し、陰極暗部の高電界領域と陽光柱の等電位領域
とを効率よく形成して荷電粒子の隔壁拡散を抑制し、セ
ル固有の電流電圧特性(I−V特性)に対して低電流、
低電圧の領域を拡大させることにより、放電効率を最大
化させパネルの輝度、発光効率を向上させることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理端末や平
面型、壁掛けテレビ等に用いられるプラズマディスプレ
イパネルやそれを用いた画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイなどのガス放電型
表示装置は自己発光により表示を行うため、視野角が広
く、表示が見やすい。また、薄型のものが作製できるこ
とや大画面を実現できるなどの特長を持っており、情報
端末機器の表示装置や高品位テレビジョン受像機への応
用が始まっている。プラズマディスプレイは直流駆動型
と交流駆動型に大別される。このうち、交流駆動型のプ
ラズマディスプレイは、電極を覆っている誘電体層のメ
モリー作用によって輝度が高く、保護層の形成などによ
り実用に耐える寿命が得られるようになった。その結
果、プラズマディスプレイは多用途のビデオ・モニタや
テレビとして実用化されている。
【0003】交流駆動型のプラズマディスプレイは、大
きく前面基板、背面基板、前面基板と背面基板との間に
隔壁により区画された画素となる多数のセルを備えた放
電空間領域とから構成されている。前面基板には1対の
表示電極が複数形成され、背面基板にはこの表示電極と
ほぼ直交するようにアドレス電極が複数形成されてい
る。そして、アドレス電極と表示電極間にパルス電圧を
印加することにより、前面基板、背面基板及び隔壁によ
り形成される各セル内に補助放電を発生させ、この補助
放電を利用して、前面基板の各セルに対して形成されて
いる1対の表示電極間に印加されたパルス電圧による主
放電を発生させ、この主放電により生じる紫外線により
蛍光体を発光させ、この蛍光体からの光を前面基板を透
過させて表示発光動作を行っている。
【0004】このように、従来の交流駆動型のプラズマ
ディスプレイでは、1対の表示電極における面放電によ
り表示発光動作を行っていた。これについては、特開平
5−190099号公報等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、可視光を取り出す前面基板に不透明電極(バス電
極)が形成され、かつ誤放電を防止するために隣接する
表示電極間に所定のギャップが形成されていたため、表
示に寄与しない領域が多数存在し、表示セルの開口率向
上の妨げとなっていた。すなわち、輝度を向上させるこ
とに問題があった。
【0006】また、上記従来技術では、隔壁の高さ方向
の放電領域が表示電極近傍に限定されるため、隔壁に塗
布した蛍光体全てを発光させようとすると、形成する隔
壁の高さが制限され、蛍光体塗布面積を増加させて輝度
を向上させるには一定の限界があった。一般に、従来の
表示セルサイズに対する隔壁高さのアスペクト比は1を
大幅に下回っていた。
【0007】また、上記従来技術では、表示電極間の面
放電を利用するため、放電電流が流れるに従い壁電荷が
両電極先端部から逆バイアスに形成され、表示電極間の
電界強度Eは減少していく。このため、放電電流を一定
に維持することが困難であり、放電効率を向上させるこ
とに問題があった。
【0008】以上のように、従来のAC型プラズマデスプ
レイパネルでは、その構造や動作原理からパネルの輝度
や放電効率を向上させるのに問題があり、パネルの発光
効率を向上させるのには一定の限界があった。
【0009】本発明の第一の目的は、パネルの発光効率
を向上させた全く新規なAC型プラズマデスプレイパネル
を提供することにある。
【0010】また、上記従来技術では、表示電極が前面
基板上に形成されるためセルサイズの制約等から表示電
極間ギャップを大きくとることができなかった。このた
め表示電極間で発生するグロー放電(プラズマ)の放電
モードは負グローに制約され、その放電効率の向上に一
定の限界があった。
【0011】本発明の第二の目的は、陽光柱を形成して
放電効率を向上させたAC型プラズマデスプレイパネルを
提供することにある。
【0012】現在、我々は、これらの問題を解決する構
造として、陽光柱を形成したグロ−放電を用いたAC型プ
ラズマディスプレイパネルについて研究・開発してい
る。
【0013】図26は、そのプラズマディスプレイパネ
ル1の構造である。これは、駆動回路系に接続される電
極を有する前面基板3と背面基板4、及びこれらに挟ま
れる側面を蛍光体21で塗布された隔壁5とにより周囲
を囲んだ複数個の表示セル2を形成し、該前面基板3に
一つの平面電極を該複数個の表示セル2の共通表示電極
10として形成し、該背面基板4に複数のライン状電極
からなる表示電極群17とトリガ−電極群15とを互い
に交差させ該表示セル2と交差部とを対応させて形成し
た対向表示電極形の構造としたものである。この構造で
あれば、従来困難であった陽光柱の形成が可能となり、
また、構造上表示セル2の開口率と蛍光体塗布面積が大
幅に増加させることもできるので、従来のAC形の構造
に比べて高発光効率化と高輝度化を同時に実現できる。
なお、隔壁5は誘電体材料で構成している。更に、表示
発光放電の安定性から、該複数個の表示セル2の共通表
示電極10として形成した一つの平面電極を複数のライ
ン状電極からなる表示電極とし、両方の表示電極ライン
を平行になるように配置する場合もある。
【0014】しかし、このようなプラズマデスプレイパ
ネルにおいて隔壁5を誘電体材料で構成すると、陽光柱
形成時の隔壁5への荷電粒子の拡散が放電効率の低下に
つながることが我々の研究により明らかになった。
【0015】図22は、図26に示す構造における表示
セル2の中心軸(Z軸)方向50の電位分方布Viであ
る。これは、対となる表示電極(X電極、Y電極)におい
て、一方をアノ−ド電極、他方をカソ−ド電極とし、そ
れぞれに例えば表示パルス電圧VA (零ボルト)、 VK
(負の電圧Vsus)を印加した場合の電位分布状態であ
り、発光放電前の誘電体隔壁の電位Vdと、発光放電直
後の誘電体隔壁の電位Vw及びそのセル空間内のプラズ
マ電位Vpの電位分布状態である。
【0016】図から分かるように、発光放電前の誘電体
隔壁49の電位Vdoは、零ボルトのアノ−ド電位VAから
負の表示パルス電圧Vsusに設定したカソ−ド電位VKへ
ほぼ直線的に変化した状態となる。この状態で発光放電
が行われると、電子が誘電体隔壁に拡散し付着するた
め、発光放電後の誘電体隔壁の電位Vdoは、誘電体隔壁
の表面電位Vwへ低下する。これは、発光放電時におい
て誘電体隔壁の表面がほぼ一定の電位分布となるよう
に、誘電体隔壁の表面へ荷電粒子が拡散、付着して負の
壁電圧Vqを見掛け上形成するためである。この誘電体
隔壁表面における負の壁電圧Vqの形成が、余分なエネ
ルギー損失となり、その放電効率を低下させる要因の一
つとなっていた。
【0017】一方、このとき発生するプラズマと誘電体
隔壁との間には、図23に示すようにいわゆるイオンシ
−スがシ−スの厚さδをもつように形成されており、こ
のプラズマ電位Vpと誘電体隔壁の表面電位Vwとの間に
は、電子温度Teに比例する浮遊電位Vf(Vfmax)が発
生する。
【0018】この浮遊電位Vf( Vfmax)は、陽光柱が
形成される領域(Z軸方向)では、電子温度Teがほぼ
等しいため一定の値をとる。しかし、荷電粒子の隔壁拡
散等により電離エネルギーが不足して電子密度neが減
少すると、新たに導いた関係式である式(1)から浮遊
電位Vf(Vfmax)を十分に発生させることができなく
なる。あるいは浮遊電位Vf(Vfmax)を維持するため
にイオンシースの厚さδが増加する。
【0019】Vf∝ ne・δ2………(1) このイオンシースの厚さδが増加して管半径r、或は矩
形形状セルでは最小セルサイズを越えるようになると、
図23に示すようにプラズマの半径rpが減少してプラ
ズマが立ちにくくなりグロー放電を安定に維持できなく
なる。この場合、グロー放電を安定に維持するには、放
電維持電流I(電流密度J)を増加させて電離エネルギ
ーを大幅に増加させて浮遊電位Vf’や電子密度neを増
加させ、あるいはイオンシースの厚さδ’を減少させて
安定なプラズマ電位Vp’を形成しなければならない。
このため、誘電体隔壁を用いた場合は、グロー放電にお
いて陽光柱を形成できても放電維持電流が増加するため
放電効率の向上に限界があり、発光効率ηは大幅に低下
していた。
【0020】本発明の第三の目的は、プラズマデスプレ
イパネルにおける放電効率を向上させることにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記第一の目
的を達成するために、複数個のアドレス電極と該アドレ
ス電極と交差するように配置した複数個の第一の表示電
極とを有する背面基板と、該複数個の第一の表示電極に
対向して配置した複数個の第二の表示電極を有する前面
基板とを少なくとも備え、該第二の表示電極と、該アド
レス電極を用いてアドレスした該第一の表示電極との間
で放電させるようしたものである。
【0022】このように表示電極構造を対向電極構造と
することにより、第一、第二の表示電極間のギャップ長
を表示電極面内においてほぼ一定にすることが可能とな
った。また対となる表示電極を前面基板と背面基板とに
別個に形成してそれぞれの電極面積を広くすることも可
能となるので安定した放電現象を発生させることができ
た。すなわち、壁電荷が両表示電極間に形成されても表
示電極面内のギャップ長が一定であるため、安定した一
定の放電電流を保つ(電流密度一定)ことができ、更に
電極面積を広く形成できるため発光デューティを上げる
ことができ、十分な発光効率が得られるようになった。
【0023】また、このように表示電極構造を対向電極
構造とすることにより、透明電極と不透明電極(バス電
極)とで形成される第二の表示電極の配線抵抗は、前述
のように各電極幅を平面的に広くとれるのでその低抵抗
化を容易に実現することができた。同様に、背面基板に
は第一の表示電極だけを形成すればよいので、従来の面
放電形における第一の表示電極よりも電極幅を広くと
れ、電極の配線抵抗を大幅に低減させることができた。
このように配線抵抗の大幅な低減を実現することで、パ
ネルの低消費電力化を実現し、発光効率を向上させるこ
とができた。また、表示電極に発生する駆動時の電圧降
下分を大幅に低減できるため、動作マージンも増加させ
ることもできた。
【0024】また、このように表示電極構造を対向電極
構造とすることにより、高アスペクト比の隔壁を用いる
ことが可能となり、蛍光体を塗布する隔壁面積が大幅に
増加し、可視光の取り出し効率を増加させることができ
た。すなわち、パネルの発光効率を向上させることがで
きた。
【0025】また、上記構造において、複数個の第一の
表示電極を各電極に固有となる固有電極(Y電極)と
し、複数個の第二の表示電極をそれぞれに共通な共通電
極(X電極)とすると、その第二の表示電極を表示に寄
与するパネル全面を覆うような一枚の平面電極で形成す
ることが可能となった。このようにパネル全面を覆え
ば、第二の表示電極が低抵抗化されるばかりか、従来の
ような表示電極パターンの透明電極を形成するための高
精度なエッチングプロセスを不要とすることができた。
【0026】一方、このように第二の表示電極を平面電
極にすると、電荷が他の表示セルに移動しやすくなる
が、隔壁を表示セルを囲うように格子状に形成すること
でその電荷の移動を抑制することができ他の表示セルで
の誤放電を防止することが可能となった。
【0027】また、第二の表示電極を平面電極である透
明電極とその上に形成するバス電極とで構成し、さらに
このバス電極を格子状の隔壁と重なるように格子状に形
成すれば、従来のライン上のバス電極に比べて開口率を
減少させることなく第二の表示電極の低抵抗化が図るこ
とができた。すなわち、不透明電極であるバス電極を表
示セルの隔壁の形状に合わせるように形成することによ
り、表示セルの開口率は不透明電極の形状寸法に依存し
ないため大幅に向上され、輝度向上を実現することがで
きた。
【0028】更に、第二の表示電極の透明電極パタ−ン
を第一の表示電極(不透明電極)と同様なライン状電極
パタ−ンとして形成することにより、壁電荷形成等に対
する繰り返し放電特性の安定性を大幅に向上させてい
る。この時の両表示電極は、互いに平行、又は垂直に配
置される。上記した透明電極上に形成されたバス電極は
格子状の隔壁と重なるように形成されているため、表示
電極の低抵抗化、表示セルの開口率向上、及び各電極と
の電極間容量低減(ラインパタ−ンを形成することによ
り平面電極に開口部が発生し、電極面積が減少)を確保
できた。特に、バス電極形状の影響が出にくいためパネ
ルの高精細化に対して有利となる。
【0029】さらに、本発明は、上記第二の目的を達成
するために、複数個のアドレス電極と該アドレス電極と
