JPH11308772A - 電力系統監視制御システムおよび記録媒体 - Google Patents

電力系統監視制御システムおよび記録媒体

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JPH11308772A
JPH11308772A JP11006447A JP644799A JPH11308772A JP H11308772 A JPH11308772 A JP H11308772A JP 11006447 A JP11006447 A JP 11006447A JP 644799 A JP644799 A JP 644799A JP H11308772 A JPH11308772 A JP H11308772A
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JP
Japan
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generator
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boiler
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Application number
JP11006447A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Kitahara
博隆 北原
Tadashi Ichikawa
忠 市川
Yoshihiko Shinba
佳彦 榛葉
Hiroshi Hamanishi
広 濱西
Takashi Tanigawa
隆 谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不要なボイラ切替をなくし、発電所の負担軽
減を図ることにある。 【解決手段】 予想総需要ファイル11、現在発電機出
力ファイル12、制限値ファイル13のファイルデータ
を用いてELD計算を実行し、各発電機の所持間先まで
の出力予定値を算出し、各発電機の発電出力調整指令を
出力するが、ボイラ補機の切替を極力制限するために、
予想総需要から大局的な出力調整方向を判定する出力調
整方向判定手段31と、予め発電用ボイラのボイラ補機
切替条件を設定する補機切替条件設定手段と、常時はボ
イラ補機切替条件とボイラ補機切替出力とから制限値フ
ァイル13から制限し、大局的な出力調整方向が判定さ
れた場合、この出力調整方向にそって制限値を制限し、
不要なボイラ補機切替をなくす構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子計算機を応用
した電力系統監視制御システムおよび記録媒体に係わ
り、特に発電用ボイラの補機切替えによって需給制御を
実施する電力系統監視制御システムおよび記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】電力系統監視制御システムの担うべき役
割の1つとして、需給制御が挙げられる。ここで、需給
制御とは需要者の消費する電気量(需要)と電気事業者
によって作り出される電気量(供給)とのバランスをと
るための制御をいう。この2つの電気量に大きな差が生
ずると、周波数に変動が起こり、今日利用されているよ
うな50Hz,60Hzといった一定周波数の電力を供
給できなくなる。ゆえに、常に需要予測を行いつつ、こ
の需要予測に見合う発電量を調整し供給することが必要
不可欠である。
【0003】一方、電力系統内には複数の発電機が存在
するので、トータルの発電量が一意に決まっていても、
各発電機の発電量は一意に決まらない。また、火力発電
機により発電を行う場合、当然,燃料を消費するわけで
あるが、発電出力と燃料消費量との関係は一様でない。
また、発電機が異なれば、機器の特性も異なる。
【0004】そこで、各発電機の発電量を決定するに当
たっては、火力発電機の場合にはELD(経済負荷配
分)という手法が採用されている。
【0005】ELDという手法は、等増分燃料費法など
の手法を用い、トータル発電量を作り出すための各発電
機の出力の組み合わせのうち、トータルの燃料費が最も
安くなる組み合わせをもって最適な発電量出力とする制
御手法である。
【0006】元々、需要と供給とのバランスを維持しつ
つ常に一定の周波数を保つ作業は、経験と知識をもった
オペレータの判断・操作に依存するところが大きい。こ
れは、火力発電所の出力調整においても、当然オペレー
タの判断に委ねられているが、常にトータル燃料費が最
低となるような運転が行われている訳ではない。
【0007】そこで、以上のような状況を踏まえ、電子
計算機を用いてELD計算を行うことにより、最適な発
電機出力を求めた後、自動的に各発電機に指令を出すシ
ステムが開発され、実際に運用されている。
【0008】以下、電子計算機を用いてELD計算を行
い、その計算結果に基づいて発電機出力を制御するシス
テムの概要について説明する。 (1) 需給運用計画データの作成 前もって1日分の総需要を予想し、予想総需要データを
作成する。また、点検等の要因によって発電機出力を制
限する場合には、可能最大出力を示す上限値と可能最低
出力を示す下限値とを作成する。このとき、オペレータ
の操作によって作成してもよいが、電子計算機を用いて
作成を支援している。 (2) ELD計算 1日分の時間断面に対してELDの計算を行うにはそれ
なりの計算時間がかかるので、速い周期で何度も計算す
ることができない。そこで、1日分の計算を行う長周期
ELD計算と現在から例えば30分先までの調整計算を
行う短周期ELD計算との2分割構成を採用している。
【0009】長周期ELD計算は、現在の予想総需要と
現在の総発電出力とから予想総需要のずれを見つけだ
し、予想総需要を補正する。具体的には、現在時刻の予
想総需要データと現在の各発電機の発電出力合計値とを
比較し、その差を現在時刻以降の予想総需要データに平
行移動することにより補正する。次に、各時間断面に対
して補正後の予想総需要データから水力,原子力その他
の発電力の発電予想値を差し引き、火力発電機の分担す
べき値を算出する。その後、各発電機の上下限値を考慮
しつつELD計算を行うことにより、最適な火力発電機
出力値を得る。このELD計算は、予め与えられている
増分燃料費と上下限値を入力として等増分燃料費法を用
いて行う。この計算式は、Lagrangeの未定乗数法を用い
た解法として、既に周知であるのでここでは省略する。
【0010】一方、短周期ELD計算は、現在の各発電
機出力値に関し、長周期ELD計算によって作成された
出力値に近ずけるような調整計算を行うことにある。 (3) 定時出力・スケジュール出力 一定時間毎にELD計算結果の発電機出力値を発電機に
対する指令に変換する。また、予め設定されたスケジュ
ール通りに出力値を制御するスケジュール制御対象の発
電機については、設定されたスケジュールに従って発電
機に対する指令に変換する。 (4) 周波数制御 現在の周波数を監視し目標周波数との差が大きくなった
場合には、差が小さくなる方向に指令を調整する。 (5) 指令出力 指令出力とは実際の発電機に対して発電出力の調整指令
を出力することをいう。
【0011】ところで、火力発電用ボイラは、火力発電
機に蒸気を供給する装置である。つまり、ボイラから供
給される蒸気により蒸気タービンを回転させ、タービン
軸と連動した発電機軸を回転させることにより、発電機
が発電を行う。
【0012】一般に、大型の火力発電機に蒸気を供給す
るボイラは、発電機の発電出力に応じて補機の切替を行
っている。例えばボイラ補機の1つとして給水ポンプが
挙げられるが、この給水ポンプは、発電機の発電出力に
応じてその使用台数を変更する。ボイラ補機の切替が例
えば500MWで行う火力発電機を例にとると、550
MWから450MWに出力を変化させる場合、出力が5
00MWとなった時点で給水ポンプ台数を減少させ、以
後その減少したポンプ台数で運転を行う。逆に、450
MWから550MWに出力を増加させる場合には、50
0MWとなった時点で給水ポンプ台数を増加させ、その
増加したポンプ台数で運転を行う。
【0013】また、需給制御に関し、上述した経済性の
他に信頼性を確保することが重要である。ここで、信頼
性とは需要に応じて確実に電力を供給することを意味す
る。よって、信頼性を確保するには、速い需要の変動に
追従できるような出力変化速度(追従性)を確保するこ
とが必要である。
【0014】従来の技術では、前述する追従性を確保す
る役割は水力発電機が担っている。その理由は水力発電
機が火力および原子力発電機に比べて出力変化の速度が
速いためである。そのため、火力発電機などとは別に、
水力発電機を運転し追従性を確保する運用がなされてい
る。
【0015】しかるに、現在存在する水力発電機のほと
んどは揚水式水力発電機であるとともに、これら揚水式
水力発電機は一般的には夜間時に揚水運転を実施してい
る。その結果、本来であれば、需要の変動に対する電力
供給量の調整は火力発電機で行うのが有効と考えられる
が、そのような考えが取り入れられていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】よって、以上のような
電力監視制御システムにおいては、需給制御に関し、経
済性の観点からはボイラ補機の切替制御が必要であり、
信頼性を確保する観点からは需要に対する追従性制御が
必要であるが、現状の技術では、次のような問題が生じ
ている。
【0017】先ず、前者のボイラ補機の切替制御におい
ては、ボイラ補機の切替概念が制御の中に取り入れられ
ていないことである。つまり、発電機の発電出力がボイ
ラ補機の切替出力値となっている時点で、一定時間の
間、その出力値をキープさせるなど、運用上の模擬を行
っている場合もあるが、本質的な対応でないことから、
次のように問題が指摘されている。
【0018】従来技術の需給制御では、火力発電機の出
力調整がボイラ補機の切替出力付近で行われることがあ
り得る。また、微少な需要変動に対する需給バランスを
保つためには、1台の発電機に対して短時間に上げ方向
調整と下げ方向調整とを行うことがある。このような条
件が重なったとき、発電機に蒸気を供給するボイラ側は
頻繁にボイラ補機を切替増減制御することになる。
【0019】一般に、ボイラ補機の切替を伴う発電機の
出力調整には、通常の出力調整よりも多くの時間を要す
る。一旦、ボイラ補機の切替を開始した発電機に対して
は、切替終了となるまで制御が行えなくなるので、この
ような発電機が存在すると制御の追従性の低下を招く。
また、実際に発電所においてボイラ補機の切替作業が頻
繁に行われることは発電所にとって大きな負担であり、
また電力系統の運用上からも柔軟性に欠ける問題があ
る。
【0020】一方、後者の追従性については、夜間の追
従性の確保の概念が難しい問題がある。その理由は、夜
間時の揚水式水力発電機は、揚水運転を実施しており、
需要の変動に対する電力供給量の調整に利用できない状
況にあ。その結果、火力発電機の有効活用が重要となる
が、その考えが取り入れられていない。
【0021】火力発電機の出力変化速度は、ボイラや蒸
気制御系の動作状況によって制限を受ける。最も制限の
影響を受ける要因は主蒸気温度制御による。一般に、火
力発電機は、燃焼系、給水系、蒸気系を含めて自動ボイ
ラ制御装置によって自動制御が行われている。つまり、
自動ボイラ制御装置は、重油圧力、燃焼空気量、ドラム
水位、蒸気圧力、蒸気温度、炉内圧力等を監視し、外乱
による出力変動に対して、適正な範囲に収まるように制
御する。そのため、火力発電機の出力変化速度は定格出
力の1〜3%/分程度である。
【0022】また、発電機の出力は、中間出力よりも低
い場合(低出力帯と呼ぶ)には高い場合(高出力帯と呼
ぶ)に比べて出力変化速度が遅い傾向にある。
【0023】特に、夜間の場合には需要が低くなるの
で、従来技術のように需給制御によってELD制御を行
うと、火力発電機の出力は全体的に低くなり、低出力帯
となる。その結果、どの火力発電機も出力変化速度が遅
い傾向となり、追従性が不足すことになる。
【0024】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、ボイラ補機を適切に切替制御する電力系統監視制御
システムを提供することにある。
【0025】また、本発明の他の目的は、自動的にボイ
ラ補機の切替制御を行う一方、オペレータによる把握お
よび変更を可能とし、柔軟性および信頼性を富んだ電力
系統監視制御システムを提供することにある。
【0026】また、本発明の他の目的は、需要の変動性
に対して追従性を確保する電力系統監視制御システムを
提供することにある。
【0027】さらに、本発明の他の目的は、ボイラ補機
の切替制御に関する一連のプログラムを記録する記録媒
体を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、各発電機の制限値、所定時間ごとの予想
総需要および各発電機の現在出力値に基づいてELD計
