JPH11305704A - 掲示物 - Google Patents

掲示物

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JPH11305704A
JPH11305704A JP12162398A JP12162398A JPH11305704A JP H11305704 A JPH11305704 A JP H11305704A JP 12162398 A JP12162398 A JP 12162398A JP 12162398 A JP12162398 A JP 12162398A JP H11305704 A JPH11305704 A JP H11305704A
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layer
copolymer
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sheet
auxiliary means
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JP12162398A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Tsuchiya
博隆 土屋
Katsuaki Kobayashi
勝昭 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】掲示物としての必要な柔軟性、耐候性等を有
し、環境汚染のおそれがなく、また、従来の高周波シー
ル性等の加工性を有する材質によるシートを用いた掲示
物を提供する。 【解決手段】本体部は、少なくとも、情報が印刷された
基材層にポリオレフィン系樹脂からなる被覆層を積層し
たものであり、少なくとも1ケ所には前記ポリオレフィ
ン系樹脂を含む箇所を熱融着した補助手段を設け、前記
本体部を形成するシートより剛性が高い補助物体を装着
可能に形成した補助手段を設けた掲示物であって、前記
本体部と補助手段との熱融着が高周波シールであるこ
と、前記ポリオレフィン系樹脂からなる被覆層が、少な
くとも次の2つの層、すなわち、エチレンとα・オレフ
ィンとの共重合体からなる共重合体層Iと、エチレンと
カルボニル基を有する不飽和単量体との共重合体からな
る共重合体層IIとを含むものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内外に掲示され
るポスター、看板またパンフレット、カレンダーなどの
掲示物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、屋外を中心とする掲示物として、
一般的に利用されているものは、硬質な材料により構成
した大型のフレームに、情報を表示したシート(印刷物
等)をセットし、表面に透明な保護シートをはめ込んだ
大型パネルが利用されていた。前記大型のフレームは、
掲示場所である壁面等に固定して設置されているケース
と、もち運び可能に独立のフレームであって、前記壁面
に脱着自在としたものがあった。また、最近、印刷され
た基材を含む柔軟な方形のシート(本体シート)の上下
部に別のシート(筒状部シート)を用いて熱シール等に
より筒状部を形成し、該筒状部に棒状体を挿入して、壁
面に設けられたフック等にヒモにより吊り下げることの
できる掲示物も見られる。前記本体シート及び前記筒状
部シートは、いずもポリ塩化ビニル単体のシート 又は強
度のある基材の片面あるいは両面に軟質のポリ塩化ビニ
ルを貼合したものであった。さらに具体的には、前記本
体シートは、従来、印刷加工性のよい強度と厚さそして
インキの受容性のよい材質のシートに印刷を施し、次に
該印刷面を保護し、掲示物としての適度な厚みを付与す
るために、透明、かつ、軟質のポリ塩化ビニルを印刷面
に貼合し、さらに、裏面にも軟質のポリ塩化ビニルを貼
合していた。一方、前記筒状部シートの材質は、ポリ塩
化ビニル単体のシート又は強度のある基材の片面あるい
は両面に軟質のポリ塩化ビニルを貼合し、前記本体シー
トの上下に筒状部を形成するように、高周波シールによ
り接合していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】掲示物として、硬質の
フレームを用いると、表示が平面的となり、また、透明
保護シートによる反射光などによって、意外に見にくく
なること等の理由から、表示された情報への注目度が低
くなる傾向があった。さらに、壁面に脱着可能なフレー
ムを用いる掲示物は、表示情報が変更になるたびに、フ
レームを壁面からとり外して印刷物等をいれ変えて再度
壁面に取り付ける作業が繁雑であった。これらの、フレ
