JP6570316B2 - 爪用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、爪の損傷を修復し、健康な爪を保つ爪用組成物に関する。
爪を美しく見せる目的で、ネイルコート、マニキュア、ペディキュアなどの色彩を付与する爪用化粧料が使用されている。また、爪用接着剤やネイルラッカー等の爪用化粧料も数多く販売されている。しかし、これら爪用化粧料に含有する揮発性の有機溶剤や、爪から除去する際に用いる除光液等の薬剤によって、爪やその周囲の皮膚を傷つける恐れがある。また、爪の弾力と柔軟性は水分含量と関係があり、13〜17%の水分含量で最も折れにくいとされている(非特許文献1)が、これら薬剤により爪の水分が消失し爪が乾燥してしまう。このように爪用化粧料の利用や爪の老化により、爪の潤いが減少し、艶が消失し、爪の弾力と柔軟性が減少し、爪が損傷しやすくなる。例えば、爪が割れる、欠ける、かさつく、窪む、変形するなどの症状が現れる。そこで、損傷した爪の修復効果に優れた爪用組成物が望まれている。
爪の修復効果を有する爪用化粧料としては、トクサ属ハーブ抽出物とキトサン誘導体を含む爪用組成物(特許文献1)、アミノ多糖キトサンを含む爪の炎症疾患用組成物(特許文献2)、加水分解ケラチンとカチオン化ケラチンとを含有する爪用化粧料(特許文献3)、抗真菌剤とキトサン誘導体を含むマニキュア組成物(特許文献4)、キトサンと水溶性キトサンアミノ多糖類誘導体を含む爪の成長速度を促進するための組成物(特許文献5、特許文献6)等が知られている。
特許5037121 特表2010−518139 特開2013−212999 特許4170751 特許5426401 特開2013−213048
菅原 亨ら J Soc Cosmeter Chem Jpn,33:364-369,1999
本発明の組成物は、爪の損傷を修復し、爪の傷を目立たなくさせるとともに、潤いと、爪本来の艶を与え、強く美しく健康な爪を形成させる爪用組成物を提供することを課題とする。また、爪及び爪周辺部の保湿剤、損傷修復剤、改善剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、キトサン誘導体またはケラチン誘導体に、カチオン性界面活性剤を添加したところ、爪及び爪周辺部の傷が目立ちにくくなり、潤いと爪本来の艶が改善することを見出した。本発明は以下の通りである。
1.(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪用組成物。
2.(B)カチオン性界面活性剤が、第4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミドアミン型界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である前項1に記載の爪用組成物。
3.前記第4級アンモニウム塩型界面活性剤が、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムからなる群から選択される1種以上であり、前記アミドアミン型界面活性剤が、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる群から選択される1種以上である前項2に記載の爪用組成物。
4.(B)カチオン性界面活性剤がアミドアミン型界面活性剤である前項2または3に記載の爪用組成物。
5.前記キトサン誘導体が、アルキル化キトサンである前項1〜4のいずれか一に記載の爪用組成物。
6.前記アルキル化キトサンが、ヒドロキシアルキル化キトサンである前項5に記載の爪用組成物。
7.前記ヒドロキシアルキル化キトサンが、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサン、ヒドロキシペンタンキトサン、ヒドロキシヘキサンキトサン、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシプロピルキトサン及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である、前項6に記載の爪用組成物。
8.前記ケラチン誘導体は、カチオン化ケラチンである前項1〜7のいずれか一に記載の爪用組成物。
9.さらに油性成分を含有する前項1〜8のいずれか一に記載の爪用組成物。
10.前記油性成分が、高級アルコール、細胞間脂質及びエステル油からなる群から選択される少なくとも1種である、前項9に記載の爪用組成物。
11.爪用組成物が、懸濁剤、分散剤、液状製剤、ゲル剤、軟膏、乳化製剤、乳液、又はクリームの形態である、前項1〜10のいずれか一に記載の爪用組成物。
12.(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪損傷修復剤。
13.(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪及び爪周辺部の保湿剤。
14.(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪周辺部のささくれ防止・改善剤。
本発明の組成物を爪及び/又は爪周辺部に塗布することにより、本発明の爪用組成物等は、爪に浸透し、爪及び/又は爪周辺部に潤いを与え、爪本来の艶を回復させことができる。そして、爪及び/又は爪周辺部の損傷を修復し、爪の傷を目立たなくさせ、強く美しい爪及び/又は爪周辺部を形成させることができる。爪の損傷とは、爪の割れ、欠け、2枚爪、艶の低下、かさつき、爪甲のくぼみ、筋、ひびなどである。爪周辺部の損傷とは、ささくれ等である。また、水分を爪甲およびその周辺部に補給し、爪甲およびその周辺部の弾力と柔軟性を回復させることができる。油性成分をさらに含有する本発明の組成物は、優れた浸透力を有し、潤い、艶を与え、損傷を目立たなくさせる効果が高く、持続性を有する。このように、本発明の組成物により、強く美しく健康な爪およびその周辺部を形成させることができる。また、本発明の組成物を爪周辺部に塗布することにより、ささくれなどが気になる爪周辺部の組織を保湿することができ、良好な状態を維持または形成することができる。
図1は本発明の爪用組成物(液状製剤)の評価結果を示すグラフである。 図2は本発明の爪用組成物(乳化製剤)の評価結果を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられている。
本発明の爪用組成物は、(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する。
