JPH11309952A - 感光性平版印刷版 - Google Patents
感光性平版印刷版Info
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- JPH11309952A JPH11309952A JP10371209A JP37120998A JPH11309952A JP H11309952 A JPH11309952 A JP H11309952A JP 10371209 A JP10371209 A JP 10371209A JP 37120998 A JP37120998 A JP 37120998A JP H11309952 A JPH11309952 A JP H11309952A
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Abstract
ジタルデータから直接製版可能であり、さらに、感度が
高く、かつ汚れの生じない感光性平版印刷版を提供す
る。 【解決手段】 親水性支持体上に、熱によって親水性に
変化する疎水性官能基を有する赤外線吸収剤を含有する
感光層を有してなることを特徴とし、該熱によって親水
性に変化する疎水性官能基が、赤外線吸収剤中の芳香環
に直接または連結基を介して結合していることが好まし
い。
Description
って直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な感
光性平版印刷版に関する。
持体表面に設けられた画像記録層を画像状に除去するた
めの湿式による現像工程や現像処理された印刷版を水洗
水で水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、アラ
ビアガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後処
理工程が必要である。
像廃液がアルカリ性であることより、環境問題が生じて
きている。また、製版作業の合理化が進められており、
上記のような複雑な湿式現像処理を必要とせず、露光後
にそのまま印刷に使用できる印刷用原版が望まれてい
る。
しく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を
放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小
型のものが容易に入手できる様になっている。コンピュ
ータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源
として、これらのレーザは非常に有用であり、830n
m付近に発光する半導体レーザ、及び、1064nmに
発光するYAGレーザを用いた、レーザ製版機が上市さ
れている。しかし、実用上有用な多くの感光性記録材料
は、感光波長が760nm以下の可視光域であるため、
これらの赤外線レーザでは画像記録できない。このた
め、赤外線レーザで記録可能な材料が望まれている。
応性ポジ型平版印刷版に用いた例としては、特開平7−
186562号に開示されている酸分解性カルボン酸エ
ステルと赤外線色素を用いた例、US5605780号
に開示されているアブレーション型ポリマーと赤外線色
素を用いた例が知られている。また赤外線レーザー感応
性ネガ型平版印刷版として用いた例は、特開昭56−6
9193号、特開平7−20629号、特開平7−27
1029号に熱架橋性樹脂であるレゾール樹脂、酸発生
剤、および赤外線吸収剤との組み合わせを用いた例が知
られている。しかしながら、これらの平版印刷版は実用
的な観点から十分な感度ではなく、さらなる高感度化が
望まれていた。また、これらの平版印刷版に用いられる
赤外線吸収剤の多くは、光熱変換の後、自身が分解して
疎水性となる場合が多く、露光部において残膜として残
ったり、印刷時の湿し水中でカス状の固相となったりし
て、汚れの原因となる場合があった。
は赤外線レーザにより、コンピューター等のデジタルデ
ータから直接製版可能である感光性平版印刷版を提供す
ることにある。さらに、本発明の目的は、感度が高く、
かつ汚れの生じない感光性平版印刷版を提供することに
ある。
の結果、親水性支持体上に、熱によって親水性に変化す
る疎水性官能基を有する赤外線吸収剤を含む感光層を用
いることにより、上記従来の技術の欠点を克服すること
を見出し、本発明を成すに至ったものである。即ち本発
明は以下の通りである。
性に変化する疎水性官能基を有する赤外線吸収剤を含有
する感光層を有してなることを特徴とする感光性平版印
刷版。 (2)前記赤外線吸収剤がポリメチン色素、シアニン色
素、スクアリリウム色素、ピリリウム色素、ジインモニ
ウム色素、フタロシアニン化合物、トリアリールメタン
色素、金属ジチオレンのうちの少なくともいずれかであ
ることを特徴とする前記(1)に記載の感光性平版印刷
版。 (3)前記熱によって親水性に変化する疎水性官能基
が、赤外線吸収剤中の芳香環に直接または連結基を介し
て結合していることを特徴とする前記(1)に記載の感
光性平版印刷版。
水性官能基が、下記一般式(1)〜(5)で表されるも
ののうちの少なくともいずれかであることを特徴とする
前記(1)に記載の感光性平版印刷版。
R1はアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキ
ニル基又は環状イミド基を表し、R2、R3はアルキル
基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表
し、R4はアルキル基、アリール基、アルケニル基、ア
ルキニル基又は−SO2 −R11を表し、R5、R6及びR
7はそれぞれ独立にアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基又はアルキニル基を表し、R8及びR9の内の一方は
水素、他方は水素、アルキル基、アリール基、アルケニ
ル基又はアルキニル基を表し、R10はアルキル基、アル
ケニル基又はアルキニル基を表し、R11はアルキル基、
アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R
5、R6及びR7の内の任意の2つもしくは3つで環を形
成しても良く、R8とR10またはR9とR10でで環を形成
しても良い。XはO又はSを表す。)
(5)前記赤外
線吸収剤がポリメチン色素、シアニン色素、スクアリリ
ウム色素、ピリリウム色素、ジインモニウム色素、フタ
ロシアニン化合物、トリアリールメタン色素、金属ジチ
オレンのうちの少なくともいずれかであって、前記熱に
よって親水性に変化する疎水性官能基が、前記一般式
(4)および(5)で表されるもののうちの少なくとも
いずれかであることを特徴とする前記(1)に記載の感
光性平版印刷版。
〔I〕で表されることを特徴とする前記(1)に記載の
感光性平版印刷版。
する疎水性官能基を表し、Ar1、Ar2は各々独立して
アリール基を表し、B1、B2、B3、B4、C1、C2、C
3は各々独立して水素、ハロゲン、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、任意の二
つで環を形成しても良い。D1、D2は各々独立してアル
キル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を
表し、X -は対アニオンを表し、Y1、Y2、Z1、Z2は
各々独立して非金属原子からなる2価の連結基を表
す。) (7)前記熱によって親水性に変化する疎水性官能基
が、スルホン酸エステル基であることを特徴とする前記
(1)に記載の感光性平版印刷版。 (8)前記感光層に、さらに熱および酸のうちの少なく
ともいずれかの作用により分解して水並びにアルカリの
うちの少なくともいずれかに可溶となる高分子化合物を
含有することを特徴とする前記(1)に記載の感光性平
版印刷版。
出する固体レーザー及び半導体レーザーを用いて記録す
ることにより、コンピューター等のデジタルデータから
直接製版可能であり、画像記録後、湿式現像処理や擦り
等の特別な処理を必要とせず、しかも感度が高いもので
ある。更に本発明の感光性平版印刷版はその感光層に含
まれる赤外線吸収剤が熱により親水性に変化する疎水性
官能基を有することにより、露光部において残膜として
残ったり、印刷時の湿し水中でカス状の固相となったり
することがなく、汚れの生じない優れたものとなる。
本発明の感光性平版印刷版の感光層は、熱によって親水
性に変化する疎水性官能基を有する赤外線吸収剤を(以
下、単に「赤外線吸収剤」、「本発明における赤外線吸
収剤」あるいは「IR吸収剤」とも言う場合がある。)
を含有してなり、その他、目的に応じて、熱もしくは酸
の作用により分解して水又はアルカリに可溶となる高分
子化合物、酸発生剤等を含有してなる。本発明の感光性
平版印刷版の感光層成分は、熱によって親水性に変化す
る疎水性官能基を有する赤外線吸収剤自身が、酸発生剤
の効果も示すため、酸発生剤は含有しなくてもよいが、
感度の更なる向上ためには、酸発生剤を添加することが
好ましい。
版に用いられる赤外線吸収剤は、染料又は顔料であり、
熱によって親水性に変化する疎水性官能基を有するもの
である。この変化は、レーザー露光時の光熱変換により
熱が発生した場合に、常温では水に対して溶解する等の
親和性を示さない赤外線吸収剤が、分子内の親水性に変
化する疎水性官能基が親水性官能基に変化して、水に対
して溶解する等の親和性を示すようになる程度の変化で
あることを要する。
とは、元々疎水性の側鎖官能基が熱により反応して親水
性に変化する過程と、元々疎水性の側鎖官能基が熱によ
り分解して疎水性官能基を失うことで親水性に変化する
過程のいずれかの過程により親水性官能基に変化する官
能基である。前者の熱により反応して親水性に変化する
過程としては、疎水性官能基が赤外線吸収剤内部の他の
官能基と熱により反応して親水性に変化する過程と、疎
水性官能基が赤外線吸収剤外部の他の化合物と熱により
反応して親水性に変化する過程とが考えられ、これらを
二種組み合わせた過程により親水性に変化しても良い。
元々疎水性の側鎖官能機が熱により分解して疎水性官能
基を失うことで親水性に変化する過程が好ましい。本発
明の感光性平版印刷版の感光層に含まれる赤外線吸収剤
が有する疎水性官能基の具体例としては、以下のような
官能基が挙げられる。
ル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、R22、R24
は水素、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アル
