JP2001347392A - 欠陥補修方法および欠陥補修装置 - Google Patents

欠陥補修方法および欠陥補修装置

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JP2001347392A
JP2001347392A JP2000172425A JP2000172425A JP2001347392A JP 2001347392 A JP2001347392 A JP 2001347392A JP 2000172425 A JP2000172425 A JP 2000172425A JP 2000172425 A JP2000172425 A JP 2000172425A JP 2001347392 A JP2001347392 A JP 2001347392A
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welding
flux
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cleaning
unit
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Tomoji Tanabe
友治 田邊
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Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】板厚方向の深い位置に存在する欠陥を補修する
場合であっても、研削を必要とせず溶接のみで欠陥を補
修できる欠陥補修方法および欠陥補修装置を得る。 【解決手段】金属部材3に存在する欠陥2を検出するカ
メラ14と、溶接施工部にTi、CrおよびSiを主成
分とするフラックスを供給するフラックス塗布装置16
と、溶接施工部の表面を洗浄する洗浄装置11と、欠陥
2を溶接により補修する溶接トーチ10と、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、原子力構造
部品などの金属部材に発生する割れ等の欠陥を補修する
欠陥補修方法および欠陥補修装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属部材に欠陥が存在する場合、欠陥の
存在位置が金属部材表面に近い場合、通常の溶接方法に
よって欠陥部分を溶融して補修することができる。通常
の溶接方法として、例えば、ティグ溶接、ミグ溶接、被
覆アーク溶接などの方法が挙げられる。
【0003】ところが、金属部材表面から板厚方向に約
2mm以上の深さの位置まで欠陥が到達している場合、
通常の溶接条件では、欠陥が存在する部分を完全に溶融
することができなかった。このため、溶接条件を変え、
大電流とすることで溶接を行っていた。しかし、板厚方
向に深い位置まで溶融部を拡大しようとすると、溶接入
熱量が大きくなり、欠陥を補修できるものの、金属部材
の品質が劣化してしまうという危険性を有していた。
【0004】このため、金属部材表面から深い位置にあ
る欠陥に対しては、従来の溶接方法では、金属部材の深
さ方向に十分な溶融領域が得られないため、グラインダ
研削等の機械的な除去を行うのが実用的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械的
な除去を行う方法では、研削を行うことから、欠陥補修
を行う作業時間が大幅に増えてしまうという問題を有し
ていた。
【0006】また、研削等により割れ等の欠陥を機械的
に除去した後、研削部を復元するために補修溶接が必要
となり、欠陥補修の作業工程数が多く、また、欠陥補修
装置が複雑化してしまう等の問題を有していた。
【0007】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、板厚方向の深い位置に存在する欠陥を
補修する場合であっても、研削を必要とせず溶接のみで
欠陥を補修できる欠陥補修方法および欠陥補修装置を得
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の欠陥補修
方法は、金属部材に存在する欠陥を検出して溶接施工部
を決定する工程と、前記溶接施工部にTi、Crおよび
Siを主成分とするフラックスを供給する工程と、前記
溶接施工部の表面を洗浄する工程と、前記欠陥を溶接に
