JP4007855B2 - 複合積層樹脂シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンバーガー、フライドチキン、フレンチポテト、サンドウィッチ、寿司、焼きそば等のファースト・フード店のメニュー、値段表等や、自動販売機の商品表示等の看板、特に電飾看板に用いられる印刷、筆記が可能で、長尺で自立でき、看板材としての引き裂き強度が高い複合積層樹脂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランプカード、書類ファイル、吊り下げ用標識館看板、医療用タッグ、台紙、花壇や植木鉢に挿入する花ラベル等に用いられる肉厚の合成紙として、無機微細粉末を含有した熱可塑性樹脂無延伸シート層の少なくとも片面に無機微細粉末を含有した熱可塑性樹脂を1軸及び(或いは)2軸に延伸されたフィルムを積層した特開平06−008978号、特開平06−219466号、特開平07−033162号、特開平08−295091号、特開平08−332690号、特開平10−017058号、特開平10−147393号、特開平10−157745号、特開平10−161540号の各公報等の厚肉が厚く、かつ軽量な複合積層樹脂シートが提案され実用化されている。これらは、いずれも印刷された文字等が透けて見えないことを目的にしており、不透明度が高く電飾看板用途には使用されていない。
【0003】
電飾看板としては、スリ硝子板や乳白色のハイインパクトポリスチレン板(HIPS板)の表面に店名や電話番号をペンキで描き、これら板の背面から電球や蛍光灯の光を照射して通行人や客にこれら板に描かれた文字・図柄に注意を引かせていた。
しかし、ファースト・フード店、百貨店や美術館の宣伝に店内や地下電飾看板としての用途が広がるにつれ、多色彩の美的なポスター的色彩が要求され、スリ硝子、乳白色のHIPS板に代わって半透明のトレース紙が用いられ、このトレース紙にグラビヤ多色刷り印刷、オフセット多色刷り印刷、スクリーン多色刷り印刷等を施し、これに光源を背面より照射して電飾看板として利用されることが多くなった。
【0004】
かかる電飾看板基材として、半透明なトレース紙に関する特開平01−156062号公報にはプロピレン系樹脂と高密度ポリエチレンよりなる樹脂フィルムの二軸延伸物を基材層とし、基材層の少なくとも片面に、プロピレン系樹脂と特定のオレフィン系樹脂さらに無機微細粉末よりなるオレフィン系樹脂組成物よりなるフィルムとプロピレンのホモ重合体またはプロピレン系ランダム共重合体のフィルムとの積層物が表面層となるように積層された複合フィルムであって、この複合フィルムのJIS−P−8138の規格で測定した不透明度3〜25%である半透明のプロピレン系樹脂多層複合フィルムが腰強度も高く、印刷性に優れ、印刷の見栄えも良好であるという理由からよく用いられている。
【0005】
しかし、従来のこの多色印刷電飾看板用紙の表裏の印刷の位置合わせの改善と表裏印刷時間の短縮を目的に特開平08−156163号公報が提案され、また、不透明度が従来の電飾看板用シートのトレース紙よりも高くなっても、印刷性、画像の輝度に優れ、見栄えの良い電飾看板用シートを提供する特開平09−325717号が提案されているが、いずれも延伸されたフィルムの複合積層シート或いはフィルムであるため強風など外的応力が加わると延伸フイルムの配向方向に応力が集中するので裂けて破損しやすいという問題点を有しており、裂けにくい電飾看板の提供が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、電飾看板の本来の性能である昼間は前面からの太陽光や照明で光を照射し、夜間は背面から電球や蛍光灯の光を照射したとき、印刷された文字・図柄が鮮明に表示でき、更に、看板基材として裂けて破損しやすいという従来の問題点を解決することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、看板基材、特に電飾看板用基材として、一定量の無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を含有して引き裂き強さを考慮した無延伸層を持ち、不透明度を限定した複合積層樹脂シートを提案し、それにより上記課題を解決する事を見出し、本発明に到達した。
即ち本発明の複合積層樹脂シートは、ポリオレフィン系樹脂100〜40重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を0〜60重量%含有する熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂100〜40重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を0〜60重量%含有する不透明度が3〜85%の熱可塑性樹脂フィルム(B)を積層した不透明度が10〜90%で肉厚が180〜2000μmであり、針金引き裂き強度が100〜700Nの複合積層樹脂シートを構成要素として含むものである。
【0008】