キニル基を表し、R21とR22、R21とR23、及びR21と
R24で環を形成しても良い)
する疎水性官能基の内、好ましいものとして、下記一般
式(1)〜(5)で表される疎水性官能基を挙げること
ができる。
なる多価の連結基を表し、R1はアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基又は環状イミド基を表
し、R2、R3はアルキル基、アリール基、アルケニル基
又はアルキニル基を表し、R 4はアルキル基、アリール
基、アルケニル基、アルキニル基又は−SO2 −R11を
表し、R5、R6及びR7はそれぞれ独立にアルキル基、
アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R
8及びR9の内の一方は水素、他方は水素、アルキル基、
アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、R
10はアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を表
し、R11はアルキル基、アリール基、アルケニル基又は
アルキニル基を表し、R5、R6及びR7の内の任意の2
つもしくは3つで環を形成しても良く、R8とR10また
はR9とR10でで環を形成しても良い。XはO又はSを
表す。
よって変化した結果生じる親水性官能基の具体例として
は、以下のような官能基が挙げられる。ただし、これら
は本発明の内容を限定するものではない。
ル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基を表
し、任意の2つで環を形成しても良い。E-は対アニオ
ンを表す。)
27がアルキル基を表すとき、アルキル基としては、炭素
原子数が1〜20までの直鎖状、分岐状及び環状のアル
キル基を挙げることができる。その具体例としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、
ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチ
ル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メ
チルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル
基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。これ
らの中では、炭素原子数1〜12までの直鎖状、炭素原
子数3〜12までの分岐状および炭素原子数5〜10ま
での環状のアルキル基がより好ましい。
27が置換アルキル基を表すとき、その置換基としては、
水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例
としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−
I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−
アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−
アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−
アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ
基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジア
ルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカル
バモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバ
モイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスル
ホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキ
ルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレ
イド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジア
ルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,
N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−
アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−ア
リールウレイド基、
基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,
N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,
N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−ア
リール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N
−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−
アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−ア
リールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−
N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリ
ール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アル
キル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキ
ル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリー
ル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール
−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、
アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アル
キルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル
基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニ
ル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
スルホ基(−SO3H)及びその共役塩基基(以下、ス
ルホナト基と称す)、
ルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフ
ィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル
基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリ
ールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリール
スルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキル
スルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル
基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリー
ルスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスル
ファモイル基、ホスフォノ基(−PO3H2)及びその共
役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキル
ホスフォノ基(−PO3(alkyl)2)、ジアリールホスフ
ォノ基(−PO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフォ
ノ基(−PO 3(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォ
ノ基(−PO3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、
アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフ
ォノ基(−PO3H(aryl))及びその共役塩基基(以
後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキ
シ基(−OPO3H2)及びその共役塩基基(以後、ホス
フォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキ
シ基(−OPO3(alkyl)2)、ジアリールホスフォノオ
キシ基(−OPO3(aryl)2)、アルキルアリールホスフ
ォノオキシ基(−OPO3(alkyl)(aryl))、
O3H(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホ
スフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノ
オキシ基(−OPO3H(aryl))及びその共役塩基基
(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シア
ノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニ
ル基等が挙げられる。
例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基
の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチ
ル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ
ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ア
セトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチ
ルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア
ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチル
アミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカ
ルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、
フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバ
モイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、ス
ルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフ
ェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることがで
きる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1
−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−
クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の
例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチ
ニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
アシル基(R28CO−)におけるR28としては、水素、
及び上記のアルキル基、アリール基を挙げることができ
る。
としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−
I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、、アルキルチオ
基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−
ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカ
ルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ
基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボ
ニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル
基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリール
カルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモ
イル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、
N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルス
ルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−
アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ
基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリ
ールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキ
ルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリー
ルホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナト
オキシ基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
基としては、前述の炭素数1〜20のアルキル基上の水
素原子のいずれか1つを除き、2価の有機残基としたも
のを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1〜12
までの直鎖状、炭素原子数3〜12までの分岐状、及び
炭素原子数5〜10までの環状のアルキレン基を挙げる
ことができる。該置換基とアルキレン基を組み合わせる
事により得られる置換アルキル基の、好ましい具体例と
しては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロ
エチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、
メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フ
ェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメ
チル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピ
ル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル
基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカ
ルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイル
オキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチル
ベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2
−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシ
カルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル
基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイ
ルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、
基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、
N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチ
ル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファ
モイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、
N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−ト
リルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホ
スフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフ
ォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホス
フォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メ
チルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル
基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナト
ヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナ
トオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メ
チルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、
p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−
プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリ
ル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル
基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることが
できる。
27が、アリール基を表すとき、アリール基としては、1
個〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼ
ン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げるこ
とができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、
アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセ
ナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、
これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ま
しい。また、アリール基には上記炭素環式アリール基の
他、複素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環
式アリール基としては、ピリジル基、フリル基、その他
ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チ
オキサントン基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、
ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。
27が、置換アリール基を表すとき、置換アリール基とし
ては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基と
