JP7410083B2 - 起動制御装置、起動制御方法及び起動制御プログラム - Google Patents
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Description
発電プラントの一部として蒸気タービンを想定する。高温蒸気が蒸気タービンに吹き付けられる。蒸気温度と蒸気タービン自身の温度に差がある場合、蒸気タービン内部で熱応力が発生する。蒸気タービンの寿命を延ばすには、熱応力を低減することが必要である。起動モードとは、一般に設備を起動する手順、方法、所要時間等を定義した規則である。冷え切った蒸気タービンを立ち上げ徐々に温度を上げて行き、定格運転を安全に行える状態にするには、相当の時間を要する。関連する補機類の立ち上げ及び点検にも相当の時間を要する。
図1は、起動制御装置1の構成等を説明する図である。起動制御装置1は、一般的なコンピュータであり、中央制御装置11、マウス、キーボード等の入力装置12、ディスプレイ等の出力装置13、主記憶装置14、補助記憶装置15、通信装置16、リアルタイム起動モード演算回路17及び適用起動モード演算回路18を備える。これらは、バスで相互に接続されている。補助記憶装置15は、起動モード定義情報36(詳細後記)を格納している。
図3は、起動モード定義情報36の一例である。起動モード定義情報36においては、起動モード欄101に記憶された起動モードに関連付けて、固定値欄102には固定値が、直前計測値(T)及び閾値との大小関係欄103には関係式が記憶されている。
起動モード欄101の起動モードは、前記した4種類の起動モードのいずれかである。以降、“起動モードA”又は単に“A”というとき、それは、ベリーホット起動を意味している。同様に、“起動モードB”又は“B”は、ホット起動を意味し、“起動モードC”又は“C”は、ウォーム起動を意味し、起動モードD”又は“D”は、コールド起動を意味する。
図4は、リアルタイム起動モード演算回路17を説明する図である。リアルタイム起動モード演算回路17は、演算器6a~6c、NОT回路7a~7c、並びに、論理積回路8a及び8bを有する。リアルタイム起動モード演算回路17の上流には、リアルタイム起動モード決定部21が存在する。下流には、リアルタイム起動モード演算回路17が演算結果を返す先としてのリアルタイム起動モード決定部21が存在する。演算器6a~6cのそれぞれは、リアルタイム起動モード決定部21から、直前計測値Tの入力を受け付ける。直前計測値Tとは、前記したように、センサ4が計測した発電プラント3の起動直前における、例えば蒸気タービンの温度である。前記したように、起動制御装置1のユーザは予め、直前計測値Tに適用される閾値“Xa”、“Xb”及び“Xc”を設定しておく。ここでもまた、“Xc<Xb<Xa”が成立している。
演算器6bは、受け付けた直前計測値が閾値Xb以下である場合、信号“ОN”をNОT回路7b及び論理積回路8bに出力する。演算器6bは、それ以外の場合、信号“ОFF”をNОT回路7b及び論理積回路8bに出力する。
演算器6cは、受け付けた直前計測値が閾値Xc以下である場合、信号“ОN”をNОT回路7b及びリアルタイム起動モード決定部21に出力する。演算器6cは、それ以外の場合、信号“ОFF”をNОT回路7c及びリアルタイム起動モード決定部21に出力する。
NОT回路7bは、演算器6bから信号“ОN”が入力された場合、信号“ОFF”を論理積回路8aに出力する。NОT回路7bは、演算器6bから信号“ОFF”が入力された場合、信号“ОN”を論理積回路8bに出力する。
NОT回路7cは、演算器6cから信号“ОN”が入力された場合、信号“ОFF”を論理積回路8bに出力する。NОT回路7bは、演算器6bから信号“ОFF”が入力された場合、信号“ОN”を論理積回路8cに出力する。
論理積回路8bは、演算器6bから信号“ОN”が入力され、かつ、NОT回路7cから信号“ОN”が入力された場合、信号“ОN”をリアルタイム起動モード決定部21に出力する。論理積回路8bは、それ以外の場合、信号“ОFF”をリアルタイム起動モード決定部21に出力する。
リアルタイム起動モード決定部21は、論理積回路8aから信号“ОN”が入力された場合、リアルタイム起動モードは“B”であると決定する。
リアルタイム起動モード決定部21は、論理積回路8bから信号“ОN”が入力された場合、リアルタイム起動モードは“C”であると決定する。
