JPH11310615A - アクリルアミド系重合体分散液の製造方法 - Google Patents

アクリルアミド系重合体分散液の製造方法

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JPH11310615A
JPH11310615A JP12113698A JP12113698A JPH11310615A JP H11310615 A JPH11310615 A JP H11310615A JP 12113698 A JP12113698 A JP 12113698A JP 12113698 A JP12113698 A JP 12113698A JP H11310615 A JPH11310615 A JP H11310615A
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JP
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acrylamide
monomer
glycol derivative
water
vinylpyrrolidone
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Application number
JP12113698A
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English (en)
Inventor
Masato Fujikake
正人 藤掛
Shigeo Hamamoto
茂生 浜本
Nobutaka Fujimoto
信貴 藤本
Kimihiko Kondo
公彦 近藤
Takao Okada
隆雄 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Taki Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで、流動性がよく、取り扱い易い高
濃度のアクリルアミド系重合体分散液の製造方法を提供
する。 【解決手段】 無機塩の水溶液中において、ビニルピロ
リドンを必須成分とする重合体及びグリコール誘導体の
存在下に、アクリルアミド系単量体を含む水溶性単量体
を重合させるアクリルアミド系重合体分散液の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルアミド系
重合体分散液の新規な製造方法に関する。更に詳しく
は、排水処理用の凝集剤、脱水剤、製紙工程に用いる製
紙用薬剤、懸濁溶液の分散安定剤、土壌改良剤等に広く
使用されている水溶性アクリルアミド系重合体の水性分
散液の新規な製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりアクリルアミド系重合体分散液
は水溶性ポリアクリルアミド類を無機塩水溶液中で分散
させたり(例えば、特開平2−99574号公報)、ア
クリルアミド系単量体を主に水溶液重合することにより
製造されている。水溶液重合による方法では、単量体濃
度が高くなるに従って重合体が含水したゲル状となり、
そのままでは溶解等の取り扱いが著しく困難となる。そ
のため、希釈して流動性のある低濃度溶液として提供さ
れるか、又は乾燥、粉末化して使用されている。しか
し、低濃度で取り扱う場合には輸送費が高くなり不経済
的であり、乾燥、粉末化する場合には乾燥のために膨大
な熱エネルギーが必要となるうえ、加熱により熱的三次
元架橋が生じ、重合体の不溶化が起こる等の問題点を抱
えている。
【0003】また、油中水滴型のエマルジョン重合や疎
水性溶媒中での懸濁重合によるアクリルアミド系重合体
の製造方法も知られているが(例えば、特開平5−19
4613号公報)、これら有機溶剤を含有した製品では
可燃性溶剤使用に関する設備対応が必要となる。また、
製造の際においても有機溶剤の引火性及び強い臭気等の
ため、作業環境の問題から重合装置等の各製造設備に多
額の費用が必要となる。
【0004】有機溶媒を用いない塩水溶液中での沈殿重
合は注目される製造方法であり、設備の面では低コスト
である。しかし、この重合では生成した重合体が互いに
付着して大きな塊となり取り扱いが非常に困難になる欠
点を有している。
【0005】また、グリセリン等の多価アルコール、又
は塩水溶液に可溶性のポリアクリル酸ナトリウム等の高
分子電解質を保護コロイドとして少量添加した塩水溶液
中での沈殿重合も知られている(例えば、特公平4−3
9481号公報、特公平6−72170号公報等)。こ
の方法では、析出した重合体どうしの付着をある程度防
ぐことができるものの、原料である水溶性単量体濃度を
低くしなければならず、また、塩水溶液に対する溶解性
の問題でアニオン化度又はカチオン化度を低く抑える必
要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に鑑み、本
発明は、低コストで、流動性がよく、取り扱い易い高濃
度のアクリルアミド系重合体水性分散液の製造方法を提
供することを目的とするものである。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは、前記課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、アクリルア
ミド系単量体を含む水溶性単量体を無機塩の水溶液中、
ビニルピロリドンを必須成分とする重合体およびグリコ
ール誘導体の存在下に重合することにより、低コスト
で、流動性がよく、取り扱い易い高濃度のアクリルアミ
ド系重合体の水性分散液を製造することができることを
見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は、無機塩
の水溶液中において、ビニルピロリドンを必須成分とす
る重合体およびグリコール誘導体の存在下に、アクリル
アミド系単量体を含む水溶性単量体を重合させることを
特徴とするアクリルアミド系重合体水性分散液の製造方
法に関するものである。以下、本発明について詳細に説
明する。
【0008】本発明において用いられるアクリルアミド
系単量体を含む水溶性単量体としては、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド(前記2種の化合物を(メタ)ア