算を行って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出
し、この出力予定値に従って各発電機の出力指令を出力
する電力系統監視制御システムにおいて、予め発電用ボ
イラのボイラ補機切替条件を設定する補機切替条件設定
手段と、このボイラ補機切替条件と各発電機の出力とを
用いて、短時間にボイラ補機の切替制御を複数回行わな
いように前記各発電機の制限値を制限するボイラ補機切
替抑制手段とを設け、さらに前記予想総需要から火力発
電機の大局的な出力調整方向を判定する出力調整方向判
定手段を設けた構成とする。
【0029】このような手段を講じことにより、予め設
定されたボイラ補機切替条件と発電機の発電出力の変化
範囲とを考慮し、発電機の制限値である上下限値を制限
することにより、火力発電用ボイラの補機切替を短時間
に複数回行なわないようになり、発電所の負担を大幅に
軽減できる。
【0030】また、大局的な出力調整方向にそって火力
発電機の発電出力調整が可能となり、不要なボイラ補機
の切替制御がなくなり、発電所の負担を軽減できる。
【0031】また、別の発明は、前記発明の構成に加
え、ボイラ補機の切替を制限したとき、所定時間ごとの
予想総需要、前記各発電機の現在出力値および前記EL
D計算により求めた各発電機の出力予定値から需給バラ
ンスが保てるかどうかを判定し、需給バランスが保てな
いとき前記ボイラ補機の切替を許容するように前記各発
電機の制限値を変更するボイラ補機切替許容手段を設け
ることにより、確実に需給バランスを確保することがで
きる。
【0032】また、別の発明は、前記発明の構成に加
え、発電機指令出力を監視し、この発電機指令出力とと
もにボイラ補機の切替指令が出力されたとき、発電機指
令出力を受ける発電機以外の発電機に対するボイラ補機
の切替えを行わないような前記制限値を設定し、前記以
外の発電機の出力調整を実行する発電機管理手段を設け
たことにより、複数の発電機が同時にボイラ補機の切替
を行うことがなくなり、電力運用上の安定化にも貢献す
る。
【0033】また、別の発明は、前記発明の構成に加
え、外部からボイラ補機の切替指定またはボイラ補機切
替時刻の指定を受けたとき、ボイラ補機切替条件に基づ
いて各発電機の上下限制限値を変更し、ボイラ補機の切
替に向けて出力調整を開始するとか、またはボイラ補機
切替指定時刻にボイラ補機の切替を行うように制御する
指定切替手段を設けたものである。
【0034】このような手段を講じたことにより、オペ
レータによる操作の反映を可能にでき、各種の制約条件
に対応でき、柔軟性に富んだものに実現できる。
【0035】さらに、別の発明は、前記発明の構成に加
え、ELD計算結果から得られた各発電機の出力予定値
からボイラ補機の切替を行う予定時刻を算出するボイラ
補機切替予定時刻算出手段と、この算出手段によって算
出されたボイラ補機切替予定時刻を表示し確認可能とす
るボイラ補機切替予定時刻出力手段とを設けたものであ
る。
【0036】このような手段を講じたことにより、制御
状況をオペレータに認識させることができ、系統の安定
性を確保できる。
【0037】また、記録媒体の発明は、ボイラ補機切替
処理を行うコンピュータに、各発電機の上下限制限値、
所定時間ごとの予想総需要および各発電機の現在出力値
に基づいてELD計算を行って所定時間先の各発電機の
出力予定値を算出するELD計算機能と、前記所定時間
ごとの予想総需要から火力発電機の大局的な出力調整方
向を判定する出力調整方向判定機能と、この出力調整方
向判定機能によって判定された大局的な出力調整方向に
反する発電用ボイラ補機の切替を制限するように前記各
発電機の上下限制限値を変更するボイラ補機切替抑制機
能とを実現させるためのプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体を提供するものである。
【0038】さらに、以上のようにボイラ補機の切替に
制限を加えた場合でも、前記所定時間ごとの予想総需
要、前記各発電機の現在出力値および前記ELD計算に
より求めた各発電機の出力予定値から需給バランスの有
無を判定し、需給バランスが保てないとき前記ボイラ補
機の切替を許容するように前記各発電機の上下限制限値
を変更するボイラ補機切替許容機能を加えたプログラム
を記録した記録媒体とすることにより、発電用ボイラ補
機の切替を適切に制限し、さらに需給バランスの観点か
ら制限を回避することが自動的に実現できる。
【0039】さらに、記録媒体に外部からボイラ補機の
切替指定またはボイラ補機切替時刻の指定を受けたと
き、前記ボイラ補機切替条件に基づいて前記各発電機の
上下限制限値を変更するプログラムを付加することによ
り、オペレータの操作を的確に反映させつつボイラ補機
の切替制御を実現できる。
【0040】また、別の発明は、各発電機の制限値、所
定時間毎の予想総需要および各発電機の現在出力値に基
づいてELD計算を行って所定時間先の各発電機の出力
予定値を算出し、この出力予定値に従って各発電機の出
力指令を出力する電力系統監視制御システムにおいて、
需要変動に対する追従性確保のための火力発電機および
当該火力発電機の追従性確保出力上・下限値とを指定す
る追従性確保指定手段と、前記発電機現在出力値と前記
指定された火力発電機の追従性確保出力上・下限値とを
比較し、当該発電機現在出力値が前記追従性確保出力上
・下限値内に入るような火力発電機の増分燃料費を設定
する追従性確保制御手段とを設け、この増分燃料費をE
LD計算時の火力発電機の選択に適用可能としたもので
ある。
【0041】この発明は、以上のような手段を講じたこ
とにより、追従性確保のための火力発電機および当該火
力発電機の追従性確保出力上・下限値を指定入力すれ
ば、発電機現在出力値と指定入力された火力発電機の追
従性確保出力上・下限値とを比較し、発電機現在出力値
が追従性確保出力上・下限値内に入るような火力発電機
の増分燃料費に調整設定し、この増分燃料費をELD計
算時の火力発電機の選択指標とするので、需要変動に合
わせて火力発電機の出力を有効に活用し、追従性を確保
することができる。
【0042】また、他の発明としては、所定の順序で順
次選択される火力発電機のトータル出力変化速度と予め
定める管理値とを比較し、トータル出力変化速度が管理
値を上回るまで選択される発電機を追従性確保用発電機
とし、これら追従性確保用発電機の追従性確保出力上・
下限値を決定し、前記追従性確保制御手段で用いるため
の追従性確保出力ファイルを作成する追従性確保選択手
段を設けることにより、予め定める管理値を満たすよう
に追従性を確保する発電機を自動的に選択しつつ需要制
御を行うことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる電力系統監
視制御システムの実施の形態について図面を参照して説
明する。 (第1の実施の形態)図1は本発明に係わる電力系統監
視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0044】この監視制御システムは、ELD(経済負
荷配分)の手法を用いてELD計算を実行するELD計
算処理部1と、このELD計算処理部1の計算結果に基
づいて発電出力調整および各種ボイラ補機の切替制御を
実行する出力制御部2と、この出力制御部2からの発電
出力調整指令に対し一定の条件の下にボイラ補機の切替
を制限する補機切替抑制部3とによって構成されてい
る。
【0045】前記ELD計算処理部1は、予想総需要フ
ァイル11、現在発電機出力ファイル12、制限値ファ
イル13、これらのファイルデータを用いて長期間EL
D計算および短期ELD計算を実行する長周期ELD計
算手段14および短周期ELD計算手段15、さらにE
LD計算手段14,15による計算結果データを格納す
る長周期ELD計算結果ファイル16および短周期EL
D計算結果ファイル17などで構成されている。
【0046】前記予想総需要ファイル11は、前もって
作成された所定時間ごとの予想総需要データを格納する
ファイルであって、図2に示す通りである。現在発電機
出力ファイル12は、各発電所から受信される現在の発
電機出力値を格納するファイルであって、図3に示すよ
うなデータ構成となっている。すなわち、各発電機ごと
のエリアが設けられ、各発電機ごとに現在出力値が記憶
されている。制限値ファイル13は、各発電機の上下限
値を格納するファイルであって、例えば図4に示すよう
に当日から翌日にかけて所定時間ごとに各発電機の可能
最大出力を示す上限値および可能最低出力を示す下限値
が設定されている。
【0047】なお、これらファイル12,13において
nは系統内の発電機数を意味する。前記長周期ELD計
算手段14および短周期ELD計算手段15は、動作の
説明の項で詳記する。
【0048】前記長周期ELD計算ファイル16は、長
周期ELD計算結果手段14によって計算された各発電
機の出力予定値を格納するファイルであって、例えば図
5に示すように当日から翌日にかけて所定時間ごとに各
発電機の出力予定値が計算され格納される。短周期EL
D計算ファイル17は、短周期ELD計算結果手段15
で計算された各発電機の出力予定値を格納するファイル
であって、例えば図6に示すように短周期例えば5分ご
との先の各発電機の出力予定値が計算され格納される。
【0049】前記出力制御部2は、所要とする周波数
(例えば東日本では50Hz)と系統内の指定部分から
受信された現在周波数との偏差を格納する周波数偏差フ
ァイル21、所定時間ごとに起動し短周期ELD計算結
果ファイル17の各発電機の出力予定値をもとに各発電
機に発電出力調整の指令値を作成し出力する定時出力手
段22、予め計画通りの出力を出す,いわゆるスケジュ
ール運転を行う発電機に対して発電出力調整指令値を作
成し出力するスケジュール制御手段23、系統周波数が
予め定めた上下限周波数を逸脱したときに発電力の過不
足分を算出し出力する緊急制御手段24、オペレータが
手動にて発電機の出力変更などの操作を行うマンマシン
インターフェースとしての役割をもつ手動制御出力手段
25、各手段22〜25の指令値を統合し出力指令を送
信する発電機制御手段26および自動周波数制御手段2
7等で構成されている。
【0050】前記補機切替抑制部3は、予想総需要ファ
イル11のファイルデータから火力発電機の大局的調整
方向を判定する出力調整方向判定手段31と、図7に示
すような各発電機に対応するボイラのボイラ補機切替条
件を格納するボイラ補機切替条件ファイル32と、ボイ
ラ補機切替条件に拘らず出力調整方向判定手段31で判
定される大局的調整方向に反する方向のボイラ補機の切
替を制限するボイラ補機切替抑制手段33とが設けられ
ている。
【0051】次に、以上のようなシステムの動作を説明
するに先立ち、従来周知の長周期ELD計算手段14お
よび短周期ELD計算手段15のELD計算例について
説明する。 (1) 長周期ELD計算について(図8参照)。
【0052】長周期ELD計算手段14は、例えば30
分毎に1回起動し、予想総需要ファイル11、現在発電
機出力ファイル12および制限値ファイル13から必要
なファイルデータを読み込み、現在の各発電機の発電機
出力を合計する(S1)。そして、現在時刻の予想総需
要と現在発電機出力合計値との発電機出力差を算出した
後、各時刻の予想総需要データから前記発電機出力差を
加算または減算し、つまり予想総需要の平行移動を行う
ことにより補正する(S2)。この補正後の予想総需要
データから火力以外の発電機の出力を差し引き、火力分
担分合計値を算出し(S3)、ステップS4に移行す
る。
【0053】このステップS4は、ステップS5〜S8
の処理を予想総需要データの存在する最後の時刻まで繰
り返す処理することを意味する。このステップS5〜S
8は、Lagrangeの未定乗数法を用いて従来例で述べたよ
うに等増分燃料費法の関係式を解くことにより、ELD
計算を行うロジックである。すなわち、電子計算機上の
プログラムでは、未定乗数λを2分法によって変化させ
ていき、総発電量と予想総需要との差が規定された収束
範囲に収まった場合の未定乗数λをもって解とする。
【0054】今、各火力発電機に関し、燃料費F(P)
が(1)式で表されるものと仮定すれば、各火力発電機
の出力値Pは(2)式から求めることができる。
【0055】 F(P)=a+bP+cP2 ……(1) P=(λ−b)/2c ……(2) このようにして得られた火力発電機の出力値Pを火力発
電機分合計し、火力分担分合計値と比較する。但し、前
記(2)式で得られる各発電機の出力値はその発電機の
上限値を越えている場合にはその出力値P=上限値、下
限値を下回っている場合にはその出力値P=下限値とし
て計算する。
【0056】ステップS9では、長周期ELD計算手段
14で得られた計算結果を長周期ELD計算結果ファイ
ル16に格納する。
【0057】以上のような手順に従って処理することに
より、図5に示すように少くとも当日分の5分ごとの発
電機出力予定値を作成し、長周期ELD計算結果ファイ
ル16に格納する。 (2) 短周期ELD計算について(図9参照)。
【0058】短周期ELD計算手段15は、例えば5分