リアルタイム起動モード決定部21は、演算器6cから信号“ОN”が入力された場合、リアルタイム起動モードは“D”であると決定する。
“閾値Xb<直前計測値T≦閾値Xa”が成立する場合、リアルタイム起動モード決定部21は、リアルタイム起動モードは“B”であると決定する。このケースは、直前計測値Tがその次に高く、“ホット起動”が相応しいケースである。
“閾値Xc<直前計測値T≦閾値Xb”が成立する場合、リアルタイム起動モード決定部21は、リアルタイム起動モードは“C”であると決定する。このケースは、直前計測値Tがさらにその次に高く、“ウォーム起動”が相応しいケースである。
“直前計測値T≦閾値Xc”が成立する場合、リアルタイム起動モード決定部21は、リアルタイム起動モードは“D”であると決定する。このケースは、直前計測値Tが最も低く、“コールド起動”が相応しいケースである。
図5は、適用起動モード演算回路18を説明する図である。適用起動モード演算回路18は、演算器6d~6f、NОT回路7d~7f、並びに、論理積回路8c及び8dを有する。適用起動モード演算回路18の上流には、リアルタイム起動モード決定部21及び適用起動モード決定部22が存在する。下流には、適用起動モード演算回路18が演算結果を返す先としての適用起動モード決定部22が存在する。
演算器6eは、比較対象値が固定値X2以下である場合、信号“ОN”をNОT回路7e及び論理積回路8dに出力する。演算器6eは、それ以外の場合、信号“ОFF”をNОT回路7e及び論理積回路8dに出力する。
演算器6fは、比較対象値が固定値X1以下である場合、信号“ОN”をNОT回路7f及び適用起動モード決定部22に出力する。演算器6fは、それ以外の場合、信号“ОFF”をNОT回路7f及び適用起動モード決定部22に出力する。
論理積回路8dは、演算器6eから信号“ОN”が入力され、かつ、NОT回路7fから信号“ОN”が入力された場合、信号“ОN”を適用起動モード決定部22に出力する。論理積回路8dは、それ以外の場合、信号“ОFF”を適用起動モード決定部22に出力する。
適用起動モード決定部22は、論理積回路8cから信号“ОN”が入力された場合、適用起動モードは“B”であると決定する。
適用起動モード決定部22は、論理積回路8dから信号“ОN”が入力された場合、適用起動モードは“C”であると決定する。
適用起動モード決定部22は、演算器6fから信号“ОN”が入力された場合、適用起動モードは“D”であると決定する。
“固定値X2<比較対象値X≦固定値X3”が成立する場合、適用起動モード決定部22は、適用起動モードは“B”であると決定する。
“固定値X1<比較対象値X≦固定値X2”が成立する場合、適用起動モード決定部22は、適用起動モードは“C”であると決定する。
“比較対象値X≦固定値X1”が成立する場合、適用起動モード決定部22は、適用起動モードは“D”であると決定する。
図6は、処理手順のフローチャートである。処理手順を開始する前提として、運転計画作成装置2は、既に運転計画情報35を作成しているものとする。
ステップS201において、起動制御装置1の起動制御部23は、起動モード定義情報36(図3)を受け付ける。具体的には、起動制御部23は、ユーザが起動モード定義情報36を入力するのを、入力装置12を介して受け付ける。ユーザは、図3の符号36のような表(起動モード定義情報)を入力装置12(キーボード等)から入力してもよいし、完成している表を入力装置12(スキャナ等)に読み取らせてもよいし、ネットワークを介して入力してもよい。
第2に、適用起動モード決定部22は、ステップS202において取得した計画起動モード35bの固定値とステップS205の“第1”において置き換えた固定値とを比較し、小さい方(より正確には、大きくない方)を選択する。
第2に、起動制御部23は、出力装置13に適用起動モード表示画面41(図7)を表示する。その後、処理手順を終了する。
本実施形態の起動制御装置の効果は以下の通りである。
(1)起動制御装置は、発電プラントの起動直前に起動モードを見直すことができる。既存の技術では、仮に起動モードを見直す場合、現場の手動対応に係る負担は大きい。本実施形態により、このような見直しが自動化され、現場の負担は不要になる。
(2)起動制御装置は、計画起動モード及びリアルタイム起動モードを、同じ基準の温度で比較することができる。
(3)起動制御装置は、発電プラントに適用することができる。
(4)起動制御装置は、冷え切った発電プラントに対し、フェールセーフ側の起動モードを決定することができる。