クリルアミドと略記する。以下も同様である)、(メ
タ)アクリルアミドとそれらと共重合が可能なアニオン
性単量体の混合物、(メタ)アクリルアミドとそれらと
共重合が可能なカチオン性単量体の混合物等が挙げられ
る。
【0009】上記アニオン性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン
酸、スチレンスルホン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩及びアンモニウム塩、並びにそれらの混合物
等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリル酸アルカ
リ金属塩、(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩が好
ましい。
【0010】上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、
(メタ)アクリル酸アルカリ土類金属塩としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸リチウム、(メタ)アクリル酸
ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)ア
クリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム
等が挙げられる。この中、アクリル酸ナトリウムが入手
しやすく経済的であり、最も好ましい。
【0011】上記カチオン性単量体としては、例えば、
(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウム
クロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチ
ルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0012】アクリルアミド系単量体を含む水溶性単量
体として、(メタ)アクリルアミドとアニオン性単量体
又はカチオン性単量体との混合物を用いる場合、アニオ
ン性単量体又はカチオン性単量体の含有量は、上記アク
リルアミド系単量体を含む水溶性単量体全体の40モル
%以下が好ましい。40モル%を越えると生成する重合
体が無機塩の水溶液に溶解するため好ましくない。
【0013】上記アクリルアミド系単量体を含む水溶性
単量体の量は、無機塩、ビニルピロリドンを必須成分と
する重合体、グリコール誘導体、アクリルアミド系単量
体を含む水溶性単量体及び水を含む重合反応液の全重量
に対して、1〜40重量%、好ましくは5〜30重量%
であることが望ましい。アクリルアミド系単量体を含む
水溶性単量体の量が1重量%未満では経済的に不利であ
り、40重量%を越えると系内の粘度が高くなり、製造
が困難となる。
【0014】本発明で使用される無機塩としては、硫酸
アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウ
ム、リン酸一水素二アンモニウム等の無機酸のアンモニ
ウム塩;硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシ
ウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、
塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸一水素二カリ
ウム、リン酸二水素一ナトリウム等の無機酸のアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、及び硫酸アルミニウム、
塩化アルミニウム等が挙げられる。
【0015】これらは単独で又は適宜混合して用いても
よい。なかでも無機酸のアンモニウム塩、無機酸のナト
リウム塩が好ましく、更に好ましくは、硫酸アンモニウ
ム、硫酸ナトリウムである。これらの塩以外であって
も、その水溶液が重合体を溶解させないものならば本発
明の範囲である。
【0016】上記無機塩の塩水溶液の濃度は特に限定さ
れないが、生成する重合体を容易に析出させるため、重
合反応中においても常に飽和状態を保つことが好まし
い。
【0017】本発明で使用されるビニルピロリドンを必
須成分とする重合体としては、例えば、ビニルピロリド
ンの単独重合体(ポリビニルピロリドン)、ビニルピロ
リドンと他の単量体との共重合体等が挙げられる。ビニ
ルピロリドンと他の単量体との共重合体としては特に限
定されず、例えば、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重
合体;ビニルピロリドン/ビニルアルコール共重合体;
ビニルピロリドン/スチレン共重合体;ビニルピロリド
ン/ヘキサデセン共重合体、ビニルピロリドン/エイコ
セン共重合体等のビニルピロリドン/長鎖α−オレフィ
ン共重合体;ビニルピロリドン/(メタ)アクリル酸ス
テアリル共重合体;ビニルピロリドン/(メタ)アクリ
ル酸ジメチルアミノエチル共重合体及びその4級化物;
ビニルピロリドン/(メタ)アクリル酸アミドプロピル
塩化トリメチルアンモニウム共重合体;ビニルピロリド
ン/ビニルカプロラクタム/(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル三元共重合体及びその4級化物等が挙げ
られる。なかでも、得られたアクリルアミド系重合体の
水分散性が優れている点で、ポリビニルピロリドン、ビ
ニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体が好ましい。これ
らは、単独であるいは2種以上を混合して用いても良
い。
【0018】本発明で使用されるビニルピロリドンを必
須成分とする重合体の重量平均分子量は、その種類、重
合条件等により異なり特に限定されないが、通常200
万以下であり、50万以下がより好ましく、更に好まし
くは10万以下である。本発明で使用されるビニルピロ
リドンを必須成分とする重合体の添加量は、その種類、
分子量、その他の条件により異なるが、アクリルアミド
系単量体を含む水溶性単量体100重量部に対して0.