ごとに1回起動し、現在発電機出力ファイル12、制限
値ファイル13および長周期ELD計算結果ファイル1
6から必要なファイルデータを読込んだ後(S11)、
発電機ループに関し(S12)、ステップS13,S1
4を実行する。ステップS13はステップS14を現在
時刻から30分先の時刻まで繰り返し処理することを意
味する。ステップS14では、各発電機の現在出力値か
ら長周期ELD計算結果の出力予定値に近づける方向に
発電機の出力を変化させる。但し、前述する上下限値を
逸脱するような調整は行わないこと、また各発電機のも
つ出力変化速度を上回る速度での調整は行わない。
【0059】ステップS15では短周期ELD計算手段
15の計算結果である各発電機の出力予定値を短周期E
LD計算結果ファイル17に格納する。
【0060】よって、以上のような手順に従って処理す
ることにより、30分先まで5分毎の発電機出力予定値
を作成できる。なお、1分毎に出力予定値を作成しても
よい。 (3) 上記以外の概略動作について。
【0061】以上のようにして短周期ELD計算結果フ
ァイル17には5分毎の発電機出力予定値が格納されて
いるが、定時出力手段22では、例えば1分毎に起動
し、ファイル17に格納されている各発電機の出力予定
値をもとに各発電機の発電出力調整指令値を作成し出力
し、またスケジュール制御手段23では、予め計画通り
の運転を行う発電機に対し発電出力調整指令値を作成し
出力する。
【0062】一方、緊急制御手段24では、周波数偏差
ファイル21に記憶される周波数偏差をもとに、系統周
波数が一定の上下限値を逸脱していないか、同一方向に
一定時間以上の偏差をもっていないかを監視する。異常
状態となった場合には必要な発電力の過不足を算出し出
力する。
【0063】さらに、手動制御出力手段25では、発電
機制御手段26に入力される指令値の画面表示に基づ
き、オペレータから発電機の出力変更指示を受けたと
き、要求に従って指令値を変更し出力する。発電機制御
手段26は、各手段22,23,24,25で作成され
る指令値を統合し各発電機に指令出力を送信する。一
方、自動周波数制御手段27は、周波数偏差ファイル2
1に格納された周波数偏差を監視し、周波数偏差がなく
なる方向に発電機制御手段26で作成された指令出力を
補正する。
【0064】本監視制御システムは、原則的には以上の
ような手順に従って需給制御の処理を実行するが、ボイ
ラ補機の切替えにあたっては次の(4)項に記載する制
限を設けるものである。 (4) 本発明システムの要部となる補機切替抑制部3
の動作について。
【0065】予想総需要ファイル11には図2に示すよ
うに所定時間毎の予想総需要値が格納されているが、出
力調整方向判定手段31では、かかる予想総需要データ
を解析し、予想総需要の変化から火力発電機の大局的な
調整方向が上げ方向であるか下げ方向であるかを判定す
る。なぜならば、供給すべき電力量の調整方向もこれに
一致するはずだからである。
【0066】このようにして判定された大局的な調整方
向データがボイラ補機切替抑制手段33に送ると、ボイ
ラ補機切替抑制手段33では調整方向データに基づいて
次のような制限値を設け、調整方向に反する方向の調整
を制限する。
【0067】(a) 予想総需要の変化方向が上げ方向
の場合。
【0068】上げ方向のボイラ補機の切替が行われたと
き、ボイラ補機切替出力値よりも上側の出力を下限値に
セットし、それ以後、下限値よりも下側となる調整は行
わないようにする。
【0069】(b) 予想総需要の変化方向が下げ方向
の場合。
【0070】下げ方向のボイラ補機切替が行われたと
き、ボイラ補機切替出力値よりも下側の出力を上限値に
セットし、それ以後、上限値よりも上側となる調整は行
わないようにする。
【0071】さらに、補機切替抑制部3について詳細に
説明する。
【0072】先ず、出力調整方向判定手段31について
図10ないし図12を参照して説明する。
【0073】この出力調整方向判定手段31は、予想総
需要ファイル11から予想総需要データを読み込み(S
21)、現在時刻以降から一番最初に存在する予想総需
要値の変極点,つまり変化傾向が増加から減少または減
少から増加に変わる点を探し、その変極点の予想総需要
値を保存する(S22)。但し、ファイル11の最後ま
で変極点が存在しない場合にはファイル11の最後の予
想総需要値を保存する。
【0074】次に、ステップS23においては、現在時
刻以前に存在する変極点を探して保存する。但し、ファ
イル11の最初まで変極点が存在しない場合にはファイ
ル11の最初の予想総需要値を保存する。
【0075】以上のようにして2つの予想総需要値を保
存した後、これら保存した2つの値を比較し、予想需要
値が大局的に上げ方向であるか下げ方向であるかを判定
する。この大局的出力調整方向は予想総需要値の変化方
向に一致するため、判定結果として同一の方向をセット
する(S24)。
【0076】因みに、予想総需要ファイル11に格納さ
れた予想総需要値に関し、出力調整方向判定手段31に
よる判定結果を考慮すると、図11に示すようなデータ
列となる。図12はグラフで表した例である。すなわ
ち、現在時刻から+方向に進みながら変極点を探してい
くと、12:00を境に予想総需要値の変化傾向が増加
から減少に変わっている。よって、12:00の予想総
需要値5000万kwを変極点aとして記憶する。一
方、今度は現在時刻から逆方向である−方向へ変極点を
探していく。すると、4:00を境に変化傾向が減少か
ら増加へと変化している。よって、4:00の予想総需
要値3000万kwを変極点bとして記憶する。
【0077】しかる後、変極点a=5000万kwと変
極点b=3000万kwとを比較すると、変極点aの方
が大きい。過去よりも未来の値の方が大きいので、現在
の大局的な出力調整方向は上げ方向であると判定する。
【0078】次に、図13を用いて、ボイラ補機切替抑
制手段33による制限値の作成例を説明する。なお、な
お、同図は横軸に時間をとり、縦軸に火力発電機出力を
とり、そのうち同図(a)は上げ方向に対する下限値の
作成、同図(b)は下げ方向に対する上限値の作成例を
示している。
【0079】本来、発電機出力は連続値であるが、電気
事業者の運用では離散的に扱う場合がある。本実施の形
態では、離散的に扱う方式に対して適応した例を説明す
る。
【0080】同図において縦軸のNO.1〜8に対応す
る発電出力値は発電機に対する指令値として使用するも
のとする。ここでは、このNO.をステップと呼ぶこと
とし、例えばNO.1の発電出力を第1ステップと呼ぶ
こととする。
【0081】今、ボイラ補機切替条件ファイル32のボ
イラ補機切替条件が例えば「ボイラ補機切替出力=第5
ステップの出力」である火力発電機について、当該発電
機の発電出力が第4ステップ〜第6ステップの間で変化
する場合について考えてみる。
【0082】図13(a)に示すように、出力調整方向
判定手段31の判定方向が上げ方向である場合、発電機
制御手段26から発電出力調整指令の他、第5ステップ
のボイラ補機切替出力指令が出力されているとき、ボイ
ラ補機切替抑制手段33は、ボイラ補機切替条件である
第5ステップの出力よりも上側の発電機の発電出力であ
る第4ステップを下限値とし、制限値ファイル13に格
納する。以後、長周期ELD計算手段14、短周期EL
D計算手段15において各発電機の出力予定値を算出す
る際、制限値ファイル13に格納された制限値を参照
し、第4ステップよりも低い発電出力を作成しないよう
にする。
【0083】一方、図13(b)に示すように出力調整
方向判定手段31の判定方向が下げ方向である場合、発
電機制御手段26からボイラ補機切替出力である第5ス
テップのボイラ補機切替出力指令が出力されていると
き、ボイラ補機切替抑制手段33は、上記とは逆の原理
に基づき、ボイラ補機切替条件である第5ステップの出
力よりも下側の発電機の発電出力である第6ステップを
上限値とし、制限値ファイル13に格納する。よって、
以後,長周期ELD計算手段14、短周期ELD計算手
段15は各発電機の出力予定値を算出する際、制限値フ
ァイル13に格納された上限値を参照し、第6ステップ
よりも高い発電出力を作成しないようにする。
【0084】さらに、ボイラ補機切替抑制手段33は、
出力調整方向判定手段31による方向判定と発電出力調
整指令の方向とが異なる場合には、制限値の作成を行わ
ない。
【0085】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、ボイラ補機切替抑制手段33を設け、予め設定され
たボイラ補機切替条件と発電機の発電出力の変化範囲を
参照しつつ制限値ファイル13の上下限値を制限するこ
とにより、火力発電用ボイラのボイラ補機の切替を短時
間に複数回行わないように制限できる。
【0086】また、出力調整方向判定手段31を用いて
火力発電機の大局的な出力調整方向を判定し、この大局
的な出力調整方向に反する火力発電用ボイラのボイラ補
機の切替を制限するので、必要のないボイラ補機の切替
を行う必要がなくなり、発電所の負担を大幅に軽減で
き、さらに各火力発電機の発電出力調整を適切に実施で
きる。 (第2の実施の形態)図14は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0087】なお、同図において図1と同一構成・機能
部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0088】この監視制御システムは、図1に示す構成
に、需給バランスを判定する需給バランス判定手段41
と、この需給バランス判定手段41の判定結果に基づい
て制限値ファイル13の制限値を修正するボイラ補機切
替許容手段42とを追加した構成である。
【0089】具体的には、需給バランス判定手段41
は、予想総需要ファイル11、現在発電機出力ファイル
12、短周期ELD計算結果ファイル17のファイルデ
ータを読み込み、予想総需要ファイル11の補正後の現
在時刻の予想総需要値と短周期ELD計算結果ファイル
17の現在の発電機出力値の合計値とを比較し、需給バ
ランスが保たれているか否かを判定し、万一バランスが
崩れている場合、回復させるために供給の増加が必要な
のか、供給の減少が必要なのかを判定し、この判定結果
を用いてボイラ補機切替許容手段42を起動する。
【0090】このボイラ補機切替許容手段42は、供給
の増加が必要な場合には上限値の存在する火力発電機の
うち最も燃料費の安い発電機の上限値を制限値ファイル
13から削除し、一方、供給の減少が必要な場合には下
限値の存在する火力発電機のうち最も燃料費の高い発電
機の下限値を制限値ファイル13から削除する。
【0091】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、ボイラ補機切替抑制手段33によりボイラ補機の切
替を所要の条件のもとに制限したが、予想総需要ファイ
ル11の補正後の予想総需要値と短周期ELD計算結果
ファイル17の現在の発電機出力値の合計値とから需給
バランスが保てない場合には出力調整方向とは反対方向
のボイラ補機であっても切替を実行するので、確実に需
給バランスを確保可能となる。 (第3の実施の形態)図15は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0092】なお、同図において図1と同一構成・機能
部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0093】この監視制御システムは、図1に示す構成
部分であるボイラ補機切替条件ファイル32と発電機制
御手段26の出力ラインとの間に同一中操発電機管理手
段51を設けた構成である。
【0094】この同一中操発電機管理手段51は、ボイ
ラ補機切替条件ファイル32のファイルデータを読み込
み、発電機に対する指令出力を監視する機能をもってい
る。具体的には、発電機の指令出力の監視結果、ボイラ
補機切替出力に向けての指令が出力された場合、その発
電機を操作している中央操作室で操作されているその他
の発電機に対し、ボイラ補機の切替を行わない方向で上
限値もしくは下限値を作成し、制限値ファイル13に格
納する。つまり、ボイラ補機切替出力値よりも高い出力
の場合には、ボイラ補機切替出力のステップよりも1段
高いステップに下限値を作成し、ボイラ補機切替出力値
よりも低い出力の場合、ボイラ補機切替え出力のステッ
プよりも1段低いステップに上限値を作成し、それぞれ
ファイル13に格納する。また、対象発電機のボイラ補
機の切替が終了した時点では、作成した制限値を制限値
ファイル13から削除する。
【0095】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、ボイラ補機切替条件ファイル32のファイルデータ
を読み込んだ後、ボイラ補機切替出力に向けての指令が
出力された場合には、その発電機を操作している中央操
作室で操作されているその他の発電機に対し、ボイラ補
機の切替を行わない方向で上限値もしくは下限値を作成
し、制限値ファイル13に格納するので、同一中央操作
室で操作される複数の発電機が同時にボイラ補機の切替
