JPH11305002A - レンズ洗浄方法及び装置 - Google Patents
レンズ洗浄方法及び装置Info
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- JPH11305002A JPH11305002A JP10109775A JP10977598A JPH11305002A JP H11305002 A JPH11305002 A JP H11305002A JP 10109775 A JP10109775 A JP 10109775A JP 10977598 A JP10977598 A JP 10977598A JP H11305002 A JPH11305002 A JP H11305002A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、レンズ、特に熱衝撃に弱いCaF
2のようなフッ化物系結晶材料を使用した大口径レンズ
の洗浄方法及び装置として、熱衝撃でレンズが割れると
いった不具合が発生しない洗浄方法及び装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置を用いた
レンズ洗浄方法において、レンズを湿式洗浄した後、最
終の有機系洗浄溶剤に浸漬し、引き上げる際に、この洗
浄溶剤から発生する揮発分を液表面付近から吸引し、さ
らにレンズ表面に気体をあてて乾燥させることを特徴と
するレンズ洗浄方法及び装置。
2のようなフッ化物系結晶材料を使用した大口径レンズ
の洗浄方法及び装置として、熱衝撃でレンズが割れると
いった不具合が発生しない洗浄方法及び装置を提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置を用いた
レンズ洗浄方法において、レンズを湿式洗浄した後、最
終の有機系洗浄溶剤に浸漬し、引き上げる際に、この洗
浄溶剤から発生する揮発分を液表面付近から吸引し、さ
らにレンズ表面に気体をあてて乾燥させることを特徴と
するレンズ洗浄方法及び装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ、特に高精
度を要求されるフッ化物系結晶材料からなる大口径高精
度レンズの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
度を要求されるフッ化物系結晶材料からなる大口径高精
度レンズの洗浄方法及び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズの洗浄方法として、多
槽式浸漬型のレンズ洗浄装置が用いられる。これは、枚
葉式浸漬型洗浄機とも称され、洗浄槽を数槽設けてお
き、水系の洗浄剤、例えば、カチオン系、アニオン系、
ノニオン系の界面活性剤で洗浄し、次いで純水で洗浄し
た後、2−プロパノール等の有機溶剤で洗浄し、さらに
2−プロパノール等の有機溶剤の蒸気乾燥により仕上げ
ていた。この方法によれば、レンズ口径が小さい場合に
は洗浄治具に多数のレンズを入れることができるため一
度にたくさんのレンズが効率的に洗浄できる利点があ
る。
槽式浸漬型のレンズ洗浄装置が用いられる。これは、枚
葉式浸漬型洗浄機とも称され、洗浄槽を数槽設けてお
き、水系の洗浄剤、例えば、カチオン系、アニオン系、
ノニオン系の界面活性剤で洗浄し、次いで純水で洗浄し
た後、2−プロパノール等の有機溶剤で洗浄し、さらに
2−プロパノール等の有機溶剤の蒸気乾燥により仕上げ
ていた。この方法によれば、レンズ口径が小さい場合に
は洗浄治具に多数のレンズを入れることができるため一
度にたくさんのレンズが効率的に洗浄できる利点があ
る。
【0003】ところが、口径が大きくなった時には従来
のような2−プロパノールによる蒸気乾燥を行うとレン
ズが割れる不具合が発生してしまうことがわかってき
た。
のような2−プロパノールによる蒸気乾燥を行うとレン
ズが割れる不具合が発生してしまうことがわかってき
た。
【0004】特に、高級カメラレンズ、テレビジョンカ
メラレンズ等の高機能性が要求されるレンズにおいて
は、その極めて良好な光学特性からCa2F、Mg2F等
のフッ化物系結晶材料が用いられており、これらフッ化
物系結晶材料からなるレンズの場合、熱衝撃に対して非
常に弱く、わずかの温度変化があっても、簡単にレンズ