より補修する工程と、を有することを特徴とする。
【0009】本発明によれば、欠陥を補修する溶接施工
部にTi、Cr、Siを主成分とするフラックスを供給
して、溶接を施工することにより、金属部材深さ方向に
溶融領域が増大し、欠陥を溶融して除去することが可能
となる。
【0010】請求項2記載の発明は、フラックスを供給
する工程が、溶接施工部の表面にフラックスを塗布する
ことでフラックスを前記溶接施工部に供給することを特
徴とする請求項1記載の欠陥補修方法である。
【0011】本発明によれば、溶接施工部にTi、C
r、Siを主成分とするフラックスを塗布して溶接を行
うことにより、金属部材深さ方向に十分な溶融領域が得
られ、欠陥を溶融により除去し、補修することができ
る。
【0012】請求項3記載の発明は、フラックスを供給
する工程が、溶接時に使用される溶加材にフラックスを
含有させて、欠陥を溶接により補修する工程と同時にフ
ラックスを前記溶接施行部に供給することを特徴とする
請求項1記載の欠陥補修方法である。
【0013】本発明によれば、フラックスを供給する工
程と欠陥を溶接により補修する工程とを同時に行えるた
め、欠陥補修の工程数を低減して欠陥補修方法を簡略化
するとともに、時間の短縮化を図れる。
【0014】請求項4記載の発明は、フラックスの成分
が、重量%で、Ti:20〜50%、Cr:15〜44
%、Si:8〜20%であることを特徴とする請求項1
記載の欠陥補修方法である。
【0015】請求項5記載の発明は、金属部材に存在す
る欠陥の板厚方向の深さが、12mm未満であることを
特徴とする請求項1記載の欠陥補修方法である。
【0016】金属部材に存在する欠陥の深さが12mm
以上であると、本発明の溶接のみによる方法で欠陥を補
修できないことから、本発明において、金属部材に存在
する欠陥の板厚方向の深さを12mm未満と規定した。
【0017】請求項6記載の欠陥補修装置は、欠陥が存
在する金属部材を溶接施工部とし、この溶接施工部を溶
融して溶接を行う溶接トーチを備える溶接手段と、前記
溶接施工部の表面を洗浄する洗浄装置を備えた洗浄手段
と、金属部材に存在する欠陥を検出し、かつ溶接施工時
に溶接施工部表面を監視するカメラを備えた監視手段
と、前記溶接施工部にTi、Cr、Siを主成分とする
フラックスを供給するフラックス供給手段と、前記溶接
トーチ、前記洗浄装置、前記カメラおよび前記フラック
ス供給手段を搭載して移動可能とする移動装置と、前記
カメラから得られた情報に基づいて前記移動装置を移動
させ、かつ、溶接、フラックス塗布および洗浄その他の
各処理を制御する制御装置と、を備えることを特徴とす
る。
【0018】請求項7記載の発明は、フラックス供給手
段が、移動装置に搭載され、溶接施工部表面にフラック
スを塗布するフラックス塗布装置と、このフラックス塗
布装置にフラックスを供給するタンクと、を備えること
を特徴とする請求項6記載の欠陥補修装置である。
【0019】請求項8記載の発明は、フラックス供給手
段が、フラックスを含有した溶加材であることを特徴と
する請求項6記載の欠陥補修装置である。
【0020】請求項9記載の欠陥補修装置は、中空円筒
形状の金属管の内壁に存在する欠陥を検出して溶接施工
部とし、この溶接施工部の洗浄を行う洗浄ユニットを備
えた洗浄手段と、溶接施工部にTi、Cr、Siを主成
分とするフラックスを塗布するフラックス塗布ユニット
を備えたフラックス塗布手段と、溶接施工部を監視しな
がら、溶融施工部を溶融して溶接を行う溶接ユニットを
備えた溶接手段と、前記洗浄ユニット、前記フラックス
塗布ユニットおよび前記溶接ユニットを搭載して、移動
可能とする移動装置と、この移動装置の位置を制御し、
溶接、フラックス塗布および洗浄その他の各処理を制御
する制御装置とを備え、前記各ユニットは、金属管内を
移動可能な管内移動装置と、この管内移動装置を上下動
の伸縮により各ユニットが管内を移動可能とする伸縮機
構とを有し、前記管内移動装置は、溶接施工部の位置
で、各ユニットを固定できる固定装置を有することを特
徴とする。
【0021】請求項10記載の発明は、溶接ユニット
が、管内移動装置上に、金属部材に存在する欠陥を検出
するカメラと、溶接施工部を溶融して溶接を施工する溶
融トーチと、を備えることを特徴とする請求項9記載の
欠陥補修装置である。
【0022】請求項11記載の発明は、洗浄ユニット
が、管内移動装置上に、円盤形状の回転ブラシと、金属