交差するように配置した複数個の第一の表示電極とを有
する背面基板と、該複数個の第一の表示電極に対向して
配置した複数個の第二の表示電極を有する前面基板とを
少なくとも備え、該第二の表示電極と、該アドレス電極
を用いてアドレスした該第一の表示電極との間で陽光柱
を形成して放電させるようしたものである。
【0030】このように表示電極構造を対向電極構造と
することにより、パネルを高精細化するために放電セル
寸法が制限されても陽光柱形成に必要な第一、第二表示
電極間の距離を確保することができた。従って、上記構
造により陽光柱が形成できるので、負グロ−の場合に比
べてその放電効率を高くすることができた。放電効率は
単位電力当りの紫外線の発生量であり、紫外線が蛍光体
を励起して可視光を発生させている。ここで陽光柱と
は、グロー放電の正規グローモードにおける発光状態の
一つである。すなわち、陰極から陽極に向かって順に陰
極暗部、負グロー、ファラデー暗部、陽光柱が形成され
るが、その中で主として陽光柱を用いて紫外線を発生さ
せ表示発光動作を行う。陽光柱の放電効率が負グロ−よ
りも高いためである。なお、この陽光柱部は、陽光柱の
軸方向に一定の電界強度が発生する。この電界強度は、
表示放電セルの壁面方向単位長さ当たりに電子が得るエ
ネルギーと弾性衝突等により失うエネルギーで決定され
るため、隔壁拡散が蛍光灯の様に抑制されていれば陽光
柱の放電発光特性は放電セルの壁面方向長さに支配され
対向電極間のギャップ長には支配されない。従って、陽
光柱が安定に形成できるギャップ長さえ確保できれば、
それ以上にギャップ長を大きくしても隔壁近傍に大きな
電界強度を発生させず、かつ正規グロー放電を維持する
ための放電維持電流(放電電流密度)を十分に低下させ
ることができた。
【0031】しかし、パネルのセルサイズ、または管径
が十分に小さくなると隔壁拡散によるエネルギ−損失が
無視できなくなる。これを改善するため、前面基板と背
面基板との間に配置される隔壁を表面を絶縁したメタル
隔壁にして一定のバイアス電圧を印加する方法を用い
た。これにより、絶縁(誘電体)層表面近傍に形成され
るイオンシースを介して陽光柱形成部に必要な壁面方向
の電界強度(電位差)を安定、かつ効率的に維持するこ
とができ、放電効率を大幅に向上させる陽光柱を形成す
ることができた。
【0032】これまで、陽光柱を安定に形成するために
放電維持電流を増加させ電流密度が一定のレベルを越え
ていたため、放電の安定性とは別に紫外線飽和が起き放
電効率の向上に一定の限界があった。メタル隔壁にバイ
アス電圧を印加しメタル表面の誘電体層に壁電圧(壁電
荷)を形成する手段を用いることにより、荷電粒子の中
和を抑制して隔壁拡散による余分なエネルギ−損失を減
少させるため放電維持電流(電流密度)を減少させても
放電を安定に維持できるようになった。これにより、紫
外線飽和を発生させず放電維持に必要な電荷量(放電の
維持に必要な最小の電流)を確保して放電効率を向上さ
せることができた。
【0033】更に、このメタル隔壁を表面を絶縁したメ
タル板を積層するように形成し、少なくとも一つのメタ
ル板にバイアス電圧を印加すれば、絶縁(誘電体)層で
覆ったメタルの積層間に構造上セルフバイアスされる形
で軸方向の電界強度(電位差)を持たせることができる
ため、陽光柱形成部に必要な電界強度(電位差)を前述
した一つのメタル板による場合に比べて効率的かつ安定
に形成することができた。このようにして、安定な陽光
柱を形成できたことにより、正規グロー放電の放電維持
電流密度を十分に低下させることができ、紫外線飽和の
ない条件で陽光柱を形成し放電効率を最大化させること
ができた。
【0034】なお、これまで説明してきた対向電極構造
は、対向するX−Y表示電極間のギャップ長を増加さ
せ、ギャップ長に依存する放電開始電圧Voの増加や隣
接セルに及ぼす電界クロストーク、電荷クロストークの
増加という駆動上の問題があるが、前述のように側面を
絶縁材料で覆ったメタル隔壁を用い、かつバイアス電圧
印加で電位を適正化することにより、X−Y表示電極間
のギャップ長の実効的な低減(電極間の電界強度増加)
と隣接セル間のシールドによる電界漏洩防止やこれに伴
う不要電荷の形成防止を実現して解決することができ
た。
【0035】具体的には、このメタル隔壁により第一、
第二の表示電極間の実効的なギャップ長を低減できるた
め放電開始電圧Vo、つまり最初の放電発光時における
動作点電圧を低下させることができた。
【0036】動作点電流である放電維持電流を制御し放
電効率を適正化するために負荷直線(負荷抵抗、電流制
限抵抗)を用いている。この動作点はセル固有の電流電
圧特性(I−V特性)と負荷直線の交点で設定される。
セル固有のI−V特性は、本発明により隔壁拡散を抑制
しているため、従来の特性に比べて低電流領域(正規グ
ロ−放電領域)が拡大されている。このため、負荷直線
により設定される動作点電流はこれまでよりも安定に一
桁以上低減できている。
【0037】AC型駆動のセル構造では壁電圧が表示電
極上に形成されるため正規グロ−電圧Vnに影響を与え
る。この正規グロ−電圧Vnは、主に陰極降下電圧Vc、
陽光柱部の軸方向電位(軸方向電界強度Eと電極間ギャ
ップにほぼ等しい長さとの積)で与えられる。AC型駆
動で陽光柱を形成する場合、DC型駆動に比べて放電開
始時に壁電圧を利用できるため正規グロー電圧Vn、つ
まり陰極降下電圧Vcを見掛け上減少させる効果が得ら
れた。従って、AC型駆動は、セル固有のI−V特性に
対して壁電圧の発生により見掛け上動作点電圧(正規グ
ロー電圧Vn)を壁電圧の分だけ減少させることができ
た。
【0038】以上から、AC型駆動で陽光柱の隔壁拡散
を抑制することにより、I−V特性の正規グロ−放電領
域を低電流、低電圧化させている。これにより、安定な
放電(陽光柱)を維持(形成)しながら負荷直線による
動作点電流、動作点電圧を同時に減少させることができ
た。動作点の低電流低電圧化により、消費電力の減少と
同時に適正な放電維持電流(電流密度)を得ることがで
き、放電効率を大幅に向上させることができた。
【0039】駆動回路系に接続される電極を有する前面
基板と背面基板、及びこれらに挟まれる隔壁とにより周
囲を囲む多数個の表示セルを形成したプラズマディスプ
レイパネルにおいて、該隔壁を表面を絶縁したひとつの
シート状金属板、ないし表面を絶縁した複数のシート状
金属板の積み重ねで形成し、バイアス電圧を印加するた
め該隔壁の少なくとも一つのシ−トを該駆動回路系に接
続した構造とし、該電極及びバイアス電圧を印加する少
なくとも一つのシ−トをもつ該隔壁に各々適正な負荷抵
抗を接続することで解決することができた。
【0040】これにより、選択された表示セル内のA−
Y電極間でアドレス放電を起こしてY電極に壁電荷を形
成し、壁電荷の形成されたY電極とバイアス電圧を印加
された電極となるメタル隔壁との間で予備放電を起こす
ことで、この時発生したプライミング粒子によりX−Y
表示電極間の放電開始電圧Vox-yが低下し、壁電圧の分
低下した放電維持電圧で放電を安定に維持できた。
【0041】更に、このメタル隔壁構造により、誘電体
隔壁で周辺を覆った表示セルに見られた光が透過する現
象(光クロストーク)も同時に解決することができた。
【0042】この対向放電電極構造には、加工組立、放
電開始電圧、及び各種クロストークを考慮してメタル隔
壁を使用している。
【0043】また、メタル隔壁を用いた場合、対向する
X−Y表示電極間の容量が増加するため、1パルス当た
りCV2に比例して消費電力が増加してしまうが、メタ
ル隔壁と前面基板または背面基板との接触或は接続を、
メタル隔壁側または前面基板、背面基板側に形成した複
数の凸部を介して行うことでその増加を抑制することが
できた。
【0044】具体的には、駆動回路系に接続される電極
を有する前面基板と背面基板、及びこれらに挟まれる隔
壁とにより周囲が囲まれた複数個の表示セルを形成した
プラズマディスプレイパネルにおいて、該隔壁が該前面
基板または該背面基板と対向する面に対して複数の凸部
を形成し、該凸部が該前面基板または該背面基板に形成
された該電極と重ならないように配置することでメタル
隔壁による容量の増加等を抑制することができた。ま
た、前記前面基板にひとつの平面電極を前記複数個の表
示セルの共通表示電極として形成した場合は、前記隔壁
の該凸部が重ならないように前記平面電極に局部的な開
口部を設けることが好ましい。これにより、メタル隔壁
と前面基板または背面基板との接触或は接続面積を低減
してX−Y電極間容量を低減することができた。この場
合、凸部が前面基板または背面基板に形成された各電極
形状と重ならないように配置することが好ましい。ま
た、電極表面は絶縁層の耐圧向上が要求されるので、メ
タル隔壁を複数枚の表面を絶縁したメタル板で積層する
場合、全てのメタル板をバイアス電圧を印加する(駆
動)電極としないことが好ましい。なお、このメタル隔
壁を従来の面放電型のプラズマデスプレイパネルに適用
したとしても、対向して配置されるアドレス電極と表示
電極との間の容量等を抑制することはできる。
【0045】その他、これまで説明してきたアドレス電
極Aと、表示電極Yのクロス構造において、アドレス電
極Aと表示電極Yの間の絶縁層厚さを減少させて放電開
始電圧Voa-yを低減させようとすると、絶縁層の耐圧が
減少してパネルの信頼度が低下したり、電極間容量の増
加で1パルス当たりCV2に比例して消費電力も増加す
ると言った問題が生じるが、背面基板が絶縁基板上に第
一の絶縁層、A電極、第二の絶縁層、Y電極、及び第三
の絶縁層の順に形成された表示セル内の構造において、
第二の絶縁層とY電極の間にY電極を形成するための第
四の絶縁層を単層または多層構成(ピンホ−ル等の欠陥
を防止)で形成すことにより解決できた。
【0046】また、逆にアドレス電極Aと、表示電極Y
のクロス構造において、アドレス電極Aと表示電極Yの
間の絶縁層厚さを増加させて電極間の容量低減と絶縁層
耐圧向上を図ろうとすると、放電開始電圧Voa-yが増加
し駆動ICの高耐圧化が必要になるが、背面基板が絶縁
基板上に第一の絶縁層、A電極、第二の絶縁層、Y電
極、及び第三の絶縁層の順に形成された表示セル内の構
造において、第三の絶縁層がY電極周辺を被覆し、かつ
少なくとも第二の絶縁層を被覆しない部分を残して形成
することにより解決できた。
【0047】また、本発明は、前記第三の目的を達成す
るため、これまでの研究で見い出してきた基本的な動作
原理に基づいている。
【0048】原理は、グロ−放電の維持条件に着目し、
以下に述べるように陰極暗部の高電界領域と陽光柱の等
電位領域とを同時かつ効率よく形成させる手段を用いて
いる。
【0049】対向表示電極間に表面を絶縁した高アスペ
クト比形状のメタル隔壁を配置し、このメタル隔壁にア
ノ−ド電極とほぼ等しい電圧を印加することにより、メ
タル隔壁の表面誘電体層に壁電圧Vw(壁電荷Qw=C・
Vw。但し、Cはメタル表面の誘電体容量を表す)を発
生させる。壁電圧Vwの発生に用いる壁電荷が、繰り返
し放電中に消耗されない或いは交換不要になるために、
陽光柱の等電位領域がアノ−ド電位とほぼ等しいこと利
用して常時アノ−ド電極とする。つまり、メタル隔壁の
駆動回路を不要にし、かつパネルセル構造内部にグラン
ドを配置して安定駆動させるため、アノ−ド電極をグラ
ンド接地とする。安定した壁電圧Vwがセルフバランス
により形成され、セルサイズ(管径)の減少に伴う荷電
粒子の隔壁拡散(エネルギ−損失)が大幅に抑制されプ
ラズマ(陽光柱)を効率よく形成させる。
【0050】更に、隔壁拡散の抑制に加え、AC型駆動
による表示電極上の壁電圧Vq形成とにより、セル固有
のI−V特性(正規グロ−放電領域)をそれぞれ低電
流、低電圧化させ、負荷直線による動作点電流、電圧を
大幅に減少させ、紫外線飽和(輝度飽和)を発生しない
必要最小限の低い電流密度でも放電を安定に維持させて
いる。
【0051】これまで隔壁拡散の抑制が不十分であると
陽光柱を形成できても放電を安定に維持することができ
ないため放電維持電流を増加させる必要があり、エネル
ギ−損失を増加させるため放電効率の向上に一定の限界
があった。
【0052】上記した原理を用いることにより放電維持
電流を適正化でき、紫外線飽和(輝度飽和)を発生しな
い必要最小限の低い電流密度で放電を安定に維持できる
ようになり、従来に比べて放電効率を一桁以上も向上で
きた。
【0053】更に、プラズマディスプレイパネル以外に
もグロ−放電を用いて陽光柱を形成させる電子装置に対
して適用でき、放電効率つまり紫外線発生効率を少なく
とも向上させることができる。
【0054】このようにして、図26に示す構造におい
て隔壁をメタル隔壁とし、かつバイアス電圧を印加する
ことにより、図20、図21に示すような陽光柱を形成
したグロ−放電の基本特性である、陽光柱部全体にアノ
−ド電位VA とほぼ同電位の等電位領域と、陰極暗部の
高電界領域とを各々形成することで浮遊電位Vf(Vfma