して、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用
いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル
基、置換アルキル基、及び、先に置換アルキル基におけ
る置換基として示したものを挙げることができる。
例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メ
シチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェ
ニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル
基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニ
ル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル
基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、
メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチル
アミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホ
リノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイ
ルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイル
オキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフ
ェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベン
ゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メト
キシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフ
ェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カ
ルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニ
ル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N
−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−
メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル
基、
基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモ
イルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフ
ェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−
メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフ
ェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニ
ル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホス
フォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチ
ルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル
基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プ
ロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル
フェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プ
ロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブ
チニルフェニル基等を挙げることができる。
27が、アルケニル基、置換アルケニル基[−C(R29)
=C(R30)(R31)]、アルキニル基、又は置換アル
キニル基[−C≡C(R32)]を表すとき、R29〜R32
としては、一価の非金属原子団を使用することができ
る。好ましいR29〜R32の例としては、水素原子、ハロ
ゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、
及び置換アリール基を挙げることができる。これらの具
体例としては、前述の例として示したものを挙げること
ができる。R29〜R 32のより好ましい置換基としては、
水素原子、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜10の直鎖
状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができる。
アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、及び
置換アルキニル基の具体例としては、ビニル基、1−ブ
テニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−
オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メ
チル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル
基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−
エテニル基、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチ
ル基等を挙げることができる。
て好ましいものは、アルキル基、置換基アルキル基、ア
リール基、及び置換アリール基であり、R22、R24、R
26、として好ましいものは、水素、アルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基、置換アリール基である。E-で
表される対アニオンとは、負電荷を有するアニオンであ
り、親水性官能基であるアンモニウム基(−N+R41R
42R43)中の正電荷とイオンペアを形成する。故に、E
-で表される対アニオンは、アンモニウム基中に存在す
る正電荷と等電荷となるモル数だけ存在する。より具体
的な対アニオンとしてはF-、Cl-、Br-、I-、HO-、CN-、
SO4 2-、HSO4 -、SO3 2-、HSO3 -、NO3 -、CO3 2-、HCO3 -、PF
6 -、BF4 -、ClO4 -、ClO3 -、ClO2 -、ClO -、BrO4 -、Br
O3 -、BrO2 -、BrO-、IO4 -、IO3 -、IO2 -、IO-、スルホン
酸アニオン、カルボン酸アニオン、ホスホン酸アニオ
ン、リン酸アニオン等が挙げられる。
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
下のようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
ようなものが挙げられるが、本発明はこれらに限定され
るものではない。
使用されるアニオンは、Cl-、Br-、I-、CN-、SO4 2-、PF
6 -、BF4 -、ClO4 -、スルホン酸アニオン、カルボン酸ア
ニオン、ホスホン酸アニオン、リン酸アニオンである。
このような熱により親水性に変化する疎水性官能基のう
ち、反応性、保存安定性、及び親疎水性のディスクリの
観点から特に好ましい官能基は、以下の一般式〔II〕で
表されるスルホン酸エステル基である。
アルケニル基、アルキニル基、又は環状イミド基を表
す。)L1 がアルキル基、置換アルキル基、アリール
基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル
基、アルキニル基、置換アルキニル基を表すとき、これ
ら官能基の具体例としては前述のような官能基が挙げら
れる。L1 が環状イミド基を表すとき、環状イミドとし
ては、琥珀酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキサン
ジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸イミド
等の炭素原子4〜20までのものを用いることができ
る。上記のうちL1 として好ましいものは、アルキル
基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、環
状イミド基である。以下に熱分解性スルホン酸エステル
基の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
素部位としては、700〜1200nmに吸収を持つ染
料又は顔料である。上記のようなIR吸収剤の色素部位
として好ましいものとしては、ポリメチン色素、シアニ
ン色素、スクアリリウム色素、ピリリウム色素、ジイン
モニウム色素、フタロシアニン化合物、トリアリールメ
タン色素、金属ジチオレン、カーボンブラック等が挙げ
られる。これらのうち更に好ましいものとしては、ポリ
メチン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピリ
リウム色素、ジインモニウム色素、フタロシアニン化合
物であり、その中でも合成適正の観点からポリメチン色
素、シアニン色素、フタロシアニン化合物がもっとも好
ましい。本発明に用いられる、熱により親水性に変化す
る疎水性官能基を有するIR吸収剤の色素部位の具体例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
外線吸収剤としては、上記のような染料もしくは顔料
に、上記のような熱により親水性に変化する疎水性官能
基を有する限り、どのような赤外線吸収剤でも使用する
ことができるが、合成が容易でかつ性能も比較的優れた
ものとして、該疎水性官能基が赤外線吸収剤中の芳香環
に直接または連結基を介して結合しているものが好まし
い。本発明において特に好ましい赤外線吸収剤は、以下
の一般式〔I〕で表される赤外線吸収剤である。
