JPH11304631A - 缶打検システム - Google Patents

缶打検システム

Info

Publication number
JPH11304631A
JPH11304631A JP10124260A JP12426098A JPH11304631A JP H11304631 A JPH11304631 A JP H11304631A JP 10124260 A JP10124260 A JP 10124260A JP 12426098 A JP12426098 A JP 12426098A JP H11304631 A JPH11304631 A JP H11304631A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
displacement
detecting
region
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10124260A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3409692B2 (ja
Inventor
Hironori Kobayashi
寛典 小林
Kazuhiro Yamauchi
一博 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP12426098A priority Critical patent/JP3409692B2/ja
Publication of JPH11304631A publication Critical patent/JPH11304631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3409692B2 publication Critical patent/JP3409692B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)
  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陽圧缶の検査を打検により行う際に、缶内圧
力と打検値の対応関係をとると、適正陽圧領域と同じ値
を示す陰圧領域が存在し、打検値から製造過程で発生す
る不良陰圧缶の排除が出来ないという問題があり、本発
明はこの問題を解決した打検システムを提供する。 【解決手段】 本発明は、缶に衝撃波を与えてその缶の
固有振動周波数を検出する手段と、缶底の変位を検出す
る手段とを備え、更に陰圧領域から陽圧領域にわたるほ
ぼ線形の特性に基づいて前記変位量から缶内圧力が陽圧
領域か陰圧領域かの判別を行う手段と、缶内圧力と固有
振動周波数とのほぼV字状の特性に基づいて前記固有振
動周波数値から缶内圧力を検知する手段と、前記陽圧領
域を判別する手段と缶内圧力を検知する手段双方から得
られた情報に基づいて適正でない陰圧領域または陽圧領
域のものを排除して適正な缶の選別を行う手段とからな
る缶打検システムである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】缶を打検し、その缶の反響音
(振動)に基づいて缶内圧力を検知し、陽圧缶の良否判
定を行う缶打検システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、密封容器内の圧力を打検によ
って行うことはよく知られている。これは例えば、ミル
ク入り飲料等の低酸性飲料の缶詰は、常温まで冷えると
陰圧缶詰となるが、腐敗・発酵すると缶内でガスを発生
し、圧力が上がってしまうし、缶のシールが不完全で漏
れがある場合にも外気が侵入して圧力が上がってしま
う。しかし正常に詰められたものは陰圧を維持できる。
そこで、缶の一部に衝撃を加え、その缶の反響振動をモ
ニターすることで、缶内圧力を検知し不良な缶を排除し
ようというものである。圧力と振動との関係は、強く張
った弦が高い固有振動によって高音を発し、ゆるんだ弦
が低い固有振動によって低温を発する物理現象と同様
で、缶内圧力と外気圧力の差が大きいほど缶壁は張って
缶の固有振動は高くなり高音を発することになる。
【0003】打検プローブはインパルスの印加により缶
壁を強く変位させるエキサイタコイルと振動音を検出す
るマイクとから構成される。マイクによって拾われた音
の周波数分布においてピーク値を示すものが缶の固有振
動であり、この値が適正缶内圧力に対応する周波数帯域
に有るか無いかで缶の良不良の判定をし、不良な缶をリ
ジェクタで排除する。この際、温度により気体が膨張圧