が割れることが多い。
メラレンズ等の高機能性が要求されるレンズにおいて
は、その極めて良好な光学特性からCa2F、Mg2F等
のフッ化物系結晶材料が用いられており、これらフッ化
物系結晶材料からなるレンズの場合、熱衝撃に対して非
常に弱く、わずかの温度変化があっても、簡単にレンズ
が割れることが多い。
【0005】従って、レンズ、特に熱衝撃に弱いCaF
2のようなフッ化物系結晶材料を使用した大口径レンズ
の洗浄方法については、熱衝撃で割れるといった不具合
を防ぐ洗浄方法が望まれていた。
2のようなフッ化物系結晶材料を使用した大口径レンズ
の洗浄方法については、熱衝撃で割れるといった不具合
を防ぐ洗浄方法が望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レンズ、特
に熱衝撃に弱いCaF2のようなフッ化物系結晶材料を
使用した大口径レンズの洗浄方法及び装置として、熱衝
撃でレンズが割れるといった不具合が発生しない洗浄方
法及び装置を提供することを目的とする。
に熱衝撃に弱いCaF2のようなフッ化物系結晶材料を
使用した大口径レンズの洗浄方法及び装置として、熱衝
撃でレンズが割れるといった不具合が発生しない洗浄方
法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、多槽式浸漬型
のレンズ洗浄装置を用いたレンズ洗浄方法において、レ
ンズを湿式洗浄した後、最終の有機系洗浄溶剤に浸漬
し、引き上げる際に、レンズ表面に気体をあてて乾燥さ
せることを特徴とするレンズ洗浄方法に関する。
のレンズ洗浄装置を用いたレンズ洗浄方法において、レ
ンズを湿式洗浄した後、最終の有機系洗浄溶剤に浸漬
し、引き上げる際に、レンズ表面に気体をあてて乾燥さ
せることを特徴とするレンズ洗浄方法に関する。
【0008】さらに、多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置と
して、このレンズを最終の洗浄溶剤から引き上げる際
に、レンズ表面に気体を吹きつける手段を備えたことを
特徴とするレンズ洗浄装置に関する。
して、このレンズを最終の洗浄溶剤から引き上げる際
に、レンズ表面に気体を吹きつける手段を備えたことを
特徴とするレンズ洗浄装置に関する。
【0009】本発明によれば、レンズを室温で洗浄、乾
燥が可能であるため、レンズに対して熱衝撃を与えにく
い。その結果、レンズが割れるといった不具合を発生さ
せない。
燥が可能であるため、レンズに対して熱衝撃を与えにく
い。その結果、レンズが割れるといった不具合を発生さ
せない。
【0010】
【発明の実施の形態】図1を参照して、本発明の多槽式
浸漬型のレンズ洗浄装置及び方法を説明する。図1に示
した多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置例は、第1槽、第2
槽の水系洗浄剤槽1、第3槽、第4槽の純水洗浄槽2、
第5槽、第6槽、第7槽の有機系洗浄溶剤槽3からな
り、レンズ洗浄治具6で保持固定されたレンズ5を、第
1槽から第7槽まで段階的に浸漬し、湿式洗浄する。第
7槽の開口部9には、気体の吹きつけ手段であるエアナ
イフ7が備えられ、レンズ5を引き上げる際に、レンズ
5表面に気体を吹きつけ乾燥する。
浸漬型のレンズ洗浄装置及び方法を説明する。図1に示
した多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置例は、第1槽、第2
槽の水系洗浄剤槽1、第3槽、第4槽の純水洗浄槽2、
第5槽、第6槽、第7槽の有機系洗浄溶剤槽3からな
り、レンズ洗浄治具6で保持固定されたレンズ5を、第
1槽から第7槽まで段階的に浸漬し、湿式洗浄する。第
7槽の開口部9には、気体の吹きつけ手段であるエアナ
イフ7が備えられ、レンズ5を引き上げる際に、レンズ
5表面に気体を吹きつけ乾燥する。
【0011】洗浄方法についてさらに詳しく説明する
と、各槽に浸漬の際に、超音波振動子4により超音波を
洗浄槽中に発生させて、超音波洗浄を行うことができ
る。洗浄槽中の洗浄剤については、レンズの汚れに応じ
た適宜選択することができるが、洗浄の効果、乾燥のし
やすさを考慮した場合、水系の洗浄剤、例えば、カチオ
ン系、アニオン系、ノニオン系の界面活性剤で洗浄し、
次いで純水で洗浄した後、有機系の洗浄溶剤で洗浄する
ことが好ましい。
