JPH11310891A - 鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法 - Google Patents

鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法

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JPH11310891A
JPH11310891A JP11917098A JP11917098A JPH11310891A JP H11310891 A JPH11310891 A JP H11310891A JP 11917098 A JP11917098 A JP 11917098A JP 11917098 A JP11917098 A JP 11917098A JP H11310891 A JPH11310891 A JP H11310891A
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steel sheet
pickling
roll
sink roll
continuous
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JP11917098A
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Iwahiko Nakajima
厳彦 中嶋
Shinji Miyaoka
伸司 宮岡
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理
方法の場合に比較し、酸洗の際に鋼板表面にすり疵が極
めて発生し難く、酸洗時鋼板表面のすり疵発生を防止し
得る鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法を提供す
る。 【解決手段】 鋼板を連続電気亜鉛系めっきする前に、
鋼板をアルカリ脱脂し、アルカリリンスした後、ロール
胴部の少なくとも表面層がゴムよりなる酸洗用シンクロ
ールにより鋼板を酸洗浴に浸漬して酸洗する鋼板の連続
電気亜鉛系めっきの前処理方法において、前記酸洗浴中
のシリカの濃度を1000ppm 以下にすると共に、前記酸洗
用シンクロールとしてロール胴部の表面層を形成するゴ
ムの硬さがHs(JIS A)70〜80°であるシンクロールを
用いることを特徴とするもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板の連続電気亜
鉛系めっきの前処理方法に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】鋼板の連続電気亜鉛系めっきに際し、鋼
板は前処理されてから連続電気亜鉛系めっきされる。こ
の鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理は、鋼板をアル
カリ脱脂し、アルカリリンスした後、酸洗する方法によ
り行われる。
【0003】このとき、アルカリ脱脂は、鋼板を走行さ
せながらアルカリ浴(アルカリ性水溶液)中に鋼板を浸
漬する方法や、アルカリ性水溶液を鋼板にスプレーする
方法等により行われる。このアルカリ性水溶液として
は、通常、オルソ珪酸ソーダ水溶液が用いられる。
【0004】アルカリリンスは、アルカリ脱脂後の鋼板
を走行させながら工業用水等の水を鋼板にスプレーする
方法等により行われる。
【0005】酸洗は、アルカリリンス後の鋼板を走行さ
せながら、酸洗用シンクロールにより鋼板を酸洗浴(酸
性水溶液)中に浸漬する方法により行われる。この酸洗
用シンクロールとしては、ロール胴部の少なくとも表面
層がゴムよりなるもの等が用いられる。酸性水溶液とし
ては硫酸水溶液等が用いられる。
【0006】酸洗後の鋼板は、通常は酸リンスされる。
この酸リンスは、酸洗後の鋼板を走行させながら工業用
水等の水を鋼板にスプレーする方法等により行われる。
【0007】かかる鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処
理の後、連続電気亜鉛系めっきが行われる。これら前処
理及びめっきはいずれも鋼板を走行させながら連続的に
行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法においては、
酸洗中に鋼板表面にすり疵が発生することがあるという
問題点がある。このようにすり疵が発生すると、連続電
