JPH11310509A

JPH11310509A - 化粧料

Info

Publication number: JPH11310509A
Application number: JP11871398A
Authority: JP
Inventors: Kenzo Koike; 謙造小池; Masanori Shimizu; 真規清水; Junichi Fukazawa; 純一深澤; Yuji Suzuki; 裕二鈴木
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1998-04-28
Filing date: 1998-04-28
Publication date: 1999-11-09

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】ゼオライトは、空気中の窒素、酸素、炭酸ガス
等の気体成分を吸着することが知られている。この吸着
ガスは、ゼオライトに吸着される他の化合物（水等）が
接触すると脱着されるため、ゼオライトを含有する化粧
料においては、保存中又は使用時に容器が膨張するとい
う問題があった。この為、水分等の影響によるガス発生
や容器変形が起らない化粧料を提供することにある。【解決手段】ゼオライトとエタノールを混合すると、
ゼオライト中に吸着した気体成分を除去でき、これらを
配合した化粧料が、水分等の影響によるガス発生や容器
変形が起こらず、しかも温熱感及び使用感といった化粧
料本来の性能を損ねないことを見出した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水分等の影響によ
るガス発生や容器変形が起こらず、しかも使用感に優れ
た非水系化粧料に関する。

【０００２】

【従来の技術】水和により熱を放出するゼオライト（活
性化ゼオライト）を利用した化粧料としては、米国特許
第３２５０６８０号や、特開昭６１−２０４１１１号、
特開平６−１００４１１号等に記載のものが知られてお
り、ゼオライトの水和熱による血行促進や使用時の心地
よさが示されている。

【０００３】ゼオライトは、空気中の窒素、酸素、炭酸
ガス等の気体成分を吸着し、その吸着量は、平衡状態で
５〜８ml／ｇであることが知られている。この吸着ガス
は、ゼオライトに吸着される他の化合物（水等）が接触
すると脱着されるため、ゼオライトを含有する化粧料に
おいては、保存中又は使用時に容器が膨張するという問
題があった。

【０００４】このため、特定の割合でナトリウムとカリ
ウムを含有させることによりガス類の吸着を実質的に減
少させたゼオライトが提案されている（特開昭６１−２
０４１１１号）。しかし、このゼオライトは、製造工程
が繁雑であり、ナトリウム型よりも発熱量が低いこと
や、ナトリウムとカリウムの割合を厳密にコントロール
しないとガスの吸着を完全には防げないという問題があ
った。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水分
等の影響によるガス発生や容器変形が起こらない化粧料
を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、ゼオライ
トとエタノールを混合すれば、ゼオライト中に吸着した
気体成分を除去でき、これらを配合した化粧料が、水分
等の影響によるガス発生や容器変形が起こらず、しかも
温熱感及び使用感といった化粧料本来の性能を損ねない
ことを見出した。

【０００７】本発明は、ゼオライト及びエタノールを含
有する非水化粧料を提供するものである。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明で用いるゼオライトとして
は、特に制限されないが、入手容易性や経済性等の面か
ら、次式：

【０００９】

【化１】M_xO・Al₂O₃・ySiO₂・zH₂O

【００１０】（Ｍはアルカリ金属又はアルカリ土類金属
を示し、ｘ、ｙ及びｚは任意の数を示す）で表わされる
ゼオライトＡ−３、ゼオライトＡ−４、ゼオライトＡ−
５等の活性化ゼオライトが好ましい。また、イオン交
換、中性化処理等の特殊処理を施したゼオライトも使用
できる。これらのゼオライトの粒径は、水和速度、使用
感等の点から０．１〜２００μｍ、特に１〜１００μｍ
が好ましい。

【００１１】このようなゼオライトは、通常の方法によ
り製造、精製、粉砕、焼成、分級して得られる。例えば
ヨーロッパ特許第１８７９１２号（特開昭６１−２０４
１１１号）記載の如く、ゼオライト原体を約３００〜６
００℃で焼成・脱水を行った後、乾燥空気中で保存する
と、所望の活性のゼオライトが得られる。これらのゼオ
ライトは、全組成中に１〜６０重量％、特に５〜４０重
量％、更に１０〜３０重量％配合するのが、発熱量及び
使用感の点で好ましい。

【００１２】本発明で用いるエタノールは化学合成品、
発酵生産品等いずれでも良い。また、多少の水分を含ん
でいても良いが、純度が９５％以上、特に９８％以上の
ものを用いるのが好ましい。エタノールは、全組成中に
０．１〜５０重量％、特に１〜４０重量％、更に１〜２
０重量％配合するのが、ガスの除去効果及び使用感の点
で好ましい。

【００１３】本発明においては、上記ゼオライトをエタ
ノールと混合することにより、ゼオライト中に吸着した
気体成分を除去することができる。ゼオライトとエタノ
ールの混合比率は、エタノールがゼオライトに吸着され
る量は、例えばゼオライトＡ−４型の場合、理論的には
ゼオライト重量の約３０％であるので、ゼオライト１０
０重量部に対してエタノール３０重量部以上が好まし
く、ゼオライト：エタノール＝１００：５０〜１００：
５００（重量比）の範囲が特に好ましい。なお、効率的
に気体成分を除去するために、ゼオライトとエタノール
の共存下で加熱あるいは減圧又は加圧してもよい。加熱
条件は、３０℃以上、特に５０〜９０℃が好ましく、処
理時間は特に制限されないが、経済的には１時間から３
日間程度である。

【００１４】ゼオライト中の気体成分が十分に除去され
たか否かは、ゼオライトのガス吸着量を測定することに
より判断することができ、このガス吸着量は２ml／ｇ以
下、更に１ml／ｇ以下、特に０．５ml／ｇ以下まで低減
させるのが、水分等によるガスの発生や容器の変形を防
止する点で好ましい。