縮して缶内圧力は変化するため、温度測定を行い基準温
度に換算補正して判定することが行われている。陰圧缶
詰は、真空度が略20〜60cmHgの範囲にあり、圧力
のバラツキが少なく、且つ内圧変動に対する固有振動数
の変化が大きいので、打検による検知分解能が高く、打
検によって洩れや内容液の変敗の検出が正確にできる利
点がある。しかしながら、陰圧缶詰の場合、陰圧に耐え
る剛性の高い缶体を必要とし、陽圧缶よりも側壁が厚い
ため、缶コストが高くなるという問題点を有している。
【0004】一方、密封時に液体窒素等の不活性(液化
・固化)ガスを充填することで、液体窒素等の気化膨張
により缶内に陽圧が発生し、缶内圧力で剛性を持たせ側
壁の薄い缶の使用を可能にした陽圧缶詰がある。陽圧缶
詰は、陰圧缶詰に比べて缶内に陽圧がかかっているた
め、外圧に対しても窪みにくく板厚を薄くすることが可
能であり、缶材料を削減でき缶コストを低減化できる利
点がある。
【0005】以上のように缶材の薄肉化を図るためには
陽圧缶詰にすれば良いが、従来の陽圧缶詰は、下記のよ
うな理由で内圧検査適性に欠けて品質保証性が不十分な
ため、これまで低酸性飲料、例えばミルク入り飲料等の
内容物は、缶底部の板厚が0.24〜0.26mmで缶胴部が0.2m
m程度と比較的板厚の厚いスチール製の陰圧缶詰にさ
れ、陽圧缶詰は比較的変敗や腐敗しにくい内容物に限定
して用いられているに過ぎなかった。それは陽圧缶詰の
場合、充填されたガスで内圧を発生させるため、充填ガ
スの量差に基づく内圧のバラツキが陰圧缶詰に比べて大
きく、例え缶内圧を正確に測定できたとしても、バラツ
キ範囲が大きいため測定された缶内圧が内容品の変敗に
よるものか、充填ガス量のバラツキに起因するものであ
るか区別がつかず、変敗缶の正確な検知が困難であった
ことによる。しかし、昨今充填液化ガスをミスト状に噴
霧して供給する技術の実用化等が進み、安定した充填ガ
ス供給が可能となり、充填ガスのバラツキを押さえるこ
とが出来るようになったため、充填ガスの供給量の差に
影響されないで内容の腐敗に起因する缶内圧力の変化を
打検値から検知できるようになった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この陽圧缶
の検査を打検により行おうとして、缶内圧力と打検値の
対応関係をとると、適正陽圧領域と同じ値を示す陰圧領
域が存在し、打検値から製造過程で発生する不良陰圧缶
の排除が出来ないという新たな問題を生じた。これは陽
圧によって缶が膨らみ凸状に張る場合も、陰圧によって
凹状にへこむ場合も缶の張りとしては同様で缶は共に高
い固有振動をもつことに起因している。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、缶に衝撃波を
与えてその缶の固有振動周波数を検出する手段と、缶底
の変位を検出する手段とを備え、更に陰圧領域から陽圧
領域にわたるほぼ線形の特性に基づいて前記変位量から
缶内圧力が陽圧領域か陰圧領域かの判別を行う手段と、
缶内圧力と固有振動周波数とのほぼV字状の特性に基づ
いて前記固有振動周波数値から缶内圧力を検知する手段
と、前記陽圧領域を判別する手段と缶内圧力を検知する
手段双方から得られた情報に基づいて適正でない陰圧領
域または陽圧領域のものを排除して適正な缶の選別を行
う手段とからなる缶打検システムである。また、温度変
化に伴う缶内圧力の変化を補正し、測定分解能を向上さ
せるため缶の温度を計測するセンサと温度補正手段とを
備える。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を詳細に
説明する。図1に示すように検査される缶2はベルト1
上に載せられて搬送されてくる。缶の到達を検知するた
めの光源3ー1と受光素子3ー2とからなる存在検知器3が
備えられる。この存在検知器はその検出タイミングと前
記ベルトの移送速度vおよび下流側の変位計4と打検プ
ローブ5の設置位置(距離)情報l1,l2とから缶底の
変位計の信号取り込みタイミングt1と缶を打検するタ
イミングt2とを算出するためのものである。缶の到達
を存在検知器3で検知してからt1後のタイミングで変
位計4と缶壁面の距離dを検出し、マイクロコンピュー
タ10内のRAMに蓄積する。缶の到達を存在検知器3
で検知してからt2後のタイミングで、打検プローブの
エキサイタコイル5ー1にインパルスを印加して缶底壁面
を強制的に変位させ、振動音をマイク5-2にて検出しそ
の打検値をやはり前記RAMに蓄積する。なお、変位計
4の検出値dは搬送ベルト2の変位を含むので、必要に
応じベルト自体の変位を例えばベルト裏面から検出する
