JP5616607B2 - 毛髪化粧料 - Google Patents
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逆に、リンスオフタイプの毛髪化粧料は、塗布時及びすすぎ時において、毛髪がべたつかずにしっとり感やなめらかさ等を付与することはできるが、洗い流すため効果を感じにくく、タオルドライ及び乾燥後は、髪がパサついたり、まとまりにくい、翌朝スタイリングが決まらないなどの課題があった。
上述のような課題を解決する目的で、カチオン界面活性剤と高級アルコールを骨格とする系に、アミノ酸やアミノ酸誘導体を配合したもの(例えば、特許文献1)、水溶性高分子を配合したもの(例えば、特許文献2)、液状の脂肪酸とエステル油を併用した毛髪化粧料(例えば、特許文献3、4)等が知られている。
従って、本発明の課題は、毛髪に対して、しっとり感を与え、べたつきは感じず、さらに、柔軟性、まとまり、毛髪内部への浸透実感、保存安定性に優れた毛髪化粧料を提供することにある。
(A)カチオン性界面活性剤、
(B)炭素数14〜22の高級アルコール、
(C)分岐脂肪酸の炭素数2〜6のアルキルエステル、
(D)ダイマー酸のエステル
を含有することを特徴とする毛髪化粧料を提供するものである。
(A)成分としては、第四級アンモニウム塩、脂肪酸アミドアミン塩等が挙げられる。このうち、第四級アンモニウム塩としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、ジベヘニルイミダゾリニウムメトサルフェート(クオタニウム−91)、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン等のサッカリン塩等が挙げられる。また、脂肪酸アミドアミン塩としては、ステアリン酸ジメチルアミノアルキルアミド中和物等が挙げられる。これら(A)成分は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。また、これら(A)成分の中でも、得られる乳化物の安定性と毛髪のコンディショニング効果とがバランスよく得られるという観点から、第四級アンモニウム塩が好ましく、塩化C8−C22アルキルトリメチルアンモニウムがより好ましく、特に塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムが好ましい。
(B)成分としては、炭素数14〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の高級アルコールが挙げられ、具体的には、ミリスチルアルコール(炭素数14)、セタノール(炭素数16)、ステアリルアルコール(炭素数18)、オレイルアルコール(炭素数18)、ベヘニルアルコール(炭素数22)等が挙げられる。これらは、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。また、これらの(B)成分の中でも、得られる水中油型乳化物の安定性、毛髪へのコンディショニング効果の観点から、2種以上組み合わせて配合することが好ましく、特に、炭素数16〜18のものから選ばれる2種以上を配合することが好ましい。
これら(C)成分は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
(D)成分は、2分子の不飽和脂肪酸の重合によって得られるダイマー酸、例えばダイマージリノール酸、ダイマージリノレイン酸、ダイマージオレイン酸等、或いはこれらの水素添加物等のエステルであり、かかるダイマー酸のエステル部分は、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ラウリルアルコール、リノレイルアルコール等の高級アルコールや、ダイマージリノレイルアルコール等の不飽和アルコール2分子が重合したダイマージオールや、フィトステロール等から誘導されるもの等が例示できる。ダイマー酸部分としては、炭素数16〜44のダイマー酸が好ましく、エステル部分としては炭素数8〜48のものが好ましい。これらの(D)成分のうち、具体的には、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ジリノレイル(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル等が挙げられる。これらの中でも、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)は、毛髪の状態を整えるとともに、毛髪の水分保持性優れるという観点から好ましく、特に、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)が好ましい。
これら(D)成分は、単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
配合できる成分の具体例を示せば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、各種生薬、酢酸トコフェロール、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、リゾフォスファチジルコリンやリゾフォスファチジン酸、大豆調製物等のラミニン5産生促進剤、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等の糖類、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、硫黄、チアントール等の抗脂漏剤、多様な目的から、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン、ウコン抽出物、ブナの芽抽出物、加水分解カゼイン、米抽出物加水分解液、米ぬか抽出物、トウニン抽出物、クララ抽出物、チオタウリン、ヒポタウリン、マジョラム抽出物、シリカ被覆酸化亜鉛、イチヤクソウ抽出物、キシリトール、アルギニン及びその塩酸塩、セリン、オウバク抽出成分、オウレン抽出成分、カッコン抽出成分、シコン抽出成分、シャクヤク抽出成分、センブリ抽出成分、バーチ抽出成分、セージ抽出成分、ビワ抽出成分、ニンジン抽出成分、アロエ抽出成分、ゼニアオイ抽出成分、アイリス抽出成分、ブドウ抽出成分、ヨクイニン抽出成分、ヘチマ抽出成分、ユリ抽出成分、サフラン抽出成分、センキュウ抽出成分、ショウキョウ抽出成分、オトギリソウ抽出成分、ローズマリー抽出成分、ニンニク抽出成分、トウガラシ抽出成分、トウガラシ抽出成分、ワレモコウ抽出成分、チンピ、トウキ等、レチノール、酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸時パルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸エステル、DL−α−トコフェロール−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール、酢酸トコフェロール、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、コハク酸DL−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類なども適宜配合することができる。
10名のパネラーを用いて、実施例及び比較例で示した毛髪化粧料を使用して、毛髪柔軟性、しっとり感、べたつきのなさ、まとまりの良さ、毛髪への浸透実感について官能評価した。尚、評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
◎:非常に良好〔良いと答えた被験者が8名以上〕
○:良好 〔良いと答えた被験者が6名以上8名未満〕
△:やや悪い 〔良いと答えた被験者が4名以上6名未満〕
×:悪い 〔良いと答えた被験者が4名未満〕
実施例及び比較例の毛髪化粧料を100mLの透明ガラス製容器に入れて密封し、往復恒温槽(0℃〜45℃のサイクル恒温槽)に1ヶ月保存後、視覚判定及び実際の使用により、下記の基準で評価を行った。
<評価基準>
◎:外観の変化が全くなく、香りや使用性の変化もない。
○:外観の変化はほとんどなく、香りや使用性に若干の変化を感じる。
△:僅かに油浮きや分離が認められ、香りや使用性に変化を感じる。
×:明らかに油浮きや分離が認められ、香りや使用性に明らかな変化を感じる。
(配合成分) (配合量 質量%)
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(A) 2.0
セトステアリルアルコール(B) 4.0
イソステアリン酸エチル(C) 3.0
ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/
セチル/ベヘニル)(D) 1.0
(Plandool−H、日本精化社製)
グリセリン 2.0
マルチトール液 2.0
プロピレングリコール 1.0
ヒドロキシプロピルトリモニウムハニー 0.1
(ハニーコート50、 Arch Personal Care Products L.P社製)
エチルグルコシド液 0.2
乳酸 0.1
加水分解シルク液 0.2
カワラヨモギエキス 0.2
ムラサキセンブリエキス 0.2
ユキノシタエキス 0.2
L−アルギニン 0.01
ハチミツ 0.2
ツバキエキス 0.2
セージ葉エキス 0.2
オレンジ果実エキス 0.2
レモンエキス 0.1
高重合ポリエチレングリコール 0.2
(ポリオックスWSR−303、U.C.C.社製)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.2
フェノキシエタノール 0.3
クロルフェネシン 0.5
香料 0.2
純水 残部
(配合成分) (配合量 質量%)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(A) 1.5
ベヘニルアルコール(B) 3.0
イソステアリン酸エチル(C) 2.5
ダイマージリノール酸(フィトステリル/
イソステアリル/セチル/ベヘニル)(D) 0.5
(Plandool−H、日本精化社製)
ジメチルポリシロキサン(100CS) 2.0
スクワラン 2.0
ポリエーテル変性シリコン 2.0
(シリコンFZ−2250、東レ・ダウコーニング社製)
水添ポリイソブテン 2.0
クエン酸 0.1
パンテノール 0.1
ホホバワックスPEG−120 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
グルコシルトレハロース 0.1
加水分解コンキオリン液 0.2
加水分解大豆タンパク 0.2
加水分解コムギタンパク 0.2
加水分解トウモロコシタンパク 0.1
加水分解コラーゲン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 0.1
(ユビナールAplus、BASF社製)
フェノキシエタノール 0.1
パラベン 0.3
香料 0.2
純水 残部
Claims (3)
- 次の成分(A)〜(D)を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
(A)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、
(B)炭素数14〜22の高級アルコール、
(C)イソステアリン酸イソプロピル、
(D)ダイマー酸のエステル - (D)ダイマー酸のエステルが、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)である請求項1に記載の毛髪化粧料。
- 洗い流さないタイプの毛髪化粧料である請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
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