x)や壁電圧Vqを大幅に減少させることができた。
【0055】すなわち、本発明は、上記第三の目的を達
成するために、駆動回路系に接続される電極を有する前
面基板と背面基板、及びこれらに挟まれる表面を絶縁し
たメタル隔壁とにより周囲を囲んだ複数個の表示セルを
形成し、該前面基板に一つの平面電極を該複数個の表示
セルの共通表示電極として形成(複数のライン状電極か
らなる共通表示電極でもよい)し、該背面基板に複数の
ライン状電極からなる表示電極群とトリガ−(アドレ
ス)電極群とを互いに交差させ該表示セルと該交差部と
を対応させて形成した対向表示電極形のプラズマディス
プレイパネルであり、書き込み放電により該表示電極群
と該トリガ−電極群とで選択された該表示セルに対して
該表示電極群と該共通表示電極との間でグロ−放電を発
生させ、該グロ−放電で形成された陽光柱部にアノ−ド
電位VAにほぼ等しい該メタル隔壁のメタル電位Vmを
用いて等電位領域を形成し、かつ陰極暗部にこのメタル
電位Vmとカソ−ド電位VKとで高電界領域を形成させ
るものである。
【0056】(1)陽光柱部への等電位領域の形成 図20、図21に示すように、メタル隔壁5を用いて一
定のメタル電位Vmをもつ等電位領域を形成して陽光柱
部のプラズマ電位Vpとほぼ等しくするために、グロ−
放電特性で安定に形成された陽光柱部のプラズマ電位V
pがアノ−ド電位VAにほぼ等しくなる性質を利用して、
表示電極群と共通表示電極のうちの一方をアノ−ド電
極、他方をカソ−ド電極とする2つの表示パルス電圧V
A、 VKに対して、アノ−ド電極に印加される表示パルス
電圧VAを該メタル電位Vmとほぼ等しくすることによ
り、必要とする等電位領域を形成させることとした。こ
の動作の中で、カソ−ド電極のみに負のパルス電圧を与
え、メタル隔壁とアノ−ド電極をグランド接地とするこ
とにより、AC形であるため対向表示電極が互いにアノ
−ド電極とカソ−ド電極とで入れ替わってもメタル隔壁
はアノ−ド電極、つまりグランド接地(直流バイアス電
位)に維持される。このため、パネル内部に配置したメ
タル隔壁は実効的なグランドプレ−ンを形成し、メタル
隔壁が表示電極、共通表示電極、及びアドレス電極と非
常に近接配置されるため、各電極間やその配線間の浮遊
容量の影響は大幅に減少する。
【0057】ここで、メタル電位Vmの与え方は、上記
したような外部電位(例えば、接地電位)と浮遊容量電
位による2つの方法がある。
【0058】メタル電位Vmを外部電位で与える場合
は、安定度に優れているが、X、Y電極に印加する駆動
波形の直流電圧成分の影響を受ける。これを防ぐため、
発生する直流電圧成分を外部電位に合わせるように設定
する。
【0059】一方、メタル隔壁5の電位Vmを浮遊容量
電位で与える場合は、パネル全体で形成されるメタル隔
壁5と対向電極間との容量分布比[共通表示電極(X電
極)とメタル隔壁電極(M電極)、表示電極群(Y電極
群)とメタル隔壁電極(M電極)の間に形成される2つ
の容量の比]と、対向表示電極間に印加する駆動波形の
直流電圧成分の差(X、Yの2成分の差)とで設定さ
れ、例えば、2つの容量に差がある場合でも、2つの直
流電圧成分を等しくすることによりメタル電位Vmを直
流電圧成分に設定できる。
【0060】また、メタル電位Vmの絶対値は、浮遊容
量電位を考慮した外部電位(接地電位、直流バイアス電
位等)、或はその逆で与え、駆動方式、駆動波形(サブ
フィ−ルド単位、又1TVフィ−ルド単位)の直流電圧
成分の影響や電圧動作マ−ジンの安定度向上を考慮して
ほぼ零ボルト(約±30v以内)に設定することが好ま
しい。
【0061】これにより、アノ−ド電極に印加される表
示パルス電圧VAとメタル電位Vmとをほぼ零ボルトにす
ると同時に、該カソ−ド電極に印加される該表示パルス
電圧VKを負の表示パルス電圧Vsusに設定している。
【0062】なお、接地電位を用いてメタル隔壁5へ流
れる不要な放電電流量を制限する場合は、アノ−ド電極
又はカソ−ド電極に対してメタル隔壁5を高インピ−ダ
ンス(高抵抗)で形成する、又はメタル隔壁5に両方の
表示電極の負荷抵抗よりも十分に高い抵抗を介して接地
している。
【0063】メタル電位Vmを任意の値に設定する場合
は、外部電位と浮遊容量電位の両方で与え、かつ両方の
電位をほぼ等しい値にすれば良い。これにより、直流電
圧成分の影響を十分に取り除き、かつ電圧動作マ−ジン
に対する安定度(X、Y電極電位の安定化)を向上させ
ることができた。
【0064】(2)陰極暗部への高電界領域の形成 次に、メタル隔壁5と表示パルス電圧VKを印加するカソ
−ド電極とのギャップ間隔(図15、図16に示す空間
ギャップ64、65、67、68)を大幅に減少(数十
ミクロン程度)させることにより、陰極暗部への高電界
領域を形成することとした。すなわち、メタル隔壁5と
電極を有する前面基板3、又は背面基板4との間に空間
ギャップを存在させ、どちらか一方の構造(メタル隔
壁、又は前面基板3、背面基板4)にメタル、又は誘電
体の凹部、又は凸部を設けて形成することとした。
【0065】これにより、アノ−ド電極に印加される表
示パルス電圧VA とメタル電位Vmとをほぼ等しくでき、
かつアノ−ド電極とカソ−ド電極との間に印加される表
示パルス電圧の電位差( VA − VK)のほとんどを上記
したメタル隔壁5とカソ−ド電極との空間ギャップに印
加して高電界領域を形成することができた。
【0066】この空間ギャップをさらに表示セル2の構
造からメタル隔壁5と表示電極(群)17、又はメタル
隔壁5と共通表示電極10の交差部付近に形成すれば、
この交差部付近から離れたセル内部の中央部には低電界
領域が形成される。つまり、空間ギャップ65、68の
周辺部に陰極暗部に必要な適正な高電界領域をセルフバ
ランスにより形成させている。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。
【0068】図1は、本発明の一実施例であり、図3に
矢印I−Iで示すプラズマディスプレイパネル1の表示
セル2の断面構造を示す。
【0069】プラズマディスプレイパネル1は、前面基
板3、背面基板4、及びメタル隔壁5から構成される3
ピース構造をとる。
【0070】前面基板3の場合、透明なガラス基板6の
上に透明なSiO2の下地膜7とITO膜の透明電極8
が形成され、更に透明電極8の上に抵抗率ρの小さいバ
ス電極9(9−1、9−2)が形成される。このバス電
極9と透明電極8とで平面電極を構成し、表示セル2の
電極として共通表示電極(X電極)10を形成する。バ
ス電極9は、不透明なAg系等の厚膜導体で形成される
が、Cr/Cu/Crの金属積層膜で数μm程度形成す
ることもできる。また、バス電極9に黒色系の導体材料
を用いることにより、ブラックマトリックスを兼て形成
する場合もある。透明電極8、バス電極9の上には、壁
電荷を蓄積する厚膜(薄膜の場合もある)の誘電体層1
1、2次電子放出係数が大きく耐スパッタ性に優れたM
gO膜の保護層12が順に形成される。保護層12は、
プロセス、及びコスト面から厚膜で形成する場合もあ
る。保護層12に用いる材料として、MgOの外に陰極
降下電圧Vcの低い材料としてBaO、Y23、ZnO、
RuO2等がある。
【0071】背面基板4の場合、ガラス基板13の上に
SiOの下地膜14を形成し、その上にAg系等の厚
膜導体からなるアドレス電極(A電極)15、厚膜の誘
電体層16、Ag系等の厚膜導体からなる表示電極(Y
電極)17、厚膜の誘電体層18a、MgO膜の保護層
19が順に形成される。A電極15、Y電極17に厚膜
導体を用いることにより簡易プロセス、低コスト化を実
現しているが、Cr/Cu/Crの金属積層膜を用いる
こともできる。
【0072】メタル隔壁5は、熱膨張係数をガラス基板
6、13に合せたFe−Ni系の薄板をエッチング加工
等により穴を開けたもので、表面に絶縁性の酸化皮膜2
0(20−1、20−2)を形成している。素材の酸化
皮膜20に代わり、電着により形成したガラス絶縁膜や
イオンプレ−ティングによる酸化アルミ皮膜を用いて絶
縁膜の耐電圧特性を向上させることもできる。メタル隔
壁5に設けられた穴の内側には蛍光体21(21−1、
21−2)がほぼ均一な厚さで形成される。蛍光体21
は背面基板4にメタル隔壁5を接続する前に形成する
が、接続後でも形成できる。メタル隔壁5は、絶縁処理
されたシート状金属板である薄板を複数個積層すること
により高アスペクト比の穴を容易に形成でき、更にシー
ト間容量や表示電極間容量も低減する。
【0073】表示セル2に設けた電極数は3電極であ
り、配置はX電極10とY電極17とが表面に絶縁膜を
有するメタル隔壁5を介して対向し、かつA電極15と
Y極17とが誘電体層16を介して直交している。特
に、メタル隔壁5が後述する電極構造、あるいは電力回
収回路により負荷容量となる電極間の配線容量が駆動上
問題にならない場合、X電極10とY電極17の表面に
形成した誘電体層11、18aの耐電圧を確保すること
により、メタル隔壁5の表面に設けた酸化皮膜20の絶
縁性を完全に要求されることがなく(蛍光体の塗布等に
より耐電圧低下、表面抵抗低下がある程度許容され
る)、更にメタル隔壁5の加工プロセスの簡易化、低コ
スト化を実現させている。
【0074】図2は、プラズマディスプレイパネル1の
前面基板3の側から見た平面図を示す。
【0075】バス電極9のパターンは、表示セル2の開
口部を決めているメタル隔壁5の穴形状22に合せる形
で格子上に形成し、表示セル2の開口面積に影響を与え
ないようにしている。蛍光体21は、穴形状22の内側
に形成されており、表示セル2の長手方向の厚さが短手
方向よりも2倍以上に厚くして発光効率を向上させてい
る。平面構造で形成したITO膜の透明電極8に加え、
格子上に形成したバス電極9の構造によりX電極10の
電極抵抗を減少させて消費電力の大幅な低減と同時に放
電電流が流れることによる駆動電圧の低下防止(動作マ
ージン向上)を実現している。
【0076】図3は、プラズマディスプレイパネル1の
背面基板4の側から見た平面図を示す。
【0077】A電極15とY電極17とは、メタル隔壁
5の穴形状22で示した表示セル2の中央部で交差部2
3を設けた構造をとる。Y電極17の電極幅を穴形状2
2の長手方向に広くとることにより、X電極10の場合
と同様にY電極17の電極抵抗を減少させ消費電力の低
減等を実現している。
【0078】この交差部23の構造は、A電極15とY
電極17との間の放電開始電圧Voと耐電圧Vd、及び負
荷容量Clayを決めている。図1の断面構造と図3の平
面構造から、誘電体層16(図1に示す)の厚みは、放
電開始電圧Voの減少と耐電圧Vdの増加、または放電開
始電圧Voの減少と負荷容量Clayの低減とを同時に満足
できないため一定の条件の基で適正化して用いられる。
耐電圧Vdの増加と負荷容量Clayの低減のみを満足させ
る場合は、誘電体層16(図1に示す)の厚みを増加さ
せればよいが、同時に放電開始電圧Voの減少も満足さ
せる場合は、誘電体層16(図1に示す)の厚みを一定
にして交差部23の面積、つまり電極幅を減少させて用
いる。
【0079】図4は、本発明のもう一つの実施例であ
り、図1に示す背面基板4の他の例を示す断面図を示
す。
【0080】誘電体層16とその上に形成したY電極1
7に対して、誘電体層24がY電極17の周辺部を被覆
し、かつ誘電体層16を被覆しない部分を図1に示した
表示セル2の内部に残している。図1に示した誘電体層
16と誘電体層18aの2層構造において、A電極15
に対して誘電体層18aに代わる誘電体層24を形成す
ることにより、A電極15とY電極17との間の誘電体
層18aの厚さ分が取り除かれ放電開始電圧Voの低電
圧化を実現している。
【0081】図5は、本発明のもう一つの実施例であ
り、図1に示す背面基板4の他の例を示す断面図を示
す。
【0082】誘電体層16とその上に形成したY電極1
7との間にY電極17の下地層となるもう一つの誘電体
層25を形成し、かつこの誘電体層25が誘電体層25
の下地層となる誘電体層16に対して被覆しない部分を
図1に示した表示セル2の内部に残している。また、Y
電極17の上に形成される誘電体層26は、Y電極17
の周辺部を被覆し、かつ誘電体層25の上に形成されて
いる。特に、誘電体層26が誘電体層25に加えて誘電
体層16の上にも形成される場合は、誘電体層26は誘
電体層16に対して被覆しない部分を図1に示した表示
セル2の内部に残している。
【0083】これら2つの誘電体層の構造により、誘電
体層25と誘電体層26の厚さ分により増加せざるをえ
ないA電極15とY電極17との間の放電開始電圧Vo
の増加分を取り除き、かつA電極15とY電極17との
間に挿入した誘電体層25の厚さ分により耐電圧Vdの
増加と負荷容量Clayの低減を実現させている。耐電圧
Vdの増加と負荷容量Clayの低減は、交差部23(図3)
の面積を減少させることに加え、誘電体層25を多層構
造にして厚さを増加させることにより容易に実現してい
