JPH11311774A - プラズマアドレス表示装置 - Google Patents

プラズマアドレス表示装置

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JPH11311774A
JPH11311774A JP11795798A JP11795798A JPH11311774A JP H11311774 A JPH11311774 A JP H11311774A JP 11795798 A JP11795798 A JP 11795798A JP 11795798 A JP11795798 A JP 11795798A JP H11311774 A JPH11311774 A JP H11311774A
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discharge
plasma
electrode
gas
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Toshiyuki Fujine
俊之 藤根
Kazuhiko Inoguchi
和彦 猪口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマアドレス表示装置において低放電電
圧、ディケイ時間の短縮、低放電電流、長寿命を実現す
る。 【解決手段】 中間シ−トを介して重ねられた電気光学
セルとプラズマセルとを備え、該プラズマセルは前記中
間シ−トに対して放電可能な気体を封入する空間を介し
て接合した基板と、該基板上に形成されたストライプ状
の放電電極とストライプ状の隔壁と、を有し、互いに隣
り合う隔壁の間に放電チャンネルを形成しているプラズ
マアドレス表示装置において、前記放電電極は、前記放
電チャンネル内に少なくとも一対形成され、間隔が5μ
m以上100μm未満であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマアドレス
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気光学セルとして液晶セルを用
いたマトリックスタイプの電気光学装置、例えば液晶表
示装置を高解像度化、高コントラスト化するための手段
としては、各画素毎に薄膜トランジスタなどのスイッチ
ング素子を設け、これを線順次で駆動するアクティブマ
トリックスアドレス方式が一般的に知られている。しか
しながら、この場合、薄膜トランジ1スタの様な半導体
素子を基板上に多数設ける必要があり、特に大面積化し
た時に製造歩留まりが悪くなるという短所がある。この
ため、最近、薄膜トランジスタなどからなるスイッチン
グ素子に代えてプラズマ放電に基づくスイッチを利用す
る方式が提唱されている。
【0003】図10は、特開平8−293264等で開
示されている従来のプラズマアドレス表示装置の部分断
面構成図である。図10に示すように、プラズマアドレ
ス表示装置は液晶セルと、プラズマセルと、それらの間
に介在する誘電体シ−ト17とを積層したフラットパネ
ル構造をしている。液晶セルは、図10における紙面平
行方向に所定の間隔で設けられた左右方向に延びた複数
のデ−タ電極(行電極)18と、誘電体シ−ト17とデ
−タ電極18との間に液晶が充填された液晶層19とを
有する。プラズマセルは、ガラス基板20、プラズマ室
21a、21b、21c、カソ−ド電極22a、22
b、22c、アノ−ド電極23a、23b、23c及び
バリアリブ24を有する。ガラス基板20上には、紙面
垂直方向に延びたストライプ状のパタ−ンでカソ−ド電
極22a、22b、22c及びアノ−ド電極23a、2
3b、23cが形成してある。さらに、ストライプ状の
パタ−ンで誘電体シ−ト17の下面に達するバリアリブ
24が形成してある。
【0004】図10に示す従来のプラズマアドレス表示
装置の場合、ストライプ状パタ−ンで形成されたアノ−
