JP3340398B2 - 原子炉圧力容器の取り扱い方法 - Google Patents

原子炉圧力容器の取り扱い方法

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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明に属する技術分野】本発明は、原子力発電所の建
屋内に設けられる原子炉圧力容器に係わり、特に、原子
力発電所の建設、予防保全、リニューアル、あるいは廃
炉等の場合において、原子炉圧力容器を建屋内に搬出・
搬入するために反転させる原子炉圧力容器の取り扱い方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、沸騰水型原子力発電所では、原
子炉建屋に設けられた原子炉格納容器(Primary Conten
ment Vessel)内に原子炉圧力容器(Reactor Pressure
Vessel、以下適宜、RPVと略す)が配置されている。
この原子炉圧力容器内には、多数の燃料集合体を装荷し
た炉心が設けられている。原子炉建屋に導入された冷却
材は、炉心下方から炉心内に流入した後、炉心で加熱さ
れて沸騰し、気泡を含んだ気液混合状態となって炉心上
方の気水分離器や乾燥器へ導かれ、液体成分が除去され
た蒸気がタービン建屋へ供給され発電が行われる。
【0003】このような運転が行われるにつれて、各設
備・機器が劣化していくことから、通常、既存の原子力
発電所では、各設備・機器の補修、取替が適時行われて
おり、リフレッシュ化が講じられている。
【0004】但しこのとき、原子炉圧力容器、その内部
にある炉内構造物(例えば、上記気水分離器、上記乾燥
器、シュラウド、上部格子板、ジェットポンプ、炉心支
持板、制御棒、及び制御棒案内管等)、原子炉圧力容器
の外部にある炉外構造物(例えば、制御棒駆動機構、イ
ンコアモニターハウジング等)のうち、比較的容易に着
脱可能な構造となっている炉外構造物のみ、その補修・
取り替えが行われていた。原子炉圧力容器及び炉内構造
物については、予め通常の供用期間内でのプラント運転
に対応した構造とすることで、従来、補修・取り替えは
必要なかった。
【0005】近年、我国においては、新しい原子力発電
所を建設することが非常に難しくなってきており、既存
の発電所をできるだけ長い期間使うことが最重要課題と
なっている。そのため、従来取り替えを行っていなかっ
た原子炉圧力容器及び炉内構造物を含め、劣化した各設
備・機器を適切な時期に交換し、発電所全体の寿命を延
ばす必要がある。
【0006】ところで、最大の設備である原子炉圧力容
器については、従来、建設時には、炉外構造物とは分離
された状態で単独で建屋内に搬入し、原子炉建屋内のペ
デスタル上に据付けた後、別途搬入した例えば約180
本の制御棒駆動機構ハウジングや約40本のインコアモ
ニターハウジングを、既にペデスタル内に据付けられた
原子炉圧力容器に取り付けていた。また、搬入前に建屋
近傍へ運搬される間は、工場で新規に製作された原子炉
圧力容器を横置き状態にしてトレーラーで原子炉建屋近
傍まで輸送した後、建屋近傍に設置された大型揚重機で
吊上げて、横置きから縦吊に吊り上げて姿勢を変え(反
転させ)、この状態で建屋上方へと移送していた。
【0007】ここで、原子炉圧力容器の取り替えでは、
上記の建設時における原子炉圧力容器の搬入と異なり、
運転している原子力発電所を一時的に停止させて行うた
め、放射化した原子炉圧力容器をいかに短時間で搬出
し、新規の原子炉圧力容器をいかに短時間で搬入して、
プラント停止期間をできるだけ短縮することが重要であ
る。すなわち、原子力発電所の建設においては、その全
体工程が約3〜4年と長いため、制御棒駆動機構ハウジ
ングやインコアモニターハウジングの据付けのための時
間を余裕を持って確保しても、全体行程の長さに影響を
与えなかった。したがって、制御棒駆動機構ハウジング
やインコアモニターハウジングをあらかじめ原子炉圧力
容器に取り付けた状態で搬入する必要がなかった。
【0008】これに対し、原子炉圧力容器の取り替え時