本発明の爪用組成物には、1種のキトサン誘導体が含有されていてよく、2種以上のキトサン誘導体が含有されていてもよい。また、1種のケラチン誘導体が含有されていてもく、2種以上のケラチン誘導体が含有されていてもよい。また、1種以上のキトサン誘導体と1種以上のケラチン誘導体が含有されていてもよい。
<(A)成分:キトサン誘導体>
ここで「キトサン」とは、キチン(β−1,4−ポリ−N−アセチルグルコサミン)の脱アセチル化物であり、β−1,4−ポリグルコサミン構造を主とする多糖類をいうものとする。ここで、キチンからの脱アセチル化の程度は、必ずしも100%である必要はなく、通常は、キチンからの脱アセチル化度が約60%以上でキトサンという。キトサンは、カニ、エビ、オキアミなどの甲殻類の甲皮や、カブトムシ、バッタなどの昆虫類の甲皮などを脱カルシウム処理し、除蛋白処理をして得られるキチンを、アルカリ処理(例えば、苛性ソーダ処理)で脱アセチル化することなどによって得ることができる。またキトサンは、キノコ類や微生物、イカの中骨などからも得ることができる。
本発明において、キトサンの脱アセチル化度は、コロイド滴定法を用いて測定される。例えば、コロイド滴定法を用いた場合の測定条件は以下のとおりである。すなわち、キトサン粉末0.5gを正確に秤量し、これを5%酢酸(V/V)水溶液に溶かして正確に100gとする。このキトサン酢酸溶液1gを200ml容量の三角フラスコに正確にはかりとり、脱イオン水30mlを加え、十分に撹拌混合する。指示薬として0.1%トルイジンブルー溶液を2〜3滴加え、N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液〔(COSK)n、n=1500以上〕で滴定する。
脱アセチル化度は、以下の計算式に基づき算出される。
脱アセチル化度=(X/161)÷{(X/161)+(Y/203)}×100(%)
X=(1/400)×(1/1000)×f×161×v;
Y=0.5×(1/100)−X
ここで、
v=N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液滴定値(ml)
f=N/400ポリビニル硫酸カリウム溶液のファクター
本発明に用いられるキトサンの脱アセチル化度は、本発明の効果を奏し得る限り特に限定されず、通常は、60%〜100%の範囲内の脱アセチル化度を有するキトサンが用いられる。しかし、好ましくは、キトサンの脱アセチル化度は50%以上であり、より好ましくは55%以上、特に好ましくは60%以上である。
本発明に用いられる(A)成分のキトサン誘導体は、キトサンの塩であり得る。キトサンの塩は特に限定されるものではない。例えば、塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、アジピン酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、アスコルビン酸塩が挙げられる。
本発明に用いられる(A)成分のキトサン誘導体は、カチオン化キトサンであり得る。カチオン化キトサンは、カチオン化剤を用いてカチオン化することにより生成される。また、アミノ基を容易に4級アンモニウム塩にすることができる。
本発明に用いられる(A)成分のキトサン誘導体は、D−グルコサミン単位の少なくとも1以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基が同一または異なった置換基で置換されているキトサン誘導体であり得る。置換基は特に限定されない。例えば、アルキル化キトサン(ヒドロキシアルキル化キトサン、カルボキシアルキル化キトサン等)、アミド誘導体(N−アセチルキトサン、サクシニルキトサン、サクシニルカルボキシメチルキトサン等)、イミド誘導体(フタロイルキトサン等)、水溶性キトサン(加水分解キトサン等)、キトサンの硫酸エステル、キトサンのリン酸エステルが挙げられる。この中で、アルキル化キトサンが好ましい。
アルキル化キトサンは、グルコサミン単位の少なくとも1以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基がアルキル基で置換されているキトサン誘導体である。全てのD−グルコサミン単位のヒドロキシル基及び/又はアミノ基がアルキル基で置換されていることは必要とされないが、本発明の効果を奏する範囲において、例えば、キトサン全体の10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基が、アルキル基で置換され得る。アルキル基は、例えば直鎖状又は分岐状の炭素数1〜8、好ましくは炭素数2〜6、さらに好ましくは炭素数2〜4の置換基が挙げられる。該アルキル基は各種置換基で置換されていてもよい。置換基に制限はないが、ヒドロキシル基で置換されたヒドロキシアルキル化キトサンが特に好ましい。キトサンのヒドロキシアルキル基への置換の程度(置換度)は、1H−NMRを用いて解析することができる。
ヒドロキシアルキル化キトサンとしては、とくに制限はないが、例えば、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサン、ヒドロキシペンタンキトサン、ヒドロキシヘキサンキトサン、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシプロピルキトサン及びそれらの塩等を挙げることができる。より確実に高い効果を得ることができるという観点から、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサンが好ましく、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサンがさらに好ましい。
キトサン、カチオン化キトサン及びD−グルコサミン単位の少なくとも1以上のヒドロキシル基及び/又はアミノ基が置換基で置換されているキトサン誘導体の塩は、好ましくは薬理学的に(製薬上)又は生理学的に許容される、任意の塩であり得る。
