JPH11268438A - 画像形成材料 - Google Patents

画像形成材料

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JPH11268438A
JPH11268438A JP7463098A JP7463098A JPH11268438A JP H11268438 A JPH11268438 A JP H11268438A JP 7463098 A JP7463098 A JP 7463098A JP 7463098 A JP7463098 A JP 7463098A JP H11268438 A JPH11268438 A JP H11268438A
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JP
Japan
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acid
alkyl
image forming
polymer
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JP7463098A
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English (en)
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Koichi Kawamura
浩一 川村
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 画像形成性(感度、現像ラチチュード)に優
れた平版印刷版に適した画像形成材料を提供する。 【解決手段】 本発明の画像形成材料は、(A)水不溶
性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダー、及び
(B)熱分解性スルホン酸エステル基を有する前記赤外
線吸収剤を含有する。未露光部では熱分解性スルホン酸
エステル基を有する赤外線吸収剤がアルカリ可溶性の高
分子バインダーの溶解速度を低下させ、露光部では該赤
外線吸収剤が分解することにより発生した色素のスルホ
ン酸がアルカリ可溶性の高分子バインダーの溶解速度を
増大させる。このため、両者の差が大きく、良好な画像
形成が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像形成材料に関
し、特に平版印刷用版材に使用するのに適した、レーザ
光等の光、レーザ光照射に伴って発生する熱等によって
書き込み可能であり、コンピュータ等のデジタル信号か
ら赤外線レーザ等を用いて直接製版できる、いわゆるダ
イレクト製版可能な平版印刷用版材に使用するのに適し
た赤外線レーザ用画像形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年におけるレーザの発展は目ざまし
く、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放
射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小型
のものが容易に入手できる様になっている。コンピュー
タ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源と
して、これらのレーザは非常に有用である。このような
赤外線レーザにて記録可能な画像形成材料としては、欧
州特許公報703499A1号に記載されているテトラ
ヒドロピラニルエステルをアルカリ可溶性高分子化合物
に用いたポジ型記録材料がある。また、特開平8−31
0148号公報には紫外線レーザによるアブレージョン
により成るポジ型記録材料が記載されている。しかしな
がら、これらの画像形成材料を用いた版材では、高温高
湿条件下で保存した後、画像形成性が著しく低下すると
いう問題を有している。
【0003】また、アルカリ可溶性高分子化合物及び赤
外線吸収剤を含有し、赤外線レーザで書き込みを行う感
熱式ポジ型画像形成材料も提案されている。このような
画像形成材料では、未露光部の溶解速度と露光部の溶解
速度との差を利用して画像が形成される。従って、良い
ポジ画像を得るには、この溶解速度の差、とりわけ露光
部での溶解速度の増加が必要である。
【0004】しかし、従来の赤外線吸収剤は未露光部分
のアルカリ可溶性高分子化合物のアルカリ溶解速度を大
きく低下させたが、露光部分での赤外線吸収剤自体の分
解が少ないために、溶解速度の抑制作用を完全に消失す
ることができない。つまり、露光部と未露光部との溶解
速度に大きな差が出ず、良好な画像形成ができないとい
う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点に鑑みなされたもので、その目的は、コンピュー
ター等のデジタルデータに基づき、赤外線を放射する固
体レーザ及び半導体レーザ等により直接書き込みが可能
であり、画像形成性(感度、現像ラチチュード)に優れ
た平版印刷版を得るために適した画像形成材料を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、特定のスルホン酸エステル基を有する赤外線吸
収剤が熱で分解することにより発生した色素のスルホン
酸がアルカリ可溶性高分子バインダーの溶解速度を非常
に増大させることを見い出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】本発明は、(A)水不溶性かつアルカリ水
溶液に可溶な高分子バインダー、及び(B)熱分解性ス
ルホン酸エステル基を有する記赤外線吸収剤を含有する
画像形成材料である。
【0008】未露光部では熱分解性スルホン酸エステル
基を有する赤外線吸収剤がアルカリ可溶性の高分子バイ
ンダーの溶解速度を低下させ、露光部では該赤外線吸収
剤が分解することにより発生した色素のスルホン酸がア
ルカリ可溶性の高分子バインダーの溶解速度を増大させ
る。このため、両者の差が大きく、良好な画像形成が可
能となる。
【0009】現段階では熱分解性スルホン酸エステル基
を有する赤外線吸収剤の分解機構は明確ではないが、ス
ルホン酸エステルの熱分解に関する文献(T.End
o,Macromolecules 1996,29,
3317)に記載されているようにエステル部が熱によ
りカルボカチオンを経由して脱離し、スルホン酸を発生
すると考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成材料は、(A)
水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダ
ー、及び(B)熱分解性スルホン酸エステル基を有する
赤外線吸収剤を含有するを含有する。
【0011】以下、本発明の構成について詳細に説明す
る。
【0012】[(B)熱分解性スルホン酸エステル基を
有する赤外線吸収剤]本発明における赤外線吸収剤は、
染料または顔料であり(以下「IR吸収剤」と称す場合
がある。)、色素部位に熱分解性スルホン酸エステル基
が結合している構造を有するものである。この熱分解性
スルホン酸エステル基を有する赤外線吸収剤は、赤外線
の吸収により色素部位と熱分解性スルホン酸エステル基
の結合が切れスルホン酸を放出する。
【0013】前記色素部位としては、700〜1200
nmに吸収をもつ化合物ならどれでも用いることができ
る。好ましいものとしては、ポリメチン色素、シアニン
色素、スクアリリウム色素、ピリリウム色素、ジインモ
ニウム色素、フタロシアニン化合物、トリアリールメタ
ン色素、金属ジチオレン、カーボンブラックなどが挙げ
られる。これらのうちさらに好ましいものとしては、ポ
リメチン色素、シアニン色素、スクアリリウム色素、ピ
リリウム色素、ジインモニウム色素、フタロシアニン化
合物、カーボンブラックであり、そのなかでも合成適性
の観点からポリメチン色素、シアニン色素、フタロシア
ニン化合物、カーボンブラックが最も好ましい。
【0014】前記熱分解性スルホン酸エステル基は、エ
ステル基にスルホン酸が結合したものであり、該エステ
ル基としては、1級、2級、3級の、置換もしくは無置
換アルキル基、置換もしくは無置換アリール基、置換も
しくは無置換アルケニル基、または環状イミド基が挙げ
られる。これらのうち特に好ましいものはアルキル基、
アルコキシ基などの電子供与性基、もしくはカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基な
どの電子吸収性基で置換された一級のアルキル基、もし
くはシクロヘキシル、イソプロピル、1−メトキシ−2
−プロピル、などの2級のアルキル、t−ブチル基など
の3級のアルキルである。
【0015】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルキル基の好ましい具体例と
しては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐
状、および環状のアルキル基を挙げることができ、その
具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、
エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブ
チル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル
基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチル
ヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げるこ
とができる。これらの中でも、炭素原子数1から12ま
での直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、なら
びに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がよ
り好ましい。
【0016】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルキル基は、置換されていて
もよく、該置換基としては、水素を除く一価の非金属原
子団が挙げられる。該非金属原子団の好ましい具体例と
しては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−
I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−
アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−
アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−
アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カ
ルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ
基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジア
ルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカル
バモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバ
モイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスル
ホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキ
ルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレ
イド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジア
ルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,
N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−
アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−ア
リールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレ
イド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、
N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、
N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、
N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリ
ール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリー
ル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−アリールウ
レイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アル
キルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N
−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ
基、アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アルキル
−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−
N−アリールオキシカルボニルアミノ基、N−アリール
−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−
N−アリールオキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、
アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ア
ルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイ
ル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリー
ルカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバ
モイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィ
ニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、スルホ基(−SO3 H)及びその共役塩基基(以
下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、
アリールオキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N
−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルス
ルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、
N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル
−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル
基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキ
ルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、
N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−
N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO
3 2 )及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と
称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO3 (alky
l)2 )、ジアリールホスフォノ基(−PO3 (ary
l)2 )、アルキルアリールホスフォノ基(−PO
3 (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフ
ォノ基(−PO3 H(alkyl))及びその共役塩基
基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリ
ールホスフォノ基(−PO3 H(aryl))及びその
共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、
ホスフォノオキシ基(−OPO3 2 )及びその共役塩
基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキ
ルホスフォノオキシ基(−OPO3 (alky
l)2 )、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO3
(aryl)2 )、アルキルアリールホスフォノオキシ
基(−OPO3 (alkyl)(aryl))、モノア
ルキルホスフォノオキシ基(−OPO3 H(alky
l))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナ
トオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基
(−OPO3 H(aryl))及びその共役塩基基(以
後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ
基、ニトロ基、アリール基、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アシル基、アルキレン基等が挙げら
れる。
【0017】前記アルキル基の置換基で挙げられたアル
キル基の好ましい具体例としては、前述熱分解性スルホ
ン酸エステル基のエステル基として挙げられたアルキル
基の好ましい具体例と同様である。前記アルキル基の置
換基で挙げられたアリール基(aryl)の好ましい具
体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル
基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、
クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフ
ェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル
基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセ
トキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチル
チオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミ
ノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルア
ミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカル
ボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フ
ェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモ
イルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル
基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホ
スフォナトフェニル基等が挙げられる。前記アルキル基
の置換基で挙げられたアルケニル基の好ましい具体例と
しては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル
基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙
げらる。前記アルキル基の置換基で挙げられたアルキニ
ル基の好ましい具体例としては、エチニル基、1−プロ
ピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル
基等が挙げられる。前記アルキル基の置換基で挙げられ
たアシル基(G1CO−)におけるG1としては、水
素、および上記のアルキル基、アリール基の好ましい具
体例等が挙げられる。
【0018】また、前記アルキル基の置換基で挙げられ
たアルキレン基としては、前述の炭素数1から20まで
のアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価
の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは
炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から
12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの
環状のアルキレン基を挙げることができる。該置換基と
アルキレン基を組み合わせることにより得られる置換ア
ルキル基の好ましい具体例としては、クロロメチル基、
ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメ
チル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル
基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチ
ルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエ
チル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピ
ル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチ
ル基、N−シクロヘキシカルバモイルオキシエチル基、
N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルア
ミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル
基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カル
ボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリ
ルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボ
ニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカル
バモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメ
チル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル
基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイル
メチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スル
ファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル
基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N
−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−
(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホ
スフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチル
ホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル
基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブ
チル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォ
ナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフ
ォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α
−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル
基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、
2−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチル
アリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピ
ニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げる
ことができる。
【0019】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルキル基の置換基において、
さらに好ましいものとしては、ハロゲン原子(−F、−
Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルア
ミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ
基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリール
カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、
アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ア
ルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイ
ル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N
−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、
スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、
N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールス
ルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファ
モイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキル
ホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキル
ホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリール
ホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオ
キシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニ
ル基が挙げられる。
【0020】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアリール基としては、1個のベ
ンゼン環からなるもの、2または3個のベンゼン環が縮
合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合
環を形成したものを挙げることができ、好ましい具体例
としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フ
ェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フ
ルオレニル基、等を挙げることができる。これらのなか
でも、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、
かかるアリール基には前記炭素環式アリール基の他、複
素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリ
ール基としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼ
ン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサ
ントン基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ
原子数1〜5を含むものが挙げられる。
【0021】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアリール基は、アリール基の環
形成炭素原子上に置換基を有していてもよく、該置換基
としては、水素を除く一価の非金属原子団を有するもの
が挙げられる。該水素を除く一価の非金属原子団の具体
例としては、前述の熱分解性スルホン酸エステル基のエ
ステル基として挙げられたアルキル基、および置換基と
して示したものと同様である。この様な、置換アリール
基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル
基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロ
ロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、
ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシ
エトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノ
キシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフ
ェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフ
ェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェ
ニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキ
シルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカル
バモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル
基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキ
シフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリル
オキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボ
ニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチル
カルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピリカルバモ
イルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイ
ルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カ
ルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナト
フェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルス
ルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファ
モイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル
基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファ
モイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナ
トフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェ
ニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル
基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノ
フェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル
基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メ
チルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル
基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル
基、3−ブチニルフェニル基、等を挙げることができ
る。
【0022】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルケニル基としては、カルボ
ニル基を有しているアルケニル基が好ましく、シクロヘ
キセニル、オキシシクロヘキセニル等を挙げることがで
き、さらに好ましくは、3−オキシシクロヘキセニル、
5,5−ジメチル−3−オキシシクロヘキセニルであ
る。
【0023】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルケニル基は、置換基を有し
ていてもよく、該置換基としては、前記熱分解性スルホ
ン酸エステル基のエステル基として挙げられたアルキル
基の置換基で挙げられたものと同様である。
【0024】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられた環状イミド基としては、琥珀酸
イミド、フタル酸イミド、シクロヘキサンジカルボン酸
イミド、ノルボルネンジカルボン酸イミド等の炭素原子
4〜20までのもが挙げられる。
【0025】前記熱分解性スルホン酸エステル基のエス
テル基として挙げられたアルキル基、アリール基および
アルケニル基の置換基で挙げられたもののうち、1級、
もしくは2級のアルキル基が、保存性と熱分解性の点で
最も好ましい。
【0026】熱分解性スルホン酸エステル基の具体例
(1m−1〜1m−34)を示すが、本発明は、これに
限られるものではない。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】
【化5】
【0032】
【化6】
【0033】次に、熱分解性スルホン酸エステル基を有
する赤外線吸収剤の具体例(化合物1〜化合物26)を
以下に示が、本発明はこれに限られるものではない。
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】本発明において、熱分解性スルホン酸エス
テル基を有する赤外線吸収剤は、具体的には以下のよう
にして合成することができる。 (化合物1の合成)
【0041】
【化13】
【0042】化合物(A)20.7g、トルエン50m
lおよび2−クロロ−(1−メトキシ−2−プロピル)
スルフォネート21.6gを300mlの三口にいれス
チームにより2時間加熱還流を行った。加熱後室温にま
で冷却し、アセトン200mlを加えた。生じた固体を
濾過し、30.4gの化合物(B)を得た。さらに、化
合物(B)21gと化合物(C)8.9gとを100m
lのメタノール中、無水酢酸9.4ml加え室温にて1
0分間攪拌した。その後トリエチルアミン14.0gを
20分かけて滴下した。室温下でさらに2時間攪拌を続
けた後、p−トルエンスルホン酸6.5g加え、室温に
て2時間攪拌した。生成した結晶を濾過し、化合物1を
得た(収量23g、元素分析およびNMRより構造を確
認)。
【0043】(化合物10の合成)500mlの三口フ
ラスコにクロロ硫酸230gを入れ、攪拌下、内温を2
0から50度の範囲に保ちながらバナジルフタロシアン
ニン25gを0.5時間かけて加えた。つぎに130〜
140℃にて3時間加熱攪拌した。60℃に冷却した後
塩化チオニル32gを20分かけて滴下し、攪拌しなが
ら内温を80℃に上げた。その後、0〜3℃に冷却し、
15分攪拌し、生じた結晶を濾過し、冷却水にて洗浄を
行った。得られた固体を乾燥することにより、28gの
スルホニルクロライド体を得た。20gのスルホニルク
ロライド体を300mlの三口フラスコにとり1−メト
キシ−2−プロパノール10g加えた。次に反応液を冷
却しながらピリジン28gを滴下した。滴下後冷却をや
め、室温にて8時間攪拌を行った。反応液を300ml
の3N塩酸水溶液に加え、生じた結晶を濾過し、メタノ
ール500mlを用いて洗浄を行い、乾燥を行い化合物
10を得た(収量19g、元素分析およびNMRにより
その構造を確認)。
【0044】本発明において、これらの熱分解性スルホ
ン酸エステル基を有する赤外線吸収剤の含有量は、感光
層の全固形分中、0.1〜40重量%程度であり、好ま
しくは1〜25重量%、特に好ましくは3〜15重量%
の範囲で用いられる。熱分解性スルホン酸エステル基を
有する赤外線吸収剤の含有量が0.1重量%未満である
と感度の低下が低く印刷時の汚れが生じ易くなり、ま
た、40重量%を越えると赤外線吸収剤が感光層に残存
し易くなり、汚れが生じる傾向が出てくる。
【0045】[(A)水不溶性かつアルカリ水溶液に可
溶な高分子バインダー]本発明に用いられる水不溶性か
つアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーは、その主
鎖及び/又は側鎖の構造中に酸性基を含有する高分子、
及びこれらの混合物である。中でも、以下の(a−1)
〜(a−6)の酸性基を主鎖及び/又は側鎖の構造中に
有するものが、アルカリ性現像液に対する溶解性の点で
好ましい。
【0046】(a−1)フェノール基 (−Ar−O
H) (a−2)スルホンアミド基 (−SO2 NH−R) (a−3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イ
ミド基」という。)(−SO2 NHCOR、−SO2
HSO2 R、−CONHSO2 R) (a−4)カルボン酸基 (−CO2 H) (a−5)スルホン酸基 (−SO3 H) (a−6)リン酸基 (−OPO3 2
【0047】(a−1)〜(a−6)中、Arは置換基
を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、R
は、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
【0048】(a−1)〜(a−6)の酸性基を有する
水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダー
の中でも、(a−1)フェノール基、(a−2)スルホ
ンアミド基、及び(a−3)活性イミド基を有する水不
溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーが好
ましく、(a−1)フェノール基を有する水不溶性かつ
アルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーが、アルカリ
性現像液に対する溶解性の点、印刷時の着肉性及び耐刷
性の点で、さらに好ましい。さらに、主鎖に(a−1)
フェノール基を有し、主鎖の一部及び/又は側鎖に(a
−1)〜(a−3)の酸性基を有する共重合体も現像ラ
チチュードの点で好ましい。
【0049】(a−1)フェノール基を有する水不溶性
かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーとして
は、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合
体(以下、「フェノールホルムアルデヒド樹脂」とい
う。)、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合
体(以下、「m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂」と
いう。)、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重
合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドと
の縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p−、又
はm−/p−混合のいずれでもよい)とホルムアルデヒ
ドとの縮重合体等のノボラック樹脂、及びピロガロール
とアセトンとの縮重合体を挙げることができる。あるい
は、フェノール基を側鎖に有するモノマーを共重合させ
た共重合体を用いることもできる。用いるフェノール基
を有するモノマーとしては、フェノール基を有するアク
リルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等から
なるモノマーが挙げられる。具体的には、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロ
キシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェ
ニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレー
ト、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロ
キシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニル
メタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレー
ト、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレ
ン、p−ヒドロキシスチレン、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用すること
ができる。高分子の重量平均分子量は5.0×102
2.0×104 で、数平均分子量が2.0×102
1.0×104 のものが、画像形成性の点で好ましい。
また、これらの樹脂を単独で用いるのみならず、2種類
以上を組み合わせて使用してもよい。組み合わせる場合
には、米国特許第4123279号明細書に記載されて
いるような、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒド
との縮重合体や、オクチルフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基を
置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの
縮重合体を併用してもよい。
【0050】(a−2)スルホンアミド基を有する水不
溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーとし
ては、例えば、スルホンアミド基を有する化合物を主た
るモノマーとする重合体が挙げられる。このようなモノ
マーとしては、窒素原子に少なくとも一つの水素原子が
結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和結合と
をそれぞれ一以上分子中に有する化合物が挙げられる。
その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキ
シ基と、置換あるいはモノ置換アミノスルホニル基又は
置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ま
しい。例えば、下記一般式(1)〜(5)で示される化
合物が挙げられる。
【0051】
【化14】
【0052】式中、X1 、X2 は独立して、−O−、又
は、−NR27−を表す。R21、R24は独立して、水素原
子又は−CH3 を表す。R22、R25、R29、R32、R36
は独立して、置換基を有していてもよい炭素数1〜12
のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、
又は、アラルキレン基を表す。R23、R27、R33は独立
して、水素原子、それぞれ置換基を有していてもよい炭
素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基又はアラルキル基を表す。また、R26、R 37は独立
に、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数1〜12
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラル
キル基を表す。R28、R30、R34は独立して、水素原
子、又は、−CH3 を表す。R31、R35は独立して、単
結合、又は、それぞれ置換基を有していてもよい炭素数
1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリー
レン基又はアラルキレン基を表す。Y1 、Y2 は独立し
て、単結合又は−CO−を表す。具体的には、m−アミ
ノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミ
ノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−
アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に
使用することができる。
【0053】(a−3)活性イミド基を有する水不溶性
かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダーとして
は、例えば、活性イミド基を有する化合物を主たるモノ
マーとする重合体が挙げられる。このようなモノマーと
しては、下記の構造式で表される活性イミド基と、重合
可能な不飽和結合とをそれぞれ1以上分子中に有する化
合物が挙げられる。
【0054】
【化15】
【0055】このような化合物としては、具体的には、
N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N
−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適
に使用することができる。
【0056】同様に、(a−4)カルボン酸基を有する
水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダー
としては、例えば、カルボン酸基と重合可能な不飽和結
合とをそれぞれ1以上分子中に有する化合物を主たるモ
ノマーとする重合体が、(a−5)スルホン酸基を有す
る水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダ
ーとしては、例えば、スルホン酸基と重合可能な不飽和
結合とをそれぞれ1以上分子中に有する化合物を主たる
モノマーとする重合体が、また、(a−6)リン酸基を
有する水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バイ
ンダーとしては、例えば、リン酸基と重合可能な不飽和
結合とをそれぞれ1以上分子中に有する化合物を主たる
モノマーとする重合体が挙げられる。
【0057】本発明における水不溶性かつアルカリ水溶
液に可溶な高分子バインダーにおいて、前記(a−1)
〜(a−6)の酸性基を含むモノマーは、1種類である
必要はなく、同一の酸性基を有するモノマーを2種以
上、又は、異なる酸性基を有するモノマーを2種以上共
重合させたものも用いることもできる。例えば、(a−
1)〜(a−6)の酸性基を主鎖に有する重合体に、
(a−1)〜(a−6)の酸性基を有するモノマーを共
重合させた共重合体も用いることができる。共重合させ
る(a−1)〜(a−6)の酸性基を有するモノマーと
しては、前記の例示化合物が挙げられる。前記したよう
に、中でも、主鎖に(a−1)フェノール基を有し、主
鎖の一部及び/又は側鎖に(a−1)〜(a−3)の酸
性基を有する共重合体を用いると現像ラチチュードが向
上するので好ましい。
【0058】例えば、(a−1)フェノール基を主鎖に
有するフェノールホルムアルデヒド樹脂等や、m−クレ
ゾールホルムアルデヒド樹脂に、フェノール基を有する
モノマーを共重合させた共重合体を用いることもでき
る。用いるフェノール基を有するモノマーとしては、フ
ェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又は
ヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的には、N−
(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3
−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒ
ドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロ
キシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキ
シフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシ
フェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニル
アクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、
p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシ
フェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタ
クリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p
−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニ
ル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェ
ニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフ
ェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用すること
ができる。
【0059】共重合の方法としては、従来知られてい
る、ランダム共重合法、グラフト共重合法や、ブロック
重合法等を用いることができる。
【0060】前記共重合体は、共重合させるさせる(a
−1)〜(a−6)の酸性基を有するモノマーが、共重
合体中に10モル%以上含まれているものが好ましく、
より好ましくは20モル%以上である。10モル%未満
であると現像ラチチュード向上の効果が不十分となる傾
向がある。
【0061】さらに、前記共重合体のモノマーとして、
(a−1)〜(a−6)の酸性基を含まないモノマーを
用いることもできる。(a−1)から(a−6)の酸性
基を含まないモノマーの例としては、下記(1)〜(1
2)に挙げるモノマーを用いることができる。
【0062】(1)例えば、2−ヒドロキシエチルアク
リレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の
脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタ
クリル酸エステル類。 (2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベ
ンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルア
クリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリレート等
のアルキルアクリレート。 (3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸
アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−ク
ロロエチル、グリシジルメタクリレート、N−ジメチル
アミノエチルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
ト。 (4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−
ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリ
ルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−
フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリル
アミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等の
アクリルアミドもしくはメタクリルアミド。 (5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類。 (6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類。 (7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。 (8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロ
ピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケ
トン類。 (9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等のオレフィン類。 (10)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等。 (11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド。 (12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、
イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0063】本発明において水不溶性かつアルカリ水溶
液に可溶な高分子バインダーとしては、単独重合体、共
重合体に係わらず、重量平均分子量が2.0×103
上で、数平均分子量が5.0×102 以上のものが、印
刷時の耐刷性の点で好ましい。さらに好ましくは、重量
平均分子量が5.0×103 〜3.0×105 で、数平
均分子量が8.0×102 〜2.5×105 であり、分
散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10
のものである。
【0064】前記共重合体において、主鎖を構成してい
る(a−1)〜(a−6)の酸性基を有するモノマー
と、主鎖の一部及び/又は側鎖を構成している他のモノ
マーとの配合重量比は、アルカリ溶解性及び印刷時の着
肉性、耐刷性の点から50:50から5:95の範囲に
あることが好ましく、40:60から10:90の範囲
にあることがより好ましい。
【0065】前記水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な
高分子バインダーは、それぞれ1種類あるいは2種類以
上を組み合わせて使用してもよく、全画像形成材料の固
形分中、30〜99重量%、好ましくは40〜95重量
%、特に好ましくは50〜90重量%の添加量で用いら
れる。水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バイ
ンダーの添加量が30重量%未満であると記録層の耐久
性が悪化する傾向にあり、一方、99重量%を越えると
感度、耐久性が低下する傾向がある。
【0066】[その他の成分]本発明の画像形成材料に
は、更に画像形成性を向上させる目的で、他の染料、顔
料等を添加することもできる。これらの染料等は熱分解
性スルホン酸エステル基を有する赤外線吸収剤と同一の
層に添加してもよいし、別の層を設けその層のに添加し
てもよい。染料については、前記の従来知られている例
えば、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、アミニウム染料、ジイモニウム染料、スクアリリ
ウム染料等、市販されている及び文献(「染料便覧」
有機合成化学協会編集 昭和45年刊)に記載されてい
る染料等を用いることができる。また、顔料としては、
従来知られている、市販の顔料及びカラーインデックス
(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協
会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC
出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出
版、1984年刊)に記載されている顔料が利用でき
る。例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐
色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍
光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げ
られる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔
料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン
系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン
系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジ
オキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタ
ロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ
顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カ
ーボンブラック等が使用できる。これらの染料及び顔料
の中でも、赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが
特に好ましい。また、染料及び顔料は、2種以上併用し
てもよい。
【0067】本発明における画像形成材料には、種々の
添加剤を添加することができる。例えば、キノンジアジ
ド化合物、オニウム塩、芳香族スルホン化合物、芳香族
スルホン酸エステル化合物等は熱分解性物質として作用
するので、このような物質を添加すると、画像部の現像
液への溶解阻止性を向上させることができるので好まし
い。
【0068】オニウム塩としてはジアゾニウム塩、アン
モニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホ
ニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げる
事ができる。本発明において用いられるオニウム塩とし
て好適なものとしては、例えば、S.I.Schles
inger,Photogr.Sci.Eng.,1
8,387(1974)、T.S.Bal et a
l,Polymer,21,423(1980)、又
は、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウ
ム塩、米国特許第4,069,055号、同4,06
9,056号、又は特開平3−140140号公報に記
載のアンモニウム塩、D.C.Necker et a
l,Macromolecules,17,2468
(1984)、C.S.Wen et al,Teh,
Proc.Conf.Rad.CuringASIA,
p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許
第4,069,055号、又は同4,069,056号
に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello
et al,Macromorecules,10
(6),1307(1977)、Chem.& En
g.News,Nov.28,p31(1988)、欧
州特許第104,143号、米国特許第339,049
号、同第410,201号、特開平2−150848号
公報、又は特開平2−296514号公報に記載のヨー
ドニウム塩、J.V.Crivello et al,
Polymer J.17,73(1985)、J.
V.Crivelloet al.J.Org.Che
m.,43,3055(1978)、W.R.Watt
et al,J.Polymer Sci.,Pol
ymer Chem.Ed.,22,1789(198
4)、J.V.Crivello etal,Poly
mer Bull.,14,279(1985)、J.
V.Crivello et al,Macromor
ecules,14(5),1141(1981)、
J.V.Crivello et al,J.Poly
mer Sci.,Polymer Chem.E
d.,17,2877(1979)、欧州特許第37
0,693号、同233,567号、同297,443
号、同297,442号、米国特許第4,933,37
7号、同3,902,114号、同410,201号、
同339,049号、同4,760,013号、同4,
734,444号、同2,833,827号、独国特許
第2,904,626号、同3,604,580号、又
は同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macrom
orecules,10(6),1307(197
7)、又はJ.V.Crivello etal,J.
Polymer Sci.,Polymer Che
m.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレ
ノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Pr
oc.Conf.Rad.Curing ASIA,p
478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアル
ソニウム塩等が挙げられる。
【0069】オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化
ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5
−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホ
ン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2
−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスル
ホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロ
カプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスル
ホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキ
シ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホ
ン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることがで
きる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプ
ロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼ
ンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適
である。
【0070】オニウム塩の添加剤の添加量は、好ましく
は1〜50重量%、更に好ましくは5〜30重量%、特
に好ましくは10〜30重量%である。本発明において
添加剤と結着剤は、同一層へ含有させることが好まし
い。
【0071】また、更に感度を向上させる目的で、環状
酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加することも
できる。環状酸無水物としては米国特許第4,115,
128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラ
ヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,
6−エンドオキシ−Δ4 −テトラヒドロ無水フタル酸、
テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無
水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハ
ク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。フェノー
ル類としては、ビスフェノールA、p−ニトロフェノー
ル、p−エトキシフェノール、2,4,4′−トリヒド
ロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベ
ンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,
4′,4″−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,
4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,
5′−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられ
る。更に、有機酸類としては、特開昭60−88942
号、特開平2−96755号公報などに記載されてい
る、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、
ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類など
があり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エ
チル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン
酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イ
ソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジ
メトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シク
ロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリ
ン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げら
れる。
【0072】上記の環状酸無水物、フェノール類及び有
機酸類の印刷版材料中に占める割合は、0.05〜20
重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量
%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0073】また、本発明における画像形成材料には、
現像条件に対する処理の安定性を向上させるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514
号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特
開昭59−121044号公報、特開平4−13149
号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加す
ることができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両面活性剤の具体例としては、アル
キルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノ
エチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシ
エチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ンやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げ
られる。
【0074】上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性
剤の印刷版材料中に占める割合は、0.05〜15重量
%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0075】本発明における画像形成材料中には、露光
による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、
画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼き出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出
する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の
組合せを代表として挙げることができる。具体的には、
特開昭50−36209号、同53−8128号の各公
報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−ス
ルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特
開昭53−36223号、同54−74728号、同6
0−3626号、同61−143748号、同61−1
51644号及び同63−58440号の各公報に記載
されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の
組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化
合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化
合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き
出し画像を与える。
【0076】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性
有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#
312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オ
イルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラ
ックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント
化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリス
タルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレ
ット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダ
ミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン
(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料が特に好まし
い。これらの染料は、印刷版材料全固形分に対し、0.
01〜10重量%、好ましくは0.1〜3重量%の割合
で印刷版材料中に添加することができる。
【0077】また、エポキシ化合物、ビニルエーテル化
合物、特願平7−18120号公報記載のヒドロキシメ
チル基又はアルコキシメチル基を有するフェノール化合
物、及び、特願平9−328937号公報記載のアルカ
リ溶解抑制作用を増強する架橋性化合物を添加すると、
露光現像後のバーニング処理により耐刷性が向上する点
で好ましい。
【0078】更に本発明の画像形成材料中には、必要に
応じ、塗膜に柔軟性等を付与するために可塑剤を添加す
ることもできる。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレ
ングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチ
ル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸
ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、
リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリ
ル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリ
マー等が用いられる。
【0079】また、本発明の画像形成材料中には、塗布
性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1
70950号公報に記載されているようなフッ素系界面
活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全
印刷版材料の0.01〜1重量%さらに好ましくは0.