には、上記のようにプラント停止期間の短縮化を図る観
点から、炉内構造物や炉外構造物(制御棒駆動機構ハウ
ジング、インコアモニターハウジング等)を原子炉圧力
容器と一体とし大型モジュール化して原子炉建屋外に搬
出する手法や、新たに搬入する原子炉圧力容器について
も、上記炉外構造物をあらかじめ工場などで原子炉圧力
容器に取りつけた状態で原子炉建屋内に搬入する手法が
考えられている。
【0009】そして、これらの場合、原子炉圧力容器を
搬出入する際の原子炉圧力容器を縦吊から横置きに(あ
るいはその逆に)変える反転時においても、制御棒駆動
機構ハウジングやインコアモニターハウジングが原子炉
圧力容器に取りつけられた形状のまま反転できる構造が
必要となる。この際、制御棒駆動機構ハウジング、イン
コアモニターハウジングは原子炉圧力容器の底部から突
出した状態となるが、これらは精密な重要機器であるた
め、反転時に障害物に衝突しないように安全確実に作業
しなければならない。
【0010】このような点に配慮した従来技術として、
例えば、特開昭55−2134号公報に記載のように、
新しい原子炉圧力容器の据え付け時に、製造工場内にお
いて原子炉圧力容器の底部に制御棒駆動機構ハウジング
及びインコアモニターハウジングを覆うように防護カバ
ー(スカート)を取り付け、原子炉圧力容器と防護カバ
ーとが一体となった大型モジュールとし、この状態で原
子炉建屋近傍への運搬及び反転を行わせる方法が提唱さ
れている。この従来技術では、防護カバーの底部を支持
構造物によって回動自在に支持しつつ原子炉圧力容器の
頭部をクレーンで徐々に吊り上げることにより、上記大
型モジュールの状態のままでの、横置きから縦吊りへの
反転動作を可能としている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、以下の課題が存在する。すなわち、上記従
来技術では、原子炉圧力容器と防護カバーとが一体とな
った大型モジュールの状態で反転を行う。このとき、こ
の大型モジュールは高さ約25m、直径6m、重量10
00トンにもなる。この大重量の構造物を、防護カバー
底部の回動軸を中心に回転させて反転させる場合、反転
の際、防護カバーの底部にある回動中心から、防護カバ
ーの上縁にある原子炉圧力容器底部との接続部での間に
大きな距離があるため、この距離によって上記接続部を
はじめ防護カバーのそれ以外の部分にも数百トンにもな
る極めて大きな反力(曲げ力)が加わる。そのため、防
護カバー自体や、防護カバーと原子炉圧力容器との取付
構造を、この反力に耐えられる極めて強い強度が得られ
るように製作する必要があり、コストの増大を招く。
【0012】また、上記従来技術の方法を、原子炉圧力
容器取り替え時の搬出に適用する場合、高放射能の炉内
構造物を含んだままの大型ブロック化された状態の使用
済み原子炉圧力容器の周囲には、放射線を遮蔽する遮蔽
体が必要となるが、この遮蔽体の重量は約400トンに
も及ぶ。そのため、さらに上記反転時の反力が大きく作
用することになる。
【0013】本発明の目的は、原子炉圧力容器炉外構
造物とを大型モジュールとし、炉外構造物を防護カバー
で覆った状態で大型モジュールを姿勢変更させるとき
に、防護カバー自体や防護カバーと原子炉圧力容器との
取付構造に加わる反力を低減できる原子炉圧力容器の取
り扱い方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成す
るために、本発明は、原子炉圧力容器を少なくとも炉外
構造物と一体化させ、前記原子炉圧力容器の底部に前記
炉外構造物を覆うように有底無蓋の容器状形状を備えた
防護カバーを取り付けた状態の大型モジュールに、前記
原子炉圧力容器の長手方向を略鉛直方向とする縦姿勢及
び該原子炉圧力容器の長手方向を略水平方向とする横姿
勢の相互間で姿勢変更を行わせる原子炉圧力容器の取り
扱い方法であって、前記防護カバーは、前記容器状形状
の上縁部に、前記原子炉圧力容器との接続部として前記
原子炉圧力容器のスカートフランジに対し着脱可能に構
成されたリング部材を備えており、かつこのリング部材