変位計(図示せず)により検出し、その変位分を検出値
dから除去するようにして測定精度を上げることもでき
る。また、変位計4をよぎる前方と後方の缶の環状接地
部までの距離を変位計4により測りその平均を取ること
でもベルト自体の変位と缶の傾きの誤差を概ね補正する
ことができる。
【0009】缶内圧力に対応するこの変位量は、図2に
示すように例えば缶の環状接地部の面と底壁中央部との
距離:センターデプスhを変位計4の検出値より割り出
し、このセンターデプスの値を用いて設定入力手段8を
介して設定入力されRAMに記憶されている基準値と比
較するのが適当である。なぜならば、缶底中央部は缶内
圧力の変化に対応して最も感度良く変位する箇所である
からである。この比較判定により被検査缶が適正陽圧領
域のものか陰圧領域のものかが識別される。これらの信
号処理は、マイクロ・コンピュータ10内のROM等に
蓄積されたプログラムに基づいて各センサーからの検出
情報を取り込んで、やはりマイクロ・コンピュータ10
内に備えられたCPUで行うことができる。
【0010】次に、打検に基づく缶内圧力検知である
が、振動センサである打検プローブのマイクで拾われた
音響振動は広い領域にわたる周波数の信号を含んだもの
であるため、まず周波数解析部11に送られ、缶の固有
振動予測領域を大きく外れる高調波を含む高周波領域や
低周波ノイズ領域をバンドパスフィルタ等で除去した
後、注目領域の周波数対応レベルのヒストグラムを得
る。そしてそのヒストグラムから缶の固有振動であるピ
ーク値の周波数を抽出する。このピーク値の周波数をマ
イクロ・コンピュータ10に入力させる。一方適正缶内
圧力の範囲は設定入力手段8から入力設定される。これ
はROM等に蓄積されたプログラムに従い、適正缶内圧
力の上限値と下限値を入力し、RAM等の記憶部に記憶
蓄積された被検査缶の缶内圧力と固有振動周波数との特
性曲線情報を用い、該適正缶内圧力に相当する固有振動
周波数範囲をCPUにおいて演算割り出し上限・下限基
準値として設定記憶することができる。なお、この基準
値設定は上記特性曲線からオペレーターが読取り直接固
有振動周波数として入力することもできる。なお、これ
ら設定値の入力や各種演算動作はROM等に蓄積された
プログラムに従って実行されるが、設定入力は表示器9
に適宜表示案内される手順に従って行われる。
【0011】ところで、上記の被検査缶の缶内圧力と固
有振動周波数との特性曲線であるが、缶内圧力は温度に
よって変化するものであり、この特性曲線は基準温度の
元で得られたものであるため、缶の温度が基準温度と異
なる場合には缶内圧力と固有振動周波数との関係は相違
することになる。したがって、ここでは温度センサ6
(例えば非接触型の放射温度計)を設置して被検査缶の
温度を測定し、特性のずれを補正するようにしている。
補正の例としては標準缶を用いて温度と固有振動周波数
との特性を記憶しておき、基準温度と測定温度との周波
数差分を演算し測定固有振動周波数にその差分を加える
方法がある。なお、この温度変化に伴う缶内圧力変化は
先の変位測定にも影響を及ぼすものであるから、必要に
応じて同様の方法で変位測定値にも温度補正を加えるこ
とができる。
【0012】これは缶の材質厚み形状によって値は異な
ってくるが、外気圧力との差が0である付近を底として
概ねV字状で外気圧力との差が大きくなる領域では変化
率が小さく傾斜が寝てくる傾向の特性曲線になってい
る。したがって、陽圧缶の適正缶内圧力に対応する固有
振動周波数は、陰圧領域にも存在することになり、打検
による固有振動の周波数からだけでは缶内圧力が適正で
あるか否かを識別することができない。本発明は適正缶
内圧力ではない例えば陰圧領域の缶を前記変位計4の検
出値から判別して排除できることを最大の特徴とするも
のである。前記CPUにおいて、前記打検により検知さ
れ入力された缶の固有振動周波数が前記基準値と比較演
算され適正缶内圧力に対応する周波数のものが判別され
る。この判別結果と上記変位計測で得られた缶内圧力が
陽圧領域か陰圧領域かの判定結果との論理積によって缶
内圧力が適正か否かの最終判別がなされ、不良缶はリジ
ェクタ7によってラインから排除される。
【0013】
【実施例1】被検査缶は表面処理鋼板の両面にポリエス
テルフィルムをラミネートしたものから絞りしごき及び
ストレッチ加工により作られた肉薄のツーピース缶で、
適正缶内圧力が0.2〜0.8Kgf/cm2とされる底壁が平坦な
陽圧缶である実施例を示す。図3に打検によって得たこ
の缶の固有振動周波数(以下単に打検値という。)と缶
内圧力との対応特性図、および缶底部の変位をセンター