このような塩としては、例えば、有機酸塩[例えば、モノカルボン酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酪酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩など)、多価カルボン酸塩(フマル酸塩、マレイン酸塩など)、オキシカルボン酸塩(乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、マロン酸塩など)、有機スルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トシル酸塩など)など]、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩など)、有機塩基との塩、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属塩(ナトリウム、カリウムなど)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウムなど)、アルミニウムなどの金属との塩など]などが例示できる。好ましくは、乳酸塩、塩酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、ケイ皮酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、4級アンモニウム塩、グリコール酸塩、グルクロン酸塩、ニコチン酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、及びピロリドンカルボン酸塩、カルシウム塩等が挙げられる。
また、本発明に用いられるキトサン誘導体は、溶媒和物であってもよい。ここで本明細書において、溶媒和物には、水和物又はメタノール、エタノール、プロパノール、ベンゼン、ヘキサン等が付加した有機溶媒和物等が含まれる。
本発明において、キトサン誘導体の含有量は、爪用組成物を基準として、0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上、0.03重量%以上、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.2重量%以上、0.3重量%以上、0.4重量%以上がさらに好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらにより好ましく、2重量%以下が最も好ましい。上記範囲であれば、使用感を損なうことなく爪修復の作用が発揮される。なお、また、カチオン化キトサンが高濃度(例えば、0.1重量%以上)であると、油性成分が配合されていない液状製剤でも爪症状の改善と持続性で高い効果が得られる。
本発明に用いられるキトサン誘導体は、任意の重量平均分子量のものが使用できる。キトサン誘導体がヒドロキシアルキル化キトサンであるときも、任意の重量平均分子量のものが使用できるが、より確実に高く本発明の効果を得ることができるという観点から、本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンの重量平均分子量は、好ましくは200万以下であり、より好ましくは600〜100万であり、更に好ましくは600〜90万である。
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定される。
本発明に用いられるヒドロキシアルキル化キトサンは調製方法において、特に制限はないが、アルキレンオキシドを用いてキトサンをヒドロキシアルキル化することができる。キトサンのヒドロキシアルキル化は、例えば、水中又はアルコール系有機溶媒中で、必要に応じてアルカリ条件下として、20℃〜120℃の温度で、1時間〜24時間、キトサンとアルキレンオキシドを反応させることによって行うことができる。アルキレンオキシドとして、特に制限はないが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等の公知のアルキレンオキシドを適宜使用することができる。
また、市販のヒドロキシアルキル化キトサンを用いることも可能である。市販のヒドロキシアルキル化キトサンとしては、例えば、ヒドロキシエチルキトサン液(商品名:アクアクラスター、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:キトフィルマー、一丸ファルコス株式会社製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:キトプラス、有限会社インサイト製)、ヒドロキシプロピルキトサン(商品名:ヒドロキシプロピルキトサン、大日精化株式会社製)、ヒドロキシブチルキトサン(商品名:ヒドロキシブチルキトサン、大日精化株式会社製)等が挙げられる。
<(A)成分:ケラチン誘導体>
本発明に用いられるケラチン誘導体は特に制限はないが、加水分解ケラチンが好ましく、加水分解ケラチンが備える官能基を、カチオン化剤を用いてカチオン化することにより生成されるカチオン化ケラチンがさらに好ましい。
加水分解ケラチンは、ケラチンタンパク質のシスチン結合を切断し、さらに、酸、アルカリ、酵素等によって加水分解することにより得られる成分である。
加水分解ケラチンとしては、公知のいかなるものも用いることができ、例えば、羊毛または羽毛由来のケラチンの分解物(加水分解ケラチン液、加水分解ケラチン末)を用いることができる。
カチオン化ケラチンは、加水分解ケラチンと比較して爪への密着性が高い成分である。カチオン化される官能基としては、例えば、加水分解ケラチンの末端アミノ基、末端カルボキシル基、リジン残基またはアスパラギン酸残基またはグルタミン残基のアミノ基、ヒスチジン残基のイミダゾール基、チロシン残基のフェノール性水酸基等が挙げられる。
カチオン化剤としては、特に制限されず、例えば、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルステアリルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルラウリルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルココアルキルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルココアルキルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、グリシジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルラウリルジエチルアンモニウムクロライド及びグリシジルラウリルジエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
