JP4544735B2 - 爪及び手足用洗浄剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、爪や指の黄ばみ等を洗浄し、爪に光沢や滑らかさを付与することができ、更には保湿効果も得られる爪及び手足用洗浄剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コスメティックな観点から爪を美しくすることに関心がもたれている。
しかし、爪の黄ばみ等の汚れは、通常の固体又は液体石けん等では落ちにくく、また、爪に光沢や滑らかさを付与することが困難である。そこで、爪専用の洗浄剤、いわゆるネイルブリーチの開発が望まれている。
従来、爪専用の洗浄剤としては、アニオン界面活性剤を洗浄成分とし、水や湯に溶解させて使用する錠剤型のものが知られており、更に水や湯への溶解性を助長させるために、酸塩基反応により発泡する有機酸及び炭酸塩が配合された錠剤型のものも知られている。しかしながら、これらは爪の黄ばみ等の洗浄作用が充分でなくその改良が望まれている。
また、爪のケラチン中の構造シスチンを部分的に還元する作用を有する、チオグリコール酸アンモニウム、亜硫酸水素アンモニウム、1,4−ジチオスレイトール、テトラキス(ヒドロメチル)ホスホニウムクロリド、L−システイン(N−アセチルシステイン)等の還元剤を配合した爪洗浄剤も提案されており、爪や指の黄ばみ等の洗浄に効果があることが確認されている。
ところで、洗浄の目的ではなく、爪に光沢や滑らかさを付与するために、ヤスリ等で爪を磨くこと、また、研磨剤等を配合したクリーム等で爪をマッサージしながら磨くこと等が行なわれている。
しかし、爪の洗浄と同時に爪に光沢や滑らかさを付与するネールブリーチについては知られておらず、特に、爪洗浄剤を溶解する水又は湯に指を漬けておくだけで爪の洗浄と、爪への光沢及び滑らかさ付与を行なうことができる爪洗浄剤については知られていない。また、最近の女性は指先のケアに対する興味意識が高く、爪及び手足のケアが簡単に行える商材が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、爪や指の黄ばみ等の汚れを洗浄することができると共に、爪に光沢や滑らかさを付与することができ、同時に手足及び指先に保湿効果を付与することができる爪及び手足用洗浄剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、洗浄作用を有する還元剤に加え、特定の研磨作用を有する粉末、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びデキストリンを配合し、且つ水又は湯に接触させて使用することにより炭酸ガスが発生する量の炭酸塩及び有機酸を配合することによって、爪及び手足用洗浄剤を溶解した水又は湯に指や手足を漬けておくだけで爪及び手足の洗浄と、爪への光沢及び滑らかさ付与等を同時に行なうことができることを見出し本発明を完成した。本発明によれば、水又は湯に接触させて使用することにより炭酸ガスが発生する量の炭酸塩及び有機酸と、還元剤と、酸化チタン粉末と、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、デキストリンとを含む錠剤及び/又は粉末状の爪及び手足用洗浄剤が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の爪及び手足用洗浄剤は、水又は湯に溶解させ、この水や湯中に指や手足を入れて爪等を洗浄する洗浄剤であって、必須成分として炭酸塩及び有機酸と、還元剤と、酸化チタン粉末と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(以下、CMCと略記する)と、デキストリンとを含む。本発明の爪及び手足用洗浄剤の形態は、粉末状でも、また賦形剤等を使用して錠剤等としても良く、粉末及び錠剤の混合物であっても良い。
【0006】
本発明の爪及び手足用洗浄剤に用いる有機酸及び炭酸塩は、爪及び手足用洗浄剤を水又は湯に溶解させることにより酸塩基反応により発泡し、爪及び手足用洗浄剤の溶解性を向上させると共に、還元剤等による洗浄作用を向上させ、更には指や爪床の血行を促進するよう作用する。加えて、後述する酸化チタン粉末が、研磨作用により爪に光沢や滑らかさを付与するように水又は湯を対流等させるようにも作用する。
前記有機酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルタミン酸、フマル酸、酒石酸等が挙げられる。また炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。これら有機酸及び炭酸塩の配合割合は、水又は湯に溶解させた際に炭酸ガスが発生する量であれば特に限定されず、適宜選択できるが、通常、有機酸は、爪及び手足用洗浄剤中に好ましくは10〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%であり、一方、炭酸塩は通常、錠剤中に好ましくは10〜45質量%、特に好ましくは20〜40質量%である。有機酸と炭酸塩との割合は、質量比で1:1が一般的である。
【0007】