には前記姿勢変更のための回動軸が設けられており、
前記縦姿勢及び横姿勢の相互間で行う前記大型モジュー
ルの姿勢変更時に、前記回動軸をトレーラに固定した軸
受の溝に係合させ前記回動軸を回動させることにより、
前記回動軸を回動中心として変更を行わせる。
【0015】姿勢変更のための回動中心となる回動軸
、防護カバーのうち原子炉圧力容器との接続部として
容器状形状の上縁部に備えられたリング部材に設けられ
ていることにより、従来構造のように回動中心からの大
きな距離によって大きな曲げ力が発生することがなく、
姿勢変更の際、防護カバーの上記接続部やそれ以外の部
分に対して加わる力を著しく低減することができる。し
たがって、防護カバー自体や、防護カバーと原子炉圧力
容器との取り付け構造の強度を低減できるので、コスト
ダウンを図ることができる。特に、防護カバーのうち接
続部以外の大部分については、単に炉外構造物を覆う機
能があれば足りるので、必要強度を極めて低減すること
ができる。
【0016】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記大型モジュールの姿勢変更時に、当該姿勢変更が前
記縦姿勢から前記横姿勢への変更であるか又は前記横姿
勢から前記縦姿勢への変更であるかに応じ、前記トレー
ラを対応する方向へ移動させる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態による
原子炉圧力容器の取り扱い方法を図面を参照しつつ詳細
に説明する。本実施形態は、経年発電プラントにてさら
なる稼働期間の延長を図るべく使用済の原子炉圧力容器
を取り替えを行うときに、使用済原子炉圧力容器を搬出
する場合の実施形態である。
【0022】図2は、本実施形態の対象となる原子力発
電プラントの原子炉圧力容器が格納されている原子炉格
納容器内の構造を表す断面図である。
【0023】図2において、原子炉建屋内4には原子炉
格納容器3があり、原子炉圧力容器1が収納されてい
る。原子炉圧力容器1内には、炉心を形成する機器から
なる炉内構造物2(例えば気水分離器、乾燥器、シュラ
ウド、上部格子板、ジェットポンプ、炉心支持板、制御
棒、制御棒案内管等)が収納されている。原子炉格納容
器3の上部には、燃料交換時や炉内構造物2を取り出す
際に水を張るための原子炉ウェル35がある。
【0024】原子炉圧力容器1は、原子炉圧力容器1の
基礎としての機能を果たす原子炉圧力容器ペデスタル6
にリングガーダー36を介し据え付けられている。この
据え付け構造を表す図2中A部拡大図を図3に示す。
【0025】図3において、原子炉圧力容器ペデスタル
6には、リングガーダー用埋込基礎ボルト37を介して
リングガーダー36が固定されており、このリングガー
ダー36の上部フランジ部36aに原子炉圧力容器スカ
ート1aのフランジ部1bが固定されている。この原子
炉圧力容器スカートフランジ部1bは、厚さが例えば約
100〜120mmの強度部材となっている。またこの
とき、原子炉圧力容器基礎ボルト5は、リングガーダー
上部フランジ部36aの貫通孔36aaと原子炉圧力容
器スカートフランジ部1bの貫通孔1baとを挿通して
おり、これを締結することにより、原子炉圧力容器1は
原子炉圧力容器ペデスタル6に位置決めされ、固定され
る。
【0026】図2に戻り、この原子炉圧力容器1には、
主蒸気ノズル38、給水ノズル39、再循環入口ノズル
40、再循環出口ノズル41などが設けられており、主
蒸気配管42、給水配管43、再循環入口配管44、再
循環出口配管45等の各系統配管につながっている。ま
た、原子炉圧力容器1の外周には、原子炉圧力容器保温
材46及び放射線(γ線等)を遮蔽する原子炉圧力容器
遮蔽体(RSW)9が備えられており、原子炉圧力容器
1の上部側方には、原子炉ウェル35と原子炉格納容器
3内を仕切る燃料交換ベローズ46とバルクヘッドプレ
ート47が備えられている。さらに、原子炉圧力容器1
の頂部には、原子炉圧力容器蓋(RPVトップヘッド)
48がある。また、原子炉圧力容器1の底部には、炉外
構造物である、制御棒駆動装置(Control Rod Drive、
