JPH11311694A - 原子炉内部構造物の取替方法 - Google Patents

原子炉内部構造物の取替方法

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JPH11311694A
JPH11311694A JP10118170A JP11817098A JPH11311694A JP H11311694 A JPH11311694 A JP H11311694A JP 10118170 A JP10118170 A JP 10118170A JP 11817098 A JP11817098 A JP 11817098A JP H11311694 A JPH11311694 A JP H11311694A
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reactor
pressure vessel
jet pump
reactor pressure
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JP10118170A
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Yoshihiro Yamashita
善弘 山下
Takahiko Kato
隆彦 加藤
Shigeo Hattori
成雄 服部
Masato Koshiishi
正人 越石
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、長期運転実績を持つ原子炉内
のジェットポンプの取替えを、高い信頼性を維持しつつ
実施できる原子炉内部構造物の取替方法を提供すること
にある。 【解決手段】炉水を原子炉圧力容器内に保持した状態で
シュラウド及びジェットポンプを含む原子炉の内部構造
物を取外し、前記原子炉圧力容器の炉心領域を含む範囲
に遮蔽体を設け、前記原子炉圧力容器内の炉水を抜き取
り、その後新規の内部構造物の取付け及び前記遮蔽体の
取外しを行う原子炉内部構造物の取替方法において、新
規のジェットポンプを取付ける際に、前記原子炉圧力容
器内面のクラッド材と新規のジェットポンプの支持構造
物を摩擦圧接を用いて接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力発電プラント
の原子炉圧力容器の内部構造物の取替方法に係り、特に
沸騰水型原子炉に用いるのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、原子力発電プラントは長期安定運
転を目指して、原子炉圧力容器の内部構造物の定期的な
保全の施工が適用されている。原子炉圧力容器の内部構
造物の取替方法に関する従来技術としては、例えば特開
平7−270577 号公報,特開平8−68889 号公報等に記載
された技術がある。
【0003】原子炉圧力容器の内面には、ステンレス鋼
やインコネル等の耐食性材料を用いたクラッド材がバタ
リングされている。ジェットポンプなどの内部構造物の
支持材はこのクラッド材と接合されており、従来、この
接合には、TIG(タングステンイナートガス)溶接,
MIG溶接などの溶接を用いる必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】既に長期運転実績を持
つ原子炉では、原子炉圧力容器のクラッド材は、長期運
転に伴う中性子照射に起因する時効(経年劣化)により
当初の機械的強度(破断延性や衝撃吸収エネルギー)が
低下していることが予想される。このように機械的強度
が低下したクラッド材と、ジェットポンプ等の内部構造
物の支持材との接合に従来の溶接を用いる場合、次のよ
うな問題点が存在する。
【0005】通常の溶接で確実に接合するために必要な
単位長さ当りの入熱量は10〜12kJ/cm程度であり、
微小入熱に改良された溶接を用いても2〜10kJ/cm程
度の入熱量が必要となる。この溶接による入熱量は時効