本発明の爪及び手足用洗浄剤に配合する還元剤としては、例えば、L−システイン塩酸塩、シュウ酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられるが、使用時の匂い等の問題からL−システイン塩酸塩、シュウ酸ナトリウム又はこれらの混合物の使用が好ましい。
還元剤の配合割合は、その種類に応じて適宜選択することができるが、溶解させる水又は湯に対して、還元剤の濃度が好ましくは0.05〜5g/リットルとなるようにその1回の使用量毎に配合すれば良く、通常、爪及び手足用洗浄剤中に0.1〜10質量%の割合で配合するのが好ましい。
【0008】
本発明の爪及び手足用洗浄剤に配合する酸化チタン粉末は、爪に光沢や滑らかさを付与するために、研磨剤等として作用する。この際、研磨剤として、酸化チタン粉末を配合せずに、例えば、酸化亜鉛粉末、無水ケイ酸粉末、ゼオライト粉末又はこれらの混合物等を用いる場合には、十分な研磨作用が得られず、目的とする爪に光沢や滑らかさを十分に付与することができない。酸化チタン粉末の粒径は、通常平均粒径0.1〜0.3μm、特に好ましくは平均粒径0.15〜0.25μm程度である。
酸化チタン粉末の配合割合は、他の成分との兼合いに応じて、爪に光沢や滑らかさを付与しうる量であれば特に限定されず適宜選択できる。酸化チタンの配合割合は、通常、爪及び手足用洗浄剤中に、好ましくは0.01〜5質量%、特に好ましくは0.05〜1質量%である。
【0009】
本発明の爪及び手足用洗浄剤に配合するCMC及びデキストリンは、特に、上記酸化チタン粉末の爪研磨作用を十分に引出し、且つ研磨作用を持続させるよう等に作用する。デキストリンとしては、通常、乳化、分散作用を示すデキストリンであれば特に限定されない。
デキストリンの配合割合は、通常、爪及び手足用洗浄剤中に、好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは0.1〜15質量%であり、通常、上記酸化チタン粉末と同量程度で配合することが望ましい。一方、CMCの配合割合は、通常、爪及び手足用洗浄剤中に、好ましくは0.05〜5質量%、特に好ましくは0.5〜1質量%であり、通常、上記デキストリンの0.04〜10倍量の配合が望ましい。
前記CMC及びデキストリンの配合割合が、少ない場合には有機酸及び炭酸塩の発泡が弱くなるにつれて酸化チタン粉末が沈降し、研磨作用が低下する恐れがある。逆に多い場合には、液中における酸化チタン粉末の移動速度が低下し、所望の研磨作用が得られない恐れがあるので、このような恐れが生じないように、CMC及びデキストリンの配合割合を上記範囲から適宜選択することが好ましい。
【0010】
本発明の爪及び手足用洗浄剤において、上記必須成分等を用いて錠剤を調製するには、各種賦形剤、安定化剤、結着剤、崩壊剤等を所望により配合し、通常の打錠成型方法等により調製することができる。錠剤の大きさは特に限定されず、通常0.3〜5cmであり、1回使用量が必ずしも1個になるように各成分を配合する必要は無く、1回使用量が複数となるように調製しても良い。
【0011】
本発明の爪及び手足用洗浄剤には、本発明の目的を損なうことなく、また、所望の効果等を付与若しくは向上させるために、他の添加剤等を配合することができる。他の添加剤としては、例えば、高圧力気体を封入した粒状糖類、保湿剤、消臭剤、酵素、界面活性剤及びこれらの混合物からなる群より選択される1種又は2種以上の添加剤等が挙げられる。
前記高圧力気体を封入した粒状糖類は、例えば、前記有機酸及び炭酸塩による発泡と相俟って、指や爪床の血行を促進すると共に、爪と爪床の狭間を刺激し、洗浄効果をより向上させたり、前記酸化チタン粉末の研磨作用を向上させるため等に作用させることができる。
前記保湿剤は、洗浄に伴う指や手足の荒れを防止し、且つ指や手足の肌に潤いを与え、コスメティック効果を更に向上させるため等に作用させることができる。
前記消臭剤、酵素や界面活性剤は、洗浄効果を更に向上させるため等に作用させることができる。
【0012】
前記粒状糖類は、高圧力気体を封入し、水又は湯に溶解させた際に該封入された気体が発音しながら溶解する。溶解する糖類は、皮膚の保湿成分としても作用する。
糖類としては、デキストリン、マルトース、マルチトース、ブドウ糖、乳糖、白糖、オリゴ糖又はこれらの混合物等が挙げられるが、好ましくはデキストリン、白糖及び乳糖の混合物が好ましい。封入する高圧力気体としては、炭酸ガス、酸素ガス、窒素ガス、空気等が使用できる。
粒状糖類の粒径は、通常0.01〜10mm、好ましくは0.1〜5mmである。また、粒状糖類の配合量は、特に限定されないが、高圧力気体が発音する時間が1〜5分程度となるように配合するのが好ましく、また、溶解すべき水又は湯全体において発音するように、粒状糖類の配合は複数個が好ましい。
粒状糖類を調製するには、例えば、糖類を加温溶解しながら水分をある程度蒸発させた後冷却固化し、次いで、破砕して加圧容器に収容し、該加圧容器内に高圧力気体を導入した状態で、前記糖類の破砕物を再度溶融させた後に冷却固化して加圧容器から取り出し、所望粒径に破砕する方法等の公知の方法等により得ることができる。
【0013】
前記保湿剤としては、水溶性保湿剤、油性保湿剤、その他の保湿剤が挙げられる。