デプスとしてとったものと缶内圧力との対応特性図を示
す。なお、この図において打検値は周波数に対応して示
されており、例えば200とある値は2KHzに相当してい
る。適正缶内圧力が0.2〜0.8Kgf/cm2となっているの
で、マイクロ・コンピュータ10上で上限基準値として
は300(3KHz),下限基準値は195(1.95KHz)と設定さ
れ、計測された被検査缶の打検値と比較判定が行われ
る。なお、適正管内圧力は必ずしも0.2〜0.8Kgf/cm2
特定されるというわけではなく、実際には内容物の種類
等により個々のケースで異なるものでるから、例えば、
0.3〜0.5Kgf/cm2を適正缶内圧力とする場合もあり、そ
の際にはその圧力に対応する打検値が基準値とされて設
定されることになる。
【0014】図3から分かるように、打検値は陽圧領域
においても陰圧領域においても外気圧との差が大きくな
るほど周波数の値が大きくなっている。そして今適正缶
内圧力0.2〜0.8Kgf/cm2に対応する周波数は195(1.95KH
z)〜300(3KHz)となっており約1KHzにわたり適度の
傾斜をもって増加傾向にあるので感度良く、缶内圧力の
検知が出来る。ところが、缶内圧力が-0.12〜-0.38Kgf/
cm2なる陰圧領域にも対応する固有振動周波数の領域が
存在し、この打検値のみからではこの様な陰圧不良缶の
判別は出来ない。この種の陽圧缶にあっては製造工程中
液体窒素充填時に窒素供給系に故障があって噴霧充填が
なされず、陰圧缶が製造されてしまうこともありうる
が、たまたま缶内圧力が-0.12〜-0.38Kgf/cm2となって
しまった缶についてはこの打検値からだけでは排除する
ことはできない。
【0015】次に、変位計の計測値から得たセンターデ
プスのほうであるが、この缶の適正缶内圧力0.2〜0.8Kg
f/cm2に対応するセンターデプスの値は、図3の特性図
からみると3.9mm〜3.25mmとなっており、陰圧側から陽
圧側に圧力が増加する毎にセンターデプスの方はほぼ線
形に減少傾向を示している。したがってこのセンターデ
プスに関しては缶内圧力の全領域にわたって値がダブル
ことはない。ということは理論的にはこのセンターデプ
スの計測のみから適正缶内圧力の検知が可能ということ
になるが、変位計が検出する缶底の変位量にはベルトの
変位等のノイズを含んでおり、3.9mm〜3.25mmの変化を
感度良く検出し缶の選別を行うことは実際には困難であ
る。ここでは缶内圧力をこの値から検知するのではな
く、単に缶内圧力が陽圧領域か陰圧領域にあるかの判別
のみをさせるものである。そのため、この例では計測値
から得られたセンターデプス値が3.9mm〜3.25mmに入っ
ているか否かの判定をするのではなく、缶内圧力が外気
圧近傍で打検値特性において底値となっている、0.02Kg
f/cm2に対応するセンターデプスの値4.1mmを判別閾値と
してマイクロ・コンピュータ10に設定し、計測によっ
て得られたセンターデプスの値を比較判定させている。
【0016】図4にこの缶の打検値温度特性を示す。こ
のグラフから分かるように打検値は温度上昇と共に線形
で増加傾向を示している。この実施例では計測によって
得た打検値に測定した温度の打検値と基準温度における
打検値の差をこの特性より割り出し、その差分を減算し
て基準温度における打検値に換算し缶内圧力の判定を行
う。この実施例では5℃毎に55Hz分補正するようにして
いる。勿論ブロック単位の粗い補正ではなく必要に応じ
て連続的に補正を行うことも可能である。
【0017】
【実施例2】被検査缶はアルミニュウム製の絞りしごき
工程によって作られ、一般にADIと呼ばれる肉薄のツ
ーピース缶で、適正缶内圧力が0.3〜0.5Kgf/cm2とされ
る底壁が平坦な陽圧缶である実施例を示す。図5に打検
によって得たこの缶の固有振動周波数すなわち打検値と
缶内圧力との関係をグラフで示す。適正缶内圧力の0.3
〜0.5Kgf/cm2に対応する打検値は220(2.2KHz)〜260
(2.6KHz)であることが読み取れる。従ってこの実施例
では比較上限基準値として2.6KHzが、下限基準値として
2.2KHzが設定され、計測打検値と比較判定され、不適缶
の判別が出来る。この図5には示されていないが、この
缶における打検値と缶内圧力との関係はやはりV字状の
特性となっており、陰圧領域において同じ打検値を示す
缶内圧力部分が存在するので、変位計により検知したセ
ンターデプスの値から陰圧領域を判別する。図6にこの
被検査缶のセンターデプスと缶内圧力との関係特性をグ
ラフで示す。外気圧にほぼ等しい缶内圧力の際の缶底部
センターデプス、この場合4mmを閾値として設定し、計