気亜鉛系めっき後の鋼板の外観的品質が著しく低下する
ので、かかるすり疵の発生は極めて深刻な問題点であ
り、その防止が強く要望されている。
【0009】上記すり疵の発生の原因について調べたと
ころ、次のことがわかった。
【0010】上記すり疵は、酸洗浴においてシリカ化合
物が鋼板と酸洗用シンクロールとの間に侵入することに
起因して発生する。シリカ化合物は酸洗浴中のシリカ濃
度が多くなり、ある濃度を越えると発生する。
【0011】又、上記すり疵の発生に対して酸洗用シン
クロールの表面層の硬度が影響し、これが硬すぎると鋼
板とのスリップが起こり易くなり、それに起因してすり
疵が発生し、逆に軟らかすぎると酸洗用シンクロールの
摩耗が生じ易くなり、摩耗片によりすり疵が発生する。
【0012】本発明は、この様な事情に着目してなされ
たものであって、その目的は、前記従来の鋼板の連続電
気亜鉛系めっきの前処理方法の場合に比較し、酸洗の際
に鋼板表面にすり疵が極めて発生し難く、酸洗時鋼板表
面のすり疵発生を防止し得る鋼板の連続電気亜鉛系めっ
きの前処理方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処
理方法は、請求項1〜2記載の鋼板の連続電気亜鉛系め
っきの前処理方法としており、それは次のような構成と
したものである。
【0014】即ち、請求項1記載の鋼板の連続電気亜鉛
系めっきの前処理方法は、鋼板を連続電気亜鉛系めっき
する前に、鋼板をアルカリ脱脂し、アルカリリンスした
後、ロール胴部の少なくとも表面層がゴムよりなる酸洗
用シンクロールにより鋼板を酸洗浴に浸漬して酸洗する
鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法において、前
記酸洗浴中のシリカの濃度を1000ppm以下にする
と共に、前記酸洗用シンクロールとしてロール胴部の表
面層を形成するゴムの硬さがHs(JIS A)70〜80°であ
るシンクロールを用いることを特徴とする鋼板の連続電
気亜鉛系めっきの前処理方法である(第1発明)。
【0015】請求項2記載の鋼板の連続電気亜鉛系めっ
きの前処理方法は、前記酸洗用シンクロールが駆動する
請求項1記載の鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方
法である(第2発明)。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は例えば次のようにして実
施する。鋼板をアルカリ脱脂し、アルカリリンスした
後、ロール胴部の少なくとも表面層がゴムよりなる酸洗
用シンクロールにより鋼板を酸洗浴に浸漬して酸洗す
る。このとき、酸洗用シンクロールとしてロール胴部の
表面層を形成するゴムの硬さがHs(JIS A)70〜80°で
あるシンクロールを用いる。又、酸洗浴中のシリカの濃
度が1000ppm以下になるように調整する。
【0017】上記酸洗後の鋼板は、通常は酸リンスされ
た後、連続電気亜鉛系めっきが施される。
【0018】本発明に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっき
の前処理方法は、前述の如く、鋼板をアルカリ脱脂し、
アルカリリンスした後、ロール胴部の少なくとも表面層
がゴムよりなる酸洗用シンクロールにより鋼板を酸洗浴
に浸漬して酸洗するに際し、前記酸洗浴中のシリカの濃
度を1000ppm以下にすると共に、前記酸洗用シン
クロールとしてロール胴部の表面層を形成するゴムの硬
さがHs(JIS A)70〜80°であるシンクロールを用いる
ようにしている。
【0019】このように酸洗浴中のシリカの濃度を10
00ppm以下にすると、酸洗浴中でのシリカ化合物の
生成が抑えられるので、鋼板と酸洗用シンクロールとの
間へのシリカ化合物の侵入に起因する酸洗時鋼板表面の
すり疵発生を防止し得る。即ち、酸洗浴中のシリカの濃
度を1000ppm以下にすると、酸洗浴中においてシ
リカは固体状のシリカ化合物とならず、溶解状態で存在
するため、酸洗浴においてシリカ化合物が鋼板と酸洗用
シンクロールとの間へ侵入してすり疵が発生するという
ことがなくなる。
【0020】又、前記の如く酸洗用シンクロールとして
ロール胴部の表面層を形成するゴムの硬さがHs(JIS
A)70〜80°であるシンクロールを用いるようにする
と、シンクロールと鋼板とのスリップに起因する酸洗時
鋼板表面のすり疵発生が起こり難くなると共に、シンク
ロールの摩耗片に起因する酸洗時鋼板表面のすり疵発生
が起こらなくなる。
【0021】即ち、上記酸洗用シンクロールはロール胴