以下に、本発明の積層複合樹脂シート(C)について詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。更に、ポリオレフィン系樹脂の中でも、コスト面、耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンを用いることが好ましい。
【0009】
かかるプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体でありアイソタクティックないしはシンジオタクティックおよび種々の立体規則性を示すポリプロピレン、プロピレンを主成分とし、これと、エチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1等のα−オレフィンとの共重合体が使用される。この共重合体は、2元系でも3元系でも4元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。
本発明の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)は、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を含有する。
無機微細粉末としては、例えば、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、アルミナ等を挙げることができる。その平均粒径は0.01〜15μmのものを使用するのが好ましい。
【0010】
有機微細粉末としては、熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の主要成分樹脂の融点より高い融点ないしはガラス転移温度を有するものが使用できる。熱可塑性樹脂シートの主要成分がオレフィン系樹脂である場合、使用される有機微細粉末としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ナイロン−6、ナイロン−6,6、環状オレフィンの単独重合体や環状オレフィンとエチレンとの共重合体等で融点が120〜300℃、ないしはガラス転移温度が120〜280℃を有するものを挙げることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の構造は、単層、ベース層と表面層の2層構造、ベース層の表裏面に表面層が存在する3層構造等の多層構造のいずれでもよい。
【0011】
本発明に用いられる熱可塑性樹脂無延伸シート(A)は、必要に応じて、さらに、安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を0.01〜4重量%配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)に配合される無機微細粉末及び/又は有機微細粉末の含有量は0〜60重量%であり、好ましくは0〜50重量%であって、より好ましくは0〜40重量%である。
無機微細粉末及び/又は有機微細粉末の添加量が60重量%を越えると、複合積層シートの不透明度が高くなり、電飾看板として印刷した文字や描画を電球や蛍光灯の光を照射した時に見えにくくなる。
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂フィルム(B)に使用する熱可塑性樹脂の種類は特に制限されない。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂、あるいはプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン、エチレン−環状オレフィン共重合体、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやその共重合体、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらの中で、コスト面、耐水性、耐薬品性の面からポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレンを選ぶことが好ましい。また、耐熱性、剛性面からポリエステル系樹脂シートが用いらる。
【0013】
無機微細粉末及び/又は有機微細粉末としては、上記熱可塑性樹脂フィルム(A)に使用するものと同じものが使用できる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂フィルム(B)は、必要に応じて、さらに、安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、滑剤等を含有してもよい。例えば、安定剤として、立体障害フェノール系、リン系、アミン系等の安定剤を0.001〜1重量%、光安定剤として、立体障害アミンやベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系などの光安定剤を0.001〜1重量%、無機微細粉末の分散剤として、シランカップリング剤、オレイン酸やステアリン酸等の高級脂肪酸、金属石鹸等を0.01〜4重量%配合してもよい。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂フィルム(B)に配合される無機微細粉末及び/又は有機微細粉末の含有量は、0〜60重量%であり、好ましくは0〜50重量%である。