水性に変化する疎水性官能基を表し、Ar1、Ar2は各
々独立してアリール基を表し、B1、B2、B3、B4、C
1、C2、C3は各々独立して水素、ハロゲン、アルキル
基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を表
し、任意の二つで環を形成しても良い。D1、D2は各々
独立してアルキル基、アリール基、アルケニル基又はア
ルキニル基を表し、X-は対アニオンを表し、Y1、
Y2、Z1、Z2は各々独立して非金属原子からなる2価
の連結基を表す。A1、A2で表される熱によって親水性
に変化する疎水性官能基としては、前述の官能基が挙げ
られる。このうち特に好ましいのは前述の一般式〔II〕
で表されるスルホン酸エステル基である。
は、前述のようなアリール基、置換アリール基が挙げら
れる。このうち特に好ましいのはフェニル基、置換フェ
ニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、アントラセニル
基、置換アントラセニル基である。B1、B2、B3、
B4、C1、C2、C3がハロゲンを表す場合、ハロゲンと
してはF、Cl、Br、Iを用いることができる。
B1、B2、B3、B4、C1、C2、C3がアルキル基、置
換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルキニ
ル基、置換アルキニル基、アルケニル基、置換アルケニ
ル基を表す場合、これら官能基としてはとしては前述の
ような官能基を用いることができる。上記のうち、
B1、B2、B3、B4、C1、C2、C3として好ましいも
のは、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、
アリール基、置換アリール基であり、特に好ましいのは
更に任意の二つで環を形成している場合である。D1、
D2で表されるアルキル基、アリール基、アルケニル
基、アルキニル基としては、前述のアルキル基、置換ア
ルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル
基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル
基を用いることができ、このうち特に好ましいのはアル
キル基、置換アルキル基である。
有するアニオンであり、赤外線吸収剤中の正電荷とイオ
ンペアを形成する。故に、X-で表される対アニオン
は、赤外線吸収剤中に存在する正電荷と等電荷となるモ
ル数だけ存在する。より具体的な対アニオンとしては前
述のようなアニオンが挙げられる。これらのアニオンの
うち、本発明に好適に使用されるアニオンは、Cl-、Br
-、I-、CN-、SO4 2-、PF6 -、BF4 -、ClO4 -、スルホン酸ア
ニオン、カルボン酸アニオン、ホスホン酸アニオン、リ
ン酸アニオンである。Y1、Y2で表される非金属原子か
らなる2価の連結基とは、1から60個までの炭素原
子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個ま
での酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び
0個から20個までの硫黄原子から成り立つものであ
る。より具体的な連結基としては下記の構造単位が組み
合わさって構成されるものを挙げることができる。
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1〜20まで
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜
16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スル
ホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基
のような炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ
基、エトキシ基のような炭素数1〜6までのアルコキシ
基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基のような炭素数2〜7までのアルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのよう
な炭酸エステル基等を用いることができる。Z1、Z2で
表される非金属原子からなる2価の連結基とは、0から
60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原
子、0個から50個までの酸素原子、0個から100個
までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子か
ら成り立つものである。より具体的な連結基としては下
記の構造単位が組み合わさって構成されるものを挙げる
ことができる。
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1〜20まで
のアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜
16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、スル
ホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキシ基
のような炭素数1〜6までのアシルオキシ基、メトキシ
基、エトキシ基のような炭素数1〜6までのアルコキシ
基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキシカルボ
ニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシ
カルボニル基のような炭素数2〜7までのアルコキシカ
ルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネートのよう
な炭酸エステル基等を用いることができる。本発明の感
光性平版印刷版に用いられる赤外線吸収剤の具体例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
れる赤外線吸収剤のうち、更に好ましいものの具体例を
以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
れる赤外線吸収剤の具体的合成方法を以下に記載する
が、本発明はこの合成法に従って合成された赤外線吸収
剤に限定されるものではない。 (化合物1の合成)
lおよび2−クロロ(1−メトキシ−2−プロピル)ス
ルフォネート21.6gを300mlの三口にいれスチ
ームにより2時間加熱還流を行った。加熱後室温にまで
冷却し、アセトン200mlえを加えた。生じた固体を
濾過し、30.4gの化合物(B)を得た。さらに、化
合物(B)21gと化合物(C)8.9gとを100m
lのメタノール中、無水酢酸9.4ml加え室温にて1
0分間攪拌した。その後トリエチルアミン14.0gを
20分かけて滴下した。室温下でさらに2時間攪拌を続
けた後、p−トルエンスルホン酸6.5g加え、室温に
て2時間攪拌した。生成した結晶を濾過し、化合物1を
得た(収量23g,元素分析およびNMRより構造を確
認)。
ラスコにクロロ硫酸230gを入れ、攪拌下、温度を20〜
50℃の範囲に保ちながらバナジルフタロシアニン25g
を0.5 時間かけて加えた。次に130 〜140 ℃にて3 時間
加熱攪拌した。60℃に冷却した後、塩化チオニル32g を
20分かけて滴下し、攪拌をしながら温度を80℃に上げ
た。その後、0 〜3 ℃に冷却し、15分攪拌し、生じた結
晶を濾過し、冷却水にて洗浄を行った。得られた固体を
乾燥することにより、28g のスルホニルクロライド体を
得た。20g のスルホニルクロライド体を300ml容量の三
口フラスコにとり1-メトキシ-2- プロパノール10g を加
えた。次に反応液を冷却しながらピリジン28g を滴下し
た。滴下後冷却をやめ、生じた結晶を濾過し、メタノー
ル500 mlを用いて洗浄を行い、乾燥を行い化合物10を得
た( 収量19g 、元素分析およびNMRによりその構造を
確認)。 (化合物27の合成)
ン酸58.3gを入れ、0℃に冷却した。ここに激しく攪拌
しながら化合物(C)20.9gを少量ずつ30分かけて添加
した。添加終了後、室温にまで昇温して10時間攪拌を続
けた後、3リットル容量のビーカーに用意した氷水1リ
ットル(激しく攪拌)に反応混合物を投入した。この水
溶液に水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:32g/H2O :300
ml)を30分かけて滴下した後、酢酸エチルで抽出した。
得られた酢酸エチル溶液は、飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。こう
して得られた酢酸エチル溶液を、減圧溜去により濃縮す
ると29gの化合物(D)が得られた。
プロパノール6.5gを200ml容量のナスフラスコにとり、
0℃に冷却した。ここにピリジン9.5gを10分かけて滴下
し、滴下終了後そのまま6時間攪拌を続けた。酢酸エチ
ルで希釈した反応混合物を、水、飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。酢酸
エチルを減圧溜去して得られた油状物を、シリカゲルカ
ラムで生成すると15gの化合物(E)が得られた。化合
物(E)8.5gを100ml容量のナスフラスコにとり、室温
にて激しく攪拌した。ここにトリフルオロメタンスルホ
ン酸エチル5.1gを10分かけて滴下し、滴下終了後、更
に1時間攪拌した。得られた反応混合物にメタノール50
ml、化合物(F)4.2gと無水酢酸2.8gを加え、激しく攪
拌しながら更にトリエチルアミン2.8gを10分かけて滴
下した。滴下終了後、反応混合物を減圧濃縮し、得られ
た残渣をシリカゲルカラムで生成すると暗緑色の固体が
得られた。この固体をメタノールに溶解し、大過剰のp-
トルエンスルホン酸ナトリウムを溶かした水に投入する
と、緑色の固体が析出した。この緑色固体を濾別し、蒸
留水で洗浄すると化合物が得られた(収量7.8g、元素分
析及びNMRにより構造確認)。
含有量は、感光層の全固形分中、0.1〜50重量%程度で
あり、好ましくは1〜25重量%、特に好ましくは3〜15
重量%の範囲で用いられる。赤外線吸収剤の含有量が0.