ド電極23a、23b、23c上に、ストライプ状のパ
タ−ンで、誘電体シ−ト17の下面に達するバリアリブ
24が形成してある。カソ−ド電極22a、22b、2
2cは、プラズマ室21a、21b、21c内に露出し
ている。誘電体シ−ト17、ガラス基板20、バリアリ
ブ24によって個々に密閉されたプラズマ室21a、2
1b、21cには、イオン化可能なガスが封入してあ
る。このガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、アル
ゴン、キセノンあるいはこれらの混合ガスなどが使用さ
れる。
【0005】以上の構成において、例えば、図10に示
すプラズマ室21aに対応するカソ−ド電極22a及び
アノ−ド電極23a、23bに所定の電圧が印加される
と、カソ−ド電極22a及びアノ−ド電極23a、23
bがそれぞれカソ−ド、アノ−ドとして作用し、プラズ
マ室21aの部分のガスが選択的にイオン化されてプラ
ズマ放電が発生し、その内部は略アノ−ド電位に維持さ
れる。この状態で、デ−タ電極18にデ−タ電圧が印加
されると、プラズマ室21aに対応する画素の液晶層1
9に誘電体シ−ト17を介してデ−タ電圧が書き込まれ
る。プラズマ放電が終了すると、プラズマ室21aは浮
遊電位となり、対応する画素の液晶層19に書き込まれ
た電圧は、次の書き込み期間(例えば1フレ−ム後)ま
で保持される。この時、プラズマ室21aはサンプリン
グスイッチとして機能し、各画素の液晶層19はサンプ
リングキャパシタ−として機能している。各画素の液晶
層19に対してデ−タ電極18から書き込まれたデ−タ
電圧によって液晶が動作することから画素単位で表示が
行われる。従って、プラズマ放電を発生させて列方向に
並ぶ複数の画素の液晶層19にデ−タ電圧を書き込む一
対のプラズマ室を行方向に順次走査していくことで、二
次元画像の表示を行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した様に、プ
ラズマアドレス表示装置では、プラズマサンプリングス
イッチが導通した状態で表示セルに所定の電圧の画像信
号を書き込むことにより表示を行う。プラズマサンプリ
ングスイッチの導通状態は放電チャンネルのプラズマ放
電により発生するイオンと電子に依存している。プラズ
マ放電により一部の粒子は準安定状態に励起してその後
基底状態に戻る。放電チャンネルのプラズマ放電が終了
した後、この様な準安定原子は比較的長時間存在し、微
量ではあるがイオンと原子を生成する。従って、プラズ
マサンプリングスイッチは放電終了後でもしばらく導通
状態を保っている。
【0007】プラズマサンプリングスイッチが完全に非
導通状態に戻るのは、準安定原子が略完全に基底状態に
復帰した時点である。このため、最終的に表示セルに書
き込まれる信号電荷を決定するのは準安定原子が基底状
態に戻るまでのディケイ時間である。1走査線あたりに
割り当てられる時間は表示方式によって異なるが、VG
Aの場合には、34.7μsec、ハイビジョンのよう
な高精細表示の場合には20μsec以下となる。1走
査線に割り当てられた書き込み期間と準安定原子のディ
ケイ時間(寿命)の対応がとれていないと、線順次走査
に同期した画像信号の書き込みを完全にできないことに
なる。従って、ハイビジョンのような高精細表示を行う
場合、ディケイ時間を少なくとも20μsec以下、好
ましくは10μsec以下とする必要がある。
【0008】上記従来のプラズマアドレス表示装置にお
けるプラズマ基板の場合、40インチクラスの大型画面
では、電極材料としてNiが使用され、開口率を考慮
し、ピッチ1mm、アノ−ド電極幅0.3mm、カソ−
ド電極幅0.2mm、アノ−ド電極とカソ−ド電極の電
極間隔は0.25mm程度である。また、ガスとしては
主に25Torr程度の圧力のキセノンガスが使用され
ていた。この場合のディケイ時間は約30μsecであ
った。このため従来のプラズマ基板とガスではハイビジ