ーム式掲示物と比較して、前記軟質なシートによる掲示
物においては、掲示のための作業は極めて容易であり、
また、シートが軟質であることによるある程度の立体感
と、印刷面側の表面を粗面にしたり、さらにエンボス加
工することにより、表面の反射光による見にくさなどの
ない見やすい掲示物である。前記のように掲示物の本体
のシートに於ける被覆層または、筒状部のシートの一部
または全体にポリ塩化ビニルが用いられていた。ポリ塩
化ビニルは、掲示物としての使用が終了後、廃棄物処理
法として焼却した時にダイオキシンの発生源となること
が指摘されており、廃棄後に焼却される可能性のある掲
示物には、ポリ塩化ビニル系樹脂を使用せずに、他の材
料に代替することが望まれていた。しかし、ポリ塩化ビ
ニルは可塑剤、耐候剤などが添加しやすく柔軟性、耐候
性が良好であり、表面も傷付きにくい、構造により高周
波シール可能であり加工し易い、などの長所が多々あり
これを代替することは困難であった。例えば、ポリ塩化
ビニルにかわる材質として、耐候性のよい点からアクリ
ル系樹脂フィルムが想定されるが柔軟性に欠ける。ま
た、柔軟な軟質ポリオレフィンは、一般的に高周波シー
ルできない。高周波シール可能なエチレンと酢酸ビニル
の共重合体は表面耐擦過性に劣るなどの欠点があった。
本発明の目的は、従来、掲示物のシートに用いられてい
たポリ塩化ビニルに替わり、掲示物としての必要な柔軟
性、耐候性等を有し、環境汚染のおそれがなく、また、
従来の高周波シール性等の加工性を有する材質によるシ
ートを用いた掲示物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、フレキシブル
なシートからなり情報を表示する本体部と前記本体部の
掲示を補助する補助手段を設けた掲示物であって、前記
本体部は、少なくとも、情報が印刷された基材層にポリ
オレフィン系樹脂からなる被覆層を積層したものであ
り、少なくとも1ケ所には前記ポリオレフィン系樹脂を
含む箇所を熱融着した補助手段を設け、前記本体部を形
成するシートより剛性が高い補助物体を装着可能に形成
した補助手段を設けた掲示物であって以下の各発明、す
なわち、前記本体部と補助手段との熱融着が高周波シー
ルであること、前記ポリオレフィン系樹脂からなる被覆
層が、少なくとも次の2つの層、すなわち、エチレンと
α・オレフィンとの共重合体からなる共重合体層Iと、
エチレンとカルボニル基を有する不飽和単量体との共重
合体からなる共重合体層IIとを含み、前記共重合体IIの
厚みが、被覆層全体の厚みの60%以上であること、前記
共重合体層Iがシングルサイト系触媒を用いて重合され
たものであること、前記共重合体IIが、前記エチレン87
〜70重量%とカルボニル基を有する不飽和単量体13〜30
重量%との共重合体であること、前記カルボニル基を有
する不飽和単量体が、酢酸ビニル、メタクリル酸メチ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルのいずれかで
あること、前記補助手段がフレキシブルなシートを用い
て、本体部端部に筒状部を形成したこと、前記補助手段
に用いるフレキシブルなシートが、少なくとも前記被覆
層と同じ構成の層を含む積層体であること、前記被覆層
が、前記本体シートの基材の両面に設けられているこ
と、前記本体の基材が無機物を含有するプラスチックで
あることおよび前記プラスチックがポリプロピレンを主
体とすることを含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、店舗等の内外の壁面等
に固定し、または、つり下げて情報を表示する掲示物で
あって、その主たる構造は、情報を表示するフレキシブ
ルなシートからなる本体部と該本体部の掲示を補助する
フレキシブルなシートを用いてなる補助手段と、さら
に、前記補助手段が筒状体とし、該筒状体に挿入する棒
状の補助物体とからなるものであり、前記本体シートお
よび補助手段に用いるシートの材質構成に特徴を有する
ものである。図1は、本発明の掲示物の実施例を示す、
(a)斜視図、(b)側面図であり、図2は、図1の実
施例の掲示物の構造を説明するための、(a)図1
(b)のX部拡大図、(b)補助手段として本体シート
を用いて筒状部を形成する例、(c)図1(b)のY部
拡大図である。図3は、本発明の掲示物の本体部シート
に用いる被覆層の構成を示す断面図で、(a)2層の場
合、(b)3層の場合であり、図4は、印刷された基材
に被覆層を貼合した本体部シートの断面図であり、
(a)被覆層が共重合体層Iと共重合体層IIの2層であ
る例、(b)被覆層が共重合体層Iと共重合体層IIと共
重合体層Iとからなる3層である例を示す。図5は、印
刷された基材に被覆層を貼合した本体部シートの断面図