と、各槽に浸漬の際に、超音波振動子4により超音波を
洗浄槽中に発生させて、超音波洗浄を行うことができ
る。洗浄槽中の洗浄剤については、レンズの汚れに応じ
た適宜選択することができるが、洗浄の効果、乾燥のし
やすさを考慮した場合、水系の洗浄剤、例えば、カチオ
ン系、アニオン系、ノニオン系の界面活性剤で洗浄し、
次いで純水で洗浄した後、有機系の洗浄溶剤で洗浄する
ことが好ましい。
【0012】最終の有機系洗浄溶剤は、図1において
は、第7槽の有機系洗浄溶剤を意味し、すなわちレンズ
5を引き上げて乾燥させる直前に浸漬した有機系洗浄溶
剤を意味する。第7槽の有機系洗浄溶剤については、第
5槽、第6槽の有機系洗浄溶剤とかならずしも一致させ
る必要はないが、工程管理上、一致させることが好まし
い。最終の有機系洗浄溶剤は、先立って使用された水系
の洗浄剤、及び純水を洗い流しやすいほうがより適して
おり、水が有機系洗浄溶剤に可溶であればあるほど有利
といえる。
は、第7槽の有機系洗浄溶剤を意味し、すなわちレンズ
5を引き上げて乾燥させる直前に浸漬した有機系洗浄溶
剤を意味する。第7槽の有機系洗浄溶剤については、第
5槽、第6槽の有機系洗浄溶剤とかならずしも一致させ
る必要はないが、工程管理上、一致させることが好まし
い。最終の有機系洗浄溶剤は、先立って使用された水系
の洗浄剤、及び純水を洗い流しやすいほうがより適して
おり、水が有機系洗浄溶剤に可溶であればあるほど有利
といえる。
【0013】このような有機溶剤として、メタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2
−ペンタノール、3−ペンタノ−ル等の低級アルコール
類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル等のエチレングリコール誘導体、アセトン、エチル
メチルケトン等のケトン類が例示される。
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2
−ペンタノール、3−ペンタノ−ル等の低級アルコール
類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエー
テル等のエチレングリコール誘導体、アセトン、エチル
メチルケトン等のケトン類が例示される。
【0014】洗浄効果を考慮すると、水と室温で完全に
相溶するメタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、エチレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトン等
が好ましい。
相溶するメタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、エチレングリコール、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトン等
が好ましい。
【0015】さらに好ましくは、レンズを乾燥しやすく
するために、沸点が100℃以下であることが望まし
く、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、
アセトンがあげられる。
するために、沸点が100℃以下であることが望まし
く、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、
アセトンがあげられる。
【0016】さらには、メタノール、エタノール、2−
プロパノール、アセトンが、洗浄のしやすさ、乾燥のし
やすさから最も好ましい。
プロパノール、アセトンが、洗浄のしやすさ、乾燥のし
やすさから最も好ましい。
【0017】気体の吹きつけ手段については、最終の有
機系洗浄溶剤から引き上げられたレンズ表面全幅にわた
って順次気体流が当たるような気体の吹きつけ手段が適
当である。例えば、図1に示すエアナイフ7は、幅0.
5mm〜2mmのスリットから0.3〜0.5kg/c
m2の圧力で気体を噴出する構造となっている。このエ
アナイフが第7槽開口部9の入り口に2個配設され、引
き上げるレンズの表、裏の両面より気体が吹きつけられ
る。
機系洗浄溶剤から引き上げられたレンズ表面全幅にわた
って順次気体流が当たるような気体の吹きつけ手段が適
当である。例えば、図1に示すエアナイフ7は、幅0.