部の表面層を形成するゴムの硬さがHs(JIS A)80°以
下であり、ロール胴部の表面層が比較的軟らかいので、
このロール胴部の表面と接触して走行する鋼板とシンク
ロールとのスリップが起こり難く、そのためシンクロー
ルと鋼板とのスリップに起因する酸洗時鋼板表面のすり
疵発生が起こり難くなる。又、上記ロール胴部の表面層
を形成するゴムは硬さがHs(JIS A)70°以上であるの
で、ロール胴部の表面層の摩耗が極めて生じ難く、その
ためシンクロールの摩耗片に起因する酸洗時鋼板表面の
すり疵発生が起こらなくなる。
【0022】ここで、酸洗浴中のシリカの濃度を1000pp
m 以下にしているのは、かかる濃度を1000ppm 超にする
と、酸洗浴中において固体状のシリカ化合物が生成し、
このシリカ化合物が鋼板と酸洗用シンクロールとの間へ
侵入してすり疵が発生するようになるからである。
【0023】酸洗用シンクロールのロール胴部表面層を
形成するゴムの硬さをHs(JIS A)70〜80°としている
のは、かかるゴムの硬さをHs(JIS A)70°未満とする
と、ロール胴部の表面層の摩耗が生じ、そのため摩耗片
に起因してすり疵が発生するようになり、一方、Hs(JI
S A)80°超にすると、シンクロールの表面層が硬すぎ
て鋼板とのスリップが起こり、それに起因してすり疵が
発生するようになるからである。
【0024】前記酸洗用シンクロールが駆動するように
すると、シンクロールと鋼板とのスリップに起因する酸
洗時鋼板表面のすり疵発生がさらに起こり難くなる。即
ち、前記酸洗用シンクロールを駆動型ロールとし、駆動
できるようにすると、シンクロールと鋼板とを同調して
駆動させることができ、それによりシンクロールとのス
リップがより起こり難くなり、そのためシンクロールと
鋼板とのスリップに起因する酸洗時鋼板表面のすり疵発
生がさらに起こり難くなる。従って、前記酸洗用シンク
ロールが駆動するようにすることが望ましい(第2発
明)。
【0025】前記の如く酸洗浴中のシリカの濃度を10
00ppm以下にするには、例えば次のようにすればよ
い。
【0026】即ち、アルカリ脱脂後の鋼板は、鋼板に付
着しているアルカリ性水溶液(オルソ珪酸ソーダ水溶
液)を除去するためにアルカリリンスされるが、このア
ルカリリンス後の鋼板に付着している水中にはアルカリ
成分(オルソ珪酸ソーダ)が含まれており、かかる状態
の鋼板が酸洗浴中に導入され浸漬されるので、酸洗浴中
にアルカリ成分が持ち込まれて混入する。このとき、ア
ルカリリンスのためのリンス液(水)は循環タンクから
アルカリリンス槽に導入され、アルカリリンスに供され
た後、循環タンクに戻り、このように循環使用されるの
で、使用時間の経過とともにリンス液中のアルカリ成分
の濃度が高くなり、そのため、アルカリリンス後の鋼板
に付着している水中のアルカリ成分の濃度が高くなり、
ひいては酸洗浴中のアルカリ成分の濃度が高くなる。そ
こで、上記循環タンクに新水を充分に補給してリンス液
中のアルカリ成分の濃度が高くなるのを抑えるようにす
る。そうすると、アルカリリンス後の鋼板に付着してい
る水中のアルカリ成分の濃度が低くなり、ひいては酸洗
浴中のアルカリ成分(オルソ珪酸ソーダ)の濃度が高く
なるのを抑えることができ、酸洗浴中のシリカの濃度を
1000ppm以下にすることができる。
【0027】本発明において、鋼板の連続電気亜鉛系め
っきとは、鋼板を走行させながら連続的に行われる電気
亜鉛系めっきのことである。電気亜鉛系めっきとは、亜
鉛あるいは亜鉛をベースとする合金を電気めっきするこ
とであり、電気亜鉛めっきに限定されず、電気亜鉛合金
めっきを含む。
【0028】
【実施例】(実施例1)実施例1に係る鋼板の連続電気
亜鉛系めっきの前処理のフローシートを図1に示す。図
1に示す如く、鋼板7を走行速度:120 m/分で走行さ
せながら、アルカリ脱脂槽1に導入して、アルカリ浴a
(3質量%オルソ珪酸ソーダ水溶液、約60℃)中に鋼板
7を浸漬し、次いでアルカリリンス槽2に導入して、ア
ルカリリンス液として常温の工業用水bを鋼板7にスプ
レーすることによりアルカリリンスし、次いで酸洗槽3
に導入して、ロール胴部の表面層がゴムよりなる酸洗用
シンクロール4により鋼板7を酸洗浴c(5質量%硫酸
水溶液、約30〜40℃)に浸漬して酸洗し、次いで酸リン
ス槽(図示していない)に導入して、酸リンス液として
常温の工業用水を鋼板7にスプレーすることにより酸リ
ンスした。続いて、この酸リンス後の鋼板7を連続電気
亜鉛めっき槽(図示していない)に導入して、連続電気