無機微細粉末及び/又は有機微細粉末の添加量が60重量%を越えると、複合積層シートの不透明度が高くなり、電飾看板として印刷した文字や描画を電球や蛍光灯の光を照射した時に見えにくくなる。
また、熱可塑性樹脂フィルム(B)は、インキ受容層や粘着剤の塗工性改善、インキの密着性向上、インキ受容層、接着剤や熱可塑性樹脂無延伸シート(A)との接着性向上、および帯電防止のために、表面処理を施すことが好ましい。表面処理の方法としては、表面酸化処理や表面処理剤による処理を挙げることができる。特に、表面酸化処理と表面処理剤による処理は両者を組み合わせて行うことが好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂フィルム(B)の不透明度は、熱可塑性樹脂無延伸シート(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)を積層した複合積層樹脂シートに電球や蛍光灯の光を照射した時に印刷した文字や描画の鮮明さを出すためには3〜85%であり、より好ましくは3〜75%である。
熱可塑性樹脂フィルム(B)の構造は、単層、ベース層と表面層の2層構造、ベース層の表裏面に表層が存在する3層構造等の多層構造でもよい。
また熱可塑性樹脂フィルム(B)は、無延伸でも良く、一軸又は2軸方向に延伸されていても良い。
【0016】
〔熱可塑性樹脂無延伸シートと熱可塑性樹脂フィルムの貼着方法〕
熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム(B)を一体に貼り合わせるための貼着方法としては、種々の方法があるが、例えば、以下に示す▲1▼〜▲3▼の方法が好ましい。
▲1▼ 無延伸積層樹脂フィルムよりなる支持体層(A)用の樹脂組成物を押出機内で溶融混練し、共押出ダイより押し出されて未だ溶融状態を保つうちにその熱を利用して、片面に金属ロール又はゴムロールより複層合成紙(B)を加圧溶着させるサーマルラミネート法。
▲2▼ 無延伸積層樹脂フィルムよりなる熱可塑性樹脂無延伸シート(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)をホットメルト接着剤又は溶剤型接着剤(D)で貼り合わせる方法。
▲3▼ ▲2▼のとき、共押出法により公知の接着性ホットメルト接着剤層を熱可塑性樹脂無延シート(A)の上層に設けるか、ホットメルト接着剤層を備える熱可塑性樹脂フィルム(B)を用いる方法。
【0017】
〔接着〕
熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム(B)を一体に貼り合わせる際に使用されるホットメルト接着剤としては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体(好ましくは酢酸ビニル含量が12重量%以下のエチレン・酢酸ビニル共重合体)、エチレン・アクリル酸共重合体(好ましくはエチレン含量が65〜94重量%のエチレン・アクリル酸共重合体)、エチレン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アイオノマー(エチレン・アクリル酸共重合体の金属塩、若しくは、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属塩)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。これらは二種以上を併用しても良い。
【0018】
溶剤型接着剤としては、ポリエーテルポリオール・ポリイソシアネート接着剤、ポリエステルポリオール・ポリイソシアネート接着剤等を挙げることができる。これらは二種以上を併用しても良い。
この様な接着剤層の肉厚は、一般に1〜30μm、好ましくは1〜20μmの厚みで使用される。具体的には、塗布型の接着剤は1〜20g/m2 、好ましくは2〜8g/m2 の量で塗布される。ホットメルト型の接着剤は溶融押出ラミネートされ、6〜30μm、好ましくは8〜20μmの厚みで熱融着される。
【0019】
本発明の複合積層樹脂シートが不透明度10〜90%を保持するためには、熱可塑性樹脂無延伸シート(A)は、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を0〜60重量%、好ましくは0〜50重量%含有する。また、熱可塑性樹脂フィルム(B)の不透明度は、熱可塑性樹脂無延伸シート(A)と熱可塑性樹脂フィルム(B)を積層した複合積層樹脂シートに電球や蛍光灯の光を照射した時に印刷した文字や描画の鮮明さを出すために不要明度は3〜85%であり、より好ましくは3〜75%である。
【0020】
また、複合積層樹脂シートの針金引き裂き強度は100〜700Nであり、より好ましくは150〜600Nである。