1重量%未満であると感度が低く印刷時の汚れが生じ易
くなり、また、50重量%を越えると全ての赤外線吸収剤
を親水性に変えることができなくなるため、赤外線吸収
剤が感光層に残存し易くなり、汚れが生じる傾向が出て
くる。
れる赤外線吸収剤以外の感光層成分について述べる。 [熱もしくは酸の作用により分解して水またはアルカリ
に可溶となる高分子化合物]本発明に使用される熱もし
くは酸の作用により分解して水またはアルカリに可溶と
なる高分子化合物とは、加熱下および/または酸の作用
により水またはアルカリ可溶性となる高分子化合物を意
味する。該熱もしくは酸の作用により分解して水または
アルカリに可溶となる化合物としては、スルホン酸エス
テルポリマー、カルボン酸エステルポリマー等を挙げる
ことができる。
マーとしては、特願平9−26878号、同9−894
51号、同9−85328号、同9−89816号に記
載のポリマーを用いることができ、カルボン酸エステル
ポリマーとしては、特願平9−248994号に記載の
アルコキシアルキルエステルのほかに特開平7−186
562号記載のt−アルキルカルボン酸エステル、カル
ボン酸ベンジルエステルを用いることができる。これら
の中でも、特願平9−26878号の請求項1記載の一
般式(1)で表されるスルホン酸エステル、特願平9−
85328号の請求項に記載のスルホン酸エステル、並
びに特開平7−186562号の請求項3に記載のt−
アルキルカルボン酸エステル、カルボン酸ベンジルエス
テルおよびカルボン酸ピラニルエステル等が好ましく用
いられる。
より分解して水またはアルカリに可溶となる高分子化合
物の具体例を以下(スルホン酸エステルポリマー(1p
−1〜1p−8)、カルボン酸エステルポリマー(a1
〜a10))に示すが、本発明は、これらに限定される
ものではない。
作用により分解して水またはアルカリに可溶となる高分
子化合物を用いる場合には、感光層の全固形分中、3〜
98重量%程度であり、好ましくは5〜80重量%、特
に好ましくは10〜60重量%の範囲で用いられる。熱
もしくは酸の作用により分解して水またはアルカリに可
溶となる高分子化合物の含有量が、3重量%未満である
と、画像形成性点で、また、98重量%を越えると、感
度点で好ましくない。
特に用いる必要はないが、感度をさらに上げたい場合、
用いることが好ましい。酸発生剤とは、熱若しくは光に
より酸を発生する化合物であり、一般的には、光カチオ
ン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類
の光消色剤、光変色剤、マイクロレジスト等に使用され
ている公知の光により酸を発生する化合物及びそれらの
混合物等を挙げることができ、これらを適宜選択して使
用することができる。
Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,4
23(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記
載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al., Macromolecu
les, 17,2468(1984)、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Con
f. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 、米国
特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホ
ニウム塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10
(6),1307(1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1
988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049
号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-29
6,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et
al., PolymerJ. 17, 73(1985)、J.V.Crivello et al.,
J.Org. Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt et al., J.Po
lymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J.
V.Crivello et al., Polymer Bull., 14,279(1985)、J.
V.Crivello et al., Macromolecules, 14(5), 1141(198
1)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 17,2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、米
国特許第3,902,114 号、欧州特許第233,567 号、同297,
443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同41
0,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,44
4 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,
604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム
塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 13
07(1977)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Pol
ymer Chem. Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウ
ム塩、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing
ASIA,p478, Tokyo, Oct(1988) 等に記載のアルソニウ
ム塩等のオニウム塩、
号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-2
39736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、
特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-702
43号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合
物、K.Meier et al., J.Rad. Curing, 13(4),26(198
6)、T.P.Gill et al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、
D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開
平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,753(1987) 、E.
Reichman et al., J.Polymer Sci., Poliymer Chem. E
d., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Photochem., 36,
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Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins et al., J.Chem. So
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trahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Walker et a
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oulihan et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、P.
M.Collins et al., J.Chem.Soc., Chem. Commun., 532
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985), E.Reichmanis et al., J.Electrochem. Soc., So
lid State Sci. Technol., 130(6) 、F.M.Houlihan et
al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特許第029
0,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851
号、同0,388,343 号、米国特許第3,901,710 号、同4,18
1,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等
に記載の0-ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、TUNOOKA etal., Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing, 13(4) 、W.J.M
ijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), A
kzo、H.Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672
号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,55
4 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-181
43号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載の
イミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン
酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et a
l., J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. RapidCommun., 9,625(1988) 、
Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(197
2) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer
Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137
号、独国特許第3914407 、特開昭63-26653号、特開昭55
-164824 号、特開昭62-69263号、特開昭63-14603号、特
開昭63-163452 号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146
029 号等に記載の化合物を用いることができる。さら
に、V.N.R.Pillai, Synthesis, (1),1(1980)、A. Abad
et al., Tetrahedron Lett., (47)4555(1971) 、D.H.R.