であり、(a)印刷面のみに被覆層を貼合した例、
(b)基材の印刷面と非印刷面の両面に被覆層を貼合し
た例である。図6は、掲示の補助手段としての筒状部シ
ートの材質構成を示す断面図で、(a)本発明のポリオ
レフィン系樹脂層のみの構成例、(b)支持層として他
のフィルム等と貼合する例である。図7は、本体部シー
トの先端に筒状の補助手段を設けた時の断面を示す。
【0006】本発明の掲示物Kについて、図等を用いて
さらに詳細に説明する。本発明にかかる掲示物Kは、主
として店舗等の壁面において掲示されるものであり、図
1(a)は、情報を表示する本体部1と該本体部1を掲
示する際の補助手段2として、本体部の上下端部に筒状
部を設け、さらに、前記筒状部に本体部1のシートより
も高い剛性を有する棒状の補助物体3を挿入した例であ
る。
【0007】前記本体部のシートは、図1(a)及び
(b)また図2(c)に示すように、少なくとも前記情
報を印刷した基材11の印刷面に被覆層13を設けたも
のであるが、さらに、図2(c)の例のように前記基材
層11の非印刷面にも被覆層13を設けることが望まし
い。
【0008】前記本体部1を構成するシー積層体10の
印刷基材層11としては、印刷適性があり、被覆層13
との貼合における作業性のよい材質と厚みを有するもの
から選択する。具体的には、紙、合成紙、プラスチック
フィルム、金属などを用いることができる。むろん、後
述する本発明における被覆層そのものをを基材層として
もかまわない。基材層11としての厚さは特に限定され
ないが、掲示物Kの本体部シート積層体10とした時の
総厚さとしては30μm〜500 μmが適当である。
【0009】また、前記基材層11への印刷は、活版印
刷、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、シ
ルクスクリーン印刷、静電印刷等を利用することができ
る。オフセット印刷、UVオフセット印刷、グラビア印
刷、凸版印刷、感熱転写、昇華転写等を利用することが
でき、、バブルジェットプリントなどによりインキ層を
設けたものであってもよい。
【0010】本発明の課題である掲示の補助手段をシー
トの高周波による熱シールとするために、本発明者ら
は、種々検討した結果、前記共重合体層IIにより、高周
波シールが可能であることを見いだした。但し、前記共
重合体層IIは、製膜後にブロッキングし易いこと、ま
た、表面材として用いる場合に耐擦禍性に劣ることが明
らかになった。そのため、前記共重合体層Iを積層し、
この共重合体層Iを表面層とすることにより、前記ブロ
ッキングを防止し、かつ、表面耐擦禍性においても問題
のないものとなった。
【0011】本発明にかかる掲示物Kにおける本体部シ
ート積層体10に用いる被覆層は、図3(a)に示すよ
うに共重合体層I14と共重合体層II15との2層から
なるもの、または、図3(b)に示すように、共重合体
層II15の両面に共重合体I14を積層した3層からな
るものである。
【0012】前記共重合体層I14は、エチレンーα・
オレフィン共重合体からなるものとし、特に、シングル
サイト系触媒を用いて重合したものが好ましい。前記α
・オレフィンとしては、ペンテンー1、ヘキセンー1、
オクテンー1などが望ましい。共重合体層II15は、エ
チレンとカルボニル基を有する不飽和単量体との共重合
体からなる層であり、エチレン87〜70重量%とカルボニ
ル基を有する不飽和単量体13〜30重量%との範囲の共重
合体とする。エチレンとの共重合における前記単量体が
13重量%未満では高周波シールが困難であり、30重量%
を超えると加工が困難である。
【0013】前記カルボニル基を有する不飽和単量体と
は、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸ブチルなどが適当であり、また、前記共
重合体層I及びIIの厚さと適性なシール強度との関係を
実験した結果、前記共重合体層IIの厚さが被覆層の全体
の厚さの60%以上において安定したシール強度をうるこ
とを確認した。
【0014】印刷面に被覆層13を積層することによ
り、特に印刷面(印刷インキ)12が摩擦などによる脱
落を防止し、塵埃等による汚れがあっても、被覆層表面
のみを拭くことにより、クリーニング可能である。被覆
層の厚みを加えて、本体部としての厚みを大きくするこ
とによって、剛性と重さを増してシワの発生を防止し、
また、風等により掲示物Kが過剰に揺れることを防止す
ることにある。
【0015】以上説明したように従来の被覆層であるポ
リ塩化ビニルに替えて、ポリオレフィン系樹脂による被
覆層により課題を解決することができた。
【0016】本発明において、被覆層を2層として、表
面層にエチレンーα・オレフィン共重合体(共重合体層