る。一方、放電開始電圧Voの低減は、誘電体層16と
誘電体層26の厚さを減少させることにより容易に実現
している。よって、A電極15とY電極17との間の放
電開始電圧Voを増加させずに耐電圧Vdの増加と負荷容
量Clayの低減とを同時に実現する構造を得ている。こ
のように、新たに挿入した誘電体層25と新たな構造条
件を付加した誘電体層26とにより、放電開始電圧Vo
と耐電圧Vd、及び負荷容量Clayに対する構造設計の自
由度を拡げている。
【0084】図6は、本発明のもう一つの実施例であ
り、メタル隔壁5の構造を表す斜視図を示す。
【0085】メタル隔壁5には前記した図1から図5に
おける背面基板4に対向する面に対して複数の凸部28
を設けて、背面基板4との接触面積減少や接触部位置の
特定と共に図3に示す表示セル2内の放電ガスの流入、
排出口を形成している。この凸部は、図3に示す表示セ
ル2の穴形状22に対応して形成される。長手方向29
と短手方向30に曲面状の凹部31、32をエッチング
法等により加工して得られる。凹部31、32の形状
は、電荷クロスト−ク防止のために表示セル2のサイズ
に対して局所的に設ける場合もある。
【0086】図7は、本発明のもう一つの実施例であ
り、メタル隔壁5の構造を表す斜視図を示す。
【0087】同様に、メタル隔壁5には前記した図1か
ら図5における背面基板4に対向する面に対して複数の
凸部34を設けて、背面基板4との接触面積減少や接触
部位置の特定と共に図3に示す表示セル2内の放電ガス
の流入、排出口を形成している。この凸部も、図3に示
す表示セル2の穴形状22に対応して形成される。深さ
に差をつけた長手方向35と短手方向36の矩形上の凹
部37、38は、2段階のエッチング法により加工され
ている。凹部37、38の深さは、図3に示す隣接する
表示セル2間の電荷クロスト−ク防止のため、より厳し
い長手方向35の凹部37を短手方向36の凹部38よ
りも浅くしている。また、メタル隔壁5と各電極間の容
量結合の低減や排気コンダクタンスの増加のため、図6
に比べて凹部37、38の深さを矩形形状により一定に
している。この凸部34は、メタル隔壁5のメタル自体
を加工して形成されているが、穴加工したメタルシ−ト
の表面に誘電体柱により形成される場合もある。ガラス
の場合、格子状に加工されたメタル表面に焼成時の表面
張力を利用した突起を凸部34として形成させる場合も
ある。これにより、一層電極間の容量を低減できる。
【0088】図8、図9は、本発明のもう一つの実施例
であり、各々背面基板4にメタル隔壁5を配置した構造
の平面図、断面図を示す。図9は、図8に矢印IX−I
Xで示す断面図を示す。
【0089】図9に示すメタル隔壁5に形成した凸部4
1は、図8に示す平面上でA電極15とY電極17に対
して重ならないようにほぼ規則的に配置した接触部44
で背面基板4のMgO膜45を通して重なる。これによ
り、メタル隔壁5とA電極15、Y電極17との容量結
合が大幅に緩和される。つまり、図1に示した共通表示
電極10とY電極17、共通表示電極10とA電極15
との負荷容量Clxy、Clxaを低減する。特に、凸部41
を誘電体柱で形成することにより、より一層容量が低減
される。
【0090】本発明により、面放電形では困難であった
表示電極間の負荷容量低減を基本的に解決できた。更
に、メタル隔壁15を介した背面基板4上のA電極15
とY電極17との容量結合Cla-m-yをも低減する。これ
から、誘電体隔壁に代わるメタル隔壁構造は、各電極間
の容量結合を大幅に抑制することができ負荷容量Clxy
の低減を容易に実現する。
【0091】図10、図11は、本発明のもう一つの実
施例であり、各々前面基板3にメタル隔壁5を配置した
構造の平面図、断面図を示す。図11は、図10に矢印
XI−XIで示す断面図を示す。
【0092】図11に示すメタル隔壁5に形成した凸部
41aは、図10に示すITO膜の透明電極8とバス電
極9からなる平面電極のX電極10に開口部52を設
け、更に開口部52の中にほぼ規則的に配置した接触部
44で前面基板3のMgO膜54を通して重なる。この
開口部52をバス電極9のクロス部に配置することによ
り、開口部52の面積を大きくとることができ容量結合
の低減と組立精度の緩和を実現する。同様に、凸部41
aをガラスの誘電体柱で形成することにより更に容量を
低減させている。
【0093】本発明のもう一つの実施例として、前記し
た図8と図9から2つの発明を組合せる方法がある。こ
れにより、図1に示したメタル隔壁5を介した前面基板
3と背面基板4とに形成された電極間の容量結合を更に
緩和(弱く)することができる。
【0094】図9、図11に示すメタル隔壁5に設けら
れた凸部41、41aは、一枚のシ−ト状金属板で形成
する場合は両面エッチング法による。また、凸部41、
41aを誘電体柱で両面に形成する場合もある。ガラス
による誘電体柱の場合、穴加工したメタルの構造から焼
成時の温度を高くしてガラスの粘度を低下させ表面張力
を利用することにより図8、図10に示した位置に容易
に数十ミクロン程度の高さを形成することができる。ま
た、、シート状金属板の片面に個別に凸部41、41a
を形成した後でもう一方の平坦面で2枚張り合わせて形
成する方法もある。メタルの張合せは、メタル隔壁5を
エッチング加工後、表面に形成したガラス絶縁膜を用い
て局所的に接続する場合もある。図11に示した前面基
板3と図9に示した背面基板39とにメタル隔壁5を一
体化した構造のメタル隔壁(図示省略)を用いることに
より、Y電極17とX電極10、A電極15とX電極1
0との負荷容量Clxy、Clxaが更に低減されるため、駆
動能力の小さい素子、IC等を使用できかつ負荷容量C
lxyに比例する消費電力(無効電力)を大幅に低減する
ため、コンパクトな電力回収回路、低コストの駆動回路
を実現できた。
【0095】また、高アスペクト比のメタル隔壁を高精
度、かつ容易に形成するため、シート状の薄板をエッチ
ング加工し3層以上の多層に積層する場合もある。高精
度にエッチング加工した各薄板の表面には、イオンプレ
−ティング法による酸化アルミナ膜や電着によるガラス
絶縁層を形成する。多層のメタル隔壁を構成する外側表
面層の2層分には前記した凸部41、41a等が形成さ
れ、他の層には両面に平坦層が形成される。高アスペク
ト比のメタル隔壁はシ−ト状の薄板を積層することによ
り形成されるが、同時にメタル隔壁の内層部に形成した
薄板の穴形状を絞り込んでA、Y電極間の放電発光を遮
蔽する高コントラスト構造を提供することもできる。更
に、多層構造により酸化アルミナやガラスの絶縁層厚さ
や薄板の総数を増加させることによりメタル隔壁の外側
表面層からみた浮遊容量Clmmを減少させて、図1に示
した前面基板3と背面基板4とに形成される電極間の容
量結合を更に減少させる場合もある。前記した負荷容量
Clxyは、主として、X電極10とメタル隔壁(図示省
略)との間に形成される容量ClxmとY電極17とメタ
ル隔壁(図示省略)との間に形成される容量Clymとの
直列接続で与えられるが、前記したメタル隔壁自身の浮
遊容量Clmmの影響を受ける場合は更に浮遊容量Clmmも
加えた形の直列接続で与えられる。特に、2つの容量C
lxm、Clymは、X−Y電極間に印加される対称なパルス
電圧波形に対して安定動作の点からほぼ等しく設定して
いる。
【0096】図12は、本発明の一実施例であり、前記
した図1から図9に示したプラズマディスプレイパネル
の駆動方式、駆動波形を与えるタイミングチャート図で
ある。
【0097】図12に示す1サブフィールドの基本波形
(約1.6〜2msecの期間)は、全書き込み期間、ア
ドレス期間、サスティン期間、及び消去期間の4つの期
間で構成される。図12の中で示す丸印内の記号:0、
+、−は、X、Y、及びAの3電極上(実際の電極は、
AC放電方式のため導体電極上に形成された誘電体のM
gO膜が真の電極となる)に放電後形成される壁電荷を
示し、各々壁電荷量が零または無視できる場合、正電荷
が形成される場合、負電荷が形成される場合を表す。ま
た、矢印付きの*印は、少なくとも2電極間で主放電を
発生させることを示す。3電極上の壁電荷は、1サブフ
ィールドの開始時点のt0と終了時点のt7で基本的に
零である。以下、各期間の動作を説明する。
【0098】全書き込み期間の場合、Y電極とA電極の
2電極間で時点t1と時点t2において放電を発生させ
る。期間終了時点では、例えば、図1に示したプラズマ
ディスプレイパネル1の全領域の表示セル2に対して、
Y電極とA電極上に各々負電荷、正電荷が形成される。
これは、次のアドレス期間で書き込み放電を発生させる
Y、A電極の印加電圧を低電圧化するために実施してい
る。
【0099】放電時点t1での放電は、電極間の放電開
始電圧Voを考慮して、Y電極に印加するパルス電圧Vy
を正電圧(180v)から負電圧(−180v)に変化
させ交流動作をさせることにより、実効的にパルス電圧
Vyの低電圧化を実現している。一方のA電極のパルス
電圧Vaも同時に低電圧(60v)である。特に、Y電
極、A電極のパルス電圧Vy、Vaで放電条件を満足で
きない場合は、時点t1においてX電極にパルス電圧V
xの正電圧(250〜350v)を印加して〔図12で
は省略〕、X−Y電極間、具体的にはメタル隔壁のM電
極間とY電極間で全書込み放電を発生させる。この時、
放電個所が表示セルの表面から離れているためコントラ
ストに及ぼす影響は小さい。
【0100】初期放電の時点t1のパルス幅を10〜2
0μsec程度とすることにより、次の放電の時点t2で
は壁電荷を自己消去させる放電を発生させている。更
に、放電の時点t2の直後にY電極に負電荷、A電極に
正電荷を効率よく形成させるため、パルス電圧Vyに正
電圧(180v)を10μsec以上印加している。パル
ス電圧Vxを用いた場合は、X電極に壁電荷が形成され
ないように正電圧(約50v)を印加する〔図12で
は、省略〕。
【0101】アドレス期間の場合、A電極とY電極には
各々正電荷、負電荷を形成した状態の中で、Yスキャン
パルスのパルス電圧Vyが印加(40v)され、かつ図
1に示した表示セル2の中からYスキャンで点灯のため
に選択されたA電極にはパルス電圧Vaが印加(60
v)されて、時点t3で書き込み放電を発生させてY電
極に正電荷を形成している。書き込み放電で選択された
Y電極上には正電荷が形成され、選択されないY電極上
には全書き込み時の負電荷が形成された状態にある。放
電条件は、全書き込みで形成された壁電荷(壁電圧)、
パルス電圧Vyの立下りによる電圧低下分、及びパルス
電圧Vaの印加電圧により設定される。
【0102】図1から図9に示した面内電極構造から、
A電極とY電極の電極間ギャップ長さを数十μm程度に
短くし、対向電極構造の場合に比べてパルス電圧Vaの
時点t3におけるパルス幅を0.5〜1.0μsecに低
減できている。この結果、パルス幅に比例して増加する
アドレス期間の長さを減少させ(アドレスの高速化)、
1サブフィールドにおけるサスティン期間の長さを大幅
に増加させることができた。つまり、面内電極構造によ
りA電極の書き込みパルスのパルス幅を減少させること
ができ、後述するサステインパルス数を増加させて高輝
度化を実現できた。
【0103】サステイン期間の場合、選択された表示セ
ルのX、Y電極間で維持放電発光をさせる。X、Y電極
に印加する各パルス電圧Vy、Vxは、互いに符号(+
−)を逆にして絶対値を等しくすることにより放電現象
を安定化させると同時に駆動回路を低電圧化させてい
る。一方、メタル隔壁のM電極は、第一パルスに対して
グランド接地、或いはX電極と同期させ同電位としてカ
ソ−ド電極として駆動して書き込みセルに対する放電を
発生させ(Y電極上の壁電荷交換)、第二パルス以降に
対してX、Y電極に印加するパルス電圧のうち高い方の
パルス電圧を印加しアノ−ド電極として駆動している。
図12に示したパルス電圧Vy、Vxの絶対値は180v
であり、このときのメタル隔壁はパルス電圧Vy、Vxと
同期してアノ−ド電極として180vのパルス電圧が印
加されている。アノ−ド電極の電位は、駆動条件を適正
化することにより大幅に減少させることもできる。この
ため、メタル隔壁のM電極は、第二パルス以降も含めて
常時グランド接地、あるいは低い正電圧も印加して用い
ることもできる。
【0104】パルス電圧Vyの第一パルスに正電圧(1
80v)を印加することにより、アドレス期間において
選択された表示セルのY電極上の壁電荷(正電荷)を用
いて時点t4で放電発光させている。特に、第二パルス
以降での放電を確実に発生させるため、つまり必要な壁
電荷をX、Y電極に形成させるためパルス幅を10μse
cとしている。第二パルス以降は、十分な壁電荷形成に
よりパルス幅を減少させ放電発光回数(サスティンパル
ス数)を増加させて、輝度を向上させている。
【0105】サスティン期間の時点t5の最終パルス
は、パルス電圧Vy、パルス電圧Vxに対して各々負電圧
(−180v)、正電圧(180v)にしている。