材であるクラッド材に対しては過大であるため、溶接欠
陥を発生させる可能性があり、接合に伴う信頼性を高く
維持することが難しい。また、溶接の入熱量を更に減少
すると、内部構造物の支持材とクラッド材とを確実に接
合することが困難になり、この場合も接合に伴う信頼性
を高く維持することが難しい。即ち、従来技術では、長
期運転実績を持つ原子炉の内部構造物であるジェットポ
ンプを、高い信頼性を維持しながら取替えることができ
なかった。
【0006】本発明の目的は、長期運転実績を持つ原子
炉内のジェットポンプの取替えを、高い信頼性を維持し
つつ実施できる原子炉内部構造物の取替方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の発明は、炉水を原子炉圧力容器内に保持した状
態でシュラウド及びジェットポンプを含む原子炉の内部
構造物を取外し、前記原子炉圧力容器の炉心領域を含む
範囲に遮蔽体を設け、前記原子炉圧力容器内の炉水を抜
き取り、その後新規の内部構造物の取付け及び前記遮蔽
体の取外しを行う原子炉内部構造物の取替方法におい
て、新規のジェットポンプを取付ける際に、前記原子炉
圧力容器内面のクラッド材と新規のジェットポンプの支
持構造物を摩擦圧接を用いて接合する。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、前記
新規のジェットポンプの支持構造物はライザブレスアー
ムとその支持部材が一体に構成されたものであり、該支
持部材と前記クラッド材とを摩擦圧接を用いて接合す
る。
【0009】第3の発明は、炉水を原子炉圧力容器内に
保持した状態でシュラウド及びジェットポンプを含む原
子炉の内部構造物を取外し、前記原子炉圧力容器の炉心
領域を含む範囲に遮蔽体を設け、前記原子炉圧力容器内
の炉水を抜き取り、その後新規の内部構造物の取付け及
び前記遮蔽体の取外しを行う原子炉内部構造物の取替方
法において、新規のジェットポンプを取付ける際に、前
記原子炉圧力容器内面のライザブレス接合部パッドと新
規のライザブレスアームの支持部材とを摩擦圧接を用い
て接合する。
【0010】第1の発明によれば、長期運転に伴う時効
(経年劣化)により機械的強度が低下したクラッド材と
新規のジェットポンプの支持構造物とを、摩擦圧接を用
いて少ない入熱量で確実に接合できるので、接合に伴う
信頼性を高く維持しつつジェットポンプの取替えを実施
できる。
【0011】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加えて、更にライザブレスアームとその支持部材を原子
炉圧力容器内で溶接する作業を省けるので、作業の工数
及び時間を減らして、作業者の被爆線量を大幅に低減す
ることができる。
【0012】第3の発明によれば、長期運転に伴う時効
(経年劣化)により機械的強度が低下したライザブレス
接合部パッドと新規のライザブレスアームの支持部材と
を、摩擦圧接を用いて少ない入熱量で確実に接合できる
ので、接合に伴う信頼性を高く維持しつつジェットポン
プの取替えを実施できる。
【0013】以下、図11を用いて摩擦圧接を適用した
ことによる作用を説明する。図11は、原子炉圧力容器
内面のクラッド材の中性子照射量と溶接可能な溶接入熱
量との関係を示す。同図に示すように、中性子照射量が
1023n/m2 より大きくなると、溶接可能な溶接入熱
量が急激に低下することが判る。これは、中性子照射に
よる時効(経年劣化)でクラッド材の機械的強度が低下
していることに起因している。
【0014】図中に示した溶接可能範囲から、中性子照
射量1023n/m2 以上では、従来の溶接法(TIG溶
接,MIG溶接)による溶接が極めて困難になるか又は
不可能であることが判る。即ち、1023n/m2 以上の
中性子照射量を受けたクラッド材の接合に従来の溶接法
を用いることは実質的に不可能で、溶接入熱量が0.5〜
3kJ/cm程度で済む摩擦圧接であれば適用可能であるこ
とが判る。
【0015】特に、約5×1023n/m2 以上の中性子