Barton et al., J.Chem. Soc., (C), 329(1970) 、米国
特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の
光により酸を発生する化合物も使用することができる。
る場合の含有量は、感光層の全固形分中、通常40重量
%以下程度であり、好ましくは20重量%以下、さらに
好ましくは5重量%以下の範囲で用いられる。酸発生剤
の含有量が40重量%を越えると、汚れ性が悪くなり好
ましくない。
版の感光層には、種々の感光性平版印刷版の特性を得る
ため、必要に応じて上記以外に種々の化合物を添加して
もよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画
像の着色剤として使用することができる。具体的にはオ
イルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイ
ルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルー
BOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、
オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上
オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブル
ー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチ
ルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレッ
ト、ローダミンB(CI145170B)、マラカイト
グリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI5
2015)など、あるいは特開昭62−293247号
公報に記載されている染料を挙げることができる。これ
らの染料は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつ
きやすいので、添加する方が好ましい。尚、添加量は、
感光層の全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合
である。
を形成する塗布液中にシランカップリング剤等の添加剤
を加えて、水またはアルカリ可溶となる高分子を硬化さ
せておくのもよい。
には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特
開昭62−251740号公報や特開平3−20851
4号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、
特開昭59−121044号公報、特開平4−1314
9号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加
することができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、
アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリア
ミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベ
タインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例え
ば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げ
られる。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤
の感光性平版印刷版の感光層に占める割合は、0.05
〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重
量%である。
は必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤
が加えられる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレン
グリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、
フタル酸ジブチル、フタル酸ジへキシル、フタル酸ジオ
クチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン
酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、
アクリル酸またはメタアクリル酸のオリゴマーおよびポ
リマー等が用いられる。
アルキル置換されたs−トリアジン、及びエポキシ化合
物、ビニルエーテル類、さらには特願平7−18120
号に記載のヒドロキシメチル基を持つフェノール化合
物、アルコキシメチル基を有するフェノール化合物、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等
を添加してもよい。
成分を溶媒に溶かして、感光層として適当な支持体上に
塗布することにより製造することができる。ここで使用
する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキ
サノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシ
エチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテ
ート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリド
ン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラ
クトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに
限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは
混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む
全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%であ
る。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固
形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版につい
ていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができ
るが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー
塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗
布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができ
る。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大に
なるが、画像記録膜の皮膜特性は低下する。
には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開
昭62−170950号公報に記載されているようなフ
ッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添
加量は、感光層の全固形分中、0.01〜1重量%さら
に好ましくは0.05〜0.5重量%である。
的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属が
ラミネートもしくは蒸着された、紙もしくはプラスチッ
クフィルム等が含まれる。
ィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法
安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に
好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板
およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む
合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは
蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウ
ム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、
銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々
10重量%以下である。本発明において特に好適なアル
ミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なア
ルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに
異元素を含有するものでもよい。このように本発明に適
用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるもの
ではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を
適宜に利用することができる。本発明で用いられるアル
ミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程
度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.2mm〜0.8mmである。
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理
は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法
および化学的に表面を選択溶解させる方法により行われ
る。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用
いることができる。また、電気化学的な粗面化法として
は塩酸または硝酸電解液中で交流または直流により行う
方法がある。また、特開昭54−63902号に開示さ
れているように両者を組み合わせた方法も利用すること
ができる。この様に粗面化されたアルミニウム板は、必
要に応じてアルカリエッチング処理および中和処理され
た後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるため
に陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化
処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形
成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、
リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いら
れる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適
宜決められる。
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、感光性平版印刷版の非画像部に傷が付き易くな