【0106】また、選択しないセルの誤放電を防止する
必要がある場合は、サスティン期間の初期においてX電
極上にパルス幅の短い(0.5μsec程度)正電圧(+
200v)を印加して[図12の中の( )内に示
す]、Y電極上に形成された負電荷を取り除くための消
去放電を用いる。
【0107】図1から図9に示したように、X、Y電極
が対向電極構造で、かつ高アスペクト比隔壁の場合、
X、Y電極間のギャップ長さは増加するが、誘電体隔壁
に代わるメタル隔壁を用いることによって実効的なギャ
ップ長さを減少させている。第一パルスの時点t4での
X、Y電極間における放電メカニズムを説明する。
【0108】書き込み放電により選択された表示セル
で、正電荷が形成されかつアノ−ド電極として駆動され
るY電極と、カソ−ド電極として駆動されるメタル隔壁
(M電極)とにより、予備放電(種火放電)を起こして
セル内に封入されたNe−Xe(5%)、500Torr
ガスの電離気体(プライミング粒子)を発生させ、その
直後X、Y電極間の主放電に移行し陽光柱を形成する。
【0109】また、前記したようにメタル隔壁とX、Y
電極との間に形成される容量Clxm、Clymは、印加電圧に
対する放電の安定性を確保するため電極面積、誘電体厚
さ、比誘電率等を調整して等しく設定されている。
【0110】一方、第一パルスでの放電を確実に起こす
ために、容量Clymと容量Clxmに差をつけ、2つのギャ
ップに印加する電圧に偏りをもたせ実効的にパルス電圧
Vy(180v)、パルス電圧Vx(−180v)からな
るサステイン電圧の低電圧化やアドレス期間に書き込み
するY電極上の壁電荷(壁電圧)低減を行なうこともで
きる。
【0111】消去期間の場合、サステイン期間が終了す
る時点t5でY、X、及びA電極上に形成されている壁
電荷を消去(初期化)する。時点t6でのX、Y電極間
の放電は、パルス幅を短くすることにより放電直後の電
界を取り除き壁電荷の形成を防止するため、消去放電の
働きをしている(細線消去方式)。同時に、A電極上に
形成される壁電荷も中和される。特に、A電極に正電荷
が残される場合は、近接するY、A電極間において時点
t7で消去放電させている。
【0112】一方、残った壁電荷の消去・中和に対して
X、Y電極間の印加電圧を最小維持電圧レベルまで減少
させパルス幅を長くする方法を用いる場合もある(太線
消去方式)。更に、これら2つの消去方式を同時に組合
せて効果的に用いる場合もある。
【0113】図13、図14は、本発明のもう一つの実
施例であり、各々前面基板3、メタル隔壁5、及び背面
基板4を組み立てた構造の平面図、断面図を示す。図1
4は、図13に矢印XIV−XIVに示す断面図を示
す。
【0114】図13に示す1セルの領域に相当する表示
セル2は、同一面内に共通表示電極のX電極10と表示
電極のY電極17が対向配置した前面基板3、Fe−N
i系の金属薄板を穴加工して形成したセル内空間の表面
を酸化アルミナ或いはガラスの絶縁膜73(73−1、
73−2)で被覆したメタル隔壁5、及びアドレス電極
(A電極)15をX電極10、Y電極17と交差させて
配置した背面基板4の3ピースで構成され、X電極10
とY電極17の表示発光放電は面放電形をとる。この時
のメタル隔壁68はアノ−ド電極となりグランド接地と
した。このため、カソ−ド電極になるX、Y電極の一方
には負のパルス電圧Vsus(−180v)が印加され
る。
【0115】X電極10とY電極17は、記号を省略す
るが透明なガラス基板上にSiO2の下地膜を形成した
後、ITO膜の透明電極とCr/Cu/Cr膜のバス電
極(厚膜電極の場合もある)で形成した。更に、その上
に誘電体層、MgO膜が形成されて前面基板3が製作さ
れる。背面基板4は、同様にガラス基板上にSiO2
下地膜を形成した後、A電極のCr/Cu/Cr膜を形
成(厚膜電極の場合もある)し、その上に誘電体層を形
成した。また、メタル隔壁5は、穴加工後に酸化アルミ
ナ或いはガラスの絶縁膜73を形成した2枚以上の薄板
(厚さ:50〜70μm程度)を積層して形成すること
もできる。図中に示していないが、メタル隔壁5と背面
基板4とで覆われた表示セル2の内面には蛍光体を20
μm程度の厚さで形成している。蛍光体の塗布は、背面
基板4とメタル隔壁5の組み立て後の外に、組立て前に
個別に行うこともできる。
【0116】以上のように、誘電体隔壁に代わりメタル
隔壁5を用いることにより、高強度な隔壁形成を容易に
すると同時に、シールド効果による電界クロストークや
電荷クロストークを防止した。このため、パネルのセル
サイズを高精細化するのに有利となる。更に、メタル隔
壁5がA電極15とY電極17の間の実効的な電極間ギ
ャップ長さを減少させるため、放電開始電圧Vo,a-yを
低下させアドレス電圧を容易に低電圧化した。更に、対
向電極のアドレス放電において、Y電極上に正電荷に代
り負電荷(電子)を形成する方法を用いることによりア
ドレスの高速化(1μsec程度)も実現できた。
【0117】一方、メタル隔壁5を用いた3電極構造の
場合、一般にメタル隔壁5を介した各2電極間の容量増
加が問題になる。本発明ではこれを防止するため、メタ
ル隔壁5の両面に凸部41を設けた構造を用いている。
これら凸部41、41aの配置は、背面基板4と前面基
板3に形成された3電極と重ならない接触部44、44
aに設定する。更に、各電極間の容量が誘電体隔壁と比
較して増加しないように凸部41、41aの形状寸法、
面積を小さく設定する。メタル隔壁5は、面放電形の特
性から高さ76を100〜200μm以内とするが、両
面に形成された凸部が前面基板3、背面基板4と重なる
接触部44以外の場所では、セル間の電荷クロストーク
や排気コンダクタンスを考慮して5〜50μmのギャッ
プを形成する。特に、表示セル2の長手方向のギャップ
長さ79、80を、セル間の光クロストークや電荷クロ
ストークを防止するため5〜30μm程度に設定する。
この場合の凸部41、41aはメタルで形成されている
が、更に各電極間の容量を低下させる必要がある場合は
誘電体柱で形成することができる。この場合、誘電体柱
はメタル隔壁5、又は前面基板3と背面基板4に形成さ
れる。
【0118】次に、図15は、図18に矢印XV−XV
で示す断面図であり、本発明の一実施例であり、プラズ
マディスプレイパネル1の表示セル2の長いサイズ方向
の断面構造を示す。
【0119】プラズマディスプレイパネル1は、前面基
板3、背面基板4、及びメタル隔壁5(5−1a、5−
1b、5−1c、5−2a、5−2b、5−2c)から
構成される3ピ−ス構造をとる。
【0120】前面基板3の場合、透明なガラス基板6の
上に透明なSiO2の下地膜7とITO膜の透明電極8
が形成され、更に透明電極8の上に抵抗率ρの小さいバ
ス電極9(9−1、9−2)が形成される。このバス電
極9と透明電極8とで平面電極を構成し、表示セル2の
電極として共通表示電極(X電極)10を形成する。バ
ス電極9は、不透明なAg系等の厚膜導体で形成される
が、Cr/Cu/Crの金属積層膜(薄膜)で数μm程
度形成する場合もある。また、バス電極9に黒色系の導
体材料を用いることにより、ブラックマトリックスを兼
て形成する場合もある。透明電極8、バス電極9の上に
は、耐圧を確保し、かつ電荷を蓄積するための厚膜(壁
電荷や壁電圧を制御するため薄膜を用いる場合もある)
の誘電体層11、2次電子放出係数が大きく耐スパッタ
性に優れたMgO膜の保護層12が順に形成される。保
護層12は、プロセス、及びコスト面から厚膜で形成す
る場合もある。また、保護層12に陰極降下電圧Vcの
低い材料を用いた方が、放電効率(発光効率)の向上に
対して非常に好ましい。
【0121】背面基板4の場合、ガラス基板13の上に
SiO2の下地膜14を形成し、その上にAg系等の厚
膜導体からなるアドレス電極(A電極)15、厚膜の誘
電体層16、更に誘電体層16とその上に形成したAg
系等の厚膜導体からなる表示電極(Y電極)17との間
にY電極17の下地層となるもう一つの誘電体層18a
をラインパタ−ン形状に形成し、かつこの誘電体層18
aが誘電体層18aの下地層となる誘電体層16に対し
て被覆しない領域部分を表示セル2の内部に残してい
る。また、Y電極17の上に形成される誘電体層60
は、Y電極17の周辺部を被覆し、かつ誘電体層18a
の上に形成されている。特に、誘電体層60が誘電体層
18aに加えて誘電体層16の上にも形成される場合
は、誘電体層60は誘電体層16に対して被覆しない領
域部分に含まれる]を表示セル2の内部に残している。
誘電体層60、誘電体層18a、又は誘電体層16で覆
われた背面基板4の表面全体に、MgO膜の保護層62
が形成される。A電極15、Y電極17に厚膜導体を用
いることにより簡易プロセス、低コスト化を実現してい
るが、Cr/Cu/Crの金属積層膜を用いる場合もあ
る。
【0122】Y電極17の近傍に形成した2つの誘電体
層18a、60の構造によりベタ層構造では誘電体層1
8aと誘電体層60の厚さ分により増加せざるをえなか
ったA電極15とY電極17との間の放電開始電圧Voa
-yの増加分を取り除き、かつA電極15とY電極17と
の間に挿入した誘電体層18aの厚さ分により耐電圧Vd
oの増加と負荷容量Cla-yの低減を実現させている。つ
まり、耐電圧Vdoの増加と負荷容量Cla-yの低減は、A
電極15とY電極17との交差部71(図18)の面積を
減少させることに加え、誘電体層18aを多層構造にし
て厚さを増加させることにより容易に実現した。また、
放電開始電圧Voa-yの低減については、A電極15とY
電極17との交差部71(図18)で、誘電体層18aの
厚さに依存する影響を取り除き、かつ誘電体層16と誘
電体層60との厚さを減少させることにより容易に実現
し、電気力線E2を発生させるアドレス駆動電圧を安定
かつ大幅に低電圧化した。これにより、A電極15とY
電極17との間の放電開始電圧Voa-yを増加させずに耐
電圧Vdoの増加と負荷容量Cla-yの低減とを同時に実現
する構造を得ている。つまり、新たに挿入した誘電体層
18aと新たな構造を付加した誘電体層60とにより、
放電開始電圧Voa-yと耐電圧Vdo、及び負荷容量Cla-y
に対する構造設計の自由度を拡げることができた。
【0123】メタル隔壁5(5−1a、5−1b、5−1
c、5−2a、5−2b、5−2c)は、熱膨張係数をガラ
ス基板6、13に合せたFe−Ni系の薄板をエッチン
グ加工等により穴を開け、表面に絶縁性の酸化皮膜66
(66−1、66−2)を形成し、3枚(a、b、c)の薄
板を積層して高アスペクト比の穴をもつ隔壁構造を容易
に組み立てている。素材の酸化皮膜66に代わり、電着
により形成したガラス絶縁膜やイオンプレ−ティング法
により形成した酸化アルミ皮膜を用いて絶縁膜の耐電圧
特性を向上させることもできる。
【0124】メタル隔壁5に設けられた穴の内側には蛍
光体21(21−1、21−2)がほぼ均一な厚さで形
成される。また、高アスペクト比の隔壁構造(電極間
隔:0.5〜2.0mm程度)から、蛍光体塗布面積を
2〜5倍(面放電形と比較)に増加させて輝度を容易に
向上させている。蛍光体21は背面基板4にメタル隔壁
5を接続する前に形成するが、接続後に形成する場合も
ある。
【0125】表示セル2に設けた電極数はメタル隔壁5
の共通電極を除けば3電極であり、配置は平面電極を構
成するX電極10とライン状のY電極17とが表面に絶
縁膜を有するメタル隔壁5を介して対向し、かつライン
状のA電極15とY極17とが誘電体層16等を介して
直交している。メタル隔壁5は表示セル2を形成するた
め前面基板3と背面基板4とで挟まれた構造をとるが、
陰極暗部に対する高電界領域の形成、電極間の配線容量
(Clx-y、Cla-y)の低減、及び排気コンダクタンスの
確保から、前面基板3と背面基板4の両側に2つのギャ
ップ64(64−1、64−2)、65(65−1、6
5−2)を形成している。2つのギャップ64、65の
大きさは、上記した理由からある程度大きい方が好まし
いが、電荷クロスト−ク等の発生によりシ−スの厚さδ
程度(数十μm)に制限している。また、ギャップ6
4、65を形成するためのメタル隔壁5と前面基板3、
又は背面基板4との接触部構造は、それぞれ対向する面
に対して前面基板3または背面基板4に形成された電極
と重ならない位置(例えば、後述の図18、図19に示
す表示セル2の4隅に配置した接触部72、73等)に
設けた凸部である。接触部72、73は、構造上問題が
なければ電極間容量を減少させるため表示セル2の4隅
全てに配置しなくてもよい。この凸部の形状、構造は、
メタル隔壁5の両面(片面)加工、又は前面基板3、背
面基板4の新たな誘電体層で円形、線状、又はクロス状
の誘電体柱(図示省略)により形成している。特に、背
面基板4の場合は、新たな誘電体層(誘電体柱)を前記
した誘電体層18a、60で兼用することにより、プロ
セスの工程数を低減する場合もある。
【0126】陽光柱を形成するため長い電極間隔(0.