を行うことがなくなり、電力運用上の安定化にも貢献す
る。 (第4の実施の形態)図16は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0096】なお、同図において図1と同一構成・機能
部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0097】この監視制御システムは、図1に示す構成
に、キーボード,マウスなどの種々の入力機器を備えた
ボイラ補機指定切替入出力手段25aおよびボイラ補機
指定切替手段61を追加した構成である。
【0098】このボイラ補機指定切替入出力手段25a
は、オペレータからの入力指示に基づいて画面上にボイ
ラ補機切替指定を表示するとともに、ボイラ補機指定切
替手段61を起動する。このボイラ補機指定切替手段6
1は、ボイラ補機切替条件ファイル32を参照し、制限
値ファイル13の上限値、下限値にボイラ補機切替出力
値をセットし、また指令出力に基づいてボイラ補機切替
出力値に向けての指令が出力された時点で前記制限値フ
ァイル13からセットした上限値および下限値を削除す
る。
【0099】この実施の形態によれば、オペレータから
ボイラ補機切替の指定があったとき、その指定された火
力発電機に関し、速やかにボイラ補機を切替させること
ができる。 (第5の実施の形態)図17は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0100】なお、同図において図1と同一構成・同一
機能部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略す
る。
【0101】この監視制御システムは、図1に示す構成
に、キーボード,マウスなどの種々の入力機器を備えた
ボイラ補機指定時刻切替表示手段25bと、ボイラ補機
切替指定時刻ファイル71と、ボイラ補機指定時刻切替
手段72とを追加した構成である。
【0102】このボイラ補機指定時刻切替表示手段25
bは、オペレータがボイラ補機切替指定時刻を入力する
と、画面上にそのボイラ補機切替指定時刻を表示し、こ
こで確認操作がなされるとボイラ補機切替指定時刻ファ
イル71に格納し、ボイラ補機指定時刻切替手段72を
起動する。
【0103】この起動されたボイラ補機指定時刻切替手
段72は、ボイラ補機切替指定時刻ファイル71を参照
し、ボイラ補機切替指定時刻にボイラ補機切替出力値と
なるように、図18に示すように後退型の制限値を作成
し制限値ファイル13に格納する。これにより、指定さ
れた時刻にボイラ補機の切替が行われることになる。
【0104】このような実施の形態によれば、オペレー
タがボイラ補機切替指定時刻を入力すると、ボイラ補機
切替指定時刻にボイラ補機切替出力値となるような制限
値を作成し制限値ファイル13に格納するので、ボイラ
補機切替指定時刻にボイラ補機の切替を行うことが可能
となる。 (第6の実施の形態)図19は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの一実施の形態を示す構成図である。
【0105】なお、同図において図1と同一構成・機能
部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0106】この監視制御システムは、図1に示す構成
に、ボイラ補機切替予定時刻算出手段81、ボイラ補機
切替予定時刻ファイル82およびボイラ補機切替予定時
刻表示手段25cを追加した構成である。
【0107】前記ボイラ補機切替予定時刻算出手段81
は、長周期ELD計算結果ファイル16、短周期ELD
計算結果ファイル17およびボイラ補機切替条件ファイ
ル32のファイルデータを参照し、出力予定値とボイラ
補機切替出力値とが交差する時刻をボイラ補機切替予定
時刻として算出し、ボイラ補機切替予定時刻ファイル8
2に格納する。なお、出力予定値は、基本的には短周期
ELD計算結果ファイル17の値を用いるが、当該ファ
イル17には30分先までの値しか存在しないので、そ
れ以降の時刻については長周期ELD計算結果ファイル
16に格納された値を用いる。
【0108】ボイラ補機切替予定時刻表示手段25c
は、オペレータから表示要求があったとき、ボイラ補機
切替予定時刻ファイル82に格納された時刻を参照し、
図20に示すように画面に表示する。同図(a)はボイ
ラ補機指定切替画面のイメージ、同図(b)はボイラ補
機指定時刻切替画面のイメージ、同図(c)はボイラ補
機切替予定時刻画面のイメージである。
【0109】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、出力予定値とボイラ補機切替出力値とからボイラ補
機切替予定時刻を算出し、ボイラ補機切替予定時刻ファ
イル82に格納するので、ボイラ補機切替予定時刻をオ
ペレータに提示することができる。 (記憶媒体の発明の実施の形態)図21は記録媒体をも
った電力系統監視制御ステムの一実施の形態を示す構成
図である。
【0110】このシステムは、図1と同様に予想総需要
ファイル11、現在発電機出力ファイル12、制限値フ
ァイル13、長周期ELD計算結果ファイル16、短周
期ELD計算結果ファイル17およびボイラ補機切替条
件ファイル32などが用いられ、これらファイル11,
…には図1と同様のデータが格納されている。なお、こ
れらファイル11,…のうち任意の1つ以上のファイル
のデータは記録媒体91に格納してもよい。
【0111】この記録媒体91には後述する図22ない
し図24に示すようなプログラムが記録されている。こ
の記録媒体91は、CD−ROMが用いられるが、この
CD−ROM以外に例えば磁気テープ、DVD−RO
M、フロッピーディスク、MO、MD、CD−R、メモ
リカードなどを用いてもよい。
【0112】92はマンマシンインターフェースとして
の入出力装置であって、具体的には前述した手動制御出
力手段25、ボイラ補機指定切替入出力手段25a、ボ
イラ補機指定時刻切替表示手段25bおよびボイラ補機
切替予定時刻表示手段25cと同様の機能をもつもので
ある。
【0113】93はCPUによって構成されているボイ
ラ補機切替処理部であって、これは記録媒体91に記録
されるプログラムを読み取って図22ないし図24に示
すような一連の処理を実行する。
【0114】図22はボイラ補機切替処理部93の1つ
の処理例を説明する図である。
【0115】このボイラ補機切替処理部93は、記録媒
体19に記録されるプログラムを読み込み、このプログ
ラムに従って予想総需要ファイル11、現在発電機出力
ファイル12および制限値ファイル13のファイルデー
タを読み込み(S31)、長周期ELD計算を行う(S
32)。この長周期ELDの計算については、既に図1
において述べているが、各発電機の現在発電出力の合計
値を求めた後、現在時刻の予想総需要と現在発電機出力
合計値との出力差を算出し、この出力差を現在時刻以降
の予想総需要データに平行移動的に加減算し補正し、所
定時間ごとの各発電機の出力予定値を算出し、長周期E
LD計算結果ファイル16に格納する。なお、このと
き、Lagrangeの未定乗数法を用いて等増分燃料費法の関
係式を解くことおよび火力発電分担分を考慮して所定時
間ごとの各発電機の出力予定値を算出する。
【0116】しかる後、現在発電機出力ファイル12、
制限値ファイル13および長周期ELD計算結果ファイ
ル16のファイルデータを読み込み(S33)、短周期
ELD計算を実行する(S34)。ここでは、例えば3
0分先まで各発電機の現在発電出力値が長周期LED計
算結果に近づく方向に各発電機の出力を調整した出力予
定値を算出し、短周期LED計算結果ファイル17に格
納する。このとき、少くとも制限値ファイル13の上下
限値を逸脱するような調整を行わない。
【0117】以上のようにして30分先までの各発電機
の出力予定値を求めたならば、この出力予定値通りのス
ケジュールに従って該当発電機に指令出力を送信するが
(S35)、このときボイラ補機切替指令が出力された
とき(S36)、予想総需要ファイル11のファイルデ
ータを解析し、予想需要の変化から前述したように大局
的な調整方向,つまり上げ方向か、下げ方向かを判定す
る(S37)。
【0118】しかる後、大局的な調整方向と発電機の出
力予定値の変化とボイラ補機切替条件ファイル32のボ
イラ補機切替条件とを考慮し、制限値ファイル13の上
下限値を制限する(S37,S39)。今、前述する図
13に示すように、ボイラ補機切替条件ファイル32の
ボイラ補機切替条件が例えば「ボイラ補機切替出力=第
5ステップの出力」である火力発電機について、発電機
の出力が第6ステップ〜第4ステップまで変化が生じた
場合について考えて見る。このとき、図13aに示すよ
うに、調整判定方向が上げ方向であり、かつ、ボイラ補
機切替出力である第5ステップへの指令が出力されてい
る場合、第4ステップを下限値とし、制限値ファイル1
3に格納する。以後、長周期ELD計算および短周期E
LD計算において各発電機の出力予定値を算出する際、
制限値ファイル13に格納された制限値を参照し、第4
ステップよりも低い出力を作成しないことになる。
【0119】図13(b)は、下げ方向の判定であり、
かつ、ボイラ補機切替出力である第5ステップへの指令
が出力されている例である。上記とは逆の原理に基づ
き、第6ステップよりも高い出力を作成しないことにな
る。
【0120】なお、以上のような一連の処理は各発電機
について行う(S40)。
【0121】図23はボイラ補機切替処理部93の他の
処理例を説明する図である。
【0122】このボイラ補機切替処理部93は、記録媒
体19に記録されるプログラムを読み込み、このプログ
ラムに従って処理するが、ステップS41〜S49まで
の処理は図22のステップS31〜S39と同様である
のでその説明に譲り、ここではステップS48,S49
でボイラ補機切替の制限を付したが、この制限後に補機
切替許容か否かを判断する(S50)。この補機切替許
容か否かの判断は、予想総需要ファイル11、現在発電
機出力ファイル12、短周期ELD計算結果ファイル1
7のファイルデータを読み込み、予想総需要ファイル1
1の補正後の現在時刻の予想総需要値と短周期ELD計
算結果ファイル17の現在の発電機出力値の合計値とを
比較し、需給バランスが保たれているか否かを判定し、
万一バランスが崩れている場合、回復させるために供給
の増加が必要なのか、或いは供給の減少が必要なのかを
判定する。供給の増加が必要な場合には上限値の存在す
る火力発電機のうち最も燃料費の安い発電機の上限値を
制限値ファイル13から削除し、一方、供給の減少が必
要な場合には下限値の存在する火力発電機のうち最も燃
料費の高い発電機の下限値を制限値ファイル13から削
除するものである。
【0123】図24はボイラ補機切替処理部93のさら
に他の処理例を説明する図である。このボイラ補機切替
処理部93は、記録媒体19に記録されるプログラムを
読み込み、このプログラムに従って処理するが、ステッ
プS61〜S69までの処理は図22のステップS31
〜S39と同様であるのでその説明に譲り、ここではボ
イラ補機の切替に制限を付した後、オペレータから各種
の指定変更が有ったか否かを判断する(S70)。ここ
で、指定変更とは、例えば図16において説明したボイ
ラ補機指定切替や図17において説明したボイラ補機の
切替指定時刻を意味する。
【0124】ボイラ補機指定切替の場合には、オペレー
タからボイラ補機切替指定が入力されると、ボイラ補機
切替条件ファイル32を参照し、上限値、下限値ともボ
イラ補機切替出力値として制限値ファイル13にセット
し、また指令出力に基づいてボイラ補機切替出力値に向
けての指令が出力された時点で前記制限値ファイル13
にセットした上限値および下限値を削除する動作を行
う。
【0125】一方、ボイラ補機の切替指定時刻について
は、オペレータからボイラ補機切替指定時刻が入力され
ると、このボイラ補機切替指定時刻にボイラ補機を切替
るような後退型の制限値(図18参照)を作成し制限値
ファイル13に格納する。
【0126】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、ボイラ補機切替制御部93が記録媒体91に記録さ
れるプログラムを読み取ることにより、図22ないし図
24のような処理を実行できる。
【0127】すなわち、図22に示すような一連の処理
を実行することにより、予測総需要の変化を考慮しつつ
調整方向を判定し、その調整方向に基づいてボイラ補機
の切替を実施可能とするので、記録媒体91に記録され
るプログラムを読み取り処理することにより、不要なボ
イラ補機の切替がなくなり、発電所の負担軽減に役立
つ。
【0128】また、図23に示すような一連の処理を実
行することにより、予測総需要の変化から判定した調整
方向に基づいてボイラ補機の切替を制限するが、需給バ
ランスが崩れているときには調整方向に反するボイラ補
機の切替も実施するので、記録媒体91に記録されるプ
ログラムを読み取り処理することにより、確実に需給バ
ランスを確保できる。
【0129】さらに、図24に示すような一連の処理を
