JP2004047515A - 石英基板の乾燥方法及び石英基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】洗浄後の石英基板の乾燥方法であって、石英基板を洗浄する工程の後に、少なくとも、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、かつ乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥する乾燥工程を行うことを特徴とする石英基板の乾燥方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗浄後の石英基板を乾燥する方法であって、該石英基板表面のパーティクルの付着と、カーボンの付着を抑制し、汚染を防止できる、洗浄後の石英基板の乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体フォトマスク製造工程においては、サブストレート、フォトマスクブランク又はフォトマスクといった各段階の石英基板を洗浄する必要があり、洗浄後の石英基板表面を乾燥する方法として、イソプロピルアルコール(IPA)蒸気による溶媒置換により乾燥する方法等が行われている。
【0003】
しかしながら、IPA蒸気を用いる方法では、乾燥時間を短くすることができる利点があるが、IPAを使用するため、乾燥後の石英基板表面にはカーボンが、4.0mg/m2以上と多く付着する問題がある。また、この乾燥方法は、IPAを加熱して使用するため防火上の取り扱いが困難であり、そのため装置を安全上特別な装置とする必要があり、装置のコストアップは免れない。
【0004】
一方、シリコンウェーハといった半導体基板においては、温水中より引き上げることにより乾燥する方法(特開平7−297165号公報)、ならびにマランゴニー効果による乾燥方法等が行われている。
【0005】
しかしながら、合成石英には、表面の親水性がよく濡れ性が高いために表面に水滴が残りやすく、水の除去が困難であるという問題があるため、これらの方法は石英基板の乾燥方法としては適さない。
【0006】
また、温水からの引き上げにより乾燥する方法では、水中での被洗浄物の保持機構部の稼働により水の攪拌が起こり、あるいは保持機構部から液だれが発生することによって、被洗浄物に異物が付着し、汚染されるという問題がある。
【0007】
さらに、マランゴニー効果による乾燥方法は、有機溶煤を用いるために、やはり石英基板表面にカーボンが、3.0mg/m2以上と多く付着する問題がある。また、IPA蒸気よりも安全ではあるが有機溶媒を用いるので、やはり防火上の取り扱いが困難であり、そのため装置を安全上特別な装置とする必要があり、装置のコストアップは免れず、乾燥時間も長くなり工程上好ましくない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、洗浄後の石英基板を乾燥した時に、基板表面へのパーティクルの付着量を少なくでき、さらにカーボンの付着量も少なくできる石英基板の乾燥方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、洗浄後の石英基板の乾燥方法であって、石英基板を洗浄する工程の後に、少なくとも、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、かつ乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥する乾燥工程を行うことを特徴とする石英基板の乾燥方法である(請求項1)。
【0010】
このように、石英基板を洗浄する工程の後に、少なくとも、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、かつ乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥することで、石英基板表面へのパーティクルの付着を極めて少なくできる上に、有機溶媒を用いた乾燥方法を行った場合と比較して、基板表面に付着するカーボンの濃度を極めて少なくすることができる。このような石英基板が、例えばサブストレートである場合、該サブストレート上にブランクス膜を成膜すると、サブストレートとブランクス膜との付着強度が強いフォトマスクブランクを得ることができる。そのため、その後のリソグラフィ工程において、微細なパターンを描いても、ブランクス膜の剥れが生じるといった問題が起こりにくい。
【0011】
この場合、前記乾燥工程で、スピン乾燥に加えて、温風乾燥、減圧乾燥、又は赤外線ランプでの乾燥のうちいずれか一つ以上を行うのが好ましい(請求項2)。
【0012】
このように、乾燥工程で、スピン乾燥に加えて、温風乾燥、減圧乾燥、又は赤外線ランプでの乾燥のうちいずれか一つ以上行うことで、石英基板をより確実に乾燥することができ、また乾燥時間を一層短縮することができる。乾燥時間を短縮できることで、パーティクルによる汚染の機会も低減する。