水溶性保湿剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール類;グルコース、ソルビトール、乳糖、キシリトール、マンニトール、パラチノース、パラチニット、エリスリトール等の単糖類、多糖類及び糖アルコール;コラーゲン、ケラチン、アミノ酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ヒアルロン酸、又はこれらの混合物等が挙げられる。
油性保湿剤としては、甘草エキス、ヒマシ油、オリーブ油、グレープシード油、カカオ脂、椿油、アーモンド油、月見草油、米ぬか油、米胚芽油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、アボガド油等の植物油脂類;ミンク油、卵黄油等の動物油脂類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類;スクワラン、流動パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然又は合成脂肪酸類;セタノール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、ベンジルアルコール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然又は合成高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸コレステリル等のエステル類等が挙げられる。
その他の保湿剤としては、ニンジン末、加水分解ケラチン、コラーゲン、ポリアクリル酸ナトリウム、結晶セルロース等が挙げられ、ポリアクリル酸ナトリウム等を配合する場合には、本発明の爪及び手足用洗浄剤を水又は湯に溶解した際にゲル状を呈する場合があるが洗浄力に問題が生じるものではない。
これら保湿剤の配合割合は、その目的が達成されるようにその種類に応じて適宜選択することができるが、通常、洗浄剤全量に対して0.001〜20質量%、特に0.01〜10質量%が好ましい。
【0014】
前記界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム又はこれらの混合物等が挙げられる。界面活性剤の配合割合は、洗浄作用の助剤として適宜選択することができるが、通常、洗浄剤全量に対して0.1〜10質量%が好ましい。
前記酵素としては、プロテアーゼ、リパーゼ等が挙げられる。酵素の配合割合は、その目的に応じて適宜選択することができるが、通常、洗浄剤全量に対して0.01〜5質量%が好ましい。
前記消臭剤としては、チャエキス、五倍子エキス等のフラボノイド類が挙げられる。消臭剤の配合割合は、その目的に応じて適宜選択することができるが、通常、洗浄剤全量に対して、0.001〜5質量%が好ましい。
【0015】
本発明の爪及び手足用洗浄剤には、その目的が損なわれない限り、安定化剤、色素、香料等の他の添加剤を適量配合することも可能である。
本発明の爪及び手足用洗浄剤は、これらの成分を粉末状の混合物とすることができる他、各種賦形剤、安定化剤、結着剤、崩壊剤等を配合して、錠剤とすることもできる。
【0016】
【発明の効果】
本発明の爪及び手足用洗浄剤は、洗浄作用を有する還元剤に加え、特定の研磨作用を有する粉末、CMC及びデキストリンを配合し、且つ水又は湯に接触させて使用することにより炭酸ガスが発生する量の炭酸塩及び有機酸を配合するので、更には、必要に応じて、高圧力気体を封入した粒状糖類や保湿剤等を配合するので、爪及び手足用洗浄剤を溶解した水又は湯に指や手足を漬けておくだけで爪等の洗浄と、爪への光沢及び滑らかさ付与を同時に行なうことができ、更には保湿効果を得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜3及び比較例1〜7
表1に示す有効成分5gからなる粉末状の爪及び手足用洗浄剤をそれぞれ調製した。なお、表1中の粒状糖類は、白糖、乳糖及びデキストリンを含み、高圧ガスが封入された明治製菓製の粒状糖類を使用した。
次いで、得られた爪及び手足用洗浄剤を、40℃の湯200mlに溶解した後、この湯中に手を入れ、手を5分間ゆっくり上下させて洗浄を行なった。洗浄前と洗浄後の爪の黄ばみ状態の変化、爪の光沢及び滑らかさ、並びにしっとり感(保湿効果)について20人のパネル試験を行なった。その結果を表1に示す。評価は5点満点とし、各爪及び手足用洗浄剤について20人のパネルの平均点を評価結果とした。
【0018】
【表1】
Claims (2)
- 水又は湯に接触させて使用することにより炭酸ガスが発生する量の炭酸塩及び有機酸と、還元剤と、酸化チタン粉末と、カルボキシメチルセルロースナトリウムと、デキストリンとを含む錠剤及び/又は粉末状の爪及び手足用洗浄剤。
- 高圧力気体を封入した粒状糖類保湿剤、消臭剤、酵素、界面活性剤及びこれらの混合物からなる群より選択される1種又は2種以上の添加剤を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の爪及び手足用洗浄剤。
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