5mm〜2mmのスリットから0.3〜0.5kg/c
m2の圧力で気体を噴出する構造となっている。このエ
アナイフが第7槽開口部9の入り口に2個配設され、引
き上げるレンズの表、裏の両面より気体が吹きつけられ
る。
【0018】吹きつけられる気体(以下噴出気体)の温
度については、レンズの口径、材質、形状、レンズの引
き上げ速度、噴出気体の流量、最終の有機系洗浄溶剤の
種類により、適宜決められるが、40℃以下の温度に制
御されていることが好ましく、室温であることが最も好
ましい。
度については、レンズの口径、材質、形状、レンズの引
き上げ速度、噴出気体の流量、最終の有機系洗浄溶剤の
種類により、適宜決められるが、40℃以下の温度に制
御されていることが好ましく、室温であることが最も好
ましい。
【0019】噴出気体の流量についても、噴出気体の温
度と同様の要因により左右されるが、通常は10L/分
〜100L/分で制御される。
度と同様の要因により左右されるが、通常は10L/分
〜100L/分で制御される。
【0020】この気体については、レンズ及び最終の有
機系洗浄溶剤に対して不活性な気体であれば、その種類
を問わないが、例えば、乾燥空気、窒素ガス等があげら
れるが、その純度やコストを考えると窒素ガスが適当で
ある。
機系洗浄溶剤に対して不活性な気体であれば、その種類
を問わないが、例えば、乾燥空気、窒素ガス等があげら
れるが、その純度やコストを考えると窒素ガスが適当で
ある。
【0021】この例では、7槽で構成される多槽式浸漬
型のレンス洗浄装置を示したが、槽数については、レン
ズの汚れに応じて適宜選択することができる。
型のレンス洗浄装置を示したが、槽数については、レン
ズの汚れに応じて適宜選択することができる。
【0022】ところでこの方法のみであると、確かにレ
ンズの割れといった不具合は発生しないものの、従来技
術のところで述べた蒸気乾燥と比較すると、乾燥速度が
遅く、レンズの引き上げ速度が低下する場合がある。そ
こで、乾燥速度を上げ、その結果、レンズ5の引き上げ
速度を上げるために、最終の有機系洗浄溶剤から引き上
げる際に、さらに、この有機系洗浄溶剤から発生する揮
発分を液表面付近から吸引除去することが好ましい。こ
の吸引手段は、目的に鑑み、前記気体の吹きつけ手段と
最終の有機系洗浄溶剤の液面の中間に配置されることが
好ましい。
ンズの割れといった不具合は発生しないものの、従来技
術のところで述べた蒸気乾燥と比較すると、乾燥速度が
遅く、レンズの引き上げ速度が低下する場合がある。そ
こで、乾燥速度を上げ、その結果、レンズ5の引き上げ
速度を上げるために、最終の有機系洗浄溶剤から引き上
げる際に、さらに、この有機系洗浄溶剤から発生する揮
発分を液表面付近から吸引除去することが好ましい。こ
の吸引手段は、目的に鑑み、前記気体の吹きつけ手段と
最終の有機系洗浄溶剤の液面の中間に配置されることが
好ましい。
【0023】図2を参照して、本発明の気体の吹きつけ
手段及び前記揮発分を吸引する手段が設けられたレンズ
洗浄装置及び製造方法の実施例の一例を説明する。図2
で示した多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置は、第1槽から
第6槽までは図1と全く同じである。第7槽について
は、槽全体を覆う形でフード10が備えられ、フード1
0の胴部に排気用ファン8が備えられた構造になってい
る。第7槽の開口部9には、気体の吹きつけ手段である
エアナイフ7が備えられ、レンズ5を引き上げる際に、
排気用ファン8により、揮発分を吸引除去しつつ、レン
ズ5表面に気体を吹きつけ乾燥する。
手段及び前記揮発分を吸引する手段が設けられたレンズ
洗浄装置及び製造方法の実施例の一例を説明する。図2
で示した多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置は、第1槽から
第6槽までは図1と全く同じである。第7槽について
は、槽全体を覆う形でフード10が備えられ、フード1
0の胴部に排気用ファン8が備えられた構造になってい
る。第7槽の開口部9には、気体の吹きつけ手段である
エアナイフ7が備えられ、レンズ5を引き上げる際に、
排気用ファン8により、揮発分を吸引除去しつつ、レン
ズ5表面に気体を吹きつけ乾燥する。
【0024】これによってレンズの引き上げられた部分
の雰囲気が、より乾燥雰囲気になるためレンズの乾燥速
度をあげることができ、従ってレンズの引き上げスピー
ドを上げることができる。吸引の排気能力については、
レンズの口径、材質、形状、槽のサイズにより適宜定め
ることができる。
の雰囲気が、より乾燥雰囲気になるためレンズの乾燥速
度をあげることができ、従ってレンズの引き上げスピー
ドを上げることができる。吸引の排気能力については、
レンズの口径、材質、形状、槽のサイズにより適宜定め