【0013】
さらに、本発明によれば、前記乾燥方法で洗浄後に乾燥した石英基板が提供され(請求項3)、石英基板表面の、カーボン濃度が3.0mg/m2未満であり、かつ0.1μm以上の輝点の数が0.4個/cm2以下である石英基板が提供される(請求項4)。
【0014】
このように、本発明によれば、基板表面に付着している輝点(パーティクル)、及びカーボンが極めて少ない石英基板を提供することができる。そして、このような、サブストレート、フォトマスクブランク、フォトマスク等の石英基板を、フォトマスク製造工程、デバイス製造工程等で用いた場合、生産性と歩留まりの向上を図ることができる。
尚、本明細書中において、石英基板表面のカーボンの濃度は、加熱吸脱着式ガスクロマトグラフ質量分析(MSDT−GC−MS)システムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算した値で示している。
【0015】
本発明者らは、洗浄後の石英基板をIPA等の有機溶媒を用いるなどして乾燥して、乾燥後の石英基板表面にカーボンが多く付着した場合、該石英基板が例えばサブストレートである時、該サブストレート上にブランクス膜を成膜すると、サブストレートとブランクス膜との付着強度が弱くなることを見出した。そこで鋭意検討したところ、乾燥後の石英基板表面に付着しているカーボンを低減するためには、乾燥工程でIPA等の有機溶媒を用いないスピン乾燥を行えば良いことに想到した。
【0016】
一方、スピン乾燥は丸型のウエーハを洗浄後に乾燥する方法として良く使用されているが、一般に角型である石英基板をスピン乾燥する場合、風きりにより乱流を起こし、そのため乾燥時間が長引き、基板表面への汚染を引き起こしやすい問題がある。そこで、本発明者らは、スピン乾燥において、回転数と排気を調節することにより、気流を調整し、乱流を防ぐことができれば、乾燥後の石英基板表面に付着しているパーティクルが少なく、かつカーボンが少ない清浄な石英基板を得ることができることに想到し、本発明を完成させたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の乾燥方法を実施する場合に用いることができる赤外線ランプを具備するスピン乾燥機の概略構成例図である。このスピン乾燥機1は、乾燥室2とその内側に隔壁3を有し、その中に回転上下動自在のスピンドル4を備えている。スピンドル4の上端には石英基板を保持する支持台5があり、支持台5の上方には、支持台5に保持された石英基板に赤外線を照射するIRランプ6が上下動可能に支持アーム7に取り付けられている。乾燥室2と隔壁3内はそれぞれ、排気口8、9により排気されるとともに排水する機能も有している。
【0018】
この装置において、まず石英基板を支持台5上にセットし、排気口8、9より排気しつつ、スピンドル4を高速回転することで、支持台5上の石英基板に付着している水分(洗浄液)を振り飛ばすことによってスピン乾燥することができる。この時、スピンドルの回転数、排気圧、および乾燥時間を調整することによって所望の乾燥をすることができる。振り飛ばされた水分は隔壁3に当り乾燥室2内を浮遊して基板に再付着することを防止している。スピン乾燥が終了したなら、必要に応じてIRランプ6を下降し、支持台5上の石英基板直上に配置され、ランプを点灯することで、石英基板を赤外線ランプ乾燥することができる。この装置では、スピン乾燥機中にIRランプを具備するため、スピンドル4を回転させつつ、IRランプ6を点灯し、同時に乾燥することもできる。こうすることによって、更に乾燥時間を短縮することができる。但し、スピン乾燥とIRランプによる乾燥を、それぞれ別の装置でやってもよいし、本発明ではスピン乾燥に加えIRランプ等による乾燥を行うことは任意である。
【0019】
本発明では、石英基板を乾燥する工程で、例えば上記図1のようなスピン乾燥機1を用いて、スピンドル4の回転数を、800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、さらに排気口8、9からの排気を制御し、乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥を行う。
【0020】
このように、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲に制御するのは次の理由による。すなわち、回転数を800rpm未満の範囲とした場合は、石英基板保持部での水の乾燥が完了しにくく、そのため乾燥までの時間が長くなり、汚染を引き起こしやすい。一方、2500rpmより速い範囲とした場合は、回転機構からの発塵がおこり、石英基板を汚染しやすく、特に角形の石英基板では、風きりの影響が大きくなりすぎて、乱流が生じ、排気の調整が困難となり、好ましくない。
【0021】