図示せず)を収納する制御棒駆動装置ハウジング7や、
中性子束検出器(In Core Monitor、図示せず)を収納
するICMハウジングが配置されている。
【0027】本実施形態は、使用済みの原子炉圧力容器
1を大型揚重機であるクローラクレーンにより搬出する
ものである。以下、その一連の作業手順を示すフローチ
ャートである図4に沿って説明する。
【0028】まず、始めに、図4のステップ10で、原
子炉圧力容器1を、原子炉圧力容器遮蔽体9、炉内構造
物2、制御棒駆動機構ハウジング7、及びインコアモニ
ターハウジング8と一体にした構造物(大型モジュー
ル)100の状態のまま、原子炉建屋4外に搬出する。
このときの搬出手順は公知の方法で行えば足りる。例え
ば、図5に示すように、予め原子炉建屋4の屋上に、原
子炉建屋仮開口部12と、原子炉建屋4内の放射性物質
の放出を低減させるためのシャッター13を設置してお
いた後、シャッター13を開けつつ、原子炉建屋4の近
傍に配置した大型揚重機15で大型モジュール100を
原子炉圧力容器1の長手方向を略鉛直方向とするような
縦吊り姿勢で吊り上げ、原子炉建屋4外に搬出する。搬
出が完了したら、原子炉建屋4のシャッター13を閉じ
る。
【0029】次に、ステップ20に移り、大型モジュー
ル100を、大型揚重機15による縦吊り姿勢から、ト
レーラー28に積載するための横置き姿勢(後述)へと
反転する(姿勢を変える)作業を実施する。
【0030】詳細には、まず、ステップ21で、トレー
ラー28上に原子炉圧力容器1を反転させるための反転
軸受29(詳細は後述)を設け、さらにこの反転軸受の
上に、その反転させるときに炉外構造物を保護するため
の防護カバー101(同)を設ける。この手順を図6
(a)、図6(b)、及び図6(c)により説明する。
図6(a)は、この状態を示す斜視図であり、図6
(b)は、図6(a)中B方向から見た側面図であり、
図6(c)は、図6(a)中C方向から見た正面図であ
る。
【0031】これら図6(a)〜(c)において、トレ
ーラー28は、大型モジュール100を横置き(後述)
にした状態で積載し、保管庫設備へ輸送するためのもの
であり、運転室28aからの操作によってそれぞれが自
由に操舵される多数の車輪28bを備えている。このト
レーラー28の上には、架台33が設けられており、こ
の架台33の上には、大型モジュール100を横置き状
態(原子炉圧力容器1の長手方向を略水平方向とする状
態)で載置し固定するための原子炉圧力容器受台30
と、この原子炉圧力容器受台30上に載置された大型モ
ジュール100をワイヤー34(後述の図10(a)参
照)等で固定するためのブラケット31と、それら原子
炉圧力容器受台30及びブラケット31を固定するため
の受台32とが予め設けられている。
【0032】このようなトレーラー28の架台33上
に、反転軸受29を設置する。この反転軸受29は、反
転リング25(後述)の反転軸26(同)を回転自在に
支持する溝29cを備え、反転リング25をはさみ込む
ように設置された2本の支持脚29dと、これら支持脚
29dが倒れないよう補強するサポート29a,29b
とを備えている。
【0033】その後、この反転軸受29上に、大型モジ
ュール100の炉外構造物7,8を覆うための防護カバ
ー101を設置する。この防護カバー101の詳細構造
を表す斜視図を図7に示す。図7において、防護カバー
101は、有底無蓋の略円筒容器状形状を備えており、
その上縁部に位置し原子炉圧力容器1との接続部として
の機能を果たす反転リング部25と、この反転リング部
25の下方に固定され、炉外構造物である制御棒駆動機
構ハウジング7やインコアモニターハウジング8を保護
する略薄板円筒状のハウジングカバー部27とを備えて
いる。
【0034】反転リング部25には、前述したリングガ
ーダー上部フランジ部36aの貫通孔36aaと同数の
貫通孔25aが設けられており、前述した原子炉圧力容
器基礎ボルト5と同様のボルト(同一のボルトでもよ
い)を貫通させて締結することにより、原子炉圧力容器
スカートフランジ部1bの貫通孔1baと着脱できるよ