1〜100重量部の範囲が好ましく、より好ましくは1
〜10重量部である。0.1重量部未満では分散安定化
効果が発現せず生成物が塊となりやすく、100重量部
を超えるとアクリルアミド系重合体の持つ凝集作用が期
待できなくなるおそれがある。
【0019】本発明で使用されるグリコール誘導体とし
ては、例えば、エチレングリコール誘導体、ジエチレン
グリコール誘導体、トリエチレングリコール誘導体、プ
ロピレングリコール誘導体、ジプロピレングリコール誘
導体、トリプロピレングリコール誘導体等が挙げられ
る。
【0020】前記エチレングリコール誘導体としては、
例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコー
ルモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノグリシジルエーテ
ル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテ
ル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレング
リコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジ
フェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、エチレングリコールジアセテート等が
挙げられる。
【0021】前記ジエチレングリコール誘導体として
は、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
グリシジルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニ
ルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレング
リコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジ
ブチルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエ
ーテル、ジエチレングリコールジフェニルエーテル等が
挙げられる。
【0022】前記トリエチレングリコール誘導体として
は、例えば、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリ
エチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコ
ールモノグリシジルエーテル、トリエチレングリコール
モノフェニルエーテル、トリエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジプロピルエーテル、トリ
エチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコー
ルジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0023】前記プロピレングリコール誘導体として
は、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピ
レングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ
グリシジルエーテル、プロピレングリコールモノフェニ
ルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、
プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレング
リコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジ
ブチルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエ
ーテル、プロピレングリコールジフェニルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。
【0024】前記ジプロピレングリコール誘導体として
は、例えば、ジプロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコ
ールモノグリシジルエーテル、ジプロピレングリコール
モノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプ
ロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコー
ルジフェニルエーテル等が挙げられる。
【0025】前記トリプロピレングリコール誘導体とし
ては、例えば、トリプロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、
トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプ
ロピレングリコールモノグリシジルエーテル、トリプロ
ピレングリコールモノフェニルエーテル、トリプロピレ
ングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジプ
ロピルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエ
ーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリプロピレングリコールジフェニルエーテル等が
挙げられる。
【0026】なかでも、得られたアクリルアミド系重合
体の水分散性が優れている点で、プロピレングリコール
誘導体が好ましく、とりわけプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テルが好ましい。
【0027】本発明で使用されるグリコール誘導体の添
加量は、その種類等により異なるが、アクリルアミド系
単量体を含む水溶性単量体100重量部に対して0.0
1〜10重量部の範囲が好ましく、より好ましくは0.