照射量を受けたクラッド材に対しては、約2kJ/cm以下
の溶接入熱量が必要となるため、従来の溶接法が全く使
えず、摩擦圧接の有効性がより顕著になる。ジェットポ
ンプ等の原子炉炉心周りの内部構造物の取替えが必要と
なる時期までにその支持材の接合対象であるクラッド材
が受ける現実的な中性子照射量は、1023n/m2以上
(最も多い位置で1024n/m2 以上)になると予想さ
れる。従って、これらの内部構造物の取替作業に本発明
の方法を適用することにより、接合に伴う信頼性を高く
維持できることになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、長期運転実績を持つ沸騰水
型原子力発電プラントの定期検査時に、原子炉圧力容器
の内部構造物(炉内構造物)の取替作業に本発明を適用
した一実施例を説明する。図1は本実施例の作業手順を
示すフローチャートである。図2は本実施例の取替作業
を適用する前の原子炉圧力容器周りの概略縦断面図であ
る。
【0017】図1に示すように、まず原子炉圧力容器フ
ランジ3の下方に炉水の水位を保持して、原子炉圧力容
器(RPV)上蓋1及び蒸気乾燥器2を、原子炉建屋の
天井クレーン(図示省略)を用いて順に取外す。この
際、オペレーティングフロア5に居る作業者の数を極力
少なくし、鉛毛マットなどの遮蔽も設けて、作業者の被
曝を低減する。
【0018】次に、原子炉ウェル7を満水にした状態
で、気水分離器6,シュラウドヘッド8,燃料集合体
9,燃料支持金具10,制御棒(CR)11,制御棒案内
管(CR/GT)12を順次取外す。取外した燃料集合
体9は使用済燃料プール13に、気水分離器6は蒸気乾
燥器/気水分離器保管プール14の空きスペースに、そ
の他の機器は専用の貯槽に、それぞれ保管する。原子炉
ウェル7を満水にすることにより、作業者の被曝を低減
している。
【0019】次に、シュラウド15と溶接で接続されて
いる炉心スプレイスパージャ/配管16及び低圧注水配
管(図示省略)のベローズ部を遠隔操作式水中切断装置
で切断して取外す。次に、原子炉圧力容器18に溶接及
び機械的手段で取付けられている給水スパージャ19を
遠隔操作式水中切断装置で切断して取外す。次に、上部
格子板20をシュラウド15に固定しているクサビ,ス
トッパ及びボルト(図示省略)を、遠隔操作式水中切断
装置でその回り止めを取除き、専用の工具で夫々を取外
し、上部格子板20を取外す。次に、炉心支持板21を
シュラウド15に固定しているボルト(図示省略)を、
遠隔操作式水中切断装置でその回り止めを取除き、専用
の工具で取外し、炉心支持板21を取外す。
【0020】次に、ICM案内管22及びICMスタビ
ライザを遠隔操作式水中切断装置で切断し、専用の工具
で取外す。次に、差圧検出配管24及びホウ酸水注入配
管25をシュラウド15に支持しているサポート(図示
省略)を遠隔操作式水中切断装置で切断する。次に、遠
隔操作式水中切断装置でシュラウド15をシュラウドサ
ポートシリンダー26から切り離し、炉外(原子炉圧力
容器18の外部)に搬出する。
【0021】次に、ジェットポンプライザ27を原子炉
圧力容器18及びジェットポンプディフューザ28から
遠隔操作式水中切断装置を用い、専用の治具で取外す。
次に、ジェットポンプミキサ29をジェットポンプディ
フューザ28から遠隔操作式水中切断装置を用い、専用
の治具で取外す。次に、ジェットポンプディフューザ2
8をシュラウドサポートプレート30から遠隔操作式水
中切断装置を用い、専用の治具で取外す。
【0022】続いて、シュラウドサポートシリンダー2
6をシュラウドサポートプレート30およびシュラウド
サポートレグ31から遠隔操作式水中切断装置を用い、
専用の治具で取外す。次に、シュラウドサポートプレー
ト30を原子炉圧力容器18から遠隔操作式水中切断装
置を用い、専用の治具で取外す。最後に、シュラウドサ
ポートレグ31を原子炉圧力容器18から遠隔操作式水
中切断装置を用い、専用の治具で取外す。以上が夫々の