うになっている。またこの反転リング部25には、反転
時の回動中心軸となる反転軸26が固定されている。こ
の反転軸26を、前述した反転軸受支持脚29dの溝2
9cに挿入し係合させることにより、防護カバー101
を反転軸受29上に回転自在に設置する。このとき、図
6(a)〜(c)に示されるように、防護カバー101
は、反転リング部25が最上部となるようにしておく。
【0035】なお、このように防護カバー101を設置
した後に、反転軸26が溝29cから離脱しないよう
に、反転軸26の先端部には略フランジ状のストッパ部
26aが設けられている。また、前述の図5中には、こ
のステップ21が終了し反転軸受29及び防護カバー1
01が設置された状態のトレーラー28を併せて示して
いる。
【0036】以上のようにしてステップ21が終了した
ら、ステップ22に移り、図8に示すように、大型揚重
機15で縦吊り状態の大型モジュール100を徐々に吊
り降ろしてゆく。さらに、図9に示すように、原子炉圧
力容器1の底部から突出している炉外構造物7,8を防
護カバー101のハウジングカバー部27に貫入させた
後、上記反転リング部25と原子炉圧力容器スカートフ
ランジ部1bとを上述したようなボルト(図9中に符号
49で略示する)によって固定する。これにより、大型
モジュール100の炉外構造物7,8は、ハウジングカ
バー部27に収納されてその周囲を覆われ、周囲構造物
との干渉から保護された状態となる。
【0037】その後、ステップ23に移り、図1に示す
ように、大型揚重機15で大型モジュール100を吊っ
たままさらにゆっくりと吊り下しつつ、トレーラー28
を、大型モジュール100を反転させたい方向(この場
合は図1中の時計回り)に応じた方向(この場合図1中
左方向)にゆっくりと移動させていく。これにより、防
護カバー101が反転軸26を回動中心として回動し、
大型モジュール100は、縦吊り状態から徐々に傾き反
転していく。この際、反転リング部25の反転軸26に
加わる荷重が例えば大型モジュール100全重量の約半
分となるように、トレーラー28の移動距離及び速度
と、大型モジュール100を吊り下ろす距離及び速度等
を互いに適宜調整又は制御する。このようにして、反転
軸26や反転軸受29に過大な荷重やモーメントが加わ
らないようにしながら、次第に大型モジュール100を
トレーラー28上の原子炉圧力容器受台30上に向かっ
て横置きにしていく。
【0038】そして、ステップ24で、図10(a)及
び図10(a)中D方向からの矢視図である図10
(b)に示すように、トレーラー28上の原子炉圧力容
器受台30に大型モジュール100を横置きに載置し、
ワイヤー34等で固定する。
【0039】以上のようにして、ステップ20における
反転手順が終了する。
【0040】その後、ステップ40に移り、上記のよう
にしてトレーラー28に積載した大型モジュール100
を、その積載状態のまま、例えば原子力発電所構内に設
置された原子炉圧力容器1の保管庫(図示せず)へ輸送
し、搬入する。
【0041】以上により、原子炉圧力容器1を、原子炉
圧力容器遮蔽体9、炉内構造物2、制御棒駆動機構ハウ
ジング7、及びインコアモニターハウジング8と一体に
した構造物(大型モジュール)100の搬出作業が完了
する。
【0042】なお、上記において、反転リング部25
が、原子炉圧力容器との接続部として設けられ原子炉圧
力容器に着脱可能なリング部材を構成し、反転軸26
が、姿勢反転のための回動軸を構成する。また、大型揚
重機15による大型モジュール101の縦吊り状態が、
原子炉圧力容器の長手方向を略鉛直方向とする縦姿勢に
相当し、トレーラー28上での横置き状態が、原子炉圧
力容器の長手方向を略水平方向とする横姿勢に相当す
る。さらに、トレーラー28が、横姿勢となった大型モ
ジュールを積載して運搬する運搬手段を構成する。
【0043】本実施形態によれば、反転軸26を設けた
防護カバー101を強度部材である原子炉圧力容器スカ
ートフランジ1bに取り付け、トレーラー28に設置さ
れた反転軸受29に大型モジュール100を吊り下ろ
し、トレーラー28を移動させながら大型モジュール1