ることができる。
【0025】本発明の方法により、外径50mm以下の
小口径の汎用光学レンズはもちろん洗浄可能であるが、
従来の洗浄方法では割れるといった不具合の発生するC
aF 2またはMgF2からなる外径200〜300mmあ
るいはそれを越える外径のレンズの洗浄方法として有効
である。
小口径の汎用光学レンズはもちろん洗浄可能であるが、
従来の洗浄方法では割れるといった不具合の発生するC
aF 2またはMgF2からなる外径200〜300mmあ
るいはそれを越える外径のレンズの洗浄方法として有効
である。
【0026】
【実施例】(実施例1)本発明による実施例について図
1を用いて説明する。多槽式レンズ洗浄装置として槽数
が、7槽のものも用いた。それぞれの槽は、縦50c
m、横30cm、高さ50cmの容量75Lであった。
研磨加工によりレンズ5(外径200mm、曲率半径2
50mm、 CaF2製凸レンズ)の表面に付着した研磨
剤、油分、その他のゴミを洗浄するために、レンズ5を
洗浄用治具6にセットした後、第1槽、第2槽で水系洗
浄剤(セミクリーンM−1、横浜油脂工業(株)を純水
で希釈)の中に浸漬して超音波振動子4(発振周波数1
MHz、500W)により、各3分間超音波洗浄を行っ
た。
1を用いて説明する。多槽式レンズ洗浄装置として槽数
が、7槽のものも用いた。それぞれの槽は、縦50c
m、横30cm、高さ50cmの容量75Lであった。
研磨加工によりレンズ5(外径200mm、曲率半径2
50mm、 CaF2製凸レンズ)の表面に付着した研磨
剤、油分、その他のゴミを洗浄するために、レンズ5を
洗浄用治具6にセットした後、第1槽、第2槽で水系洗
浄剤(セミクリーンM−1、横浜油脂工業(株)を純水
で希釈)の中に浸漬して超音波振動子4(発振周波数1
MHz、500W)により、各3分間超音波洗浄を行っ
た。
【0027】この工程によって、研磨剤、油分、ゴミ等
を除去した。次に第1槽、第2槽で使用した水系洗浄剤
を除去するために第3槽、第4槽の純水洗浄槽に浸漬し
て超音波振動子4(発振周波数1MHz、500w)に
より各3分間超音波洗浄を行った。さらに、レンズ5を
第5槽、第6槽の有機溶剤ここではアセトンに浸漬して
第5槽では超音波振動子4(発振周波数1MHz、50
0W)により超音波洗浄を3分間行った後、第6槽にお
いてアセトンリンスを行った。第7槽はアセトン槽、エ
アナイフ7から構成されており、エアナイフの位置は、
アセトン液面より、1.0cmの高さに配置されてい
る。レンズ5はアセトン液中から2mm/秒程度のスピ
ードで引き上げた。
を除去した。次に第1槽、第2槽で使用した水系洗浄剤
を除去するために第3槽、第4槽の純水洗浄槽に浸漬し
て超音波振動子4(発振周波数1MHz、500w)に
より各3分間超音波洗浄を行った。さらに、レンズ5を
第5槽、第6槽の有機溶剤ここではアセトンに浸漬して
第5槽では超音波振動子4(発振周波数1MHz、50
0W)により超音波洗浄を3分間行った後、第6槽にお
いてアセトンリンスを行った。第7槽はアセトン槽、エ
アナイフ7から構成されており、エアナイフの位置は、
アセトン液面より、1.0cmの高さに配置されてい
る。レンズ5はアセトン液中から2mm/秒程度のスピ
ードで引き上げた。
【0028】この時エアナイフでの吹きつける窒素ガス
の流量は、20〜40L/分である。温度は、40℃以
下で制御されていれば十分であるが、特に加熱すること
なく20〜30℃で吹きつけた。本発明による方法によ
る洗浄乾燥の結果、乾燥後のしみは発生せず良好なもの
であった。またレンズの割れも発生しなかった。評価法
としては、レンズ乾燥後、レンズにハロゲンランプによ
り強い光を照射してその反射光によりしみを目視確認す
る方法で行った。
の流量は、20〜40L/分である。温度は、40℃以
下で制御されていれば十分であるが、特に加熱すること
なく20〜30℃で吹きつけた。本発明による方法によ
る洗浄乾燥の結果、乾燥後のしみは発生せず良好なもの
であった。またレンズの割れも発生しなかった。評価法
としては、レンズ乾燥後、レンズにハロゲンランプによ
り強い光を照射してその反射光によりしみを目視確認す
る方法で行った。
【0029】(実施例2)本発明による実施例について
図2を用いて説明する。実施例1で使用したレンズ(外
径200mm、曲率半径250mm、 CaF2凸レン
ズ)を、第1槽から第6槽までは、実施例1と全く同じ
方法及び同じ装置で洗浄を行った。第7槽はアセトンの
入った有機系洗浄溶剤槽、及びこの槽を覆う形で設置さ
れたフード10、フード10の開口部9に設置されたエ
アナイフ7、及びフード10の胴部に対面する形で2カ
所設置された排気用ファン8から構成されている。エア
ナイフの位置は、アセトン液面より、1.0cmの高さ
に位置する。