1〜5重量部である。0.01重量部未満では分散安定
化効果が発現せず生成物が塊となりやすい傾向があり、
10重量部を超えると得られるアクリルアミド系重合体
の凝集作用が期待できなくなるおそれがある。
【0028】次に、本発明の(メタ)アクリルアミド系
重合体分散液の製造方法について説明する。すなわち、
攪拌機、温度計、窒素の吹き込み管、及び冷却管を備え
た反応器に、所定のアクリルアミド系単量体を含む水溶
性単量体、並びに、ビニルピロリドンを必須成分とする
重合体およびグリコール誘導体を溶解した塩水溶液を仕
込み、窒素ガスにより脱酸素した後、重合開始剤を添加
し、攪拌下重合を開始させる。重合開始後生成物微粒子
が析出し、重合反応が完結した状態では重合体微粒子の
析出した流動性のある分散液が得られる。
【0029】本発明のアクリルアミド系重合体分散液の
製造方法は、上記ビニルピロリドンを必須成分とする重
合体およびグリコール誘導体を溶解した塩水溶液中に、
上記所定のアクリルアミド系単量体を含む水溶性単量体
を、逐次的に添加することによっても実施することがで
きる。上記重合反応は温浴等により、0〜100℃、好
ましくは20〜60℃に加温することにより開始され
る。重合時間は重合温度により異なるが、2〜10時間
である。
【0030】上記重合開始剤としては特に限定されず、
例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド、
クメンハイドロパーオキシド、第三級ブチルハイドロパ
ーオキシド、過硫酸カリウム等の過酸化物系重合開始
剤;α、α’−アゾビスイソブチロニトリル、2、2’
−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、ジメチ
ル−2、2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合
開始剤;硫酸第一鉄アンモニウム/過硫酸アンモニウ
ム、エタノールアミン/過硫酸カリウム、臭素酸ナトリ
ウム/二酸化硫黄等のレドックス系重合開始剤等が挙げ
られる。
【0031】上記重合開始剤の添加量は、その種類や重
合温度によって異なるが、通常、アクリルアミド系単量
体を含む水溶性単量体に対して0.005〜5重量%が
用いられる。重合に際してその他必要に応じてイソプロ
ピルアルコール等の連鎖移動剤、ドデシルベンゼンスル
ホン酸等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート等のノニオン性界面活性剤等
の添加剤を加えることができる。このようにして得られ
たアクリルアミド系重合体の粘度平均分子量は、通常、
500万〜1500万である。
【0032】本発明により、分散性、流動性に富むアク
リルアミド系重合体の水性分散液を高濃度で得ることが
できる。本発明の方法により得られたアクリルアミド系
重合体は、機構は定かではないが、ビニルピロリドンを
必須成分とする重合体と分子間で相互作用を行うことに
より高分子錯体を形成しているものと思われる。このよ
うな相互作用の結果、塩水溶液中での重合で析出・沈殿
している重合体の微粒子が適度に三次元化するため、塊
状化を防ぎより分散安定化させることが可能となる。
【0033】更に、グリコール誘導体を併用することに
より、その作用は十分に解明されていないが、グリコー
ル誘導体が分散微粒子に対して保護コロイドとして作用
し、ビニルピロリドンを必須成分とする重合体を単独で
使用した場合に比較して、より高分子量のアクリルアミ
ド系重合体の微粒子を高濃度に分散安定化させることが
可能となるものと考えられる。
【0034】すなわち、上記の高分子相互作用および保
護コロイド相互作用は、各々分散安定化効果を有してい
るが、併用することによりそれぞれの分散安定化効果が
相乗的に高められ、より高分子量体の微粒子を分散安定
化させることが可能となる。この高分子相互作用および
コロイド作用を利用して、アクリルアミド系重合体の高
アニオン又は高カチオン重合体が製造可能となり、アニ
オン化度又はカチオン化度の広い範囲でアクリルアミド
系重合体の高濃度の水性分散液が取得できるようにな
る。
【0035】なお、本発明においてアニオン化度とは、
アクリルアミド系単量体を含む水溶性単量体として、
(メタ)アクリルアミドとアニオン性単量体との混合物
を用いた場合に、アニオン性単量体のアクリルアミド系
単量体を含む水溶性単量体全体に対するモル分率をい
い、同様にカチオン化度とはカチオン性単量体のアクリ
ルアミド系単量体を含む水溶性単量体全体に対するモル
分率をいう。
【0036】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0037】なお、以下の実施例で得られたアクリルア
ミド系重合体分散液の粘度及びアクリルアミド系重合体
の粘度平均分子量は以下の方法に従って測定した。 粘度:東京計器(株)製のB型粘度計を用いて、25
℃、12回転で測定した。 粘度平均分子量:得られたアクリルアミド系重合体を1
規定の硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、30℃で極限粘
度を求め、以下の換算式を用いて算出した。 [η]=3.73×10-4×Mw0.66
【0038】実施例1 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、アクリルアミド66.0g、
重量平均分子量(以下Mwと略す)が10000のポリ
ビニルピロリドン(以下PVPと略す)4.0g、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル0.5gを仕込
み、純水132.5gを加えて溶解し均一な溶液を得
た。この溶液に硫酸アンモニウム95.0g、硫酸ナト