00を縦吊りから横置き姿勢に傾けていくことにより、
炉外構造物である制御棒駆動機構ハウジング7、インコ
アモニターハウジング8等の障害物への衝突を防止して
それらの安全を確保しつつ、それらを一体にした状態で
容易に反転を行い、短時間で反転を完了することができ
る。
【0044】またこのとき、反転のための回動中心とな
る反転軸26を、防護カバー101のうち原子炉圧力容
器1との接続部である反転リング部25に設ける。これ
により、特開昭55−2134号公報に記載の従来構造
のように回動中心からの大きな距離によって大きな曲げ
力が発生することがなく、反転の際、防護カバー101
に対して加わる力を著しく低減することができる。した
がって、防護カバー101自体や、防護カバー101と
原子炉圧力容器1との取り付け構造(例えば反転リング
部25や締結用のボルト等)の強度を低減できるので、
コストダウンを図ることができる。特に、防護カバー1
01のうち原子炉圧力容器1との接続部ではないハウジ
ングカバー部27については、単に炉外構造物7、8を
覆う機能があれば足りるので、必要強度を極めて低減す
ることができる。
【0045】なお、上記実施形態においては、既に原子
炉建屋4内で原子炉圧力容器1の周囲に配置されて使用
された原子炉圧力容器遮蔽体9を、使用済の原子炉圧力
容器1と一体にし大型モジュール100に含めた形で搬
出したが、これに限られない。すなわち、使用済の原子
炉圧力容器遮蔽体9については搬出を行わず、これに代
わって搬出用原子炉圧力容器遮蔽体を別途新規に製作し
ておき、これを原子炉圧力容器1に取付けて大型モジュ
ール100に組み込んで搬出してもよい。さらに、上記
では、炉外構造物7,8に加えて炉内構造物2も大型モ
ジュール100に含めた形で一緒に搬出したが、これに
限られず、それらを除いて炉外構造物7,8のみを原子
炉圧力容器1とともに大型モジュール100として搬出
してもよい。これらの場合も、同様の効果を得る。
【0046】また、上記実施形態においては、原子炉圧
力容器1の原子炉建屋4からの搬出時を例にとって説明
したが、上記のように本発明の要部は、大型モジュール
100の反転時における手法にあり、これを応用して原
子炉圧力容器1の原子炉建屋4内への搬入時においても
適用できることは言うまでもない。この場合の手順は、
基本的に上記搬出作業の逆の手順となり、すなわち例え
ば、製造工場内において、原子炉圧力容器1を少なくと
も炉外構造物7,8と一体化させて大型モジュール10
0の状態とし、この大型モジュール100をトレーラー
28上に横置きにするとともに、このときに原子炉圧力
容器1の底部に炉外構造物7,8を覆うように防護カバ
ー101を取り付けた後、原子炉建屋4近傍まで運搬す
る。そして、この運搬した大型モジュール100を、大
型揚重機15で吊り上げるとともにトレーラー28を反
転方向に応じた方向に移動させ、反転軸26を回動中心
として反転させて横置き状態から徐々に起こし縦吊り状
態とする。その後、この縦吊り状態となった大型モジュ
ール100を原子炉建屋4内に搬入すればよい。但し、
防護カバー101の原子炉圧力容器1への取り付けは、
トレーラーへ28への積載前に工場等で行うことも可能
である。
【0047】このように搬入を行う場合についても、上
記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】さらに、本実施形態は、本発明を、経年発
電プラントにて使用済の原子炉圧力容器1を取り替え、
さらなる稼働期間の延長を図る場合の実施形態であった
が、これに限られない。すなわち、新規の発電プラント
の建設時において、何らかの事情で炉外構造物7,8等
を含めた大型モジュール100の形で原子炉圧力容器1
を搬入する場合に適用することもできるし、また経年発
電プラントにて稼働期間の延長を図ることなく当初の稼
働期間の終了とともに廃炉にするときに何らかの事情で
炉外構造物7,8等を含めた大型モジュール100の形
で原子炉圧力容器1を搬出する場合にも適用できる。こ
れらの場合も、同様の効果を得る。
【0049】本発明によれば、炉外構造物を防護カバー