実行することにより、オペレータの所望とする指示に基
づいて制限値を変更しボイラ補機の切替を行うので、記
録媒体91に記録されるプログラムを読み取り処理する
ことにより、ボイラ補機の切替に際し柔軟に対処でき、
電力系統の運用上からも有用なものとなる。 (第7の実施の形態)図25は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0130】なお、同図において図1と同一構成・機能
部分には同一符号を付し、その詳しい説明は省略する。
【0131】この監視制御システムは、図1に示す構成
から補機切替抑制部3を除去する一方、図1に示す構成
に新たに追従性確保制御部10を設けたことにある。
【0132】この監視制御システムは、ELD計算処理
部1、出力制御部2および追従性確保制御部10とによ
って構成され、そのうちELD計算処理部1は図1と同
様に、前もって作成される予想総需要を格納する予想総
需要ファイル11、各発電所から受信される現在の発電
機出力値を格納する現在発電機出力ファイル12、各発
電機の上・下限値を格納する制限値ファイル13、長周
期ELD計算手段14、短周期ELD計算手段15、前
記長周期ELD計算手段14の計算によって算出される
各発電機の出力予定値を格納する長周期ELD計算結果
ファイル16、前記短周期ELD計算手段15によって
算出される所定時間例えば5分ごとの各発電機の出力予
定値を格納する短周期ELD計算結果ファイル17が設
けられている。
【0133】前記出力制御部2は、例えば1分ごとに起
動され、ファイル17に格納される各発電機の発電出力
調整指令値を作成し出力する定時出力手段22、オペレ
ータから発電機の出力変更指示を受けたとき、要求に従
って指令値を変更出力する手動制御出力手段25および
各手段22,25によって得られる指令値を統合し各発
電機に指令出力を送信する発電機制御手段26によって
構成されている。
【0134】一方、追従性確保制御部10は、図26に
示す火力発電機指定用画面101aが表示され、追従性
を確保するための火力発電機名および上・下限値を指定
入力する追従性確保指定入力手段101と、この追従性
確保指定入力手段101からの入力指定内容に基づいて
追従性を確保するために使用する火力発電機を決定し、
当該火力発電機の上・下限値を指定出力する追従性確保
指定手段102と、この追従性確保指定手段102から
指定出力される火力発電機の上・下限値を該当火力発電
機に対応する追従性確保出力上・下限値エリアにファイ
リングする追従性確保出力ファイル103と、この追従
性確保出力ファイル103の追従性確保出力上・下限値
と現在発電機出力値との大小関係から、短周期ELD計
算のための火力発電機の模擬的増分燃料費を定め、短周
期ELD計算手段15に設定する追従性確保制御手段1
04とによって構成されている。
【0135】なお、前記ELD計算処理部1を構成する
ファイル11には図2、ファイル12には図3、ファイ
ル13には図4、ファイル16には図5、ファイル17
には図6に示すようなデータがそれぞれ格納されてい
る。
【0136】また、追従性確保出力ファイル103には
図27に示すように追従性確保対象となる火力発電機の
追従性確保出力上・下限値データが格納される。つま
り、追従性確保指定入力手段101の画面の所定エリア
に火力発電機名および上・下限値を指定入力すると、追
従性確保出力ファイル103に指定入力された火力発電
機の上・下限値が格納されるが、例えば図26のように
上・下限値欄がブランクの場合には、対象外の発電機と
し、追従性確保出力ファイル103の追従性確保出力上
・下限値エリアには0が保存される。
【0137】次に、以上のように構成されたシステムの
動作を説明する。
【0138】なお、長周期ELD計算処理は前述する図
8の説明に譲ることとし、以下、短周期ELD計算手段
15の計算処理について図28を参照して説明する。
【0139】この短周期ELD計算手段15は、所定の
周期(例えば5分ごと)に起動し、予想総需要ファイル
11、現在発電機出力ファイル12、制限値ファイル1
3、長周期ELD計算結果ファイル16の各ファイルデ
ータを読み込み(S81)、5分先の時刻から30分先
の時刻まで繰り返し、以下の処理(S82〜S85)を
実行する。つまり、ステップS83では、現在計算対象
としている時刻とその5分先の時刻との予想総需要の差
を求め、この差をXとする。
【0140】しかる後、現在発電機出力から長周期EL
D計算結果に近づける方向に発電機出力を変化させる。
この出力変化とは、出力上げ方向の場合には増分燃料費
の安い発電機、出力下げ方向の場合には増分燃料費の高
い発電機を1台選択し、発電機の出力調整を行う。但
し、制限値ファイル13の上・下限値を逸脱するような
調整は行わない。また、各発電機のもつ出力変化速度を
上回る速度での調整は行わない。
【0141】次のステップS85においては、ステップ
S84の調整結果の累計がXを越えるかどうかを判定
し、越えない場合にはステップS84の処理を繰り返
す。これによって、Xを越える分の発電機の出力調整が
行われる。そして、この発電機出力調整された計算結果
が短周期ELD計算結果ファイル17に格納する。
【0142】以上のような一連の処理を繰り返すことに
より、30分先まで1分毎の発電機出力予定値を作成す
る(S87)。
【0143】なお、定時出力手段22は、1分毎に起動
し、短周期ELD計算結果ファイル17に格納された各
発電機の出力予定値をもとに発電機に送信する指令値を
作成する。手動制御出力手段25は、オペレータから発
電機の出力変更指示を受けると、その要求に従って指令
値を出力する。発電機制御手段26は、定時出力手段2
2および手動制御出力手段25によって作成された指令
値を統合し、実際の発電機の指令値とする。
【0144】従って、以上のような手順に従って需給制
御を行うことになる。
【0145】次に、本発明システムの特徴とする追従性
確保制御部10の動作について図29を参照して説明す
る。
【0146】先ず、追従性確保指定入力手段101で
は、図26に示す火力発電機指定画面101aが表示さ
れ、当該画面上に追従性確保のための火力発電機名およ
びその上・下限値を設定すると、追従性確保指定手段1
02ではその設定された追従性確保のための火力発電機
に関するデータを取り込んで追従性確保出力ファイル1
03に格納する。
【0147】この状態において追従性確保制御手段10
4は、図29に示すように現在発電機出力ファイル12
および追従性確保出力ファイル103の各ファイルデー
タを読み込み(S91,ファイルデータ読込み機能)、
各発電機に対して追従性確保のための処理となる現在発
電機出力値Aと追従性確保出力上・下限値B,Cとの関
係ををチェックする(S92〜S97)。つまり、ステ
ップS93では、追従性確保出力ファイル103の各発
電機に対して追従性確保出力上・下限値が0であるか否
かをチェックし、該当火力発電機が追従性確保発電機の
対象であるか対象外であるかを判定する(判定機能)。
【0148】ここで、火力発電機が追従性対象発電機で
ある場合、「現在発電機出力値A<追従性確保出力下限
値B」の関係にあるか否かを判断し(S94)、関係成
立の場合には火力発電機の増分燃料費を疑似的に最低
(例えば0)に設定する(S95,増分燃料費決定機
能)。
【0149】一方、関係不成立の場合には、ステップS
96に移行し、ここで「現在発電機出力値A>追従性確
保出力上限値C」の関係にあるか否かを判断する。関係
成立の場合には火力発電機の増分燃料費を疑似的に最高
(例えば99999)に設定する(S97,増分燃料費
決定機能)。
【0150】そして、以上のようにして設定された火力
発電機の疑似的増分燃料費は、短周期ELD計算手段1
5の一連の処理を表す図28のうち、ステップS84の
処理に用いられる。
【0151】さらに、追従性確保出力ファイル103に
格納される全部発電機について処理完了か否かを判断し
(S99)、未完了の場合にはステップS92に戻り、
同様の処理を繰り返し実行する。
【0152】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、予め外部から指定入力された追従性確保の対象とな
る発電機について、当該発電機の追従性確保出力上・下
限値と現在発電機出力値とを比較し、現在発電機出力値
が追従性確保出力上・下限値の外にあるとき、その上・
下限値の中に収まる方向に火力発電機の増分燃料費を調
整設定するので、短周期ELD計算手段15では増分燃
料費を考慮しつつ発電機を選択し、現在発電機出力が追
従性確保出力上・下限値内に入るように追従性をもたせ
た制御を実行でき、さらに前記上・下限値が出力変化速
度の速い出力帯に設定することにより、追従性を確保で
きる。 (第8の実施の形態)図30は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0153】なお、同図において図1および図25と同
一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳しい説明
は省略する。
【0154】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、追従性データ入力手段105および追従性確保選択
手段106を追加してなる構成である。
【0155】この追従性データ入力手段105は、追従
性確保指定入力手段101とは別個または同じ入出力表
示系が使用され、図31に示すような追従性データ入力
画面105aが表示され、追従性確保用発電機に必要な
データを入力する機能をもっている。この入力画面10
5aに表示される切替部分をマウスまたはタッチパネル
でクリックまたはタッチ操作することにより、次々と火
力発電機の名称が表示され、当該火力発電機の必要なデ
ータを入力可能となっている。
【0156】前記追従性確保選択手段106は、所定の
順序で順次選択される発電機のトータル出力変化が予め
定められる管理値を満たすまで発電機を選択し、これら
選択された発電機を追従性確保用発電機として決定する
機能をもっている。
【0157】以上のように構成されたシステムのうち、
特に今回新たに追加された構成部分の動作について図3
2を参照して説明する。
【0158】追従性データ入力手段105の表示部には
各火力発電機名ごとに図31に示すような追従性データ
入力画面105aが表示される。このデータ入力画面1
05aは切替画面の矢印に従ってクリックまたはタッチ
操作するごとに、異なる火力発電機の入力画面105a
が表示される。オペレータは、入力画面105aに表示
される発電機の出力に対し、火力発電機の出力変化速度
を、上げ方向と下げ方向とに分けて別々に入力する。本
来、出力と出力変化速度とは連続値であるが、本実施の
形態では離散値で近似的に扱うものとする。
【0159】追従性確保選択手段106は、追従性デー
タ入力手段105から入力される画面入力データをパラ
メータとし、図32に従って一連の処理を実行する。
【0160】ステップS101は、各火力発電機i(i
=0,2,…)に対してステップS102〜S106の
処理を行う。すなわち、データ入力画面105aが火力
発電機iであるとき、火力発電機iの出力変化速度の最
大値MAXiを0とする(S102,初期化処理)。ス
テップS103では、発電機の各出力値(ここでは、最
大出力の10%,20%,…,90%)に対して行うこ
とを表す。すなわち、発電機のある出力例えば10%に
対応する出力変化速度につき、上げ方向と下げ方向との
平均値Xiを算出し(S104)、この算出された平均
値Xiと最大値MAXiとを比較する(S105)。こ
こで、平均値Xiが最大値MAXiよりも大きい場合、
最大値MAXiを今回求めた平均値Xiで置き換える
(S106)。
【0161】このような一連の処理は、発電機の各出力
値20%,…,90%ごとに繰り返し実行する(S10
7)。そして、ある発電機について最大値MAXiへの
平均値置き換えが完了すると、ステップS101に移行
し、次の発電機について同様の処理を繰り返す(S10
8)。
【0162】ステップS101〜S108の処理完了
後、各火力発電機iの最大の出力変化速度とその時の出
力とを求めた後、トータル出力変化速度XT を0とし
(S109,初期化)、ステップS110に移行する。
【0163】このステップS110は、ステップS10
1〜S108によって求めた出力変化速度の最大値MA
Xiの大きい発電機の順番にステップS111,S11
2の処理を実行することを表す。ここでは、トータル出
力変化XT に最大値MAXiを加算してトータル出力変
化XT とし(S111)、このトータル出力変化XT
予め定められる管理値とを比較し(S112)、トータ
ル出力変化XT が管理値を越えるまで発電機を選択し、
ステップS111,S112の処理を実行する。そし
て、トータル出力変化XT が管理値を越えたとき、いま
まで選択したトータル出力変化XT に最大値MAXiを
加算した発電機を追従性確保のための発電機とし、これ
ら追従性確保のための発電機に対し、追従性確保出力フ
ァイル103に以下の値を書き込む。