また、乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気するのは次の理由による。すなわち、乾燥雰囲気の差圧を300Pa未満の範囲で排気した場合は、回転時に気流の乱れの影響を受けやすく、石英基板に異物が付着しやすい。一方、乾燥雰囲気の差圧を1500Paより高い範囲で排気した場合は、排気による気流の流れで槽内で乱流を起こし易く、異物が巻き上がり石英基板を汚染しやすい。
【0022】
ここで、図2は、スピン乾燥の回転数と、乾燥後に石英基板表面に付着しているパーティクルの数との関係を示したグラフである。すなわち、乾燥雰囲気の差圧を700Paと固定して排気し、回転数を200rpmから3000rpmの範囲で変化させてスピン乾燥を行い、乾燥後に石英基板表面(200cm2)に付着している0.1μm以上の輝点(パーティクル)の数を、それぞれの回転数毎に調べてグラフにしたものである。
【0023】
図2から明らかなように、スピン乾燥において、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とすることで、乾燥後に基板表面に付着している0.1μm以上のパーティクルの数を80個(0.4個/cm2)以下とすることができる。
【0024】
さらに、図3は、スピン乾燥の乾燥雰囲気の差圧と、乾燥後に石英基板表面に付着しているパーティクルの数との関係を示したグラフである。すなわち、回転数を1500rpmと固定し、乾燥雰囲気の差圧を50Paから2500Paの範囲で変化させて排気したスピン乾燥を行い、乾燥後に石英基板表面(200cm2)に付着している0.1μm以上の輝点(パーティクル)の数を、それぞれの乾燥雰囲気の差圧毎に調べてグラフにしたものである。
【0025】
図3から明らかなように、スピン乾燥において、乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気することで、乾燥後に基板表面に付着しているパーティクルの数を80個(0.4個/cm2)以下とすることができる。
【0026】
本発明では、乾燥工程で、上記スピン乾燥に加えて、加熱した温風を基板に当て乾燥するか、または温風乾燥機中で乾燥する温風乾燥、基板を減圧乾燥機中で乾燥する減圧乾燥、あるいは赤外線ランプにより加熱して乾燥する赤外線ランプでの乾燥等を行っても良い。これらをスピン乾燥と同時に、あるいはスピン乾燥後に行って石英基板を乾燥することで、石英基板をより確実に乾燥することができ、また、乾燥時間をより短縮することも可能である。そのため、石英基板表面に付着するパーティクルが極めて少ないものを得ることができる。特に、図1の乾燥装置のように赤外線ランプとスピン乾燥を併用するのが好ましい。これにより、石英基板表面上にしばしば現れるしみを低減することもできるからである。
【0027】
尚、上記乾燥工程の前に行う石英基板を洗浄する工程は、石英基板を、熱硫酸による浸漬洗浄、界面活性剤によるスクラブ洗浄、フッ酸水溶液、水酸化カリウム水溶液及び超純水によるシャワー洗浄等の一般的な方法で洗浄することができる。その他、本発明において、石英基板の洗浄工程は特に限定されず、従来用いられていた方法のいずれであっても良い。
【0028】
さらに、洗浄工程と乾燥工程の間で、石英基板を純水又は温純水でリンスしても良い。石英基板を純水又は温純水でリンスし、その後に乾燥することで、パーティクル及びカーボンによる石英基板表面の汚染をさらに低減することができる。また、石英基板を温純水でリンスすることで、基板が温められ、その後の乾燥工程において、水の蒸発が促進され、乾燥時間のさらなる短縮を図ることもできる。
【0029】
以上のような本発明の乾燥方法によって得られた石英基板は、表面のカーボン濃度が3.0mg/m2未満で、輝点(パーティクル)の数が、0.1μm以上の大きさで、200cm2あたり80個(0.4個/cm2)以下、特に60個(0.3個/cm2)以下とすることができ、従来に比べてカーボン及びパーティクルの付着量が極めて少ない。そのため、このような石英基板を、例えばサブストレート、フォトマスクブランク、又はフォトマスクといった、フォトマスク製造工程、デバイス製造工程で用いた場合、生産性と歩留まり向上を図ることができる。より具体的には、この石英基板がサブストレートである場合、該サブストレート上にブランクス膜を成膜すると、サブストレートとブランクス膜との付着強度が強いとともにパーティクルの少ないフォトマスクブランクを得ることができる。そのため、その後のリソグラフィ工程において、微細なパターンを描いても、ブランクス膜の剥れやパターン不良が起こりにくい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例等に限定されるものではない。
(実施例1)