内部構造物を取外す手順であり、何れも水中で遠隔操作
式装置を用いて実施する。
【0023】次に、原子炉圧力容器18内面の除染を実
施する。除染装置は、水噴射手段32,制御装置33,
信号ケーブル34,高圧水ホース35,高圧ポンプ3
6,本体ベース37等から構成される。除染装置を設置
した状態での原子炉圧力容器周りの概略縦断面図を図3
に示す。図3に示すように、制御装置33及び高圧ポン
プ36はオペレーティングフロア5上に設置され、本体
ベース37は原子炉圧力容器フランジ3の上に設置され
る。
【0024】水噴射手段32は、本体ベース37の下側
に設けられ垂直(上下)方向下方に長く延びたサポート3
7aに沿って上下移動可能に構成され、且つサポート3
7aを中心に原子炉圧力容器18の周方向に回転可能に
構成されている。更に、水噴射手段32は、サポート3
7aを中心に原子炉圧力容器18の径方向にほぼ対称的
に延びているアーム部が、サポート37aを中心にその
両先端部が下方に回転可能に構成されている。
【0025】このように構成されている水噴射手段32
の上下移動及び回転移動を組み合わせながら、水噴射手
段32の両端に設けたノズル32aから高圧ジェット水
32bを噴射することにより、原子炉圧力容器18内面の
除染作業を行う。本除染作業で原子炉圧力容器18内の
雰囲気線量が十分に下がった時点で除染装置を取外す。
尚、除染作業には上記方法以外にも、例えば薬剤を炉水
中に注入して行う化学除染方法を用いても良い。
【0026】続いて原子炉圧力容器18内の炉心領域を
含む範囲に遮蔽体を取付ける。分割可能な構造を持つ遮
蔽体38を、原子炉圧力容器フランジ3からハンガー3
9及びサポート40を介して原子炉圧力容器18内に吊
り降ろし、炉心領域を取囲むように設置する。分割可能
な遮蔽体の員数は、ジェットポンプの員数以上の数で、
原子炉圧力容器18の周方向に遮蔽体を均等に割り振っ
た分割数とする。
【0027】例えば、ジェットポンプの員数が10式の
場合、12体の遮蔽体を設ければ良い。12体の遮蔽体
38を設置後の原子炉圧力容器18の概略構成を図4に
示す。図4(a)が上面図を、(b)が一部縦断面図を
それぞれ示している。その後、炉水4を抜き取る。以上
の除染作業及び遮蔽体の取付けにより、作業員が直接原
子炉圧力容器18内に入って内部構造物の復旧作業を行
うことが可能な大気中の作業環境を確保できる。
【0028】続いて、前記したように取外した内部構造
物を新規製作した物に順次復旧する。まず始めに、新規
製作したシュラウドサポートレグ31を復旧する。復旧
方法は、作業員が復旧する対象箇所に専用のゴンドラ4
2等のアクセス方法で接近し、原子炉圧力容器18の上
から吊り降ろされた新規のシュラウドサポートレグ31
をプラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で復
旧する。尚、この際使用するゴンドラ42に遮蔽体を取
付けることも可能である。この場合、原子炉圧力容器1
8から吊り降ろす分割構造式の遮蔽体38を取外しても
上記復旧作業は可能であるが、併用しても差し支えな
い。
【0029】次に、新規のシュラウドサポートシリンダ
ー26及びシュラウドサポートプレート30を復旧す
る。復旧方法は、作業員が復旧する対象箇所に前記専用
のゴンドラ42等のアクセス方法で接近し、原子炉圧力
容器18の上から吊り降ろされた新規のシュラウドサポ
ートシリンダー26及びシュラウドサポートプレート3
0をプラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で
復旧する。シュラウドサポートプレート30の復旧作業
中の原子炉圧力容器18の概略構成を図5に示す。
【0030】これらの炉心シュラウド15の支持構造物
の復旧作業は、遮蔽体付きゴンドラを使用する場合以外
は、前記したような遮蔽体38を原子炉圧力容器18の
内部に取付けた状態で行い、作業員の被曝を低減する。
【0031】次に、新規のジェットポンプを復旧する。