管内の溶接施工部を監視するカメラと、洗浄により生じ
た不純物を除去する除去装置と、を備えることを特徴と
する請求項9記載の欠陥補修装置である。
【0023】請求項12記載の発明は、フラックス塗布
ユニットが、管内移動装置上に、溶剤を含むフラックス
を噴霧塗布するスプレーノズルと、このスプレーノズル
の上下端に配置された円盤形状の防御板と、を備えるこ
とを特徴とする請求項9記載の欠陥補修装置である。
【0024】請求項13記載の発明は、金属管が、イン
コアモニタハウジングであることを特徴とする請求項9
記載の欠陥補修装置である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1〜図5および表1を用いて説明する。
【0026】第1実施形態(図1、図2) 本実施形態においては、板状形状を有する金属部材に存
在する欠陥を補修する欠陥補修装置および欠陥補修方法
について説明する。対象とする金属部材は、ステンレス
または軟鋼である。
【0027】図1は、欠陥補修装置の構成を示す図であ
る。
【0028】図1に示すように、欠陥補修装置1は、欠
陥2が存在する金属部材3を溶接施工部とし、この溶接
施工部を溶融して溶接を行う溶接手段4と、溶接施工部
の表面を洗浄する洗浄手段5と、金属部材3に存在する
欠陥2を検出し、かつ溶接施工時に溶接施工部表面を監
視する監視手段6と、溶接施工部にTi、Cr、Siを
主成分とするフラックスを供給するフラックス供給手段
7と、を備える。
【0029】溶接手段4は、溶接電源8と、この溶接電
源8に接続され、溶接時の電圧を制御する溶接電圧制御
装置9と、この溶接電圧制御装置9に接続された溶接ト
ーチ10と、を備える。
【0030】洗浄手段5は、溶接施工部表面を洗浄する
洗浄装置11と、この洗浄装置11に接続され、アセト
ンなどの有機溶剤である洗浄液12を貯留する洗浄液タ
ンク13と、を備える。
【0031】監視手段6は、金属部材3表面を監視する
カメラ14と、このカメラ14に接続されたモニタ15
と、を備える。
【0032】フラックス供給手段7は、溶接施工部表面
にTi、Cr、Siを主成分とするフラックスを均一に
塗布するフラックス塗布装置16と、フラックス塗布装
置16に接続され、フラックスおよび溶剤17を貯留す
るタンク18と、を備える。なお、フラックスの成分
は、重量%で、Ti:20〜50%、Cr:15〜44
%、Si:8〜20%の範囲で、この3成分が99.9
%を占める。残部0.1%は不純物であり、今回は商品
名FASTIG−SS7を用いた。
【0033】板状形状の金属部材3上には、金属部材3
表面を移動可能な移動装置19が配置され、この移動装
置19に上記溶接トーチ10、洗浄装置11、カメラ1
4およびフラックス塗布装置16が搭載されている。ま
た、移動装置19は、図示しない制御装置に接続され、
移動装置19に搭載されたカメラ14から得られた情報
に基づいて移動装置19を移動させ、また、溶接、フラ
ックス塗布、洗浄およびその他の各処理が制御装置によ
って制御される。
【0034】上記欠陥補修装置1を用いて欠陥を補修す
る方法について以下に説明する。
【0035】まず、モニタ15の監視を行い金属部材3
に存在する割れ等の欠陥2を検出し、欠陥2の補修を行
う溶接施工部を決定する。溶接施工部の決定後、図示し
ない制御装置の制御により移動装置19を移動させて、
洗浄装置11により溶接施工部の洗浄を行う。洗浄後、
移動装置19を移動させ、フラックス塗布装置16によ
り溶剤を含むフラックス17を塗布し、溶接施工部表面
に均一にフラックスを塗布する。フラックス塗布後、移
動装置19を移動させて、図2に示すように、溶接トー
チ10と母材である金属部材3間の距離を一定に保ちな
がら溶接を施工する。なお、溶接時には、カメラ14に
よって溶接施工状況が監視されており、制御装置の指令
により溶接時の電圧が制御される。
【0036】本実施形態によれば、溶接施工部にTi、
Cr、Siを主成分としたフラックスを塗布すること
で、深さ方向に溶融部が拡大することから、欠陥が金属
部材の表面から深い位置に存在する場合でも欠陥を溶接
のみで溶融補修することができ、これにより、欠陥補修
作業の時間を短縮できる。
【0037】また、このような深い位置に存在する欠陥
2を補修するためには、従来大電流を要していたが、本
実施形態によればフラックスの導入により深さ方向に溶
融部が拡大するため大電流が不用である。また、従来の
方法では、金属部材3の深さ方向だけでなく、溶接施工