200cm2の角形石英基板(膜付けをしていないサブストレート)を用意した。先ず、洗浄工程として、用意した角形石英基板を、0.5重量%のフッ酸水溶液でシャワー洗浄後、超純水でシャワーした後pH11の水酸化カリウム水溶液でシャワー洗浄し、引き続いて超純水でシャワー洗浄した。次に、前記洗浄工程で清浄化された角形石英基板を60℃の温純水で60秒間掛け流しリンスした。次に、乾燥工程として、回転数を1500rpmとし、かつ500Paの差圧で排気する乾燥雰囲気中で20秒間スピン乾燥した。この乾燥工程を施した後、欠陥検査装置を用いて、基板表面の輝点(0.1μm以上のパーティクル)の数を調べた。その結果、基板表面に付着している0.1μm以上のパーティクルの数は、51個(0.26個/cm2)であった。
【0031】
次に、同条件で乾燥させた石英基板表面に付着しているカーボンの濃度を、加熱吸脱着式ガスクロマトグラフ質量分析(MSTD−GC−MS)システムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算して求めた。その結果を表1に示す。
【0032】
さらに、同条件で乾燥させた石英基板上に、ブランクス膜をスパッタリング法により成膜した。その後、表面性測定機(HEIDON トライボギア Type:HEIDON−22L)を用いて膜強度を測定した。結果は比較例による結果を1として規格化した値を表1に示す。
【0033】
(実施例2)
実施例1と同様に200cm2の角形石英基板を用意した。先ず、洗浄工程として、用意した角形石英基板を、0.5重量%のフッ酸水溶液でシャワー洗浄後、超純水でシャワーした後pH11の水酸化カリウム水溶液でシャワー洗浄し、引き続いて超純水でシャワー洗浄した。次に、前記洗浄工程で清浄化された角形石英基板を60℃の温純水で60秒間掛け流しリンスした。次に、乾燥工程として、回転数1000rpmとし、かつ300Paの差圧で排気する乾燥雰囲気中で30秒間スピン乾燥した後に、60℃、4×104Paで40秒間減圧乾燥を行った。この乾燥工程を施した後、欠陥検査装置を用いて、基板表面の輝点(0.1μm以上のパーティクル)の数を調べた。その結果、基板表面に付着している0.1μm以上のパーティクルの数は、68個(0.34個/cm2)であった。
【0034】
次に、同条件で乾燥させた石英基板表面に付着しているカーボンの濃度を、MSTD−GC−MSシステムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算して求めた。その結果を表1に示す。
【0035】
さらに、同条件で乾燥させた石英基板上に、ブランクス膜をスパッタリング法により成膜した。その後、前記表面性測定機を用いて膜強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0036】
(実施例3)
実施例1と同様に200cm2の角形石英基板を用意した。先ず、洗浄工程として、用意した角形石英基板を、0.5重量%のフッ酸水溶液でシャワー洗浄後、超純水でシャワーした後pH11の水酸化カリウム水溶液でシャワー洗浄し、引き続いて超純水でシャワー洗浄した。次に、前記洗浄工程で清浄化された角形石英基板を70℃の温純水で30秒間浸漬リンスした。次に、乾燥工程として、回転数2500rpmとし、かつ1500Paの差圧で排気する乾燥雰囲気中で15秒間スピン乾燥した後に、70℃の温風乾燥機で1分乾燥した。この乾燥工程を施した後、欠陥検査装置を用いて、基板表面の輝点(0.1μm以上のパーティクル)の数を調べた。その結果、基板表面に付着している0.1μm以上のパーティクルの数は、70個(0.35個/cm2)であった。
【0037】
次に、同条件で乾燥させた石英基板表面に付着しているカーボンの濃度を、MSTD−GC−MSシステムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算して求めた。その結果を表1に示す。
【0038】
さらに、同条件で乾燥させた石英基板上に、ブランクス膜をスパッタリング法により成膜した。その後、前記表面性測定機を用いて膜強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
また、この乾燥方法で乾燥させた基板をクラス10以下のクリーンルーム内でポリプロピレン製のボックスに入れ、これをABS樹脂製の外箱の中に入れて保管したところ、7日経過してもしみが発生しなかった(通常5日以内でしみが発生する)。
【0040】
(実施例4)
実施例1と同様に200cm2の角形石英基板を用意した。先ず、洗浄工程として、用意した角形石英基板を、0.5重量%のフッ酸水溶液でシャワー洗浄後、超純水でシャワーした後pH11の水酸化カリウム水溶液でシャワー洗浄し、引き続いて超純水でシャワー洗浄した。次に、前記洗浄工程で清浄化された角形石英基板を40℃の温純水で60秒間掛け流しリンスした。次に、乾燥工程として、赤外線ランプによる加熱を併用し、回転数1500rpmとし、かつ1000Paの差圧で排気する乾燥雰囲気中で20秒間スピン乾燥した。この乾燥工程を施した後、欠陥検査装置を用いて、基板表面の輝点(0.1μm以上のパーティクル)の数を調べた。その結果、基板表面に付着している0.1μm以上のパーティクルの数は、52個(0.26個/cm2)であった。