この際、図6に示すように、復旧に該当するジェットポ
ンプの位置に設定してある遮蔽体38aは、ジェットポ
ンプライザ27と原子炉圧力容器18の内面の接合部に
対応する位置に切欠部を設けてある。この切欠部を設け
ることにより、ジェットポンプライザ27,ジェットポ
ンプライザブレスアーム43を原子炉圧力容器18の内
面に溶接する作業が容易となる。新規のジェットポンプ
はプラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で復
旧する。尚、後述するように、図6はジェットポンプデ
ィフューザ28を復旧した後のジェットポンプ周りの概
略構成を示している。
【0032】以下に、新規のジェットポンプの復旧作業
の詳細を説明する。新規のジェットポンプの復旧は、ま
ず始めに新規のジェットポンプライザ27を専用の治具
を用いて芯出しを行い、プラント建設時の記録を基に製
造時と同じ方法で復旧する。次に、新規のジェットポン
プライザブレス45を復旧する。
【0033】ジェットポンプライザブレス45の復旧手
順を図7を用いて説明する。原子炉圧力容器内面のクラ
ッド材であるライザブレス接合部パッド48に円筒状の
ライザブレスアーム支持部材47を摩擦圧接で接合し、
ジェットポンプライザブレスアーム43の支持ステーと
する。ライザブレスアーム支持部材47は、その先端に
円盤状のブロック部47aを備えている。次に、2つの
新規のジェットポンプライザブレスアーム43を、ジェ
ットポンプライザ27を挟むように、ブロック部47a
に溶接で接合する。次に、新規のジェットポンプライザ
ブレス45を、専用の治具を用いて採寸,加工して、ジ
ェットポンプライザブレスアーム43に溶接で接合して
復旧する。図7は新規のジェットポンプライザブレス4
5の復旧後のジェットポンプライザブレス周りの詳細図
で、図7(a)が上面図を、(b)が側面図を、それぞれ
示す。
【0034】ここで、摩擦圧接の方法について図8及び
図9を用いて説明する。摩擦圧接機51を原子炉圧力容
器18の上から吊り降ろし、図8に示すように、水平ジ
ャッキ49により水平方向の支持及び位置決めを行い、
レベル調整ジャッキ53により垂直方向の支持及び位置
調整を行う。図8は摩擦圧接機51の原子炉圧力容器1
8内での設置状態を示す図で、図8(b)は概略縦断面
を、(a)は(b)のA−A矢視図を、それぞれ示す。
尚、図8では、簡単のために原子炉圧力容器18の内部
構造物は省略している。
【0035】水平ジャッキ49は、垂直方向の高さが異
なる3つの位置で原子炉圧力容器18の内面に突張り力
で保持している。図8では、上側から49a,49b,
49cで示している。水平ジャッキ49a,49b,4
9cは、それぞれ原子炉圧力容器18の周方向に約30
度ずれた位置に設置されており、これにより摩擦圧接機
51の水平方向の支持及び位置決めを確実にしている。
【0036】レベル調整ジャッキ53は、CRDハウジ
ング12aに支持脚54を取付け、この支持脚54の上
に設置する。レベル調整ジャッキ53及び支持脚54
は、摩擦圧接機51のバランス及び荷重等を考慮して、
原子炉圧力容器18の周方向の複数箇所に配置する。現
実的には、3〜4箇所が好ましい。原子炉圧力容器18
のライザブレス接合部パッド48に接合するライザブレ
スアーム支持部材47は摩擦圧接機51の先端に設置さ
れるスピンドル回転チャック50により支持される。ス
ピンドル回転チャック50が回転しながらライザブレス
アーム支持部材47をライザブレス接合部パッド48に
押しつけることにより、摩擦圧接を行う。
【0037】摩擦圧接の工程の一例を図9に示す。摩擦
圧接は、主に摩擦発熱工程とアプセット加圧工程とから
なる。摩擦発熱工程では、コンマ数秒〜数秒の間、スピ
ンドル回転チャック50で支持されたライザブレスアー
ム支持部材47は、数十MPaの摩擦圧力を負荷され、数
百〜3千rpm のスピンドル回転数でライザブレス接合部
パッド48に押し付けられる。この後に続くアプセット
加圧工程では、ライザブレスアーム支持部材47は、1