05〜0.5重量%である。
【0080】本発明において、酸発生剤は特に用いる必
要はないが、感度をさらに上げたい場合、用いることが
好ましい。酸発生剤とは、熱若しくは光により酸を発生
する化合物であり、一般的には、光カチオン重合の光開
始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、
光変色剤、マイクロレジスト等に使用されている公知の
光により酸を発生する化合物及びそれらの混合物等を挙
げることができ、これらを適宜選択して使用することが
できる。
【0081】例えば、S.I.Schlesinger, Photogr. Sci.
Eng., 18,387(1974) 、T.S.Bal etal., Polymer, 21,4
23(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,06
9,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記
載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al., Macromolecu
les, 17,2468(1984)、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Con
f. Rad. Curing ASIA, p478, Tokyo, Oct(1988) 、米国
特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホ
ニウム塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10
(6),1307(1977) 、Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31(1
988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049
号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-29
6,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et
al., PolymerJ. 17, 73(1985)、J.V.Crivello et al.,
J.Org. Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt et al., J.Po
lymer Sci., Polymer Chem. Ed., 22, 1789(1984)、J.
V.Crivello et al., Polymer Bull., 14,279(1985)、J.
V.Crivello et al., Macromolecules, 14(5), 1141(198
1)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer C
hem. Ed., 17,2877(1979) 、欧州特許第370,693 号、米
国特許第3,902,114 号、欧州特許第233,567 号、同297,
443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同41
0,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,44
4 号、同2,833,827 号、独国特許第2,904,626 号、同3,
604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム
塩、J.V.Crivello et al., Macromolecules, 10(6), 13
07(1977)、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Pol
ymer Chem. Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウ
ム塩、C.S.Wen et al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing
ASIA,p478, Tokyo, Oct(1988) 等に記載のアルソニウ
ム塩等のオニウム塩、
【0082】米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605
号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-2
39736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、
特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-702
43号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合
物、K.Meier et al., J.Rad. Curing, 13(4),26(198
6)、T.P.Gill et al., Inorg. Chem., 19,3007(1980)、
D.Astruc, Acc. Chem. Res., 19(12), 377(1896)、特開
平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、
S.Hayase et al., J.Polymer Sci., 25,753(1987) 、E.
Reichman et al., J.Polymer Sci., Poliymer Chem. E
d., 23,1(1985) 、Q.Q.Zhu et al., J.Photochem., 36,
85, 39, 317(1987) 、B.Amit et al., Tetrahedron Le
tt., (24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al., J.Chem.
Soc., 3571(1965) 、P.M.Collins et al., J.Chem. So
c., Perkin I,1695(1975) 、M. Rudinstein et al., Te
trahedron Lett.,(17), 1445(1975)、J.W.Walker et a
l., J. Am. Chem. Soc., 110,7170(1988)、S.C.Busman
et al., J. Imaging Technol., 11(4), (1985) 、H.M.H
oulihan et al., Macromolecules, 21,2001(1988)、P.
M.Collins et al., J.Chem.Soc., Chem. Commun., 532
(1972)、S.Hayase et al., Macromolecules, 18,1799(1
985), E.Reichmanis et al., J.Electrochem. Soc., So
lid State Sci. Technol., 130(6) 、F.M.Houlihan et
al., Macromolecules, 21,2001(1988)、欧州特許第029
0,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851
号、同0,388,343 号、米国特許第3,901,710 号、同4,18
1,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等
に記載の0-ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生
剤、TUNOOKA etal., Polymer Preprints Japan, 35
(8)、G.Berner et al., J.Rad. Curing, 13(4) 、W.J.M
ijs et al., Coating Technol., 55(697), 45(1983), A
kzo、H.Adachi et al., Polymer Preprints, Japan, 37
(3)、欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672
号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,55
4 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-181
43号、特開平2-245756号、特開平3-140109号等に記載の
イミノスルホネート等に代表される光分解してスルホン
酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジ
スルホン化合物を挙げることができる。
【0083】また、酸発生剤をポリマーの主鎖又は側鎖
に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al., J.
Am. Chem. Soc., 104, 5586(1982)、S.P.Pappas et a
l., J.Imaging Sci., 30(5), 218(1986) 、S. Kondo et
al., Makromol. Chem. RapidCommun., 9,625(1988) 、
Y.Yamada et al., Makromol, Chem. 152, 153,163(197
2) 、J.V.Crivello et al., J.Polymer Sci., Polymer
Chem. Ed., 17,3845(1979) 、米国特許第3,849,137
号、独国特許第3914407 、特開昭63-26653号、特開昭55
-164824 号、特開昭62-69263号、特開昭63-14603号、特
開昭63-163452 号、特開昭62-153853 号、特開昭63-146
029 号等に記載の化合物を用いることができる。さら
に、V.N.R.Pillai, Synthesis, (1),1(1980)、A. Abad
et al., Tetrahedron Lett., (47)4555(1971) 、D.H.R.
Barton et al., J.Chem. Soc., (C), 329(1970) 、米国
特許第3,779,778 号、欧州特許第126,712 号等に記載の
光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0084】本発明において、これらの酸発生剤を用い
る場合の含有量は、感光層の全固形分中、通常40重量
%以下程度であり、好ましくは20重量%以下、さらに
好ましくは5重量%以下の範囲で用いられる。酸発生剤
の含有量が40重量%を越えると、汚れ性が悪くなり好
ましくない。
【0085】[平版印刷版]本発明の画像形成材料は、
平版印刷版の態様にて使用されるのに適しているが、こ
れに限定されるものではない。以下に平版印刷版の一般
的製造方法を説明する。平版印刷版は、通常、上記各成
分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することに
より製造する。ここで使用する溶媒としては、エチレン
ジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プ
ロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メト
キシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳
酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレ
ア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ス
ルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げるこ
とができるがこれに限定されるものではない。これらの
溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記
成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1
〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持
体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、感
光性印刷版として用いられる場合は、一般的に0.5〜
5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、種
々の方法を用いることができるが、例えば、バーコータ
ー塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディ
ップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗
布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれ
て、見かけの感度は大になるが、感光膜の皮膜特性は低
下する。この塗布層は、平版印刷版において感光層とな
る。
【0086】支持体としては、寸度的に安定な板状物で
あり、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートさ
れた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅
等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロー
ス、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸
セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルア
セタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしく
は蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が含
まれる。本発明の支持体としては、ポリエステルフィル
ム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸法安定
性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ま
しい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及び
アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板
であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着さ
れたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金
に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マ
グネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタ
ンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10重量
%以下である。本発明において特に好適なアルミニウム
は、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウ
ムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を
含有するものでもよい。このように本発明に適用される
アルミニウム板は、その組成が特定されるものではな
く、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に
利用することができる。本発明で用いられるアルミニウ
ム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ま
しくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.