このようなカチオン化ケラチンとしては、例えば、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(ステアリルジメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン等が挙げられる。本発明の爪用組成物に特に好適なカチオン化ケラチンとしては、塩化N−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチンが挙げられる。
カチオン化ケラチンの配合量は、特に制限はないが、爪用組成物全体に対して、0.0001重量%以上が好ましく、0.001重量%以上がより好ましく、0.01重量%以上がさらにより好ましく、0.03重量%以上が最も好ましい。また、10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、3重量%以下がさらにより好ましく、2重量%以下が最も好ましい。上記範囲であれば、使用感を損なうことなく爪修復の作用が発揮される。なお、また、カチオン化ケラチンが高濃度(例えば、0.1重量%以上)であると、油性成分が配合されていない液状製剤でも爪症状の改善と持続性で高い効果が得られる。
<(B)成分:カチオン性界面活性剤>
本発明で用いられる(B)成分のカチオン性界面活性剤としては、爪用組成物に配合し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、第4級アンモニウム塩型界面活性剤、アミドアミン型界面活性剤、アミン型界面活性剤、グアニジン誘導体乃至その塩、アミノ酸系カチオン性界面活性剤などが好適に用いられる。
前記第4級アンモニウム塩型界面活性剤としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等が挙げられる。エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムが好ましい。
前記アミドアミン型界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド(ステアラミドプロピルジメチルアミン)、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドなどが特に好ましい。
これらの界面活性剤は、通常、上述の各種塩の形で含有される。これらの中でも、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩の形が好ましい。
なお、中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミン型界面活性剤としては、例えば、ステアロキシプロピルジメチルアミンなどが挙げられる。前記アミン型界面活性剤は、通常、塩の形で含有される。これらの中でも、酸性アミノ酸塩、クエン酸塩、塩酸塩の形が好ましい。中和に用いられる塩は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記アミノ酸系カチオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、モノ−N−長鎖(炭素数12〜22)アシル塩基性アミノ酸低級(炭素数1〜8)アルキルエステル塩などが挙げられる。前記アミノ酸系カチオン性界面活性剤を構成する塩基性アミノ酸としては、例えば、オルニチン、リシン、アルギニン等の天然アミノ酸などが挙げられる。また、α,γ−ジアミノ酪酸のような合成アミノ酸を用いることもできる。これらは光学活性体であってもよく、ラセミ体であってもよい。
前記アミノ酸系カチオン性界面活性剤のアシル基としては、炭素数が12〜22の飽和又は不飽和の高級脂肪酸残基である。前記アシル基は、天然のものでもあってもよく、合成されたものであってもよい。具体的には、前記アシル基は、例えば、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基等の単一脂肪酸残基;ヤシ油脂肪酸残基、牛脂高級脂肪酸残基等の天然の混合高級脂肪酸残基、などが挙げられる。
前記低級(炭素数1〜8)アルキルエステル成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、及びオクチルエステルなどが好ましい。
前記低級(炭素数1〜8)アルキルエステル成分は、通常、塩の形で含有される。具体的には、例えば、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類;グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩、などが挙げられる。これらの中でも、塩酸塩、L−又はDL−ピロリドンカルボン酸塩、酸性アミノ酸塩の形が好ましい。
前記(B)成分としては、上述の第4級アンモニウム塩、アミドアミン型界面活性剤、アミン型界面活性剤、グアニジン誘導体乃至その塩、及びアミノ酸系カチオン性界面活性剤の中でも、第4級アンモニウム塩、およびアミドアミン型界面活性剤が好ましく、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムおよびステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドがより好ましい。ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミドが、爪の傷の修復効果、艶、潤い感、乾燥感において優れた効果を発揮する点で、特に好ましい。
本発明の爪用組成物中の、前記(B)成分は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。その合計含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。爪用組成物全量に対して、0.001重量%以上が好ましく、0.01重量%以上がより好ましく、0.1重量%以上がさらにより好ましく、0.3重量%以上が最も好ましい。また、20重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらにより好ましく、3重量%以下が最も好ましい。上記範囲であれば、製剤の安定性が良くなり、乾燥後の爪の艶を付与することができる。
前記爪用組成物において、前記(A)成分及び前記(B)成分の配合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比((B)/(A))で、0.0005〜50が好ましく、0.001〜20がより好ましく、0.01〜10がさらにより好ましく、0.1〜7が最も好ましい。上記範囲であれば、使用感がよく、発明の効果を発揮することができる。前記(B)/(A)が50を超えると製剤がべたつくことがあるが、爪修復の効果は発揮される。