5〜2.0mm)をもたせたX電極10とY電極17と
の間の放電開始電圧Vox-yは、高アスペクト比隔壁であ
ってもメタル隔壁5により実効的に減少する。このた
め、電気力線E1に示すように電極間隔には特に依存せ
ず、主として前記した2つのギャップ64、65の構造
により与えた。表示発光放電は、メタル隔壁5の電位V
mと同じ電位に設定したアノ−ド電極の表示パルス電圧V
A とカソ−ド電極の表示パルス電圧VKに負の壁電圧を加
えた電圧との電位差により発生し、2つのギャップ6
4、65の近傍には交互に陰極暗部に必要な高電界領域
を形成している。
【0127】図16は、図18に矢印XVI−XVIで
示す断面図であり、プラズマディスプレイパネル1の表
示セル2の短いサイズ方向の断面構造を示す。メタル隔
壁5(5−3、5−4)と前面基板3、又は背面基板4
との間のギャップ67(67−1、67−2)、68(6
8−1、68−2)は、図15に示したギャップ64、
65に対して、陰極暗部に対する高電界領域の形成、電
極間の配線容量の低減、及び排気コンダクタンスの確保
からその大きさや形状に差を設けている。特に、A電極
15のライン方向に排気コンダクタンスを大きくするた
め、シ−スの厚さδを基にギャップ64、65の大きさ
をギャップ67、68の2倍程度の大きさにした。この
ため、誘電体層11、60等を多層パタ−ンで形成し
た。
【0128】図17は、プラズマディスプレイパネル1
の前面基板3の側から見た平面図を示す。
【0129】バス電極9のパタ−ンは、表示セル2の開
口部を決めているメタル隔壁5(図16)の穴形状70に
合せる形で格子上に形成し、表示セル2の開口面積に影
響を与えないようにしている。蛍光体21は、穴形状7
0の内側に形成されており、表示セル2の長手方向の厚
さを短手方向よりも2倍以上に厚くして輝度、発光効率
を向上させている。平面構造で形成したITO膜の透明
電極8に加え、格子上に形成したバス電極9の構造によ
りX電極10の電極抵抗を減少させて消費電力の大幅な
低減と同時に電極抵抗による駆動電圧の低下防止(動作
マ−ジン向上)を実現している。また、格子上に形成さ
れているバス電極9の幅は、櫛形形状の電極と異なり十
分に小さくしてもX電極10の電極抵抗を低減できる。
このため、メタル隔壁5の幅に合せてバス電極9の幅を
小さく形成(50〜100μm程度以下)でき、表示セ
ル2の開口率を3倍以上(面放電形と比較)に向上させ
ている。
【0130】図18は、プラズマディスプレイパネル1
の背面基板4の側から見た平面図を示す。
【0131】A電極15とY電極17とは、メタル隔壁
5の穴形状70で示した表示セル2の中央部で交差部7
1を形成する。更に、図15で述べたメタル隔壁5と背
面基板4との接触部72を、A電極15とY電極17と
が存在しない表示セル2の4隅に設けている。これによ
り、メタル隔壁5とA電極15、又はY電極17との容
量、つまり負荷容量Clx-y、Cla-yを低減している。
【0132】Y電極17の電極幅を交差部71の近傍を
除いて穴形状70の長手方向に広くとることにより、負
荷容量(配線容量)Cla-yを増加させず、X電極10の
場合と同様にY電極17の電極抵抗を減少させ消費電力
の低減等を実現している。
【0133】交差部71の構造は、A電極15とY電極
17との間の放電開始電圧Voa-yと耐電圧Vdo、及び負
荷容量Cla-yを決めている。図15の断面構造と図18
の平面構造から、誘電体層16(図15に示す)の厚み
は、放電開始電圧Voa-yの減少と耐電圧Vdoの増加、ま
たは放電開始電圧Voa-yの減少と負荷容量Cla-yの低減
とを同時に満足できない。このため、図15、図16に
示した新たな誘電体層18a、60を形成して、これら
の問題を解決している。
【0134】図19は、プラズマディスプレイパネル1
の電極配置を表わす平面図を示す。
【0135】図15で述べたメタル隔壁5と前面基板3
との接触部73を、図18に示した接触部72と同様に
A電極15とY電極17とが存在しない表示セル2の4
隅に設けている。但し、表示セル2の4隅に当たる透明
電極8と破線で示すバス電極9に対して開口部74を局
所的に形成して、メタル隔壁5又は前面基板3に形成し
た凸部が直接X電極10と重ならない構造にしている。
これにより、メタル隔壁5とX電極との容量、つまり負
荷容量Clx-yを低減している。
【0136】図20は、本発明の一実施例であり、図1
5に示したプラズマディスプレイパネル1の表示セル2
内部で陽光柱を形成したグロ−放電発生時における中心
軸(Z軸)方向85の電位分布Viを示す。中心軸(Z
軸)は図15、図16の断面構造に対する対称軸に相当
し、また電位分布Viの領域はX、Y電極間の電極間隔
lである。図21は、図20の陽光柱を形成した領域で
のr軸方向87の電位分布Viを示す。r軸は、セルサ
イズ(図15、図16に示すL×W、L≧W)の矩形形
状の中心を管中央88とし、隔壁に向かって長短2軸の
一方を意味するが、ここでは短軸の管半径r(W/2)
を用いた。
【0137】表示期間の発光放電時において、メタル電
位Vmとアノ−ド電位VAとをほぼ零ボルトに、カソ−ド
電位VKを負の表示パルス電圧Vsus(−180V)に設
定することにより、陽光柱のプラズマ電位Vpをメタル
電位Vmとほぼ等しい状態(数十V程度以内)にするこ
とができ、陽光柱を安定、かつ効率よく形成した。
【0138】プラズマ電位Vpをメタル電位Vmにほぼ等
しくすることにより、式(1)からシ−スの厚さδと関
係する浮遊電位Vfと、メタル隔壁5の誘電体膜(絶縁
膜+蛍光体層)上に電子付着により形成される負の壁電
圧Vqとを誘電体隔壁の場合に比べて大幅に減少させて
いる。
【0139】これは、陽光柱に必要な等電位領域をメタ
ル電位Vmで与えることにより、軸方向の電界強度E1を
緩和することによる。更に、カソ−ド電位VKを絶対値が
ほぼ陰極降下電圧Vcに等しい負の表示パルス電圧Vsus
(−180V)に設定し、かつ陰極暗部にアノ−ド電位
VA とカソ−ド電位VKに印加した表示パルス電圧の全て
が加わることにより効果的に高電界領域を形成している
ことによる。ここで、メタル電位Vmに対して壁電圧Vq
を加えて形成されるメタル隔壁の誘電体表面電位Vw
は、プラズマ電位Vpを基準にイオンシ−スで発生する
浮遊電位Vfを介して壁電圧Vqによりバランスされてい
る。特に、陽光柱の領域に発生した浮遊電位Vfは電子
温度Teが等しいためほぼ一定値をとる傾向を示す。
【0140】このように陽光柱を形成するグロ−放電特
性の支配(維持)条件を与えることにより、余分な電離
エネルギ−が不要になるため放電維持電流I(電流密度
J)を低減でき、後述するように放電効率を大幅(約1
桁以上)に向上させた。また、放電維持電流I(電流密
度J)を増加させても余分な電離エネルギ−を不要とす
る効果があるため輝度飽和しない領域では輝度Bも同時
に向上した。現象的には陽光柱の収縮現象や累積電離の
発生を抑えることができ、輝度飽和(紫外線飽和)しな
い範囲で必要最小限の電流密度で安定な放電が得られ
た。
【0141】メタル隔壁5は、図15に示したように絶
縁した薄板3枚を積層した構造(積層間に浮遊容量形
成)にすると、3枚のうち1枚に外部電位を与えること
により陽光柱領域の僅かな電位傾斜にも対応したメタル
電位Vmj(j=a,b,c)を発生させ、図20に示した薄板一
枚のメタル電位Vmに比べて更に安定かつ効率のよい陽
光柱を形成できた。
【0142】ここでは、メタル電位Vmを外部電位と浮
遊容量電位の両方で与え、両方の電位をほぼ等しい零ボ
ルト(グランド接地)とした。これにより、直流電圧成
分の影響を十分に取り除き、かつ電圧動作マ−ジンや安
定度(X、Y電極電位の安定化)を向上させた。メタル
隔壁5が図15に示した薄板3枚を積層した構造の場合
は、対称性を考慮して放電の安定度を向上させるため外
部電位をj=bの中間層の薄板にのみ与えた。
【0143】図24は、本発明の一実施例であり、前記
した図15から図21に示したプラズマディスプレイパ
ネルの駆動方式、駆動波形を与えるタイミングチャ−ト
図である。
【0144】図24に示す1サブフィ−ルドの基本波形
(約1.6〜2msecの期間)は、全書き込み期間、ア
ドレス期間、サスティン期間、及び消去期間の4つの期
間で構成される。
【0145】図24の中で示す丸印内の記号:0、+、
−は、X、Y、及びAの3電極上(実際の電極は、AC
放電方式のため導体電極上に形成された誘電体のMgO
膜が真の電極となる)に放電後形成される壁電荷を示
し、各々壁電荷量が零または無視できる場合、正電荷が
形成される場合、負電荷が形成される場合を表す。
【0146】メタル隔壁5のメタル電位Vmは、図2
0、図21で述べたように、陽光柱を形成するグロ−放
電を安定に、かつ発光効率、輝度を向上させるため、外
部電位と浮遊容量電位の両方で与え、かつ両方の電位を
ほぼ等しく零ボルトにした。このため、X、Y電極の駆
動波形の直流電圧成分は1サブフィ−ルドでほぼ零ボル
トに設定される。電圧動作マ−ジン等の安定度を考慮
し、1TVフィ−ルドで零ボルトに設定する場合も有
る。
【0147】また、矢印付きの*印は、主に2電極間で
放電を発生させることを示す。3電極上の壁電荷は、1
サブフィ−ルドの開始時点のt0と終了時点のt7で基
本的に零である。
【0148】グロ−放電全体の発光効率ηは、前記した
ように対向表示電極構造と高アスペクト比のメタル隔壁
構造により、図20等に示す電極間隔lを長くすること
により向上させている。しかし、電極間隔lが長くなる
と放電遅れ時間や壁電荷形成時間の増加、バラツキ等が
発生する。そこで、これらの問題を取り除くためサステ
ィン期間の対向放電に対しては、以下に示す電子駆動を
中心にした高速駆動方法を用いている。
【0149】図15に示す選択する表示セル2の表示電
極(Y電極)群17とトリガ−電極(アドレス電極、A
電極)群15との間で書き込み放電をし、Y電極17の
誘電体表面上(実際には、誘電体層の上に形成されたM
gO膜表面上)に正の壁電荷を形成する。
【0150】サスティン期間に入ると、第一番目の表示
発光放電時において、電荷交換のためメタル隔壁5と共
通表示電極(X電極)10、正の壁電荷を形成したY電
極17とにそれぞれ表示パルス電圧VK(零ボルト)、
表示パルス電圧VA(正電圧Vsus)を印加してカソ−ド
電極、アノ−ド電極とし、カソ−ド電極のメタル隔壁5
とアノ−ド電極のY電極間で発生させ、Y電極上へ負電
荷を形成させている。この時のパルス幅は、壁電荷(壁
電圧)を確実に形成するため10μsec程度としてい
る。
【0151】第二番目以降の表示発光放電時において
は、電極間隔lが0.5〜2.0mmの場合に対して、
アノ−ド電極上には直ちに(1〜2μsec程度で)十
分な量の電子が付着し、負電荷形成を中心とする安定か
つ高速なメモリ放電が得られている。
【0152】このサスティン期間中、メタル隔壁5の電
位はグランド接地されているが、第一パルスと第二パル
ス以降でそれぞれカソ−ド、アノ−ド電極として使い分
けられている。つまり、第一パルスでは、Y電極上に書
き込まれた正電荷を負電荷に変換する動作をさせてい
る。第二パルス以降が、本来のサスティン期間になる。
アドレス期間でY電極上に負電荷を直接書き込む場合
は、第一パルスは不要になり第二パルスからスタ−トさ
せることができる。
【0153】以下、図24を基に各期間の動作を説明す
る。
【0154】全書き込み期間の場合、Y電極とA電極の
2電極間で時点t1と時点t2において放電を発生させ
る。期間終了時点では、例えば、図15に示したプラズ
マディスプレイパネル1の全領域の表示セル2に対し
て、Y電極とA電極上に各々負電荷、正電荷を形成し
た。これは、次のアドレス期間で書き込み放電を発生さ
せるY、A電極の印加電圧を低電圧化するために実施し
た。
【0155】放電時点t1での放電は、電極間の放電開
始電圧Voa-yを考慮して、Y電極に印加するパルス電圧
Vyを正電圧(180v)から負電圧(−180v)に
変化させ交流動作をさせることにより、実効的にパルス
電圧Vyを低電圧化した。一方のA電極のパルス電圧Va
も同時に低電圧(60v)化される。特に、Y電極、A
電極のパルス電圧Vy、Vaで放電条件を満足できない場
合は、時点t1においてX電極にパルス電圧Vxの正電
圧(180〜250v)を印加して[図24ではカッコ
内に短パルスで示す]、X−Y電極間、具体的にはメタ
ル隔壁5の電極とY電極の間でプライミング粒子を発生
させる種火放電を起こし、Y、A電極間の主放電へ確実
につなげている。この場合、メタル隔壁5とX、Y電極
との間の浮遊容量比を適正化している。また、放電個所
が表示セル2の底面であり表面から十分に離れているた
め、全書き込み期間のコントラスト低下へ及ぼす影響は
小さい。
【0156】時点t1でY電極、A電極上に壁電荷を安
定に形成できる場合は、直ちにアドレス期間に移行する
ことによりアドレス期間で形成される壁電荷の符号を反
転させることができる。これはサスティン期間で行なう
Y電極上の電荷交換をアドレス期間の前に実施したこと
になり、サスティン期間でY電極に印加する第一パルス
を不要にする。
【0157】初期放電の時点t1のパルス幅を10〜2
0μsec程度とすることにより、次の放電の時点t2で
は壁電荷を自己消去させる放電を発生させている。更
に、放電の時点t2の直後にY電極に負電荷、A電極に
正電荷を効率よくかつ安定に形成させるため、パルス電
圧Vyに正電圧(180v)を10μsec以上印加した。
【0158】アドレス期間の場合、A電極とY電極には
各々正電荷、負電荷を形成した状態の中で、Yスキャン
パルスのパルス電圧Vyが印加(40v)され、かつ図
1に示した表示セル2の中からYスキャンで点灯のため