リウム2.0gを加え、25℃に保ちながら窒素ガスを
通じて反応系中の酸素を除去した後、重合開始剤として
過硫酸カリウム20mgを加えて、攪拌下、25℃で8
時間重合させた。その結果、微粒子状のアクリルアミド
重合体が均一に分散したアクリルアミド重合体分散液が
得られた。この分散液の粘度は、25℃で19000c
psであった。また、生成したアクリルアミド重合体を
アセトン中で析出させ、精製し、その粘度平均分子量を
測定したところ、約1150万であった。
【0039】実施例2 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、メタクリルアミド53.4
g、アクリル酸ナトリウム6.6g、PVP(Mw=1
0000)4.0g、プロピレングリコールモノメチル
エーテル0.5gを仕込み、純水131.5gを加えて
溶解し、均一な溶液を得た。この溶液に硫酸アンモニウ
ム100.0g、硫酸ナトリウム4.0gを加え、実施
例1と同様にして重合反応を行い、アニオン化度10モ
ル%の微粒子状のアクリルアミド系重合体が均一に分散
したアクリルアミド系重合体分散液を得た。この分散液
の粘度は、25℃で2500cpsであった。また、生
成した重合体の粘度平均分子量は約1100万であっ
た。
【0040】実施例3 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、アクリルアミド45.3g、
メタクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロラ
イド14.7g、PVP(Mw=10000)4.0
g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.5g
を仕込み、純水200.5gを加えて溶解し、均一な溶
液を得た。この溶液に、硫酸アンモニウム95.0g、
硫酸ナトリウム40.0gを加え、実施例1と同様にし
て重合反応を行い、カチオン化度10モル%の微粒子状
のアクリルアミド系重合体が均一に分散したアクリルア
ミド系重合体分散液を得た。この分散液の粘度は25℃
で15500cpsであった。また、生成した重合体の
粘度平均分子量は約500万であった。
【0041】実施例4 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、アクリルアミド45.1g、
アクリル酸ナトリウム14.9g、PVP(Mw=10
000)6.0g、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル2.0gを仕込み、純水194.0gを加えて溶
解し、均一な溶液を得た。この溶液に、硫酸アンモニウ
ム130.0g、硫酸ナトリウム8.0gを加え、実施
例1と同様にして重合反応を行い、アニオン化度20モ
ル%の微粒子状のアクリルアミド系重合体が均一に分散
したアクリルアミド系重合体分散液を得た。この分散液
の粘度は25℃で3160cpsであった。また、生成
した重合体の粘度平均分子量は約980万であった。
【0042】実施例5 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、アクリルアミド45.1g、
アクリル酸ナトリウム14.9g、ビニルピロリドン/
酢酸ビニル共重合体(70モル%/30モル%)10.
0g、プロピレングリコールモノメチルエーテル0.5
gを仕込み、純水191.5gを加えて溶解し、均一な
溶液を得た。この溶液に、硫酸アンモニウム130.0
g、硫酸ナトリウム8.0gを加え、実施例1と同様に
して重合反応を行い、アニオン化度20モル%の微粒子
状のアクリルアミド系重合体が均一に分散したアクリル
アミド系重合体分散液を得た。この分散液の粘度は25
℃で8500cpsであった。また、生成した重合体の
粘度平均分子量は約950万であった。
【0043】実施例6 攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた50
0mL4ツ口フラスコに、アクリルアミド43.7g、
アクリル酸ナトリウム16.3g、PVP(Mw=10
000)12.0g、プロピレングリコールモノメチル
エーテル1.0gを仕込み、純水180.0gを加えて
溶解し、均一な溶液を得た。この溶液に、硫酸アンモニ
ウム130.0g、硫酸ナトリウム17.0gを加え、
実施例1と同様にして重合反応を行い、アニオン化度2
2モル%の微粒子状のアクリルアミド系重合体が均一に
分散したアクリルアミド系重合体分散液を得た。この分
散液の粘度は25℃で7300cpsであった。また、
生成した重合体の粘度平均分子量は約980万であっ
た。
【0044】比較例1 実施例1においてPVP及びプロピレングリコールモノ
メチルエーテルを用いないこと以外は、実施例1と同様
な条件で重合を行った。重合の進行に伴って重合系の粘
性が増し、攪拌が不可能となり重合系は塊状化し、アク
リルアミド系重合体分散液は得られなかった。
【0045】比較例2 実施例2においてPVP及びプロピレングリコールモノ
メチルエーテルを用いないこと以外は、実施例2と同様
な条件で重合を行った。重合の進行に伴って重合系の粘
性が増し、攪拌が不可能となり重合系は塊状化し、アク
リルアミド系重合体分散液は得られなかった。
【0046】比較例3 実施例3においてPVP及びプロピレングリコールモノ
メチルエーテルを用いないこと以外は、実施例3と同様
な条件で重合を行った。重合の進行に伴って重合系の粘
性が増し、攪拌が不可能となり重合系は塊状化し、アク
リルアミド系重合体分散液は得られなかった。
【0047】比較例4 実施例3において、PVP(Mw=10000)の量を
0.05gに、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルの量を0.005gに代えた以外は実施例3と同様に
