JP6472338B2 - 起動停止スケジュール作成装置及び起動停止スケジュール最適化システム - Google Patents
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Description
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態例の説明により明らかにされる。
図1は、起動停止スケジュール最適化システムの構成例を示すブロック図である。
図1に示す工場は、発電プラント(産業プラントの一例)を構成するプラント機器等を開発している。起動停止ロジック作成装置2は、プラント機器を操作するためのプラント機器の操作項目の完了条件を、他のプラント機器の操作項目の起動条件とするプラント機器の制約条件に基づいて起動停止ロジックd2を作成する。制約条件には、プラント機器の起動条件、完了条件、消費寿命、消費燃料等があり、工場の開発者によって入力される。この起動停止ロジック作成装置2は、所要時間生成部11、起動停止ロジック作成部12、プラント時系列データd1、起動停止ロジックd2を備える。プラント時系列データd1、起動停止ロジックd2は、不図示の工場データベースに保存される。
・前の操作項目の完了条件を、操作項目の起動条件とする。
・次の操作項目の起動条件を、操作項目の完了条件とする。
そして、起動停止ロジックd2はプラント機器の操作項目に加えて、仮想の操作項目を含んで工場データベースに保存される。
起動停止スケジュール作成装置3は、起動停止ロジックd11に基づいてプラント機器の起動停止タイミングを最適化した起動停止スケジュールを作成する。この起動停止スケジュール作成装置3は、起動停止スケジュール作成部21、表示部22、操作部23、補正部24、アラート部25、起動停止ロジックd11、起動停止スケジュールd12を備える。起動停止ロジックd11、起動停止スケジュールd12は、不図示の発電所データベースに保存される。
次に、起動停止ロジック作成装置2及び起動停止スケジュール作成装置3を構成する計算機のハードウェア構成を説明する。
図2は、計算機Cのハードウェア構成例を示すブロック図である。
起動停止スケジュール作成装置3は、プラント機器の状況に応じて、次の(1)〜(3)に示す仕組みによりプラント機器毎に最適な起動停止スケジュールd12を運転員に提供する。
(1)事前に入力された静的な制約条件に基づいて最適化された起動停止スケジュールの作成(オフライン)
(2)現在の動的な運転データに基づく起動停止スケジュールの補正(オンライン)
(3)最適な起動停止スケジュールに基づく運転員への操作ガイダンスの提供
図3は、起動停止スケジュール最適化システム1がオフラインで起動停止スケジュールを作成する処理の例を示すフローチャートである。
始めに、工場の開発者は、起動停止ロジック作成装置2の操作部C6を通じてプラント機器の制約条件を入力する(S1)。次に、起動停止ロジック作成部12は、入力された制約条件に基づき、操作項目の完了条件が次の操作項目の起動条件を満たすロジックを整数計画法で求め(S2)、このロジックを起動停止ロジックd2として工場データベースに保存する(S3)。
ここでは、発電プラントの運転中にオンラインで取得したプラント機器の運転データに基づいて起動停止ロジックを更新する例について説明する。
図4は、起動停止スケジュール作成装置3がオンラインで起動停止スケジュールを補正する処理の例を示すフローチャートである。
表示部22は、上記の(2)示す処理にて補正された最適な起動停止スケジュールの操作ガイダンスを運転員に表示することで、発電プラントの最適な運転を支援する。操作ガイダンスの内容は、次の(3−1)〜(3−3)に示す3種類がある。
運転員が予め選択したパラメータに基づいて起動停止スケジュール作成部21が更新した起動停止スケジュールd12を表示部22の操作画面に表示する。プラント機器が手動操作される場合には、操作画面に運転操作のタイミングも合わせて表示される。
アラート部25は、発電プラントの自動化運転(自動化がある場合)又は手動操作(自動化がない場合)に伴う実際の起動停止時間と、(3−1)にて表示された起動停止スケジュールを比較し、所要時間に差分が生じるとアラートを発報する。このアラートは、自動化運転の場合はプラント機器に不具合が発生したことを運転員に報知するものであり、手動操作の場合は最適操作を行う旨を運転員に報知するものである。
プラント機器の起動停止後、表示部22はブレイクポイント毎の寿命消費量、燃料消費量(及びそのコスト)、所要時間等を表示する。ブレイクポイントとは、例えば、プラント機器を起動することが可能となった場合に、操作ボタンを点滅させることにより運転員にプラント機器の起動操作を促すタイミングである。表示部22に表示された内容は発電所データベースに保存され、運転員が利用できるようにする。
図5は、プラント機器の操作項目と仮想の操作項目の起動条件及び完了条件の例を示す一覧表である。
始めに、第1プラント機器の起動条件に注目する。