亜鉛めっきを行った。
【0029】このとき、アルカリリンス液(工業用水)
bは、循環タンク5からポンプアップされ、アルカリリ
ンス槽2内において鋼板7にスプレーされ、スプレー後
のアルカリリンス液bはアルカリリンス槽2の底部から
循環タンク5に戻り、循環使用される。又、この循環タ
ンク5には新水補給槽6から新水が連続的に供給される
と共に、循環タンク5の下部から連続的に水が排出され
る。
【0030】上記循環タンク5への新水の供給量及び循
環タンク5からの水の排出量を変化させ、これにより酸
洗浴c中のシリカの濃度を変化させた。即ち、酸洗浴c
中のシリカの濃度をパラメータとして変化させた。この
酸洗浴c中のシリカの濃度は、ICP(誘導結合プラズ
マ発光分光分析)により、シリカの濃度を定量分析して
確認した。
【0031】酸洗用シンクロール4としては、ロール胴
部の表面層を形成するゴムの硬さが種々異なるものを用
いた。即ち、ロール胴部の表面層を形成するゴムの硬さ
をパラメータとして変化させた。このゴムの硬さは、JI
S K 6301の硬さ試験方法の中のスプリング式硬さ試験方
法によりゴムの硬さを測定して確認した。
【0032】これらの酸洗用シンクロール4はいずれも
無駆動型ロールである。即ち、モータ等の外部動力によ
って回転するものではなく、鋼板がロール胴部に接触し
て走行することによって回転するものである。
【0033】このようなめっきの前処理及び連続電気亜
鉛めっきを行い、酸洗時鋼板表面のすり疵発生の有無、
程度を調査した。この調査は、連続電気亜鉛めっき後の
鋼板の表面を目視観察することにより行った。
【0034】この調査の結果を図2に示す。この図2
は、酸洗用シンクロールのロール胴部の表面層を形成す
るゴムの硬さ、及び、酸洗浴中のシリカの濃度と、酸洗
時鋼板表面のすり疵発生の有無・程度との関係を示す図
である。図2において、◎はすり疵発生が全く認められ
ず、極めて外観良好であるもの、○はすり疵発生が認め
られるが、すり疵は極めて軽微であり、外観をほとんど
損なわず、外観良好であるもの、×は鮮明なすり疵発生
が認められ、外観を損ない、外観不良であるものを示す
ものである。
【0035】図2からわかる如く、酸洗用シンクロール
としてロール胴部の表面層を形成するゴムの硬さがHs
(JIS A)70〜80°であるものを用いると共に、酸洗浴
中のシリカの濃度を1000ppm 以下にした場合(即ち、本
発明の実施例の場合)には、◎或いは○である。即ち、
すり疵発生が認められず、極めて外観良好であるか、或
いは、すり疵は極めて軽微であり、外観をほとんど損な
わず、外観良好である。この場合以外の場合(即ち、比
較例の場合)には、×であって鮮明なすり疵発生が認め
られ、外観を損ない、外観不良である。
【0036】尚、連続電気亜鉛系めっきとして、上記実
施例1では連続電気亜鉛めっきを行ったが、この連続電
気亜鉛めっきに代えて連続電気亜鉛合金めっきを行った
場合にも、上記と同様の傾向の結果が得られる。
【0037】(実施例2)酸洗用シンクロール4として
は駆動型ロールを用いた。即ち、モータ等の外部動力に
よって回転し、シンクロールと鋼板とを同調して作動
(回転、走行)させることができるものを用いた。この
点を除き実施例1のシンクロールと同様のシンクロール
を用い、実施例1の場合と同様の方法により、めっきの
前処理及び連続電気亜鉛めっきを行い、酸洗時鋼板表面
のすり疵発生の有無、程度を実施例1の場合と同様の方
法により調査した。
【0038】この調査の結果を図3に示す。図3におい
て、◎はすり疵発生が全く認められず、極めて外観良好
であるもの、○はすり疵発生が認められるが、すり疵は
極めて軽微であり、外観を殆ど損なわず、外観良好であ
るもの、×は鮮明なすり疵発生が認められ、外観を損な
い、外観不良であるものを示すものである。
【0039】図3からわかる如く、酸洗用シンクロール
としてロール胴部の表面層を形成するゴムの硬さがHs
(JIS A)70〜80°であるものを用いると共に、酸洗浴
中のシリカの濃度を1000ppm 以下にした場合(即ち、本
発明の実施例の場合)には、全て◎であり、すり疵発生
が認められず、極めて外観良好である。
【0040】前記実施例1での本発明の実施例の場合に
は◎或いは○であったのに対し、上記実施例2での本発
明の実施例の場合は全て◎であるので、後者の方がすり
疵発生がなくて外観的品質に優れている。これは、後者
の場合には、酸洗用シンクロール4として駆動型ロール
を用いたことにより、シンクロールと鋼板とを同調して
駆動させることができ、それによりシンクロールとのス