測によって得られたセンターデプスの値をこれと比較
し、陽圧領域か陰圧領域かの判別を行い、陰圧不良缶の
判別を行うことは先の実施例と同じである。
【0018】所謂ADI缶はこの図5に示されたグラフ
から分かるように、缶内圧力が1Kgf/cm2を越えるような
陽圧領域になると打検値の特性曲線も寝てサチレートし
てくるため、打検による缶内圧力の検知も精度のよい検
査方法とはいえなくなってくる。これに対し、図6に示
されるように、缶底の変位(センターデプス)に関して
はこの比較的高い圧力領域においてもほぼ線形特性を保
っている。先に述べたようにこの缶底部の変位計測値は
ベルト自体の変位分を含んでおり、検出分解能において
その誤差分が無視できないものであるため、これによる
精度の良い缶内圧力の測定は困難である。しかし、例え
ば打検プローブとは反対側のベルト裏面方向に変位計を
配設するなどしてベルト自体の変位量を検出し、缶底部
の変位検出値からベルトの変位による誤差分を差し引
き、補正を加えればそれなりの信頼性のある缶内圧力測
定が可能となる。この他信頼性を向上させる手段として
は数回の計測を重ね積分することで、ランダム誤差を統
計的に消去することも有効である。そこで、この実施例
は特性曲線が寝て計測分解能が低下している比較的高い
圧力領域の打検検査方法と、本来測定分解能がよいとは
いえない缶底変位計測の検出値に上記のような適宜の補
正を加え、双方の測定値を加味することで0.5Kgf/cm2を
越える比較的高い圧力のADI陽圧缶の検査、例えば、
缶内圧力が0.6Kgf/cm2を越えた不良缶を、センターデプ
ス値2.7mmを上限基準値とする判定を加味することによ
って検査できるものである。
【0019】以上、表面処理鋼板の両面にポリエステル
フィルムをラミネートしたものから絞りしごき及びスト
レッチ加工により作られた肉薄のツーピース缶とアルミ
ニュウム製の絞りしごき工程によって作られ、一般にA
DIと呼ばれる肉薄のツーピース缶の実施例について説
明したが、本発明の缶打検システムはこれに限らず、ブ
リキ缶、TFSまた表面処理鋼板の缶にも広く適用でき
ることは当然である。また、実施態様ではライン上の被
検査缶を個々に検査するものとして説明してきたが、必
ずしもこれに限らず、カートンケース中の缶をカートン
の外から測定検査することも可能である。この検査の場
合にはケース内の缶列数に相当する数のセンサーを並列
して配設する必要がある。又各センサーはケース外から
計測することになるので、変位計としてはレーザ型等の
光学的なものは使用できないので、渦電流式変位計等が
用いられる。
【0020】
【発明の効果】本発明は、基本的に打検によって得られ
る缶の固有振動周波数値から缶内圧力を検知する手段
と、缶底部の変位量から缶内圧力の検知を行う手段の双
方から得られた情報を並列して用いることによって、適
正な缶の選別を行うことができる効果を有する。特に、
本発明によって、比較的低圧の陽圧缶において低圧領域
においては測定分解能のすぐれている打検検査法による
缶内圧力検知で適正缶の判別を行い、この方法ではノイ
ズとして混入してしまう陰圧領域の不良缶を缶底部の変
位測定によって別途識別することで、精度の良い缶選別
打検システムを提供できるものである。また、被検査缶
の温度を計測するとともに既知の温度特性から温度変化
に伴う缶内圧力に変化を演算補正する手段を備えること
で、更に精度の良い缶選別打検システムを提供できるも
のである。更には、特性曲線が寝て計測分解能が低下し
ている高圧領域の打検検査方法と、本来測定分解能がよ
いとはいえない缶底変位計測の検出値に適宜の補正を加
え、双方の測定値を加味することで0.5Kgf/cm2を越える
比較的高い圧力のADI陽圧缶の検査を行うことを可能
にするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の缶打検システムの全体構成を示す図。
【図2】被検査缶と打検プローブとの配置関係を示す側
面図。
【図3】実施例1の陽圧缶の打検値と缶内圧力との対応
特性例を示すグラフ。
【図4】実施例1の陽圧缶のセンターデプスと缶内圧力
との対応特性例を示すグラフ。
【図5】アルミニュウム製陽圧缶の打検値と缶内圧力と
の対応特性例を示すグラフ。
【図6】アルミニュウム製陽圧缶のセンターデプスと缶
内圧力との対応特性例を示すグラフ。
【符号の説明】
1 搬送ベルト 2 被検査缶 3 存在検知器 4 変位計 5 打検プローブ 6 温度センサ 7 リジェクター 8 設定入力手段 9 表示器 10 マイクロ・コ
ンピュータ 11 周波数解析部 12 コイル駆動