第1プラント機器は、4つの起動条件(例えば、ボイラ点火予定時刻到達、ドラム水位100mm以上、MFTリセット、火炉パージ完了がいずれもON)を満たしたときに、起動する。第1プラント機器が起動して操作時間である3分が経過すると、完了条件(ボイラ点火がON)を満たす。同様に第2プラント機器、第3プラント機器についても、満たすべき起動条件及び完了条件がある。図6には、第1〜第3プラント機器の操作順序と操作時間が示されている。
そして、第3プラント機器が完了条件(主蒸気止め弁開がON、タービン回転数>20rpm)を満たしたとき、発電プラントの運転が終了する。
次に、起動停止ロジック作成部12は、操作項目の完了条件と次の操作項目の起動条件とを結び、各操作項目を頂点、各操作項目の遷移を辺とし、開発者が入力したパラメータを重みとする有向グラフを作成する。本実施の形態例ではプラント機器の操作項目の操作時間及び仮想の操作項目の所要時間を重みとしている。重みは、プラント機器の寿命消費量、プラント機器の燃料消費量のいずれかが選択される場合もある。
図7は、第1〜第3プラント機器に、第1及び第2仮想操作項目を追加した有向グラフである。図7において、第1及び第2仮想操作項目は、第1及び第2仮想と表している。
この例では、ボイラが380℃まで上昇すると第3プラント機器が動作を開始するため、第1プラント機器と第3プラント機器の間に第2仮想操作項目を設け、第2プラント機器と第3プラント機器の間に第1仮想操作項目を設けている。第1仮想操作項目の起動条件は、ボイラ点火、昇温昇圧開始がいずれもONとなることであり、過去の実績から求めた制約条件は60分以上である。このため、最短の60分を第1仮想操作項目の所要時間とする。これにより第3プラント機器の起動タイミングが後ろ倒しとなり、第3プラント機器は十分に主蒸気温度が上昇した時点から起動するため、第3プラント機器の稼働時間を短縮し、第3プラント機器への負荷を低減することができる。
起動停止スケジュール作成部21は、起動停止ロジックd11に基づき、(2)で作成された有向グラフに対し、入力したパラメータが最適となる起動停止スケジュールd12を算出する。このとき算出される起動停止スケジュールd12は、(2)の有向グラフから、制約条件を満たした上で運転員が指定したパラメータが最適(最大又は最小)となる全域木を作成して得られるものであり、整数計画法で解くことができる。本実施の形態例に係る起動停止スケジュールd12は、発電プラント全体の所要時間を最小化するロジックにより、以下のように作成される。
(3−2)自身の頂点から出て行く向きの辺が複数ある場合、根から自身の頂点までの経路の重み(つまり所要時間)の合計が最大のもの以外の辺を削除する。
(3−3)これにより図8に示すように、根から葉までの重みの合計が最大となる経路(クリティカルパス)に対し、重み(所要時間)が最小となる起動停止スケジュールd12として作成できる。
起動停止スケジュール作成部21は、操作される複数のプラント機器の操作項目、及び仮想の操作項目の経路に対して、パラメータ(要求の一例)に基づいて重みを付けてクリティカルパスを求める。クリティカルパスは、仮想の操作項目が追加された起動停止ロジックd11に基づいて決定されるプラント機器の操作項目、及び仮想の操作項目の経路の一つである。図5及び図7に示したように、根から葉までの重みの合計が最大となるクリティカルパスは、第2プラント機器、第1仮想操作項目、第3プラント機器を含む経路であることが分かる。図8において、クリティカルパスの始端を、発電プラントを運転する開始項目とし、クリティカルパスの終端を第3プラント機器とする。
起動停止スケジュールd12は、表示部22に一覧表形式で表示される。この起動停止ロジックは、プラント機器の名称の他に、起動停止スケジュールd12に基づくプラント機器の起動予想時刻と、実際にプラント機器が動作したときの実績値である実績時刻を含んでいる。運転員は起動停止スケジュールd12を見ることで、プラント機器が正常に動作しているか否かを判断することができる。また、起動予想時刻と実績時刻が乖離していた場合には、アラート部25が発報したアラートが表示部22に表示されることとなる。
例えば、上述した実施の形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態例の構成に他の実施の形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
Claims (5)