2mm〜0.3mmである。
【0087】アルミニウム板は粗面化して用いるが、粗
面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去す
るための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水
溶液などによる脱脂処理を行うこともできる。アルミニ
ウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われ
るが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に
表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解
させる方法により行われる。機械的方法としては、ボー
ル研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法
などの公知の方法を用いることができる。また、電気化
学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又
は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63
902号公報に開示されているように両者を組み合わせ
た方法も利用することができる。
【0088】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高める
ために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極
酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜
を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫
酸、リン酸、しゅう酸、クロム酸あるいはそれらの混酸
が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類に
よって適宜決められる。
【0089】陽極酸化の処理条件は用いる電解質により
種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質
の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流
密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間
10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜
の量は1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であ
ったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、
印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚
れ」が生じ易くなる。
【0090】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は必要により親水化処理が施される。本発明に使用
される親水化処理としては、米国特許第2,714,0
66号、同第3,181,461号、第3,280,7
34号及び第3,902,734号に開示されているよ
うなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム
水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ
酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか、又は電解処理
される。他に特公昭36−22063号公報に開示され
ているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,2
76,868号、同第4,153,461号、同第4,
689,272号に開示されているようなポリビニルホ
スホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0091】支持体と感光層との間には、必要に応じ
て、下塗層を設けることもできる。下塗層成分としては
種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチ
ルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミ
ノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸
類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチ
ルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン
酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸な
どの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリ
ン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリ
ン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニル
ホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフ
ィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン
酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びト
リエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有す
るアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して
用いてもよい。
【0092】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことができる。水又はメタノール、エタノール、メチル
エチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤
に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板
上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、
エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしく
はそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶
液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着さ
せ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を
設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物
の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で
塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.0
1〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であ
り、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃
であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒
〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリ
エチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩
酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に
調整することもできる。また、画像形成材料の調子再現
性改良のために黄色染料を添加することもできる。
【0093】有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/
2 が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2
ある。上記の被覆量が2mg/m2 よりも少ないと十分
な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2 より
大きくても同様である。
【0094】製造された平版印刷版は、通常、像露光、
現像処理を施され、画像を形成する。像露光に用いられ
る活性光線の光源としては、例えば、水銀灯、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カー
ボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X
線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i
線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レー
ザービーム)も使用される。レーザービームとしてはヘ
リウム・ネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプト
ンレーザー、ヘリウム・カドミウムレーザー、KrFエ
キシマレーザー、固体レーザー、半導体レーザー等が挙
げられる。本発明においては、近赤外から赤外領域に発
光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レー
ザが特に好ましい。
【0095】用いる現像液及び補充液としては従来より
知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケ
イ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、
同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、
同カリウム及び同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げ
られる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、ト
リメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプ
ロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルア
ミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジ
アミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0096】これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以
上を組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中
で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩
の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物
2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となる
ためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、
特公昭57−7427号公報に記載されているようなア
ルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0097】更に自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量のPS版を処理できるこ
とが知られている。本発明においてもこの補充方式が好
ましく適用される。現像液及び補充液には、現像性の促
進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ
性を高める目的で、必要に応じて種々の界面活性剤や有
機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、ア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤
が挙げられる。更に現像液及び補充液には必要に応じ
て、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素
酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元
剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加える
こともできる。
【0098】上記現像液及び補充液を用いて現像処理さ
れた平版印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリン
ス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後
処理される。本発明の画像形成材料を印刷版として使用
する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合
わせて用いることができる。
【0099】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用い
られている。本発明における平版印刷版も、この自動現
像機にて処理を施すことができるものである。この自動
現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷版を
搬送する装置と各処理液槽及びスプレー装置からなり、
露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み
上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処
理するものである。また、最近は処理液が満たされた処
理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬
搬送させて処理する方法も知られている。このような自
動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応
じて補充液を補充しながら処理することができる。ま
た、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨
て処理方式も適用できる。
【0100】画像露光、現像、水洗及び/又はリンス及
び/又はガム引きしを施された後、平版印刷版上に不必
要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡な
ど)がある場合は、その不必要な画像部を消去する処置
をとることもできる。消去方法としては、例えば特公平
2−13293号公報に記載されているような、消去液
を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置した
後に水洗する方法が好ましいが、特開平59−1748
42号公報に記載されているようなオプティカルファイ
バーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち
現像する方法も利用できる。
【0101】以上の処理を施された平版印刷版は、所望
により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供する
ことができる。高耐刷力を向上させる目的で、バーニン
グ処理を施してもよい。平版印刷版をバーニング処理す
る場合には、該バーニング処理前に、特公昭61−25
18号、同55−28062号、特開昭62−3185
9号、同61−159655号の各公報に記載されてい
るような整面液で処理することが好ましい。その方法と
しては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿に
て、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバッ
ト中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーター
による塗布などが適用される。また、塗布した後にスキ
ージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均
一にするとより好ましい。整面液の塗布量は一般に0.