50〜350MPaの強いアプセット圧力を負荷される
と共にスピンドルの回転が急速に停止され、ライザブレ
ス接合部パッド48に圧接される。
【0038】例えば、オーステナイト系金属材料を摩擦
圧接する場合、接合界面近傍温度は1200〜1300
℃と融点より低い温度であり、摩擦圧接接合時の余剰な
接合表面金属はバリとして接合界面から排出される。従
って、最小の入熱量で固相の拡散接合が実現される。
尚、これらの摩擦圧接条件は、圧接材料の組合せ、圧接
部材の形状等を考慮して適切に変更可能である。
【0039】このように、ライザブレス接合部パッド4
8とライザブレスアーム支持部材47との接合に摩擦圧
接を用いることにより、ライザブレス接合部パッド48
が原子炉の長期運転に伴い時効(経年劣化)していて
も、従来の溶接に比べて少ない入熱量でライザブレス接
合部パッド48とライザブレスアーム支持部材47とを
確実に接合できる。即ち、摩擦圧接を用いることにより
単位長さ当りの入熱量を0.5〜3 kJ/cm程度に抑え
ることができるので、時効材であるライザブレス接合部
パッド48に接合に伴う欠陥が発生する可能性を大幅に
低減できる。従って、接合に伴う信頼性を高く維持しつ
つジェットポンプの取替えを実施できる。
【0040】次に、新規のジェットポンプディフューザ
28を専用の治具を用いて芯出しを行い、プラント建設
時の記録を基に製造時と同様の方法で復旧する。ジェッ
トポンプディフューザ28の復旧後のジェットポンプ周
りの概略構成を図6に示している。次に、新規のジェッ
トポンプミキサ29を専用の治具を用いて芯出しを行
い、プラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で
復旧する。以上のようにして復旧が終了したジェットポ
ンプには、図10に示すように、鉛毛マット55等の仮
遮蔽体を取付けて原子炉圧力容器18内の雰囲気の線量
を低減する。本作業はプラントの出力に応じたジェット
ポンプ41の員数分だけ繰り返す。
【0041】全てのジェットポンプ41の復旧作業が終
了後、新規の炉心シュラウド15を復旧する。復旧方法
は、作業員が復旧する対象箇所に前記専用のゴンドラ4
2等のアクセス方法で接近し、原子炉圧力容器18の上
から吊り降ろした新規の炉心シュラウド15をプラント
建設時の記録を基に製造時と同様の方法で復旧する。図
10に新規の炉心シュラウド15を復旧した後の原子炉
圧力容器18内の概略縦断面を示す。
【0042】次に、新規の差圧検出配管24及びホウ酸
水注入配管25を復旧する。復旧方法は、作業員が復旧
する対象箇所に前記専用のゴンドラ42等のアクセス方
法で接近し、原子炉圧力容器18の上から吊り降ろした
新規の差圧検出配管24及びホウ酸水注入配管25をプ
ラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で復旧す
る。以下、新規の炉心支持板21,ICM案内管22,
ICMスタビライザ23,上部格子板20を順に復旧す
る。復旧方法は、作業員が復旧する対象箇所に前記専用
のゴンドラ42等のアクセス方法で接近し、各内部構造
物を原子炉圧力容器18の上から吊り降ろして、プラン
ト建設時の記録を基に製造時と同様の方法で復旧する。
【0043】次に、新規の炉心スプレイスパージャ/配
管16を復旧する。復旧方法は、作業員が復旧する対象
箇所に前記専用のゴンドラ42等でアクセスし、新規の
上部格子板20を養生して作業エリアを設定して、原子
炉圧力容器18の上から吊り降ろした新規の炉心スプレ
イスパージャ/配管16をプラント建設時の記録を基に
製造時と同様の方法で復旧する。以下、新規の低圧注水
配管17及び給水スパージャ19についても同様の手順
で復旧する。
【0044】以上の新規の内部構造物の復旧作業終了
後、原子炉圧力容器18から遮蔽体38及び38aを取
外し、原子炉ウェル7に炉水4を満水にして、制御棒案
内管12,制御棒11,燃料支持金具10,燃料集合体
9,気水分離器6及びシュラウドヘッド8を順次復旧す