面に幅広く溶融してしまうことから熱による材料劣化の
問題を有していたが、本実施形態によれば、欠陥2の存
在する最小限の面積を溶融するのみであることから、金
属部材2の材料劣化を防止できる。
【0038】なお、本実施形態においては、欠陥2が存
在する金属部材3表面にフラックスを塗布していたが、
本発明は、このような実施形態に限定されるものではな
い。例えば、溶接を施工する際、溶接手段に4おいて、
Ti、Cr、Siを主成分とするフラックスを含有させ
た図示しない溶加材を使用して溶接を行い、欠陥の補修
を行っても良い。この場合には、溶加材からフラックス
が欠陥に供給され、溶接と同時にフラックスを供給する
ことができるため、フラックスを塗布する必要がなくな
る。従って、本実施形態で示すフラックス塗布装置16
およびタンク18が不用となることから、欠陥補修装置
1の簡素化を図れる。
【0039】第2実施形態(図3) 本実施形態では、原子力構造部材である中空円筒形状の
インコアハウジングに発生するヘアクラックなどの微小
な欠陥を補修する欠陥補修方法および欠陥補修装置につ
いて、図3および図4を用いて説明する。
【0040】図3は、欠陥補修装置の概略構成を示す図
である。なお、本図に示すインコアハウジングは、外径
50.4mm、内径38.4mm、肉厚6.0mmの中
空の円筒形状である。
【0041】図3に示すように、欠陥補修装置20は、
インコアモニタハウジング21の内壁に存在する欠陥を
検出して溶接施工部22とし、この溶接施工部22の洗
浄を行う洗浄手段23と、溶接施工部22を監視しなが
ら、溶融施工部22を溶融して溶接を行う溶接手段24
と、溶接施工部22にTi、Cr、Siを主成分とする
フラックスを塗布するフラックス塗布手段25とを備え
る。
【0042】上記の各手段23,24,25には、イン
コアモニタハウジング21に導入できる小型形状化した
洗浄ユニット26、溶接ユニット27およびフラックス
塗布ユニット28を備えており、これらの各ユニット2
6,27,28は、移動装置としての円筒形状の回転体
29上に搭載され、各ユニット26,27,28が、回
転体29の外周に等間隔に配置されている。
【0043】溶接ユニット27は、溶接電源30、溶接
電圧制御装置31、モニタ32、冷却水循環装置33お
よびシールガスタンク34がケーブル35を介して接続
され、このケーブル35は、電源ケーブル内にシールガ
ス管、冷却水配管、モニタケーブルなどを内蔵して一体
とされている。
【0044】洗浄ユニット26は、モニタ36、コンプ
レッサ37およびバキューム装置38がケーブル39を
介して接続されている。
【0045】フラックス塗布ユニット28は、フラック
スおよび溶剤を貯留するタンク40およびコンプレッサ
41がケーブル42を介して接続されている。
【0046】各ユニット26,27,28を搭載した回
転体29には、制御装置43が接続され、回転体29の
回転を制御してインコアモニタハウジング21に導入す
るユニット26,27,28を選択するとともに、溶
接、洗浄およびフラックス塗布の各処理を制御する。
【0047】図4は、各ユニット26,27,28を拡
大して示す図であり、(a)は溶接ユニット27、
(b)はフラックス塗布ユニット28、(c)は洗浄ユ
ニット26を示す。
【0048】図4に示すように、いずれの各ユニット2
6,27,28にも、インコアモニタハウジング21の
管内を移動可能な管内移動装置44と、この管内移動装
置44を上下動の伸縮により、各ユニット26,27,
28が管内を移動できる移動伸縮機構45とを有する。
上記管内移動装置44には、固定装置46が設置されて
おり、電動で動作して、洗浄時溶接施工時およびフラッ
クス塗布時に溶接施工部22の位置で各ユニット26,
27,28が固定されるようになっている。
【0049】図4(a)に示す溶接ユニット27は、管
内移動装置44上に、管内に存在する欠陥を検出するカ
メラ47と、溶接施工部22を溶融して溶接を施工する
水冷の溶接トーチ48と、を備える。
【0050】図4(b)に示すフラックス塗布ユニット
28は、管内移動装置44上に、溶剤を含むフラックス
を噴霧塗布するスプレーノズル49と、このスプレーノ
ズル49の上下端に配置された円盤形状の防御板50
a,50bと、を備える。
【0051】図4(c)に示す洗浄ユニット26は、管
内移動装置44上に、円盤形状の回転ブラシ51と、金