<油性成分>
本発明で用いられる爪用組成物は、油性成分を含有し乳化製剤とすることができる。
水中油(0/W)型であっても、油中水(W/O)型であってもよい。効果をより実感しやすい点から、O/W型が好ましい。
油性成分としては、爪用組成物に配合し得るものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、油性成分としては、天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、細胞間脂質、動植物や合成の精油などが挙げられる。
天然動植物油脂類としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ油、牛脂、キリ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、豚脂、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、モクロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン、卵黄油、ローズヒップ油等が挙げられる。
炭化水素油としては、パラフィン系炭化水素、オレフィン系炭化水素が用いられ、例えば、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、プリスタン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、ワセリン等が挙げられる。
エステル油としては、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類が用いられ、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸テトラデシル、ミリスチン酸イソプリピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等が挙げられる。
シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、リノリルアルコール、ベヘニルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、飽和または不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭素数12〜22の脂肪酸を用いることができ、例えば、イソステアリン酸、オキシステアリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
細胞間脂質とは、角層の細胞間に存在する成分のことをいい、これらの細胞間脂質は天然の物質であっても、または天然の成分と類似の構造及び機能を有する物質であってもよく、特に限定されるものではない。
細胞間脂質としては、例えば、セラミド、セラミド類縁体、糖セラミド、スフィンゴ脂質、脂肪酸、コレステロール、コレステロール誘導体、植物ステロール等が挙げられる。これらの細胞間脂質は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
セラミドとしては、例えば、セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド5、セラミド6、セラミド6II等が挙げられる。
セラミド類縁体としては、例えば、セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド、セチルヒドロキシプロリンパルミタミド、トリヒドロキシパルミタミドヒドロキシプロピルミリスチル、トリヒドロキシパルミタミドヒドロキシプロピルミリスチルエーテル等が挙げられる。
糖セラミドとしては、例えば、グルコセラミド、ガラクトシルセラミド等が挙げられる。
スフィンゴ脂質としては、例えば、N−アセチルジヒドロスフィンゴシン、アセチルフィトスフィンゴシン、ウマスフィンゴ脂質、カプロオイルスフィンゴシン、カプロオイルフィトスフィンゴシン、スフィンゴミエリン、スフィンゴ糖脂質、テトラアセチルフィトスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン等が挙げられる。
脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。
コレステロール誘導体としては、例えば、ジヒドロコレステロール、アルケニル(C16−C18)コハク酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸ジヒドロコレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、コハク酸コレステリル、ジクロロ安息香酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ノナン酸ジヒドロコレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ヒドロキシ脂肪酸(C14−25)コレステリル、ヘキシルジカルバミン酸コレステリルプルラン、マカデミアナッツ脂肪酸ジヒドロコレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、ラノリン脂肪酸コレステリル、脂肪酸(C10−40)(コレステリル/ラノステリル)、酪酸コレステリル、酪酸ジヒドロコレステリル等が挙げられる。
植物ステロールとしては、例えば、β−シトステロール、カンペステロール、スティグマステロール、ブラシカステロール等が挙げられる。コレスタチン等のこれらの混合物であってもよい。
前記油性成分としては、上述の天然動植物油脂類、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、高級アルコール、高級脂肪酸、細胞間脂質、動植物や合成の精油の中でも、高級アルコール、細胞間脂質、エステル油が好ましく、特に高級アルコールは、製剤の安定化に寄与し、細胞間脂質は爪及び爪周辺部の損傷の修復において優れた効果を発揮する点で、特に好ましい。
これらの油性成分は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の爪用組成物中の、前記油性成分の合計含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。爪用組成物全量に対して、通常は0.0001重量%以上、好ましくは0.001重量%以上、より好ましくは0.01重量%以上、さらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、配合上限は好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下とするのがよい。