る。続いて、炉水4を原子炉圧力容器フランジ3の下側
まで下げて、蒸気乾燥器2及び原子炉圧力容器上蓋1を
復旧する。以上の作業ステップにより、原子炉圧力容器
18の内部構造物の取替えが終了する。
【0045】本実施例によれば、原子炉の長期運転に伴
う時効(経年劣化)により機械的強度が低下したクラッ
ド材であるライザブレス接合部パッド48と、ジェット
ポンプの支持材であるライザブレスアーム支持部材47
とを、摩擦圧接を用いて少ない入熱量で確実に接合でき
るので、接合に伴う信頼性を高く維持しつつジェットポ
ンプを取替えることができる。
【0046】また、本実施例において、更にライザブレ
スアーム43とライザブレスアーム支持部材47を予め
溶接等で一体に構成しておくことにより、ライザブレス
アーム43とライザブレスアーム支持部材47とを原子
炉圧力容器18内で溶接する作業を省くことができる。
これに伴い、作業の工数及び時間を減らすことができる
ので、作業者の被爆線量を大幅に低減することができ
る。
【0047】尚、本実施例では、ライザブレス接合部パ
ッド48とライザブレスアーム支持部材47との接合に
摩擦圧接を適用した例について説明したが、これ以外の
クラッド材と新規の内部構造物の支持材との接合に摩擦
圧接を適用しても、同様に少ない入熱量で確実な接合が
行えるので、接合に伴う信頼性を高く維持しつつ内部構
造物を取替えることができる。
【0048】
【発明の効果】第1の発明によれば、長期運転に伴う時
効(経年劣化)により機械的強度が低下したクラッド材
とジェットポンプの支持材とを、摩擦圧接を用いて少な
い入熱量で確実に接合できるので、接合に伴う信頼性を
高く維持しつつジェットポンプの取替えを実施できる。
【0049】第2の発明によれば、第1の発明の効果に
加えて、更にジェットポンプの支持材であるライザブレ
スアームとその支持部材を予め一体に構成しておくこと
により、ライザブレスアームとその支持部材とを原子炉
圧力容器内で溶接する作業を省けるので、作業の工数及
び時間を減らして、作業者の被爆線量を大幅に低減する
ことができる。
【0050】第3の発明によれば、長期運転に伴う時効
(経年劣化)により機械的強度が低下したライザブレス
接合部パッドと新規のライザブレスアームの支持部材と
を、摩擦圧接を用いて少ない入熱量で確実に接合できる
ので、接合に伴う信頼性を高く維持しつつジェットポン
プの取替えを実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉圧力容器の内部構造物の取替作業に本発
明を適用した一実施例の作業手順を示すフローチャー
ト。
【図2】図1の取替作業を適用する前の原子炉圧力容器
周りの概略縦断面図。
【図3】除染装置を設置した状態での原子炉圧力容器周
りの概略縦断面図。
【図4】図1で遮蔽体を設置した後の原子炉圧力容器の
概略構成図。
【図5】図1でシュラウドサポートプレートの復旧作業
中の原子炉圧力容器の概略構成図。
【図6】図1でジェットポンプディフューザを復旧した
後のジェットポンプ周りの概略構成図。
【図7】図1で新規のジェットポンプライザブレスを復
旧した後のジェットポンプライザブレス周りの詳細図
で、(a)が上面図を、(b)が側面図をそれぞれ示
す。
【図8】摩擦圧接機の原子炉圧力容器内での設置状態を
示す図で、(b)は概略縦断面を、(a)は(b)のA
−A矢視図をそれぞれ示す。
【図9】図1の摩擦圧接の工程の一例を示す図。
【図10】図1で新規の炉心シュラウドを復旧した後の
原子炉圧力容器内の概略縦断面。
【図11】原子炉圧力容器内面のクラッド材の中性子照
射量と溶接可能な溶接入熱量との関係を示す図。
【符号の説明】
1…原子炉圧力容器上蓋、2…蒸気乾燥器、3…原子炉
圧力容器フランジ、4…炉水、6…気水分離器、7…原
子炉ウェル、8…シュラウドヘッド、9…燃料集合体、
10…燃料支持金具、12a…CRDハウジング、15
…シュラウド、18…原子炉圧力容器、20…上部格子
板、21…炉心支持板、26…シュラウドサポートシリ