に選択されたA電極にはパルス電圧Vaが印加(60v)
されて、時点t3で書き込み放電を発生させてY電極に
正電荷を形成した。書き込み放電で選択されたY電極上
には正電荷が形成され、選択されないY電極上には全書
き込み時の負電荷が形成された状態にある。この時、全
書き込みで形成した壁電荷(壁電圧)、パルス電圧Vy
の立下りによる電圧低下分、及びパルス電圧Vaの印加電
圧により放電条件を設定している。
【0159】A電極とY電極は、対向電極構造の場合に
比べて図15、図16に示した面内クロス電極構造であ
るため電極間ギャップ長さを数十μm程度に短くでき、
パルス電圧Vaの時点t3におけるパルス幅を2〜3μse
cから0.5〜1.0μsecの半分以下に低減した。この
結果、パルス幅に比例して増加するアドレス期間の長さ
を減少させ(アドレスの高速化)、1サブフィ−ルドに
おけるサスティン期間の長さ、つまり発光デュ−ティを
2倍以上に増加させている。つまり、面内クロス電極構
造により書き込みパルスのパルス幅を低減し、この低減
分により後述するサステインパルス数を増加させて輝度
を向上させた。
【0160】サステイン期間の場合、選択された表示セ
ルで第一パルスによる電荷交換を行なった後、第二パル
ス以降ではX、Y電極間での維持放電発光をさせてい
る。図20、図21で述べたように、X、Y電極のうち
の一方をメタル隔壁5と同電位のアノ−ド電極、他方を
カソ−ド電極とする2つの表示パルス電圧VA 、VKを用
い、各々零ボルトと負のサスティン電圧Vsus(−18
0v)に設定して陽光柱を形成したグロ−放電を安定か
つ効率よく発生させている。具体的には、パルス電圧V
yの第一パルスに表示パルス電圧VAとして正のサステイ
ン電圧Vsus(180v)、パルス電圧Vxの第一パルス
とメタル隔壁5とに表示パルス電圧VKとして零ボルトを
用いることにより、時点t4においてまず電界集中が起
こるメタル隔壁5とアノ−ド電極(Y電極)の間で予備
放電(種火放電)を起こしセル内に封入されたNe−Xe
5%400〜500Torrガスの電離気体(プライミ
ング粒子)を発生させ、その直後表示電極であるX、Y
電極間の繰り返しの主放電に移行させて陽光柱を形成さ
せた。
【0161】第一パルスの時点t4での放電を確実に発
生させるためパルス幅を特に6〜10μsecと大きくし
た。第二パルス以降は、放電発光回数(サスティンパル
ス数)を増加させるため負電荷形成を中心とした高速メ
モリ放電によりパルス幅を減少させて発光デユ−ティを
向上させた。サスティン期間の時点t5の最終パルス
は、パルス電圧Vy、パルス電圧Vxが各々零ボルトと負
のサスティン電圧Vsus(−180v)である。また、
選択しないセルの誤放電を防止するため、サスティン期
間の初期においてX電極上にパルス幅の短い(0.5μ
sec)正電圧(+180v)を印加し、Y電極上に形成
された負電荷を取り除くための消去放電を用いる場合も
ある。
【0162】消去期間の場合、サステイン期間が終了す
る時点t5でY、X、及びA電極上に形成されている壁
電荷を消去(初期化)する。時点t6でのX、Y電極間
のパルス幅の短い放電は、放電直後の電界を取り除いて
壁電荷の形成を防止させて消去放電をしている(細線消
去方式)。同時に、A電極上に形成される壁電荷も中和
される。特に、A電極に正電荷が残される場合は、近接
するY、A電極間において時点t7で消去放電させる。
一方、残った壁電荷の消去・中和に対してX、Y電極間
の印加電圧を最小維持電圧レベルまで減少させパルス幅
を長くする方法を用いる場合もある(太線消去方式)。
更に、これら2つの消去方式を同時に組合せて効果的に
用いる場合もある。
【0163】図25は、本発明の一実施例であり、電流
密度比Ji/Joと発光効率比ηi/ηoの関係、及び電流
密度比Ji/Joと輝度比Bi/Boの関係を示すプラズマ
ディスプレイパネル1の特性図である。
【0164】横軸には電流密度比Ji/Joを、縦軸には
発光効率比ηi/ηoと輝度比Bi/Boを、各々対数目盛
で示す。発光効率比ηi/ηo、輝度比Bi/Boは、図2
0、図21に示した本発明の実施により、それぞれ特性
90から特性91、特性92から特性93へと共に大幅
に増加した。
【0165】特性90、特性92は、前記した図22、
図23の場合であり、セルサイズ:0.03cm程度の
微細な表示セルになると隔壁表面(蛍光体含)に荷電粒
子が付着しやすく陽光柱を維持するための電流密度(放
電維持電流)を増加させる必要があり最小値Jmin/Jo
が存在した。特性90、特性92上の黒印■、黒印●
は、誘電体隔壁を用いた場合の限界値を示す。輝度Bと
発光効率ηは両立せず、高輝度化のためには逆に発光効
率ηを犠牲にする必要があった。
【0166】本発明では、前記したようにグロ−放電特
性の支配条件を満足させる電極構造、電界強度(電位)
分布を形成し隔壁拡散を抑制することにより特性92、
特性93を得ると同時に電流密度も約一桁減少させて新
たな最小値J’min/Joを得ている。特性91、特性9
3により、特性91、特性93上の白印□95、白印○
96が示すように発光効率ηと輝度Bを同時に向上でき
た。
【0167】更に、最小値Jmin/Jo83とJ’min/
Jo86の間では、これまで困難であった電流密度Jを
減少させて発光効率ηを大幅に向上できた。新たな最小
値J’min/Jo86では、特性80、特性82上の白印
□89、白印○90が示すように輝度Bはある程度減少
するが、発光効率ηを大幅に向上できている。これによ
り、サスティンパルス数を増加させ発光デュ−ティを増
加させても消費電力の増加割合が小さいため、輝度Bを
大幅に向上させることができた。つまり、これまでに比
べて、高発光効率、高輝度を大幅かつ容易に達成するこ
とができた。
【0168】以上、説明してきたように、本発明は、A
C形プラズマディスプレイパネルにおいて、陽光柱を用
いたグロ−放電の維持条件に着目し、陰極暗部の高電界
領域と陽光柱の等電位領域とを効率よく形成し、セル固
有の電流電圧特性(I−V特性)を低電流、低電圧化す
る基本的な原理に基づいて発光効率、輝度を向上させて
いる。
【0169】(1)この原理は、DC形プラズマディス
プレイパネルの場合にも適用できる。更に、プラズマデ
ィスプレイパネル以外にもグロ−放電で陽光柱を発生さ
せる電子機器に対しても適用でき、放電効率(紫外線発
生効率)を向上させることができる。
【0170】(2)AC型駆動により表示電極上に壁電圧
を形成することにより、セル固有のI−V特性を低電圧
化し見掛け上放電時の陰極降下電圧Vcを低下させて、
放電効率つまり発光効率を大幅に向上させることができ
る。
【0171】(3)対向表示電極とメタル隔壁により陽
光柱形成に必要な高アスペクト比形状の隔壁を形成し、
開口率と蛍光体塗布面積を向上させ発光効率を向上させ
ることができる。
【0172】(4)表面を絶縁層で覆ったメタル隔壁に
バイアス電圧を印加し負の壁電圧を形成して、荷電粒子
の隔壁拡散(エネルギ−損失)を抑制させ、放電効率つ
まり発光効率を向上させることができる。
【0173】(5)更に、隔壁拡散(エネルギ−損失)
の抑制により放電維持電流を減少させI−V特性の低電
流領域を拡大することにより、負荷直線(負荷抵抗、電
流制限抵抗)を用いて紫外線飽和のない低電流領域で放
電を安定に維持することができ、放電効率を最大化つま
り発光効率を最大化できる。
【0174】(6)表示発光放電時のアノ−ド電極、カ
ソ−ド電極に対してメタル隔壁をアノ−ド電極にするこ
とにより、陽光柱を用いたグロ−放電の維持条件である
陰極暗部の高電界領域と陽光柱の等電位領域とを効率よ
く形成でき、放電効率つまり発光効率を向上させること
ができる。
【0175】(7)更に、メタル隔壁をアノ−ド電極に
するAC形駆動により長ギャップ長の表示電極間で負の
壁電圧を高速で形成する電子移動形のメモリ放電にで
き、一定の発光デュ−ティに対して表示発光パルス数を
増加させて輝度を増加させることができる。
【0176】(8)アノ−ド電極のメタル隔壁に直流バ
イアス電圧を印加することにより、表示発光放電時の繰
り返し放電でメタル隔壁の表面絶縁層に形成された壁電
圧を消失させない、或いは再形成を不要にできるため、
放電効率つまり発光効率を向上させることができる。
【0177】(9)表示発光時のアノ−ド電極、カソ−
ド電極をそれぞれグランド接地電位、負パルス電圧にす
ることにより、表示電極電位が入れ替わってもメタル隔
壁を接地電位に維持できるためパネル内部にグランドプ
レ−ンを形成できメタル隔壁の駆動回路を不要にするこ
とができる。つまり、実質的に3電極駆動方式のパネル
とすることができる。
【0178】(10)更に、パネル内部のグランドプレ
−ン形成によりパネル電極間の浮遊容量が減少するた
め、グランド電位や電源電位を安定化させて誤動作を減
少し(動作マ−ジンの向上)、近傍磁界、近傍電界を減
少させて不要電磁輻射(EMI)を抑制することができ
る。
【0179】(11)アドレス、Yスキャンに対してク
ロス電極構造による面内短ギャップ長を形成し書き込み
時間を低減(アドレスの高速化)することにより、表示
発光デュ−ティを大幅に増加させて輝度を増加させるこ
とができる。
【0180】(12)長ギャップ長を形成した対向表示
電極間に、表面を絶縁したメタル隔壁を挿入配置しそれ
らの間に微小空間ギャップ(数十ミクロン)を形成する
ことにより電界集中を発生させて、放電開始電圧Voを
減少させることができる。
【0181】(13)メタル隔壁と前面基板若しくは/
および背面基板との接触面積を誘電体柱等による凸部を
用いて低減する、またはこの凸部を電極部と交差しない
所に配置することで、表示電極間の負荷容量を大幅に減
らして消費電力を低減することができる。
【0182】(14)背面基板のクロス電極構造におい
て、電極間クロス部に局部的に誘電体層を挿入して、放
電開始電圧Voを上昇させずに耐圧向上、負荷容量低減
を実現することができる。
【0183】
【発明の効果】本発明によれば、パネルの発光効率を向
上させた全く新規なAC型プラズマデスプレイパネルを
提供することができる。
【0184】また、陽光柱を形成して放電効率を向上さ
せたAC型プラズマデスプレイパネルを提供することが
できる。
【0185】また、プラズマデスプレイパネルにおける
放電効率を向上させることができる。
【0186】また、これらのプラズマデスプレイパネル
を用いた画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3に矢印I−Iで示し、本発明のプラズマデ
ィスプレイパネルの表示セル構造を示す断面図である。
【図2】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示セ
ル構造を示す平面図である。
【図3】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示セ
ル構造を示す平面図である。
【図4】本発明のプラズマディスプレイパネルの電極構
造を示す断面図である。
【図5】本発明のプラズマディスプレイパネルの電極構
造を示す断面図である。
【図6】本発明のプラズマディスプレイパネルのメタル
隔壁構造を示す斜視図である。
【図7】本発明のプラズマディスプレイパネルのメタル
隔壁構造を示す斜視図である。
【図8】本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁と
電極の組立構造を示す平面図である。
【図9】図8に矢印IX−IXで示し、本発明のプラズ
マディスプレイパネルの隔壁と電極の組立構造を示す断
面図である。
【図10】本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁
と電極の組立構造を示す平面図である。
【図11】図10に矢印XI−XIで示し、本発明のプラ
ズマディスプレイパネルの隔壁と電極の組立構造を示す
断面図である。
【図12】本発明のプラズマディスプレイパネルで用い
る駆動波形のタイミングチャート図である。
【図13】本発明のプラズマディスプレイパネルの隔壁
と電極の組立構造を示す平面図である。
【図14】図13に矢印XIV−XIVで示し、本発明の
プラズマディスプレイパネルの隔壁と電極の組立構造を
示す断面図である。
【図15】図18に矢印XV−XVで示し、本発明のプラ
ズマディスプレイパネルの表示セル構造を示す断面図で
ある。
【図16】図18に矢印XVI−XVIで示し、本発明の
プラズマディスプレイパネルの表示セル構造を示す断面
図である。
【図17】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示
セル構造を示す平面図である。
【図18】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示
セル構造を示す平面図である。
【図19】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示
セル構造を示す平面図である。
【図20】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示
セル内部の電位分布図である。
【図21】本発明のプラズマディスプレイパネルの表示
セル内部の電位分布図である。
【図22】プラズマディスプレイパネルの表示セル内部
の電位分布図である。
【図23】プラズマディスプレイパネルの表示セル内部
の電位分布図である。
【図24】本発明のプラズマディスプレイパネルで用い
る駆動波形のタイミングチャ−ト図である。
【図25】本発明のプラズマディスプレイパネルの特性
図である。