ョンのような高精細表示ができないという問題がある。
【0009】この対応として、特開平8−313883
のように希ガスに水素等の不活性ガスを微量添加する方
法が提案されているが、パネル内での均一混合が困難で
あり、さらに、パネル構成材料への不活性ガス吸着によ
り時間とともに混合比率が変化してしまい、ディケイ時
間が場所や時間とともに変化してしまうという問題があ
る。また、上記従来のプラズマ基板構造、ガス種類のま
まディケイ時間を短くする方法として、ガスの圧力を高
くするという方法がある。
【0010】図11はXeガス圧力とディケイ時間の関
係を示す図である。図11のように、従来使用されてい
たキセノンガスにおいても25Torrではディケイ時
間が30μsecであるが、60Torrでは10μs
ecとなりディケイ時間から言えば高精細表示が可能と
なる。しかし、従来のプラズマ基板においてガス圧力を
上げると、放電電流の増加を招く。
【0011】図12は、従来の構造におけるキセノンガ
ス圧と放電電流の関係を示す実験結果である。放電電流
はガス圧の2乗に比例し、放電電極長さ1mの40イン
チのパネルでは1つの放電チャンネルの放電電流は、2
5Torrで100mAであったものが、60Torr
では600mAにも増加してしまう。このため、大きな
消費電力増加と、放電時のカソ−ド表面でのスパッタリ
ングが顕著となるため、寿命が大きく低下してしまうと
いう問題がある。同時に、パネル内での放電状態を均一
化するために放電電圧をさらに増加すると、ガス圧が高
いほど局所的なア−ク放電が発生しやすくなり、駆動マ
−ジンが低下してしまう。従来の構造の場合、ガス圧6
0Torrで駆動マ−ジンは10(V)程度である。
【0012】さらに、従来のプラズマ基板において材
料、同一ガス種のままディケイ時間を短縮する方法とし
て準安定原子のプラズマ基板構成物への拡散の割合を増
加させるために、隔壁高さを低くすることも考えられる
が、この場合、プラズマ放電開始電圧が大きく上昇して
しまい消費電力増大、駆動用ICのコストアップという
問題が生じてしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、中間シ−トを
介して重ねられた電気光学セルとプラズマセルとを備
え、該プラズマセルは前記中間シ−トに対して放電可能
な気体を封入する空間を介して接合した基板と、該基板
上に形成されたストライプ状の放電電極とストライプ状
の隔壁と、を有し、互いに隣り合う隔壁の間に放電チャ
ンネルを形成しているプラズマアドレス表示装置におい
て、前記放電電極は、前記放電チャンネル内に少なくと
も一対形成され、間隔が5μm以上100μm未満であ
ることを特徴とし、それにより上記目的が達成される。
【0014】前記放電電極は、前記放電チャンネル内に
おいて略線対称に配置されていることが好ましい。
【0015】放電ガスの圧力を、パッシェン曲線が極小
を示す圧力Pmim(Torr)以下、Pmim−50
(Torr)以上とすることが好ましい。
【0016】以下、作用について説明を行なう。本発明
は、中間シ−トを介して重ねられた電気光学セルとプラ
ズマセルとを備え、該プラズマセルは前記中間シ−トに
対して放電可能な気体を封入する空間を介して接合した
基板と、該基板上に形成されたストライプ状の放電電極
とストライプ状の隔壁と、を有し、互いに隣り合う隔壁
の間に放電チャンネルを形成しているプラズマアドレス
表示装置において、前記放電電極は、前記放電チャンネ
ル内に少なくとも一対形成され、間隔が5μm以上10
0μm未満であることを特徴としているので、放電に寄
与する電界を不平等電界ではなく、平等電界に近いもの
とすることが可能となる。すなわち電界集中、歪みの少
ない電界により放電を引き起こすことが可能となる。そ
のため、放電開始、均一放電を、安定に低い電圧で起こ
すことが可能となる。また、電界の集中が軽減されるた