03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当である。
【0102】整面液が塗布された平版印刷版を乾燥した
後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイル
ム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:
「BP−1300」)などで高温に加熱してもよい。こ
の場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分
の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20
分の範囲が好ましい。
【0103】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行われて
いる処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物
等を含有する整面液が使用された場合には、ガム引きな
どのいわゆる不感脂化処理を省略することもできる。
【0104】この様な処理によって得られた平版印刷版
はオフセット印刷機等に組込まれ、用紙等の印刷に用い
られる。
【0105】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って説明するが、
本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
【0106】[実施例1]
【0107】<基板の作製>厚み0.3mmのアルミニ
ウム板(材質1050)をトリクロロエチレンで洗浄し
て脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミ
ス−水懸濁液を用いこの表面を砂目立てし、水でよく洗
浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶
液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに
20%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目
立て表面のエッチング量は約3g/m 2 であった。次に
この板を7%硫酸を電解液として電流密度15A/dm
2 で3g/m2 の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗
し、乾燥し、さらに、下記下塗り液を塗布し、塗膜を9
0℃で1分乾燥した。乾燥後の塗膜の塗布量は10mg
/m2 であった。
【0108】 <下塗り液の組成> β−アラニン 0.5g メタノール 95 g 水 5 g
【0109】得られた基板に以下に示す感光液1を塗布
量が1.8g/m2 になるよう塗布し、実施例1の平版
印刷版を得た。
【0110】 <感光液1の組成> ・m,p−クレゾールノボラック(m/p比=6/4、重量平 均分子量3500、未反応クレゾール0.5重量%含有)1.0 g ※水不溶性かつアルカリ水溶液に可溶な高分子バインダー ・赤外線吸収剤(化合物3) 0.2 g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフタレ ンスルホン酸アニオンにした染料 0.02g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本イン キ化学工業(株)製) 0.05g ・γ−ブチロラクトン 3 g ・メチルエチルケトン 8 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 7 g
【0111】[実施例2]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(化合物12)を用いた以外は、
実施例1と同様に実施例2の平版印刷版を得た。
【0112】[比較例1]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(下記比較化合物1)を用いた以
外は、実施例1と同様に比較例1の平版印刷版を得た。
【0113】
【化16】
【0114】[比較例2]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(下記比較化合物2)を用いた以
外は、実施例1と同様に比較例2の平版印刷版を得た。
【0115】
【化17】
【0116】[実施例3]攪拌機、冷却管及び滴下ロー
トを備えた100ml三ツ口フラスコに、N−(p−ア
ミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド5.04g
(0.0210モル)、メタクリル酸エチル2.05g
(0.0180モル)、アクリロニトリル1.11g
(0.021モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド
20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合
物を攪拌した。この混合物に「V−65」(和光純薬
(株)製)0.15gを加え65℃に保ちながら窒素気
流下2時間混合物を攪拌した。この反応混合物にさらに
N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミ
ド5.04g、メタクリル酸エチル2.05g、アクリ
ロニトリル1.11g、N,N−ジメチルアセトアミド
20g及び「V−65」0.15gの混合物を2時間か
けて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後さらに65
℃で2時間得られた混合物を攪拌した。反応終了後メタ
ノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物
を水2リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分
混合物を攪拌した後、析出物をろ過により取り出し、乾
燥することにより15gの白色固体を得た。ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによりこの共重合体1の
重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ
53,000であった。
【0117】実施例1で得られた基板と同様のものに、
以下に示す感光液2を塗布量が1.8g/m2 になるよ
う塗布し、実施例3の平版印刷版を得た。 <感光液2の組成> ・上記共重合体1 1.0 g ・赤外線吸収剤(化合物1) 0.1 g ・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを1−ナフタレ ンスルホン酸アニオンにした染料 0.02 g ・フッ素系界面活性剤(メガファックF−177、大日本イン キ化学工業(株)製) 0.05 g ・γ−ブチロラクトン 8 g ・メチルエチルケトン 8 g ・1−メトキシ−2−プロパノール 4 g
【0118】[実施例4]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(化合物8)を用いた以外は、実
施例1と同様に実施例4の平版印刷版を得た。
【0119】[実施例5]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(化合物9)を用いた以外は、実
施例1と同様に実施例5の平版印刷版を得た。
【0120】[実施例6]赤外線吸収剤(化合物3)の
代わりに赤外線吸収剤(化合物13)を用いた以外は、
実施例1と同様に実施例6の平版印刷版を得た。
【0121】[平版印刷版の性能評価]このようにして
作製した実施例1〜6、及び比較例1、2の各平版印刷
版について、下記の基準により性能評価を行った。評価
結果を表1に示す。
【0122】<感度及び現像ラチチュード(画像形成
性)の評価>得られた平版印刷版を、波長830nmの
半導体レーザを用いて露光した。露光後、富士写真フイ
ルム(株)製現像液DP−4、リンス液FR−3(1:
7)を仕込んだ自動現像機(富士写真フイルム(株)
製:「PSプロセッサー900VR」)を用いて現像し
た。現像液DP−4は1:6で希釈したもの及び1:1
2で希釈したものの二水準を使用し、それぞれの現像液
にて得られた非画像部の線幅を測定し、その線幅に相当
するレーザーの照射エネルギーを求めて、これを感度
(mJ/cm2 )とした。また、標準である1:6で希
釈した現像液と、1:12で希釈した現像液との感度の
差を測定し、その差が小さいほど現像ラチチュードが良
好であり、20mJ/cm2 以下であれば、実用可能な
レベルである。
【0123】
【表1】
【0124】<保存安定性の評価>得られた平版印刷版
を、60℃で3日間保存し、その後、前記感度及び現像
ラチチュード(画像形成性)の評価と同様にレーザ露光
及び現像を行い、感度を測定して保存前と保存後と差を
比較した。全ての平版印刷版に関し、感度の変動が、2
0mJ/cm2 以下であった。
【0125】表1より、実施例1〜6の平版印刷版は、
比較例1、2の平版印刷版と比較して、赤外線レーザに
対する感度が高く、現像ラチチュードが良好であり、画
像形成性に優れていることがわかる。また、保存の前後
における感度の変動が少なく、保存安定性についても優
れていることがわかる。
【0126】
【発明の効果】従って、本発明は、コンピューター等の
デジタルデータに基づき、赤外線を放射する固体レーザ
及び半導体レーザ等により直接書き込みが可能であり、
画像形成性(感度、現像ラチチュード)及び保存安定性
に優れた平版印刷版を得るために適した画像形成材料を
提供できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)水不溶性かつアルカリ水溶液に可
    溶な高分子バインダー、及び(B)熱分解性スルホン酸
    エステル基を有する赤外線吸収剤を含有する画像形成材
    料。
JP7463098A 1998-02-27 1998-03-23 画像形成材料 Pending JPH11268438A (ja)

Priority Applications (5)

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JP7463098A JPH11268438A (ja) 1998-03-23 1998-03-23 画像形成材料
EP99102807A EP0938972B1 (en) 1998-02-27 1999-02-25 Photosensitive lithographic form plate using an image-forming material
DE69903867T DE69903867T2 (de) 1998-02-27 1999-02-25 Photoempfindliche Druckplatte mit einem Bildaufzeichnungsmaterial
US09/259,345 US6096479A (en) 1998-02-27 1999-03-01 Photosensitive lithographic form plate using an image-forming material
US09/525,169 US6331375B1 (en) 1998-02-27 2000-03-14 Photosensitive lithographic form plate using an image-forming material

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007246464A (ja) * 2006-03-17 2007-09-27 Nippon Kayaku Co Ltd ジイモニウム化合物及びその用途

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