- 産業プラントを構成するプラント機器を操作するための前記プラント機器の操作項目の完了条件を、他の前記プラント機器の操作項目の起動条件として、前記プラント機器の制約条件、及び前記プラント機器の寿命消費量を予測するための計算に用いられる予測計算式に基づいて作成される前記プラント機器を起動及び停止するためのロジックに対して、前記プラント機器の操作項目が完了条件を満たしたことを起動条件とし、前記プラント機器の状態変化が規定値に達したことを完了条件とする、前記プラント機器の操作を伴わない前記プラント機器のアナログ値の変化を表し、前記アナログ値の過去の実績値から求められる仮想の操作項目が追加された前記ロジックにより決定される前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目の経路のうち、操作される複数の前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目の経路に対して、要求に基づいて前記プラント機器の操作項目の操作時間及び前記仮想の操作項目の所要時間、前記プラント機器の寿命消費量、前記プラント機器の燃料消費量のいずれかに重みを付けてクリティカルパスを求め、前記クリティカルパスとは異なる経路の前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目について、前記クリティカルパスとは異なる経路の前記プラント機器の開始から終了までの動作時間が短くなるように、前記クリティカルパスの終端から遡って前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目を起動及び停止するための起動停止タイミングを算出し、前記要求に基づいて最適化した前記プラント機器の起動停止スケジュールを作成する起動停止スケジュール作成部と、
前記プラント機器の運転データに許容幅を設けて作成した補正データを用いて、前記プラント機器が起動停止する度に前記ロジックを補正する補正部と、を備え、
前記起動停止スケジュール作成部は、前記補正部により前記ロジックが補正されると、前記プラント機器の前記起動停止タイミングを最適化するように前記起動停止スケジュールを補正する
起動停止スケジュール作成装置。 - さらに、前記産業プラントの運転中に、前記運転データに基づく前記プラント機器の運転状態と、前記起動停止スケジュールとの間に差分が生じた場合にアラートを発報するアラート部を備える
請求項1に記載の起動停止スケジュール作成装置。 - さらに、前記起動停止スケジュールを出力し、前記産業プラントの運転中に前記アラート部が発報した前記アラートを出力し、前記産業プラントの運転が停止した後にブレイクポイント毎に前記プラント機器の寿命消費量、燃料消費量、所要時間を出力する出力部を備える
請求項2に記載の起動停止スケジュール作成装置。 - 前記重みは、前記プラント機器の操作項目の操作時間及び前記仮想の操作項目の所要時間、前記プラント機器の寿命消費量、前記プラント機器の燃料消費量のいずれかである
請求項3に記載の起動停止スケジュール作成装置。 - 産業プラントを構成するプラント機器を操作するための前記プラント機器の操作項目の完了条件を、他の前記プラント機器の操作項目の起動条件として、前記プラント機器の制約条件、及び前記プラント機器の寿命消費量を予測するための計算に用いられる予測計算式に基づいて前記プラント機器を起動及び停止するためのロジックを作成する起動停止ロジック作成装置と、前記ロジックに基づいて前記プラント機器を起動及び停止するための起動停止タイミングを最適化した起動停止スケジュールを提供する起動停止スケジュール作成装置と、を備え、
前記起動停止ロジック作成装置は、
前記ロジックに対して、前記プラント機器の操作項目が完了条件を満たしたことを起動条件とし、前記プラント機器の状態変化が規定値に達したことを完了条件とする、前記プラント機器の操作を伴わない前記プラント機器のアナログ値の変化を表し、前記アナログ値の過去の実績値から求められる仮想の操作項目を追加するロジック作成部を備え、
前記起動停止スケジュール作成装置は、
前記ロジックにより決定される前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目の経路のうち、操作される複数の前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目の経路に対して、要求に基づいて前記プラント機器の操作項目の操作時間及び前記仮想の操作項目の所要時間、前記プラント機器の寿命消費量、前記プラント機器の燃料消費量のいずれかに重みを付けてクリティカルパスを求め、前記クリティカルパスとは異なる経路の前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目について、前記クリティカルパスとは異なる経路の前記プラント機器の開始から終了までの動作時間が短くなるように、前記クリティカルパスの終端から遡って前記プラント機器の操作項目、及び前記仮想の操作項目を起動及び停止するための前記起動停止タイミングを算出し、前記要求に基づいて前記起動停止タイミングを最適化した前記プラント機器の起動停止スケジュールを作成する起動停止スケジュール作成部と、
前記プラント機器の運転データに許容幅を設けて作成した補正データを用いて、前記プラント機器が起動停止する度に前記ロジックを補正する補正部と、
前記プラント機器の起動停止スケジュールを出力する出力部と、を備え、
前記起動停止スケジュール作成部は、前記補正部により前記ロジックが補正されると、前記プラント機器の前記起動停止タイミングを最適化するように前記起動停止スケジュールを補正する
起動停止スケジュール最適化システム。
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