【００１５】なお、ガス吸着量は、例えば特開昭６１−
２０４１１１号に記載された方法により、また、密閉容
器内でゼオライトそのもの、あるいはゼオライトを配合
した化粧料に２倍量以上の水を加えてゼオライト中のガ
スを放出させ、放出ガス量を測定する方法により求める
ことができる。

【００１６】本発明の化粧料には、前記成分のほか、化
粧料の常用成分、例えばポリエチレングリコール、グリ
セリン等の多価アルコール、塩化ナトリウム等の固形
塩、シリカゲルやカオリン等の粉体、アクリル酸−メタ
クリル酸アルキル共重合体（カーボポールＥＴＤ−２０
２０、ペムレンＴＲ−１等）等の合成高分子、セルロー
ス等の天然高分子、界面活性剤、油剤、潤滑剤、湿潤
剤、防腐剤、殺菌剤、消炎剤、収斂剤、止血剤、鎮痛
剤、ビタミン及びその誘導体、キレート剤、粘度調整
剤、起泡剤、清涼剤、冷感剤、金属防錆剤、動植物エキ
ス、色素、酵素、抗酸化剤、香料等を適宜配合できる。

【００１７】本発明の化粧料は、ゼオライトとエタノー
ルを混合して得られるスラリーに、上記のような成分を
混合して製造され、実質的に非水系である。実質的に非
水系とは、化粧料中に水分が少量存在することを排除す
るものではなく、化粧料が外部の水と接触した場合に水
和熱を発生することができればよい。

【００１８】本発明の化粧料は、ローション、ペース
ト、ジェル、クリーム等のいずれの形態でも良く、ボデ
ィ用化粧料としてはローションタイプで伸びの良いもの
が好ましく、顔用ではペーストやクリームタイプが液だ
れもなく良好に使用でき、好ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、簡便な操作によりゼオ
ライト中に吸着した気体成分を除去することができ、水
分等の影響によるガス発生がなく、かつ保存中の容器の
変形が起こらず、所望の温熱感を示す化粧料を得ること
ができる。

【００２０】

【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を更に説明す
る。

【００２１】実施例１（製造方法）（１）ゼオライトのスラリーの調製；ゼオライト（水分
量５％以下、商品名ゼオラムＡ４（トーソー社製））３
００ｇを２kg用ガラスジャケット付アジホモミクサで５
０rpmにて攪拌しながら、３００ｇのエタノール（純度
９９％）を加えた。必要に応じて加温及び減圧操作を行
った。（２）添加液の調製；ポリエチレングリコール４００
２６０ｇ及びグリセリン３２ｇを混合し、室温でアクリ
ル酸・メタクリル酸アルキル共重合体（ペムレンＴＲ−
２、Ｂ．Ｆ．グットリッチ社製）５ｇ、アクリル酸・メ
タクリル酸アルキル共重合体（ペムレンＴＲ−２、Ｂ．
Ｆ．グッドリッチ社製）３ｇ及びシリコン油３０ｇから
なる懸濁液を混合し、ディスパーで１５００rpmにて１
０分間攪拌した。この液を８０℃まで加温し、３０分間
１００rpmで攪拌しながら保温した。（３）混合、冷却；（１）で調製したゼオライトスラリ
ーに（２）で調製した添加液を加え、アジホモミクサで
５０〜１００rpmにて攪拌しながら混合した。ホモミク
サによる攪拌（７０００rpm）を１０分間行い、４０℃
まで冷却した。（４）添加物；（３）で調製したスラリーに香料、塩、
安定化剤、活性剤、植物エキスを合計７０ｇ加え、再度
攪拌混合した。冷却して３０℃で調製終了とし、マッサ
ージ剤を得た。

【００２２】得られたマッサージ剤２０ｇを水４０ｇと
密閉容器内で混合し、室温で１日放置後、放出されたガ
スの量を測定した結果、ゼオライト１ｇ当たり０．８ml
であった。

【００２３】比較例１実施例１（１）の操作を行わず、（２）のポリエチレン
グリコール４００を５６０ｇに代える以外は実施例１と
同様にして、マッサージ剤を製造した。得られたマッサ
ージ剤を用いて実施例１と同じテストを行い、放出され
たガスの量を測定した結果、ゼオライト１ｇ当たり５ml
であった。

【００２４】試験例１実施例１及び比較例１で得られたマッサージ剤につい
て、これらを使用したときの温熱感及び使用感（皮膚の
なめらかな感じ、さっぱりした感じ）を評価した。結果
を表１に示す。

【００２５】（評価方法）２２〜２８歳の女性１０人に
より、１日１回入浴後の水分が残った皮膚（上腕部）に
各マッサージ剤を塗布してマッサージを行い、温熱感及
び使用感を官能評価し、以下の基準で判定した。（判定基準） ◎：１０人中８人以上があると答えた。 ○：１０人中６〜７人があると答えた。 △：１０人中３〜５人があると答えた。 ×：１０人中２人以下があると答えた。

【００２６】

【表１】

フロントページの続き (72)発明者鈴木裕二東京都墨田区文花２−１−３花王株式会社研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ゼオライト及びエタノールを含有する非
水化粧料。
【請求項２】ゼオライトが、活性化ゼオライトである
請求項１記載の化粧料。
【請求項３】マッサージ剤である請求項１又は２記載
の化粧料。
【請求項４】ゼオライトとエタノールを混合すること
を特徴とするゼオライト中に吸着した気体成分を除去す
る方法。