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶に衝撃波を与えてその缶の固有振動周
    波数を検出する手段と、缶底の変位を検出する手段とを
    備え、更に陰圧領域から陽圧領域にわたるほぼ線形の特
    性に基づいて前記変位量から缶内圧力の検知を行う手段
    と、缶内圧力と固有振動周波数とのほぼV字状の特性に
    基づいて前記固有振動周波数値から缶内圧力を検知する
    手段と、前記変位量から缶内圧力の検知を行う手段と前
    記固有振動周波数値から缶内圧力を検知する手段の双方
    から得られた情報に基づいて適正な缶の選別を行う手段
    とからなる缶打検システム。
  2. 【請求項2】 缶に衝撃波を与えてその缶の固有振動周
    波数を検出する手段と、缶底の変位を検出する手段とを
    備え、更に陰圧領域から陽圧領域にわたるほぼ線形の特
    性に基づいて前記変位量から缶内圧力が陽圧領域か陰圧
    領域かの判別を行う手段と、缶内圧力と固有振動周波数
    とのほぼV字状の特性に基づいて前記固有振動周波数値
    から缶内圧力を検知する手段と、前記陽圧領域を判別す
    る手段と缶内圧力を検知する手段双方から得られた情報
    に基づいて適正な缶の選別を行う手段とからなる缶打検
    システム。
  3. 【請求項3】 前記缶の温度を測定する手段を備え、温
    度変化に伴う前記特性の何れかまたは両方の変化を補正
    する手段を有する請求項1又は請求項2に記載の缶打検
    システム。
  4. 【請求項4】 缶内圧力が0.2〜0.8kgf/cm2の範囲を適
    正領域とする胴部と底部が一体に形成された2ピース陽
    圧缶を被検査缶とし、底部変位をセンターデプスの変化
    として検知することを特徴とする請求項1又は2に記載
    の缶打検システム。
  5. 【請求項5】 ベルトの変位を検出する手段と、前記検
    出変位量から該ベルトの変位に基づく誤差分を演算除去
    する手段とを備え、該誤差分を演算除去する手段と前記
    缶内圧力を検知する手段双方から得られた情報に基づい
    て適正な缶の選別を行う手段とからなる請求項1又は請
    求項3に記載の缶打検システム。
JP12426098A 1998-04-17 1998-04-17 缶打検システム Expired - Fee Related JP3409692B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12426098A JP3409692B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 缶打検システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12426098A JP3409692B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 缶打検システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11304631A true JPH11304631A (ja) 1999-11-05
JP3409692B2 JP3409692B2 (ja) 2003-05-26