めに、放電の集中も発生し難くなるなるため、低い放電
電流で放電させることが可能となり、従来問題となって
いた高ガス圧化による電流増加による消費電力増加及び
寿命短縮を大幅に改善することが可能となる。
【0017】すなわち、ハイビジョンのような高精細表
示用にディケイ時間10μsec以下とするために、ガ
ス圧力を増加してディケイ時間の短縮をはかることが放
電電流上昇なしに実現可能となる。そのため、従来問題
となっていた消費電力増大、短寿命の問題を解決するこ
とができる。また、電界集中による局所放電がし難くな
るため、パネル内での放電状態の均一化のために放電電
圧を増加しても、局所的なア−ク放電が発生しにくくな
るため、高いガス圧としても広い駆動マ−ジンのプラズ
マ放電とすることが可能となる。さらに、一対のストラ
イプ状の放電電極の間隔を、5μm以上とすることによ
り、使用時間増加にともない電極間にスパッタされた電
極材が付着し電極が短絡してしまうことによる寿命の問
題についても、十分長寿命化を図ることが可能となる。
【0018】前記放電電極は、前記放電チャンネル内に
おいて略線対称に配置されていることを特徴とするの
で、プラズマがプラズマ室内全域に均一に広がる。従っ
て、液晶にかかる電界が均一となり、表示むらが生じな
い。
【0019】放電ガスの圧力を、パッシェン曲線が極小
を示す圧力Pmim(Torr)以下、Pmim−50
(Torr)以上としているので、大きなサイズのプラ
ズマアドレス表示装置用のプラズマ放電電極長が1mを
超えるような場合であっても均一な放電をえることが可
能となる。あまり放電ガス圧を低下させると放電開始電
圧の上昇を招くが、Pmim以下、Pmimよりも50
Torr低い圧力以上であれば、放電開始電圧の上昇も
ほとんど無く均一放電を得ることが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に説明する。
【0021】(実施の形態1)図1は、本発明の第1の
実施形態のプラズマアドレス表示装置の断面図である。
図1に示すように、プラズマアドレス表示装置は液晶セ
ルと、プラズマセルと、それらの間に介在する誘電体シ
−ト1とを積層したフラットパネル構造をしている。
【0022】液晶セルは、図1中紙面平行方向に所定の
間隔で設けられた左右方向に延びた複数のデ−タ電極
(行電極)2と、誘電体シ−ト1とデ−タ電極2との間
に液晶が充填された液晶層3とを有する。プラズマセル
は、ガラス基板4、プラズマ室5a、5b、5c、カソ
−ド電極6a、6b、6c、アノ−ド電極7a、7b、
7c及びバリアリブ8を有する。ガラス基板4上には、
紙面垂直方向に延びたストライプ状のパタ−ンでカソ−
ド電極6a、6b、6c及びアノ−ド電極7a、7b、
7cが形成してある。さらに、ストライプ状のパタ−ン
で誘電体シ−ト1の下面に達するバリアリブ8が形成し
てある。誘電体シ−ト1、ガラス基板4、バリアリブ8
によって個々に密閉されたプラズマ室5a、5b、5c
には、イオン化可能なガスが封入してある。このガスと
しては、例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン
あるいはこれらの混合ガスなどが使用される。
【0023】以上の構成において、例えば、図1に示す
プラズマ室5aに対応するカソ−ド電極6a及びアノ−
ド電極7aに所定の電圧が印加されると、カソ−ド電極
6a及びアノ−ド電極7aがそれぞれカソ−ド、アノ−
ドとして作用し、プラズマ室5aの部分のガスが選択的
にイオン化されてプラズマ放電が発生し、その内部は略
アノ−ド電位に維持される。この状態で、デ−タ電極2
にデ−タ電圧が印加されると、プラズマ室5aに対応す
る画素の液晶層3に誘電体シ−ト1を介してデ−タ電圧
が書き込まれる。プラズマ放電が終了すると、プラズマ
室5aは浮遊電位となり、対応する画素の液晶層3に書
き込まれた電圧は、次の書き込み期間(例えば1フレ−