属管内の溶接施工部22を監視するカメラ52と、洗浄
により生じた不純物を回収する不純物回収管53と、を
備える。
【0052】上記欠陥補修装置20を用いて欠陥を補修
する方法について以下に説明する。
【0053】まず、洗浄ユニット26をインコアモニタ
ハウジング21内に導入した。導入後、伸縮機構45の
駆動により管内移動装置44を上方に移動させ、管内移
動装置44を所定の位置で固定装置46により固定し、
インコアモニタハウジング21内壁表面を回転ブラシ5
1で除去しながら、カメラ52の監視により欠陥を特定
し、溶接施工部22を決定した。
【0054】溶接施工部22決定後、伸縮機構45の駆
動により管内移動装置44を下方に向かって移動させ、
インコアモニタハウジング21から洗浄ユニット26を
取り出した。なお、洗浄ユニット26の導入および取出
し方法は、後述する溶接ユニット27およびフラックス
塗布ユニット28においても同様であるため、その説明
は省略する。
【0055】洗浄後、制御装置43により回転体29を
回転させ、溶接ユニット27をインコアモニタハウジン
グ21内に導入して溶接施工部22で固定し、カメラ4
7で監視しながら、水冷の溶接トーチ48により溶接を
行い、欠陥の溶融補修を行った。
【0056】溶接補修後、溶接ユニット27をインコア
モニタハウジング21内から取出し回転体29を回転
し、再度洗浄ユニット26をインコアモニタハウジング
21内に導入して、溶接施工部22を洗浄してインコア
モニタハウジング21内壁面の表面仕上げにより欠陥を
補修した。
【0057】本実施形態によれば、インコアハウジング
のような微小な金属管の内側から補修でき、かつ溶融の
みで欠陥を補修できるため、作業が簡略化され、大幅な
時間短縮を図ることができる。
【0058】なお、欠陥を検出して溶接施工部22を特
定した後は、各ユニット26,27,28は伸縮機構4
5により上下動され、また、ユニット26,27,28
の交換は制御装置43により制御される回転体29の回
転によって行われることから、自動運転を行うことも可
能である。
【0059】なお、第1実施形態および第2実施形態で
は特に溶接方法については規定していないが、ティグ溶
接、ミグ溶接を適用することができ、またこれに限定さ
れるものではなく従来の溶接方法を種々適用することが
できる。
【0060】第3実施形態(図5、表1) 本実施形態では、中空円筒形状のパイプを試験片として
用い、表1に示す実施例および比較例の試料No.1〜
No.5のパイプ試験片を用いて欠陥補修試験を行っ
た。
【0061】
【表1】
【0062】実施例(試料No.1〜試料No.3) 本実施例では、ステンレス製のパイプ試験片を用い、試
料No.1は、板厚を6mm、直径を50mmとした。
【0063】このパイプ試験片の表面にフラックスを塗
布した後、ティグ溶接を行った。なお、溶接条件は、電
流120A、電圧10Vとしたものである。本実施例で
は、パイプ試験片の板厚を6〜10mmの範囲で変化さ
せた。
【0064】比較例(試料No.4、試料No.5) 本比較例では、試料No.4および試料No.5を用
い、試料No.4ではフラックスの塗布を行わずにティ
グ溶接を行い、板厚を6mmとしたものである。また、
試料No.5では、フラックスの塗布後ティグ溶接を行
い、試験片の板厚を12mmとして本発明の範囲外とし
たものである。
【0065】このようにして溶接施工して得られた試験
片パイプの溶接を施工した表面側と反対側の位置に、溶
接施工により溶融部が貫通しているか否かを調査した。
【0066】この結果、フラックスを塗布して試験片の
板厚を10mm未満とした実施例の場合にはいずれも溶
融部が貫通していた。
【0067】図3は、パイプ試験片を示す模式図であ
り、(a)は比較例の試料No.4のパイプ試験片54
を示し、(b)は実施例の試料No.1のパイプ試験片
55を示す。
【0068】図3に示すように、フラックスを塗布しな
い試料No.4の試験片54の場合には、溶融部56の
深さが約3mmであったのに対して、Ti、Cr、Si
を主成分とするフラックスを塗布した試料No.1の場
合には、6mmの板厚を貫通する溶融部57が得られ
た。
【0069】本実施形態によれば、Ti、Cr、Siを
主成分とするフラックスを使用して溶接施工部表面を溶
接施工することにより、溶接時の金属部材深さ方向の溶
融部が増大するので、12mm未満の厚さまでであれ
ば、欠陥が金属部材表面から深い位置に存在する場合で