複合積層樹脂シートの針金引き裂き強度が100N未満では、電飾看板として使用した時にビスなどで固定した部分から引き裂かれやすく長時間使用できないばあいがある。また、700Nを越える針金引き裂き強度にするためにはより厚く、また複合積層シートを補強するために補強剤等を添加する必要があり、その結果複合積層樹脂シートの不透明度を上げる結果となるおそれがある。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
[I]評価
実施例における物性の評価は以下に示す方法によって行なった。
(1)不透明度は、JIS−P−8138により測定した。
(2)針金引裂強度は、島津製作所(株)製の引張試験機(AUTOGRAPH:AGS−5KND)の固定側チャックに固定した60mm×30mmの短冊状試験片の先端から15mm位置に6φの穴をあけ、そこに可動側チャックに固定した2.5φの直径の釣り針状針金を引っかけ、50mm/minの引張速度で引っ張ったときの最大荷重をロードセルで検出し読みとった。
【0022】
【実施例1】
〔熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の製造〕
プロピレン・エチレンランダム共重合体「商品名;ノバテックFX−4、日本ポリケム(株)製」(a1 )と、MFR2.3g/10分のプロピレン単独重合体「商品名;ノバテックFY6C、日本ポリケム(株)製」55重量%に対し、粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を配合した組成物(a2 )を、それぞれ別々の押出機で220℃の温度で溶融混練した後、一台のダイ内に供給しダイ内で積層させた後、押し出して(a1 )/(a2 )/(a1 )の三層構造(肉厚5μm/190μm/5μm)の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)を得た。
【0023】
〔熱可塑性樹脂フィルム(B)〕
熱可塑性樹脂フィルム(B)として、MFR2.3g/10分、プロピレン単独重合体「商品名;ノバテックFY6C、日本ポリケム(株)製」の二軸延伸フィルム(肉厚50μm)を使用した。
【0024】
〔プライマー塗布〕
この熱可塑性樹脂フィルム(B)の表面をコロナ放電処理した後、塗布剤水溶液を両表面に固形分で片面0.05g/m2 (肉厚約0.1μm)となるよう塗布及び乾燥して、不透明度5%の熱可塑性樹脂フィルム(B)を巻き取った。
塗布剤水溶液の組成は、下記の通りであった。
(a) 下記の基を分子鎖に含む三菱化学(株)製、水溶液ポリアクリル系帯電防止剤重合体「ST−1100」 :100重量部
【化1】
(b) 水溶性ポリアミンポリアミドのエピクロルヒドリン付加物(ディック・ハーキュレス社製「カイメン557H」) :25重量部
【0025】
〔複合積層樹脂シートの製造〕
熱可塑性樹脂無延伸シート(A)が押し出し成形後、未だ軟化状態を保っているうちにプライマー処理し巻き取った熱可塑性樹脂フィルム(B)を熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の両面にサーマルラミネートして厚みが300μm、不透明度88%の複合積層樹脂シートを得た。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0026】
【実施例2】
実施例1において組成物(a2 )に配合した炭酸カルシウムの添加量を23重量%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/1390μm/5μm)の両面に肉厚50μmの熱可塑性樹脂フィルム(B)をサーマルラミネートして厚み1500μmの複合積層樹脂シートを得た。複合積層樹脂シートの不透明度は85%であった。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0027】
【比較例1】
実施例1において組成物(a2 )に配合した炭酸カルシウムの添加量を65重量%に変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/390μm/5μm)の両面に肉厚50μmの熱可塑性樹脂フィルム(B)をサーマルラミネートして厚みが500μmの複合積層樹脂シートを得た。複合積層樹脂シートの不透明度は98%であった。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0028】
【比較例2】
実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/2390μm/5μm)の両面に肉厚50μmの熱可塑性樹脂フィルム(B)をサーマルラミネートして厚み2500μmの複合積層樹脂シートを得た。複合積層樹脂シートの不透明度は94%であった。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0029】
【比較例3】
実施例1と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/40μm/5μm)の両面に肉厚50μmの熱可塑性樹脂フィルム(B)をサーマルラミネートして厚み150μmの複合積層樹脂シートを得た。複合積層樹脂シートの不透明度は55%であり、針金引き裂き強度89Nと低かった。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0030】
【実施例3】
〔熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の製造〕
プロピレン・エチレンランダム共重合体「商品名;ノバテックFX−4、日本ポリケム(株)製」(a1 )と、MFR2.3g/10分のプロピレン単独重合体「商品名;ノバテックFY6C」55重量%、粒径1.5μmの炭酸カルシウム45重量%を配合した組成物(a2 )を、それぞれ別々の押出機で220℃の温度で溶融混練した後、一台のダイ内に供給しダイ内で積層させた後、押し出して(a1 )/(a2 )/(a1 )の三層構造(肉厚5μm/370μm/5μm)の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)を得た。
【0031】
〔熱可塑性樹脂フィルム(B)と複合積層樹脂シートの製造〕
熱可塑性樹脂フィルム(B)として、(株)ユポ・コーポレーション製の厚み60μm、不透明度30%のポリオレフィン系合成紙(商品名;ユポTPGA−60)を熱可塑性樹脂無延伸シート(A)が未だ軟化状態を保っているうちに両面にサーマルラミネートして厚みが500μm、不透明度80%の複合積層樹脂シートを得た。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0032】
【比較例4】
実施例3と同様の操作を行い、熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/2070μm/5μm)の両面に肉厚60μmのTPGA―60を熱可塑性樹脂フィルム(B)をサーマルラミネートして厚み2200μmの複合積層樹脂シートを得た。このシートの不透明度は97%であった。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0033】
【実施例4】
熱可塑性樹脂フィルム(B)として、(株)ユポ・コーポレーション製の厚み80μm、不透明度71%のポリオレフィン系合成紙(商品名;ユポKPK−80)を使用し、実施例3と同様の操作で得られた熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/330μm/5μm)の両面にサーマルラミネートして厚み500μm、不透明度90%の複合積層樹脂シートを得た。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0034】
【比較例5】
熱可塑性樹脂フィルム(B)として、(株)ユポ・コーポレーション製の厚み170μm、不透明度90%のポリオレフィン系合成紙(商品名;ユポKPK−80)を使用し、実施例3と同様の操作で得られた熱可塑性樹脂無延伸シート(厚み構成5μm/150μm/5μm)の両面にサーマルラミネートして厚み500μm、不透明度98%の複合積層樹脂シートを得た。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0035】
【実施例5】
熱可塑性樹脂フィルム(B)に、三菱ポリエステルフィルム製の厚み25μm、不透明度3%のポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名G−100)の熱可塑性樹脂無延伸シート(A)(厚み構成5μm/440μm/5μm)との接着面にグリシジルメタアクリレートを塗工し、印刷面に実施例1と同様のプライマー処理を施したものを使用した以外は実施例3と同様の操作を行って厚みが500μm、不透明度70%の複合積層樹脂シートを得た。得られた複合積層樹脂シートの物性等を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の複合積層樹脂シートは、不透明度と針金引き裂き強度を規定することで看板用基材、特に、昼間は前面からの太陽光や照明などで光を照射し、夜間は背面から電球や蛍光灯の光を照射したとき、印刷された文字や描画の鮮明性を高めることができる電飾看板基材が確保できる。
Claims (3)
- ポリオレフィン系樹脂100〜40重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を0〜60重量%含有する熱可塑性樹脂無延伸シート(A)の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂100〜40重量%、無機微細粉末及び/又は有機微細粉末を0〜60重量%含有する熱可塑性樹脂フィルム(B)を積層した不透明度が10〜90%で、肉厚180〜2000μmであり、針金引裂強度が100〜700Nであることを特徴とする複合積層樹脂シート。
- 熱可塑性樹脂フィルム(B)の不透明度が3〜85%であることを特徴とする請求項1に記載の複合積層樹脂シート。
- ポリオレフィン系樹脂がプロピレン系樹脂である請求項1または2に記載の複合積層樹脂シート。
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