ム後)まで保持される。この時、プラズマ室5aはサン
プリングスイッチとして機能し、各画素の液晶層3はサ
ンプリングキャパシタ−として機能している。各画素の
液晶層3に対してデ−タ電極2から書き込まれたデ−タ
電圧によって液晶が動作することから画素単位で表示が
行われる。従って、プラズマ放電を発生させて列方向に
並ぶ複数の画素の液晶層3にデ−タ電圧を書き込む一対
のプラズマ室を行方向に順次走査していくことで、二次
元画像の表示を行うことができる。図1において本発明
の第一の特徴は、一対のストライプ状の放電電極の間隔
が、5μm以上100μm未満であることである。
【0024】図2から図5は、本発明の効果を確認する
ためにおこなった実験結果である。実験は、図1に示す
セルにおいて、バリアリブピッチ1mm、ストライプ状
の放電電極長1m、バリアリブ高さ300μm、電極幅
20〜100μm、電極間隔を3μm〜580μmの間
で変化させたプラズマセルを作製することにより行っ
た。封入ガスとしてはキセノンを用いた。また、電極材
としては厚さ20μmのNiを用いた。
【0025】図2は、このような条件で作製したプラズ
マセルにおいていろいろなキセノンガス圧における放電
開始電圧を測定し、放電開始電圧とガス圧の関係をプロ
ットした曲線における極小値、いわゆる、パッシェンミ
ニマムPmimにおける放電開始電圧を比較した図であ
る。図2のように、一対のストライプ状の放電電極の間
隔が100μm未満において急激に放電開始電圧が低下
することが確認できた。ここで、一般的には放電開始電
圧と(ガス圧×電極間距離)の関係は、ガスの種類によ
り一定で、放電開始電圧の極小値も一定の値になること
が知られている。(産業図書株式会社『プラズマ工学の
基礎』)しかしながら、図3に示されるように、電極間
隔が狭くなるに従い、放電開始電圧の極小値の値が小さ
くなり、極小となるガス圧以下の領域における放電開始
電圧の上昇カーブも緩やかになってくることが実験によ
り確認された。特に、電極間隔が100μmよりも小さ
くなると上昇カーブが緩やかになってくる傾向がある。
【0026】また、図4は上記プラズマセルのキセノン
ガス圧50Torr、電極幅50μmの場合の、均一な
放電を得るために必要な放電電流を示す図である。図4
より電極間隔を小さくすることより、電界集中が低減
し、局所的な高エネルギ−放電が抑制されるため、放電
電流が大幅に低減できていることがわかる。電極間隔が
70μmでは、約25mAにまで放電電流を低減してい
る。これは、電界集中が低減し、局所的な高エネルギー
放電が抑制されているためである。
【0027】実際の放電電流とキセノンガス圧の関係の
一例として電極間隔70μm、電極幅は従来と同じ14
0μmの場合についての測定結果を図5に示す。従来構
造における電極間隔(250μm)では、60Torr
で600mAもの大きな電流が流れていた。(図12)
それに対して、電極間隔70μmの場合はガス圧が60
Torrで放電電流が100mAであり、少ない電流で
十分な放電が得られた。
【0028】実際の高開口率でハイビジョン等の高精細
表示を実現する一例としては、上記構造のプラズマセル
において、キセノンガス圧60Torr、電極幅70μ
m、電極間隔70μm、バリアリブピッチ0.5mm、
ストライプ状の放電電極長1m、バリアリブ高さ100
μmである。このプラズマセルの特性は、ディケイ時間
10μsec、放電開始電圧280(V)、放電電流5
0mA、駆動マ−ジン200(V)と、ハイビジョン等
の高い精細表示可能なディケイ時間で、低い放電開始電
圧であり、かつ、非常に小さい放電電流密度で幅広い駆
動マ−ジンを持つ。さらに高いガス圧とすることにより
さらにディケイ時間は短縮される。たとえば、ガス圧8
0Torrではディケイ時間6μsecである。
【0029】また、電極間隔の下限値は寿命により決定
される。図6は放電電極間隔と寿命の実験結果を示す図
である。この図で示されるように、5μm以下の電極間