前記爪用組成物において、前記(A)成分及び油性成分の配合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、質量比((油性成分)/(A))で、3〜60が好ましく、4〜50がより好ましく、5〜40がさらに好ましい。
<剤形>
本発明の爪用組成物の剤形は、特に限定されないが、例えば、液状製剤、ゲル剤、ローション剤、スプレー剤、エアゾール剤、乳化製剤、軟膏、乳液、クリーム剤、懸濁剤、分散剤等を挙げることができる。
本発明の爪用組成物は、油性成分を含まない液状製剤であり得る。また、本発明の爪用組成物は、油性成分を含む乳化製剤(乳液、クリーム状)の製剤であり得る。油性成分を含む乳化製剤は、爪の損傷の修復効果、艶や潤いを与える効果がより優れている。また、爪や爪周辺部の症状の改善効果が持続する。さらに、爪のような小さい面積に道具を使用せずに簡単に塗布することができる。このような観点より、乳化製剤がより好ましい製剤である。
<pH>
本発明の爪用組成物のpHは特に限定されないが、pH2〜7であるのが好ましく、pH2〜5であるのがより好ましく、pH3〜5であるのが特に好ましい。
<調製方法>
本発明の爪用組成物を調製する場合は、(A)成分、(B)成分、必要に応じて油性成分、さらにその他の成分を混合することにより調製することが可能である。また、(A)成分、(B)成分、油性成分、及びその他の成分の配合順序に特に制限はない。
<用途>
本発明の爪用組成物の用途は、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧料の用途で使用され得る。具体的には、爪損傷修復用、爪の健康維持用、または、美爪用として用いることができる。
<添加剤>
本発明の爪用組成物または本発明の爪損傷修復剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、医薬品、医薬部外品等として、あるいは化粧料、食品、雑品等として用いられ得る、上記(B)成分以外の界面活性剤、上記油性成分以外の油性成分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、抗酸化剤、酸化防止剤、保存剤、キレート剤、pH調整剤、安定化剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、分散剤、香料、着色剤、色素、水等の添加剤を配合することができる。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、などが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L−システイン塩酸塩などが挙げられる。
保存剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
キレート剤としては、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩などが挙げられる。
pH調整剤としては、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
安定化剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどが挙げられる。
溶解補助剤としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D−マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
着色剤としては、無機顔料、天然色素などが挙げられる。
本発明の爪用組成物または爪損傷修復剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、パール光沢付与剤、紫外線吸収成分、紫外線散乱成分、抗菌成分、抗炎症剤、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、などが挙げられる。
保湿成分としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリンのような多価アルコール;トレハロース、キシリトール、オリゴ糖のような糖類;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキスなどが挙げられる。
パール光沢付与剤としては、例えば、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸トリエチレングリコールなどが挙げられる。
紫外線吸収成分としては、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、メトキシケイヒ酸オクチル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなどが挙げられる。
紫外線散乱成分としては、含水ケイ酸、ケイ酸亜鉛、ケイ酸セリウム、ケイ酸チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化鉄、無水ケイ酸等の無機化合物、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したものなどが挙げられる。
抗菌成分としては、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノール、エタノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸およびその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2−ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトオラミン、ミコナゾールなどが挙げられる。
抗炎症剤としては、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸誘導体、アラントイン、アズレン、アミノカプロン酸及びヒドロコルチゾン等が挙げられる。