Family

ID=14880935

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12426098A Expired - Fee Related JP3409692B2 (ja) 1998-04-17 1998-04-17 缶打検システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3409692B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001272385A (ja) * 2000-03-28 2001-10-05 Toyo Seikan Kaisha Ltd 線形予測係数法を用いた打検方法および打検装置
JP2003040235A (ja) * 2001-08-03 2003-02-13 Toyo Seikan Kaisha Ltd 密封缶
WO2009110295A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 東洋製罐株式会社 缶詰の内圧検査方法及びその装置
CN102338682A (zh) * 2011-08-30 2012-02-01 山东明佳包装检测科技有限公司 一种在线检测密封容器内压力的方法
CN105372016A (zh) * 2015-11-17 2016-03-02 上海金啤包装检测科技有限公司 一种漏气检测方法及检测装置、检测系统
EP3425385A1 (fr) * 2017-07-04 2019-01-09 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Procede de determination d'une proportion d'air dans un conteneur

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001272385A (ja) * 2000-03-28 2001-10-05 Toyo Seikan Kaisha Ltd 線形予測係数法を用いた打検方法および打検装置
JP2003040235A (ja) * 2001-08-03 2003-02-13 Toyo Seikan Kaisha Ltd 密封缶
WO2009110295A1 (ja) * 2008-03-05 2009-09-11 東洋製罐株式会社 缶詰の内圧検査方法及びその装置
JP2009210451A (ja) * 2008-03-05 2009-09-17 Toyo Seikan Kaisha Ltd 缶詰の内圧検査方法及びその装置
US8554508B2 (en) 2008-03-05 2013-10-08 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. Method and apparatus for inspecting internal pressure of can of canned goods
CN102338682A (zh) * 2011-08-30 2012-02-01 山东明佳包装检测科技有限公司 一种在线检测密封容器内压力的方法
CN105372016A (zh) * 2015-11-17 2016-03-02 上海金啤包装检测科技有限公司 一种漏气检测方法及检测装置、检测系统
EP3425385A1 (fr) * 2017-07-04 2019-01-09 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Procede de determination d'une proportion d'air dans un conteneur
FR3068786A1 (fr) * 2017-07-04 2019-01-11 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Procede de determination d'une proportion d'air dans un conteneur

Also Published As

Publication number Publication date
JP3409692B2 (ja) 2003-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6338272B1 (en) Method for determining parameters, for example level, pressure, gas composition in closed containers
JPS58144728A (ja) 圧力の変化を自動調整するデユアルヘツド計測装置
JP3409692B2 (ja) 缶打検システム
US9453776B2 (en) Internal pressure inspection apparatus and method for a sealed container
JPS5858463A (ja) 金属構造物の非破壊検査測定方法
JP5454750B2 (ja) 缶詰の内圧検査方法及びその装置
JP2007192646A (ja) 容器検査装置及び容器検査方法
WO1999033709A1 (fr) Conserves en boites a basse pression positive s'adaptant au controle de la pression interne, et corps de boite metallique
EP0693010B1 (en) A method of controlling the closing of a can or container, as well as a closing machine for carrying out the method
JP3811936B2 (ja) 表面傷の検出方法及び表面傷探傷装置
JP2001272385A (ja) 線形予測係数法を用いた打検方法および打検装置
JP3489477B2 (ja) 缶内圧判別方法及びその装置
JPS6125057A (ja) 管の超音波探傷法
JP4770084B2 (ja) 密封缶
JP3181811B2 (ja) 容器の気密漏洩試験方法
JPH0634360A (ja) 鋼板の形状測定方法
JPS5918428A (ja) 密封容器の内圧検査装置
JPH06213748A (ja) 密封容器の内圧不良検出方法及びその装置
JP6809961B2 (ja) 密封容器の内圧検査装置
JP3038871B2 (ja) ガス漏れ検出器
JPS6367845B2 (ja)
JP2001058617A (ja) 密封容器の密封不良検査方法および装置
JPH0743233A (ja) 缶内圧判別装置
JPH0566174A (ja) 密封不良缶検出方法及び装置
JP2013186068A (ja) 缶底深さ測定方法及びその装置並びに缶詰の内圧検査方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080320

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090320

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100320

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110320

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120320

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130320

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320

Year of fee payment: 11

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140320

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees