JPH10260290A - 原子炉圧力容器内構造物の取り替え方法およびそのための装置 - Google Patents

原子炉圧力容器内構造物の取り替え方法およびそのための装置

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JPH10260290A
JPH10260290A JP9068246A JP6824697A JPH10260290A JP H10260290 A JPH10260290 A JP H10260290A JP 9068246 A JP9068246 A JP 9068246A JP 6824697 A JP6824697 A JP 6824697A JP H10260290 A JPH10260290 A JP H10260290A
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Japan
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shroud
support
internal structure
pressure vessel
welding
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JP9068246A
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English (en)
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Yoichi Umahara
陽一 馬原
Yoshihide Kondo
由英 近藤
Koichi Kurosawa
孝一 黒沢
Fumio Manabe
二三夫 真鍋
Toshiharu Akega
俊治 明賀
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Hitachi Ltd
Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原子炉圧力容器内の炉内構造物を新規製作さ
れた構造物と取り替え、必要に応じ原子炉圧力容器に耐
食性肉盛溶接を行うことによる炉内構造物の保全方法、
装置に係わり、特に作業の信頼性が高く、作業者の被曝
低減を図ること。 【解決手段】 内部に円錐形状の支持構造物を持つ原子
炉圧力容器において、内部構造物を取り外し、既設の支
持構造物の上から肉盛溶接を行い、機械加工で仕上げた
後、新規の内部構造物を遠隔作業装置およびガンマ線遮
蔽体を取り付けた状態で炉内に搬入し、作業員が直接炉
内に入って作業を行っても問題のない気中環境を作り、
オペレーテイングフロアでの遠隔作業あるいは作業員の
炉内での直接の作業を行うことによって、取り外した炉
内構造物を新規の構造物に取り替えて新規の取付構造で
復旧すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トの供用期間中に原子炉圧力容器内のシュラウド、シュ
ラウドサポートリング、フローバッフル、シュラウドサ
ポートスカート、炉心支持板、上部格子板、炉心スプレ
イスパージャおよび配管、低圧注水配管、ICM案内
管、ICMスタピライザ等の炉内構造物を新規製作の物
と取り替え、必要に応じ原子炉圧力容器に耐食性肉盛溶
接を行うことによる炉内構造物の保全方法に係わり、特
に保全作業後の信頼性が高く、作業者の被曝低減に好適
な原子炉圧力容器及びその炉内構造物の保全方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】原子炉圧力容器内部構造物の取り替えに
ついては、特開昭57−8490号公報および特開昭5
7−12394号公報により公知となっている制御棒駆
動機構ハウジングの取り替え工法、特開平2−1184
99号公報により公知となってる中性子束モニタハウジ
ングの補修方法、および特開昭63−36195号公報
により公知となっている原子炉内部構造物の取り替え工
法等が有る。
【0003】また、特開昭57−8490号公報、特開
昭57−12394号公報によるCRDハウジングの取
り替え工法、特開平2−118499号工法によるIC
Mハウジングの補修工法は、それぞれCRDハウジング
およびスタッブチューブ、ICMハウジングの取り替え
工法としては有望であるが、シュラウド、上部格子板、
炉心支持板等その他の機器については直接適用すること
ができなかった。
【0004】また、特開昭63−36195号公報によ
り公知の原子炉内部構造物の取り替え工法は、シュラウ
ド、上部格子板および炉心支持板の取り替え工法とし
て、据付後の機器の信頼性、作業者の被曝低減の観点か
ら極めて有望な技術と言えるが、シュラウドサポートリ
ング、シュラウドサポートスカート、フローバッフル等
については配慮されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭57−84
90号公報、特開昭57−12394号公報および特開
平2−118499号公報による従来技術は、それぞれ
個々の炉内構造物を対象としており、上部格子板、炉心
支持板、炉心スプレイスパージャおよび配管、低圧注水
配管、ICM案内管、ICMスタビライザ等の機器につ
いては直接適用できない。
【0006】また、特開昭63−36195号公報では
シュラウドサポートリング、シュラウドサポートスカー
ト、フロバッフル等の取り替えについては配慮されてお
らず、万一、これらの機器に損傷が発生した場合、取り
替え工法を確立してこれらの機器を取り替えるまでに長
時間要すという問題があった。
【0007】また、特開昭63−36195号公報では
新規シュラウド据付を気中で遠隔操作式装置により行っ
たが、遠隔作業は困難な作業であり、原子炉圧力容器内
に遮蔽体等を設置して、作業員が近接できる環境を作る
ことが課題と言える。
【0008】そこで、本発明の目的は、原子力発電プラ
ントの長寿命化を念頭に置き、作業に従事する作業員の
被曝低減をも考慮した、原子炉圧力容器および炉内構造
物を保全する方法を提供することにある。
【0009】具体的には、CRDハウジング、CRDス
タッブチューブ及びICMハウジングを除いた全ての炉
内構造物を比較的容易にしかも短期間で新規製作の機器
に取り替え、原子炉圧力容器および内部支持構造物シュ
ラウドサポートスカートについては肉盛溶接による耐食
性改善を実施でき、これらの作業に従事する作業員の被
曝低減をも考慮した原子炉圧力容器および炉内構造物の
保全方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では、今まで考慮
されていなかった、シュラウドサポートリング、シュラ
ウドサポートスカート、フローバッフル等の取り替えに
対し、取り替え工法の確立、あるいは遠隔操作式の取付
装置の開発が困難であることから、原子炉圧力容器内に
遮蔽体等を設置して作業員が接近できる環境を作り、作
業員が内部構造物の取付作業あるいは遠隔操作式装置の
取付調整作業を行えるようにした。
【0011】また、既設の炉内構造物を取り外し、スペ
ース的に余裕の有る状態で、原子炉圧力容器と支持構造
物の溶接部を耐食性金属で肉盛溶接により被覆すること
で、耐食性を改善する。
【0012】また、支持構造物上に肉盛溶接を行い、上
面を水平に機械加工することで、新規構造物の溶接開先
合わせ作業をやりやすくした。
【0013】本発明の原子炉圧力容器および内部構造物
の保全方法によれば、上部格子板、炉心支持板、および
シュラウド等の放射化された機器の取り外しは、原子炉
ウェルが満水状態で行い、作業雰囲気線量率の上昇を防
止する。
【0014】また、新規のシュラウドサポートリング、
シュラウドサポートスカート、フローバッフル等の据付
は、炉水無しで、炉心領域であるシュラウドの内面に遮
蔽体を据え付けた状態で行うことにより、据え付け後の
機器の信頼性(溶接部の信頼性、据え付け精度に対する
信頼性)向上および作業者の被曝低減を計ることができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
において、炉内構造物を取り外し、原子炉圧力容器1内
面および切断された炉内支持構造物2上に耐食肉盛溶接
3を実施する手順を示す図である。
【0016】図2は、本発明で適用対象とする原子炉圧
力容器1の既設のシュラウドサポートの詳細構造を示す
図である。前記構造では、原子炉圧力容器1内面に円錐
形状のシュラウドサポートスカート4が溶接により取り
付けられており、その上部に環状のシュラウドサポート
リング6、円筒状のシュラウド5及びフローバッフル7
が溶接により取れ付けられている。
【0017】図14は、原子炉圧力容器1、円錐形状の
シュラウドサポートスカート4により支持された炉内構
造物、およびその他の炉内構造物を示す全体構造図であ
る。
【0018】前記第1の実施形態における炉内構造物の
取り替え方法において、原子炉圧力容器上蓋8および蒸
気乾燥器9は、原子炉建屋の天井クレーン(図示省略)
で取外し、この際作業者の被爆低減を考慮し、原子炉圧
力容器フランジ10下部まで炉水を保持し、更にオペレ
ーティングフロアに居る作業者は極力少なくし、鉛毛マ
ット等の遮蔽を設けておく。
【0019】次のステップの気水分離器11取外しから
は、原子炉ウェルを満水状態にし、作業者の被爆低減を
実施する。そして、気水分離器11、シュラウドヘッド
12、燃料集合体13、燃料支持金具14、制御棒1
5、および制御棒案内管16を順次取外し、使用済燃料
プール、蒸気乾燥機および気水分離器保管プールの空き
スペース、およびそれぞれ専用の貯槽に保管する。
【0020】次に、炉心スプレイスパージャおよび配管
17、給水スパージャ19、上部格子板20、炉心支持
板21、ICM案内管22およびICMスタピライザ2
3、差圧検出およびホウ酸水注入配管24をシュラウド
5に支持しているサポート、シュラウド5、シュラウド
サポートリング6、フローバッフル7、シュラウドサポ
ートスカート4等を、遠隔操作式水中切断装置を用い
て、専用の工具で取り外す。いずれも水中にて遠隔操作
式装置を用いて実施する。
【0021】続いて、原子炉圧力容器1内面の除染を行
う。
【0022】次に、図1の手順でシュラウドサポートス
カート4の切断部に耐食性金属の肉盛溶接3を実施す
る。これには、先ず既設のシュラウドサポートスカート
4を遠隔操作式水中切断装置で水平に切断し、これを撤
去した後、圧力容器内部にスペース的に余裕のある状態
で遠隔自動肉盛溶接装置(図示省略)を搬入し、切断部
に多層の肉盛溶接3を行う。
【0023】シュラウドサポートスカート4は応力腐食
割れ発生の可能性の高い材料を使っているので、このと
き、切断部を含めてその近傍も肉盛溶接を行い、圧力容
器および既設シュラウドサポートスカート切断部の耐食
性を改善する。
【0024】次に多層肉盛溶接した部分を遠隔操作式加
工装置(図示省略)を用いて水平に機械加工仕上げを行
う。
【0025】続いて、前記したように取外した炉内構造
物を新規製作した構造物に順次復旧する。まず始めに、
新規製作したシュラウド5、シュラウドサポートスカー
ト4、シュラウドサポートリング6、フローバッフル7
を復旧する。復旧方法は、図3に示すように炉上から吊
り降ろされた新規に一体物として製作したシュラウド
5、シュラウドサポートリング6、シュラウドサポート
スカート4、フローバッフル7を水平仕上げ面に乗せて
芯を合わせた後、シュラウド5に固定させて同時に吊り
下げた遠隔自動溶接装置25を用いて外面から溶接す
る。
【0026】この炉心シュラウド4の復旧作業は、図1
1に示すようなシュラウド内面、フローバッフル内面お
よび底面のガンマ線遮蔽体26をシュラウド4搬入前か
ら設置した状態で行い、遠隔作業が困難な場合に作業員
の炉内へのアクセスを可能にし、作業員の被爆低減を実
施する。前記ガンマ線遮蔽体26は、部分的に取付けま
たは取外しできるような構造であってもよい。原子炉圧
力容器1内の線量は、作業員がアクセスできない雰囲気
線量であるが、除染作業および遮蔽体により作業員が直
接シュラウド内に入って復旧作業を行っても問題のない
気中環境を作り上げることが出来る。
【0027】溶接完了後、走行レール27をシュラウド
5から外して溶接装置ごと走行レール27を引き上げ、
炉外に搬出する(図3参照)。溶接装置の搬入及び搬出
は、シュラウド5に溶接装置25を固定して同時に搬入
し、作業完了後に溶接装置のみ撤去する方法で行うが、
新規構造物の搬入及び開先合わせを完了した後に溶接装
置のみを単体で搬入し所定位置に据え付ける方法と比較
して、遠隔操作による装置据付作業または作業員が直接
炉内にアクセスし装置を据え付ける作業が省略でき、狭
隘部への装置搬入の際の干渉や衝突のリスクの削減、工
期の短縮、作業員の被曝低減ができる。
【0028】次に、新規差圧検出およびほう酸水注入配
管24を復旧する。
【0029】更に、新規炉心支持板21を復旧する。復
旧方法は先ずフローバッフル底面および内面のガンマ線
遮蔽体26を撤去した後、新規炉心支持板21の上面を
図12で示すようなガンマ線遮蔽体28でカバーし、炉
上から吊りおろして、プラント建設時の記録を基に製造
時と同様の方法で復旧する。復旧後、炉心支持板上面遮
蔽体28を撤去する。
【0030】次に新規ICM案内管22およびICMス
タビライザ23を復旧する。復旧方法は、シュラウド5
およびフローバッフル内面遮蔽体26で遮蔽されたシュ
ラウド5内に作業員がアクセスし、炉上から吊りおろさ
れた新規ICM案内管22およびICMスタビライザ2
3をプラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法で
復旧する。
【0031】次に新規上部格子板20を復旧する。復旧
方法は、先ずシュラウド内面のガンマ線遮蔽体26を撤
去した後、新規上部格子板20の上面を図13で示すよ
うなガンマ線遮蔽体29でカバーし、炉上から吊りおろ
して、プラント建設時の記録を基に製造時と同様の方法
で復旧する。復旧後、上部格子板上面遮蔽体29を撤去
する。
【0032】次に新規炉心スプレイスパージャおよび配
管17、給水スパージャ19を復旧する。復旧方法は、
作業員が復旧する対象箇所にゴンドラ等でアクセスし、
炉上から吊りおろされた新規炉心スプレイスパージャお
よび配管17、給水スパージャ19をプラント建設時の
記録を基に製造時と同様の方法で復旧する。
【0033】新規炉内構造物の据付を気中雰囲気で作業
員が復旧対象箇所に接近し実施する上記の復旧作業終了
後、炉水を原子炉ウェルに満水にし、制御棒案内管1
6、制御棒15、燃料支持金具14、燃料集合体13、
気水分離器11およびシュラウドヘッド12を順次復旧
する。
【0034】続いて、炉水を原子炉圧力容器フランジ1
0下部まで落とし、蒸気乾燥器9、原子炉圧力容器上蓋
8を復旧する。
【0035】以上の作業ステップにより炉内構造物の全
取り替えによる原子炉圧力容器1および内部構造物の保
全が実施される。
【0036】次に、本発明の第2の実施形態を説明す
る。
【0037】原子炉内部構造物を前記第1の実施形態と
同様に取り外してシュラウドサポートスカート4切断部
に肉盛溶接し、機械加工仕上げした後に復旧する。この
際、図4に示すようにシュラウドサポートスカート4を
原子炉圧力容器内面のブラケット30を避けながら縦に
して(スカート4の設置状態から略90度回動した状
態)搬入し、炉内で水平にした後、前記の水平仕上げ面
に乗せ、開先を合わせる。このとき、図5に示すよう
に、レール走行式遠隔自動のシュラウドサポートスカー
ト外面溶接装置31および内面溶接装置32を同時に搬
入する。溶接装置は走行レール33をシュラウドサポー
トスカート4にボルト固定しておく。シュラウドサポー
トスカート外面および内面溶接終了後、レールを固定し
ていたボルトを取り外し、溶接装置ごと撤去する。
【0038】次に、新規に一体物として製作したシュラ
ウド5、シュラウドサポートリング6、フローバッフル
7を炉上から吊り降ろし、図6に示すように、シュラウ
ドサポートスカート4にボルト18締め付けによって固
定する。前記溶接装置31,32の走行レール固定用の
ボルト穴は、ここで使用するボルト穴を共用する。
【0039】続いて、前記第1の実施形態と同様に新規
製作の差圧検出およびほう酸水注入配管24、炉心支持
板21、ICM案内管22、ICMスタビライザ23、
上部格子板20、炉心スプレイスパージャおよび配管1
7、給水スパージャ19を復旧し、制御棒案内管16、
制御棒15、燃料支持金具14、燃料集合体13、気水
分離器11、シュラウドヘッド12、蒸気乾燥器9、原
子炉圧力容器上蓋8を復旧する。
【0040】次に、本発明の第3の実施形態を説明す
る。
【0041】原子炉内部構造物を前記第1の実施形態と
同様に取り外してシュラウドサポートスカート4切断部
に肉盛溶接し、水平面となるように機械加工仕上げした
後に復旧する。この際、先ず新規製作したフローバッフ
ル7を搬入し炉底部に置いておき、次に図7に示すよう
に、新規に一体物として製作したシュラウド5、シュラ
ウドサポートリング6、シュラウドサポートスカート4
を搬入し、前記水平仕上げ面に乗せ、開先を合わせる。
【0042】このとき、レール走行式遠隔自動のシュラ
ウドサポートスカート外面溶接装置31、および内面溶
接装置32を同時に搬入する。外面溶接装置31は走行
レール34をシュラウドサポートリング6外面に、内面
溶接装置32はシュラウドサポートリング6内面に固定
しておく。シュラウドサポートスカート4外面および内
面溶接終了後、外面溶接装置31のレール34の固定を
取り外し、外面溶接装置31およびレール34を撤去す
る。
【0043】次に、予め炉底部に搬入しておいたフロー
バッフル7を、図8に示すように、シュラウドサポート
リング6に溶接する。このとき、前記シュラウドサポー
トスカート内面溶接装置32の溶接トーチアームをフロ
ーバッフル溶接用トーチアーム36に取り替えて溶接す
る。
【0044】続いて、前記第1の実施形態と同様に新規
製作の差圧検出およびほう酸水注入配管24、炉心支持
板21、ICM案内管22、ICMスタビライザ23、
上部格子板20、炉心スプレイスパージャおよび配管1
7、給水スパージャ19を復旧し、制御棒案内管16、
制御棒15、燃料支持金具14、燃料集合体13、気水
分離器11、シュラウドヘッド12、蒸気乾燥器9、原
子炉圧力容器上蓋8を復旧する。
【0045】次に、本発明の第4の実施形態を説明す
る。
【0046】原子炉内部構造物を前記第1の実施形態と
同様に取り外してシュラウドサポートスカート4切断部
を肉盛溶接し、水平面となるように機械仕上げした後に
復旧する。この際、先ず前記第3の実施形態と同様に新
規製作のフローバッフル7を搬入した後、図9に示すよ
うに、一体物として新規に製作したシュラウドサポート
スカート4とシュラウドサポートリング6を原子炉圧力
容器内面のブラケット30を避けながら縦にして搬入
し、炉内で水平にした後、前記水平仕上げ面に乗せ、開
先を合わせる。
【0047】このとき、レール走行式遠隔自動のシュラ
ウドサポートスカート外面溶接装置31および内面溶接
装置32を同時に搬入する。図10に示すように、外面
溶接装置31は走行レール34をシュラウドサポートリ
ング6外面に、内面溶接装置32はシュラウドサポート
リング6内面に固定しておく。シュラウドサポートスカ
ート外面および内面溶接終了後、外面溶接装置のレール
の固定を取り外し、外面溶接装置31およびレール34
を撤去する。
【0048】次に、フローバッフル7をシュラウドサポ
ートリング6に溶接する。このとき前記内面溶接装置3
2の溶接トーチアームを図8に示すものと同様なフロー
バッフル溶接用トーチアーム36に取り替えて溶接す
る。
【0049】次に、シュラウド5を搬入し、シュラウド
サポートリング6に溶接する。溶接装置は走行レールを
シュラウド5内面および外面に予め取り付けて搬入す
る。シュラウド5とフローバッフル7の溶接終了後、こ
れらの溶接装置、走行レールを撤去する。
【0050】続いて、前記第1の実施形態と同様に新規
製作の差圧検出およびほう酸水注入配管24、炉心支持
板21、ICM案内管22、ICMスタビライザ23、
上部格子板20、炉心スプレイスパージャおよび配管1
7、給水スパージャ19を復旧し、制御棒案内管16、
制御棒15、燃料支持金具14、燃料集合体13、気水
分離器11、シュラウドヘッド12、蒸気乾燥器9、原
子炉圧力容器上蓋8を復旧する。
【0051】
【発明の効果】本発明の構成を採用することによって、
原子炉圧力容器1内に円錐形状の支持構造物で取り付け
られた内部構造物を取り外し、材料の耐食性を改善して
新規製作した内部構造物に取り替えることにより、内部
構造物の保全が実施される。
【0052】更に、既設の支持構造物の圧力容器内面側
を一部残して除去し、前記残した一部に新規に製作した
内部構造物および支持構造物を乗せて取り付けられるよ
うにしたことによって、遠隔作業性または炉内にアクセ
スする作業員の作業性を向上させ、工期を短縮させるこ
とができる。
【0053】また、内部構造物を除去し、一部残った支
持構造物に肉盛溶接を行い、水平面に機械加工仕上げす
ることで、新規の内部構造物を溶接により取り付ける
際、芯合わせ及び開先合わせを容易にすることができ
る。
【0054】更に、シュラウドサポートスカート4およ
びその近傍の原子炉圧力容器1内面の耐食性向上が得ら
れる肉盛溶接3を行うことで、溶接部の耐食性が向上
し、機器の長寿命化が計れる。
【0055】また、一体物として新規製作したシュラウ
ド5、シュラウドサポートリング6、シュラウドサポー
トスカート4、フローバッフル7を溶接装置25と同時
に搬入し、溶接終了後に溶接装置のみを撤去することに
よって、遠隔による溶接装置据え付け作業が省略され、
かつ遠隔自動溶接が可能になり、更に内部構造物を一体
物として工場製作できるので、工期の短縮および機器信
頼性の向上が計れる。
【0056】特にフローバッフル7は、プラント建設時
にはシュラウドサポートリング6が圧力容器1に取り付
けられた状態で取り付けるため、分割して圧力容器1内
のシュラウドサポートリング6より下に搬入し、そこで
縦溶接をする必要があったが、本発明によれば炉内での
縦溶接は不要である。
【0057】また、作業員が炉内にアクセスする作業が
少なくなり、作業員の被曝低減ができる。
【0058】更に、先に新規製作したシュラウドサポー
トスカート4のみを縦にして搬入することで、原子炉圧
力容器内面のブラケット30との当接を回避することが
できるので、シュラウドサポートスカート4の外径を大
きくすることができ、既設支持構造物の肉盛溶接量を低
減できるので、溶接工数を低減および工期を短縮、肉盛
溶接部の信頼性を向上させることができる。
【0059】また、フローバッフルが無い状態でシュラ
ウドサポートスカート4の取付溶接を行うため、両側溶
接を実施することができ、溶接部の信頼性が向上する。
【0060】更に、一体物として新規製作したシュラウ
ド5、シュラウドサポートリング6、フローバッフル7
をシュラウドサポートスカート4にボルト固定すること
で、工期の短縮、コスト低減することができる。この
際、遠隔自動溶接装置の走行レール33の固定を前記ボ
ルト固定で使うボルト穴と供用することができ、加工工
数の低減ができる。
【0061】また、フローバッフル7がシュラウドサポ
ートスカート4に取り付けられていない状態でシュラウ
ドサポートスカート4の取付溶接を行うため、両側溶接
を実施することができ、溶接部の信頼性が向上する。
【0062】更に、炉内での溶接箇所は増えるものの、
シュラウドサポートリング6およびスカート4の一体物
を単体で、縦にして搬入することで、シュラウドサポー
トスカート4の外径を大きくすることができ、肉盛溶接
量を低減できるため溶接量を低減できる。
【0063】また、シュラウド5またはシュラウドサポ
ートリング6に遠隔溶接装置を固定して、同時に搬入
し、作業完了後に装置のみ撤去することで、遠隔操作に
よる取付作業または作業員が直接炉内にアクセスし装置
を取り付ける作業が省略でき、装置搬入の際の干渉や衝
突のリスクの削減、工期の短縮、作業員の被曝低減がで
きる。
【0064】更に、予め新規シュラウド5およびフロー
バッフル7の内面と底部に部分取り外し可能な分割構造
のガンマ線遮蔽体26を取り付けて、同時に搬入するこ
とで、炉内への遮蔽体取付作業工程を省略することがで
き、新規シュラウド5、フローバッフル7等を取り付け
る際に作業者がアクセス可能な雰囲気線量にすることが
できるので、遠隔操作が困難な作業の場合、作業員が炉
内で作業できる。また、新規炉心支持板21と上部格子
板20の上面に周囲を除いて全面に分割構造のガンマ線
遮蔽体28,29を取り付けることで、原子炉下方から
のガンマ線を遮蔽でき、新規炉心支持板21および上部
格子板20復旧の際に作業員が炉内にアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】原子炉内構造物を取外し、切断された支持構造
物上に肉盛溶接を施す手順を示す図である。
【図2】原子炉圧力容器内のシュラウドサポートの詳細
構造を示す図である。
【図3】支持構造物および内部構造物を取り替える方法
を示す縦断面図である。
【図4】原子炉圧力容器内へのシュラウドサポートスカ
ート搬入作業を示す平面図である。
【図5】原子炉圧力容器内の支持構造物へのシュラウド
サポートスカート取付け方法を示す縦断面図である。
【図6】新規製作された内部構造物および支持構造物の
縦断面図である。
【図7】シュラウドサポートスカートを両側溶接により
取付ける方法を示す縦断面図である。
【図8】フローバッフルの取付方法を示す縦断面図であ
る。
【図9】原子炉圧力容器内へのシュラウドサポートスカ
ートおよびシュラウドサポートリング搬入作業を示す平
面図である。
【図10】原子炉圧力容器内の支持構造物への両側溶接
によるシュラウドサポートスカート取付方法を示す縦断
面図である。
【図11】シュラウドとフローバッフルの内面および底
面に取り付けるガンマ線遮蔽板の縦断面図である。
【図12】炉心支持板の上面に取付けるガンマ線遮蔽体
の平面図および断面図である。
【図13】上部格子板の上面に取り付けるガンマ線遮蔽
体の平面図および断面図である。
【図14】炉内構造物を内包した原子炉圧力容器の縦断
面図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 2 支持構造物 3 肉盛溶接 4 シュラウドサポートスカート 5 シュラウド 6 シュラウドサポートリング 7 フローバッフル 8 原子炉圧力容器上蓋 9 蒸気乾燥器 10 原子炉圧力容器フランジ 11 気水分離器 12 シュラウドヘッド 13 燃料集合体 14 燃料支持金具 15 制御棒 16 制御棒案内管 17 炉心スプレイスパージャおよび配管 18 シュラウド取付用ボルト 19 給水スパージャ 20 上部格子板 21 炉心支持板 22 ICM案内管 23 ICMスタビライザ 24 差圧検出およびほう酸水注入配管 25 遠隔自動溶接装置 26 ガンマ線遮蔽体 27 走行レール 28 炉心支持板遮蔽体 29 上部格子板遮蔽体 30 ブラケット 31 外面溶接装置 32 内面溶接装置 33 走行レール 34 外面溶接走行レール 35 内面溶接走行レール 36 溶接トーチアーム 37 シュラウドサポートスカート溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒沢 孝一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 真鍋 二三夫 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内 (72)発明者 明賀 俊治 広島県呉市宝町6番9号 バブコツク日立 株式会社呉工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉圧力容器内の支持構造物に取付ら
    れた内部構造物を取り外して、新規製作された内部構造
    物に取り替える方法において、 既設の前記支持構造物の原子炉圧力容器内面側の一部を
    残して除去し、前記残された一部の支持構造物の上に新
    規製作された支持構造物および内部構造物を載置して取
    り付けられるようにしたことを特徴とする内部構造物の
    取り替え方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記残された一部の支持構造物の上から肉盛溶接し、前
    記新規製作された支持構造物の取り付けられる前記肉盛
    溶接の溶接部分が水平面となるように機械加工を行い、
    新規製作された支持構造物および内部構造物との芯合わ
    せを容易にしたことを特徴とする内部構造物の取り替え
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記残された一部の支持構造物を含めてその周辺近傍を
    肉盛溶接することにより、前記支持構造物および前記圧
    力容器の耐食性向上が得られることを特徴とする内部構
    造物の取り替え方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2または3において、 新規製作された内部構造物および支持構造物を構成する
    シュラウド、シュラウドサポートリング、フローバッフ
    ル、シュラウドサポートスカートの一体物の内の前記シ
    ュラウドサポートスカートの端部を、前記残された一部
    の支持構造物に片側溶接にて取り付けることを特徴とす
    る内部構造物の取り替え方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または3において、 新規製作された支持構造物を構成するシュラウドサポー
    トスカートを縦吊りにして圧力容器内面のブラケットと
    の当接を回避して搬入し、前記搬入完了後に前記シュラ
    ウドサポートスカートを水平に回動した後に前記残され
    た一部の支持構造物に両側溶接し、新規製作された内部
    構造物を構成するシュラウド、シュラウドサポートリン
    グ、フローバツフルを前記圧力容器に搬入し、前記内部
    構造物をボルト接合で前記両側溶接された支持構造物に
    取り付けることを特徴とする内部構造物の取り替え方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1、2または3において、 前記内部構造物を構成するフローバツフル単体を予め前
    記圧力容器底部に搬入し、新規製作されたシュラウド、
    シュラウドサポートリング、シュラウドサポートスカー
    トの一体物をの内の前記シュラウドサポートスカートの
    端部を、前記残された一部の支持構造物に両側溶接し、
    その後に前記フローバツフルを前記シュラウドサポート
    リングに溶接で取り付けることを特徴とする内部構造物
    の取り替え方法。
  7. 【請求項7】 請求項1、2または3において、 前記内部構造物を構成する新規製作されたフローバツフ
    ル単体を予め前記圧力容器底部に搬入し、新規製作され
    た前記支持構造物および内部構造物を構成するシュラウ
    ドサポートスカートおよびシュラウドサポートリングの
    一体物を縦吊りにして前記圧力容器内面のブラケットと
    の当接を回避して搬入し、前記搬入完了後に前記一体物
    を水平に回動した後に前記残された一部の支持構造物に
    両側溶接し、その後に前記フローバツフルおよび新規製
    作された前記内部構造物を構成するシュラウドを前記シ
    ュラウドサポートリングに溶接で取り付けることを特徴
    とする内部構造物の取り替え方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1つの請求
    項において、 前記内部構造物または支持構造物を構成するシュラウ
    ド、シュラウドサポートリングまたはシュラウドサポー
    トスカートのいずれか1つに遠隔溶接装置を固定して前
    記圧力容器内に搬入し、溶接作業完了後に前記遠隔溶接
    装置のみを撤去することを特徴とする内部構造物の取り
    替え方法。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1つの請求
    項において、 前記内部構造物を構成する新規製作されたシュラウドと
    フローバツフルの内面および底部とに、前記圧力容器へ
    の搬入前に、部分的に取り外し可能な分割構造のガンマ
    線遮蔽板を取付けて搬入し、前記シュラウドとフローバ
    ッフルの取り付け作業完了後に前記ガンマ線遮蔽板を撤
    去し、 更に、前記圧力容器内の炉心支持板と上部格子板の上面
    にガンマ線遮蔽板を取り付けて搬入し、前記炉心支持板
    と上部格子板の取り付け作業完了後に前記ガンマ線遮蔽
    板を撤去することを特徴とする内部構造物の取り替え方
    法。
  10. 【請求項10】 原子炉圧力容器内の支持構造物に取付
    られた内部構造物を取り外して、新規製作された内部構
    造物に取り替える装置において、 新規製作された内部構造物および支持構造物を構成する
    シュラウド、シュラウドサポートリング、シュラウドサ
    ポートスカートの一体物の内のいずれかに遠隔自動溶接
    装置を固定し、 前記圧力容器内面側に切断されて残された支持構造物上
    に、前記シュラウドサポートスカートの端部を載置し
    て、前記遠隔自動溶接装置による溶接にて取り付けるこ
    とを特徴とする内部構造物の取り替え装置。
JP9068246A 1997-03-21 1997-03-21 原子炉圧力容器内構造物の取り替え方法およびそのための装置 Pending JPH10260290A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014066629A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd 炉心差圧及び液体注入制御装置の取替方法
CN104416203A (zh) * 2013-09-03 2015-03-18 斗山重工业株式会社 原子反应堆容器的堆芯支撑块加工装置及其加工方法

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