隔である場合、数100時間程度で電極材料のスパッタ
リングにより電極材料が電極間に付着し電極がショ−ト
してしまうために放電セルとして機能しなくなってしま
い寿命が極端に低下してしまう。従って、電極間隔とし
ては5μm以上とする必要がある。
【0030】次に、図7を用いて放電ガスの圧力につい
て説明する。図7は、図1のプラズマセル構造で、バリ
アリブピッチ0.5mm、ストライプ状の放電電極長1
m、バリアリブ高さ300μm、電極幅70μm、電極
間隔を70μm、電極材として厚さ20μmのNiを用
いたプラズマセルを作製し、封入ガスであるキセノンの
封入圧力を変えて、放電開始電圧とガス圧の関係測定し
た曲線、いわゆる、パッシェン曲線である。プラズマア
ドレス表示装置においては、ストライプ電極全体で均一
に放電させることが重要であるが、ストライプ電極の長
さが長くなるほど同一電極内、あるいは、パネル全体で
の放電むらが発生しやすくなる。その原因の一つとして
は、主に電極加工プロセスにおける加工むら、すなわ
ち、欠けや突起に起因する局所的に電界集中、あるい
は、電界の弱い部分ができてしまうことに起因する。
【0031】構造に起因する本来の電界集中について
は、一対のストライプ状の放電電極の間隔を、5μm以
上、100μm未満とすることにより対応可能で、良好
な放電特性を有するプラズマパネルを得ることが可能で
あるが、このような上記加工むらに起因する問題に対し
て、本発明者は、パッシェン曲線が極小を示す圧力をP
mimとすると、放電ガスの圧力を、Pmim以下とす
ることにより、同一電極内及びパネル全体で非常に均一
な放電を得ることが可能であることを見出した。ただ
し、図7のように、あまり放電ガスの圧力を低くすると
放電開始電圧が上昇してしまい、消費電力増加や、駆動
ICのコストアップとなってしまう。そのため、放電ガ
スの圧力を、Pmim以下、Pmimよりも50Tor
r低い圧力以上とすればよい。特に本発明のように電極
間隔を小さくすることでPmim以下での放電開始電圧
の上昇カーブがなだらかになってくるのでPmimより
も50Torr低い圧力であっても放電開始電圧は急激
に大きくなることがない。
【0032】図8は、バリアリブピッチ0.5mm、ス
トライプ状の放電電極長1m、バリアリブ高さ300μ
m、電極幅70μm、放電ガスとしてキセノン、電極材
として厚さ20μmのNiを用いたプラズマセルの、P
mimと電極間隔の関係の測定結果である。ハイビジョ
ンの様な高精細表示を実現する場合、ディケイ時間を1
0μsec以下にする必要があるが、本実施例のキセノ
ンガスを使用する場合には図11のように60Torr
以上のガス圧とする必要がある。その場合、キセノンガ
スを使用しNi電極を用いる場合には、電極間隔を10
0μm以下にする必要がある。このように、狙いとする
ディケイ時間により電極間隔の最大値は適宜決定する。
さらに、本発明の特徴の電極間隔5μm〜100μmを
考慮し、この場合の電極間隔の最大値は約100μmと
なる。ただし、Pmimは使用するガス種、放電電極
材、構造等により変化するため、ここで説明した値は一
例にすぎず、本発明は電極材としてNi以外にも、A
l、六ホウ化ランタン、等一般に電極として使用される
すべてのものに適用可能である。また、ガス種もキセノ
ンに限るものではなく、アルゴン、ヘリウム、ネオン
等、放電ガスとして知られるすべてのガスに適用可能で
ある。
【0033】(実施の形態2)次に、図9を用いて本発
明の第2の実施形態について説明する。図9は、本発明
の第2の実施形態のプラズマアドレス表示装置の部分断
面図である。図9に示すように、プラズマアドレス表示
装置は液晶セルと、プラズマセルと、それらの間に介在
する誘電体シ−ト9とを積層したフラットパネル構造を
している。
【0034】液晶セルは、図9における紙面平行方向に
所定の間隔で設けられた左右方向に延びた複数のデ−タ
電極(行電極)10と、誘電体シ−トとデ−タ電極10
との間に液晶が充填された液晶層11とを有する。
【0035】プラズマセルは、ガラス基板12、プラズ
マ室13a、13b、13c、カソ−ド電極14a1、
14b1、14c1、14a2、14b2、14c2、
アノ−ド電極15a、15b、15c、及びバリアリブ
16を有する。
【0036】ガラス基板12上には、紙面垂直方向に延
びたストライプ状のパタ−ンでカソ−ド電極14a1、
14b1、14c1、14a2、14b2、14c2、
及びアノ−ド電極15a、15b、15c、が形成して
ある。さらに、ストライプ状のパタ−ンで誘電体シ−ト
9の下面に達するバリアリブ16が形成してある。
【0037】また、電極14a1と15a、14a2と
15b、14b1と15b、14b2と15c、14c
1と15c、14c2と15dはそれぞれ対となり機能
する。
【0038】本実施形態においては、図9のように、放
電電極対はプラズマ室内で略線対称に配置される。この
ように、放電電極が線対称にしかも複数対配置されてい
るのでプラズマがプラズマ室内全域に均一に広がる。従
って、液晶にかかる電界が均一となりセル内に表示むら
が生じない。
【0039】図9においては、バリアリブ16と放電電
極対の一方の電極が一部重なった部分を有しているが、
本発明はこれに限るものでなく、バリアリブ16と放電
電極対の一方の電極が一部重なった部分を有していなく
とも良い。誘電体シ−ト9、ガラス基板12、バリアリ
ブ16によって個々に密閉されたプラズマ室13a、1
3b、13cには、イオン化可能なガスが封入してあ
る。このガスとしては、例えばヘリウム、ネオン、アル
ゴン、キセノンあるいはこれらの混合ガスなどが使用さ
れる。以上の構成において、例えば、図9に示すプラズ
マ室13aに対応するカソ−ド電極14a1、14a2
及びアノ−ド電極15a、15bに所定の電圧が印加さ
れると、カソ−ド電極14a1、14a2及びアノ−ド
電極15a、15bがそれぞれカソ−ド、アノ−ドとし
て作用し、電極14a1と15aの間、及び、14a2
と15bの間で放電が発生し、プラズマ室13aの内部
はガスプラズマで満たされ、その内部は略アノ−ド電位
に維持される。
【0040】この状態で、デ−タ電極10にデ−タ電圧
が印加されると、プラズマ室13aに対応する画素の液
晶層11に誘電体シ−ト9を介してデ−タ電圧が書き込
まれる。プラズマ放電が終了すると、プラズマ室13a
は浮遊電位となり、対応する画素の液晶層11に書き込
まれた電圧は、次の書き込み期間(例えば1フレ−ム
後)まで保持される。この時、プラズマ室13aはサン
プリングスイッチとして機能し、各画素の液晶層11は
サンプリングキャパシタ−として機能している。各画素
の液晶層11に対してデ−タ電極10から書き込まれた
デ−タ電圧によって液晶が動作することから画素単位で
表示が行われる。従って、プラズマ放電を発生させて列
方向に並ぶ複数の画素の液晶層11にデ−タ電圧を書き
込む一対のプラズマ室を行方向に順次走査していくこと
で、二次元画像の表示を行うことができる。
【0041】図9における本実施形態の特徴の一つは、
一対のストライプ状の放電電極の間隔が、5μm以上1
00μm未満であることである。なお、図9において
は、アノ−ド電極15a、15b、15cはバリアリブ
下部にも形成され、隣接する放電チャンネルまでつなが
った構造となっているが、本発明はこれに限るものでは
なく、アノ−ド電極15a、15b、15cは、それぞ
れの放電チャンネルのみに露出する構造となるよう分割
した構造としてもよい。また、本発明の第3の特徴とし
ては、放電ガス圧をPmim以下、Pmimよりも50
Torr低い圧力以上とすることである。プラズマアド
レス表示装置においては、ストライプ状の放電電極のど
の部分でも放電のおくれにむらがなく、ストライプ電極
全体で均一に放電させることが重要であるが、ストライ
プ電極の長さが長くなるほど同一電極内、あるいは、パ
ネル全体での放電むらが発生しやすくなる。その原因は
主に電極加工プロセスにおける加工むら、すなわち、欠
けや突起に起因する局所的に電界集中、あるいは、電界
の弱い部分ができてしまうことに起因する。
【0042】構造に起因する本来の電界集中について
は、一対のストライプ状の放電電極の間隔を、5μm以
上、100μm未満とすることにより対応可能で、良好
な放電特性を有するプラズマパネルを得ることが可能で
あるが、このような上記加工むらに起因する問題に対し
て、本発明者は、パッシェン曲線が極小を示す圧力をP
mimとすると、放電ガスの圧力を、Pmim以下とす
ることにより、同一電極内及びパネル全体で非常に均一
な放電を得ることが可能であることを見出した。ただ
し、図7のように、あまり放電ガスの圧力を低くすると
放電開始電圧が上昇してしまい、消費電力増加や、駆動
ICのコストアップとなってしまう。そのため、放電ガ
スの圧力を、Pmim以下、Pmimよりも50Tor
r低い圧力以上とすればよい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、低放電電圧で駆動可
能、ディケイ時間10μsecの高精細表示可能、低放
電電流、長寿命、広い駆動マ−ジンを併せ持つプラズマ
アドレス表示装置を非常に簡単な構造で、かつ、一般的
な放電ガスで得ることが可能となり、非常に低いコスト
で高性能のプラズマアドレス表示装置を得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態のプラズマアドレス表
示装置の断面図である。
【図2】電極間隔と放電開始電圧の関係を示す図であ
る。
【図3】キセノンガス圧と放電開始電圧の関係を示す図
である。
【図4】電極間隔と放電開始電圧の関係を示す図であ
る。
【図5】キセノンガス圧と放電電流の関係を示す図であ
る。
【図6】電極間隔と寿命の関係を示す図である。
【図7】キセノンガス圧と放電開始電圧の関係を示す図
である。
【図8】電極間隔とパッシェン曲線の極小ガス圧の関係
を示す図である。
【図9】本発明の第一の実施形態のプラズマアドレス表
示装置の断面図である。
【図10】プラズマアドレス表示装置の断面図である。
【図11】キセノンガス圧とディケイ時間の関係を示す
図である。
【図12】キセノンガス圧と放電電流の関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
17 誘電体シ−ト 18 デ−タ電極 19 液晶層 20 ガラス基板 21a、21b、21c プラズマ室 22a、22b、22c カソ−ド電極 23a、23b、23c アノ−ド電極 24 バリアリブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中間シ−トを介して重ねられた電気光学
    セルとプラズマセルとを備え、該プラズマセルは前記中
    間シ−トに対して放電可能な気体を封入する空間を介し
    て接合した基板と、該基板上に形成されたストライプ状
    の放電電極とストライプ状の隔壁と、を有し、互いに隣
    り合う隔壁の間に放電チャンネルを形成しているプラズ
    マアドレス表示装置において、 前記放電電極は、前記放電チャンネル内に少なくとも一
    対形成され、間隔が5μm以上100μm未満であるこ
    とを特徴とするプラズマアドレス表示装置。
  2. 【請求項2】 前記放電電極は、前記放電チャンネル内
    において略線対称に配置されている請求項1記載のプラ
    ズマアドレス表示装置。
  3. 【請求項3】 放電ガスの圧力を、パッシェン曲線が極
    小を示す圧力Pmim(Torr)以下、Pmim−5
    0(Torr)以上とすることを特徴とする請求項1及
    び2記載のプラズマアドレス表示装置。
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