【図26】プラズマディスプレイパネルの表示セル構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
1…プラズマデスプレイパネル、2…表示セル、3…前
面基板、4…背面基板、5…メタル隔壁、6…ガラス基
板、7…下地膜、8…透明電極、9…バス電極、10…
X電極、11…誘電体層、12…保護層、13…ガラス
基板、15…A(アドレス)電極、16…誘電体層、17
…Y電極、18a…誘電体層(厚膜)、19…保護層、2
0…酸化被膜、21…蛍光体、22…穴形状、23…交
差部、24…誘電体層、25…誘電体層、26…誘電体
層、28…凸部。

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数個のアドレス電極と該アドレス電極と
    交差するように配置した複数個の第一の表示電極とを有
    する背面基板と、該複数個の第一の表示電極に対向して
    配置した複数個の第二の表示電極を有する前面基板と、
    該前面基板と該背面基板との間に配置した隔壁とを少な
    くとも備えたことを特徴とするプラズマデスプレイパネ
    ル。
  2. 【請求項2】前記第二の表示電極がひとつの平板電極で
    形成した透明電極と、該透明電極上に形成したバス電極
    とを有することを特徴とする請求項1記載のプラズマデ
    スプレイパネル。
  3. 【請求項3】前記隔壁をアドレス電極と該第一の表示電
    極とが交差した領域を少なくとも囲うように格子状に形
    成したことを特徴とする請求項2記載のプラズマデスプ
    レイパネル。
  4. 【請求項4】前記バス電極を前記格子状に形成した隔壁
    と重なるように格子状に形成したことを特徴とする請求
    項3記載のプラズマデスプレイパネル。
  5. 【請求項5】前記隔壁を、表面を絶縁したメタル隔壁に
    したことを特徴とする請求項1記載のプラズマデスプレ
    イパネル。
  6. 【請求項6】前記メタル隔壁を、複数のメタル板を積層
    して形成したことを特徴とする請求項5記載のプラズマ
    デスプレイパネル。
  7. 【請求項7】前記第二の表示電極と、前記アドレス電極
    を用いてアドレスした前記第一の表示電極との間で陽光
    柱を形成して放電させるようしたことを特徴とする請求
    項1記載のプラズマデスプレイパネル。
  8. 【請求項8】駆動回路系に接続される電極を有する前面
    基板と背面基板、及びこれらに挟まれる隔壁とにより周
    囲を囲む多数個の表示セルを形成したプラズマディスプ
    レイパネルにおいて、 該隔壁を表面を絶縁したひとつのシ−ト状金属板、ない
    し表面を絶縁した複数のシ−ト状金属板の積み重ねで形
    成し、該隔壁の少なくとも一つのシ−ト状金属板を該駆
    動回路系に接続した構造を特徴とするプラズマディスプ
    レイパネル。
  9. 【請求項9】駆動回路系に接続される電極を有する前面
    基板と背面基板、及びこれらに挟まれる隔壁とにより周
    囲が囲まれた複数個の表示セルを形成したプラズマディ
    スプレイパネルにおいて、 該隔壁が該前面基板または該背面基板と対向する面に対
    して複数の凸部を形成し、該凸部が該前面基板または該
    背面基板に形成された該電極と重ならないように配置し
    たことをを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  10. 【請求項10】駆動回路系に接続される電極を有する前
    面基板と背面基板、及びこれらに挟まれる隔壁とにより
    周囲が囲まれた複数個の表示セルを形成したプラズマデ
    ィスプレイパネルにおいて、 該前面基板または該背面基板が該隔壁と対向する面に対
    して複数の凸部を形成し、該凸部が該前面基板または該
    背面基板に形成された該電極と重ならないように配置し
    たことをを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  11. 【請求項11】前記前面基板に、ひとつの平面電極を前
    記複数個の表示セルの共通表示電極として形成したこと
    を特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のプラズ
    マディスプレイパネル。
  12. 【請求項12】前記前面基板に、ひとつの平面電極を前
    記複数個の表示セルの共通表示電極として形成し、前記
    隔壁の該凸部が重ならないように前記平面電極に局部的
    な開口部を設けたことを特徴とする請求項9記載のプラ
    ズマディスプレイパネル。
  13. 【請求項13】前記前面基板に、ひとつの平面電極を前
    記複数個の表示セルの共通表示電極として形成し、前記
    前面基板の該凸部が重ならないように前記平面電極に局
    部的な開口部を設けたことを特徴とする請求項10記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  14. 【請求項14】該隔壁に形成された該凸部が誘電体、又
    は該隔壁材で形成されたことを特徴とする請求項9記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  15. 【請求項15】該前面基板または該背面基板に形成され
    た該凸部が誘電体パタ−ンで形成されたことを特徴とす
    る請求項10記載のプラズマディスプレイパネル。
  16. 【請求項16】前記背面基板に、複数のライン状電極か
    らなる表示電極群とアドレス電極群とを互いに交差さ
    せ、前記表示セルに該交差部を対応させて配置したこと
    を特徴とする請求項8記載のプラズマディスプレイパネ
    ル。
  17. 【請求項17】前記背面基板が第一の絶縁層、前記アド
    レス電極群、第二の絶縁層、前記表示電極群、及び第三
    の絶縁層の順に積層されて形成されたことを特徴とする
    請求項16記載のプラズマディスプレイパネル。
  18. 【請求項18】前記第三の絶縁層が前記表示電極群の周
    辺を被覆し、前記第二の絶縁層を被覆しない部分を前記
    表示セルに対応させて形成したことを特徴とする請求項
    17記載のプラズマディスプレイパネル。
  19. 【請求項19】前記第二の絶縁層と前記表示電極群の間
    に前記表示電極群を形成するための第四の絶縁層を単層
    または多層構成で形成し、前記第四の絶縁層が前記第四
    の絶縁層の下地層となる第二の絶縁層に対して被覆しな
    い部分を前記表示セルに対応させて形成したことを特徴
    とする請求項17記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 【請求項20】前記第二の絶縁層と前記表示電極群の間
    に前記表示電極群を形成するための第四の絶縁層を単層
    または多層構成で形成し、前記第四の絶縁層が前記第四
    の絶縁層の下地層となる第二の絶縁層に対して被覆しな
    い部分を前記表示セルに対応させて形成し、かつ前記第
    三の絶縁層が前記表示電極群の周辺を被覆し前記第二の
    絶縁層を被覆しない部分を前記表示セルに対応させて形
    成したことを特徴とする請求項17記載のプラズマディ
    スプレイパネル。
  21. 【請求項21】前記前面基板にひとつの平面電極を前記
    複数個の表示セルの共通表示電極として形成し、前記背
    面基板に複数のライン状電極からなる表示電極群とアド
    レス電極群とを互いに交差させ前記表示セルと該交差部
    とを対応させて形成したことを特徴とする請求項8記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  22. 【請求項22】請求項1記載のプラズマデスプレイパネ
    ルと、該プラズマデスプレイパネルに所望の駆動波形を
    供給する駆動回路とを備えたことを特徴とする画像表示
    装置。
  23. 【請求項23】表示発光放電時において、前記第一の表
    示電極と前記第二の表示電極との間で発生するグロ−放
    電の陽光柱部に、前記メタル隔壁のメタル電位Vmと前
    記メタル隔壁の表面に形成される壁電圧Vqとを用いて
    等電位領域を形成したことを特徴とする請求項5記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  24. 【請求項24】前記第一の表示電極と前記第二の表示電
    極のうちのアノード電極となる一方の電極に印加される
    表示パルス電圧VAを前記メタル電位Vmとほぼ等しくし
    たことを特徴とする請求項23記載のプラズマディスプ
    レイパネル。
  25. 【請求項25】前記アノード電極に印加される前記表示
    パルス電圧VA と前記メタル電位Vmとをほぼ零ボルトに
    し、前記第一の表示電極と前記第二の表示電極のうちの
    カソード電極となる他方の電極に印加される表示パルス
    電圧VKを負の表示パルス電圧Vsusとしたことを特徴と
    する請求項24記載のプラズマディスプレイパネル。
  26. 【請求項26】前記メタル電位Vmを、該駆動回路系が
    有する直流バイアス電圧を供給する端子に接続して外部
    電位で与えたことを特徴とする請求項24〜25記載の
    プラズマディスプレイパネル。
  27. 【請求項27】前記メタル電位Vmを、前記第一の表示
    電極、前記第二の表示電極及び前記メタル隔壁とで形成
    した容量分布と、前記第一の表示電極と前記第二の表示
    電極とに印加する駆動波形の直流電圧成分とによる浮遊
    容量電位で与えたことを特徴とする請求項24〜25記
    載のプラズマディスプレイパネル。
  28. 【請求項28】前記第一の表示電極と前記第二の表示電
    極とに印加する駆動波形の直流電圧成分をほぼ等しく
    し、該メタル電位Vmを該直流電圧成分で与えたことを
    特徴とする請求項27記載のプラズマディスプレイパネ
    ル。
  29. 【請求項29】前記メタル電位Vmをほぼ零ボルトの該
    直流電圧成分で与えたことを特徴とする請求項27記載
    のプラズマディスプレイパネル。
  30. 【請求項30】前記第一の表示電極と前記第二の表示電
    極とに印加する駆動波形の直流電圧成分をサブフィ−ル
    ド単位でほぼ等しくすることを特徴とする請求項27記
    載のプラズマディスプレイパネル。
  31. 【請求項31】前記メタル電位Vmを、前記駆動回路系
    が有する直流バイアス電圧を供給する端子に接続した外
    部電位と、前記プラズマディスプレイパネルの全領域で
    前記第一の表示電極、前記第二の表示電極及び前記メタ
    ル隔壁で形成した容量分布と前記第一の表示電極と前記
    第二の表示電極とに印加する駆動波形の直流電圧成分と
    による浮遊容量電位で与え、該外部電位と該浮遊容量電
    位とをほぼ等しく設定したことを特徴とする請求項23
    記載のプラズマディスプレイパネル。
  32. 【請求項32】前記メタル電位Vmを、該駆動回路系が
    有する直流バイアス電圧を供給する端子に電流制限抵抗
    を直列接続して外部電位で与えたことを特徴とする請求
    項24〜25記載のプラズマディスプレイパネル。
  33. 【請求項33】前記第一の表示電極若しくは/及び前記
    第二の表示電極と該駆動回路系との間に電流制限抵抗を
    挿入して駆動したことを特徴とする請求項24〜25記
    載のプラズマディスプレイパネル。
  34. 【請求項34】前記第一の表示電極若しくは/及び前記
    第二の表示電極、及び該メタル隔壁と該駆動回路系との
    間にそれぞれ電流制限抵抗を挿入したことを特徴とする
    請求項24〜25記載のプラズマディスプレイパネル。
  35. 【請求項35】該表示セルの放電維持電流が該表示セル
    内の前記第一の表示電極と前記第二の表示電極との間に
    流れるように該電流制限抵抗を形成したことを特徴とす
    る請求項34記載のプラズマディスプレイパネル。
  36. 【請求項36】表面を絶縁した第一の電極を有する基板
    1と該第一の電極に対向して配置した表面を絶縁した第
    二の電極を有する基板2と、該基板1と該基板2との間
    に配置した表面を絶縁したメタル隔壁とを少なくとも備
    えた放電空間を用いて、該第一の電極と該第二の電極と
    の間でグロ−放電を発生させて少なくとも陽光柱を形成
    させたことを特徴とする電子装置。
  37. 【請求項37】該第一の電極と該第二の電極のうちのア
    ノ−ド電極となる一方の電極に印加される電圧を該メタ
    ル隔壁にも印加してアノ−ド電極としたことを特徴とす
    る請求項36記載の電子装置。
  38. 【請求項38】アノ−ド電極にほほ零ボルト、カソ−ド
    電極に負電圧をそれぞれ印加して駆動したことを特徴と
    する請求項37記載の電子装置。
  39. 【請求項39】該第一の電極、該第二の電極、及び該メ
    タル隔壁と駆動回路系との間にそれぞれ電流制限抵抗を
    挿入したことを特徴とする請求項38記載の電子装置。
  40. 【請求項40】放電維持電流が該第一の電極と該第二の
    電極との間に流れるように該電流制限抵抗を形成したこ
    とを特徴とする請求項39記載の電子装置。
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