も溶接のみで欠陥を溶融補修することができる。すなわ
ち、欠陥の深さが12mm未満の厚さであれば、溶接の
みにより欠陥を補修できる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の欠陥補修
装置および欠陥補修方法によれば、欠陥補修施工部表面
にTi、Cr、Siを主成分とするフラックスを塗布し
て溶接を施工することにより、溶接時の金属部材深さ方
向の溶融部が増大することから、欠陥が金属部材表面か
ら深い位置に存在する場合でも欠陥を溶接のみによって
溶融補修することが可能であり、欠陥補修の作業時間の
短縮化、製造工程の簡素化、さらには、欠陥補修装置の
簡素化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を説明する図で、欠陥補
修装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態を説明する図で、欠陥補
修装置の構成の一部を拡大して示す図。
【図3】本発明の第2実施形態を説明する図で、欠陥補
修装置の概略的な構成を示す図。
【図4】図3に示す、各ユニットを拡大して示す図で、
(a)は溶接ユニット拡大図、(b)は洗浄ユニットの
拡大図、(c)はフラックス塗布ユニットの拡大図。
【図5】本発明の第3実施形態における試験片の形状を
示す図であり、(a)は比較例の試料No.4のパイプ
試験片を示し、(b)は実施例の試料No.1のパイプ
試験片を示す図。
【符号の説明】
1 欠陥補修装置 2 欠陥 3 金属部材 4 溶接手段 5 洗浄手段 6 監視手段 7 フラックス供給手段 8 溶接電源 9 溶接電圧制御装置 10 溶接トーチ 11 洗浄装置 12 洗浄液 13 洗浄液タンク 14 カメラ 15 モニタ 16 フラックス塗布装置 17 フラックスおよび溶剤 18 タンク 19 移動装置 20 欠陥補修装置 21 インコアモニタハウジング 22 溶接施工部 23 洗浄手段 24 溶接手段 25 フラックス塗布手段 26 洗浄ユニット 27 溶接ユニット 28 フラックス塗布ユニット 29 回転体 30 溶接電源 31 溶接電圧制御装置 32 モニタ 33 冷却水循環装置 34 シールガスタンク 35 ケーブル 36 モニタ 37 コンプレッサ 38 バキューム装置 39 ケーブル 40 タンク 41 コンプレッサ 42 ケーブル 43 制御装置 44 管内移動装置 45 伸縮機構 46 固定装置 47 カメラ 48 水冷の溶接トーチ 49 スプレーノズル 50a,50b 防御板 51 回転ブラシ 52 カメラ 53 不純物回収管 54 比較例の試料No.4のパイプ試験片 55 比較例の試料No.1のパイプ試験片 56 溶融部 57 溶融部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G21C 13/00 G21C 19/02 Y 19/02 J B23K 101:06 // B23K 101:06 G21C 13/00 Q

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属部材に存在する欠陥を検出して溶接
    施工部を決定する工程と、前記溶接施工部にTi、Cr
    およびSiを主成分とするフラックスを供給する工程
    と、前記溶接施工部の表面を洗浄する工程と、前記欠陥
    を溶接により補修する工程と、を有することを特徴とす
    る欠陥補修方法。
  2. 【請求項2】 フラックスを供給する工程が、溶接施工
    部の表面にフラックスを塗布することでフラックスを前
    記溶接施工部に供給することを特徴とする請求項1記載
    の欠陥補修方法。
  3. 【請求項3】 フラックスを供給する工程が、溶接時に
    使用される溶加材にフラックスを含有させて、欠陥を溶
    接により補修する工程と同時にフラックスを前記溶接施
    行部に供給することを特徴とする請求項1記載の欠陥補
    修方法。
  4. 【請求項4】 フラックスの成分が、重量%で、Ti:
    20〜50%、Cr:15〜44%、Si:8〜20%
    であることを特徴とする請求項1記載の欠陥補修方法。
  5. 【請求項5】 金属部材に存在する欠陥の板厚方向の深
    さが、12mm未満であることを特徴とする請求項1記
    載の欠陥補修方法。
  6. 【請求項6】 欠陥が存在する金属部材を溶接施工部と
    し、この溶接施工部を溶融して溶接を行う溶接トーチを
    備えた溶接手段と、前記溶接施工部の表面を洗浄する洗
    浄装置を備えた洗浄手段と、金属部材に存在する欠陥を
    検出し、かつ溶接施工時に溶接施工部表面を監視するカ
    メラを備えた監視手段と、前記溶接施工部にTi、C
    r、Siを主成分とするフラックスを供給するフラック
    ス供給手段と、前記溶接トーチ、前記洗浄装置、前記カ
    メラおよび前記フラックス供給手段を搭載して移動可能
    とする移動装置と、前記カメラから得られた情報に基づ
    いて前記移動装置を移動させ、かつ、溶接、フラックス
    塗布および洗浄その他の各処理を制御する制御装置と、
    を備えることを特徴とする欠陥補修装置。
  7. 【請求項7】 フラックス供給手段は、移動装置に搭載
    され、溶接施工部表面にフラックスを塗布するフラック
    ス塗布装置と、このフラックス塗布装置にフラックスを
    供給するタンクと、を備えることを特徴とする請求項6
    記載の欠陥補修装置。
  8. 【請求項8】 フラックス供給手段は、フラックスを含
    有した溶加材であることを特徴とする請求項6記載の欠
    陥補修装置。
  9. 【請求項9】 中空円筒形状の金属管の内壁に存在する
    欠陥を検出して溶接施工部とし、この溶接施工部の洗浄
    を行う洗浄ユニットを備えた洗浄手段と、溶接施工部に
    Ti、Cr、Siを主成分とするフラックスを塗布する
    フラックス塗布ユニットを備えたフラックス塗布手段
    と、溶接施工部を監視しながら、溶融施工部を溶融して
    溶接を行う溶接ユニットを備えた溶接手段と、前記洗浄
    ユニット、前記フラックス塗布ユニットおよび前記溶接
    ユニットを搭載して、移動可能とする移動装置と、この
    移動装置の位置を制御し、溶接、フラックス塗布および
    洗浄その他の各処理を制御する制御装置とを備え、前記
    各ユニットは、金属管内を移動可能な管内移動装置と、
    この管内移動装置を上下動の伸縮により各ユニットが管
    内を移動可能とする伸縮機構とを有し、前記管内移動装
    置は、溶接施工部の位置で、各ユニットを固定できる固
    定装置を有することを特徴とする欠陥補修装置。
  10. 【請求項10】 溶接ユニットは、管内移動装置上に、
    金属部材に存在する欠陥を検出するカメラと、溶接施工
    部を溶融して溶接を施工する溶融トーチと、を備えるこ
    とを特徴とする請求項9記載の欠陥補修装置。
  11. 【請求項11】 洗浄ユニットは、管内移動装置上に、
    円盤形状の回転ブラシと、金属管内の溶接施工部を監視
    するカメラと、洗浄により生じた不純物を除去する除去
    装置と、を備えることを特徴とする請求項9記載の欠陥
    補修装置。
  12. 【請求項12】 フラックス塗布ユニットは、管内移動
    装置上に、溶剤を含むフラックスを噴霧塗布するスプレ
    ーノズルと、このスプレーノズルの上下端に配置された
    円盤形状の防御板と、を備えることを特徴とする請求項
    9記載の欠陥補修装置。
  13. 【請求項13】 金属管が、インコアモニタハウジング
    であることを特徴とする請求項9記載の欠陥補修装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008173670A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Kawasaki Heavy Ind Ltd Mig溶接方法
JP2009172680A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Trumpf Sachsen Gmbh 工具載設部の載設ストリップを保守する、かつ/またはクリーニングするための機械配置構造
JP2013034999A (ja) * 2011-08-04 2013-02-21 Daido Steel Co Ltd 管内面溶接補修装置
CN114346504A (zh) * 2021-12-29 2022-04-15 中国原子能科学研究院 一种管形件的焊接方法

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