図2を用いて説明する。実施例1で使用したレンズ(外
径200mm、曲率半径250mm、 CaF2凸レン
ズ)を、第1槽から第6槽までは、実施例1と全く同じ
方法及び同じ装置で洗浄を行った。第7槽はアセトンの
入った有機系洗浄溶剤槽、及びこの槽を覆う形で設置さ
れたフード10、フード10の開口部9に設置されたエ
アナイフ7、及びフード10の胴部に対面する形で2カ
所設置された排気用ファン8から構成されている。エア
ナイフの位置は、アセトン液面より、1.0cmの高さ
に位置する。
【0030】レンズ5が引き上げられる際に、レンズ5
表面にエアナイフにより流量20〜40L/分、温度2
0〜30℃の窒素ガス吹きつけ、同時に排気ファン8を
回転させ、2個で40〜60L/分の排気を行った。レ
ンズ5の引き上げスピードについては、3mm/秒を達
成した。実施例1と比較すると乾燥速度がより向上して
いることがわかった。実施例1と全く同様な評価方法に
より評価した結果、乾燥後のしみは発生せず良好なもの
であった。またレンズの割れも発生しなかった。
表面にエアナイフにより流量20〜40L/分、温度2
0〜30℃の窒素ガス吹きつけ、同時に排気ファン8を
回転させ、2個で40〜60L/分の排気を行った。レ
ンズ5の引き上げスピードについては、3mm/秒を達
成した。実施例1と比較すると乾燥速度がより向上して
いることがわかった。実施例1と全く同様な評価方法に
より評価した結果、乾燥後のしみは発生せず良好なもの
であった。またレンズの割れも発生しなかった。
【0031】(実施例3)実施例3では、レンズ形状を
凸形状から凹形状(外径200mm、曲率半径300m
m CaF2製凹レンズ)にした以外は、実施例2と同
様な方法により洗浄を行った。ただし、凹レンズの場合
凸レンズ比べて洗浄溶剤が凹部にたまりやすく、乾燥し
にくいため、レンズ5の引き上げスピードについては、
1mm/分まで低下させた。
凸形状から凹形状(外径200mm、曲率半径300m
m CaF2製凹レンズ)にした以外は、実施例2と同
様な方法により洗浄を行った。ただし、凹レンズの場合
凸レンズ比べて洗浄溶剤が凹部にたまりやすく、乾燥し
にくいため、レンズ5の引き上げスピードについては、
1mm/分まで低下させた。
【0032】また排気ファン8の排気量もわずかに低下
させ30〜50L/分にて行った。エアナイフの吹き付
ける窒素ガスの流量についても、10〜30L/分に低
下させた。
させ30〜50L/分にて行った。エアナイフの吹き付
ける窒素ガスの流量についても、10〜30L/分に低
下させた。
【0033】このようにして凹レンズについて洗浄、乾
燥した。実施例1と全く同様な評価方法により評価した
結果、乾燥後のしみは発生せず良好なものであった。ま
たレンズの割れも発生しなかった。
燥した。実施例1と全く同様な評価方法により評価した
結果、乾燥後のしみは発生せず良好なものであった。ま
たレンズの割れも発生しなかった。
【0034】(比較例)実施例1で使用したレンズ(外
径200mm、曲率半径250mm、 CaF2凸レン
ズ)について、洗浄は純水洗浄までは実施例1と同じ工
程で行った後、第5槽〜第7槽の有機系洗浄溶剤槽につ
いては、洗浄溶剤として2−プロパノールを用い、さら
にレンズを引き上げる際に、2−プロパノール蒸気をあ
て、蒸気乾燥を行った。蒸気の温度は、50〜80℃
で、その結果レンズ乾燥中、または乾燥後にレンズにひ
びがでたり、完全に割れるものが約90%の確率で発生
した。
径200mm、曲率半径250mm、 CaF2凸レン
ズ)について、洗浄は純水洗浄までは実施例1と同じ工
程で行った後、第5槽〜第7槽の有機系洗浄溶剤槽につ
いては、洗浄溶剤として2−プロパノールを用い、さら
にレンズを引き上げる際に、2−プロパノール蒸気をあ
て、蒸気乾燥を行った。蒸気の温度は、50〜80℃
で、その結果レンズ乾燥中、または乾燥後にレンズにひ
びがでたり、完全に割れるものが約90%の確率で発生
した。
【0035】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明の洗
浄方法によれば、特に高精度を要求されるフッ化物系結
晶材料からなる大口径レンズにおいても、割ることもし
みをつくることもなく洗浄することが可能である。
浄方法によれば、特に高精度を要求されるフッ化物系結
晶材料からなる大口径レンズにおいても、割ることもし
みをつくることもなく洗浄することが可能である。
【図1】本発明のレンズ洗浄装置の1実施例を示す概略
構成図である。
構成図である。
【図2】本発明のレンズ洗浄装置の1実施例を示す概略
構成図である。
構成図である。
1 水系洗浄剤槽 2 純水洗浄槽 3 有機系洗浄溶剤槽 4 超音波振動子 5 レンズ 6 レンズ洗浄治具 7 エアナイフ 8 排気用ファン 9 第7槽開口部 10 フード
Claims (8)
- 【請求項1】 多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置を用いた
レンズ洗浄方法において、レンズを湿式洗浄した後、最
終の有機系洗浄溶剤に浸漬し、引き上げる際に、レンズ
表面に気体をあてて乾燥させることを特徴とするレンズ
洗浄方法。 - 【請求項2】 前記レンズを前記最終の有機系洗浄溶剤
から引き上げる際に、この洗浄溶剤から発生する揮発分
を液表面付近から吸引することを特徴とする請求項1記
載のレンズ洗浄方法。 - 【請求項3】 前記多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置によ
るレンズの湿式洗浄が、水系の洗浄剤による洗浄、次い
で有機溶剤による洗浄を含む請求項1または2記載のレ
ンズ洗浄方法。 - 【請求項4】 前記最終の有機系洗浄溶剤が、水と任意
の割合で相溶する有機溶剤であることを特徴とする請求
項3記載のレンズ洗浄方法。 - 【請求項5】 前記最終の有機系洗浄溶剤の沸点が、1
00℃以下であることを特徴とする請求項4記載のレン
ズ洗浄方法。 - 【請求項6】 前記最終の有機系洗浄溶剤が、メタノー
ル、エタノール、2−プロパノール、またはアセトンで
あることを特徴とする請求項4記載のレンズ洗浄方法。 - 【請求項7】 多槽式浸漬型のレンズ洗浄装置におい
て、レンズを最終の有機系洗浄溶剤から引き上げる際
に、レンズ表面に気体を吹きつける手段を備えたことを
特徴とするレンズ洗浄装置。 - 【請求項8】 前記の気体吹きつけ手段と最終の有機系
洗浄溶剤の液面の間に、前記最終の有機系洗浄溶剤の揮
発分を吸引する手段を備えたことを特徴とする請求項7
記載のレンズ洗浄方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10109775A JPH11305002A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | レンズ洗浄方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10109775A JPH11305002A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | レンズ洗浄方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11305002A true JPH11305002A (ja) | 1999-11-05 |
Family
ID=14518922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10109775A Pending JPH11305002A (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | レンズ洗浄方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11305002A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002192090A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Ge Toshiba Silicones Co Ltd | 洗浄方法 |
JP2007216144A (ja) * | 2006-02-16 | 2007-08-30 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 蒸気処理方法及びその装置 |
JP2013257571A (ja) * | 2007-07-31 | 2013-12-26 | Corning Inc | Duv用光学素子 |
-
1998
- 1998-04-20 JP JP10109775A patent/JPH11305002A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002192090A (ja) * | 2000-12-27 | 2002-07-10 | Ge Toshiba Silicones Co Ltd | 洗浄方法 |
JP2007216144A (ja) * | 2006-02-16 | 2007-08-30 | Hitachi Plant Technologies Ltd | 蒸気処理方法及びその装置 |
JP2013257571A (ja) * | 2007-07-31 | 2013-12-26 | Corning Inc | Duv用光学素子 |
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