ビタミン類としては、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’−リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β−ブトキシエチル、ニコチン酸1−(4−メチルフェニル)エチル等のニコチン酸類;アスコルビゲン−A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L−アスコルビルなどのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ−オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’−リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;ニコチン酸、ニコチン酸アミドなどのニコチン酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D−パンテサイン、D−パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のアスコルビン酸誘導体であるビタミンC類;カルニチン、フェルラ酸、α−リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子などが挙げられる。
ペプチド又はその誘導体としては、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)などが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体としては、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β−アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
<爪損傷修復剤>
本発明は、また、(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪損傷修復剤に係るものである。該爪損傷修復剤は、さらに油性成分を含有していてもよい。キトサン誘導体、ケラチン誘導体、カチオン性界面活性剤、油性成分、剤形、pH、調製方法、添加剤については、上記爪用組成物について説明した通りである。
<爪及び爪周辺部の保湿剤>
本発明はまた、(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪及び爪周辺部の保湿剤に係るものである。該保湿剤は、さらに油性成分を含有していてもよい。キトサン誘導体、ケラチン誘導体、カチオン性界面活性剤、油性成分、剤形、pH、調製方法、添加剤については、上記爪用組成物について説明した通りである。
爪とは、爪甲等であり、爪周辺部とは、後爪郭、側爪郭、爪上皮等である。本発明の保湿剤を爪及び爪周辺部に塗布することにより、爪および爪周辺部の水分、油分を適正に保ち、爪及び爪周辺部を強く、美しく、そして健康に保つことができ、また、爪及び爪周辺部が損傷している場合は、その損傷を改善することができる。
<爪周辺部のささくれ防止・改善剤>
本発明はまた、(A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、(B)カチオン性界面活性剤を含有する爪周辺部のささくれ防止・改善剤に係るものである。該ささくれ防止・改善剤は、さらに油性成分を含有していてもよい。キトサン誘導体、ケラチン誘導体、カチオン性界面活性剤、油性成分、剤形、pH、調製方法、添加剤については、上記爪用組成物について説明した通りである。
ささくれは、人の爪の根元を覆う後爪郭、側爪郭、爪上皮等の表皮が剥けた状態やその表皮が毛羽立った状態である。本発明のささくれ防止・改善剤を、後爪郭や側爪部等の爪甲の周辺部分に塗布することにより、ささくれを防止することができる。また、ささくれに塗布することにより、ささくれに水分及び/又は油性成分を補給し、効率的にその状態を改善することができる。
本発明の爪損傷修復剤、爪及び爪周辺部の保湿剤及び爪周辺部のささくれ防止・改善剤は、爪及び/又は爪周辺部に直接塗布する製剤である。塗布量は1つの爪及び/又は爪周辺部に、液状製剤の場合は、0.1〜30μL、乳化製剤の場合は、1〜100mgの製剤を塗布することができる。投与回数は、数日に1回〜1日に1回、もしくは1日に2回以上塗布することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<実施例1〜5>
表1の実施例1〜5に示す成分および配合量を用いて、常法により爪用組成物(液状製剤)を調製し、ガラス容器に充填した。
<実施例6〜9>
表2の実施例6〜9に示す成分および配合量を用いて、常法により爪用組成物(実施例6〜8:乳化製剤、実施例9:液状製剤)を調製し、ガラス容器に充填した。
<比較例1〜3>
表1の比較例1〜3に示す成分および配合量を用いて比較液状製剤を調製し、ガラス容器に充填した。
<比較例4〜6>
表2の比較例4〜6に示す成分および配合量を用いて比較乳化製剤(乳液、クリーム状)を調製し、ガラス容器に充填した。
<試験例> 官能評価試験
手を十分に洗浄後、割れ爪、二枚爪、傷爪等が起こる専門パネラー6名の爪に実施例及び比較例の製剤を、手の第2指、第3指、第4指のいずれかの爪に1回塗布した。製剤が液状の場合は10μL/爪、乳液・クリーム状の場合は約10mg/爪を塗布し、指の腹で30秒間塗り込んだ。塗り込んだ直後と塗り込んだ1時間後に専門パネラーが以下の評価基準に従って評価した。なお、浸透感については、塗り込んだ直後にのみ評価を行った。
評価項目:ツヤ、うるおい感、浸透感
評点
6点:非常にある
5点:明らかにある
4点:わずかにある
3点:どちらかと言えばない
2点:ほとんどない
1点:ない
評価項目:傷の目立ち、乾燥感
評点:
6点:ない
5点:ほとんどない
4点:どちらかと言えばない
3点:わずかにある
2点:明らかにある
1点:非常にある
図1に液状製剤での評価結果を示す。図2に乳化製剤(乳液、クリーム状)の評価結果を示す。
液状製剤においては、実施例製剤は比較例製剤と比較して、塗布直後および塗布1時間後の何れにおいても爪症状を改善する効果が高いことが認められた。また浸透感の塗布直後の評価においても、実施例製剤は比較例製剤と比較して、爪症状を改善する効果が高いことが認められた。特に、「ツヤ」の塗布直後、「うるおい感」の塗布1時間後、「傷の目立ち」の塗布直後、「乾燥感」の塗布1時間後、「浸透感」の塗布直後においては、実施例は、爪症状の効果を実感する評点3以上の平均スコアを示した。