リップが起こらなくなり、そのためシンクロールと鋼板
とのスリップに起因する酸洗時鋼板表面のすり疵発生が
起こらなくなったためである。
【0041】尚、実施例2の場合には、図3からわかる
如く、酸洗用シンクロールとしてロール胴部の表面層を
形成するゴムの硬さがHs(JIS A)65°であるものを用
いた場合においても、○であって、すり疵は極めて軽微
であり、外観を殆ど損なわず、外観良好である。又、上
記ゴムの硬さがHs(JIS A)85°であるものを用いた場
合においても、酸洗浴中のシリカの濃度:75Oppm以下と
いう条件下では、○であって、すり疵は極めて軽微であ
る。このように、実施例2での比較例の場合には、実施
例1での比較例の場合よりも外観的品質に優れている。
これは、前者の場合には、酸洗用シンクロール4として
駆動型ロールを用いたことに起因して、シンクロールと
鋼板とのスリップに起因する酸洗時鋼板表面のすり疵発
生が起こらなくなったためである。
【0042】連続電気亜鉛系めっきとして、上記実施例
2では連続電気亜鉛めっきを行ったが、この連続電気亜
鉛めっきに代えて連続電気亜鉛合金めっきを行った場合
にも、上記と同様の傾向の結果が得られる。
【0043】
【発明の効果】本発明に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっ
きの前処理方法によれば、従来の鋼板の連続電気亜鉛系
めっきの前処理方法の場合に比較し、酸洗の際に鋼板表
面にすり疵が極めて発生し難く、酸洗時鋼板表面のすり
疵発生を防止し得、ひいては外観的品質に優れた連続電
気亜鉛系めっき鋼板が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっき
の前処理方法の概要を示す図である。
【図2】 実施例1に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっき
の前処理におけるシンクロールゴム(酸洗用シンクロー
ルのロール胴部の表面層を形成するゴム)の硬さ、及
び、酸洗浴中のシリカの濃度と、酸洗時鋼板表面のすり
疵発生の有無・程度との関係を示す図である。
【図3】 実施例2に係る鋼板の連続電気亜鉛系めっき
の前処理におけるシンクロールゴム(酸洗用シンクロー
ルのロール胴部の表面層を形成するゴム)の硬さ、及
び、酸洗浴中のシリカの濃度と、酸洗時鋼板表面のすり
疵発生の有無・程度との関係を示す図である。
【符号の説明】
1--アルカリ脱脂槽、2--アルカリリンス槽、3--酸洗
槽、4--酸洗用シンクロール、5--循環タンク、6--新
水補給槽、7--鋼板、a--アルカリ浴、b--アルカリリ
ンス液、c--酸洗浴。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板を連続電気亜鉛系めっきする前に、
    鋼板をアルカリ脱脂し、アルカリリンスした後、ロール
    胴部の少なくとも表面層がゴムよりなる酸洗用シンクロ
    ールにより鋼板を酸洗浴に浸漬して酸洗する鋼板の連続
    電気亜鉛系めっきの前処理方法において、前記酸洗浴中
    のシリカの濃度を1000ppm以下にすると共に、前
    記酸洗用シンクロールとしてロール胴部の表面層を形成
    するゴムの硬さがHs(JIS A)70〜80°であるシンクロ
    ールを用いることを特徴とする鋼板の連続電気亜鉛系め
    っきの前処理方法。
  2. 【請求項2】 前記酸洗用シンクロールが駆動する請求
    項1記載の鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法。
JP11917098A 1998-04-28 1998-04-28 鋼板の連続電気亜鉛系めっきの前処理方法 Pending JPH11310891A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009155708A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Kao Corp 鋼帯の洗浄方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009155708A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Kao Corp 鋼帯の洗浄方法

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