【0164】追従性確保出力上限値=出力変化速度がM
AXiとなる出力+定格の10%の値 追従性確保出力下限値=出力変化速度がMAXiとなる
出力−定格の10%の値 その他の火力発電機に対しては、0を書き込む(対象
外)。
【0165】前記追従性確保制御手段104は、作成さ
れた追従性確保出力ファイル103を参照することによ
り、需給制御を実施する。
【0166】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、追従性確保選択手段106は、各火力発電機の最大
出力変化速度とその時の出力とを求めた後、これら各火
力発電機の出力変化速度の最大値の大きい順に、当該最
大値であるトータル出力変化速度と予め定められた管理
値と比較し、管理値を上回るまで順次に追従性確保のた
めの発電機を選択し、所定の演算式のもとに追従性確保
出力上・下限値を決定し、追従性確保出力ファイル10
3を作成するので、与えられた管理値を満たすように追
従性を確保する発電機を自動的に選択しつつ需給制御を
行うことができる。
【0167】なお、上記実施の形態では、追従性データ
入力手段105がページ切替えをしながら各火力発電機
の各出力に対する上げ方向および下げ方向の出力変化速
度を入力し、追従性確保選択手段106を起動するよう
にしたが、例えば予め追従性データ入力手段105から
各火力発電機の各出力に対する上げ方向および下げ方向
の出力変化速度を入力し記憶することにより、追従性確
保選択手段106は、外部から任意の時期の指示を受け
て、予め記憶されているデータを取り込んで自動的に追
従性確保用発電機を選択し、追従性確保出力ファイル1
03を作成してもよい。 (第9の実施の形態)図33は本発明に係わる電力系統
監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0168】なお、同図において図1および図25,図
30と同一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0169】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、追従性不足状態を報知する追従性不足報知部110
を設けた構成である。
【0170】この追従性不足報知部110は、例えば図
34に示すような追従性管理値設定画面111aが表示
され、当該画面111aの管理値エリアに追従性管理値
を設定する追従性管理値設定手段111と、この設定手
段111で設定される追従性管理値を格納する例えば図
35に示すような追従性管理値ファイル112と、追従
性不足警告手段113とで構成されている。
【0171】次に、以上のようなシステムの動作のう
ち、特に新規に追加された構成部分の動作について図3
6を参照して説明する。
【0172】先ず、追従性管理値設定手段111は、オ
ペレータから図34に示す追従性管理値設定画面111
aの管理値エリアに追従性管理値「500」を入力設定
すると、この追従性管理値を追従性管理値ファイル11
2に格納する。
【0173】以上のようにして追従性管理値ファイル1
12に追従性管理値が格納された後、追従性不足警告手
段113は図36に示すような一連の処理を実行する。
すなわち、追従性不足警告手段113は、短周期ELD
計算手段15の処理によって入力される上げ方向、下げ
方向の出力変化速度を取り込んだ後(S121)、追従
性管理値ファイル112の追従性管理値を読み込む(S
122)。
【0174】しかる後、この読み込んだ追従性管理値と
各発電力の上げ方向出力変化速度または下げ方向出力変
化速度を用いて、以下のような比較を実施し、追従性不
足か否かを判定する(S123)。
【0175】 追従性管理値<Σ|各発電機の上げ方向出力変化速度| 追従性管理値<Σ|各発電機の下げ方向出力変化速度| ステップS123において追従性不足と判定したとき、
追従性不足であることを出力し(S124)、オペレー
タに知らせる。
【0176】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、短周期ELD計算手段15から入力される上げ方
向、下げ方向の出力変化速度と追従性管理値とを用い
て、追従性の不足を的確に判定でき、追従性が不足して
いるときには速やかにオペレータに報知できる。 (第10の実施の形態)図37は本発明に係わる電力系
統監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0177】なお、同図において図1および図25,図
30と同一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0178】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、例えば図38に示すような追従性確保時間帯入力画
面121aが表示され、この入力画面121aに追従性
確保を必要とする時間指定121bを入力する追従性確
保時間帯入力手段121と、計算機のプログラムとして
機能し、現在時刻と時間指定121bとから追従性確保
の実行可否を判定する追従性確保時間帯指定手段122
と、この追従性確保時間帯規定手段122によって追従
性確保の実行可否に応じて、追従性確保許可フラグ
“1”または“0”を格納する追従性確保許可フラグ格
納手段123とが設けられている。
【0179】次に、以上のようなシステムの動作のう
ち、今回新規に付加された構成部分の動作について図3
9を参照して説明する。
【0180】先ず、追従性確保時間帯入力手段121で
は、図38に示すような追従性確保時間帯入力画面12
1aが表示されると、オペレータが入力画面121aの
所要時間帯エリアに追従性確保を必要とする時間指定1
21bを行う。
【0181】以上のような状態において追従性確保時間
帯指定手段122は、毎時起動し、追従性確保時間帯入
力画面121aの時間指定121bに基づいて、現在時
刻における追従性確保の実行可否を判定し、追従性確保
の実行可の場合には追従性確保許可フラグ“1”を追従
性確保許可フラグ格納手段123に格納し、実行不可の
場合にはフラグ“0”を格納する。
【0182】そこで、追従性確保制御手段104は、追
従性確保許可フラグ格納手段123のフラグから追従性
確保が許可されているか否かを判定し(S131)、追
従性確保が許可されている場合のみ図29と同様な処理
を実行する。このステップS132〜S139の処理は
図29に示すステップS91〜S98の処理の説明に譲
る。
【0183】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、予め追従性確保に関する時間指定を行っておけば、
追従確保時間帯指定手段122は、その時間指定に従っ
て追従性確保可否の追従性確保許可フラグを追従性確保
許可フラグ格納手段123に格納する。よって、追従性
確保制御手段104は、その追従性確保許可フラグに従
って自動的に追従性確保の発電機を選択することがで
き、適切に追従性を確保できる。 (第11の実施の形態)図40は本発明に係わる電力系
統監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0184】なお、同図において図1および図25、図
30と同一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0185】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、プログラムに従って予め定める所定の時間ごとに起
動し、予め定める管理値と予想総需要ファイル11に格
納される予想総需要とから追従性確保の実行可否を確認
し、追従性確保許可フラグを設定する追従性確保時間帯
管理手段131と、この追従性確保時間帯管理手段13
1によって設定される追従性確保許可フラグを格納する
追従性確保許可フラグ格納手段132とが設けられ、追
従性確保制御手段104は、追従性確保許可フラグに基
づいて前述する追従性確保制御を実行する構成である。
【0186】次に、以上のような電力系統監視制御シス
テムのうち、新たに付加された構成部分の動作について
説明する。
【0187】先ず、追従性確保時間帯管理手段131
は、プログラムに従って予め定める所定時間ごとに起動
し、予想総需要ファイル11における現在時刻の予想総
需要を参照し、この予想総需要と予め定めた管理値とを
比較し、追従性確保許可フラグを追従性確保許可フラグ
格納手段132に格納する。
【0188】この追従性確保許可フラグは、メモリ上の
整数データであり、その内容が“1”であるときに追従
性確保可能、その内容が“0”であるときに追従性確保
不可能であるものとする。
【0189】通常、予想総需要が管理値を下回っている
とき、経済負荷配分に従った需給制御では追従性が不足
するとみなし、追従性確保許可フラグ“1”を追従性確
保許可フラグ格納手段132にセットする。一方、予想
総需要が予め定めた管理値以上のとき、追従性確保許可
フラグ“1”をリセットする。つまり、“0”を格納す
る。
【0190】追従性確保制御手段132は、追従性確保
許可フラグが“1”のとき図39に示すような追従性確
保制御を実行する。従って、追従性確保許可フラグが
“0”のとき、追従性確保制御手段132は、図39に
従って追従性確保制御を実行しない。
【0191】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、予想総需要ファイル11の各時刻の予想総需要をみ
ながら追従性確保の実施有無を判断し、自動的に追従性
確保の制御を実施できる。 (第12の実施の形態)図41は本発明に係わる電力系
統監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0192】なお、同図において図1および図25、図
30と同一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0193】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、図41に示すように追従性確保出力ファイル103
のファイルデータを図41に示すように追従性確保制御
実行画面141aに表示し確認した後、追従性確保制御
実行指令を入力する追従性確保制御実行入力手段141
と、この追従性確保制御実行入力手段141から追従性
確保制御実行指令が入力されたとき、前記追従性確保出
力ファイル103の追従性確保出力上・下限値を制限値
ファイル13に格納し、一方、追従性確保出力値に向け
ての指令が出力されたときに前記追従性確保出力上・下
限値を制限値ファイル13から削除する追従性確保制御
実行手段142とが設けられている。
【0194】次に、以上のような電力系統監視制御シス
テムのうち、新たに付加された構成部分の動作について
説明する。
【0195】先ず、図25に示すように、追従性確保指
定入力手段101から追従性を確保するための火力発電
機名および上・下限値を指定入力すると、追従性確保指
定手段102は、指定入力内容に基づいて追従性を確保
するために使用する火力発電機を決定し、追従性確保出
力ファイル103の該当火力発電機に対応する追従性確
保出力上・下限値エリアに追従性を確保するために使用
する火力発電機の上・下限値を格納する。
【0196】この状態において追従性確保制御実行入力
手段141は、図41に示す画面に表示される追従性確
保出力ファイル103の追従性確保出力上・下限値を確
認した後、所要の発電機を指定し追従性確保制御実行指
定を入力すると、追従性確保制御実行手段142は、そ
の追従性確保制御実行指定を受けて追従性確保出力ファ
イル103の追従性確保出力上・下限値を制限値ファイ
ル13に格納する。
【0197】ここで、長周期ELD計算手段14および
短周期ELD計算手段15は制限値ファイル13の追従
性確保出力上・下限値のもとにELD計算を実行し、最
終的には発電機制御手段26から発電機動作の指令を出
力する。
【0198】追従性確保制御実行手段142は、追従性
確保出力値に向けての指令が出力されたときに追従性確
保出力上・下限値を制限値ファイル13に格納した追従
性確保出力上・下限値を削除する。
【0199】従って、以上のような実施の形態によれ
ば、オペレータから指定があったとき、指定された火力
発電機を用いて追従性確保の制御を実行することができ
る。 (第13の実施の形態)図43は本発明に係わる電力系
統監視制御システムの他の実施の形態を示す構成図であ
る。
【0200】なお、同図において図1および図25、図
30と同一構成・機能部分には同一符号を付し、その詳
しい説明は省略する。
【0201】このシステムは、図25の構成要素に新た
に、各電力設備停止期間などを定めた停止作業件名など
の停止計画データ(制限値)を保存する停止計画データ
保存手段151と、この停止計画データ保存手段151
に保存される停止作業件名の一覧表を取出して表示し、
この表示画面上から自動送信の指示を出力する停止計画
データ更新指示手段152と、この自動送信指示に基づ