(5)起動制御装置は、起動モードの見直しをユーザに対して表示することができる。
2 運転計画作成装置
3 発電プラント
4 センサ
5 ネットワーク
11 中央制御装置
12 入力装置
13 出力装置
14 主記憶装置
15 補助記憶装置
16 通信装置
17 リアルタイム起動モード演算回路
18 適用起動モード演算回路
21 リアルタイム起動モード決定部
22 適用起動モード決定部
23 起動制御部
35 運転計画情報
35b 計画起動モード
36 起動モード定義情報
37 リアルタイム起動モード
38 適用起動モード
Claims (7)
- 設備の起動の直前に前記設備から取得された物理量に基づきリアルタイム起動モードを決定するリアルタイム起動モード決定部と、
前記設備の運転計画の一環として過去に決定された計画起動モードと前記リアルタイム起動モードとを比較し、
前記計画起動モード及び前記リアルタイム起動モードのうち、前記設備の起動に適するものを適用起動モードとして決定する適用起動モード決定部と、
を備え、
前記リアルタイム起動モードを決定するために用いる基準温度である閾値は、
前記計画起動モード及び前記適用起動モードを決定するために用いる基準温度である固定値とは異なり、
前記リアルタイム起動モードを決定した直前計測値及び前記閾値を含む不等式、並びに、前記計画起動モードを決定した前記固定値を、温度の大小関係がわかる態様で表示画面に表示する起動制御部をさらに備えること、
を特徴とする起動制御装置。 - 前記リアルタイム起動モード決定部は、
前記リアルタイム起動モードに対応する前記設備の物理量を、前記計画起動モードに対応する前記設備の物理量と比較可能なものに置き換え、
前記適用起動モード決定部は、
前記置き換えた物理量と前記計画起動モードに対応する前記設備の物理量とを比較すること、
を特徴とする請求項1に記載の起動制御装置。 - 前記設備は、
発電プラントであり、
前記物理量は、
前記発電プラントの蒸気タービンの温度であること、
を特徴とする請求項2に記載の起動制御装置。 - 前記適用起動モード決定部は、
前記計画起動モード及び前記リアルタイム起動モードのうち、前記蒸気タービンのより低い温度に対応するものを前記適用起動モードとして決定すること、
を特徴とする請求項3に記載の起動制御装置。 - 前記計画起動モードが前記リアルタイム起動モードに見直された旨を表示画面に表示する起動制御部を備えること、
を特徴とする請求項4に記載の起動制御装置。 - 起動制御装置のリアルタイム起動モード決定部は、
設備の起動の直前に前記設備から取得された物理量に基づきリアルタイム起動モードを決定し、
前記起動制御装置の適用起動モード決定部は、
前記設備の運転計画の一環として過去に決定された計画起動モードと前記リアルタイム起動モードとを比較し、
前記計画起動モード及び前記リアルタイム起動モードのうち、前記設備の起動に適するものを適用起動モードとして決定し、
前記リアルタイム起動モードを決定するために用いる基準温度である閾値は、
前記計画起動モード及び前記適用起動モードを決定するために用いる基準温度である固定値とは異なり、
前記起動制御装置の起動制御部は、
前記リアルタイム起動モードを決定した直前計測値及び前記閾値を含む不等式、並びに、前記計画起動モードを決定した前記固定値を、温度の大小関係がわかる態様で表示画面に表示すること、
を特徴とする起動制御装置の起動制御方法。 - コンピュータを、
設備の起動の直前に前記設備から取得された物理量に基づきリアルタイム起動モードを決定するリアルタイム起動モード決定部と、
前記設備の運転計画の一環として過去に決定された計画起動モードと前記リアルタイム起動モードとを比較し、
前記計画起動モード及び前記リアルタイム起動モードのうち、前記設備の起動に適するものを適用起動モードとして決定する適用起動モード決定部と、
して機能させるための起動制御プログラムであって、
前記リアルタイム起動モードを決定するために用いる基準温度である閾値は、
前記計画起動モード及び前記適用起動モードを決定するために用いる基準温度である固定値とは異なり、
前記コンピュータをさらに、
前記リアルタイム起動モードを決定した直前計測値及び前記閾値を含む不等式、並びに、前記計画起動モードを決定した前記固定値を、温度の大小関係がわかる態様で表示画面に表示する起動制御部と、
して機能させるための起動制御プログラム。
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