して重合を行った。重合の進行に伴って重合系の粘度が
上昇し、攪拌が不可能となり重合系は塊状化し、アクリ
ルアミド系重合体分散液は得られなかった。
【0048】
【発明の効果】本発明は、無機塩水溶液中でのアクリル
アミド系重合体分散液の新規な製造方法であり、得られ
た重合体の水中での分散性が優れているため、流動性に
富む高濃度の水性分散液を取得することができる。ま
た、経時的にそれらの特性を良好に保つことができる。
その他、以下のような特徴がある。
【0049】1.有機溶媒を用いていないため環境保護
の観点から好ましい。 2.高濃度であるため輸送費が安くなり経済性に優れて
いる。 3.高分子量のアクリルアミド系重合体の微粒子が分散
した分散液であり、水で希釈することにより容易に高重
合度の重合体が膨潤・溶解してアクリルアミド系重合体
水溶液が得られ作業性が非常に良い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤本 信貴 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内 (72)発明者 近藤 公彦 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内 (72)発明者 岡田 隆雄 兵庫県加古川市別府町西脇64番地の1 多 木化学株式会社研究所内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機塩の水溶液中において、ビニルピロ
    リドンを必須成分とする重合体及びグリコール誘導体の
    存在下に、アクリルアミド系単量体を含む水溶性単量体
    を重合させることを特徴とするアクリルアミド系重合体
    分散液の製造方法。
  2. 【請求項2】 アクリルアミド系単量体を含む水溶性単
    量体が、アクリルアミドである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 アクリルアミド系単量体を含む水溶性単
    量体が、アクリルアミドとアクリル酸ナトリウムとの混
    合物である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 アクリル酸ナトリウムの含有量が、アク
    リルアミドとアクリル酸ナトリウムの合計量に対して4
    0モル%以下である請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 アクリルアミド系単量体を含む水溶性単
    量体の量が、無機塩、ビニルピロリドンを必須成分とす
    る重合体、グリコール誘導体、アクリルアミド系単量体
    を含む水溶性単量体及び水を含む重合反応液の全重量に
    対して、1〜40重量%である請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 無機塩が、無機酸のアンモニウム塩であ
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 無機塩が、無機酸のアルカリ金属塩であ
    る請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 ビニルピロリドンを必須成分とする重合
    体が、ポリビニルピロリドンまたはビニルピロリドンと
    他の単量体との共重合体である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 ビニルピロリドンと他の単量体との共重
    合体が、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体である
    請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 ビニルピロリドンを必須成分とする重
    合体の量が、アクリルアミド系単量体を含む水溶性単量
    体100重量部に対して0.1〜100重量部である請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 グリコール誘導体が、エチレングリコ
    ール誘導体、ジエチレングリコール誘導体、トリエチレ
    ングリコール誘導体、プロピレングリコール誘導体、ジ
    プロピレングリコール誘導体、トリプロピレングリコー
    ル誘導体からなる群より選ばれた少なくとも1種である
    請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 グリコール誘導体が、プロピレングリ
    コール誘導体である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 プロピレングリコール誘導体が、プロ
    ピレングリコールモノメチルエーテルまたはプロピレン
    グリコールモノエチルエーテルである請求項12記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 グリコール誘導体の量が、アクリルア
    ミド系単量体を含む水溶性単量体100重量部に対して
    0.01〜10重量部である請求項1記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003041134A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Hymo Corp 水溶性高分子分散液及びその製造方法
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