いて前記制限値ファイル13の制限値データを停止計画
データに従って更新する停止計画データ更新手段153
とが設けられている。
【0202】このような構成によれば、予め停止作業件
名などの停止計画データに基づいて該当発電機を制限す
る必要があるとき、停止計画データ更新指示手段152
はオペレータの操作に基づいて停止計画データ保存手段
151から停止作業件名その他のデータの一覧表を読み
出して表示する。しかる後、オペレータは、停止作業件
名の一覧表の中から必要な時間帯の停止作業件名のみ、
或いは全部の停止作業件名を指定し、当該停止作業に関
係する発電機に対応する制限値ファイル13の制限値を
制限するなどの更新処理を行うことにより、該当電力設
備の使用を制限することができる。 (第14の実施の形態)図44および図45は本発明に
係わる電力系統監視制御システムの他の実施の形態を示
す構成図である。
【0203】このシステムは、前述したシステムをネッ
トワークに接続する一方、新たに編集プログラムをもつ
テキストファイル編集手段156およびテキストファイ
ル157を設け、各種ファイルのデータをテキストデー
タとして保存し、他の計算機から容易に参照可能にした
ものである。
【0204】具体的には、所定の周期または外部からの
指示に従ってテキストファイル編集手段156が起動
し、図44に示すような編集処理を実行する。つまり、
テキストファイル編集手段156は、例えば1時間に1
回起動し、予想総需要ファイル11、現在発電機出力フ
ァイル12、長周期ELD計算結果ファイル16、短周
期ELD計算結果ファイル17および制限値ファイル1
3のデータを読み出し(S141)、これらファイルデ
ータをコードデータに変換する(S142)。しかる
後、コード変換された各ファイルのデータを該当する予
想総需要テキストファイル、現在発電機出力テキストフ
ァイル、長周期ELD計算結果テキストファイル、短周
期ELD計算結果テキストファイルおよび制限値テキス
トファイルに書き込む(S143)。
【0205】このようにして各テキストファイルにシス
テムファイルの各データを格納しておけば、当該システ
ムがネットワークに接続されていれば、他計算機から各
テキストファイルにアクセスし、テキストファイルデー
タを参照することができる。
【0206】なお、上記実施の形態においる一連の処理
は、電子計算機がプログラムデータを読み取って自動的
に実行するが、ハードウェア的な構成でも容易に実現で
きる。ソフトウェア的に実行するプログラムとしては、
例えば磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどの
記憶媒体に書き込み、所定のタイミングに基づいて記憶
媒体からプログラムを読み取って一連の処理を実行す
る。また、前述したように、通信媒体を用いて各種シス
テムにも容易に適用できる。
【0207】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。
【0208】請求項1の発明によれば、ボイラ補機の切
替を短時間に複数回行うことがなくなり、発電所の負担
を軽減できる。
【0209】請求項2の発明によれば、予測総需要から
大局的な調整方向を判定し、この方向に反するボイラ補
機の切替を制限するので、必要のないボイラ切替をなく
すことができ、発電所の負担を大幅に軽減でき、頻繁な
ボイラ切替を回避し電力系統の安定化にも貢献する。
【0210】請求項3の発明によれば、予測総需要から
判定した大局的な調整方向にも拘らず、需給のバランス
が崩れているとき、大局的な調整方向に反するボイラの
切替を許容することにより、需給バランスを確実に確保
できる。
【0211】請求項4の発明によれば、複数の発電機が
同時にボイラ補機の切替を行うことがなくなり、また他
の発電機の状態を容易に把握可能となり、電力運用上の
安定性からも有効である。
【0212】請求項5の発明によれば、オペレータから
のボイラ補機切替指定に基づき、指定された発電機に関
し、速やかにボイラ補機を切替でき、電力系統の運用上
からも柔軟性に富んだシステムを実現できる。
【0213】請求項6の発明によれば、オペレータから
のボイラ補機切替指定時刻に基づき、その時刻に確実に
ボイラ補機の切替を実行できる。
【0214】請求項7の発明によれば、発電機の出力予
定値とボイラ補機切替出力値とからボイラ補機切替時刻
を算出しオペレータに提示するので、容易にボイラ補機
切替時刻を把握でき、柔軟にボイラ補機切替の変更が可
能となる。
【0215】請求項8の発明によれば、ボイラ補機切替
処理部は、記録媒体に記録されるプログラムを読み取り
処理することにより、不要なボイラ補機の切替がなくな
り、発電所の負担軽減に役立つ。
【0216】請求項9の発明によれば、ボイラ補機切替
処理部は、記録媒体に記録されるプログラムを読み取り
処理することにより、確実に需給バランスを確保でき
る。
【0217】請求項10の発明によれば、ボイラ補機切
替処理部は、記録媒体に記録されるプログラムを読み取
り処理することにより、ボイラ補機の切替に際し柔軟に
対処でき、電力系統の運用上からも有用なものとなる。
【0218】請求項11の発明によれば、需要変動に応
じて、現在発電機出力値を指定入力される追従性確保出
力上・下限値内に入るように追従性確保を制御できる。
【0219】請求項12の発明によれば、追従性を確保
する発電機を、予め定める管理値を満たすように選択
し、追従性確保を制御できる。
【0220】請求項13の発明によれば、各発電機の上
げ・下げ方向出力変化速度の追従性と追従性管理値とを
比較し、追従性が不足しているときに速やかにオペレー
タに報知できる。
【0221】請求項14の発明によれば、オペレータが
追従性を確保すべき時間を指定すると、その時間指定に
従って自動的に追従性確保の制御を実行できる。
【0222】請求項15の発明によれば、予想総需要と
予め定める管理値とを比較することにより、追従性確保
可否を決定できる。
【0223】請求項16の発明によれば、オペレータの
指示に従って、追従性確保出力上・下限値を制限値ファ
イルに設定し、発電機の出力調整を開始できる。
【0224】請求項17の発明によれば、予め知り得る
作業停止計画データに基づいて制限値ファイルの内容を
更新し、自動的に発電機を制限できる。
【0225】請求項18の発明によれば、需要変動に応
じて、現在発電機出力値を指定入力される追従性確保出
力上・下限値内に入るように追従性確保を制御できるプ
ログラムを記録した記録媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる電力系統監視制御システムの
一実施の形態を示す構成図。
【図2】 図1に示す予想総需要ファイルのデータ配列
図。
【図3】 図1に示す現在発電機出力ファイルのデータ
配列図。
【図4】 図1に示す制限値ファイルのデータ配列図。
【図5】 図1に示す長周期ELD計算結果ファイルの
データ配列図。
【図6】 図1に示す短周期ELD計算結果ファイルの
データ配列図。
【図7】 図1に示すボイラ補機切替条件ファイルのデ
ータ配列図。
【図8】 長周期ELD計算の処理フロー図。
【図9】 短周期ELD計算の処理フロー図。
【図10】 図1における出力調整方向判定手段の処理
例を説明するフロー図。
【図11】 出力調整方向を判定するための説明図。
【図12】 出力調整方向を判定するための説明図。
【図13】 ボイラ補機の切替および制限値を説明する
図。
【図14】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図15】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図16】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図17】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図18】 外部から切替時間を指定したときの動作を
説明する図。
【図19】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図20】 ボイラ補機指定切替画面のイメージを表す
図。
【図21】 本発明に係わる記憶媒体をもつ電力系統監
視制御システムの一実施の形態を説明するコンピュータ
システムの構成図。
【図22】 コンピュータシステムによる一処理例を説
明するフロー図。
【図23】 コンピュータシステムによる他の処理例を
説明するフロー図。
【図24】 コンピュータシステムによる他の処理例を
説明するフロー図。
【図25】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図26】 追従性確保火力発電機の指定画面を示す
図。
【図27】 図25に示す追従性確保出力ファイルのデ
ータ配列例図。
【図28】 短周期ELD計算の処理フロー図。
【図29】 追従性確保のための増分燃料費を決定する
ための処理フロー図。
【図30】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図31】 追従性データ入力画面を示す図。
【図32】 追従性確保のための発電機を選択する処理
フロー図。
【図33】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図34】 追従性管理値設定画面を示す図。
【図35】 追従性管理値ファイルのデータ配列例図。
【図36】 追従性不足を判定するための処理フロー
図。
【図37】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図38】 追従性確保の時間を設定するための説明
図。
【図39】 追従性確保の設定時間に基づいて追従性確
保のための増分燃料費を決定するための処理フロー図。
【図40】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図41】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図42】 追従性確保制御実行画面を示す図。
【図43】 本発明に係わる電力系統監視制御システム
の他の実施の形態を示す構成図。
【図44】 システムの各ファイルデータをテキストフ
ァイルデータに編集する編集処理フロー図。
【図45】 図44に示す編集処理の機能構成図。
【符号の説明】
1…ELD計算処理部 2…出力制御部 3…補機切替抑制部 10…追従性確保制御部 11…予想総需要ファイル 12…現在発電機出力ファイル 13…制限値ファイル 14…長周期ELD計算手段 15…短周期ELD計算手段 17…短周期計算結果ファイル 25…手動制御出力手段 25a…ボイラ補機指定切替入出力手段 25b…ボイラ補機指定時刻切替表示手段 25c…ボイラ補機切替予定時刻表示手段 26…発電機制御手段 31…出力調整方向判定手段 32…ボイラ補機切替条件ファイル 33…ボイラ補機切替抑制手段 41…需給バランス判定手段 42…ボイラ補機切替許容手段 51…同一中操発電機管理手段 61…ボイラ補機指定切替手段 71…ボイラ補機切替指定時刻ファイル 72…ボイラ補機指定時刻切替手段 81…ボイラ補機切替予定時刻算出手段 82…ボイラ補機切替予定時刻ファイル 101…追従性確保指定入力手段 102…追従性確保指定手段 103…追従性確保出力ファイル 104…追従性確保制御手段 106…追従性確保選択手段 110…追従性不足報知部 112…追従性管理値ファイル 113…追従性不足警告手段 121…追従性確保時間帯入力手段 123,132…追従性確保許可フラグ格納手段 122…追従性確保時間帯指定手段 131…追従性確保時間帯管理手段 142…追従性確保制御実行手段 153…停止計画データ更新手段 156…テキストファイル編集手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 濱西 広 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 谷川 隆 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各発電機の制限値、所定時間毎の予想総
    需要および各発電機の現在出力値に基づいてELD計算
    を行って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出し、
    この出力予定値に従って各発電機の出力指令を出力する
    電力系統監視制御システムにおいて、 予め発電用ボイラのボイラ補機切替条件を設定する補機
    切替条件設定手段と、このボイラ補機切替条件と前記各
    発電機の出力とを用いて、短時間の間にボイラ補機の切
    替制御を行わないように前記各発電機の制限値を制限す
    るボイラ補機切替抑制手段とを設けたことを特徴とする
    電力系統監視制御システム。
  2. 【請求項2】 各発電機の制限値、所定時間毎の予想総
    需要および各発電機の現在出力値に基づいてELD計算