ンダー、27…ジェットポンプライザ、28…ジェット
ポンプディフーザ、29…ジェットポンプミキサ、30
…シュラウドサポートプレート、31…シュラウドサポ
ートレグ、32a…ノズル、32b…高圧ジェット水、
37a,40…サポート、38,38a…遮蔽体、39
…ハンガー、42…ゴンドラ、43…ジェットポンプラ
イザブレースアーム、45…ジェットポンプライザブレ
ス、47…ライザブレスアーム支持部材、47a…ブロ
ック部、48…ライザブレス接合部パッド、49,49
a,49b,49c…水平ジャッキ、50…スピンドル
回転チャック、51…摩擦圧接機、53…レベル調整ジ
ャッキ、54…支持脚、55…鉛毛マット。
フロントページの続き (72)発明者 越石 正人 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炉水を原子炉圧力容器内に保持した状態で
    シュラウド及びジェットポンプを含む原子炉の内部構造
    物を取外し、前記原子炉圧力容器の炉心領域を含む範囲
    に遮蔽体を設け、前記原子炉圧力容器内の炉水を抜き取
    り、その後新規の内部構造物の取付け及び前記遮蔽体の
    取外しを行う原子炉内部構造物の取替方法において、 新規のジェットポンプを取付ける際に、前記原子炉圧力
    容器内面のクラッド材と新規のジェットポンプの支持構
    造物を摩擦圧接を用いて接合することを特徴とする原子
    炉内部構造物の取替方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記新規のジェットポ
    ンプの支持構造物はライザブレスアームとその支持部材
    が一体に構成されたものであり、該支持部材と前記クラ
    ッド材とを摩擦圧接を用いて接合することを特徴とする
    原子炉内部構造物の取替方法。
  3. 【請求項3】炉水を原子炉圧力容器内に保持した状態で
    シュラウド及びジェットポンプを含む原子炉の内部構造
    物を取外し、前記原子炉圧力容器の炉心領域を含む範囲
    に遮蔽体を設け、前記原子炉圧力容器内の炉水を抜き取
    り、その後新規の内部構造物の取付け及び前記遮蔽体の
    取外しを行う原子炉内部構造物の取替方法において、 新規のジェットポンプを取付ける際に、前記原子炉圧力
    容器内面のライザブレス接合部パッドと新規のライザブ
    レスアームの支持部材とを摩擦圧接を用いて接合するこ
    とを特徴とする原子炉内部構造物の取替方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかにおいて、約2kJ
    /cm以下の溶接入熱量の条件下で前記摩擦圧接を行うこ
    とを特徴とする原子炉内部構造物の取替方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013005539A1 (ja) * 2011-07-05 2013-01-10 三菱重工業株式会社 制御棒クラスタ案内管用支持ピンの取外し方法及び装置
JP2014066629A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 炉心差圧及び液体注入制御装置の取替方法

Cited By (3)

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WO2013005539A1 (ja) * 2011-07-05 2013-01-10 三菱重工業株式会社 制御棒クラスタ案内管用支持ピンの取外し方法及び装置
JP2013015460A (ja) * 2011-07-05 2013-01-24 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 制御棒クラスタ案内管用支持ピンの取外し方法及び装置
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