で覆った状態大型モジュールを姿勢変更させるとき
に、防護カバー自体や防護カバーと原子炉圧力容器との
取付構造に加わる反力を低減し、それらに必要な強度を
低減してコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による原子炉圧力容器の取
り扱い方法によって大型モジュールを縦吊り状態から徐
々に傾き反転させていく様子を表す図である。
【図2】本発明の一実施形態の対象となる原子力発電プ
ラントの原子炉圧力容器が格納されている原子炉格納容
器内の構造を表す断面図である。
【図3】図2中A部拡大図である。
【図4】使用済の原子炉圧力容器を搬出する一連の作業
手順を表すフローチャートである。
【図5】大型モジュールを原子炉建屋から搬出している
様子を表す図である。
【図6】トレーラー上に反転軸受及び防護カバーを設け
ている様子を示す斜視図、B方向から見た側面図、及び
C方向から見た正面図である。
【図7】防護カバーの詳細構造を表す斜視図である。
【図8】原子炉建屋から搬出した大型モジュールを徐々
に吊り下ろしている様子を表す図である。
【図9】炉外構造物を防護カバーのハウジングカバー部
に貫入させ、固定した様子を表す図である。
【図10】反転させた大型モジュールをトレーラー上に
横置きにした状態を表す側面図及びD方向から見た矢視
図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器 1a 原子炉圧力容器スカート 1b スカートフランジ 2 炉内構造物 7 制御棒駆動機構ハウジング(炉外構造
物) 8 インコアモニターハウジング(炉外構
造物) 25 反転リング部(リング部材、容器状形
状の上縁部、接続部) 26 反転軸(回動軸) 27 ハウジングカバー部 28 トレーラー(運搬手段) 29 反転軸受 100 大型モジュール 101 防護カバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−39076(JP,A) 特開 平8−244980(JP,A) 特開 昭55−2134(JP,A) 特開 平5−256980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 13/00 G21F 9/30 G21C 19/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子炉圧力容器を少なくとも炉外構造物と
    一体化させ、前記原子炉圧力容器の底部に前記炉外構造
    物を覆うように有底無蓋の容器状形状を備えた防護カバ
    ーを取り付けた状態の大型モジュールに、前記原子炉圧
    力容器の長手方向を略鉛直方向とする縦姿勢及び該原子
    炉圧力容器の長手方向を略水平方向とする横姿勢の相互
    間で姿勢変更を行わせる原子炉圧力容器の取り扱い方法
    であって、 前記防護カバーは、前記容器状形状の上縁部に、前記原
    子炉圧力容器との接続部として前記原子炉圧力容器のス
    カートフランジに対し着脱可能に構成されたリング部材
    を備えており、かつこのリング部材には前記姿勢変更の
    ための回動軸が設けられており、 前記縦姿勢及び横姿勢の相互間で行う前記大型モジュー
    ルの姿勢変更時に、前記回動軸をトレーラに固定した軸
    受の溝に係合させ前記回動軸を回動させることにより、
    前記回動軸を回動中心として変更を行わせることを特徴
    とする原子炉圧力容器の取り扱い方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の原子炉圧力容器の取り扱い
    方法において、前記大型モジュールの姿勢変更時に、当
    該姿勢変更が前記縦姿勢から前記横姿勢への変更である
    か又は前記横姿勢から前記縦姿勢への変更であるかに応
    じ、前記トレーラを対応する方向へ移動させることを特
    徴とする原子炉圧力容器の取り扱い方法。
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