【0041】
次に、同条件で乾燥させた石英基板表面に付着しているカーボンの濃度を、MSTD−GC−MSシステムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算して求めた。その結果を表1に示す。
【0042】
さらに、同条件で乾燥させた石英基板上に、ブランクス膜をスパッタリング法により成膜した。その後、前記表面性測定機を用いて膜強度を測定した。その結果を表1に示す。
【0043】
また、この乾燥方法で乾燥させた基板をクラス10以下のクリーンルーム内でポリプロピレン製のボックスに入れ、これをABS樹脂製の外箱の中に入れて保管したところ、7日経過してもしみが発生しなかった(通常5日以内でしみが発生する)。
【0044】
(比較例1)
実施例1と同様に200cm2の角形石英基板を用意した。先ず、洗浄工程として、用意した角形石英基板を、0.5重量%のフッ酸水溶液でシャワー洗浄後、超純水でシャワーした後pH11の水酸化カリウム水溶液でシャワー洗浄し、引き続いて超純水でシャワー洗浄した。次に、前記洗浄工程で清浄化された角形石英基板を25℃の純水で60秒間掛け流しリンスした。次に、乾燥工程として、IPA蒸気乾燥を行った。この乾燥工程を施した後、石英基板表面に付着しているカーボンの濃度を、MSTD−GC−MSシステムで測定し、標準物質の炭化水素n−C16H34で換算して求めた。その結果を表1に示す。
【0045】
さらに、同条件で乾燥させた石英基板上に、ブランクス膜をスパッタリング法により成膜した。その後、前記表面性測定機を用いて膜強度を測定した。その結果を表1に示すように1とした。
【0046】
【表1】
【0047】
表1から明らかなように、乾燥工程で本発明のスピン乾燥を行ったサブストレートは、IPA蒸気により乾燥した場合と比較して、乾燥後にサブストレート表面に付着しているカーボンが極めて少なく、3.0mg/m2未満とすることができ、また、サブストレートとブランクス膜との付着強度が強いことがわかる。
【0048】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0049】
例えば、上記実施例では、角形合成石英基板を用いて、洗浄後の石英基板の乾燥を行ったが、本発明の方法は、このような形状や形態の石英基板に限定されずに適用することができ、また、パターン用の膜が付けてあるフォトマスクブランクやフォトマスクにも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、洗浄工程により清浄化した石英基板を乾燥する際、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、かつ乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥すれば、乾燥後に基板表面に付着しているパーティクルの数が極めて少ない石英基板を得ることが可能となる。さらに、有機溶媒を用いない乾燥であるため、乾燥後に石英基板表面に付着しているカーボンの量も、極めて少ないものとすることができ、ブランクス膜の強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用される赤外線ランプを具備するスピン乾燥機の概略構成例図である。
【図2】スピン乾燥の回転数と乾燥後に石英基板表面に付着しているパーティクルの数との関係を示したグラフである。
【図3】スピン乾燥の乾燥雰囲気の差圧と乾燥後に石英基板表面に付着しているパーティクルの数との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
1…スピン乾燥機、 2…乾燥室、 3…隔壁、 4…スピンドル、 5…支持台、 6…IRランプ、 7…支持アーム、 8、9…排気口。
Claims (4)
- 洗浄後の石英基板の乾燥方法であって、石英基板を洗浄する工程の後に、少なくとも、回転数を800rpm以上2500rpm以下の範囲とし、かつ乾燥雰囲気の差圧を300Pa以上1500Pa以下の範囲で排気してスピン乾燥する乾燥工程を行うことを特徴とする石英基板の乾燥方法。
- 前記乾燥工程で、スピン乾燥に加えて、温風乾燥、減圧乾燥、又は赤外線ランプでの乾燥のうちいずれか一つ以上を行うことを特徴とする請求項1に記載の石英基板の乾燥方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の方法で洗浄後に乾燥した石英基板。
- 前記石英基板表面の、カーボン濃度が3.0mg/m2未満であり、かつ0.1μm以上の輝点の数が0.4個/cm2以下であることを特徴とする請求項3に記載の石英基板。
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