って、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる
「傷汚れ」が生じ易くなる。陽極酸化処理を施された
後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施され
る。本発明に使用される親水化処理としては、米国特許
第2,714,066号、同第3,181,461号、
第3,280,734号および第3,902,734号
に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例え
ばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法におい
ては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理され
るかまたは電解処理される。他に特公昭36−2206
3号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウムお
よび米国特許第3,276,868号、同第4,15
8,461号、同第4,689,272号に開示されて
いるようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが
用いられる。
て支持体上に下塗層を設けることができる。下塗層成分
としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボ
キシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、
2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホ
スホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン
酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセ
ロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジ
ホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよ
いフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸お
よびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有して
もよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、
アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸など
の有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのア
ミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などの
ヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれる
が、2種以上混合して用いてもよい。有機下塗層の被覆
量は、2〜200mg/m2 が適当である。
刷版を作製することができる。この平版印刷用版は、波
長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体
レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。本発明
の感光性平版印刷版においては、レーザ照射後すぐにオ
フセット印刷機等に該印刷版を装着し、多数枚の印刷を
行うことができる。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
のアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレ
ン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシ
ュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立て
し、水でよく洗浄した。この板を45℃の25%水酸化
ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、
水洗後、更に2%硝酸に20秒間浸漬して水洗した。こ
のときの砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2で
あった。次にこの板を7%硫酸を電解液として電流密度
15A/dm2で3g/m2の直流陽極酸化皮膜を設けた
後、水洗乾燥した。次に下記感光液を調製し、上記の処
理済みのアルミニウム板に塗布し、100℃で2分間乾
燥して感光性平版印刷版[1]を得た。乾燥後の重量は
1.2g/m2であった。
830nmの赤外線を発するIRレーザー(ビーム径:
28μm)で露光した。露光後、110℃で1分間加熱
処理した後、リスロン印刷機で印刷した。この際、印刷
物の非画像部に汚れが発生しているかどうかを観察し
た。非画像部に汚れのない良好な印刷物が4万枚得られ
た。
を顕微鏡で観察し、得られた線幅を測定することにより
感度を見積もった。線幅が照射したビーム径(:28μ
m)に近いほど感度が高いことを示す。
収剤として化合物1を用いる代わりに、化合物2を用い
た以外は、実施例1と同様に感光性平版印刷版[2]を
作製し、評価した。
ポリマーとして1p−4を用いる代わりに、a5(分子
量:25,000)を用いた以外は、実施例1と同様に
感光性平版印刷版[3]を作製し、評価した。
収剤として化合物1を用いる代わりに、化合物3を用い
た以外は、実施例3と同様に感光性平版印刷版[4]を
作製し、評価した。
収剤として化合物1を用いる代わりに、化合物5を,ま
た熱分解性ポリマーとして1p−4を用いる代わりに、
a1(分子量:31,000)を用いた以外は、実施例
1と同様に感光性平版印刷版[5]を作製し、評価し
た。
収剤として化合物1を用いる代わりに、下記比較化合物
を用いた以外は、実施例1と同様に感光性平版印刷版
[6]を作製し、評価した。
刷版の評価の結果を表1に示す。
感度が高く、汚れが生じないことがわかる。
化皮膜を設けたアルミニウム板に、下記のように調製し
た感光液2を回転数:150rpmで回転塗布し、80℃
で3分間乾燥して感光性平版印刷版[7]を得た。乾燥
後の重量は1.0g/m2であった。
830nmの赤外線を発するIRレーザー(ビーム径:
28μm)で露光した。露光後、リスロン印刷機にて通
常通り印刷した。この際、印刷物の非画像部に汚れが発
生しているかどうかを観察した。結果を表2に示す。こ
のとき非画像部に汚れのない良好な印刷物は20万枚得
られた。また、得られた印刷版のレーザー走査線部を顕
微鏡で観察し、得られた線幅を測定することにより感度
を見積もった。結果を表2に示す。
として感光液2を用いる代わりに、下記感光液3を用い
た以外は、実施例6と同様に感光性平版印刷版[8]を
作製し、評価した。乾燥後の塗布量は1.2g/m2で
あった。評価結果を表2に示す。
してアルミニウム板を用いる代わりに、表面をコロナ帯
電処理したPETフィルムを用い、また塗布溶液として
感光液2を用いる代わりに、下記感光液4を用いた以外
は、実施例6と同様に感光性平版印刷版[9]を作製
し、評価した。乾燥後の塗布量は1.2g/m2であっ
た。評価結果を表2に示す。
してアルミニウム板を用いる代わりに、表面をコロナ帯
電処理したPETフィルムを用い、また塗布溶液として
感光液2を用いる代わりに、下記感光液5を用い、塗布
法として、回転塗布法を用いる代わりに、ロッドバー#
14を用いて塗布した以外は、実施例6と同様に感光性
平版印刷版[10]を作製し、評価した。乾燥後の塗布
量は1.5g/m2であった。評価結果を表2に示す。
液として感光液2を用いる代わりに、下記感光液6を用
いた以外は、実施例6と同様に感光性平版印刷版[1
1]を作製し、評価した。乾燥後の塗布量は1.1g/
m2であった。評価結果を表2に示す。
収剤として化合物27を用いる代わりに、前記比較化合
物を用いた以外は、実施例6と同様に感光性平版印刷版
[12]を作製し、評価した。評価結果を表2に示す。
明の各実施例の感光性平版印刷版は、感度が高く、汚れ
が生じなく、満足すべき結果を得たが、比較例の感光性
平版印刷版は、不満足な結果であった。
持体上の感光層中に熱によって親水性に変化する疎水性
官能基、特に好ましくは上記特定のスルホン酸エステル
基、を有する赤外線吸収剤を含有することにより、光熱
変換の後、赤外線吸収剤自身が分解して疎水性から親水
性となり印刷時の湿し水中に溶解する。このため、該赤
外線吸収剤が露光部において残膜として残ったり湿し水
中でカス状の固相となったりして汚れの原因となること
がなくなる。よって、本発明の感光性平版印刷版は、赤
外線レーザーにより、コンピューター等のデジタルデー
タから直接製版可能であり、感度が高く、かつ汚れが生
じなく、高い実用性を有するものである。
Claims (4)
- 【請求項1】 親水性支持体上に、熱によって親水性に
変化する疎水性官能基を有する赤外線吸収剤を含有する
感光層を有してなることを特徴とする感光性平版印刷
版。 - 【請求項2】 前記熱によって親水性に変化する疎水性
官能基が、赤外線吸収剤中の芳香環に直接または連結基
を介して結合していることを特徴とする請求項1に記載
の感光性平版印刷版。 - 【請求項3】 前記赤外線吸収剤が下記一般式〔I〕で
表されることを特徴とする請求項1に記載の感光性平版
印刷版。 【化1】 (式中A1、A2は各々独立して熱によって親水性に変化
する疎水性官能基を表し、Ar1、Ar2は各々独立して
アリール基を表し、B1、B2、B3、B4、C1、C2、C
3は各々独立して水素、ハロゲン、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基又はアルキニル基を表し、任意の二
つで環を形成しても良い。D1、D2は各々独立してアル
キル基、アリール基、アルケニル基又はアルキニル基を
表し、X -は対アニオンを表し、Y1、Y2、Z1、Z2は
各々独立して非金属原子からなる2価の連結基を表
す。) - 【請求項4】 前記感光層に、さらに熱および酸のうち
の少なくともいずれかの作用により分解して水並びにア
ルカリのうちの少なくともいずれかに可溶となる高分子
化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の感
光性平版印刷版。
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EP1754614A1 (en) | 2004-04-09 | 2007-02-21 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Lithographic printing plate precursor and lithographic printing method |
JP2014047303A (ja) * | 2012-08-31 | 2014-03-17 | Fujifilm Corp | インク組成物および画像形成方法 |
-
1998
- 1998-12-25 JP JP37120998A patent/JP3627903B2/ja not_active Expired - Fee Related
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