    を行って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出し、
    この出力予定値に従って各発電機の出力指令を出力する
    電力系統監視制御システムにおいて、 前記予想総需要から大局的な出力調整方向を判定する出
    力調整方向判定手段と、この出力調整方向判定手段によ
    って判定された大局的な出力調整方向に反する発電用ボ
    イラ補機の切替を制限するように前記各発電機の制限値
    を変更するボイラ補機切替抑制手段とを設けたことを特
    徴とする電力系統監視制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電力系
    統監視制御システムにおいて、 ボイラ補機の切替を制限したとき、前記所定時間毎の予
    想総需要、前記各発電機の現在出力値および前記ELD
    計算により求めた各発電機の出力予定値から需給バラン
    スが保てるかどうかを判定する需給バランス判定手段
    と、この需給バランス判定手段による判定結果から需給
    バランスが保てないとき前記ボイラ補機の切替を許容す
    るように前記各発電機の制限値を変更するボイラ補機切
    替許容手段とを設けたことを特徴とする電力系統監視制
    御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の電力系
    統監視制御システムにおいて、 発電機指令出力を監視し、この発電機指令出力とともに
    ボイラ補機の切替指令が出力されたとき、発電機指令出
    力を受ける発電機以外の発電機に対するボイラ補機の切
    替えを行わないような前記制限値を設定する発電機管理
    手段を設けたことを特徴とする電力系統監視制御システ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の電力系
    統監視制御システムにおいて、 外部からボイラ補機の切替指定を受けたとき、前記ボイ
    ラ補機切替条件に基づいて前記各発電機の制限値を変更
    し、前記ボイラ補機の切替に向けて出力調整を開始する
    ボイラ補機指定切替手段を設けたことを特徴とする電力
    系統監視制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の電力系
    統監視制御システムにおいて、 外部からボイラ補機切替時刻の指定を受けたとき、前記
    ボイラ補機切替条件に基づいて前記各発電機の制限値を
    変更し、前記ボイラ補機切替指定時刻にボイラ補機の切
    替を行うように制御するボイラ補機指定時刻切替手段を
    設けたことを特徴とする電力系統監視制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載の電力系
    統監視制御システムにおいて、 前記ELD計算結果から得られた各発電機の出力予定値
    からボイラ補機の切替を行う予定時刻を算出するボイラ
    補機切替予定時刻算出手段と、この算出手段によって算
    出されたボイラ補機切替予定時刻を表示するボイラ補機
    切替予定時刻出力手段とを設けたことを特徴とする電力
    系統監視制御システム。
  8. 【請求項8】 ボイラ補機切替処理を行うコンピュータ
    に、各発電機の上下限制限値、所定時間毎の予想総需要
    および各発電機の現在出力値に基づいてELD計算を行
    って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出するEL
    D計算機能と、前記所定時間ごとの予想総需要から火力
    発電機の大局的な出力調整方向を判定する出力調整方向
    判定機能と、この出力調整方向判定機能によって判定さ
    れた大局的な出力調整方向に反する発電用ボイラ補機の
    切替を制限するように前記各発電機の上下限制限値を変
    更するボイラ補機切替抑制機能とを実現させるためのプ
    ログラムを記録した前記コンピュータ読み取り可能な記
    録媒体。
  9. 【請求項9】 ボイラ補機切替処理を行うコンピュータ
    に、各発電機の上下限制限値、所定時間毎の予想総需要
    および各発電機の現在出力値に基づいてELD計算を行
    って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出するEL
    D計算機能と、前記所定時間ごとの予想総需要から火力
    発電機の大局的な出力調整方向を判定する出力調整方向
    判定機能と、この出力調整方向判定機能によって判定さ
    れた大局的な出力調整方向に反する発電用ボイラ補機の
    切替を制限するように前記各発電機の上下限制限値を変
    更するボイラ補機切替抑制機能と、ボイラ補機の切替を
    制限したとき、前記所定時間毎の予想総需要、前記各発
    電機の現在出力値および前記ELD計算により求めた各
    発電機の出力予定値から需給バランスの有無を判定し、
    需給バランスが保てないとき前記ボイラ補機の切替を許
    容するように前記各発電機の上下限制限値を変更するボ
    イラ補機切替許容機能とを実現させるためのプログラム
    を記録した前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 【請求項10】 ボイラ補機切替処理を行うコンピュー
    タに、各発電機の上下限制限値、所定時間毎の予想総需
    要および各発電機の現在出力値に基づいてELD計算を
    行って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出するE
    LD計算機能と、前記所定時間ごとの予想総需要から火
    力発電機の大局的な出力調整方向を判定する出力調整方
    向判定機能と、外部からボイラ補機の切替指定またはボ
    イラ補機切替時刻の指定を受けたとき、前記ボイラ補機
    切替条件に基づいて前記各発電機の上下限制限値を変更
    する機能とを実現させるためのプログラムを記録した前
    記コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  11. 【請求項11】 各発電機の制限値、所定時間毎の予想
    総需要および各発電機の現在出力値に基づいてELD計
    算を行って所定時間先の各発電機の出力予定値を算出
    し、この出力予定値に従って各発電機の出力指令を出力
    する電力系統監視制御システムにおいて、 需要変動に対する追従性確保のための火力発電機および
    当該火力発電機の追従性確保出力上・下限値とを指定す
    る追従性確保指定手段と、前記発電機現在出力値と前記
    指定された火力発電機の追従性確保出力上・下限値とを
    比較し、当該発電機現在出力値が前記追従性確保出力上
    ・下限値内に入るような火力発電機の増分燃料費を設定
    する追従性確保制御手段とを備え、 前記ELD計算時の火力発電機の選択に前記増分燃料費
    を用いることを特徴とする電力系統監視制御システム。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載する電力系統監視制
    御システムにおいて、 所定の順序で順次選択される火力発電機のトータル出力
    変化速度と予め定める管理値とを比較し、トータル出力
    変化速度が管理値を上回るまで選択される発電機を追従
    性確保用発電機とし、これら追従性確保用発電機の追従
    性確保出力上・下限値を決定し、前記追従性確保制御手
    段で用いるための追従性確保出力ファイルを作成する追
    従性確保選択手段を設けたことを特徴とする電力系統監
    視制御システム。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12に記載す
    る電力系統監視制御システムにおいて、 予め追従性管理値を設定する追従性管理値設定手段と、
    この設定手段によって設定される追従性管理値と前記E
    LD計算によって得られる各発電機の上げ・下げ方向出
    力変化速度とを比較し追従性不足の有無を判定し、追従
    性不足の場合には追従性不足状態を報知する追従性不足
    出力手段とを設けたことを特徴とする電力系統監視制御
    システム。
  14. 【請求項14】 請求項11または請求項12に記載す
    る電力系統監視制御システムにおいて、 追従性確保の時間帯を指定する追従性確保時間帯指定手
    段と、この追従性確保時間帯指定手段により指定した時
    間帯と現在時刻とから追従性確保の実行可否フラグを設
    定する手段とを設け、 現在時刻において前記実行可否フラグの状態が実行可の
    ときのみ、前記追従性確保制御手段による追従性確保の
    制御を実行することを特徴とする電力系統監視制御シス
    テム。
  15. 【請求項15】 請求項11または請求項12に記載す
    る電力系統監視制御システムにおいて、 予め定める管理値と現在時刻の前記予測総需要とから追
    従性確保の実行可否を判定し追従性確保実行可否フラグ
    を設定する追従性確保時間帯管理手段と、この追従性確
    保時間帯管理手段で設定される追従性確保実行可否フラ
    グを格納するフラグ格納手段とを設け、 現在時刻において前記追従性確保実行可否フラグの状態
    が実行可のときのみ、前記追従性確保制御手段による追
    従性確保の制御を実行することを特徴とする電力系統監
    視制御システム。
  16. 【請求項16】 請求項11または請求項12に記載す
    る電力系統監視制御システムにおいて、 火力発電機を指定して追従性確保制御実行指令を入力す
    る追従性確保制御実行入力手段と、この追従性確保制御
    実行入力手段から追従性確保制御実行指令を受けたと
    き、前記追従性確保指定手段により指定された火力発電
    機の追従性確保出力上・下限値を前記ELD計算のため
    の制限値ファイルに格納し、一方、追従性確保出力値に
    向けての発電機指令が出力されたときに制限値ファイル
    から該当追従性確保出力上・下限値を削除する追従性確
    保制御実行手段とを設けたことを特徴とする電力系統監
    視制御システム。
  17. 【請求項17】 請求項11または請求項12に記載す
    る電力系統監視制御システムにおいて、 各電力設備停止期間などを定めた停止作業件名に関係す
    る発電機の制限データを保存する停止計画データ保存手
    段と、この停止計画データ保存手段に保存される停止作
    業件名の一覧表を表示し、所要の停止作業件名を指定入
    力する停止計画データ更新指示手段と、この指示を受け
    て前記停止計画データ保存手段から作業件名に関係する
    発電機の制限データを取出し、前記制限値ファイルの制
    限値データを更新する停止計画データ更新手段とを設け
    たことを特徴とする電力系統監視制御システム。
  18. 【請求項18】 所定時間毎の予想総需要、各発電機の
    現在出力値および各発電機の制限値を用いてELD計算
    によって得られる所定時間先の各発電機の出力予定値を
    決定し、この出力予定値に従って各発電機の増減を含む
    出力指令を出力する電力系統監視制御用コンピュータ
    に、 予め指定入力される追従性確保するための火力発電機の
    追従性確保出力上・下限値を格納する追従性確保出力フ
    ァイルと前記各発電機の現在出力値を格納する現在発電
    機出力ファイルのデータを読み込むファイルデータ読込
    み機能と、このファイルデータ読込み機能によって読み
    込んだデータに基づいて各発電機が追従性確保対象発電
    機か否かを判定する判定機能と、この判定機能によって
    追従性確保対象発電機であるとき、当該追従性確保対象
    発電機の追従性確保出力上・下限値と現在発電機出力値
    との大小関係を比較し、この現在発電機出力値が追従性
    確保出力上・下限値に入るような火力発電機の増分燃料
    費を決定する増分燃料費決定機能とをを実現させるため
    のプログラムを記録した前記コンピュータ読み取り可能
    な記録媒体。
JP11006447A 1998-02-20 1999-01-13 電力系統監視制御システムおよび記録媒体 Pending JPH11308772A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003009391A (ja) * 2001-06-26 2003-01-10 Chubu Electric Power Co Inc 電力系統の需給計画作成装置とこの装置を実行するためのプログラム
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