I)を、ラミネート側にエチレンとカルボニル基を有す
る不飽和単量体との共重合体(共重合体層II)とする構
成としたのは、熱シール性としては、共重合体層IIで可
能であるが、共重合体層IIは、ブロッキング性があり、
また、表面耐擦禍性に劣るため、共重合体層Iを設ける
ものである。被覆層として、共押出し法による製膜にお
いて、前記組み合わせが層間の接着性においても安定し
たものとなる。補助手段2となる筒状体を本体シート1
に接合するための熱シールとして高周波シールを用いる
場合には、前記共重合体層Iが積層されていても、被覆
層として、共重合体層IIの厚さが60%以上であれば、問
題なく接合できることを確認した。
【0017】本発明の補助手段としての筒状部の形成
は、図2((b)に示すように、本体部シートを用いた
筒状態としてもよい。この場合には、印刷基材11の両
面に被覆層が積層されている場合には、本体部シートの
端部を印刷面側に曲げて筒状体としてもよいし、また、
図示はしないが非印刷面側に曲げて筒状体としてもよ
い。前記被覆層13が印刷面側のみに積層されたシート
の場合には、図2(b)に示すように、本体部シートを
印刷面側に曲げてなる筒状体とする。
【0018】補助手段を形成するシートは、棒状物を挿
入した状態で長期にわたり、つり下げられている間に掲
示物の重さ等により、破れることのない強度と、本体シ
ートに高周波シール可能なものであればよい。本発明に
おける被覆層または筒状部に用いるシート等を、共重合
体Iと共重合体層IIとの積層法として、共押出し法を用
いることが好ましい。また、この樹脂の厚さが60%未満
では高周波シールが困難である。
【0019】本発明の掲示物の本体シート及び補助手段
に用いるシートに積層するエチレンーα・オレフィン共
重合体層のα・オレフィンはプロペン、ブテン、ペンテ
ン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等あるが、中でもペ
ンテン、ヘキセン、オクテンが、低温シール性の点で望
ましい。該筒状部の中に補助物体3として棒状体を挿入
し、図1(a)に示すように、該棒状体の端部に連接し
たヒモRを掲示壁面に設けたフック等Hに結びつけて掲
示物を壁面に固定していた。ヒモ等Rを棒状体に連接す
るには、前記棒状体を筒状とし、筒の内部にヒモRを通
してもよいし、棒状体の両端にヒモ等Rを取り付けるヒ
ートン等を装着したものでもよい。このように、掲示の
補助手段2に挿入するために補助物体3として前記棒状
体を用いるのは、店頭の壁面等に固定させる掲示作業を
容易にすることと、前記方形の本体シート1が、安定し
て平面性を保持し得るためである。
【0020】本発明にかかる掲示物Kに用いる被覆層1
3および補助手段2のシートまたはシートの一部として
用いる層、すなわち、前記共重合体層Iと共重合体層II
との積層体は、両共重合体層を別々に製膜して、フィル
ム状またはシート状にしてから貼り合わせてもよいが、
Tダイまたはインフレ法により両者を共押出し法により
積層体として得ることができ、また、表面にエンボスを
形成する場合はTダイのチルロールやニップロールに凹
凸を設け、転写する。また、製膜後に加熱して凹凸面を
圧着して転写してもよい。フィルムの厚さは20〜300 μ
mが適当である。
【0021】本発明においては、本体シート1又は補助
手段2となる筒状体シートにエンボス加工することがで
きる。エンボス加工は、シートの製膜時に、エンボスロ
ールを用いて、フィルムの面に凹凸を転移させても良い
し、製膜されたフィルムを再加熱して所望の凹凸を有す
るエンボスユニットにおいて加圧冷却してもよい。エン
ボス加工の効果としては、例えば、印刷用基材の両面に
被覆層を積層した本体シートの裏面側にエンボス加工を
施すことによって、本体部分を巻き込んだ状態でのブロ
ッキングを防止できる。また、補助手段を形成するシー
トの筒状体を形成する際の内面側にエンボスを設ける
と、掲示物としてセットアップの作業時の筒状部に棒状
体を挿入する際に、棒状体との滑り性を良くして筒内に
挿入し易くする等の効果がある。
【0022】本発明にかかる掲示物の本体部1は、前述
のように、印刷する基材11に被覆層13をラミネート
する、又は補助手段2として用いるシート20として、
前記被覆層と同じ構成の積層体と支持層23等の他のフ
ィルムとのラミネートはドライラミネーション、ウェッ
トラミネーション、プリントラミネーションなどの方法
により接着剤を介在させて貼合しても、フィルムを押し
出しながらラミネーションしても、サーマルラミネーシ
ョンしてもかまわない。
【0023】
【実施例】以下、本発明の掲示物の形状や効果等につい
てさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超え
ない限り以下の記載に限定されるものではない。いずれ
の実施例も図1(a)に示すような形状の掲示物として
作成した。 [実施例1]本体シート構成は、図5(b)に示す積層
体とし、印刷基材層の両面に、3層からなる被覆層を設
けた。すなわち、その層構成は、共重合体層I(10) /
共重合体II(90)/共重合体層I(10)/接着剤層/印刷/
基材(130) /接着剤層/共重合体層I(10)/共重合体II
(90) /共重合体層I(10)であり、総厚さは 350μmと
した。各共重合体の樹脂組成は次の通りとした。 共重合体層I:エチレン・オクテンー1共重合体(オク
テン12モル%) 共重合体層II:エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビ
ニル25重量%) 被覆層として、中心層にエチレン・酢酸ビニル共重合体
(酢酸ビニル25重量%)を90μmとしたトータル110 μ
mのフィルムをTダイによる共押出しにより製膜した。
この際、片面にコロナ処理した。 印刷基材及び印刷 印刷基材は、ポリプロピレン系合成紙 ユポ130 μm
(王子油化株式会社製 商品名) 印刷方式: オフセット 5色表刷 印刷基材の表裏両面に、3層共押出し法による積層体を
プリントラミにより接着した。 掲示の補助手段 (1) 筒状体シートは図6(a)に示す層構成とした。 共重合体層I(10) /共重合体II層(120) /共重合体層
I(10) 共重合体層の樹脂は、前記被覆層の樹脂と同一のものと
した。 (2) 本体シートと補助手段としてのシートとの高周波
(図7)のシール条件は、0.2A、200V、2 秒とした。 [実施例2]実施例1における共重合体層IIの酢酸ビニ
ルをメタクリル酸メチル(20重量%)とした以外は、実
施例1と同じ条件で掲示物を作成した。 [実施例3]実施例1における共重合体層Iのオクテン
ー1をヘキセン10モル%、共重合体層IIの酢酸ビニルを
アクリル酸メチル(18重量%)とした以外は、実施例1
と同じ条件で作成した。 [実施例4]中心層に酸化チタン2 %を配合して250 μ
mのフィルムを作成した。フィルムと同じ各層の厚み
比で酸化チタンを中心層に 2%配合して250 μmのフィ
ルムを作成した。これを図7のように端部にリングを形
成するように高周波シールした。 <評価方法> 柔軟性:前記共重合体層I/共重合体層II/共重合体層
Iの構成の120 μmの被覆層と120 μmの軟質塩化ビニ
ルシートの柔軟性を、東洋精機株式会社製 ループステ
ィフネスメーターにより剛度を測定した。 耐候性:ウェザーメーター(加速試験条件: キセノンラ
ンプに170 時間暴露)により、変色、褪色及び劣化等を
確認した。変色等を観察する。 加工適性:本体シートと補助手段となる筒状体とを圧着
して高周波シールしてその接着性を確認する。(高周波
シール条件は、0.2A、200V、2 秒) <結果> 柔軟性:軟質ポリ塩化ビニル11g/一枚に対して、本実施
例の被覆層は12G/一枚とほとんど同じ柔軟性であった。 耐候性:実施例の掲示物はいずれも変、褪色また劣化も
なく通常の屋外の使用条件においての耐候性を有したも
のである。 加工性:高周波シールに要する時間はポリ塩化ビニルで
のシールの場合と同じあり、作業効率が低下することは
なかった。また、そのシール強度は、実用上問題のない
ものであった。 <結果>実施例1〜実施例3のいずれも、高周波シール
適性も良好であり、使用後の焼却処理においても、ダイ
オキシンの発生は認められなかった。つまり、従来のポ
リ塩化ビニルを用いた掲示物に対して、本発明のポリオ
レフィン系樹脂からなる材料を用いた被覆層および筒状
部または筒上部を構成する層により掲示物を作成して
も、掲示物として要求される物性を充たし、使用後の焼
却処理の際にダイオキシンの発生のおそれのない掲示物
とすることが確認できた。
【0024】
【発明の効果】エチレンーα・オレフィン共重合体層と
エチレンとカルボニル基を有する不飽和単量体との共重
合体層との積層体を掲示物の本体シートおよび補助手段
となる筒状体として用いることによって、従来使用され
ていた焼却時にダイオキシンの発生源となる可能性のあ
る、ポリ塩化ビニルを使用することなく、柔軟性、耐久
性、加工性を有する積層体により構成される掲示物が提
供できるようになった。本発明の掲示物を店頭の壁面等
に装着する際に、筒状部に棒状物を挿入するが、その際
の作業性に関しても、支障ないことが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の掲示物の実施例を示す、(a)斜視
図、(b)側面図
【図2】図1の実施例の掲示物の構造を説明するため
の、(a)図1(b)のX部拡大図、(b)補助手段と
して本体シートを用いて筒状部を形成する例、(c)図
1(b)のY部拡大図
【図3】本発明の掲示物の本体部シートに用いる被覆層
の構成を示す断面図で、(a)2層の場合、(b)3層
の場合
【図4】印刷された基材に被覆層を貼合した本体部シー
トの断面図であり、(a)被覆層が共重合体層Iと共重
合体層IIの2層である例、(b)被覆層が共重合体層I
と共重合体層IIと共重合体層Iの3層である例
【図5】印刷された基材に被覆層を貼合した本体部シー
トの断面図であり、(a)印刷面のみに被覆層を貼合し
た例、(b)基材の印刷面と非印刷面の両面に被覆層を
貼合した例
【図6】掲示の補助手段としての筒状部シートの材質構
成を示す断面図で、(a)本発明のポリオレフィン系樹
脂層のみの構成例、(b)支持層として他のフィルム等
と貼合する例
【図7】本体部シートの先端に筒状の補助手段を設けた
時の断面を示す
【符号の説明】
K 掲示物 H フック R ヒモ等 K 高周波シールヘッド 1 本体部 2 補助手段 3 補助物体 4 熱シール部 10 本体部シート積層体 11 基材層 12 インキ 13 被覆層 14 共重合体層I 15 共重合体層II 16 接着剤層 20 補助手段シート積層体 21 共重合体層I 22 共重合体層II 23 支持層 24 接着剤層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレキシブルなシートからなり情報を表示
    する本体部と前記本体部の掲示を補助する補助手段を設
    けた掲示物であって、前記本体部は、少なくとも、情報
    が印刷された基材層にポリオレフィン系樹脂からなる被
    覆層を積層したものであり、少なくとも1ケ所には前記
    ポリオレフィン系樹脂を含む箇所を熱融着した補助手段
    を設けたことを特徴とする掲示物。
  2. 【請求項2】前記本体部を形成するシートより剛性が高
    い補助物体を装着可能に形成した補助手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の掲示物。
  3. 【請求項3】前記本体部と補助手段との熱融着が高周波
    シールであることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の掲示物。
  4. 【請求項4】前記被覆層及び補助手段としてのシートを
    構成するポリオレフィン系樹脂からなる層が、少なくと
    も次の2つの層、すなわち、エチレンとα・オレフィン
    との共重合体からなる共重合体層Iと、エチレンとカル
    ボニル基を有する不飽和単量体との共重合体からなる共
    重合体層IIとを含み、前記共重合体IIの厚みが、被覆層
    全体の厚みの60%以上であることを特徴とする請求項1
    〜請求項3記載の掲示物。
  5. 【請求項5】前記共重合体層Iがシングルサイト系触媒
    を用いて重合されたものであることを特徴とする請求項
    1〜請求項4記載の掲示物。
  6. 【請求項6】前記共重合体IIが、前記エチレン87〜70重
    量%とカルボニル基を有する不飽和単量体13〜30重量%
    との共重合体であることを特徴とする請求項1請求項5
    記載の掲示物。
  7. 【請求項7】前記カルボニル基を有する不飽和単量体
    が、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチ
    ル、アクリル酸ブチルのいずれかであることを特徴とす
    る請求項1〜請求項6記載の掲示物。
  8. 【請求項8】前記補助手段がフレキシブルなシートを用
    いて、本体部端部に筒状部を形成したことである請求項
    1〜請求項7に記載の掲示物。
  9. 【請求項9】前記補助手段に用いるフレキシブルなシー
    トが、少なくとも前記被覆層と同じ構成の層を含む積層
    体であることを特徴とする請求項1〜請求項8記載の掲
    示物。
  10. 【請求項10】前記被覆層が、前記本体シートの基材の
    両面に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求
    項9記載の掲示物。
  11. 【請求項11】前記本体の基材が無機物を含有するプラ
    スチックであることを特徴とする請求項1〜請求項10
    に記載の掲示物。
  12. 【請求項12】前記プラスチックがポリプロピレンを主
    体とすることを特徴とする請求項11に記載の掲示物。
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