乳化製剤においては、実施例製剤は比較例製剤と比較して、塗布直後において「浸透感」と「傷の目立ち」の爪症状を改善効果が高いことが認められた。また、塗布1時間後においては、「ツヤ」「うるおい感」「傷の目立ち」「乾燥感」のすべての評価項目において、実施例製剤は比較例製剤と比較して、爪症状を改善する効果が高いことが認められた。さらに、乳化製剤では、1時間後においても評価が高く、すべての実施例製剤のいずれの評価項目においても評点3.3以上の平均スコアを示した。1時間後においても評点4以上のスコアを示すものもあり、乳化製剤には、高い効果と効果の持続性が認められた。
本発明の爪用組成物、爪損傷修復剤、爪および爪周辺部の保湿剤または爪周辺部のささくれ防止・改善剤を下記の処方例により調製した。
本発明の爪用組成物は、爪及び/又は爪周辺部の損傷を修復し、爪の傷を目立たなくすることができ、爪及び/又は爪周辺部の健康維持に貢献できる。また、強く美しい爪を形成させることができることより、医薬品、医薬部外品、化粧品の用途に適用できる。

Claims (14)

  1. (A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、
    (B)カチオン性界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、トリメチルセチルアンモニウムp−トルエンスルホネートを除く)
    を含有し、
    上記キトサン誘導体が、キトサンの塩、カチオン化キトサン、アルキル化キトサン又は水溶性キトサンであり、
    上記ケラチン誘導体が、加水分解ケラチン又はカチオン化ケラチンである、
    爪用組成物(但し、トクサ属からのハーブ抽出物を含む組成物、爪用洗浄剤を除く)
  2. (B)カチオン性界面活性剤が、第4級アンモニウム塩型界面活性剤及びアミドアミン型界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の爪用組成物。
  3. 前記第4級アンモニウム塩型界面活性剤が、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジベヘニルジメチルアンモニウム、及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウムからなる群から選択される1種以上であり、前記アミドアミン型界面活性剤が、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヤシ油脂肪酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミドからなる群から選択される1種以上である請求項2に記載の爪用組成物。
  4. (B)カチオン性界面活性剤がアミドアミン型界面活性剤である請求項2または3に記載の爪用組成物。
  5. 前記キトサン誘導体が、アルキル化キトサンである請求項1〜4のいずれか一に記載の爪用組成物。
  6. 前記アルキル化キトサンが、ヒドロキシアルキル化キトサンである請求項5に記載の爪用組成物。
  7. 前記ヒドロキシアルキル化キトサンが、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシメチルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、ヒドロキシイソプロピルキトサン、ヒドロキシペンタンキトサン、ヒドロキシヘキサンキトサン、ヒドロキシエチルヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルヒドロキシブチルキトサン、ジヒドロキシプロピルキトサン及びそれらの塩からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の爪用組成物。
  8. 前記ケラチン誘導体は、カチオン化ケラチンである請求項1〜7のいずれか一に記載の爪用組成物。
  9. さらに油性成分を含有する請求項1〜8のいずれか一に記載の爪用組成物。
  10. 前記油性成分が、高級アルコール、細胞間脂質及びエステル油からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項9に記載の爪用組成物。
  11. 爪用組成物が、懸濁剤、分散剤、液状製剤、ゲル剤、軟膏、乳化製剤、乳液、又はクリームの形態である、請求項1〜10のいずれか一に記載の爪用組成物。
  12. (A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、
    (B)カチオン性界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、トリメチルセチルアンモニウムp−トルエンスルホネートを除く)
    を含有し、
    上記キトサン誘導体が、キトサンの塩、カチオン化キトサン、アルキル化キトサン又は水溶性キトサンであり、
    上記ケラチン誘導体が、加水分解ケラチン又はカチオン化ケラチンである、
    爪損傷修復剤(但し、トクサ属からのハーブ抽出物を含む組成物、爪用洗浄剤を除く)
  13. (A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、
    (B)カチオン性界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、トリメチルセチルアンモニウムp−トルエンスルホネートを除く)
    を含有し、
    上記キトサン誘導体が、キトサンの塩、カチオン化キトサン、アルキル化キトサン又は水溶性キトサンであり、
    上記ケラチン誘導体が、加水分解ケラチン又はカチオン化ケラチンである、
    爪及び爪周辺部の保湿剤(但し、トクサ属からのハーブ抽出物を含む組成物、爪用洗浄剤を除く)
  14. (A)キトサン誘導体及びケラチン誘導体からなる群から選択される少なくとも1種と、
    (B)カチオン性界面活性剤(塩化ベンザルコニウム、トリメチルセチルアンモニウムp−トルエンスルホネートを除く)
    を含有し、
    上記キトサン誘導体が、キトサンの塩、カチオン化キトサン、アルキル化キトサン又は水溶性キトサンであり、
    上記ケラチン誘導体が、加水分解ケラチン又はカチオン化ケラチンである、
    爪周辺部のささくれ防止・改善剤(但し、トクサ属からのハーブ抽出物を含む組成物、爪用洗浄剤を除く)
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